JP3311767B2 - 摺動材料及びその製造方法 - Google Patents

摺動材料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動特性に優れた皮膜
によって被覆された摺動材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車のエンジン部品、各種機
械部品などの摺動部には摺動特性にすぐれた皮膜を形成
できる表面処理を施した基材が使用されている。従来よ
り行われている表面処理には、窒化、クロムめっき、モ
リブデン溶射などがある。しかし、近年摺動部品の使用
条件が高速度化かつ高荷重化するに伴い、部品に要求さ
れる摺動特性はますます過酷なものとなり、従来の表面
処理では対応できない場合がある。したがって更に優れ
た耐摩耗性及び耐焼付性を有する皮膜が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】TiN,TiC,Cr
NなどのPVD皮膜は、優れた耐摩耗性及び耐焼付性を
示しており、特に窒化チタンや窒化クロムなどが実用化
可能な皮膜として注目され、一部の機械部品やエンジン
部品で使用されている。
【0004】しかし、現在ではこれら部品の使用条件が
さらに苛酷となり、これら窒化チタンや窒化クロムの皮
膜を用いても、摺動特性が十分とは言えない状況が生じ
ている。そこで、更に優れた耐摩耗性及び耐焼付性を有
する皮膜が要望されている。本発明は摺動特性に優れた
窒化クロム系硬質皮膜を被覆した摺動材料の特性をさら
に向上させるとともに、該摺動材料の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の摺動材料は、構成元素比が原子比でクロム:珪素:
窒素=1:0.05〜1.2:0.1〜1.2の範囲か
らなる組成を有し、かつ少なくとも窒化クロムと窒化珪
素が存在する皮膜を基材に被覆したことを特徴とする。
すなわち、本発明は、基材表面に必須物質が窒化クロム
と窒化珪素からなる皮膜が形成されていることを特徴と
する。
【0006】皮膜を構成する元素であるクロム及び珪素
はいずれも窒化物を形成し易い元素である。そこでクロ
ムと珪素の一部または全量を窒化物とし、皮膜中に窒化
クロム及び窒化珪素の2種類の窒化物を複合させること
ができる。複合皮膜の元素の組成は、クロム量を1とし
た場合、原子比でクロム:珪素:窒素=1:0.05〜
1.2:0.1〜l.2の範囲に限定される。クロムに
対する珪素が原子比0.05以下では窒化珪素生成の効
果が顕著でなく、またクロムに対する珪素の原子比が
1.2を上回ると皮膜の硬さは上昇するものの、皮膜の
密着力が低下しそして剥離傾向が増大する。また窒素は
クロムに対する原子比が0.1以下では窒化クロムの生
成が少なくなるので硬度が低くかつ耐摩耗性が低い。皮
膜の厚みは1〜50μmであることが望ましい。
【0007】上記した組成の皮膜においては、窒化物と
ならない金属Cr又はSiが存在することがある。かか
る金属Crは窒化物と比較し若干耐食性が劣っている
が、母材との界面での皮膜の熱膨張係数や結晶構造など
の変化を皮膜が窒化物単相よりなる場合に比べて小さく
なることにより密着力を高める。このように金属Cr及
びSiは利害得失があるが、総合的には窒化クロム及び
窒化珪素に比べて及ばないので、積極的には生成させな
いようにすることが好ましい。また、その生成量上限は
窒素の含有量により決定されるが、皮膜中で95%を超
えないようにすることが望ましい。さらに、母材と、窒
化クロム及び窒化珪素を含む皮膜との間に下地層として
クロムと珪素からなる合金層を好ましくは0.1〜2μ
mの厚さで設けることにより、熱膨張係数や結晶構造の
変化を小さくし、また柔軟性が優れているために皮膜の
密着力を高めることができる。下地層中のクロムと珪素
の原子比率は1:0〜1.2であることが好ましい。
【0008】本発明においては、PVD法によりクロ
ム、珪素および窒素を混合した気相と基板を接触させる
ことにより上記摺動材料を製造することができる。被覆
する基板材料は、鉄系材料、アルミ系材料、およびチタ
ン系材料より用途により選択される。以下詳しく説明す
るPVD法は、CVD(Chemical Vapor Deposition )
法などに比べ低温処理に類するが、蒸着現象による入熱
は避けられないので、できれば耐熱性のある鉄系材料を
基材として使用することが望ましい。
【0009】クロム及び珪素の蒸気に窒素を混合した気
相中プラズマを発生させると、クロムはイオン化し、窒
素イオンと反応し窒化クロムを形成する。また同様に珪
素もイオン化し、窒素イオンと結合し、窒化珪素を生成
する。その結果、基板表面に窒化クロム+窒化珪素の皮
膜が形成される。その際、窒素ガスの供給が少ない場
合、窒化クロム、窒化珪素に加え未反応のクロム、珪素
が残される。
【0010】 PVD法は、皮膜を形成する技術であ
り、基本的には蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィングの三法に分類できる。特に、本発明では、クロ
ム、珪素の蒸気物質を窒素と反応させて窒化クロム+窒
化珪素の皮膜を基板上に堆積させる反応性イオンプレー
ティング法が最も好ましい。
【0011】クロムと珪素の混合蒸気を得る方法として
は、クロムおよび珪素を個別に蒸発させてもよいし、ク
ロム−珪素合金を蒸発させてもよい。ただし別個に蒸発
させると、蒸発源および電子ビームなどの蒸発設備が複
数個必要となり、装置が複雑、大型化し、また機械操作
も繁雑となるので、クロム−珪素合金を蒸発材として使
用したほうが工業的には望ましい。
【0012】また蒸発方式に関しては、HCDガンや電
子ビームなどの高エネルギービームを合金蒸発源に照射
して溶解し、蒸気を得る方法は、蒸気圧が異なるクロム
と珪素が同時に溶解され蒸気圧の高いクロムの方が最初
に蒸発してしまい、クロムと珪素の組成比が安定せず皮
膜組成の制御が難しい。これに対し陰極アークプラズマ
式イオンプレーティング方式ならびにスパッタリング方
式は、合金材料を陰極ならびにターゲットとして合金を
同時に蒸発することができるので、蒸発材の組成を皮膜
に容易に転写でき、安定して組成を維持できる。ここで
スパッタリングとは、アルゴンガスをターゲットに衝突
させ、ターゲット粒子をたたきだしコーティングするの
で、陰極アークによる高密度エネルギーをもって陰極よ
り蒸発粒子が飛出す陰極アークプラズマ式イオンプレー
ティング方式に比べ、蒸着粒子のエネルギーが小さく密
着力が低い。
【0013】すなわち工業的生産を考慮すれば、本発明
材料の最も好ましい製造方法は、所望組成のクロムー珪
素の合金を陰極とする陰極アークプラズマ式イオンプレ
ーティング方式である。この製造方法により、小型で簡
略な装置により、所定の窒化クロム−窒化珪素組成を安
定して維持でき、かつ密着力も高い皮膜を容易に形成で
きる。
【0014】皮膜形成にあたっては、窒素ガス量を基材
より皮膜表面に向かい順次多くしたり、また複合皮膜中
の窒化物に対する金属比を基材との境界部では高く、皮
膜表面に向かって逐次低くすることにより複合皮膜の密
着性が更に高められる。即ち窒素ガスを導入するまえに
イオンプレーティングを行なうと、基材にクロムと珪素
の下地層が形成される。この下地層は、熱膨張率が基材
に近くかつ熱応力の影響を受けにくいため、密着性は良
好でありかつ柔軟性に富む。
【0015】この下地層を形成する代わりに窒素ガスの
導入量を少なくしてイオンプレーティングを開始し、そ
の後徐々に窒素ガス導入量を増大してもよい。下地層を
形成せずにあるいは下地層の厚さが所定厚さになったと
ころで徐々に窒素ガスを導入してイオンプレーティング
を続けると、蒸発したクロムと珪素の一部はそれぞれ窒
化クロムと窒化珪素に転換する。窒素ガス分圧が低いと
きは転換の割合が少なく、窒素ガス分圧が次第に高くな
るにつれて、転換の割合が多くなる。このように、硬質
の皮膜層が密着性及び柔軟性に富む下地層から連続的窒
素量変化を伴って形成されると皮膜の剥離防止に効果が
ある。
【0016】
【作用】窒化クロムは単一相でも耐焼付性及び耐摩耗性
に優れた特性を示すが、さらに摺動特性に卓越した窒化
珪素をその皮膜に含ませることにより、皮膜の摺動特性
を改良する。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する。 実施例1 本実施例では、材質がSKD61材の基板を使用し、そ
の表面に窒化クロム+窒化珪素皮膜を5μmPVDで形
成させた。PVD処理は陰極アークプラズマ式イオンプ
レーティング装置を用いた。基板をフロン洗浄し、表面
に付着した汚れを取り充分清浄化して、イオンプレーテ
ィング装置の真空チャンバー内に挿入した。
【0018】チャンバー内圧力が1.3×10-3Paに
なるまで真空引きを行なってから、イオンプレーティン
グ装置に内蔵されているヒーターにより300〜500
℃で加熱して基板の内在ガスを放出させ、その後200
℃まで冷却した。チャンバー内圧力が4×10-3Pa以
下になった時点でクロム−珪素からなる合金ターゲット
を陰極として、その表面でアーク放電を発生させクロム
イオンと珪素イオンを飛び出させる。この際基板にはバ
イアス電圧を−700〜−900V印加しておき、陰極
より飛び出した金属イオンを基板表面に高エネルギーで
衝突させる、いわゆるボンバードクリーニングにより基
板表面の酸化物除去と活性化処理を行なった。
【0019】その後バイアス電圧を低下させ金属イオン
を基板表面に堆積させながら、窒素ガスをチャンバー内
に導入し、プラズマ内を通過することにより窒素をイオ
ン化して、1.2×10-1〜1.6Pa程度の圧力とし
て、バイアス電圧を−10〜−100V印加して基板表
面にイオンプレーティング皮膜を形成させた。所定の膜
厚形成後、真空チャンバー内で200℃以下になるまで
冷却してから、基板をチャンバーから取り出した。
【0020】以上のような方法で皮膜を5μm形成し
た。さらに同様の方法により、組成比を変化させたクロ
ム−珪素合金蒸発源を使用し、かつ窒素流量を変化させ
様々な雰囲気圧下で形成した皮膜の組成、各元素の原子
比および硬度を調べた。組成および原子比は、XPS
(X線光電子分光法)によって分析した。分析にはクロ
ム2P3、珪素2P、窒素1S電子の各スペクトルを用
いた。また皮膜構成元素の原子比の測定結果は表1のよ
うである。表内の数字は、クロムを1とした場合の珪素
と窒素の原子比を示した。
【0021】
【表1】
【0022】各スペクトルのエネルギー値を比較し、組
成を分析した結果、皮膜ではクロムと珪素の一部は窒素
と化合してそれぞれ窒化クロムおよび窒化珪素を形成
し、さらに反応窒素ガス量が少ない条件下ではクロムお
よび珪素の一部が未反応でそれぞれ金属状態で存在して
いることが確認された。Cr:Si=80at%:20
at%なる蒸発源を使用して窒素流量を変化させ、種々
の雰囲気下で形成した皮膜のCrとSiの化合物構成比
を表2に示す。皮膜中のCr,Siについてそれぞれ窒
素と反応していない金属と窒化物の比率を示した。
【0023】
【表2】 蒸発源のCr:Si比を上記の値より変化させても、そ
れぞれの金属と窒化物の比率は表2とほぼ同じであっ
た。本発明皮膜の微小硬さ測定値を表3に示した。測定
はマイクロビッカース硬さ計を用い、荷重は10g、保
持時間15秒で実施した。
【0024】
【表3】 以上の結果より本発明皮膜は、微小硬さが1100以上
であり、この値から摩擦摩耗に対する耐摩耗性は良好で
あることが分かる。
【0025】実施例2 この実施例では本発明材料の耐焼付性を評価した。SK
D61材からなり、縦5mm×横5mm×高さ5mmのピン状
突起10(図1、2参照)を同心円上に等間隔に三個配
置した試験片を用いて、5mm角の正方形端面に本発明に
よる皮膜を厚さ5ミクロン形成した試験片を作成して、
超高圧摩耗試験機によって耐焼付性試験を行なった。試
験片の皮膜は、実施例1に記述した方法により形成し、
クロム:ニッケル:窒素=1:0.22:0.82なる
原子比であった。また、CrおよびSiの化合物比をX
PSで調べた結果、金属Cr:窒化Cr=75:25,
金属Si:窒化Si=45:55なる値であった。
【0026】比較例として、試験片の5mm角の端面に厚
さ100ミクロンのクロムめっき皮膜およびイオンプレ
ーティング法により厚さ5ミクロンの窒化クロム皮膜を
形成した試験片を用いて同様な試験を行なった。
【0027】本試験に用いた超高圧摩耗試験機の装置と
試験条件は次の通りである。試験装置は図1および図2
のA−A矢視断面図である図2に要部を図解的に示すも
のであって、ステータホルダ1に取り外し可能に取り付
けられた直径80mm×厚さ10mmの研磨仕上げを施した
円盤2(相手材)の中央には、裏側から注油口3を通し
て潤滑油が注油される。ステータホルダ1には図示しな
い油圧装置によって図において右方に向けて所定圧力で
押圧力Pが作用するようにしてある。円盤2に相対向し
てロータ4があり、図示しない駆動装置によって所定速
度で回転するようにしてある。ロータ4には試験片5が
表面処理層を形成した5mm角の正方形の端面をもつピン
状突起10を摺動面として円盤2に対し摺動自在に取り
付けてある。
【0028】このような装置において、ステータホルダ
1に所定の押圧力Pをかけ、所定の面圧で円盤2と試験
片5のピン状突起10とが接触するようにしておいて、
注油口3から摺動面に所定給油速度で給油しながらロー
タ4を回転させる。一定時間毎にステータホルダ1に作
用する圧力を段階的に増加していき、ロータ4の回転に
よって試験片5と相手の円盤2との摩擦によってステー
タホルダ1に生ずるトルクTをステンレスファイバー6
を介してロードセル7に作用せしめ、その変化を動歪計
8で読取り、記録計9に記録させる。トルクTが急激に
上昇したとき焼付が発生したものとして、この時の接触
面圧をもって耐焼付特性の良否を判断する。
【0029】試験条件は次の通りである。 摩擦速度 :8m/秒 相手材 :アルミニウム合金(A390) 接触面圧 :20kg/cm2 でならしを行なった後、焼付
発生まで10kg/cm2 ずつ増圧。各面圧に3分間保持。 潤滑油 :モーターオイル#30、油温80℃、供給
量250cc/分
【0030】試験の結果、本発明材料は接触面圧373
kg/cm2 で焼付が発生したが、比較材料のクロムめっき
の耐焼付面圧253kg/cm2 以上であり、窒化チタン皮
膜の283kg/cm2 に対しても耐焼付性が優れているこ
とが確認された。
【0031】実施例3 科研式摩耗試験機により本発明材料の摩耗試験を実施し
た。基板材質がSKD−61材で、形状は縦5×横5mm
×長さ20mm、長手方向の一方の先端をR6mmの曲面と
した試験片を用い実施例1に記述した方法により、先端
の曲面部に10μmの厚さで本発明皮膜を被覆した。皮
膜の元素比は、クロム:珪素:窒素=1:0.22:
0.82であった。
【0032】比較例として試験片先端R部に厚さ100
μmのクロムめっきおよびイオンプレーティング法によ
り厚さ6μmの窒化クロム皮膜を形成した試験片を用い
て同様な試験を行なった。
【0033】試験は、表面処理を施した試験片の先端R
部をドラム状に加工した相手材の外周部に曲面同士が線
接触するように合わせ、所定荷重を加え、所定速度で回
転する。潤滑は、モーターオイルを接触部に一定量供給
して行なった。試験条件は次の通りである。 摺動相手材:FC25材 摩擦速度 :8m/秒 摩擦距離 :150km 接触荷重 :4kg 潤滑条件 :潤滑油 モーターオイル#30、油温80
℃、供給量250cc/分 皮膜摩耗量および相手材摩耗量の測定結果を表4に示し
た。結果は、クロムめっき皮膜の試験結果を100とし
た相対値で表した。
【0034】
【表4】
【0035】表4により、本発明皮膜は、従来皮膜であ
るクロムめっきに比べ耐摩耗性が大幅に向上しているこ
とおよび窒化クロムと比較しても同程度以上であること
が明らかである。すなわち、比較材であるクロムめっき
皮膜に比べ、本発明材は皮膜摩耗量が約1/100と大
幅に減少し、また窒化クロムをイオンプレーティングし
た試料の摩耗量より20%程度減少している。また相手
材の摩耗もクロムめっき皮膜に対して大幅に減り、しか
も窒化クロム品とほぼ同様である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明は基材表面に窒化クロムと窒化珪素の複合皮膜を
被覆することによって、窒化クロム皮膜と比較して、耐
焼付性、耐摩耗性に優れた複合硬質材料を提供するもの
であり、ならびにかかる複合硬質材料を簡単な工程によ
りかつ安定して製造し得る方法を提供できる。
【0037】本発明材料は、ピストンリング、カムフォ
ロアなどのエンジン部品さらにはシューディスクなどの
エアーコンプレッサー部品をはじめとする摺動部品や切
削工具などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】超高圧摩耗試験機一部破砕説明図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ステータホルダ 2 円盤(相手材) 3 注油口 4 ロータ 5 試験片 6 ステンレスファイバー 7 ロードセル 8 動歪計 9 記録計 10 試験片のピン状突起(5mm角)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 F16J 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成元素比が原子比でクロム:珪素:窒
    素=1:0.05〜1.2:0.1〜1.2の範囲から
    なる組成を有し、かつ少なくとも窒化クロムと窒化珪素
    が存在する皮膜を基材に被覆したことを特徴とする摺動
    材料。
  2. 【請求項2】 前記皮膜が窒化クロム、窒化珪素、金属
    クロム及び金属珪素よりなり、基材表面から皮膜表面に
    向かって窒化クロムの窒化珪素に対する比率が増大して
    いることを特徴とする請求項1記載の摺動材料。
  3. 【請求項3】 前記皮膜と前記基材の間にクロムと珪素
    からなる下地層が介在することを特徴とする請求項1又
    は2記載の摺動材料。
  4. 【請求項4】 構成元素比が原子比でクロム:珪素=
    1:0.05〜1.2からなる合金を蒸発源とし、陰極
    アークプラズマ式イオンプレーティング方式によりクロ
    ム及び珪素原子のプラズマを陰極表面から飛び出させ、
    前記プラズマに窒素ガスを導入しながら、バイアス電圧
    をかけた基材の上に皮膜を被覆する摺動材料の製造方
    法。
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