JP3310552B2 - 姿勢制御装置 - Google Patents

姿勢制御装置

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JP3310552B2
JP3310552B2 JP23493596A JP23493596A JP3310552B2 JP 3310552 B2 JP3310552 B2 JP 3310552B2 JP 23493596 A JP23493596 A JP 23493596A JP 23493596 A JP23493596 A JP 23493596A JP 3310552 B2 JP3310552 B2 JP 3310552B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検出体の姿勢傾
斜角を検出する傾斜角検出手段と、この傾斜角検出手段
の検出情報に基づいて、被検出体を設定姿勢に制御する
姿勢制御手段とが備えられている姿勢制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記姿勢制御装置において、従来では、
例えば被検出体としての農作業車の左右傾斜角や前後傾
斜角等を傾斜角検出手段にて検出して、車体の姿勢を、
例えば水平姿勢(設定姿勢の一例)に維持させるように
姿勢制御を行うよう構成され、前記傾斜角検出手段とし
ては、例えば図2に示すように構成されたものがあっ
た。つまり、本体としての容器31の内部に、基準体と
してのシリコンオイル等の所定粘度の液体32を入れる
と共に、傾斜していない状態の容器に対して内部の液体
が重力により初期状態即ち液面水平状態に復帰している
ときに、同一形状の平行金属板を同一間隔で立設した検
出電極33が、各平行金属板について同一漬浸状態にな
るように傾斜角検出方向(図面左右方向)に沿って設定
間隔をあけて一対配置され、夫々の検出電極33の静電
容量を計測して、これらの計測値の差を傾斜角情報に変
換する変換回路部34が備えられて構成されていた。
【0003】又、このような傾斜角検出手段の検出情報
に基づいて、被検出体を設定姿勢に制御する姿勢制御手
段の一例として、例えば、特願平5‐141745号に
示されるように、被検出体としての機体に対して左右の
走行装置(クローラ走行装置)を独立して昇降駆動させ
る一対の駆動手段(油圧シリンダ)を備え、傾斜角検出
手段の検出情報に基づいて、機体を設定姿勢に維持する
ように各駆動手段を作動させるようにしたものがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の傾斜角検出
手段においては、検出特性の応答性を向上させる為には
前記液体の粘度を低くして、被検出体の姿勢変化に対し
て応答遅れの少ない状態で敏感に応答するように構成す
ることが好ましいが、そのようにすると、例えば、外乱
に起因した被検出体の振動や、あるいは、急激な姿勢変
化等によって液面が揺れ動いて、誤った傾斜角を検出し
てしまうおそれがあり、その結果、検出角が実際の傾斜
角より大きくなって、姿勢制御手段による姿勢制御操作
が過剰に行われて適正な制御が行えないものになってし
まうおそれがあった。
【0005】そこで、このような不利を回避する為に
は、液体の粘度を高くして、上述したような急激な姿勢
変化に対して敏感に応答しないように構成することが考
えられるが、このようにすると、液面が重力により初期
状態即ち液面水平状態に復帰するまでに時間が掛かり、
被検出体の姿勢変化に対する検出応答性が低下し、その
結果、検出角が実際の傾斜角より小さくなって、姿勢制
御手段による姿勢制御操作が不足して適正な制御が行え
ないものになってしまうおそれがあった。
【0006】又、傾斜角検出手段にて傾斜状態が検出さ
れた後、被検出体の姿勢を設定姿勢に制御するには、例
えば演算の為の処理時間や実際に姿勢を制御するための
物理的な処理時間が必要であり、姿勢制御手段には所定
の応答遅れが生じるのが一般的である。
【0007】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、被検出体の姿勢変化の検出応答性
を向上させることができるものでありながら、適正な姿
勢制御を行うことが可能となる姿勢制御装置を提供する
点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、前記傾斜角検出手段における検出可能な姿
勢傾斜角の変化速度が、前記姿勢制御手段が被検出体の
姿勢を制御する際における姿勢傾斜角の変化速度の上限
値よりも高くなるように設定されているので、被検出体
の姿勢変化に対する傾斜角検出手段の検出応答性が高い
ものになる。
【0009】そして、前記傾斜角検出手段の検出情報
が、検出情報修正手段によって、姿勢制御手段による姿
勢制御動作の応答が可能な情報となるように修正される
のである。つまり、被検出体の姿勢変化に対しては応答
性を向上させるものでありながら、傾斜角検出手段の検
出情報自体を、姿勢制御手段による姿勢制御動作の応答
が可能な情報、即ち、姿勢制御手段によって対応できな
いような急激な変化の情報が極力除去された情報とし
て、姿勢制御手段による被検出体の姿勢制御が実行され
ることになる。
【0010】その結果、被検出体の姿勢変化に対して
は、検出応答性を高めて極力検出精度を向上させるよう
にしながら、例えば、姿勢制御手段が応答出来ないよう
な被検出体の急激な姿勢変化等に起因して発生した傾斜
角検出手段の検出角と被検出体の実際の傾斜角との誤差
による姿勢制御操作の過不足を、極力少ないものにし
て、被検出体の適正な姿勢制御を行うことが可能となる
姿勢制御装置を提供できるに至った。
【0011】そして、前記検出情報修正手段が、傾斜角
検出手段の検出情報において、前記姿勢制御手段が被検
出体の姿勢を制御する際における姿勢傾斜角の変化速度
の上限値に対応する周波数と同じか又はほぼ同じ値に設
定されている設定周波数を越える周波数成分を除去する
フィルター手段で構成され、傾斜角検出手段の検出情報
をこのフィルター手段を通過させた後に、姿勢制御手段
に与えるように構成されている。
【0012】つまり、傾斜角検出手段の検出情報が前記
フィルター手段を通過することにより、前記設定周波数
を越える周波数成分、即ち、姿勢制御手段にて応答出来
ないような高い周波数が除去された状態で姿勢制御手段
に与えられることになるので、上述したような検出角の
誤差による姿勢制御操作の過不足を、極力少ないものに
して、被検出体の適正な姿勢制御を行うことが可能とな
る。
【0013】しかも、検出情報がフィルター手段を通過
する構成であるから、例えば、検出情報を修正する為に
特別な演算処理を実行するような構成に較べて、余計な
処理時間が不要で姿勢制御手段の応答特性を低下させる
おそれが少ない。
【0014】請求項に記載の特徴構成によれば、前記
傾斜角検出手段における検出可能な姿勢傾斜角の変化速
度が、前記姿勢制御手段が被検出体の姿勢を制御する際
における姿勢傾斜角の変化速度の上限値よりも高くなる
ように設定されているので、被検出体の姿勢変化に対す
る傾斜角検出手段の検出応答性が高いものになる。そし
て、前記傾斜角検出手段の検出情報が、検出情報修正手
段によって、姿勢制御手段による姿勢制御動作の応答が
可能な情報となるように修正されるのである。 つまり、
被検出体の姿勢変化に対しては応答性を向上させるもの
でありながら、傾斜角検出手段の検出情報自体を、姿勢
制御手段による姿勢制御動作の応答が可能な情報、即
ち、姿勢制御手段によって対応できないような急激な変
化の情報が極力除去された情報として、姿勢制御手段に
よる被検出体の姿勢制御が実行されることになる。 その
結果、被検出体の姿勢変化に対しては、検出応答性を高
めて極力検出精度を向上させるようにしながら、例え
ば、姿勢制御手段が応答出来ないような被検出体の急激
な姿勢変化等に起因して発生した傾斜角検出手段の検出
角と被検出体の実際の傾斜角との誤差による姿勢制御操
作の過不足を、極力少ないものにして、被検出体の適正
な姿勢制御を行うことが可能となる姿勢制御装置を提供
できるに至った。 そして、前記検出情報修正手段は、傾
斜角検出手段の検出情報における姿勢傾斜角の単位時間
当たりの変化量が、前記姿勢制御手段によって被検出体
の姿勢を修正する際における単位時間当たりの姿勢傾斜
角の変化量よりも大きい場合には、傾斜角検出手段の検
出情報における姿勢傾斜角の変化量を、前記姿勢制御手
段によって被検出体の姿勢を修正する際における単位時
間当たりの姿勢傾斜角の変化量に変更させるように構成
されている。
【0015】つまり、傾斜角検出手段における前記変化
量が、前記姿勢制御手段における前記変化量よりも大き
い場合、即ち、被検出体の姿勢変化が姿勢制御手段によ
り応答できないような速い姿勢変化であるときは、傾斜
角検出手段の検出情報における姿勢傾斜角の単位時間当
たりの変化量を、姿勢制御手段により応答が可能な変化
量に変更させることで、傾斜角検出手段の検出角と、実
際の被検出体の傾斜角との誤差を極力少なくさせて、上
述したような検出角の誤差による姿勢制御操作の過不足
を、極力少ないものにして、被検出体の適正な姿勢制御
を行うことが可能となる。
【0016】請求項に記載の特徴構成によれば、前記
傾斜角検出手段は、本体に対して重力により初期状態に
復帰付勢された基準体の、前記本体に対する角度を検出
するように構成されている。
【0017】本体が被検出体の姿勢変化に伴って傾斜し
ても、基準体は重力により初期状態に復帰付勢されてい
るので、この基準体の本体に対する角度によって、本
体、即ち、被検出体の傾斜角を検出することができる。
従って、重力を利用して極力簡素な構成で被検出体の傾
斜角を検出することができるのである。
【0018】請求項に記載の特徴構成によれば、前記
被検出体が農作業車の機体で構成され、姿勢制御手段
は、前記機体と、その機体に対して各別に相対昇降可能
に設けられた左右の走行装置各々との相対昇降位置を変
更操作自在な左右一対のアクチュエータと、傾斜角検出
手段の検出情報に基づいて前記各アクチュエータの動作
状態を制御する制御部とを備えて構成されている。
【0019】被検出体としての農作業車が、例えば接地
面の凹凸に起因して左右に傾斜したような場合に、傾斜
角検出手段の検出情報に基づいて、例えば、低位置にあ
る走行装置を機体に対して相対的に下降するように、言
い換えると機体を上昇させるようにアクチュエータを操
作するように制御して、機体を例えば水平姿勢等の設定
姿勢に変更させることができる。
【0020】このような農作業車等においては、機体の
振動等に起因して、傾斜角検出手段に上述したような検
出誤差が生じやすく、しかも、農作業車の機体等大型の
被検出体の姿勢制御を行う場合には姿勢修正操作が比較
的低速で行われることから、上記検出誤差に起因する姿
勢制御手段による姿勢制御操作の過不足量が大きくなる
おそれが大となるが、このような構成においても、適正
な姿勢制御を行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る姿勢制御装置
について、農作業車としてのコンバインの姿勢制御を行
う場合を例にとって図面に基づいて説明する。
【0022】図4に、圃場等に植付けられた穀稈を刈り
取り、刈り取った穀稈の脱穀処理を行うコンバインが示
されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走
行装置1を備えた機体Vに脱穀装置3、及び、脱穀され
た穀粒を貯溜するグレンタンク4が搭載されると共に、
機体の前部には、昇降用油圧シリンダ5の作動によって
横軸芯X周りで昇降揺動自在に刈取前処理部6が設けら
れ、この刈取前処理部6の横一側に搭乗運転部7が設け
られている。前記刈取前処理部6は、倒伏している植立
穀稈を立姿勢に引き起こす引起し装置8、引き起こされ
た穀稈の株元を切断する刈取装置9、刈り取った立姿勢
の穀稈を徐々に横倒れ姿勢になるように姿勢変更しなが
ら後方の脱穀装置3に向けて搬送する搬送装置10等を
備えて構成されている。尚、脱穀装置3の機体後方側に
は、脱穀された後の排ワラを細断して圃場に排出する排
ワラカッター11が設けられている。
【0023】そして、このコンバインには、例えば、左
右いずれかのクローラ走行装置1,1が走行路面の凹部
等に入り込み車体が左右に傾斜したような場合等におい
て、機体が刈取り用の設定姿勢に維持されるように被検
出体としての機体Vの傾斜姿勢を修正する姿勢制御手段
Hが備えられている。つまり、左右のクローラ走行装置
1,1が各別に機体Vに対して相対昇降自在に設けら
れ、上述したように機体Vが左右傾斜した場合には、い
ずれかのクローラ走行装置1を相対的に昇降させること
で、機体を設定姿勢に修正するように構成されている。
【0024】クローラ走行装置1が機体Vに対して相対
昇降するための構成について説明する。尚、左右のクロ
ーラ走行装置1,1は夫々同一構成であるから片側につ
いてのみ説明する。クローラ走行装置1は、図5に示す
ように、機体前部の駆動輪12、後部の緊張輪13、並
びに、それらの中間に位置する複数の接地転輪14の夫
々にわたって無端状のクローラベルト15が巻回される
と共に、エンジンからの駆動力がミッションケース16
を介して駆動輪12に伝えられ、駆動輪12によりクロ
ーラベルト15を回動駆動させて車体を走行させるよう
に構成されている。図5、図6に示すように、機体Vを
構成する機体フレーム17に連結固定されると共に、ク
ローラ走行装置1の機体内方側に位置し、且つ、機体前
後方向に延びる状態で固定側支持フレーム18が設けら
れ、この固定側支持フレーム18の前端側には前記駆動
輪12が回転自在に支持されている。そして、前記各接
地転輪14及び緊張輪13を回転自在に支持する可動側
支持フレーム19が、前記固定側支持フレーム18に対
して平行四連リンク機構によってほぼ平行状態を維持し
ながら相対上下動可能に支持されている。つまり、固定
側支持フレーム18に前後方向に所定間隔をあけて固定
された前後一対の軸受け部20,20に支持される各回
動軸21,21の一端側(車体横幅方向外方側)に一体
回動自在に揺動アーム22が設けられ、前後の各揺動ア
ーム22の他端側が可動側支持フレーム19に枢支連結
されて、平行四連リンク機構が構成され、しかも、前記
各回動軸21,21の他端側(車体横幅方向内方側)に
一体回動自在に設けられた前後の各操作アーム23,2
3同士が連結ロッド24にて連動連結されている。そし
て、後方側の操作アーム23に、基端側が機体フレーム
17に支持された姿勢制御用油圧シリンダCY(アクチ
ュエータの一例)のシリンダロッド25が枢支連結され
ている。
【0025】従って、前記姿勢制御用油圧シリンダCY
を伸縮操作させることで、前後の揺動アーム22,22
が各回動軸21,21の軸芯周りで揺動操作され、可動
側支持フレーム19がほぼ平行状態を維持しながら固体
側支持フレーム18、即ち、機体フレーム17に対して
相対的に昇降操作されるように構成されている。
【0026】尚、機体後方側の操作アーム23の近傍に
は、可動側支持フレーム19が上限操作位置及び下限操
作位置にあることを検出する為の上限検出用リミットス
イッチ26、下限検出用リミットスイッチ27が設けら
れている。
【0027】図1に姿勢制御用の制御ブロック図が示さ
れている。機体の絶対水平姿勢(所定姿勢)に対する左
右傾斜角を検出する重錘式の傾斜角センサS(傾斜角検
出手段の一例)が設けられ、機体Vの実際の傾斜状態を
検出するように構成され、又、機体Vの目標傾斜姿勢
(設定姿勢)を設定するための姿勢設定ボリューム28
が設けられている。そして、これらの検出情報に基づい
て、機体Vの傾斜姿勢が目標傾斜姿勢になるように、前
記各姿勢制御用の油圧シリンダCYに対する電磁操作式
の油圧制御弁29を切り換えて、油圧シリンダCYに対
する作動油の給排状態を制御する制御部としてのマイク
ロコンピュータ利用の制御装置30が設けられている。
従って、制御装置31、各油圧シリンダCY、及び油圧
制御弁29等により姿勢制御手段Hが構成されることに
なる。尚、機体が目標傾斜姿勢にあるときの、左右クロ
ーラ走行装置1,1の相対基準位置としては、左右の上
限検出用リミットスイッチ26,26が共にON状態を
検出する上限位置と、左右の下限検出用リミットスイッ
チ27,27が共にON状態を検出する下限位置のいず
れかに設定することができるが、いずれを基準位置とす
るかは、作業状況に応じて予め設定されるようになって
いる。例えば湿田であってクローラ走行装置1が泥面に
深く沈み込むような場合には、下限位置、即ち、機体V
に対してクローラ走行装置1が相対的に下方側に離間し
ている状態を基準とし、沈み込みが少ない乾田であれ
ば、上限位置、即ち、機体に対してクローラ走行装置1
が相対的に上方側に接近している状態を基準とする等の
使い分けができるようになっている。
【0028】前記傾斜角センサSは、図2に示すよう
に、被検出体としての機体Vに固定状態で取り付けられ
た角形の容器31(本体の一例)の内部にシリコンオイ
ル等の所定粘度の液体32(基準体の一例)が収容され
ると共に、傾斜していない状態(図2に示す状態)の容
器31に対して内部の液体32が重力により初期状態に
復帰しているとき、即ち、液面が水平状態のときに、同
一形状の平行金属板を同一間隔で立設した検出電極33
を、各平行金属板について同一浸漬状態になる状態で傾
斜角検出方向(図の左右方向)に沿って所定間隔をあけ
て一対配置し、更に、夫々の検出電極33の静電容量を
処理して傾斜角検出情報に変換処理する変換回路部34
を備えて構成されている。尚、傾斜角センサSは、その
傾斜角検出方向が車体横幅方向に一致するように配置さ
れている。
【0029】つまり、車体Vが横幅方向に傾斜していな
い状態では、両検出電極33,33の静電容量は同一で
あるが、車体Vが傾斜すると、図3に示すように、重力
により初期状態(液面水平状態)に復帰している液体3
2の液面は、傾斜の上側になる検出電極33については
下がり、傾斜の下側の検出電極33については上がるこ
とになるので、液面差が生じて両電極間の静電容量は同
一では無くなる。この静電容量の差は、機体の傾斜角に
応じて変化することになるので、変換回路部34が、こ
の静電容量の差の情報を制御装置30に入力する為の傾
斜角情報に変換処理するのである。このようにして、機
体Vの傾斜角が検出できるようになっている。尚、前記
液体32の粘度は比較的低い値に設定されており、機体
Vの姿勢変化に対して検出電極33との間の摩擦による
連れ動きが少なく、検出応答性に優れた状態で精度よく
傾斜角を検出できるように構成されている。
【0030】そして、前記傾斜角センサSの傾斜角情報
は、フィルター回路35(フィルター手段の一例)を通
して制御装置30に入力されるように構成されている。
このフィルター回路35は、設定周波数以上の高い周波
数成分を除去する(即ち、通過を阻止する)ローパスフ
ィルターを備えて構成されている。前記設定周波数とし
ては、前記姿勢制御手段Hにおける姿勢を制御する際に
おける姿勢傾斜角の変化速度の上限値に対応する周波数
と同じか又はほぼ同じ値に設定されている。つまり、姿
修正の応答可能な速度に対応する周波数であり、具体
的な数値で例示すると、約1秒間当たりに機体が約1°
の角度変化を行えるような速度の周波数に相当し、非常
に低い値になる。
【0031】その結果、例えば、圃場等の不整地を走行
することによって車体が頻繁に振動して、その振動に起
因して傾斜角センサSにおける液体が速い周波数で揺れ
動いて誤った傾斜角情報を検出するような場合や、車体
が大きく姿勢変化して検出角が車体の傾斜角以上に短時
間のみオーバーシュートするような場合等において、こ
のような速い周波数成分が除去されることになり、この
ように、機体の実際の傾斜角と検出角との間に検出誤差
が生じるような場合であっても、そのことに起因して、
油圧シリンダCYによる姿勢修正操作量に大きく過不足
が生じる等の不都合を未然に回避させることができるも
のとなる。
【0032】従って、前記フィルター回路35を利用し
て、傾斜角センサSの検出情報を、姿勢制御手段Hによ
る姿勢制御動作の応答が可能な情報となるように修正す
る検出情報修正手段KSが構成されることになる。
【0033】例えば、前記上限位置が基準位置として走
行しており、且つ、目標傾斜姿勢として水平姿勢が設定
されている場合に、図7に示すように、接地面の凹凸等
に起因して車体が左右に傾斜した場合における姿勢制御
動作について説明すると、傾斜角センサSにより水平姿
勢からの傾斜角が検出されて、その検出情報に基づいて
制御装置が傾斜下方側に位置する(図7では左側)油圧
シリンダCYを伸長操作させることによって、対応する
クローラ走行装置1を相対的に下降させることで、図7
の仮想線にて示すように機体Vが水平姿勢に修正される
ことになる。
【0034】そして、車体の走行に伴って地面の細かな
凹凸やエンジンによる車体の細かな振動等に起因して、
傾斜角センサSの検出値が図8(イ)に示すように速い
周波数で細かく変化するような場合や、外乱等によって
局所的に急激に変化するような場合であっても、その検
出情報がフィルター回路35によって上述したように修
正されることによって、図8(ロ)に示すように姿勢制
御が充分応答可能な滑らかな変化情報に修正され、姿勢
制御が適切な操作量で良好に行われるものとなる。
【0035】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、検出情報修正手段KSとし
て、傾斜角センサS(傾斜角検出手段)の傾斜角情報
を、設定周波数以上の高い周波数成分を除去するフィル
ター回路(フィルター手段の一例)を通して制御装置3
0に入力されるように構成した場合を例示したが、この
ような構成に代えて、次のように構成してもよい。
【0036】傾斜角検出手段(傾斜角センサS)の検出
情報における姿勢傾斜角の単位時間当たりの変化量が、
前記姿勢制御手段Hによって機体(被検出体)の姿勢を
修正する際における単位時間当たりの姿勢傾斜角の変化
量よりも大きい場合には、傾斜角検出手段の検出情報に
おける姿勢傾斜角の変化量を、姿勢制御手段によって機
体の姿勢を修正する際における単位時間当たりの姿勢傾
斜角の変化量に変更させるように構成するものでもよ
い。説明を加えると、この検出情報修正手段KSが、制
御装置30に制御プログラム形式で備えられ、制御装置
30は以下のように制御を実行するように構成されてい
る。
【0037】図9に姿勢制御用の傾斜角の出力制御のフ
ローチャートを示している。尚、この制御は設定単位時
間(5ms)毎に繰り返して実行するようになってい
る。先ず、傾斜角センサSの現在検出値Xn を読み込み
(ステップ1)、前回の検出値Xn-1 との差の絶対値、
即ち、傾斜角センサSの検出情報における単位時間当た
りの変化量が、姿勢制御手段Hによって機体(被検出
体)の姿勢を修正する際における単位時間当たりの姿勢
傾斜角の変化量α(油圧シリンダによる機体の姿勢修正
の変化量)よりも大きい場合には(ステップ2)、変化
の正負を判別して、「正」ならば、つまり、検出値が増
大していれば、前回の制御用指令値Pn- 1 に姿勢制御手
段によって機体の姿勢を修正する際における単位時間当
たりの姿勢傾斜角の変化量αを加えた値を現在の制御用
指令値Pn として設定し(ステップ3,4)、「負」な
らば前記変化量αを減算した値を制御用指令値Pn とし
て設定する(ステップ5)。
【0038】又、現在検出値Xn と前回の検出値Xn-1
との差の絶対値が前記変化量αより小さければ、検出値
変化の正負を判別して(ステップ6)、「正」ならば、
前回の制御用指令値Pn-1 に前記変化量αを加えた値A
1 と現在検出値とを比較し、現在検出値Xn が前記値A
1 よりも小さければ、その現在検出値を制御用指令値と
して設定し、現在検出値Xn が前記値A1 よりも大きけ
れば、その値を制御用指令値として設定する(ステップ
7〜10)。ステップ6での判別が「負」ならば、前回
の制御用指令値Pn-1 から前記変化量αを減算した値A
2 と現在検出値Xn とを比較し、現在検出値Xn が前記
値A 2 よりも大きければ、その現在検出値Xn を現在の
制御用指令値Pn として設定し、現在検出値Xn が前記
値A2 よりも小さければ、その値A2 を現在の制御用指
令値Pn として設定する(ステップ11〜13,9)。
【0039】従って、制御用指令値として極力、傾斜角
センサSの検出値に近い値となるようにしながら、制御
用指令値の単位時間当たりの変化量が常に、姿勢制御手
段により対応可能な変化量αよりも大きくなることが無
く、姿勢制御が適切な操作量で良好に行われるものとな
る。
【0040】
【0041】()上記実施形態では、被検出体とし
て、コンバインの機体の左右傾斜を検出するようにした
が、例えば、機体の前後傾斜角を検出する構成であって
もよく、又、コンバイン等の農作業車に限らず、その他
の移動車や、定置式の装置の傾斜状態を検出する構成で
あってもよく、被検出体としてはどのようなものであっ
てもよい。
【0042】()上記実施形態では、油圧シリンダに
て被検出体の姿勢を修正するようにしたが、電気式アク
チュエータや、その他のアクチュエータ等を用いて実施
してもよい。
【0043】()上記実施形態では、傾斜角検出手段
として、一対の検出電極にて容器に入れられた液体の傾
斜状態を検出するようにしたが、例えば、被検出体に固
定の本体に対して重力により鉛直姿勢に復帰付勢された
振り子の本体に対する角度を検出するように構成する
等、各種の形態で実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御ブロック図
【図2】傾斜角センサを示す図
【図3】傾斜角の検出状態を示す図
【図4】コンバインの全体側面図
【図5】クローラ走行装置の側面図
【図6】クローラ走行装置の縦断正面図
【図7】機体の傾斜状態を示す簡略化した正面図
【図8】傾斜角検出情報を示す図
【図9】別実施形態の制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1,1 走行装置 30 制御部 31 本体 32 基準体 35 フィルター手段 CY アクチュエータ KS 検出情報修正手段 H 姿勢制御手段 S 傾斜角検出手段 V 被検出体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 67/00 B62D 55/116

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出体の姿勢傾斜角を検出する傾斜角
    検出手段と、この傾斜角検出手段の検出情報に基づい
    て、被検出体を設定姿勢に制御する姿勢制御手段とが備
    えられている姿勢制御装置であって、 前記傾斜角検出手段における検出可能な姿勢傾斜角の変
    化速度が、前記姿勢制御手段が被検出体の姿勢を制御す
    る際における姿勢傾斜角の変化速度の上限値よりも高く
    なるように設定され、 前記傾斜角検出手段の検出情報を、前記姿勢制御手段に
    よる姿勢制御動作の応答が可能な情報となるように、修
    正する検出情報修正手段が備えられ、 前記検出情報修正手段が、 前記傾斜角検出手段の検出情報において、前記姿勢制御
    手段が被検出体の姿勢を制御する際における姿勢傾斜角
    の変化速度の上限値に対応する周波数と同じか又はほぼ
    同じ値に設定されている設定周波数を越える周波数成分
    を除去するフィルター手段で構成され、 前記傾斜角検出手段の検出情報をこのフィルター手段を
    通過させた後に、前記姿勢制御手段に与えるように構成
    されている 姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 被検出体の姿勢傾斜角を検出する傾斜角
    検出手段と、この傾斜角検出手段の検出情報に基づい
    て、被検出体を設定姿勢に制御する姿勢制御手段とが備
    えられている姿勢制御装置であって、 前記傾斜角検出手段における検出可能な姿勢傾斜角の変
    化速度が、前記姿勢制御手段が被検出体の姿勢を制御す
    る際における姿勢傾斜角の変化速度の上限値よりも高く
    なるように設定され、 前記傾斜角検出手段の検出情報を、前記姿勢制御手段に
    よる姿勢制御動作の応答が可能な情報となるように、修
    正する検出情報修正手段が備えられ、 前記検出情報修正手段は、 前記傾斜角検出手段の検出情報における姿勢傾斜角の単
    位時間当たりの変化量が、前記姿勢制御手段によって被
    検出体の姿勢を修正する際における単位時間当たりの姿
    勢傾斜角の変化量よりも大きい場合には、 前記傾斜角検出手段の検出情報における姿勢傾斜角の変
    化量を、前記姿勢制御 手段によって被検出体の姿勢を修
    正する際における単位時間当たりの姿勢傾斜角の変化量
    に変更させるように構成されている 姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜角検出手段は、 本体に対して重力により初期状態に復帰付勢された基準
    体の、前記本体に対する角度を検出するように構成され
    ている請求項1又は2 記載の姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記被検出体が農作業車の機体で構成さ
    れ、 前記姿勢制御手段は、 前記機体と、その機体に対して各別に相対昇降可能に設
    けられた左右の走行装置各々との相対昇降位置を変更操
    作自在な左右一対のアクチュエータと、 前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて前記各アクチ
    ュエータの動作状態を制御する制御部とを備えて構成さ
    れている 請求項1〜3のいずれか1項に記載の姿勢制御
    装置。
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