JP3310161B2 - 圧延疵の発生しないスラブの製造方法およびそのスラブ - Google Patents

圧延疵の発生しないスラブの製造方法およびそのスラブ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延により製
造された鋼板の表裏面四周部に圧延疵の発生しないスラ
ブの製造方法およびそのスラブの技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延により製造された鋼板には、幅
方向端部から数十mmの範囲に鋼板長手方向に延びる線状
疵あるいはシーム疵と呼ばれる圧延疵が発生することが
ある。また、この疵は圧延方向によっては鋼板の先後端
部に発生することもある。
【0003】現状、これら鋼板の表裏面四周部に発生し
た圧延疵は、グラインダー手入れや溶接手入れなど余分
な工程を追加することにより手直しされている。また、
手直しできない深い疵がある場合は、その鋼板は不合格
となる。また、この疵を鋼板内に残さないためには鋼板
幅方向の切り捨て量(耳部)を多くする必要があり、極
めて歩留の低いスラブ設計となる。
【0004】この疵を防止するために、これまで多くの
方法が提案されている。例えば、特開昭60-33803号公報
では、スラブのコーナを面取りすることによって、熱間
圧延中にスラブ側面の一部が鋼板の表裏面に廻り込んで
発生する線状疵を防止する方法が提案されている。ま
た、特公昭59-39202号公報では、スラブのコーナに丸み
を付けることによって、スラブコーナの温度低下によ
り、熱間圧延中に発生する鋼板表裏面の耳割れ(線状
疵)を防止する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、線状疵は、熱
間圧延中にスラブ側面が鋼板の表裏面に廻り込んでくる
ために発生するもので、上記のスラブのコーナを面取り
する方法、あるいはスラブのコーナに丸みを付ける方法
においても線状疵が発生することがある。この理由は、
スラブコーナの面取り範囲あるいは丸み付け範囲を超え
たスラブ側面に線状疵の原因となる疵が存在すると、こ
れが熱間圧延中に鋼板の表裏面に廻り込んで線状疵とな
るからである。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、スラブ厚、製品厚、パス間の圧下率、
総圧下率、スラブ表裏面の温度差等の圧延条件から熱間
圧延時のスラブ側面の鋼板表裏面への廻り込み量を求
め、この範囲内にある線状疵の原因となる疵を取り除く
ことによって、圧延疵の発生しないスラブを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】その要旨は、鋼板の熱間
圧延時のパス間の圧下率、総圧下比などの圧延条件から
決定される圧延後の鋼板表面または裏面へ廻り込むスラ
ブコーナからのスラブ側面距離d1 を求めておき、次に
熱間圧延するスラブ側面に凹型形状部が存在する領域の
スラブコーナからの距離d2 を測定し、前記d1 とd2
を比較し、d1≧d2 のときはd2 に存在する凹型形状
部を、d1 <d2 のときはd1 に存在する凹型形状部を
機械的または熱的に除去する圧延疵の発生しないスラブ
の製造方法である。また、この製造方法によって製造さ
れた圧延疵の発生しないスラブである。
【0008】鋼板表裏面四周部に発生する線状疵は図1
(a) 、(b) に示すように、(a) は鋼板の幅方向端部に長
手方向に発生する線状疵1を、(b) は鋼板の先後端部に
幅方向に発生する線状疵1を示している。(a) 、(b) 両
者の違いはスラブ長手方向に対して縦方向圧延したか、
横方向圧延したかの違いによるもので、縦方向圧延と横
方向圧延を行った鋼板では(a) 、(b) 両者の線状疵1が
発生する。これらの線状疵は熱間圧延時のメタルフロー
に沿って、鋼板表面から内部に向かって斜めに発生し、
中にはスケールを噛み込んでいることから熱間圧延中に
発生していることがわかる。
【0009】次に、鋼板の幅方向端部に長手方向に発生
する線状疵の発生起点を特定するために、図2(a) に示
すように、厚さ150mm 、幅150mm 、長さ 500mmの実験用
スラブ5のコーナにステンレス鋼(SUS304)の溶接ビード
2を置き、厚さ20mm、幅175mm 、長さ3200mmの鋼板に熱
間圧延実験を行った。熱間圧延後の線状疵の発生状況を
図2(b) に示す。図2(b) に示すように、線状疵1は溶
接ビード2と鋼板幅方向端部との間に発生しており、線
状疵1の発生起点がスラブ側面にあることがわかる。し
かも鋼板幅方向端部の圧延ロールに接触していた部分に
発生していることから、スラブ側面のコーナ付近の疵が
線状疵の発生原因になっていることがわかる。
【0010】そこで、スラブ側面のコーナ付近の表面状
態を実製造に用いるスラブについて調査し、さらにこれ
らのスラブを熱間圧延したときの線状疵の発生状況を調
査した。その結果を図3に示す。図中は、連続鋳造ま
まの普通の形状で、スラブ厚中央部は膨らんだ形状にな
っているが、コーナ付近の側面がなだらかであるため、
熱間圧延後の鋼板には線状疵は発生していない。は連
続鋳造ままのスラブではあるが、コーナ付近の側面が凹
型の形状であるため、熱間圧延後の鋼板幅方向端部には
不連続の線状疵が発生している。およびは疵手入れ
のために溶削あるいは研削によりスラブ側面が凹型形状
になったものである。はコーナ付近の側面に大小の複
数の凹型形状部があるため、熱間圧延後の鋼板幅方向端
部に複数本の不連続の線状疵が発生している。はコー
ナ付近の側面に大きい2本の凹型形状部があるため、熱
間圧延後の鋼板幅方向端部に2本の不連続の線状疵が発
生している。
【0011】上述のように、線状疵はスラブ側面の凹型
形状部が起点となり、熱間圧延中にこれが押し込まれ、
圧延がさらに進行することにより鋼板の表裏面に廻り込
み、鋼板幅方向端部に長手方向に線状疵が発生するもの
と考えられる。したがって、熱間圧延中に鋼板の表裏面
に廻り込むスラブ側面の凹型形状部を除去し、スラブ側
面を平坦にすることにより鋼板の表裏面四周部に発生す
る線状疵を防止することができる。すなわち、凹型形状
部を除去した跡が熱間圧延中に押し込まれ線状疵となら
ないように、スラブ側面はなだらかな凸型(図3)ま
たは平坦に仕上げる。
【0012】そこで、本発明者らは、まず熱間圧延時の
鋼板の表裏面へ廻り込むスラブコーナからのスラブ側面
距離d1 について検討した。スラブ側面距離d1 は、鋼
種(成分系)、スラブサイズ、鋼板サイズ、パス間の圧
下率、総圧下比、スラブの表裏面温度差、スラブに対す
る圧延方向等の圧延条件、すなわち、多くの熱間圧延因
子によって決まるため、熱間圧延ごとに求めることが好
ましいが、過去の熱間圧延実績を利用することもでき
る。さらに進めて、過去の熱間圧延実績を統計処理し
て、スラブ側面距離d1 を推定する一般式を求め、これ
を利用してスラブ側面距離d1 を求めてもよい。
【0013】凹型形状部が存在する領域のスラブコーナ
からの距離d2 は、熱間圧延対象スラブごとに測定す
る。このd2 と前述のスラブ側面距離d1 とを比較し
て、図4に示すように、d1 ≧d2 のときはd2 に存在
する凹型形状部を、d1 <d2 のときはd1 に存在する
凹型形状部を除去して平坦に仕上げる。凹型形状部の除
去は、図3のように、連続鋳造まま材でスラブコーナ
直下に凹型形状部が有る場合は、図5(a) に示すよう
に、凹型形状部3の突起部4を、図3、のように、
スラブ側面に複数の凹型形状部が有る場合は、図5(b)
に示すように、凹型形状部3の突起部4を除去すること
で行う。
【0014】凹型形状部の除去方法は、グラインダ研
削、刃物による切削等の機械的方法またはガス、レーザ
ー等による溶削等の熱的方法が一般的であるが、特に具
体的な方法を限定するものではない。また、ホットスカ
ーフ設備や、スラブグラインダ設備に前述のスラブ側面
距離d1 を与え、凹型形状部の除去を自動化することも
可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】実施例を挙げて本発明の実施の形
態について説明する。表1に示すように、スラブ厚 230
mm〜280mm の連続鋳造スラブを用い、厚さ20mm〜35mmの
鋼板に熱間圧延した。このときの圧延後の鋼板表面また
は裏面へ廻り込むスラブコーナからのスラブ側面距離d
1 、凹型形状部が存在する領域のスラブコーナからの距
離d2、凹型形状部除去長さおよび圧延方向を表1に示
す。また、圧延後の線状疵発生状況を表1に示す。な
お、上記d1 は過去の熱間圧延実績を利用し、凹型形状
部の除去はスラブグラインダで行い、スラブ側面を平坦
に仕上げた。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、本発明例は、d1 とd
2 を比較し、d1 ≧d2 のときはd 2 に存在する凹型形
状部を、d1 <d2 のときはd1 に存在する凹型形状部
を除去しているため、縦方向圧延、横方向圧延において
も、鋼板の幅方向端部、先後端部には線状疵は発生して
いない。
【0018】これに対して、比較例 No.1、2は連続鋳
造ままのスラブで、図3のように、スラブコーナの直
下が凹型形状であるが、これを除去していないため、縦
方向圧延では鋼板の幅方向端部に、横方向圧延では鋼板
の先後端部に線状疵が発生している。比較例 No.3はd
1 が41mmで、d2 が60mmであるが、凹型形状部の除去長
さが90mmであるため、線状疵が発生している。比較例 N
o.4はd1 が32mmで、d2 が77mmであるが、凹型形状部
の除去長さが20mmであるため、線状疵が発生している。
【0019】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、圧延後の鋼板表面または裏面へ廻り込むスラ
ブコーナからのスラブ側面距離d1 を求め、このスラブ
側面距離d1 に存在する線状疵の原因となる凹型形状部
を除去しているため、縦方向圧延、横方向圧延において
も鋼板の幅方向端部、先後端部に線状疵が発生しないス
ラブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表裏面四周部に発生する線状疵を示し、
(a) は鋼板の幅方向端部に長手方向に発生する線状疵
を、(b) は鋼板の先後端部に幅方向に発生する線状疵を
示す図である。
【図2】鋼板の幅方向端部に長手方向に発生する線状疵
の発生起点を特定するための実験方法の説明図で、(a)
はスラブコーナ四周に溶接ビードを置いた図で、(b) は
線状疵の発生状況を示す図である。
【図3】スラブ側面のコーナ付近の表面状態と線状疵の
発生状況との関係を示す図である。
【図4】スラブ側面に存在する凹型形状部を除去するた
めの熱間圧延時の鋼板の表裏面へ廻り込むスラブコーナ
からのスラブ側面距離d1 と凹型形状部が存在する領域
のスラブコーナからの距離d2 との関係を示す図で、
(a) はd1 ≧d2 のとき、(b) はd1 <d2 のときの関
係を示す図である。
【図5】凹型形状部の除去例を示す図で、(a) はスラブ
コーナ直下に凹型形状部が有る場合の例を、(b) はスラ
ブ側面に複数の凹型形状部が有る場合の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…線状疵、2…溶接ビード、3…凹型形状部、4…突
起部、5…スラブ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−262807(JP,A) 特開 平4−33701(JP,A) 特開 昭60−33803(JP,A) 特開 昭63−16803(JP,A) 特開 昭59−189002(JP,A) 特公 平6−4162(JP,B2) 特公 平6−241(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の熱間圧延時のパス間の圧下率、総
    圧下比などの圧延条件から決定される圧延後の鋼板表面
    または裏面へ廻り込むスラブコーナからのスラブ側面距
    離d1 を求めておき、次に熱間圧延するスラブ側面に凹
    型形状部が存在する領域のスラブコーナからの距離d2
    を測定し、前記d1 とd2 を比較し、d1 ≧d2 のとき
    はd2 に存在する凹型形状部を、d1 <d2 のときはd
    1 に存在する凹型形状部を機械的または熱的に除去する
    ことを特徴とする圧延疵の発生しないスラブの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法によって製造さ
    れた圧延疵の発生しないスラブ。
JP11243496A 1996-05-07 1996-05-07 圧延疵の発生しないスラブの製造方法およびそのスラブ Expired - Fee Related JP3310161B2 (ja)

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