JP3305310B1 - 温度測定方法 - Google Patents

温度測定方法

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JP3305310B1
JP3305310B1 JP2001370871A JP2001370871A JP3305310B1 JP 3305310 B1 JP3305310 B1 JP 3305310B1 JP 2001370871 A JP2001370871 A JP 2001370871A JP 2001370871 A JP2001370871 A JP 2001370871A JP 3305310 B1 JP3305310 B1 JP 3305310B1
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  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
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Abstract

【要約】 【課題】 チャンバ内の温度,温度分布を高い精度で測
定しうる温度測定方法と、温度測定に適したサンプルの
作成方法とを提供する。 【解決手段】 自然酸化膜11を有するシリコン基板1
0にAsを注入すると、アモルファス領域10aが形成
され、アモルファス領域10aは、酸素濃度が臨界値以
上の高濃度酸素領域10aaと、酸素濃度が臨界値よりも
低い低濃度酸素領域10abとに分かれる。その後、酸素
イオンの注入を行なうと、高濃度酸素領域10aaがアモ
ルファス領域全体に拡大される。アニールを行なうと、
アモルファス領域の厚みが小さくなるのを利用して、回
復レートを求める。さらに、アニール温度と回復レート
との関係を利用して、アニール温度を求める。アモルフ
ァス領域の酸素濃度を臨界値以上に調整することによ
り、回復レートをほぼ一定の小さな値にすることがで
き、温度測定の精度及び信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャンバ内の所定
領域の温度,温度分布を測定するための温度測定方法,
これに供するサンプルの作成方法及び温度測定方法を利
用した半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程では、チャンバ内
において、CVD,イオン注入,熱処理(アニール),
プラズマエッチングなどの処理が行なわれ、これらの処
理により、ウエハ上への成膜,ウエハ内への不純物の導
入,不純物の活性化による拡散層の形成,形成された膜
のパターニング等が行なわれる。その際、これらの処理
はそれぞれ定められた適正な条件下で行なわれなければ
ならないが、その条件の1つに温度がある。特に、チャ
ンバ内に設置されたウエハのある部位における温度やウ
エハ面内の温度分布などは、CVD工程や熱処理工程な
どを管理する上で重要なパラメータである。
【0003】そこで、従来より、製造工程における各処
理の際の温度や温度分布を測定する方法として、種々の
方法が採用されている。
【0004】例えば、高速加熱処理であるRTA処理を
行なうためのチャンバに熱電対を取り付けたり、ウエハ
の裏面に熱電対を付けたもの(TCウエハ)が用いられ
ている。また、赤外線の検出などを用いた光学的測定に
よってチャンバ内の温度を測定する方法も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の温度測定方法においては、以下のような不具合があ
った。
【0006】例えば、TCウエハを用いた温度測定にお
いては、ウエハの裏面の温度は検出できてもウエハ上面
の温度はわからない。また、温度の測定範囲にも限界が
あり、ある程度高温(500〜600℃以上)になる
と、測定精度が悪化するといわれている。
【0007】また、光学的測定の場合、プラズマの影響
を受けて光学的ノイズ等が発生するために正確な温度測
定ができないという不具合があった。さらに、限られた
ポイントのみの温度値を知るだけではウエハの面内温度
分布までは測定することができなかった。
【0008】特に、ウエハ面内の温度分布については、
TCウエハを用いても、信頼性の高い温度分布測定を行
なうことが困難であった。
【0009】本発明の第1の目的は、イオン注入されて
単結晶状態からアモルファス領域になった部分のアニー
ルによる回復の進行状態が温度依存性とイオン注入条件
依存性とを有することに着目し、分光エリプソメトリな
どを利用してそのアモルファス領域の厚みを測定しそれ
を温度に換算して温度測定を行なうとともに、この温度
測定の精度の向上を図ることにある。
【0010】また、本発明者達は、分光エリプソメトリ
を利用して温度測定の精度の向上を図る過程において、
温度測定の精度の向上のための処理とアモルファス領域
の形状の改善とが互いに強い関連性を有することを発見
した。そこで、本発明は、この発見に基づいて、チャネ
リング防止のためやシリサイド化処理の前処理の1つと
して行なわれるプレアモルファス注入の条件の改善を図
ることを第2の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の温度測定
方法は、基板の半導体領域内に形成されたアモルファス
領域中に酸素をドープするステップ(a)と、上記アモ
ルファス領域を一定時間加熱してアモルファス領域が再
結晶化する回復レートを求めるステップ(b)と、予め
準備されている上記アモルファス領域の回復レートと加
熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(b)におけ
るアモルファス領域の温度を求めるステップ(c)を含
んでいる。
【0012】この方法により、酸素の濃度により、アモ
ルファス領域を加熱した時の回復レートを調整すること
が可能になり、所望の温度範囲における温度測定を行な
うことが可能なる。
【0013】上記ステップ(a)では、上記ステップ
(b)における回復レートを加熱の開始時からほぼ一定
にするための臨界値に達するように酸素をドープするこ
とにより、回復レートつまり温度の測定が容易かつ信頼
性の高いものとなる。
【0014】上記ステップ(a)を行なう前の上記基板
の半導体領域の上には酸化膜が形成されている場合に
は、上記ステップ(a)の前に、上記半導体領域に不純
物のイオン注入を行なうことにより上記アモルファス領
域を形成するステップをさらに含むことができる。
【0015】この方法により、不純物イオンの注入によ
ってノックオンされてアモルファス領域に侵入した酸素
による悪影響を回避することが可能になる。
【0016】また、上記ステップ(a)に示す工程の前
に、減圧下で上記半導体領域の上の自然酸化膜を除去す
るステップをさらに含み、上記ステップ(a)は、自然
酸化膜を除去するステップの後、基板を大気雰囲気にさ
らすことなく減圧状態下に保持した状態で行なうことに
より、酸素濃度をより確実に所望の値に制御することが
可能になる。
【0017】上記ステップ(b)は、分光エリプソメト
リによるアモルファス領域の厚み測定を用いて行なわれ
ることにより、インラインでの温度測定が可能になる。
【0018】本発明の第2の温度測定方法は、基板の半
導体領域内に、IV族元素のイオン注入を行なってアモル
ファス領域を形成するステップ(a)と、上記アモルフ
ァス領域を一定時間加熱してアモルファス領域が再結晶
化する回復レートを求めるステップ(b)と、予め準備
されている上記アモルファス領域の回復レートと加熱温
度との関係に基づいて、上記ステップ(b)におけるア
モルファス領域の温度を求めるステップ(c)とを含ん
でいる。
【0019】この方法により、半導体領域の導電型に影
響を与えることなくアモルファス領域を形成することが
可能になる。
【0020】上記ステップ(a)では、ドーズ量が1×
1015atoms ・cm-2以上の条件で例えばGeのイオン
注入を行なうことにより、半導体領域におけるアモルフ
ァス領域と結晶領域との境界を明確にすることが可能に
なり、温度測定の精度及び信頼性が向上する。
【0021】本発明の第3の温度測定方法は、基板の半
導体領域内に、ヒ素(As),リン(P),ハロゲン元
素及び不活性ガス元素のうち少なくともいずれか1つの
イオン注入を行なってアモルファス領域を形成するステ
ップ(a)と、上記アモルファス領域を一定時間加熱し
てアモルファス領域が再結晶化する回復レートを求める
ステップ(b)と、予め準備されている上記アモルファ
ス領域の回復レートと加熱温度との関係に基づいて、上
記ステップ(b)におけるアモルファス領域の温度を求
めるステップ(c)とを含んでいる。
【0022】この方法により、GeF4 のような腐食性
のガスを用いることなく、メンテナンス周期の延長と装
置台数の低減につながる温度測定の精度及び信頼性の向
上を図ることができる。
【0023】本発明の第4の温度測定方法は、基板の半
導体領域の複数の箇所に、相異なる条件でイオン注入を
行なって複数のアモルファス領域を形成するステップ
(a)と、上記複数のアモルファス領域を一定時間加熱
して各アモルファス領域が再結晶化する回復レートを個
別に求めるステップ(b)と、予め準備されている上記
各アモルファス領域の回復レートと加熱温度との関係に
基づいて、上記各回復レートに対応する上記ステップ
(b)における各アモルファス領域の温度を求めるステ
ップ(c)とを含んでいる。
【0024】この方法により、高い信頼性での温度測定
範囲が互いに異なる複数のアモルファス領域を利用し
て、温度測定の可能な範囲を拡大することができ、特に
温度が不明なときにもその温度を検出することができ
る。
【0025】上記ステップ(a)では、上記複数の箇所
に注入するイオン種又はイオン注入条件を相異ならせる
ことが好ましい。
【0026】上記基板をウエハ状態のものとして、上記
ステップ(a)を、上記4つの箇所が平面的にみてウエ
ハを上下左右4つに区画された領域となっているサンプ
ルを用いて行なうことにより、ある工程における温度が
不明の時に、4つの箇所における回復レートのデータか
ら明らかになった温度の付近について、その後、ウエハ
全体に1種のイオン注入のみを行なって詳細な温度分布
などの測定を行なうことが可能となる。
【0027】本発明の第5の温度測定方法は、基板の上
面にある第1の半導体領域に、イオン注入を行なって第
1のアモルファス領域を形成するステップ(a)と、基
板の裏面にある第2の半導体領域に、上記イオン注入を
行なって第2のアモルファス領域を形成するステップ
(b)と、上記基板を、上記第1のアモルファス領域を
回復させるとともに上記第2のアモルファス領域を回復
させない条件で加熱して、上記第1のアモルファス領域
の回復レートを求めるステップ(c)と、予め準備され
ている上記第1のアモルファス領域の回復レートと加熱
温度との関係に基づいて、上記ステップ(c)における
第1のアモルファス領域の温度を求めるステップ(d)
とを含んでいる。
【0028】この方法により、第1のアモルファス領域
の温度を測定した後、第2のアモルファス領域が回復す
る条件で基板を加熱すれば、1つの基板を用いて2つの
温度領域における温度の測定が可能になる。特に、大口
径化ウエハを用いる場合には、ウエハの厚みが厚くなる
ので、ウエハの上面の第1のアモルファス領域が回復す
る温度に加熱されても、裏面がその温度に達しない場合
もあり、この温度測定方法により測定用サンプル数を低
減することができる。
【0029】本発明の第6の温度測定方法は、基板の上
面にある第1の半導体領域に、イオン注入を行なって第
1のアモルファス領域を形成するステップ(a)と、基
板の裏面にある第2の半導体領域に、上記イオン注入を
行なって第2のアモルファス領域を形成するステップ
(b)と、上記基板を加熱して、上記第1及び第2のア
モルファス領域を回復させて、上記第1及び第2のアモ
ルファス領域の回復レートをそれぞれ求めるステップ
(c)と、予め準備されている上記第1及び第2のアモ
ルファス領域の回復レートと加熱温度との関係に基づい
て、上記各回復レートに対応する上記ステップ(c)に
おける第1及び第2のアモルファス領域の温度を求める
ステップ(d)と、上記第1及び第2のアモルファス領
域の温度差から基板の熱伝導率を求めるステップ(e)
とを含んでいる。
【0030】この方法により、基板の熱伝導率がわかる
ことから、基板の各部位における温度管理を行なうこと
ができ、歩留まりの向上と製品デバイスの品質の向上に
供することができる。特に、ウエハが大口径化される
と、ウエハの厚みが厚くなることから、熱伝導率を知る
ことにより工程管理を適正に行なうことができる。
【0031】本発明の第7の温度測定方法は、基板の半
導体領域内に、基板温度が−10℃よりも低い条件下で
イオン注入を行なってアモルファス領域を形成するステ
ップ(a)と、上記アモルファス領域を一定時間加熱し
てアモルファス領域が再結晶化する回復レートを求める
ステップ(b)と、予め準備されている上記アモルファ
ス領域の回復レートと加熱温度との関係に基づいて、上
記ステップ(b)におけるアモルファス領域の温度を求
めるステップ(c)とを含んでいる。
【0032】この方法により、半導体領域におけるアモ
ルファス領域と結晶領域との間に明確な境界が存在する
状態あるいは界面の凹凸が小さい状態で温度測定を行な
うことが可能になり、温度測定の精度及び信頼性が向上
する。
【0033】本発明の第8の温度測定方法は、基板の半
導体領域内に、イオン注入を行なってアモルファス領域
を形成するステップ(a)と、上記アモルファス領域を
300℃以上450℃以下の範囲の温度でアニールを行
なうステップ(b)と、上記アモルファス領域を加熱し
て、アモルファス領域が再結晶化する回復レートを求め
るステップ(c)と、予め準備されている上記アモルフ
ァス領域の回復レートと加熱温度との関係に基づいて、
上記ステップ(c)におけるアモルファス領域の温度を
求めるステップ(d)とを含んでいる。
【0034】この方法により、半導体領域におけるアモ
ルファス領域と結晶領域との間に明確な境界が存在する
状態あるいは界面の凹凸が小さい状態で温度測定を行な
うことが可能になり、温度測定の精度及び信頼性が向上
する。。
【0035】
【発明の実施の形態】−アモルファス領域の回復レート
を利用した温度測定の原理− 本発明者達は、国際出願PCT/JP98/02567
(国際公開番号WO98/57146)に記載されてい
るように、分光エリプソメトリ法によって、不純物イオ
ンが注入されてアモルファス化された半導体領域(アモ
ルファス領域)がアニールによって回復する過程を評価
し、アモルファス領域の厚みをインラインで非破壊の検
査によって検出できることや、アモルファス領域の膜厚
の単位時間当たりの減小量である回復レートがアニール
温度に依存することから、回復レートを求めることによ
ってウエハ表面(ウエハの上面及び裏面の双方をいう)
の実際の温度や温度分布を検出しうることを見いだし
た。つまり、分光エリプソメトリ法により、インライン
で非破壊の検査によって、ウエハ表面の温度を評価でき
ることを実証している。
【0036】さらに、本発明者達は、国際出願PCT/
JP98/02567に記載されている技術を前提とし
つつ、温度測定の精度の向上を図るためには、アモルフ
ァス領域中の酸素濃度、上述したノックオンにより打ち
込まれる酸素をなくすことも含めて適正に調整すること
が有効であることを、以下のような実験から突きとめ
た。ただし、本発明による温度測定の精度向上に際して
は、必ずしも分光エリプソメトリによるアモルファス領
域の厚み測定を利用する必要はなく、TEM観察による
破壊検査など、他の方法を含むすべてのアモルファス領
域の厚み測定法を利用することができる。
【0037】図1は、シリコン基板内にヒ素イオン(A
+ )を、室温で,加速電圧30KeV,ドーズ量4×
1015cm-2の条件で注入して形成されたアモルファス
領域を550℃でアニールした時のアモルファス領域の
厚みの時間変化つまり回復レートを示す図である。図1
において、横軸はアニール時間(sec)を表し、縦軸
はアモルファス領域の厚みを表している。このサンプル
においては、TEM観察の結果から、アモルファス領域
の厚みが55nmであることが確認されている。そし
て、アニールによるアモルファス領域の回復レートは厚
みの単位時間当たりの減小量(nm/min)であるの
で、図1に示す変化直線の傾きが回復レートを表してい
る。図1に示すように、アモルファス領域の厚みが初期
値55nmから28nmまで減小するときの回復レート
は46.0(nm/min)であり、アモルファス領域
の厚みが28nmから0nmに向かって減小するときの
回復レートは2.8(nm/min)であることがわか
った。
【0038】ここで、このようにある時点を境に回復レ
ートが急激に変化することに対して酸素の存在が関与し
ていることが疑われたので、このときのシリコン基板内
の酸素濃度プロファイルを測定した。
【0039】図2は、as-implantedのシリコン基板にお
けるヒ素(As)と酸素(O)との基板深さ方向におけ
る濃度プロファイルを示す図である。同図に示すよう
に、本来均一なはずの酸素濃度がシリコン基板の上面付
近で1×1020atoms ・cm-3に近いピーク値となり、
シリコン基板の深さ方向に向かって次第に減小している
ことがわかる。そして、もともとウエハ中には約2.0
×1018atoms cm-3の酸素しか含まれていないことを
考慮すると、図2に示すような高濃度の酸素が存在する
のは、ヒ素イオンの注入によってノックオンされた酸素
原子がシリコン基板中に侵入したためと考えられる。つ
まり、ヒ素イオンの注入に際し、シリコン基板の表面は
RCA洗浄などによって清浄化されるが、このRCA洗
浄の後に大気にさらされることにより、シリコン基板の
表面に自然酸化膜が形成されており、この自然酸化膜中
の酸素がヒ素イオンによってノックオンされたものと考
えられる。そして、回復レートが変化する位置(アモル
ファス領域の厚みが28nmである位置)の酸素濃度
は、約3.2×1019atoms ・cm-3であった。
【0040】そこで、図3に示すように、さらに酸素濃
度と回復レートとの関連性を調べるために、酸素の注入
量を増やして回復レートを測定した。図3において、横
軸はアニール時間(sec)を表し、縦軸はアモルファ
ス領域の厚みを表している。ここでは、加速電圧30k
eV,ドーズ量4×1015atoms ・cm-2の条件でAs
のイオン注入のみを施したサンプル(□印で示すデー
タ)と、Asのイオン注入に加えて、加速電圧20ke
V,ドーズ量1×1014atoms ・cm-2の条件で酸素の
イオン注入を行なったサンプル(△印で示すデータ)
と、Asのイオン注入に加えて、加速電圧20keV,
ドーズ量2×1014atoms ・cm-2の条件で酸素のイオ
ン注入を行なったサンプル(○印で示すデータ)とにつ
いての測定結果を示している。このとき、同図に示すよ
うに、アモルファス領域にフラッシュアニール(ピーク
温度における保持時間がほぼ0となる温度の時間変化に
よるアニール)を施すと、酸素濃度が多くなるほど回復
レートが遅くなることがわかった。また、この3種類の
サンプルのいずれにおいても、回復レートはアモルファ
ス領域の厚みのある値(図1に示す厚み28nm)を境
に変化しており、そのアモルファス領域の厚みに相当す
る部位の酸素濃度は、いずれも3.2×1019atoms ・
cm-3に近い値であることがわかった。
【0041】ここで、図3に示すように、酸素濃度が多
くなるにつれて、フラッシュアニールによる回復レート
の傾きが次第に小さくなることから、最終的には回復レ
ートが変化する部位(図1に示す厚み28nmの値)が
上方に移動して、アニール時間0の位置に達することが
予想される。つまり、回復レートが変化する酸素濃度
3.2×1019atoms ・cm-3の位置が図1に示す厚み
55nmの位置にあればよいことになる。言い換える
と、アモルファス領域の全領域に濃度3.2×10 19at
oms ・cm-3以上の酸素がドープされていると、回復レ
ートが均一でかつ小さくなると推定された。
【0042】そして、このようにアニール時の回復レー
トを小さくできることは、アモルファス領域の回復量の
変化に対するアニール時間の誤差の影響を小さくできる
ことになるので、温度測定の精度が向上することにな
る。以下、この推定を裏付けるための第1の実施形態に
ついて説明する。
【0043】(第1の実施形態)図4(a)〜(d)
は、本発明の第1の実施形態における温度測定のための
アニール処理の手順を示す断面図である。また、図5
は、アニール及び温度測定の手順を示すフローチャート
図である。以下、図4(a)〜(d)を参照しながら図
5のフローチャートに沿って、本実施形態におけるアニ
ール処理の手順について説明する。
【0044】まず、ステップST11で、シリコン基板
10にRCA洗浄を施す。この洗浄により、図4(a)
に示すように、シリコン基板10の表面は清浄化される
が、シリコン基板10の表面には、厚みが約1nmの自
然酸化膜であるシリコン酸化膜11が形成される。
【0045】次に、ステップST12で、シリコン酸化
膜11の上からヒ素イオン(As+)を、室温で加速電
圧30KeV,ドーズ量4×1015cm-2の条件で注入
する。このイオン注入によって、図4(b)に示すよう
に、シリコン基板10は、図4(b)に示す断面におい
て、ヒ素イオンの注入によって結晶性が乱れたアモルフ
ァス領域10aと、アモルファス領域10aの下方にお
いてヒ素イオンの注入による影響を受けずに結晶性を保
ったままの結晶領域10bとに分かれる。このとき、上
述のように、ヒ素イオンの注入に伴い、シリコン酸化膜
中の酸素がヒ素イオンによってノックオンされ、基板内
に導入される。そして、ノックオンされた酸素の濃度は
下方に向かうほど低減する。この酸素濃度については、
上述のように、アニール時の回復レートが変化する臨界
値(3.2×1019atoms ・cm -3)が存在することが
わかっている。したがって、この状態においては、アモ
ルファス領域10aは、シリコン酸化膜11直下方にあ
って臨界値以上の比較的高濃度の酸素を含む高濃度酸素
領域10aaと、その直下方にあって臨界値未満の比較的
低濃度の酸素を含む低濃度酸素領域10abとに区画され
る。
【0046】次に、ステップST13で、図4(b)に
示す低濃度酸素領域10ab(シリコン基板10の上面か
らの深さ位置が28nm以上55nm以下である領域)
の酸素濃度を臨界値(3.2×1019atoms ・cm-3
以上にするために、酸素イオンの注入を行う。このと
き、酸素イオンの注入条件は、例えば、室温で、加速電
圧20KeV,ドーズ量2×1014atoms ・cm-2以上
である。この酸素イオンの注入により、図4(c)に示
すように、高濃度酸素領域10aaがアモルファス領域1
0a全体に拡大される。
【0047】次に、ステップST14で、温度Tでのア
ニールを行なう。これにより、図4(d)に示すよう
に、アモルファス領域10aのうち結晶領域10bとの
間の界面から再結晶化が進行していき、シリコン基板1
0内においてアモルファス領域10aの厚みが小さくな
り、結晶領域10bが上方に拡大することになる。
【0048】次に、ステップST15で、分光エリプソ
メトリ装置を用いて、一定のアニール時間内におけるア
モルファス領域10aの厚みの変化を検出し、この厚み
の変化をアニール時間で割った値である回復レートを求
める。
【0049】図6は、このときのアモルファス領域10
aの結晶への回復レートを示す図である。同図におい
て、横軸はアニール時間(秒)を表し、縦軸はアモルフ
ァスの厚み(nm)を表している。アモルファス領域1
0aの厚みは、後述する分光エリプソメトリ装置を使用
して測定している。同図に示すように、アニール時間の
経過に対するアモルファス領域の厚みはほぼ直線的に減
小しており、その傾きから、回復レートは約2.8nm
/minであった。このデータは、図1に示すサンプル
と同じ条件でAsのイオン注入を行なった後、さらに酸
素濃度を高めるための酸素のイオン注入を行なってか
ら、図1に示すデータを得た条件と同じ550℃でアニ
ールを行なって得られたものである。したがって、アモ
ルファス領域の酸素濃度をある臨界値以上に調整するこ
とにより、アニール時におけるアモルファス領域の回復
レートをほぼ一定の小さな値にすることができる。
【0050】次に、ステップST16で、予め得られて
いる回復レートとアニール温度Tとの関係を参照して、
ステップST15で求められた回復レートからアニール
温度Tを決定する。このとき、アニール温度Tを決定す
るためには、予め回復レートのアニール温度依存性つま
り回復レートとアニール温度Tとの関係がわかっていな
ければならない。そこで、ステップST15,16にお
ける回復レートの算出とアニール温度Tの決定とについ
て、詳細に説明する。
【0051】図7は、アニール温度Tと回復レートとの
関係から温度を決定する手順を示すフローチャートであ
る。図8は、文献1(J.Appl.Phys.,Vol.48, No10, Oct
ober1977)に記載されている回復レートとアニール温度
Tとの関係を示すデータに、高濃度の酸素が導入された
シリコン基板における回復レートとアニール温度Tとの
関係を加えて示す図である。以下、図7のフローチャー
トに沿って温度決定までの手順を説明する。
【0052】まず、ステップST21で、温度と回復レ
ートとの関係を求めるためのサンプルを準備する。この
サンプルには、図4(c)に示すように、アモルファス
領域全体に、3.2×1019atoms ・cm-3以上の濃度
で酸素が導入されている。
【0053】次に、ステップST22で、温度と回復レ
ートとの関係を導く。この方法については、国際出願P
CT/JP98/02567において開示されている本
発明者達が発明した方法を採用する。すなわち、分光エ
リプソメトリを利用して、cos Δなどの形状から、ある
いはさらに加速電圧,イオン注入量を考慮して、アモル
ファス領域の厚みを決定する。回復レートは、所定時間
t分にサンプルのアモルファス領域が結晶になった厚み
Lnmから、回復レート(L/t)(nm/min)が算
出できる。そして、横軸を温度とし縦軸を回復レート
(対数目盛)とするグラフの上で、種々のアニール温度
における回復レートをプロットすることにより、図8に
示す直線Koを作成する。また、式T=f{(L/
t)}にこの関係を当てはめることにより、アニール温
度を変数とする回復レートの関数を表す関係式を作成す
ることもできる。
【0054】図8に示す他の直線は、同文献中に記載さ
れている各種サンプルについてのデータである。同図の
直線Kaはシリコン基板にリン(P)を注入してアモル
ファス領域を形成した後にボロン(B)を注入したもの
であり、直線Kbはシリコン基板にヒ素(As)を注入
してアモルファス領域を形成したものであり、直線Kc
はシリコン基板にシリコンを注入してアモルファス領域
を形成したものである。そこで、すでに上述の文献に係
る実験で得られている図8中の直線関係を利用して、図
8に示す直線Koを描くこともできる。例えば、図6に
示すデータから、550℃,2.8nm/minの点を
記入し、直線Kb,Kcに平行な直線を描くことによっ
て、直線Koを容易に得ることができる。
【0055】次に、ステップST23で、実際のウエハ
上面の温度測定(温度値又は温度分布)を行なうための
サンプルを準備する。ここで、本明細書(特許請求の範
囲を含む)においては、「温度測定」とは、温度値,温
度分布の測定のうち少なくともいずれか一方を含むもの
とする。このサンプルは、図4(c)に示す構造を有す
るものである。そして、ステップST24で、図8に示
す直線Koを利用して、上述のようなエリプソメトリ測
定を利用した回復レートの算出を行ない、直線Ko中の
回復レート値に対応するアニール温度を決定する。例え
ば、直線Koを利用すると、回復レートの値が20nm
/minのときには、図8に示すように、アニール温度
Tは約610℃となることがわかる。
【0056】本実施形態によると、酸素を高濃度に含ま
せたアモルファス領域(イオン注入領域)を有するサン
プルを用いて、ウエハ上面の温度を測定することができ
る。特に、図8に示すように、従来のデータ(直線K
a,Kb,Kc)を利用して温度測定を行なう場合に
は、直線Kcを利用しても600℃以上の温度を測定す
ることは困難である。それに対し、本実施形態の方法に
よると、直線Koを利用することにより、650℃付近
までの高温における温度測定が可能になる。ただし、信
頼性の高いデータを得るには、直線Kcでは575℃付
近、直線Koでは610℃付近が限界である。しかも、
回復レートが小さいほど測定精度(信頼性)が高くなる
ので、同じ温度(例えば550℃)における測定精度を
比較すると、直線Kcを利用するよりも直線Koを利用
する方が測定精度が高くなることがわかる。一般的に
は、回復レートが100nm/min以下であれば、回
復レートの算出に誤差は少なく、正確な温度が算出でき
ることになる。この理由で、高温まで温度を正確に測定
するためには、サンプルの回復レートは小さい方が好ま
しい。
【0057】本実施形態において説明した温度測定方法
は、温度評価用サンプルウエハ内に高濃度の酸素を導入
した領域を設けておいて実施してもよく、あるいは、製
品ウエハに高濃度の酸素が注入された温度測定用モニタ
ー領域を設けておいて実施することもできる。
【0058】また、第1の実施形態においては、酸素濃
度を臨界値3.2×1019atoms ・cm-3以上とした
が、この臨界値よりも低濃度の酸素をアモルファス領域
全体に導入して、温度測定を行なってもよい。図3のデ
ータからわかるように、酸素の導入量を種々変更したサ
ンプルにおいて、初期のフラッシュアニールにおける回
復が終了した後は、各アニール温度に特有の回復レート
でアモルファス領域が回復する。臨界値よりも低濃度の
酸素を含むサンプルについては、アニール温度と回復レ
ートとの関係を表す直線として、図8に示す直線Koよ
りも右方にずれた直線が得られる。図8からわかるよう
に、回復レートが小さいほど温度測定の精度は高くなる
が、反面、あまりに回復レートが小さいと測定時間が長
くなるなどの不具合も生じる。また、酸素を注入したモ
ニター領域をウエハ上に形成しておいて、インラインで
の測定を行なう場合には、その処理に適合した温度,ア
ニール時間を考慮する必要がある。したがって、酸素濃
度を種々変えることにより、もっとも有利な回復レート
を選択できる利点がある。
【0059】また、第1の実施形態においては、酸素濃
度が3.2×1019atoms ・cm-3以上となるアモルフ
ァス領域を形成するために、Asイオンによる酸素のノ
ックオン注入と酸素のイオン注入との組み合わせを用い
ているが、必ずしもこの組み合わせでなくてもよく、酸
素イオンの注入だけであってもよい。その場合、例えば
クラスタリングされた製造装置を用い、装置内のあるチ
ャンバで例えば真空中での熱処理などによって自然酸化
膜を除去した後、別のチャンバ内で酸素イオンの注入を
行なうことにより、ノックオンされた酸素がない状態を
実現することができるので、酸素の濃度をより確実に制
御することができるという利点がある。
【0060】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
に係る温度分布測定方法について説明する。ここでは、
基本的には第1の実施形態における方法を利用して、熱
CVD装置の内部の温度分布を測定する。
【0061】まず、予め図8に示すような直線によって
表される回復レートとアニール温度との関係を各種のイ
オン注入条件について求めておく。例えば、図7におけ
るステップST21,ST22の手順によって、図8に
示す直線Koなどを求めておき、その後、温度評価用サ
ンプルウエハについて実際の温度を測定しようとする複
数の箇所について、同じ条件で酸素を注入したサンプル
ウエハを作成する。このとき、サンプルウエハの作成
は、図4(a)〜(c)に示す工程を複数の測定部位に
ついて行なえばよい。つまり、ノックオン効果により酸
素を注入し、さらに酸素のイオン注入との2つの注入工
程により臨界値(3.2×1019atoms ・cm-3)以上
の酸素を含むアモルファス領域を有しているサンプルウ
エハを用意する。このサンプルウエハを用いて熱CVD
装置内の使用時における温度温度を以下のようにして測
定してみる。
【0062】このサンプルウエハを、たとえばシリコン
酸化膜を堆積するための熱CVD装置内で、実際に製品
ウエハが設置される場所にセットする。そして、この熱
CVD装置中で、シリコン酸化膜を堆積するのと同じ温
度条件で所定時間t(min)の間サンプルウエハを保
持する。所定時間t(min)が経過する間にサンプル
ウエハ中のアモルファス領域が再結晶化した厚みLnmか
ら、回復レート(L/t)が算出できる。そして、サン
プルウエハについて、図8の直線Koにサンプルウエハ
中の各部位の回復レート(L/t)をあてはめると、熱
CVD装置内の各部位の正確な温度つまり温度分布を測
定することができる。この温度分布のデータは、国際出
願PCT/JP98/02567中の図23に示すよう
なデータとして作成される。また、ウエハ内の温度分布
を測定しておくことにより、ウエハの各部位から切り出
されるシリコンチップの歩留まりとCVD温度との関係
を把握することもできる。
【0063】なお、熱CVD装置等の内部のある代表的
な部位の温度のみを測定することができることはいうま
でもない。その場合、熱CVD装置に付設されている温
度制御部に表示される設定温度がT0 であっても、実際
の温度がTであれば、この温度差ΔT(=T−T0 )が
この熱CVD装置の誤差である。したがって、実際のC
VD工程においては、この誤差を補正して工程管理を行
なうことができる。
【0064】また、熱CVD装置等の各種装置内の任意
の位置、例えば、ウエハ設置部以外のガス導入部、排気
部等にこのサンプルを設置することにより、装置内部の
所望の位置での温度を正確に測定することができる。
【0065】なお、本実施形態では、アモルファス領域
の形成にAsのイオン注入を用いたが、As以外に、シ
リコン,リンのイオン注入を用いてもよい。
【0066】(第3の実施形態)次に、ウエハ内に回復
レートを各種調整した領域を設けることによって、温度
測定が可能な範囲を拡大した評価サンプルに係る第3の
実施形態について説明する。
【0067】図9は、ヒ素(As)のみを注入した場合
とヒ素(As)及びボロン(B)を注入した場合とにお
ける回復レートを比較したデータを示す図である。同図
の横軸は、ウエハ内の測定個所(49ポイント)を表
し、縦軸はアモルファス領域の回復レートを表してい
る。サンプルウエハとして、ヒ素(As)を加速電圧3
0keV,ドーズ量3×1014atoms ・cm-2の条件で
注入してアモルファス領域を形成したもの(図中△で示
すデータ)と、ヒ素(As)を加速電圧30keV,ド
ーズ量3×1014atoms ・cm-2の条件で注入してアモ
ルファス領域を形成した後、さらに、当該アモルファス
領域にボロン(B)を加速電圧8keV,ドーズ量3×
1015atoms ・cm-2の条件で注入したもの(図中○で
示すデータ)とを準備して、回復レートを測定してい
る。酸素のイオン注入は行なっていない。このデータか
ら、以下のことがわかる。
【0068】同図に示されるように、各測定ポイントに
おける平均値を比較すると、ヒ素(As)のみを注入し
たアモルファス領域の方が、ヒ素(As)とボロン
(B)とを注入したアモルファス領域よりも回復レート
が小さい。したがって、回復レートの調整は、第1の実
施形態のごとく酸素のイオン注入の濃度調整によるだけ
でなく、イオン種の変更・組み合わせによっても行なう
ことができることがわかる。そして、回復レートが調整
できることは、現実的な条件で信頼性のある温度測定が
可能な範囲を調整することができることを意味するの
で、このような注入イオン種を各種組み合わせることに
より温度測定範囲を適宜調整できることになる。
【0069】図10は、Ge注入によって形成されたア
モルファス領域と、As注入によって形成されたアモル
ファス領域との回復レートの差を示す図である。注入条
件は、いずれも加速電圧が30keVで、ドーズ量が3
×1014atoms ・cm-2である。また、アニール温度は
550℃である。同図に示されるように、Geの回復レ
ートは、Asの回復レートよりも小さいので、Geの注
入によって形成されたアモルファス領域を、Asの注入
によって形成されたアモルファス領域よりも高温の温度
測定用に供することができる。
【0070】図11(a),(b)は、互いに異なる回
復レートを有する4つのアモルファス領域を有する評価
用サンプルウエハを形成する2つ方法を示す平面図であ
る。1つの方法の場合、図11(a)に示すように、ウ
エハ内にはn箇所の温度測定用領域R1,R2,…,R
nが設けられており、各温度測定用領域R1,R2,
…,Rnには、図9に示す○印のデータに対応するヒ素
(As)とボロン(B)とを注入した第1アモルファス
領域R11,R21,…,Rn1と、図9に示す△印のデータ
に対応するヒ素(As)のみを注入した第2アモルファ
ス領域R12,R22,…,Rn2と、図10において説明し
たゲルマニウム(Ge)をドーズ量1×1015atoms ・
cm-2で注入した第3アモルファス領域R13,R23,
…,Rn3と、第1の実施形態において説明したヒ素(A
s)及び臨界値以上の濃度の酸素(0)を注入した第4
アモルファス領域R14,R24,…,Rn4とが設けられて
いる。もう1つの方法では、図11(b)に示すよう
に、ウエハが4分割されて、図9に示す○印のデータに
対応するヒ素(As)とボロン(B)とを注入した第1
アモルファス領域Raと、図9に示す△印のデータに対
応するヒ素(As)のみを注入した第2アモルファス領
域Rbと、図10において説明したゲルマニウム(G
e)をドーズ量1×1015atoms ・cm-2で注入した第
3アモルファス領域Rcと、第1の実施形態において説
明したヒ素(As)及び臨界値以上の濃度の酸素(0)
を注入した第4アモルファス領域Rdとが設けられてい
る。
【0071】図12は、図11(a)又は(b)に示す
評価用サンプルウエハを用いた場合の各アモルファス領
域の温度測定可能範囲を示す図である。回復レートが小
さいと適正な温度測定範囲が高温側に移行し、回復レー
トが大きいと適正な温度測定範囲が低温側に移行する。
この例の場合、信頼性を確保できる現実的な温度測定範
囲は、第1アモルファス領域R1では420℃以上52
5℃以下であり、第2アモルファス領域R2では480
℃以上580℃以下であり、第3アモルファス領域R3
では540℃以上625℃以下であり、第4アモルファ
ス領域R4では575℃以上650℃以下である。この
ように、4種類の温度測定範囲を有する第1〜第4アモ
ルファス領域を1つの評価用サンプルウエハに設けるこ
とによって、420℃以上650℃以下の範囲の温度を
測定することができる。
【0072】また、図11(a)に示すサンプルウエハ
を用いた場合には、各々第1〜第4アモルファス領域を
有する多数の温度測定用領域R1,R2,…,Rnをウ
エハ上に設けることによって、ウエハの面内温度分布を
広い温度範囲で測定できることになる。
【0073】図11(b)に示すサンプルウエハを用い
た場合には、ある工程における温度が不明なときに、当
初大まかな温度を把握してから、再度温度測定を行なっ
て正確な温度分布などを把握することが可能になる。例
えば、まず、このサンプルウエハを用いて温度測定を行
なった結果、第1アモルファス領域Raのみが回復した
とする。そのとき、図12から温度範囲が425℃以上
520℃以下であることが把握できるので、ウエハ全面
を第1アモルファス領域Raとするサンプルウエハを作
成し、このサンプルウエハを用いて温度測定を行なうこ
とにより、正確な温度分布の測定が可能になる。
【0074】(第4の実施形態)次に、低温におけるイ
オン注入に係る第4の実施形態について説明する。図1
3(a)〜(d)は、それぞれ順に、基板温度が0℃,
−10℃,−20℃,−30℃の条件下でヒ素(As)
の注入によって形成されたアモルファス領域−結晶領域
間の界面の形状を示す断面図である。ヒ素(As)の注
入条件は、いずれも加速電圧30keV,ドーズ量3.
0×1014atoms ・cm-2である。ただし、本実施形態
における基板温度は、本発明の方法によって基板温度を
直接測定して得られたものではなく、ウエハを載置する
ためのプラテンの温度である。したがって、ウエハの上
面における温度は、この温度よりも数度低くなっている
ものと思われる。
【0075】図13(a)〜(d)からわかるように、
多少のばらつきはあるものの、図13の(a),(b)
に示す基板温度0℃,−10℃における注入の場合には
両者の界面が明確に現れておらず界面と見える部分の凹
凸が大きい。つまり、アモルファス領域と結晶領域との
境界が明確でなく、境界付近では両者が互いに入り乱れ
た状態になっているものと思われる。それに対し、基板
温度−20℃,−30℃における注入の場合には界面の
凹凸が小さくなり界面が明確に現れている。
【0076】なお、室温付近における注入の場合にも、
基板温度0℃における注入と同様に、アモルファス領域
−結晶領域の境界が明確に現れず、界面と見える部分の
凹凸も大きい。
【0077】図14は、低温におけるイオン注入によっ
て形成されたアモルファス領域の回復レートを示す図で
ある。同図において、横軸はアニール時間を縦軸はアモ
ルファス領域の厚みをそれぞれ表している。同図に示す
データは、いずれもヒ素(As)を加速電圧30ke
V,ドーズ量3.0×1014atoms ・cm-2の条件で注
入したものである。そして、□印は室温におけるイオン
注入によって形成されたアモルファス領域のデータを、
○印は基板温度−40℃という低温におけるイオン注入
によって形成されたアモルファス領域のデータをそれぞ
れ示す。同図に示すように、室温におけるイオン注入に
よって形成されたアモルファス領域の回復レートは、ア
ニール時間がある程度経過すると(ここでは、約10s
ec)一定になるが、初期厚みが直線からはずれてかな
り上方にあることから、最初のフラッシュアニールに相
当する領域では回復レートが早くなっていると考えられ
る。それに対し、基板温度−40℃におけるイオン注入
によって形成されたアモルファス領域の回復レートは、
当初からほぼ一定である。この相違は、以下の理由によ
るものと考えられる。
【0078】室温におけるイオン注入によって形成され
たアモルファス領域の場合、図13(a)に示す基板温
度0℃におけると同様に、アモルファス領域−結晶領域
間の境界が不明確であり,界面の凹凸が大きいなことか
ら、アニールの開始初期には、見かけ上、アモルファス
領域の厚みが速やかに減小するものと思われる。特に、
初期厚みのデータが直線上の点の値よりも大きく測定さ
れるのは、部分的に結晶状態である領域をも取り込んだ
形でアモルファス領域の厚みを測定している可能性があ
る。そして、再結晶化がある程度進んで両者の境界が明
確になり界面の凹凸が小さくなってきた時点(図14に
おいては約10sec経過後)から一定の緩やかな速度
で減小していく。
【0079】それに対し、低温におけるイオン注入によ
って形成されたアモルファス領域の場合、図13(d)
に示す基板温度−30℃におけると同様に、アモルファ
ス領域−結晶領域間の境界が明確になり界面の凹凸が小
さいことから、アニール当初からほぼ一定の回復レート
が得られるものと思われる。なお、回復レート自体は、
いずれの場合も約21(nm/min)であり、回復レ
ート自体はヒ素(As)の濃度に依存して一義的に定ま
ることがわかる。
【0080】図15は、図13(a)〜(d)に示す注
入条件でそれぞれ形成されたアモルファス領域に対する
分光エリプソメトリの測定により得られたcos Δの分光
スペクトルの一部を示す図である。同図において、横軸
は測定光の波長を表し、縦軸はcos Δの値を表してい
る。同図に示すように、基板温度0℃,−10℃でイオ
ン注入されたアモルファス領域からの分光エリプソメト
リスペクトルと、基板温度−20℃,−30℃でイオン
注入されたアモルファス領域からの分光エリプソメトリ
スペクトルとは、明確に分離しており、この2つのグル
ープ同士の間で明確な構造の相違があることが推定され
る。
【0081】図13(a)〜(d),図14,図15の
データを総合すると、基板温度が−10℃よりも低いと
いう低温条件でイオン注入を行なうことにより、アモル
ファス領域−結晶領域の境界を明確にかつ界面の凹凸を
小さくすることができ、これにより、以下の効果が得ら
れる。
【0082】第1の効果として、温度測定の精度及び信
頼性が向上する。それは以下の2つの理由による。ま
ず、温度測定のためには、アモルファス領域のアニール
による回復レートの算出が必要で、回復レートの算出の
ためにはアモルファス領域の厚みをエリプソメトリ等に
よって測定する必要がある。その厚み測定の際、例えば
図9に示すような49ポイント(温度分布を測定するた
めのポイントではない)における厚みの差が小さくな
る。そして、測定されるアモルファス領域の厚みが再現
性よくほぼ一定になることで、各ポイントにおける回復
レートの値,つまり温度値が均一になる。したがって、
両者の境界を明確にあるいは界面の凹凸を小さくするこ
とで、測定値のばらつきが小さくなり、温度,温度分布
の測定の精度及び信頼性が向上する。
【0083】また、図14の実験結果について議論した
ように、両者の境界が明確でなく界面の凹凸が大きいと
きには、境界が明確になりあるいは界面の凹凸が小さく
なるまで初期の回復レートが速く、かつ、ばらつきも大
きいと考えられる。これは、種々の実験結果が示唆する
ことである。イオン注入時にアモルファス領域−結晶領
域の境界が明確でなく界面の凹凸が大きいと、回復レー
トの算出の際にアニールの開始直後のデータを除く必要
がある。ところが、実際のアニールはRTA,フラッシ
ュアニール(又はスパイクアニールとも呼ばれる)など
短時間のアニールで済ませることが多いので、特にイン
ラインで温度測定を行なおうとすると初期の回復レート
が重要となる。よって、両者の境界が明確になりあるい
は界面の凹凸を小さくするように形成させることで、ア
ニール初期においても回復レートが安定してほぼ一定に
なる結果、温度の測定値の精度及び信頼性が向上する。
【0084】第2の効果として、実使用に供されるデバ
イスの製造工程におけるプレアモルファス注入としての
利用価値が高くなる。プレアモルファス注入とは、サリ
サイド工程の前にソース・ドレイン領域の結晶性を乱し
てアモルファス構造にするため(シリサイド化促進のた
め)に行なわれるイオン注入や、低濃度のボロンのイオ
ン注入の前にチャネリング防止のために行なわれるイオ
ン注入をいう。以上の界面の平坦性の向上による温度測
定精度の向上効果は、他の手段によっても実現すること
ができるが、低温におけるイオン注入により、温度測定
精度の向上とは別に以下の効果が得られる。
【0085】例えば、上述のように、アモルファス領域
における酸素濃度を臨界値以上に高めることにより、ア
ニール温度と回復レートとの関係が全体として1つの直
線になり(図6参照)、図8に示すような回復レートと
温度との関係式を確立することができる。しかし、アモ
ルファス領域における酸素濃度を高めることは、温度評
価用のウエハに対する悪影響はないが、実使用デバイス
に対しては、酸素誘起欠陥(OSF)を引き起こし、デ
バイスの動作特性を悪化させるという悪影響を及ぼす。
したがって、実使用デバイスにおけるプレアモルファス
注入として、酸素イオンを高濃度で注入することは適当
でない。
【0086】一方、後述するように、ヒ素イオン等を比
較的高いドーズ量(例えば4×10 15atoms ・cm-2
度)で注入することにより、イオン注入によって形成さ
れるアモルファス領域と結晶領域との境界を明確にする
ことができる。しかし、一般的にはシリサイド化しよう
とする領域(ソース・ドレイン領域)の表面には、自然
酸化膜が存在しているので、高濃度のヒ素イオン等を注
入すると、ノックオンにより酸素も当該領域に注入され
る(図2参照)。その結果、酸素誘起欠陥の発生を確実
に抑制するのが困難となる。
【0087】それに対し、低温におけるイオン注入を利
用すると、図14に示すように、ドーズ量3×1014at
oms ・cm-2程度の約1桁低い濃度のヒ素イオン等を注
入するだけで、アモルファス領域−結晶領域の境界を明
確にあるいは界面の凹凸を小さくすることができる。酸
素よりも重い元素を注入する場合、注入量が1桁少なく
なると、ノックオンにより注入される酸素の濃度も約1
桁少なくなる。第1の実施形態における図2に示す酸素
濃度プロファイルからわかるように、ノックオンによる
酸素濃度が約10分の1に低減されると、アモルファス
領域内の酸素濃度は、もともとシリコン基板内に含まれ
ている酸素濃度(約2.0×1018atoms cm-3)とほ
とんど変わらない濃度になる。したがって、この場合に
はシリサイド化しようとする領域の上に自然酸化膜が存
在していても、ノックオンによる酸素の侵入量を低減で
きるので、酸素誘起欠陥の発生を確実に抑制することが
できる。したがって、サリサイド工程の前処理であるプ
レアモルファス注入として、低温によるヒ素等のイオン
注入を行なうことにより、インラインで温度測定を行な
いたいときに、酸素誘起欠陥の発生を抑制しつつ温度測
定の精度及び信頼性を向上させることができる。
【0088】第3の効果として、プレアモルファス注入
として低温におけるイオン注入を採用することにより、
アモルファス領域−結晶領域の境界を明確にあるいは界
面の凹凸を小さくすることができる結果、後に平坦なシ
リサイド層を形成することができる。したがって、サリ
サイド構造を有する拡散層において界面下方のPN接合
部で生じる接合リークを抑制する効果が得られる。
【0089】第4の効果として、チャネリング防止用の
プレアモルファス注入として用いた場合に、浅い拡散層
を再現性よく形成することができる。ボロン等を注入し
た後、活性化のためのアニールを行なう場合、ボロン等
の拡散スピードは、アモルファス領域と結晶領域との境
界付近の構造が乱れた付近で速くなることが知られてい
る。両者の境界が不明確で界面の凹凸が大きい場合は、
構造の乱れている範囲が広いことを意味するので、その
場合には拡散層が広がり、かつロット間のばらつきも大
きいことになる。それに対して、低温におけるイオン注
入をプレアモルファス注入として用いることにより、両
者の境界を明確にあるいは界面の凹凸を小さくすること
ができるので、ボロン等のイオン注入の後の活性化によ
る拡散層を浅くかつ再現性よく形成することができる。
【0090】なお、本実施形態においては、イオン種と
してAsを注入した例について説明したが、Asに代え
てGeを注入しても同様のドーズ量で同様の効果が得ら
れる。Geは原子番号(32)がヒ素(33)に近いか
らであり、かつ現実に注入されるGeはヒ素とほとんど
同じ質量を有するGeの同位体Ge33が多いからであ
る。また、質量がGeよりも大きいIV族元素のイオン注
入を利用することもできる。
【0091】(第5の実施形態)次に、Ge等のIV族元
素のイオン注入に関する第5の実施形態について説明す
る。IV族元素とは、C,Si,Ge,Sn,Pb等の元
素をいう。
【0092】図16は、IV族元素としてGeを加速電圧
30keV,ドーズ量4×1015atoms ・cm-2でシリ
コン基板内に注入して形成されるアモルファス領域とそ
の下方の結晶領域との境界付近の構造を示すTEM写真
である。同図に示されるように、Geのイオン注入によ
って形成されるアモルファス領域と結晶領域との境界が
明確になり界面の凹凸も小さくなっている。この効果
は、室温におけるGeのイオン注入の場合には、ドーズ
量が1×1015atoms ・cm-2以上の場合に確実に得ら
れることが確認されている。
【0093】したがって、本実施形態においても、上記
第4の実施形態において述べた第1〜第4の効果を発揮
することができる。加えて、GeはIV元素であり、シリ
コン中に注入しても導電型としては中性である、つま
り、N型拡散層に注入してもP型拡散層に注入しても、
デバイスの動作に影響を与えるわけではない。したがっ
て、実使用のCMOSデバイスの製造工程におけるプレ
アモルファス注入として利用することができる。
【0094】なお、イオン種としては、Geに限らず
C,Si,Sn,Pb等の元素を用いることができる
が、質量の小さい元素の場合ドーズ量を高めないと結晶
領域との境界が明確なアモルファス領域を形成すること
が困難となる。したがって、Ge又はGeよりも質量の
大きいIV族元素を用いることが好ましい。
【0095】また、IV族元素を用いる代わりにヒ素(A
s),リン(P),ハロゲン元素,不活性ガス元素等の
イオン注入を用いても、同じ効果を発揮することができ
る。その場合、Geを用いるときに必要な腐食性ガスで
あるイオン種GeF4 を用いなくて済むという利点があ
る。
【0096】(第6の実施形態)次に、イオン注入後に
おける低温アニールに係る第6の実施形態について説明
する。
【0097】上記第4の実施形態において説明したよう
に、低濃度のイオン注入によって形成されたアモルファ
ス領域と結晶領域との境界は明確に現れていないが、か
かる場合にも低温アニール(300℃以上450℃以
下)を施すことにより、両者の境界を明確にあるいは界
面の凹凸を小さくすることができる。
【0098】本実施形態においては、当初明確に現れて
いない境界が徐々に明確になり、アモルファス領域と結
晶領域との境界が明確になるまであるいは界面の凹凸が
小さくなるまで回復が進行するが、それ以上回復は進行
しないことが確認された。したがって、このようにアモ
ルファス領域と結晶領域との境界が明確にあるいは界面
の凹凸が小さくされたウエハを温度特定用ウエハとして
準備しておくことにより、アニール温度と回復量との関
係を当初からほぼ1つの直線にすることができるので、
温度測定精度の向上を図ることができる。
【0099】また、本実施形態によって形成されたアモ
ルファス領域を用いて、シリサイド化工程を行なうこと
により、平坦化されたシリサイド層を形成することもで
きる。
【0100】(第7の実施形態)次に、上記各実施形態
を利用したシリサイド化工程に係る第7の実施形態につ
いて説明する。
【0101】本実施形態においては、まず、上記各実施
形態のいずれかを利用して、アモルファス領域と結晶領
域との境界が明確にされ、かつ両者の界面の凹凸が小さ
い半導体領域を有するウエハを形成する。そして、基板
上にリフラクトリ金属膜(例えばチタン膜,コバルト
膜,ニッケル膜など)を堆積する。そして、基板の上面
にレーザを照射してレーザアニールを行なう。このと
き、リフラクトリ金属膜とアモルファス領域との反応が
進行して、シリサイド層が形成される。
【0102】図17は、本実施形態において形成したウ
エハのN型,P型拡散層の上に形成されたチタンシリサ
イド層の反射率スペクトルを示す図である。ここで、こ
のチタンシリサイド層は450℃以下の温度でレーザア
ニールを施して形成されたものである。同図において、
横軸は測定光の波長(nm)を表し、縦軸は反射率を表
している。また、PDとは高濃度のP型拡散層(ソース
・ドレイン領域)を、NDとは高濃度のN型拡散層を示
す。同図に示されるように、両者からの反射率は広い範
囲に亘ってほぼ一致していることから、チタンシリサイ
ド層の平坦性が良好であるものと推定される。
【0103】したがって、本実施形態では、予めアモル
ファス領域と結晶領域との境界が明確になり界面の凹凸
が小さい半導体領域を有するウエハを用いてシリサイド
化を行なっている。ここで、レーザアニールによってシ
リサイド化を行なう際には、融点の低いアモルファス領
域のみが溶融するがその下方の結晶領域は溶融しない。
したがって、アモルファス領域のみを確実に選択的にシ
リサイド化することができ、平坦性のよいシリサイド層
を形成することができる。そして、シリサイド層の平坦
性がよいことで、アグロメレーションの発生を抑制で
き、接合リークの抑制を図ることができる。
【0104】(その他の実施形態)上記いずれかの実施
形態のイオン注入を利用して温度測定を行なう場合、ウ
エハの両面からイオン注入を行なって、ウエハの上面だ
けでなく裏面にもアモルファス領域を形成することによ
り、1つのサンプルで2回の温度測定を行なうことがで
きる。アニール工程をウエハの上面にレーザを照射する
ことによって行なう場合、上面側のアモルファス領域の
みが回復し、裏面側のアモルファス領域が回復しない条
件でアニールを行なって回復レートを求めることで、第
1回目の温度測定を行なうことができる。しかし、裏面
側のアモルファス領域はまだ回復していないので、別の
温度範囲(特に高い温度範囲)におけるアニールを行な
って温度を求めることができる。ウエハが大口径になっ
てウエハ厚みが厚くなっている場合には、裏面側のアモ
ルファス領域の温度が上面側のアモルファス領域の温度
に比べてかなり低いままであることもありうる。かかる
場合には、上面側のアモルファス領域と下面側のアモル
ファス領域とが同じイオン注入条件と同じイオン種によ
り形成されたものであっても、上面側のアモルファス領
域だけが回復し、裏面側のアモルファス領域は回復して
いないことも十分起こりうる。したがって、最初にレー
ザアニールにより温度測定を行なって、上面側のアモル
ファス領域が回復したウエハを裏返し、上方を向いてい
る裏面にレーザを照射してアニールを行なって、次の温
度測定を行なってもよい。
【0105】上記いずれかの実施形態のイオン注入を利
用して温度測定を行なう場合、ウエハの両面からイオン
注入を行なって、ウエハの上面だけでなく裏面にもアモ
ルファス領域を形成することにより、ウエハの熱伝導率
を求めることができる。つまり、アニール工程をウエハ
の上面にレーザを照射することによって行なう場合、上
面側のアモルファス領域と裏面側のアモルファス領域と
の回復レートを求めることで、上面付近の領域と裏面付
近の領域との温度差を検出することができる。したがっ
て、例えばフラッシュアニールを行なう場合、この温度
差と温度変化の時間変化とからウエハの熱伝導率がわか
る。これにより、各種工程における温度管理を厳密に行
なうことが可能とななる。特に、ウエハの大口径化によ
ってウエハ厚みも増大するが、そのときにウエハ厚みと
上面−裏面間の温度差との関係なども把握できるので、
製造歩留まりの向上と品質の高い半導体装置の製造とを
図ることができる。
【0106】上記各実施形態の温度測定方法は、温度測
定用のサンプルウエハを利用して行なってもよいし、ウ
エハ内にモニター領域を設けて行なってもよいし、実際
に製品デバイスを形成するためのウエハを用いて行なっ
てもよい。
【0107】また、上記各実施形態における温度測定方
法を、磁気的,光学的,電気的特性を利用した記録媒体
に記憶させておき、この記録媒体を用いて、半導体装置
の製造工程に用いることができる。
【0108】
【発明の効果】本発明によると、装置内部の実際の温
度,温度分布を正確に測定することができる温度測定方
法や、温度,温度分布の正確な測定に供しうる温度測定
用サンプルの作成、浅い拡散層,平坦性のよいシリサイ
ド層の形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アモルファス領域を550℃でアニールした時
のアモルファス領域の厚みの時間変化つまり回復レート
を示す図である。
【図2】as-implantedのシリコン基板におけるヒ素(A
s)と酸素(O)との基板深さ方向における濃度プロフ
ァイルを示す図である。
【図3】アモルファス領域への酸素の注入量を複数種類
に変えて回復レートを測定した結果を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に
おける温度測定のためのアニール処理の手順を示す断面
図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるアニール及び
温度測定の手順を示すフローチャート図である。
【図6】第1の実施形態におけるアモルファス領域の結
晶への回復レートを示す図である。
【図7】第1の実施形態におけるアニール温度と回復レ
ートとの関係から温度を決定する手順を示すフローチャ
ート図である。
【図8】文献に記載されている回復レートとアニール温
度Tとの関係を示すデータに、高濃度の酸素が導入され
たシリコン基板における回復レートとアニール温度Tと
の関係を加えて示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるAsのみを注
入した場合とAs及びBを注入した場合とにおける回復
レートを比較したデータを示す図である。
【図10】第3の実施形態におけるGe注入によって形
成されたアモルファス領域と、As注入によって形成さ
れたアモルファス領域との回復レートの差を示す図であ
る。
【図11】(a),(b)は、第3の実施形態における
互いに異なる回復レートを有する4つのアモルファス領
域を有する評価用サンプルウエハを形成する2つ方法を
示す平面図である。
【図12】図11に示す評価用サンプルウエハを用いた
場合の各アモルファス領域の温度測定可能範囲を示す図
である。
【図13】(a)〜(d)は、それぞれ順に、基板温度
0℃,−10℃,−20℃,−30℃におけるヒ素(A
s)の注入によって形成されたアモルファス領域−結晶
領域間の界面の形状を示す断面図である。
【図14】低温におけるイオン注入によって形成された
アモルファス領域の回復レートを示す図である。
【図15】図13(a)〜(d)に示す注入条件でそれ
ぞれ形成されたアモルファス領域に対する分光エリプソ
メトリの測定により得られたcos Δの分光スペクトルの
一部を示す図である。
【図16】第5の実施形態におけるIV族元素としてGe
を注入して形成されるアモルファス領域とその下方の結
晶領域との境界付近の構造を示すTEM写真図である。
【図17】第7の実施形態において形成したウエハのN
型,P型拡散層の上に形成されたチタンシリサイド層の
反射率スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板(結晶) 10a アモルファス領域 10b 結晶領域 11 シリコン酸化膜 10aa 高濃度酸素領域 10bb 低濃度酸素領域
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−249031(JP,A) 特開 平6−77301(JP,A) 特開 平5−121509(JP,A) 特開 平6−244255(JP,A) 特開 平9−82767(JP,A) 国際公開98/57146(WO,A1) T.Sameshima and S.Isui,Pulsed lase r−induced amorphiz astion of silicon films,J.Appl.Phy s.,米国,1991年 8月 1日,70 (3),p.p.1281−1289 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66 G01K 11/00 H01L 21/205 H01L 21/302

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の半導体領域内に形成されたアモル
    ファス領域中に酸素をドープするステップ(a)と、 上記アモルファス領域を一定時間加熱してアモルファス
    領域が再結晶化する回復レートを求めるステップ(b)
    と、 予め準備されている上記アモルファス領域の回復レート
    と加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(b)に
    おけるアモルファス領域の温度を求めるステップ(c)
    とを含む温度測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の温度測定方法において、 上記ステップ(a)では、上記ステップ(b)における
    回復レートを加熱の開始時からほぼ一定にするための臨
    界値に達するように酸素をドープすることを特徴とする
    温度測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の温度測定方法において、 上記臨界値は、3.2×1019atoms ・cm-3であるこ
    とを特徴とする温度測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の温度測定方法において、 上記ステップ(a)を行なう前の上記基板の半導体領域
    の上には酸化膜が形成されており、 上記ステップ(a)の前に、上記半導体領域に不純物の
    イオン注入を行なうことにより上記アモルファス領域を
    形成するステップをさらに含むことを特徴とする温度測
    定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の温度測定方法において、 上記ステップ(a)に示す工程の前に、減圧下で上記半
    導体領域の上の自然酸化膜を除去するステップをさらに
    含み、 上記ステップ(a)は、自然酸化膜を除去するステップ
    の後、基板を大気雰囲気にさらすことなく減圧状態下に
    保持した状態で行なわれることを特徴とする温度測定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の温度測定方法において、 上記ステップ(b)は、分光エリプソメトリによるアモ
    ルファス領域の厚み測定を用いて行なわれることを特徴
    とする温度測定方法。
  7. 【請求項7】 基板の半導体領域内に、IV族元素のイオ
    ン注入を行なってアモルファス領域を形成するステップ
    (a)と、 上記アモルファス領域を一定時間加熱してアモルファス
    領域が再結晶化する回復レートを求めるステップ(b)
    と、 予め準備されている上記アモルファス領域の回復レート
    と加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(b)に
    おけるアモルファス領域の温度を求めるステップ(c)
    とを含む温度測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の温度測定方法において、 上記ステップ(a)では、ドーズ量が1×1015atoms
    ・cm-2以上の条件でGeのイオン注入を行なうことを
    特徴とする温度測定方法。
  9. 【請求項9】 基板の半導体領域内に、ヒ素(As),
    リン(P),ハロゲン元素及び不活性ガス元素のうち少
    なくともいずれか1つのイオン注入を行なってアモルフ
    ァス領域を形成するステップ(a)と、 上記アモルファス領域を一定時間加熱してアモルファス
    領域が再結晶化する回復レートを求めるステップ(b)
    と、 予め準備されている上記アモルファス領域の回復レート
    と加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(b)に
    おけるアモルファス領域の温度を求めるステップ(c)
    とを含む温度測定方法。
  10. 【請求項10】 基板の半導体領域の複数の箇所に、相
    異なる条件でイオン注入を行なって複数のアモルファス
    領域を形成するステップ(a)と、 上記複数のアモルファス領域を一定時間加熱して各アモ
    ルファス領域が再結晶化する回復レートを個別に求める
    ステップ(b)と、 予め準備されている上記各アモルファス領域の回復レー
    トと加熱温度との関係に基づいて、上記各回復レートに
    対応する上記ステップ(b)における各アモルファス領
    域の温度を求めるステップ(c)とを含む温度測定方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の温度測定方法におい
    て、 上記ステップ(a)では、上記複数の箇所に注入するイ
    オン種又はイオン注入条件を相異ならせることを特徴と
    する温度測定方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載の温度測定方
    法において、 上記基板はウエハ状態のものであり、 上記ステップ(a)は、上記4つの箇所が平面的にみて
    ウエハを上下左右4つに区画された領域となっているサ
    ンプルを用いて行なわれることを特徴とする温度測定方
    法。
  13. 【請求項13】 基板の上面にある第1の半導体領域
    に、イオン注入を行なって第1のアモルファス領域を形
    成するステップ(a)と、 基板の裏面にある第2の半導体領域に、上記イオン注入
    を行なって第2のアモルファス領域を形成するステップ
    (b)と、 上記基板を、上記第1のアモルファス領域を回復させる
    とともに上記第2のアモルファス領域を回復させない条
    件で加熱して、上記第1のアモルファス領域の回復レー
    トを求めるステップ(c)と、 予め準備されている上記第1のアモルファス領域の回復
    レートと加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ
    (c)における第1のアモルファス領域のうちいずれか
    一方の温度を求めるステップ(d)とを含む温度測定方
    法。
  14. 【請求項14】 基板の上面にある第1の半導体領域
    に、イオン注入を行なって第1のアモルファス領域を形
    成するステップ(a)と、 基板の裏面にある第2の半導体領域に、上記イオン注入
    を行なって第2のアモルファス領域を形成するステップ
    (b)と、 上記基板を加熱して、上記第1及び第2のアモルファス
    領域を回復させて、上記第1及び第2のアモルファス領
    域の回復レートをそれぞれ求めるステップ(c)と、 予め準備されている上記第1及び第2のアモルファス領
    域の回復レートと加熱温度との関係に基づいて、上記各
    回復レートに対応する上記ステップ(c)における第1
    及び第2のアモルファス領域の温度を求めるステップ
    (d)と、 上記第1及び第2のアモルファス領域の温度差から基板
    の熱伝導率を求めるステップ(e)とを含む温度測定方
    法。
  15. 【請求項15】 基板の半導体領域内に、基板温度が−
    10℃よりも低い条件下でイオン注入を行なってアモル
    ファス領域を形成するステップ(a)と、 上記アモルファス領域を一定時間加熱してアモルファス
    領域が再結晶化する回復レートを求めるステップ(b)
    と、 予め準備されている上記アモルファス領域の回復レート
    と加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(b)に
    おけるアモルファス領域の温度を求めるステップ(c)
    とを含む温度測定方法。
  16. 【請求項16】 基板の半導体領域内に、イオン注入を
    行なってアモルファス領域を形成するステップ(a)
    と、 上記アモルファス領域を300℃以上450℃以下の範
    囲の温度でアニールを行なうステップ(b)と、 上記アモルファス領域を加熱して、アモルファス領域が
    再結晶化する回復レートを求めるステップ(c)と、 予め準備されている上記アモルファス領域の回復レート
    と加熱温度との関係に基づいて、上記ステップ(c)に
    おけるアモルファス領域の温度を求めるステップ(d)
    とを含む温度測定方法。
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