JP3303289B2 - 2成分混合用溶解液充填注射器 - Google Patents

2成分混合用溶解液充填注射器

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JP3303289B2 JP13357997A JP13357997A JP3303289B2 JP 3303289 B2 JP3303289 B2 JP 3303289B2 JP 13357997 A JP13357997 A JP 13357997A JP 13357997 A JP13357997 A JP 13357997A JP 3303289 B2 JP3303289 B2 JP 3303289B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2成分混合用溶解液
充填注射器に関し、より詳しくは、本発明は、注射器外
筒内の溶解液を他の容器の薬剤と混合して液状薬剤に調
製する際に、針穿刺部からの液漏れを防止する機構を備
えた2成分混合用溶解液充填注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の乾燥薬剤は、これらを使用でき
る状態にされた場合、急激にその効力を失うため、その
多くは一般に穿刺可能な栓を備えたバイアル等の容器に
収納した形で与えられ、使用時に注射器などを用いて溶
解液と混合されている。しかしながら、このような注射
器などを用いての混合操作は、煩雑で手間がかかる上
に、バイアルの中の薬剤が汚染される虞があるという問
題を含んでいる。そこでこのような問題を解消するため
に、両端が開放した円筒状容器に薬液を充填し、その両
開放端をそれぞれゴム栓で閉鎖してなる所謂シリンジ外
筒と、このシリンジ外筒から薬液を押し出すプランジャ
・ロッドと、シリンジ外筒の内部と注射針とを連通する
手段の組合せが提案され、所謂プレフィルドシリンジと
して知られている。本発明は、2成分混合用のプレフィ
ルドシリンジであり、予め溶解液が充填されたシリンジ
外筒と連通手段を含んでなり、使用時に連通手段によっ
てバイアルとシリンジ外筒が連通されるようにしたもの
である。
【0003】このような2成分混合用のプレフィルドシ
リンジは、既に多くの提案がなされており(特開昭61
−48377号公報、特開昭62−14863号公報、
特開平5−31189号公報など)、この内、特開昭6
1−48377号公報および特開昭62−14863号
公報のプレフィルドシリンジは、ストッパで2室に仕切
られたシリンジ外筒の先端部側の室(乾燥薬剤を収納)
にバイパス区域を形成し、ピストンを先端部側の室に移
動させることによってストッパをバイパス区域に移動さ
せ、基端部側の室(溶解液を収容)の溶解液をバイパス
を通して先端部側の室に移動させるようにしたものであ
る。また、特開平5−31189号公報のプレフィルド
シリンジは、第1成分を充填した注射筒の先端に注射針
を固着し、かつ、その注射筒を外筒内に摺動可能に収容
して、外筒の先端には刺通可能なシール部材を介して第
2成分室を気密に固着したものであり、プランジャを押
圧したときに注射針で第2成分室のシール部材が刺通さ
れ、第1成分を充填した注射筒と第2成分室の連通が達
成されるようになっている。
【0004】しかしながら、前者のバイパス区域を設け
たプレフィルドシリンジは、溶解液とゴム栓(ピスト
ン)の接触面積が大きく、従ってゴム栓からの溶出が多
くなるという欠点や、バイパス内に注射液が残るという
欠点を有しており、また、後者の外筒を介して注射筒と
第2成分室を結合したプレフィルドシリンジは、コンパ
クトではあるが、注射針をシール部材に貫通しない状態
で差し込んでいるため、組み立て作業が面倒であり、ま
た、注射針が予め組み込まれているため、任意の注射針
を選択できないという欠点を有している。また、これら
のプレフィルドシリンジは、いずれも注射剤が予め組み
込まれているため、任意の注射剤を選択することができ
ないという欠点を有している。
【0005】そこで、これらのプレフィルドシリンジの
有する上記の問題を解決するため、本出願人は既に特開
平7−8555号公報のプレフィルドシリンジを提案し
ている。このものは、溶解液の充填されたバレルと、こ
のバレルの先端部外壁に取り付けられた筒状の連通補助
具と、この連通補助具によって支持された連通手段から
構成されたものであり、連通補助具の上部にはバイアル
装着部が設けられ、下部には連通手段支持部が設けられ
ている。しかしながら、このものは、薬剤容器との連通
時に液漏れの発生する虞のあるものであり、また、バレ
ル内の溶解液を連通針で薬剤容器内に移送するときに生
ずる薬剤容器内圧により、連通針の針穿刺部から液漏れ
の発生する虞のあるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、実質的にゴム栓からの溶出がな
く、薬液の残留が殆どなく、任意の乾燥薬剤を選択する
ことができ、組み立てが容易で、薬液調製時に液漏れの
虞のない、市販の任意の注射針を使用できる2成分混合
用溶解液充填注射器を提供することを第1の目的とす
る。また、本発明は、バレル内の溶解液を連通針にて薬
剤容器内に移送するときに連通針の針穿刺部から液漏れ
の発生する虞のない2成分混合用溶解液充填注射器を提
供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、バイアル内部を外気に通気する通
気手段および連通順序規制手段を備えた連通補助手段を
採用している。すなわち、本発明は、先端の注射針接続
部が穿刺針で刺通可能な閉鎖手段で閉鎖されるととも
に、基端側が内腔の内壁に沿って摺動可能に挿着された
ガスケットで密封された、内部に溶解液の充填された注
射器外筒と、両端の開口した筒状部材であって、上部に
バイアル装着部が設けられるとともに、下部に前記注射
器外筒がスライド可能かつ取り外し可能に挿着された可
撓性樹脂製の筒状のアダプタと、該アダプタにバイアル
装着部に近接して収容支持されており、該バイアル装着
部に装着されたバイアルと前記注射器外筒とを連通す
、上部穿刺針と下部穿刺針および中間の円板状のハブ
からなる連通手段と、前記バイアル装着部に装着された
バイアルの内部を外気に通気する通気手段、および前記
連通手段により前記バイアルが連絡されて初めて注射器
外筒が連絡されるようにする連通順序制御手段を含んで
なり、該連通順序制御手段が、前記ハブの周縁の軸方向
に設けられた複数の可撓性係合枝と、アダプタの内壁に
バイアル装着部に近接して設けられた、前記係合枝をス
ライド可能に支持する複数の縦溝と、該縦溝の所定位置
に形成された係合解除部からなり、前記注射器外筒をバ
イアル装着部方向に移動させた時に、前記連通手段が該
注射器外筒とともにアダプタの内壁を移動して、バイア
ルのゴム栓が前記上部穿刺針によって刺通された後に初
めて前記係合枝が前記係合解除部に到達して、前記アダ
プタの縦溝と連通手段の係合枝の係合が解除されるよう
に構成されてなる2成分混合用溶解液充填注射器である
(第1の発明)。
【0008】ここで、通気手段としては、上部穿刺針に
設けられたハブの下面でエアフィルターを介して外気と
連通する気体通路であっても、上部穿刺針と近接してハ
ブに設けられたエア針であってもよい。
【0009】また、本発明者等は、上記の第2の課題を
解決するために、バイアルの内部を外気に通記する通気
手段を採用している。すなわち、本発明は、先端の注射
針接続部が穿刺針で刺通可能な閉鎖手段で閉鎖されると
ともに、基端側が内腔の内壁に沿って摺動可能に挿着さ
れたガスケットで密封された、内部に溶解液の充填され
た注射器外筒と、両端の開口した筒状部材であって、上
部にバイアル装着部が設けられるとともに、下部に前記
注射器外筒がスライド可能かつ取り外し可能に挿着され
た可撓性樹脂製の筒状のアダプタと、該アダプタにバイ
アル装着部に近接して収容支持されており、該バイアル
装着部に装着されたバイアルと前記注射器外筒とを連通
する、上部穿刺針と下部穿刺針および中間の円板状のハ
ブからなる連通手段、および前記バイアル装着部に装着
されたバイアルの内部を外気に通気する通気手段を
み、バイアル装着部の内壁に、バイアルを保持する一対
の爪が設けられるとともに、該爪の少なくとも一方にバ
イアル装着部の外側に突出するバイアルを外すための舌
片が設けられてなる2成分混合用溶解液充填注射器であ
る(第2の発明)。ここで、通気手段としては、上部穿
刺針に設けられたハブの下面でエアフィルターを介して
外気と連通する気体通路であっても、上部穿刺針と近接
してハブに設けられたエア針であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る2
成分混合用溶解液充填注射器の縦断面図であり、図2は
図1に示すアダプタの拡大平面図、図3は図2のX−X
線断面図、図4は図2のY−Y線断面図、図5は図2の
底面図、図6は図1に示す連通手段の拡大平面図、図7
は図6のX−X線断面図、図8は図6の底面図、図9は
アダプタの他の実施例を示す縦断面図、図10は連通手
段の他の実施例を示す断面図である。図1に示すよう
に、本発明の2成分混合用溶解液充填注射器は、溶解液
の充填された注射器外筒1と、一端にバイアル装着部2
1を備えた両端の開放した筒状のアダプタ2と、注射器
外筒1とバイアル装着部21に装着されたバイアル(図
示していない)を連通する連通手段(両頭針3)から構
成されており、アダプタ2にはバイアル装着部21に近
接して両頭針3が収容支持されるとともに、他端から注
射器外筒1がスライド可能に挿着されている。そして、
注射器外筒1はその先端部が閉鎖手段(ゴムキャップ
4)で閉鎖され、その基端部がガスケット11で密封さ
れている。また、両頭針3にはバイアルの内部を外部に
通気する通気手段5が設けられており、両頭針3とアダ
プタ2の間には連通順序制御手段が構成されている。
【0011】注射器外筒1は先端と基端を有する両端の
開口した筒状部材であり、通常ガラスや透明な合成樹
脂、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリメチ
ルペンテン等で形成される。注射器外筒1の先端部は狭
窄した注射針接続部13になっており、刺通可能な閉鎖
手段としてのゴムキャップ4で閉鎖されている。また、
基端部側の内腔は基端部開口から挿着されたガスケット
11で密封されており、ゴムキャップ4とガスケット1
1の間の注射器外筒1の内腔には予め溶解液(図示して
いない)が充填されている。刺通可能な閉鎖手段として
は、図1に示されるゴムキャップ4が好ましく採用され
るが、注射器外筒1が可撓性合成樹脂で形成されている
場合は、注射針接続部13と一体に形成された注射針接
続部13の中空部分を閉鎖する薄膜(図示していない)
であってもよい。尚、ガスケット11やゴムキャップ4
の形成材料としては、充填される薬液との適合性に大き
く依存することになるが、天然ゴムや合成ゴム、熱可塑
性エラストマー等が使用でき、特に天然ゴムやブチルゴ
ムが望ましい。また、溶解液としては、通常、注射用蒸
留水や生理食塩水などが好適に採用される。
【0012】アダプタ2は、上部と下部を有する両端の
開口した筒状容器であり、通常ポリプロピレンやポリエ
チレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂な
どの合成樹脂で形成される。アダプタ2の上部にはバイ
アル装着部21が設けられており、このバイアル装着部
21にはこれに装着されたバイアルと係合してこれを保
持する一対の爪22が設けられている。そして、爪22
の少なくとも一方には、バイアルを取り外すことができ
るように、バイアル装着部21の外側に突出する舌片2
3が設けられており、この舌片23を指などで押すと爪
22が撓んで外側に拡がるようになっている。一方、ア
ダプタ2の下部には、バイアル装着部21に近接して連
通手段としての両頭針3が収容支持されており、さらに
この両頭針3に近接して注射器外筒1がその注射針接続
部13を先頭に取り外し可能かつアダプタ2の内壁に沿
ってスライド可能に挿着されている。そして、アダプタ
2と両頭針3の間には連通順序制御手段が構成されてい
る。尚、27は両頭針3のアダプタ2内での位置決めの
ための環状リブである。
【0013】アダプタ2は、好ましくは、図2〜4に示
すような形状に形成される。このものは、上部と下部が
隔壁24で仕切られ、この隔壁24に両頭針3の上部穿
刺針31が貫通する透孔241が設けられている。ま
た、隔壁24に近接してアダプタ2の下部方向に複数の
縦溝25が設けられ、この縦溝25の所定位置(両頭針
3の上部穿刺針31によりバイアルのゴム栓が刺通され
る位置より隔壁24側方向)には係合解除部としてのス
リット26が設けられている。縦溝25には図7に示す
ような両頭針3のハブ33に設けられた複数の可撓性係
合枝34がスライド可能に支持されており、両頭針3が
バイアルのゴム栓を上部穿刺針31で確実に刺通する位
置まで、すなわち両頭針3のハブ33がアダプタ2の隔
壁24に接する位置まで移動したとき、係合枝34がス
リット26に嵌まって(脱落して)係合枝34と縦溝2
5の間の係合が解除されるようになっている。そして、
その結果、係合枝34は外側に拡径可能になり(係合解
除により縮径されていた係合枝34が自らの可撓性によ
り拡径するようになっていてもよい)、従って注射器外
筒1が係合枝34の内側をスライド可能になり、両頭針
3の下部穿刺針32による注射器外筒1のゴムキャップ
4の刺通が可能になる。ここで、縦溝25を下部の開口
付近まで形成しているのは、両頭針3をアダプタ2に収
容するときに、組み立て作業を容易にするためである。
【0014】アダプタは、図9のような形状に形成する
こともできる。このアダプタ20は、図2〜4のアダプ
タ2において係合解除部を深溝28にしたものである。
2成分混合用溶解液充填注射器は、汚染防止ためアダプ
タ2の下部開口端よりも上部側が、あるいは全体が、ポ
リエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどの合成
樹脂で形成されたカバーシールまたはポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデンなどの合成樹脂で形成されたシュリ
ンクフィルム、滅菌紙(図示していない)などによって
密封閉鎖されていてもよい。この場合、2成分混合用溶
解液充填注射器の全体が密封閉鎖されていない場合に
は、アダプタ2と注射器外筒1の間の気密性は、例えば
注射器外筒1の基端部の胴部外壁にパッキン(図示して
いない)を取り付けるか、または図9に示すように、ア
ダプタ2の下部の開口に近接してその内壁にパッキン取
付溝29を設け、これにパッキン6を取り付けることに
より確保される。
【0015】連通手段は、アダプタ2の下部にバイアル
装着部21に近接して収容支持されており、連通手段と
しては一般に両頭針3、30が採用される。両頭針3、
30は、通常、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエ
ステル、ABS樹脂等の合成樹脂で形成され、好ましく
は図6〜8あるいは図10に示すような形状に形成され
る。これらのものは、上部穿刺針31、301がカット
針であり、同心状に形成されたハブ33、303にはア
ダプタ2内壁に設けられた縦溝25に沿ってスライド可
能なように軸対称に設けられた複数の可撓性係合枝3
4、304が突設されている。係合枝34、304は、
係合解除部に到達したときに外側に拡がる様に、組み立
て時に縦溝25によって内側に撓まされていてもよい。
【0016】図6〜8に示す両頭針3は上部穿刺針31
と下部穿刺針32および中間のハブ33からなる中空の
穿刺針であり、上部穿刺針31には通気手段(気体通路
5)が形成され、ハブ33にはアダプタ2の縦溝25に
沿ってスライド可能な複数の係合枝34が突設されてい
る。この係合枝34は可撓性を有しており、アダプタ2
の縦溝25と、この縦溝25の所定位置に設けられた係
合解除部(スリット26、深溝28)とで連通順序制御
手段を構成している。この構成により、両頭針3の係合
枝34がアダプタ2の縦溝25に沿ってバイアル装着部
21方向にスライドして、上部穿刺針31によりバイア
ル装着部21に装着されたバイアルが刺通された時に、
係合枝34が係合解除部に嵌まって縦溝25と係合枝3
4の係合が解除されるようになっている。そして、その
結果、係合枝34が外側に撓むことができるようになる
ので、注射器外筒1のバイアル装着部21方向へのスラ
イドが可能になり、両頭針3の下部穿刺針32により注
射器外筒1の先端のゴムキャップ4が刺通されるように
なっている。なお、縦溝25により係合枝34が内側に
撓まされている場合には、係合枝34は係合解除部に嵌
まると自らの可撓性により外側に拡がる。両頭針は図1
0に示すような形状に形成することもできる。この両頭
針30は上部穿刺針301、下部穿刺針302、ハブ3
03、係合枝304は図7に示す両頭針3と同様である
が、通気手段(エア針50)は上部穿刺針301に近接
してハブ303に設けられている。
【0017】両頭針3、30によって液体連通されたバ
イアルの内部は、両頭針3、30に設けた通気手段によ
って外気と気体連通できるようになっている。通気手段
としては、図7に示すような、上部穿刺針31に設けた
気体通路5でも、図10に示すような、上部穿刺針30
1に近接してハブ303に設けたエア針50でもよい。
ここで、図7に示す気体通路5は、ハブ33の下面でエ
アフィルター51を介して外気と連通するようになって
いる。また、エア針50は中空の穿刺針であり、先端に
刃先501を有し、気体通路502の基端(ハブ303
の下面)にはエアフィルター503が設けられている。
【0018】次に、本発明の2成分混合用溶解液充填注
射器の使用について図1を用いて説明する。先ず、2成
分混合用溶解液充填注射器を包んでいる保護部材(図示
していない)を取り去り、アダプタ2のバイアル装着部
21にバイアルをその口部を先にして装着する。次に、
例えばバイアルを下にして2成分混合用溶解液充填注射
器を机の上に置き、手でプランジャ・ロッド12を下に
押すと、注射器外筒1と両頭針3がアダプタ2の下部内
壁に沿って一緒に下方にスライド移動し、バイアルのゴ
ム栓が両頭針3の上部穿刺針31により刺通される。こ
こで、アダプタ2のスリット26が、両頭針3の上部穿
刺針31によりバイアルのゴム栓が刺通される位置に形
成されている場合、バイアルのゴム栓が刺通されると同
時に隔壁24により両頭針3の下方移動が阻止され、係
合枝34がスリット26に脱落する。すると係合枝34
は外側に拡径するので、注射器外筒1が係合枝34の内
側をさらに下方にスライド移動して、注射器外筒1のゴ
ム栓4が両頭針3の下部穿刺針32により刺通される。
【0019】こうしてバイアル内部と注射器外筒1の内
部は両頭針3を介して液体連通されるので、注射器外筒
1内の溶解液はバイアル内に移動することができるよう
になり、ガスケット11がプランジャ・ロッド12によ
り押されて前方に移動し、溶解液がバイアル内に導入さ
れる。このとき、バイアル内の空気は気体通路5をとお
って外部に排出されるので、下部穿刺針32とゴムキャ
ップ4の間から溶解液が漏れることがない。次に、バイ
アルと溶解液充填注射器をよく振って薬剤と溶解液を均
一に混合した後、プランジャ・ロッド12を引いて薬液
を注射器外筒1内に吸引し、次いで、注射器外筒1から
アダプタ2を外し、注射針接続部13からゴム栓4を外
して、注射針接続部13に注射針(図示していない)を
取り付ければ、そのまま注射器として使用することがで
きる。
【0020】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本第1の発明の2成分混合用溶解液充填注射器を採
用することにより、ゴム栓からの溶出が少ないので安全
である、薬液の残留が殆ど無いので高価な薬液を無駄に
しないで済む、任意の乾燥薬剤を選択することができ、
かつ市販の任意の注射針を使用できるので便利である、
組み立てが容易なので安価に製造できる、操作が簡単で
ある、薬液調製時に液漏れの虞がない、などの効果を奏
することができる。また、本第2の発明の2成分混合用
溶解液充填注射器を採用することにより、バレル内の溶
解液を連通針にて薬剤容器内に移送するときに連通針の
針穿刺部から液漏れの発生する虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る2成分混合用溶解液充
填注射器の縦断面図である。
【図2】図1に示すアダプタの拡大平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図2のY−Y線断面図である。
【図5】図2の底面図である。
【図6】図1に示す連通手段の拡大平面図である。
【図7】図6のX−X線断面図である。
【図8】図6の底面図である。
【図9】アダプタの他の実施例を示す縦断面図である。
【図10】連通手段の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 注射器外筒 11 ガスケット 2、20 アダプタ 21 バイアル装着部 24 隔壁 25 縦溝 26 スリット 28 深溝 3、30 両頭針 31、301 上部穿刺針 32、302 下部穿刺針 33、303 ハブ 34、304 係合枝 4 ゴム栓 5 気体通路(通気手段) 50 エア針(通気手段) 51、503 エアフィルター 6 パッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 三津夫 大阪市北区本庄西3丁目9番3号 株式 会社ニッショー内 審査官 北村 英隆 (56)参考文献 特開 平5−146510(JP,A) 特開 平7−213585(JP,A) 特開 平7−8555(JP,A) 特開 昭49−77487(JP,A) 実開 昭57−113149(JP,U) 特表 平1−500803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/24 A61M 5/178

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端の注射針接続部が穿刺針で刺通可能
    な閉鎖手段で閉鎖されるとともに、基端側が内腔の内壁
    に沿って摺動可能に挿着されたガスケットで密封され
    た、内部に溶解液の充填された注射器外筒と、両端の開
    口した筒状部材であって、上部にバイアル装着部が設け
    られるとともに、下部に前記注射器外筒がスライド可能
    かつ取り外し可能に挿着された可撓性樹脂製の筒状のア
    ダプタと、該アダプタにバイアル装着部に近接して収容
    支持されており、該バイアル装着部に装着されたバイア
    ルと前記注射器外筒とを連通する、上部穿刺針と下部穿
    刺針および中間の円板状のハブからなる連通手段と、
    記バイアル装着部に装着されたバイアルの内部を外気に
    通気する通気手段、および前記連通手段により前記バイ
    アルが連絡されて初めて注射器外筒が連絡されるように
    する連通順序制御手段を含んでなり、該連通順序制御手
    段が、前記ハブの周縁の軸方向に設けられた複数の可撓
    性係合枝と、アダプタの内壁にバイアル装着部に近接し
    て設けられた、前記係合枝をスライド可能に支持する複
    数の縦溝と、該縦溝の所定位置に形成された係合解除部
    からなり、前記注射器外筒をバイアル装着部方向に移動
    させた時に、前記連通手段が該注射器外筒とともにアダ
    プタの内壁を移動して、バイアルのゴム栓が前記上部穿
    刺針によって刺通された後に初めて前記係合枝が前記係
    合解除部に到達して、前記アダプタの縦溝と連通手段の
    係合枝の係合が解除されるように構成されてなる2成分
    混合用溶解液充填注射器。
  2. 【請求項2】 通気手段が上部穿刺針に設けられた気体
    通路であり、該気体通路がハブの下面でエアフィルター
    を介して外気と連通している請求項1に記載の注射器。
  3. 【請求項3】 連通手段が上部穿刺針と近接してハブに
    設けられたエア針である請求項1に記載の注射器。
  4. 【請求項4】 先端の注射針接続部が穿刺針で刺通可能
    な閉鎖手段で閉鎖されるとともに、基端側が内腔の内壁
    に沿って摺動可能に挿着されたガスケットで密封され
    た、内部に溶解液の充填された注射器外筒と、両端の開
    口した筒状部材であって、上部にバイアル装着部が設け
    られるとともに、下部に前記注射器外筒がスライド可能
    かつ取り外し可能に挿着された可撓性樹脂製の筒状のア
    ダプタと、該アダプタにバイアル装着部に近接して収容
    支持されており、該バイアル装着部に装着されたバイア
    ルと前記注射器外筒とを連通する、上部穿刺針と下部穿
    刺針および中間の円板状のハブからなる連通手段、およ
    び前記バイアル装着部に装着されたバイアルの内部を外
    気に通気する通気手段を含み、バイアル装着部の内壁
    に、バイアルを保持する一対の爪が設けられるととも
    に、該爪の少なくとも一方にバイアル装着部の外側に突
    出するバイアルを外すための舌片が設けられてなる2成
    分混合用溶解液充填注射器。
  5. 【請求項5】 通気手段が上部穿刺針に設けられた気体
    通路であり、該気体通路がハブの下面でエアフィルター
    を介して外気と連通している請求項4に記載の注射器。
  6. 【請求項6】 連通手段が上部穿刺針と近接してハブに
    設けられたエア針である請求項4に記載の注射器。
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