JP3301489B2 - 化学修飾エステラーゼの使用法 - Google Patents

化学修飾エステラーゼの使用法

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学修飾されたエステ
ラーゼの新規な使用方法に関する。化学修飾エステラー
ゼの使用方法はエステルの加水分解方法を指す。尚本
発明により得られる化学修飾エステラーゼは有機溶媒耐
性や有機溶媒親和性が付与されており、バイオリアクタ
ー素材など多方面に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】エステラーゼはエステルの加水分解を触
媒してその構成分である酸とアルコールとに加水分解す
る酵素の総称である。エステラーゼ中にはリパーゼを含
、産業上も非常に重要な酵素である。また加水分解反
応の触媒だけではなく、合成、置換、付加反応等も触媒
しており、酵素反応も非常に興味深いものである。
【0003】基質のエステルとしては、通常のカルボン
酸エステル、トリグリセリドの脂肪酸エステル (いわゆ
る油脂) などが代表的なものである。特に油脂の加水分
解酵素はエステラーゼの中でもリパーゼとして総称さ
れ、油脂の加水分解、脂肪酸の単離、脂質の改質など特
に注目されている。
【0004】近年、酵素反応を利用した有用物質の生産
についての研究が盛んである。一般の化学反応に比べ
て、酵素反応は、温和な条件 (温度,pH)下で反応が
すすむ点、また立体特異性に富む点、副反応の少ない点
などで優れているが、反面、コストが高い点、その特異
性のために利用が限定されてしまう点など問題もある。
この様な酵素反応のうち比較的汎用性が広く、また実際
に用いられることの多い反応にエステラーゼによるエス
テルの加水分解反応がある。
【0005】例えば、エステルを立体選択的に加水分解
し、光学活性のある化合物を得るなどの研究がそれであ
る。しかし、この様な場合、しばしば問題になるのは酵
素反応を受けるべき目的の化合物 (基質) が水に難溶で
あるということである。よって基質を溶かすために、や
むおえず反応系に有機溶媒を添加することになり、これ
は酵素の失活ないし活性の低下を招くことになる。この
問題を解決する手段として、酵素を化学修飾し、有機溶
媒に親和性、あるいは耐性を付与し、酵素活性を低下な
いし失活させることなく酵素反応を有機溶媒中でも行な
わせようとする技術が試みられている。
【0006】このような酵素の化学修飾法として一般に
用いられる方法としては、アシルハライドや活性エス
テルを用いて酵素蛋白をアシル化する方法(特開昭62
−96084号公報)、グルタールアルデヒドなどを
用いて修飾試薬と酵素を架橋する方法、塩化シアヌル
を介してポリエチレングリコール類を導入する方法 (安
島他、油化学、37、1097〜1103、1988
年)などいくつかの方法が提案されている。
【0007】この内、の方法は試薬の調製が容易であ
るなどの利点も多いが、しばしばアシルハライドやN−
ヒドロキシスクシンイミドエステルに代表される活性エ
ステル類が水に難溶であり、酵素の修飾には不適当であ
る。また、の方法は、酵素間の架橋など不用な反応が
起るので好ましくはない。の方法は、近年、しばしば
用いられるようになった化学修飾法であるが、修飾剤の
調製に手間がかかり、またポリエチレングリコールの重
合度を変える以外に修飾剤を自由に選択することができ
ないなどの問題点もある。
【0008】一方、本発明者らは、酵素の化学修飾法に
ついて、化1で表される活性エステル、パラヒドロキシ
フェニルジメチルスルホニオフェニル(DSP)エステ
ルを使用することにより、効率よく、エンドペプチダー
ゼを化学修飾できることを見出してすでに特許出願して
いる(特願平1−55053号)。
【0009】上記DSPは特開昭63−8365号公報
にアシル化試薬として開示されている公知の化合物であ
る。上記DSPにより、酵素蛋白質のアミノ基を化学修
飾したエンドペプチターゼは、水−有機溶媒系において
も安定であることが本発明者らによって確認されてい
る。又、上述した特開昭62−96084号公報には、
酵素蛋白質表面のアミノ基をアルキル基により化学修飾
したリポキシゲナーゼが開示されている。しかし本発明
で開示するようなアシル化剤によりアミノ基をアシル化
してなる化学修飾エステラーゼについては、これまで報
告されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した試
薬により、化学修飾された新規なエステラーゼの使用法
を提供することを課題とする。このエステラーゼの使用
はエステルの加水分解方法を指す。本発明で得られ
る修飾エステラーゼは、有機溶媒耐性が強く、かつ高濃
度の有機溶媒中においてもその活性を失わないという特
長を有する。
【0011】
【課題を解決するための手段】リパーゼなど一部のエス
テラーゼは有機溶媒に耐性が高く、比較的高濃度の有機
溶媒中でも活性を示すことが知られているが、その場合
でもエステラーゼ活性の低下を伴い効率よく反応をおこ
なうことができない。活性低下を防止し、かつ有機溶媒
に可溶とするために、本発明においては、エステラーゼ
のアミノ基にRCO−基を導入する。(但し、Rはベン
ジルオキシ基、第三ブトキシ基、9−フルオレニルメト
キシ基、p−メトキシベンジルオキシ基、炭素数C1
24であるアルキル基のいずれかを示す。)
【0012】RCO−基を導入するためには、本発明に
おいては、目的とするRCO−基を持つDSPエステル
を使用する。この化合物は、特開昭63−8365号公
報に開示された方法により目的とするRCO−基を有す
るDSPエステルを調製することができる。このような
エステルとして、例えば4−(ラウロイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウムメチルサルフェイト、4−
(パルミトイルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム
メチルサルフェイト、4−(ベンジルオキシカルボニル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウムメチルサルフェ
イト、4−(第三ブチルオキシカルボニルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウムメチルサルフェイト、4−
(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)フェニ
ルジメチルスルホニウムメチルサルフェイトなどを挙げ
ることができるが、これ以外のDSPエステルでも本発
明の実施にあたっては使用可能である。
【0013】修飾酵素を製造するには、酵素をpH7.
8のNa2 4 7 −HCl緩衝液に溶解し、導入しよ
うする基を有するDSPエステルを酵素の総アミノ基量
に対して0.5〜15当量加え、反応させることによ
り、蛋白質中のアミノ基に目的とするRCO−基を導入
することができる。反応温度は、酵素が失活しない条件
ならどのような条件でも可能であるが、好ましくは0〜
40℃が適する。反応終了後は目的とする修飾酵素をゲ
ル濾過あるいは膜処理等の常法により処理し、酵素画分
を回収する。酵素画分を、凍結保存、もしくは凍結乾燥
を行い修飾酵素を得る。
【0014】上記、DSPエステルは高い水溶性を有し
ており上述した条件以外でも適当な緩衝液を選択し、p
H5.0〜11.0において、酵素中のアミノ基へ容易
にRCO−基を導入することができる。この方法は、従
来から多用されているポリエチレングリコールなどの高
分子疎水基の導入と比較し、低分子の疎水基を導入する
ことができ、水系での反応であるため酵素の失活が少な
いなどの利点を有する。修飾酵素に導入される基は、エ
ステラーゼの総アミノ基量に対して、20〜60%が適
量であり、この範囲内が、有機溶媒親和性と活性維持の
上で好ましい。
【0015】このようにして得られた修飾酵素は、元の
エステラーゼが持つ、基質特異性や、反応性など酵素化
学的な特性はそのまま有しており、さらに有機溶媒耐性
や親和性が付与される。導入した基は、酸分解などの処
理により、アミノ基から遊離し、これをガスクロマトグ
ラフィーで分析することにより、本発明修飾酵素として
特定できる。
【0016】特に導入基がベンジルオキシ基、第三ブト
キシ基、9−フルオレニルメトキシ基、p−メトキシベ
ンジルオキシ基の場合には、温和な条件下で導入基を切
断することが可能であり、容易にもとの天然酵素へ再生
できる。特に貴重なエステラーゼの場合は、酵素の利用
範囲が広まることで用途の拡大が期待できる。
【0017】かくして得られた酵素は、従来のエステラ
ーゼと異なり有機溶媒耐性、有機溶媒親和性を有してい
るため、ヘキサン、ベンゼン、エーテル、アセトン、シ
クロヘキサンなど有機溶媒中で酵素反応を行なうことが
できる。一般的には、本修飾酵素のいずれでも、リン酸
緩衝液など中性の緩衝液に0.1mg/ml〜10mg
/ml程度の濃度に溶解し、ついで目的とするエステル
を10〜20%程度の濃度になるように溶解し、この溶
液を上述の酵素液量の1〜10倍量採取し、酵素液と混
合し、酵素反応を行わせる。又、本エステラーゼを、樹
脂に固定したり、ゲルに封入したりした固定化酵素とし
て酵素反応を行なわせることもできる。
【0018】修飾エステラーゼは、通常は、凍結乾燥、
噴霧乾燥した酵素として保存できる。又必要に応じて修
飾反応終了後の溶液のまま、あるいは、凍結して保存も
できる。
【0019】修飾エステラーゼを用いる反応としては、
エステルの加水分解反応、逆反応によるエステル化を目
的としたエステル合成、エステル交換反応があげられ
る。本発明修飾エステラーゼを用いて、これらの反応を
触媒し、目的物質を得ることができる。
【0020】以下に実施例を示しさらに本発明を詳細に
説明する。
【0021】
【実施例1】本実施例においては、修飾エステラーゼの
製法例を示す。 (1) 4−(ラウロイルオキシ)フェニルジメチルスルホ
ニウム・メチルサルフェイト(La−DSP)を用いた
リパーゼの化学修飾 リパーゼPN(生化学工業)10mgを0.1M Na
2 4 7 −HCl緩衝液(pH7.8)5mlに溶解
する。マグネティックスターラーにて氷冷下ゆっくり撹
拌しながら、目的量のLa−DSPを60分間に3回に
分けて加えた。その後、4℃で16時間ゆっくり撹拌し
ながら反応させた。反応終了後、反応液を4℃1000
0G10分間遠心分離し、沈澱を除き、その上清を、分
画分子量2000の透析膜を用い、4℃200倍量の脱
イオン水に対して72時間透析を行った。透析に用いた
脱イオン水は、12時間ごとに新しいものと交換した。
透析後、目的物を含む溶液を凍結乾燥し、目的の修飾酵
素粉末を得た。
【0022】得られた凍結乾燥粉末について、TNBS
法 (ノボエンザイムインフォメーション:11月号AF
−75/1─GB(1970)にて、修飾を受けたアミ
ノ基量を定量し、これから修飾率を決定した。加えた修
飾剤の量、修飾酵素の収量、修飾率を第1表に示す。
【0023】
【表1】 ────────────────────── 修飾剤添加量 収量*1 修飾率 (アミノ基当りの当量) (mg) (%) ────────────────────── 0.5 11.18 31.4 1.0 12.00 35.8 1.5 12.28 36.1 2.0 12.93 50.5 2.5 12.81 56.4 5.0 12.90 57.8 10.0 12.89 56.9 15.0 12.87 57.5 ────────────────────── *1 原料リパーゼ10mgからの収量
【0024】(2) 4−(パルミトイルオキシ)フェニル
ジメチルスルホニウム・メチルサルフェイト(Pa−D
SP)を用いたリパーゼの化学修飾 ブタ膵臓リパーゼ(エラスチンプロダクト社製)10m
gについて、実施例1 (1) と同様に修飾を行った。この結果、得られた修飾剤
添加量、収量及び修飾率の関係を表2に示す。
【0025】
【表2】 ────────────────────── 修飾剤添加量 収量*1 修飾率 (アミノ基当りの当量) (mg) (%) ────────────────────── 0.5 12.00 30.8 1.5 11.42 38.4 2.5 12.02 54.1 10.0 12.11 55.0 ────────────────────── *1 原料リパーゼ10mgからの収量
【0026】(3) 4−(ベンジルオキシカルボニルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウムメチルサルフェイト
(Z−DSP)を用いるリパーゼの化学修飾 リパーゼPN(生化学工業社)10mgについて実施例
1(1) と同様に修飾を行った。この結果、得られた修飾
剤添加量、収量及び修飾率の関係を表3に示す。
【0027】
【表3】 ────────────────────── 修飾剤添加量 収量*1 修飾率 (アミノ基当りの当量) (mg) (%) ────────────────────── 0.5 11.10 36.6 1.5 10.98 38.9 2.5 11.38 57.1 10.0 11.29 58.8 ────────────────────── *1 修飾に用いた酵素は10mg
【0028】(4) 4−(第三ブチルオキシカルボニルオ
キシ)フェニルジメチルスルホニウムメチルサルフェイ
ト(Boc−DSP)を用いるリパーゼの化学修飾 ブタ膵臓リパーゼ(エラスチンプロダクト社)10mg
について実施例1(1) と同様に修飾を行った。この結
果、得られた修飾剤添加量、収量及び修飾率の関係を表
4に示す。
【0029】
【表4】 ────────────────────── 修飾剤添加量 収量*1 修飾率 (アミノ基当りの当量) (mg) (%) ────────────────────── 0.5 11.20 32.2 1.5 11.38 40.0 2.5 11.10 51.9 10.0 11.39 56.8 ────────────────────── *1 修飾に用いた酵素は10mg
【0030】(5) 4−(9−フルオレニルメトキシカル
ボニルオキシ)フェニルジメチルスルホニウムメチルサ
ルフェイト(Fmoc−DSP)を用いるリパーゼの化
学修飾 リパーゼPN(生化学工業社)10mgについて実施例
(1) と同様に修飾を行った。この結果、得られた修飾剤
添加量、収量及び修飾率の関係を表5に示す。
【0031】
【表5】 ────────────────────── 修飾剤添加量 収量*1 修飾率 (アミノ基当りの当量) (mg) (%) ────────────────────── 0.5 11.88 28.8 1.5 12.01 39.8 2.5 12.10 46.9 10.0 12.63 52.9 ────────────────────── *1 修飾に用いた酵素は10mg
【0032】(6) 修飾リパーゼの有機溶媒中での分散性 前記(1) 〜(5) で得られた各化学修飾リパーゼについ
て、それらの有機溶媒に対する分散性を検討した。その
方法は1mgの修飾酵素を溶媒1mlによく懸濁した
後、沈澱しなかった酵素量をもって分散性のめやすとし
た。この結果を表6及び表7に示す。なお、表6と表7
は同一のものである。
【0033】
【表6】
【表7】 表中修飾剤の項のLaは、4−(ラウロイルオキシ)
フェニルジメチルスルホニウム・メチルサルフェイト
を、Paは、4−(パルミトイルオキシ)フェニルジメ
チルスルホニウム・メチルサルフェイトを、Zは、4−
(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルジメチル
スルホニウム・メチルサルフェイトを、Bocは、4−
(第三ブチルオキシカルボニルオキシ)フェニルジメチ
ルスルホニウム・メチルサルフェイトをそれぞれ化学修
飾剤として用いたことを示す。
【0034】
【実施例2】本実施例においては実施例1で得た修飾エ
ステラーゼによるエステル加水分解例を示す。(1) 化学
修飾された酵素のエステラーゼ活性試験 実施例1により修飾されたリパーゼ1mgをリン酸緩衝
液(pH7.0)3mlに溶解させ、その溶液に基質と
してトリステアリン1gを20W/V%有機溶剤溶液と
して加え37℃で20分インキュベートした。滴定によ
り遊離脂肪酸量を測定した。エステル加水分解活性の結
果を表8に示す。活性は未修飾酵素を100として相対
活性で示した。
【0035】
【表8】 表中の略号は次のことを示す。 ZML−10:リパーゼ10%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−30:リパーゼ30%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−50:リパーゼ50%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 BML−50:リパーゼ50%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 LML−40:リパーゼ40%ラウロイル化修飾酵素 PML−40:リパーゼ40%パルミトイル化修飾酵素
【0036】本発明の修飾リパーゼは、未修飾リパーゼ
に比べ有機溶剤中で高い活性を示し、その活性を持続す
ることが確認され、耐有機溶剤性に優れることが判明し
た。
【0037】(2) 修飾リパーゼによるエステル加水分解 実施例1により修飾されたリパーゼ0.1mgをリン酸
緩衝液(pH7.0)0.5mlに溶解させ、その溶液
に基質として、ステアリン酸ステアリル50mgをシク
ロヘキサン0.5mlに溶解させたものを加えた。これ
を37℃で20分インキュベートし、遊離するステアリ
ン酸をHPLCにより分離、定量し、分解率を求めた。
【0038】
【表9】 ────────────────────── 酵 素 分解率(%) ────────────────────── 未修飾 45.3 LML-30 63.9 LML-40 64.2 LML-50 69.8 PML-30 71.0 PML-40 70.1 PML-50 79.7 ─────────────────────── 表中の略号は次のことを示す。 LML−30:リパーゼ30%ラウロイル化修飾酵素 LML−40:リパーゼ40%ラウロイル化修飾酵素 LML−50:リパーゼ50%ラウロイル化修飾酵素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化修飾酵素 PML−40:リパーゼ40%パルミトイル化修飾酵素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化修飾酵素
【0039】本発明の修飾リパーゼは、未修飾リパーゼ
に比べ20%以上高い分解率を示した。
【0040】
【実施例3】本実施例においてはエステルの合成例を示
す。 (1) EPAエチルエステルの合成 1gのエイコサペンタエン酸(EPA)にエタノールを
加え20%W/Vのエタノール溶液を作り、実施例1に
より調製した修飾酵素を1mgくわえる。37℃、12
0rpm(l=5cm)でインキュベートし24時間後
反応を停止した。HPTLCを用いて展開し20%硫酸
で発色後、デンシトメトリーにより相対比を検出し、反
応率を算出した。結果を表10に示す。
【0041】
【表10】 表中の略号は次のことを示す。 ZML−10:リパーゼ10%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−30:リパーゼ30%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−50:リパーゼ50%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 LML−10:リパーゼ10%ラウロイル化修飾酵素 LML−30:リパーゼ30%ラウロイル化修飾酵素 LML−50:リパーゼ50%ラウロイル化修飾酵素 BML−5 :リパーゼ5 %第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−10:リパーゼ10%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−30:リパーゼ30%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−50:リパーゼ50%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 PML−10:リパーゼ10%パルミトイル化修飾酵素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化修飾酵素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化修飾酵素
【0042】その結果、この修飾酵素を用いる本発明に
より、有機溶媒中でも高い反応率でエステルを合成する
ことが可能であることがわかった。
【0043】(2) コレステロールエステルの合成 水飽和n−ヘキサン10ml中にコレステロール100
mgとオレイン酸100mgを溶解し、実施例1により
調製した修飾酵素を1mgくわえる。37℃、120r
pm(l=5cm)でインキュベートし24時間後反応
を停止した。HPTLCを用いて展開し20%硫酸で発
色後、デンシトメトリーにより相対比を検出し、反応率
を算出した。結果を表11に示す。
【0044】
【表11】 ─────────────────── 酵 素 反応(%) ─────────────────── 未修飾 2.5 PML-10 35.3 PML-30 38.8 PML-50 41.5 LML-10 10.1 LML-30 9.7 LML-50 11.9 ─────────────────── 表中の略号は次のことを示す。 LML−10:リパーゼ10%ラウロイル化修飾酵素 LML−30:リパーゼ30%ラウロイル化修飾酵素 LML−50:リパーゼ50%ラウロイル化修飾酵素 PML−10:リパーゼ10%パルミトイル化修飾酵素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化修飾酵素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化修飾酵素
【0045】その結果、この修飾酵素を用いる本発明に
より、有機溶媒中でも高い反応率でエステルを合成する
ことが可能であることがわかった。
【0046】(3) ラクトースエステルの合成 0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)10ml中に微
細に粉砕した乳糖粉末を1g分散させ、さらにオレイン
酸1gを加えた酢酸エチル10mlと混合し、実施例1
により調製した修飾酵素を1mgくわえる。37℃、1
20rpm(1=5cm)でインキュベートし24時間
後反応を停止した。HPTLCを用いて展開し20%硫
酸で発色後、デンシトメトリーにより相対比を検出し、
反応率を算出した。結果を表12に示す。
【0047】
【表12】 表中の略号は次のことを示す。 ZML−10:リパーゼ10%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−30:リパーゼ30%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 ZML−50:リパーゼ50%ベンジルオキシカルボニ
ル化修飾酵素 LML−10:リパーゼ10%ラウロイル化修飾酵素 LML−30:リパーゼ30%ラウロイル化修飾酵素 LML−50:リパーゼ50%ラウロイル化修飾酵素 BML−5 :リパーゼ5 %第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−10:リパーゼ10%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−30:リパーゼ30%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 BML−50:リパーゼ50%第三ブトキシカルボニル
化修飾酵素 PML−10:リパーゼ10%パルミトイル化修飾酵素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化修飾酵素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化修飾酵素
【0048】その結果、この修飾酵素を用いる本発明に
より、有機溶媒中でも高い反応率でエステルを合成する
ことが可能であることがわかった。
【0049】
【実施例4】本実施例においては、エステル交換の例を
示す。 (1) トリオレインとパルミチン酸を用いたエステル交換 水飽和n−ヘキサン10ml中にトリオレイン100m
gとパルミチン酸100mgを溶解し、実施例1で調製
した修飾酵素10mgをくわえエステル交換反応をおこ
なった。37℃、120rpm(1=5cm)でインキ
ュベートし、24時間後反応を停止し、TLCにより脂
肪酸画分とグリセリド画分に分離したあと、エステル交
換率をガスクロマトグラフィにて測定した。結果を表1
3に示す。
【0050】
【表13】 表中の略号は次のことを示す。 ZML−10:リパーゼ10%ベンジルオキシカルボニ
ル化学修飾酵素 ZML−30:リパーゼ30%ベンジルオキシカルボニ
ル化学修飾酵素 ZML−50:リパーゼ50%ベンジルオキシカルボニ
ル化学修飾酵素 LML−10:リパーゼ10%ラウロイル化学修飾酵素 LML−30:リパーゼ30%ラウロイル化学修飾酵素 LML−50:リパーゼ50%ラウロイル化学修飾酵素 BML−5 :リパーゼ5 %第三ブトキシカルボニル
化学修飾酵素 BML−10:リパーゼ10%第三ブトキシカルボニル
化学修飾酵素 BML−30:リパーゼ30%第三ブトキシカルボニル
化学修飾酵素 BML−50:リパーゼ50%第三ブトキシカルボニル
化学修飾酵素 PML−10:リパーゼ10%パルミトイル化学修飾酵
素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化学修飾酵
素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化学修飾酵
【0051】その結果、この修飾酵素を用いる本発明に
より、有機溶媒中でも高い反応率でエステルを合成する
ことが可能であることがわかった。
【0052】(2) ホスファチジルコリンとEPAを用い
たエステル交換 n−ヘキサン1ml中に1−パルミトイル−2−ステア
ロイルホスファチジルコリン5mgとEPA20mgを
溶解し実施例1により調製した、PML−10、PML
−30、PML−50、を用いてエステル交換反応をお
こなった。37℃、120rpm(1=5cm)でイン
キュベートし、48時間後のエステル交換率、リゾ体へ
の分解率を測定した。エステル交換率はTLCで分離
後、ガスクロマトグラフィを用いて、分解率はHPLC
にて測定した。結果を表14に示す。
【0053】
【表14】 ────────────────────────── 酵 素 交換率(%) 分解率(%) ────────────────────────── 未修飾 0.0 5.8 PML-10 3.3 20.5 PML-30 13.5 19.3 PML-50 10.8 21.5 ────────────────────────── 表中の略号は次のことを示す。 PML−10:リパーゼ10%パルミトイル化修飾酵素 PML−30:リパーゼ30%パルミトイル化修飾酵素 PML−50:リパーゼ50%パルミトイル化修飾酵素
【0054】その結果、この修飾酵素を用いる本発明に
より、有機溶媒中でも高い反応率でエステルを合成する
ことが可能であることがわかった。
【0055】
【発明の効果】本発明の実施により、アミノ基をRCO
−基により、化学修飾されたエステラーゼを得ることが
可能となった。またこの化学修飾エステラーゼを使用し
て有機溶媒中でのエステルの酵素加水分解、エステル合
成、あるいはエテスル交換が可能となる。本修飾エステ
ラーゼは、有機溶媒耐性、有機溶媒親和性にすぐれてお
り、バイオリアクターなどにも使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−234674(JP,A) 特開 平1−68282(JP,A) 特開 昭62−151190(JP,A) 実開 昭62−96084(JP,U) I AZUSE et al.,Ch emistry Express,4 (8),539−542(1989) N.Yanaihara ed., 「Peptide Chemistry 1989」,Protein Resar ch Foundation,Osak a,391−394(JICST受入日1990. 3.19)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素中のアミノ酸総量の20〜60%に
    RCO−で表わされる基を導入した化学修飾エステラー
    ゼを使用してエステルを加水分解することを特徴とする
    エステルの加水分解方法。 (ただし、Rはベンジルオキシ基、第三ブトキシ基、9
    −フルオレニルメトキシ基、p−メトキシベンジルオキ
    基のいずれかを示す。)
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