JP3300456B2 - 医用画像処理装置 - Google Patents

医用画像処理装置

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JP3300456B2
JP3300456B2 JP05598793A JP5598793A JP3300456B2 JP 3300456 B2 JP3300456 B2 JP 3300456B2 JP 05598793 A JP05598793 A JP 05598793A JP 5598793 A JP5598793 A JP 5598793A JP 3300456 B2 JP3300456 B2 JP 3300456B2
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tic
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徳典 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医用画像処理装置に
係り、とくに、造影剤を被検体に注入してダイナミック
スキャンを行い、このスキャンにより得られた時系列デ
ータに基づいて血流動態(パーフュージョン:perfusio
n )を反映したファンクショナル・パラメータを演算
し、その演算結果を数値やイメージとして表示する処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイナミックスキャンの手法は機
能的形態学(functional morphology)の一翼を担うもの
として重宝されており、X線CT,MRI,SPEC
T,PETなどの分野で盛んに実施されている。
【0003】例えば、MRIでは、Gd−DTPA(Gad
olinium-diethylenetriaminepentaacetic acid) などの
造影剤を被検体の静脈から注射し、縦緩和(T1 )やサ
セプタビリティ効果(T2 )を強調するパルスシーケ
ンスを用いてダイナミックスキャンが行われる。このダ
イナミックスキャンにより得られた時系列データから造
影剤濃度−時間特性(Time Intensity Curve :TIC)
を作成し、その特性を解析することにより、血流動態を
反映したファンクショナル・パラメータを演算し、その
結果を数値又はイメージとして表示している。ファンク
ショナル・パラメータとしては、血液量(Blood Volume
:BV) や平均通過時間などが使われる。
【0004】例えば血液量BVを演算するには、図21
(a)に示す如く、同一診断面をスキャンして時系列t
0 …tN の各時間毎のT1 強調画像やT2 強調画像を
得る。そして、各画像に共通のROIにより指定され
た、ある組織の造影剤濃度・時間特性の曲線をC
i (t)としたとき(同図(b)参照)、カーブ下面積
Sを、
【数1】 の式から演算し、このカーブ下面積Sを、血液量BVを
反映したファンクショナル・パラメータとして採用して
いる。なお、造影剤注入はt0 (ベース画像収集)の直
前又は静脈から組織に達する時間(約5秒前後)以内で
もよい。
【0005】一方、RIやX線CTなどでは、モダリテ
ィの特性に合った造影剤が各々用いられ、ダイナミック
スタディやファンクショナルイメージを得るイメージン
グが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た血流動態を反映したファンクショナル・パラメータを
演算する手法にあっては、演算の基礎にする情報が組織
の造影剤濃度・時間曲線Ci (t)一つであったため、
造影剤の注入方法(例えば、注入量や注入時間幅)や個
人の心機能の違いに拠ってファンクショナル・パラメー
タの値が変化してしまい、相対的な血流動態情報を示す
だけに終わっており、絶対値としてのパラメータでは無
かった。したがって、ダイナミックスタディにより得た
血流動態を診断に利用する際、パラメータの性質が異な
り、しかも安定せず、その利用性に限界があった。
【0007】この発明は、上述した従来技術の問題に鑑
みてなされたもので、血流動態に関するファンクショナ
ル・パラメータを絶対値に近い状態で求め、そのパラメ
ータの利用価値を向上させた医用画像処理装置を提供す
ることを主な目的とする。また、そのようなファンクシ
ョナル・パラメータを比較的簡単に算出できるようにす
ることを、別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、この発明に係る画像処理装置は、造影剤を注入した
被検体の同一診断部位を経時的にスキャン(例えばMR
Iによるスキャン)したことにより得た時系列データに
基づいて血流動態を表すパラメータ(血液量など)を得
る装置で、上記診断部位における組織の上記時系列デー
タに基づいて第1の造影剤濃度・時間特性を作成する第
1のTIC作成手段と、上記被検体の動脈血及び静脈血
の内の一方の上記時系列データに基づいて第2の造影剤
濃度−時間特性を作成する第2のTIC作成手段と、上
記第1のTIC作成手段が作成した第1の造影剤濃度−
時間特性のデータに基づいて上記診断部位の血流動態を
表すパラメータを演算するパラメータ演算手段と、この
パラメータ演算手段により演算されたパラメータを、上
記第2のTIC作成手段により作成された第2の造影剤
濃度−時間特性を用いて補正するパラメータ補正手段と
を備えた。
【0009】この発明の別の態様に係る画像処理装置で
は、パラメータ演算手段は、前記第1の造影剤濃度−時
間特性のカーブ下面積を積分演算で求める手段であり、
前記パラメータ補正手段は、前記第2の造影剤濃度−時
間特性のカーブ下面積を積分演算で求める手段と、その
積分演算値と上記パラメータ演算手段による積分演算値
との比を前記血液量として演算する手段とする。そし
て、前記第1及び第2のTIC作成手段が作成した第1
及び第2の造影剤濃度−時間特性間の立上がり時間の遅
延を補正した積分範囲を決め、その積分範囲を前記パラ
メータ演算手段及びパラメータ補正手段に付与する積分
範囲補正手段を付加した。
【0010】この発明のさらに別の態様に係る画像処理
装置では、前記第1及び第2のTIC作成手段の少なく
とも一方は、造影剤注入前の診断部位の組織及び血中の
少なくとも一方の造影剤濃度を基準データとして採用す
る手段であり、前記造影剤注入前に診断部位を複数回ス
キャンした複数組のデータから上記組織及び血中の少な
くとも一方の造影剤濃度を平均して上記基準データとす
る基準データ設定手段を付加した。
【0011】この発明のさらに別の態様に係る画像処理
装置では、前記第1及び第2のTIC作成手段の少なく
とも一方により作成された前記造影剤濃度−時間特性に
ついて、前記造影剤が所定値未満しか注入されていない
ときの前記造影剤濃度−時間特性のデータを削除するデ
ータ削除手段を付加した。
【0012】この発明のさらに別の態様に係る画像処理
装置では、前記画像データは、縦緩和の情報及びサセプ
タビリティ効果の情報を反映したデータであり、上記画
像データから造影剤濃度に変換し、この変換結果を前記
第1及び第2のTIC作成手段に付与するデータ変換手
段を付加した。
【0013】また、この発明のさらに別の態様に係る画
像処理装置では、前記パラメータ補正手段により補正さ
れたパラメータを数値及びイメージの内の少なくとも一
方の態様で表示する表示手段を付加した。
【0014】
【作用】この発明に係る画像処理装置では、診断部位に
おける組織の時系列データに基づいて第1の造影剤濃度
・時間特性が第1のTIC作成手段により作成され、被
検体の動脈血及び静脈血の内の一方の時系列データに基
づいて第2の造影剤濃度−時間特性が第2のTIC作成
手段により作成される。第1の造影剤濃度−時間特性の
データに基づいて診断部位の血流動態を表すパラメータ
がパラメータ演算手段により演算される。このパラメー
タは、第2の造影剤濃度−時間特性を用いてパラメータ
補正手段により補正される。
【0015】この発明の別の態様に係る装置では、補正
されたパラメータが数値及びイメージの内の少なくとも
一方の態様で表示される。
【0016】この発明のさらに別の態様に係る装置で
は、第1、第2の造影剤濃度−時間特性のカーブ下面積
が積分演算で各々求められ、それらの比が血液量として
演算される。第1及び第2の造影剤濃度−時間特性間の
立上がり時間の遅延を補正した積分範囲が決められ、そ
の積分範囲がパラメータ演算手段及びパラメータ補正手
段に付与される。
【0017】この発明のさらに別の態様に係る装置で
は、造影剤注入前の診断部位の組織及び血中の少なくと
も一方の造影剤濃度が基準データとして採用され、造影
剤注入前に診断部位を複数回スキャンした複数組のデー
タから組織及び血中の少なくとも一方の造影剤濃度が平
均されて基準データとなる。
【0018】この発明のさらに別の態様に係る装置で
は、第1、第2の造影剤濃度−時間特性の少なくとも一
方について、造影剤が所定値未満しか注入されていない
ときの造影剤濃度−時間特性のデータが削除される。
【0019】この発明のさらに別の態様に係る装置で
は、画像データは縦緩和の情報及びサセプタビリティ効
果の情報を反映したデータであり、画像データから造影
剤濃度に変換し、この変換結果が第1及び第2のTIC
作成手段に付与される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。以下の実施例は、磁気共鳴イメージング(MR
I)システムから得られた画像処理について示す。
【0021】(第1実施例)第1実施例を図1〜図5及
び図20に基づいて説明する。
【0022】図1において、符号1はMRIシステムを
示し、符号2は画像処理装置を示す。この内、MRIシ
ステム1は、静磁場発生用の例えば常電導方式の磁石1
1と、この磁石11に電流を供給する静磁場電源12と
を備え、被検体Pが入る開口部のz軸方向に静磁場H0
を発生させる。また、磁石11に組み込まれたx,y,
z方向の3対の傾斜磁場コイル13…13(その一部の
み図示)は、傾斜磁場電源15を介して傾斜磁場コント
ローラ16に接続される。傾斜磁場コントローラ16は
メインコントローラ17からの指令で作動する。これに
より、静磁場H0 に線形傾斜磁場を重畳させた傾斜磁場
が形成され、イメージング用の位置情報が付与される。
【0023】また、磁石11の開口部には、被検体Pに
対向して配設されるRFコイル14配置され、このRF
コイル14は送信機19及び受信機20に個々に接続さ
れる。送信機19及び受信機20はRFコントローラ2
1を介してメインコントローラ17に接続されている。
これにより、NMRを励起するための高周波パルスが送
信機19に送られる。受信機20は、RFコイル14で
得られたMR信号を検波・増幅し、そのMR信号をA/
D変換器22を介してデータ演算器23に送る。データ
演算器23はMR信号をフーリエ変換などの演算処理に
かけて画像データを生成する。
【0024】メインコントローラ17にはさらに、メモ
リユニット24、入力器25及び表示器26が接続され
ている。オペレータが入力器25を介してメインコント
ローラ17に指令することにより、所望のシーケンスの
スキャンを実施できる。
【0025】一方、画像処理装置2は図1に示す如く、
画像データ格納ユニット30を備えている。この画像デ
ータ格納ユニット30は、上記MRIシステム1のデー
タ演算器23で演算した画像データを受け、格納可能に
なっている。
【0026】画像データ格納ユニット30はバス構成3
1を介して、そのユニット30と共に画像処理装置2を
成す、画像処理コントローラ32、パーフュージョン・
プロセッサ33、メモリユニット34、入力器35及び
TVモニタ36に接続されている。入力器35及びTV
モニタ36は、インターフェイス回路37及び38を介
してバス構成31に各々接続されている。
【0027】画像処理コントローラ32は、かかる画像
処理装置2全体の動作を統括する。即ち、起動に伴っ
て、予めメモリユニット34に記憶されていた処理プロ
グラムを自分のワークエリアに読み出し、その処理プロ
グラムに従って全体の動作を管理する。パーフュージョ
ン・プロセッサ33は画像処理コントローラ32からの
指令があったときに、予めメモリユニット34に記憶さ
れていた処理プログラムを自分のワークエリアに読み出
し、そのプログラムに従って血流動態(パーフュージョ
ン)に関するファンクショナル・パラメータを、例えば
後述する図3記載の処理を行って演算する。
【0028】オペレータからの指令情報はインターフェ
イス回路37を介して画像処理コントローラ32及びパ
ーフュージョン・プロセッサ33に送られる。また、画
像処理コントローラ32及びパーフュージョン・プロセ
ッサ33の処理状態や演算結果は、インターフェイス回
路38を介してTVモニタ36に出力される。メモリユ
ニット34は、画像処理コントローラ32及びパーフュ
ージョン・プロセッサ33の処理に必要なプログラムを
記憶しているほか、それらの処理結果を随時記憶できる
ようになっている。
【0029】上記MRIシステム1では、Gd−DTP
Aなどの造影剤を静脈から注入しながら、縦緩和
(T1 )やサセプタビリティ効果(T2 )を強調する
パルスシーケンス(例えばIR(FLASH)法、FE
(FLASH)法)を用いてダイナミックスキャンが行
われる。この実施例におけるダイナミックスキャンの位
置は被検体の頭部に設定されている。このため、MRI
システム1でダイナミックスキャンが実施されると、画
像データ格納ユニット30には、例えば図2に示すよう
な時系列t0 ,t1 ,t2 …tN における同一箇所のス
キャン画像S(t0 ),S(t1 ),S(t2 )…S
(tN )のデータが格納される。
【0030】続いてパーフュージョン・プロセッサ33
による、血流動態を表すファンクショナル・パラメータ
の算出処理を図3に基づき説明する。
【0031】なお、この実施例では、ファンクショナル
・パラメータとして血液量(BV)を算出することと
し、その算出モードは「ROIモード」とする。この
「ROIモード」はスキャン像上でROI(関心領域)
を設定し、その設定したROI毎のファンクショナル・
パラメータを算出して数値的に表示するモードである。
【0032】パーフュージョン・プロセッサ33は画像
処理コントローラ32から指令を受けると、図3に示す
一連の処理を開始する。まず、ステップ40において、
画像データ格納ユニット30に格納されているダイナミ
ックスキャンの画像データS(t0 ),S(t1 )…S
(tN )を読み込む。
【0033】次いでステップ41に移行し、パーフュー
ジョン・プロセッサ33は造影剤の注入開始に相当する
フィッティングスタート時刻t0 (以下、「スタート時
刻」という)におけるスキャン画像S(t0 )をTVモ
ニタ36に表示させる。
【0034】次いでステップ42に移行し、現在、TV
モニタ36に表示されているスキャン像(原画像)上
で、入力器35を介して、オペレータが所望する脳組織
の部位にROI(関心領域):Riを、静脈の部位にR
OI(関心領域):Rvを各々、図4に示す如く設定さ
せる。これにより、脳のスキャン面における所望の組織
及び静脈血がROIを通して個別に選択される。
【0035】次いで、パーフュージョン・プロセッサ3
3はその処理をステップ43に移行させ、時系列の画像
データS(t0 ),S(t1 )…S(tN )の中から、
ステップ42で設定されたROI:Ri,Rvの位置に
相当する画像データを各々抽出し、それらの抽出画像デ
ータに基づいて組織の造影剤濃度−時間特性(TimeInten
sity Curve :以下、「TIC」という) :Ci(t)
と、静脈洞のTIC:Cv(t)とを、例えば図5に示
すように各々作成する。
【0036】なお、このTIC作成は、検出する物理パ
ラメータにより2通りの方法が可能である。MRIでの
パーフュージョン測定はT1 に敏感なパルスシーケンス
又はT2 (即ち、サセプタビリティ効果)に敏感なパ
ルスシーケンス(図20(a)〜(c)参照)が用いら
れる。TIC曲線の造影剤濃度を演算する一つの方法
は、X線CT、RI、SPECT、PETと同様に、画
像データ、即ち原画S(t1 )…S(tN )の夫々と、
スタート時刻t0 におけるベース画像S(t0 )との差
【数2】 から求めるものである。もう一つの方法は以下のように
求める。つまり、
【数3】 とすると、およそ、
【数4】 、ここで、TE:エコータイム(FLASH法(例えば
図20(a)のパルスシーケンスに示す、通常のFLA
SH法や、同図(b)のT2 強調の高速FLASH
法)を採用)。又は
【数5】 ここで、TI:インバージョンタイム。kはベース画像
でTI、R1 (t0 )を代入して決める(IR−FLA
SH法(例えば図20(c)のパルスシーケンスに示
す、T1 強調の高速IR−FLASH法)を採用)。こ
のように表せるから、この差分ΔR2 ,ΔR1 から造影
剤濃度C(tn )を演算するものである。但し、造影剤
濃度とは、ある限られた範囲でしかリニアでない。しか
し、このように演算することで、T2 についてはメリ
ットが大きい。つまり、とくに、T2 は、Gd−DT
PA,Dy−DTPAは、ヨードよりも感度が高いの
で、少ない量でも精度の良いパーフュージョン測定がで
き、また別の方法として、造影剤を注入しなくても、血
液中のヘモグロビンの鉄に拠りO2 濃度を反映すること
もできる。
【0037】次いでステップ44にて、ステップ43で
作成した2つのTIC:Ci(t),Cv(t)の原カ
ーブを解析する。この解析は、ここでは、モデルより導
出されるある関数(例えばガンマ関数)を用いてフィッ
ティングし、フィッティングカーブ及びフィッティング
パラメータを演算する。なお、このカーブ解析について
は上述の関数を用いた解析方法のほか、原カーブのまま
解析する手法も可能である。
【0038】さらに、ステップ45では、ステップ44
で求めたフィッティングパラメータを用い、脳のある組
織のTIC:Ci(t)について、そのカーブ下面積A
Ciを
【数6】 の積分で求める。同様に次のステップ46では、静脈血
のTIC:Cv(t)について、そのカーブ下面積AV
v を
【数7】 の積分で求める。なお、ステップ44で原カーブをその
まま解析してパラメータを求める場合、上記ACi 、A
Vv の積分演算は、従来周知の台形公式に従うか、又
は、高次の補間やスプライン関数によるフィッティング
を用いてもよい。
【0039】次いでステップ47にて、ステップ45、
46で求めたカーブ下面積ACi 、ACv の値の比、即
ち血液量BVを下記式で補正演算する。
【0040】
【数8】 この補正演算により、脳の静脈血のTIC:Cv(t)
をリファレンス(参照)として、診断したい脳組織の血
液量BV(血流動態を表すファンクショナル・パラメー
タの一つ)が得られる。この血液量BVは、従来のよう
な組織単独のTICのカーブ下面積値のみに頼る値では
なく、血管中の造影剤濃度変化に対する比であるから、
従来の値に比べて、より絶対値的な色彩を帯びた情報と
なる。
【0041】次いでステップ48では、ステップ43で
作成したTIC:Ci(t)、Cv(t)の原カーブ、
ステップ44で解析した結果に基づくフィッティングカ
ーブ、ステップ47で補正演算したファンクショナル・
パラメータとしての血液量BV、ステップ41、42で
表示したスキャン像(設定したROI付き)、及びその
他の付帯情報がTVモニタ36に表示され、またそれら
のデータがメモリユニット34にファイルされる。
【0042】このようにダイナミックスキャン後の時系
列の画像データS(t0 ),S(t1)…S(tN )に基
づいて、静脈血のTIC:Cv(t)をリファレンスと
して補正した、診断組織の血液量BVが求められる。こ
のため、造影剤の注入量、注入速度の違いや、個々の患
者の心機能などの違いが血液量BVに及ぼす影響は極め
て小さくなり、より絶対値的な指標としての血液量BV
が求められる。この結果、血流動態に関して、患者の診
断精度を飛躍的に向上させることが可能になる。
【0043】また、この絶対値的な血液量BVを求める
に際し、特別なハード機構をMRIシステム1や画像処
理装置2に付加する必要はなく、簡単な手法を駆使した
ソフトウエア処理で対処できる。
【0044】(第2実施例)第2実施例を図6及び図7
に基づき説明する。なお、第1実施例と同一又は同等の
ハード構成や処理内容には同一符号を用いて、その説明
を省略する(以下の実施例でも同様とする)。
【0045】この第2実施例では、第1実施例の静脈血
のTIC:Cv(t)に代えて動脈血のTIC:Ca
(t)をリファレンスとして用い、同様の補正を行った
脳組織の血液量BVを求めるものである。このように動
脈血のTIC:Ca(t)を用いるとき、頭では、後頭
蓋窩レベルでないと太い動脈は見えないので、頸部又は
大動脈レベル(例えば上肺部)のスキャンを、脳のスキ
ャンと同時に又は時分割で(交互に)行う必要がある。
【0046】そこで、この実施例では図6(a)示すよ
うに、MRIシステム1により被検体の頭部及び頸部
(又は上肺部)にスライス面A及びB(又はB´)を設
定し、例えば時分割でダイナミックスキャンが実施され
る。これにより、スライス面A及びB(又はB´)のス
キャン画像SIA 及びSIB (又はSIB ´)に応じた
ダイナミックスキャンの時系列データS(t0 ),S
(t1 )…S(tN )が各々得られ、画像データ格納ユ
ニット30に各々格納される。
【0047】画像処理装置2は第1実施例におけるのと
同様の処理を行う。これにより、スキャン画像SIA
に設定した所望組織に対するROI:RiのTIC:C
i(t)と、スキャン画像SIB (又はSIB ´)上に
設定した動脈(内頸動脈、大動脈)血に対するROI:
Ra(又はRa´)のTIC:Ca(t)とが図7に示
す如く作成される。この両方のTIC:Ci(t)及び
Ca(t)は前述と同様に解析され、それらのカーブ下
面積の比、
【数9】 が演算される。これにより、動脈血のTICをリファレ
ンスとして補正された、より絶対値に近い脳組織の血液
量BVが求められ、診断精度の向上に寄与可能になる。
【0048】このように、動脈血をチェックすること
で、リファレンスとなるTICの採り方の自由度が高く
なり、ファンクショナル・パラメータの演算バリエーシ
ョンを高めることができる。このとき、より太い動脈が
在る頸部(又は上肺部)をスキャンした画像を基礎にし
ているので、動脈血のTIC自体の作成精度が向上し、
強いては、より正確な血液量BVを求めることができ
る。
【0049】(第3実施例)第3実施例を図8及び図9
に基づき説明する。
【0050】この実施例に係る画像処理装置は、前述の
第1実施例の構成に、TICカーブの立上がり時間差に
対する補正機構を付加し、演算精度のさらなる向上を図
るものである。
【0051】ここでは、静脈血のTIC:Cv(t)を
リファレンスとして用い、第1実施例と同様の補正を行
った脳組織の血液量BVを求めるものである。ハード構
成は第1実施例のものと同一である。
【0052】パーフュージョン・プロセッサ33は図8
の処理を行う。図8の処理中、時系列のダイナミックス
キャン画像S(t0 ),S(t1 )…S(tN )を読み
込むステップ40からフィッティングカーブを用いたT
IC曲線のカーブ解析のステップ44までは図3記載の
内容と同じである。
【0053】そして、ステップ44において組織のTI
C:Ci(t)と静脈血のTIC:Cv(t)に対する
フィッティング・パラメータが演算された後、ステップ
44aに移行して、静脈血のTIC:Cv(t)の立上
がり遅れに対する補正がなされる。
【0054】具体的には、図9に示すように、両方のT
IC曲線の立上がり時間差Tdが演算され、この時間差
Tdを使って後述するカーブ下面積を求めるときの時間
積分の範囲を変更する。つまり、組織のTIC:Ci
(t)曲線に対しては「t0 〜Te−Td」に設定し、
静脈血のTIC:Cv(t)曲線に対しては「t0 +T
d〜Te」に設定する。Teはフィッティングエンド時
刻であり、ステップ44のカーブ解析の中で求められる
フィッティング・パラメータの一つである。
【0055】なお、上記時間差Tdを、両TIC曲線の
ピーク値に到達する時間(ピーク時間:フィッティング
・パラメータの一つとして求められる)の差として求め
てもよい。
【0056】また、組織のTIC:Ci(t)は厳密に
はどの部位を選択するかで異なる。これに対処するに
は、所望位置に大きなROIを設定し、そのROI内の
平均のTIC:Ci(t)を求めて、その平均のTI
C:Ci(t)とある静脈血のTIC:Cv(t)との
立上がり遅れ時間Tdを演算する。この平均化した遅れ
時間Tdを、ROI内の各ピクセルのTICと静脈血の
TICとの遅れと見做してもよい。
【0057】次いでステップ45では、所望の組織のT
ICについてのカーブ下面積が
【数10】 の積分演算で求められる。ステップ46では、静脈血の
TICについてのカーブ下面積が
【数11】 の積分演算で求められる。
【0058】
【0059】さらに、ステップ47では
【数12】BV=ACi/ACv の比をとって、絶対値に近い血液量BVが補正演算され
る。ステップ48では第1実施例と同様に各種数値、パ
ラメータの表示及び格納が行われる。
【0060】このように両方のTIC曲線の立上がり遅
れ時間差Tdを考慮した積分で血液量BVを求めること
により、カーブ下面積の各々を正確に求めることがで
き、血液量BVの演算精度も向上する。とくに、リファ
レンスとして静脈血のTICを用いるときは遅れ時間差
Tdが大きい(動脈血では遅れ時間は無いとみてよい)
ので、上記高精度化の利点は、リファレンスとして静脈
血のTICを用いるときに特に顕著になる。
【0061】一方、TIC曲線が十分に立ち下がるまで
サンプリングしてフィッティングエンド時刻Teを設定
するならば、遅れ時間差Tdの影響は本質的に小さくな
るが、本実施例によれば、高精度の演算を保証しなが
ら、そのように長いサンプリング時間の設定を排除でき
る。
【0062】なお、上記遅れ時間差の補正処理について
は、次のような変形も可能である。まず、ステップ44
aでは遅れ時間差Tdを求め、その時間差Tdを加味し
て、静脈血のTIC:Cv(t)を図10に示す如く
「Cv(t+Td)」の曲線に変換するとともに、両方
のTIC:Ci(t),Cv(t)に共通の積分時間と
して「t0 〜Te−Td」を設定する。そして、ステッ
プ45、46では、
【数13】 と、同じ積分範囲の演算を行い、ステップ47ではそれ
らの比BVを
【数14】BV=ACi/ACv から求めることもできる。
【0063】(第4実施例)第4実施例を図11〜13
に基づき説明する。
【0064】この実施例に係る画像処理装置は、前述の
第1実施例の構成に、TICカーブのノイズデータ除去
機構を付加し、演算精度の一層の向上を図るものであ
る。
【0065】ここでは、静脈血のTIC:Cv(t)を
リファレンスとして用い、第1実施例と同様の補正を行
った脳組織の血液量BVを求めるものである。ハード構
成は第1実施例のものと同一である。
【0066】パーフュージョン・プロセッサ33は図1
1の処理を行う。この処理中、ダイナミックスキャン画
像の読み込みに係るステップ40からフィッティングカ
ーブを用いたTIC曲線の作成に係るステップ43まで
は図3記載の内容と同じである。
【0067】ステップ43において組織及び静脈血のT
ICが作成されると、ステップ43aの処理に移行す
る。ステップ43aでは、TIC曲線を成すデータの中
でノイズデータである蓋然性の高いデータが除去され
る。つまり、TIC曲線の立上がり及び立下がりで造影
剤が殆ど入っていないタイミングにおけるデータは、殆
どノイズとなり、ファンクショナル・パラメータの測定
の誤差要因となるので、除くことが望ましい。そこで、
以下の2通りの除去手法の内、いずれかが特に好適に使
われる。この除去方法を、脳組織のあるピクセルPijの
TIC:Cij(t)を図12、13に例示して説明する
が、静脈血、動脈血のTICにも適用可能であり、同様
にノイズを除去できる。
【0068】第1の手法は図12に示す如く、画像のS
/N比に基づいて予め経験的に決めてある閾値Cthを用
い、TIC:Cij(t)の構成データを逐一弁別する。
即ち、Cij(tn )≧Cthとなるデータのみ抽出し、C
ij(tn )<Cthとなるデータはノイズと見做して捨て
る。但し、ベースデータ(スタート時刻t=t0 でのデ
ータ)は算入される。
【0069】第2の手法は図13に示す如く、上述した
閾値Cthを設定するほか、Cij(t)曲線のピーク値C
ij(max) を求め、そのピーク値Cij(max) の曲線上左右
において閾値Cthを越える最小値Cij(min-L) ,Cij(m
in-R) を与えるデータの時間Ts,Teを設定する。そ
して、Ts<t<Teの時間幅内のデータのみを抽出す
る。但し、ベースデータは算入される。
【0070】このようにしてノイズである蓋然性の高い
データが除去された後、ステップ44において組織のT
IC:Ci(t)と静脈血のTIC:Cv(t)に対す
るフィッティング・パラメータが演算される。その後、
ステップ45、46で両TICに対するカーブ下面積が
個々に演算され、ステップ47で絶対値に近い血液量B
Vに補正演算される。ステップ48では第1実施例と同
様に各種数値、パラメータの表示及び格納が行われる。
【0071】したがって、この実施例によれば、面積の
計算などのTICカーブ解析前にノイズデータが除去さ
れ、真に造影剤濃度の変化を表していると見做されるデ
ータのみに基づいて精度の高いカーブ解析が行われ、強
いては求める血液量BVの演算精度も更に向上する。
【0072】なお、このノイズデータの除去処理は前述
した第3実施例に一緒に組み込んで、TICカーブの立
上がり時間差の補正処理と合わせて行うようにすれば、
血液量BVの演算精度を相乗的に向上させることができ
る。
【0073】(第5実施例)第5実施例を図14〜図1
6に基づき説明する。
【0074】この実施例に係る画像処理装置は、前述の
第1実施例の構成に、TICカーブにおけるベースデー
タの確定精度を向上させる機構を付加したものである。
【0075】ここでは、静脈血のTIC:Cv(t)を
リファレンスとして用い、第1実施例と同様の補正を行
った脳組織の血液量BVを求めるものである。ハード構
成は第1実施例のものと同一である。但し、画像データ
格納ユニット30には、MRIシステム1の稼働によ
り、図14(a)に示すように、スタート時刻t=t0
よりも前の時刻t-4(即ち造影前)からの時系列t-4
…,t0 ,…,tN のダイナミックスキャン画像S(t
-4),…,S(t0 ),…,S(tN )のデータが格納
されている。
【0076】パーフュージョン・プロセッサ33は図1
5の処理を行う。この処理中、ダイナミックスキャン画
像の読み込みに係るステップ40の後、ステップ40a
にて、ベースとなるスキャン画像S(t-4),…,S
(t0 )が束ねられる。つまり、プロセッサ33は造影
前の複数枚画像の画素値をピクセル毎に平均処理し、1
枚の新たなベース画像S´(t0 )を作成する。このベ
ース画像S´(t0 )は図14(b)に示すように、血
流量BVを補正演算する時系列t0 ,…,tN に組み込
まれる。
【0077】この後、ステップ41に係るベース画像S
´(t0 )の表示からステップ48に係る処理結果の表
示及びファイルまでの処理は図3記載のものと同じ内容
である。
【0078】この結果、TIC曲線のベースデータ(t
=t0 における基準データ)は、図16(a)に示す造
影前の複数枚のスキャン画像S(t-4)…S(t0 )に
共通の、所望のピクセルの画素値の平均値となる(同図
(b)参照)。この平均処理によりベースデータの確定
精度が上がるため、S/N比及び血液量BVの演算の面
で有利である。
【0079】S/N比の面では、この実施例のように5
枚の画像を平均すると、S/N比は「51/2 」倍になる
など、n枚の画像平均により「n1/2 」倍のS/N比向
上を達成できる。例えば造影剤濃度を原画のサブトラク
ションで求める場合、C(tn)=S(tn )−S
(t0 )で求めるので、S/N比は原画S(tn )のS
/N比=1とすれば、ベースデータ1枚のみの場合は
「1/(21/2 )」で、ベースデータn枚の平均で求め
る場合、「1/(1+1/n)1/2 」となる。
【0080】また、ベースデータ、即ち造影剤濃度の零
レベルの誤差が大きいと、カーブ下面積の演算、強いて
は血液量BVの演算が不正確になるが、この実施例のよ
うに、ベースデータの精度を向上させることで血液量B
Vの演算精度も向上する。
【0081】なお、上記第5実施例において、図15ス
テップ40aのスキャン画像の束ね処理(平均処理)に
代えて、ステップ43と44との間で、ROIにより設
定されたピクセル毎に、造影前の複数枚のスキャン画像
の画素値を平均化してベースデータにするとしてもよ
い。
【0082】なお、この第5実施例のベース画像の束ね
処理は、上述した第2〜第4実施例と適宜組み合わせて
実施してもよい。
【0083】(第6実施例)第6実施例を図17〜図1
9に基づき説明する。上述してきた第1〜第5実施例は
ROIモード(ファンクショナル・パラメータを、設定
した個々のROIについて算出し、その結果を数値的に
表示するモード)の処理であるが、第6実施例は、ファ
ンクショナル・パラメータを各ピクセル(マトリクス)
について算出し、その結果をイメージとして表示するイ
メージングモードの処理に関する。
【0084】ハード構成及びスキャン位置、スキャン対
象は第6実施例と同様であり、パーフュージョン・プロ
セッサ33は図17記載の処理を行う。
【0085】図17記載の一連の処理において、ステッ
プ40〜41の処理内容は図15記載のものと同一であ
る。ステップ42に移行すると、ベース画像S´
(t0 )上における解析ピクセルの範囲(Cmin ,Cma
x )を例えば図18に示す如く抽出する。この処理は空
気などに相当する不要ピクセルを判断して除外するもの
である。つまり、ベース画像S´(t0 )上の各ピクセ
ルの画素値C0 (i,j) について、空気などの不要な画素
値を弁別可能な閾値Cmin ,Cmax を設定し(図18
(b)参照)、
【数15】Cmin ≦C0 (i,j) ≦Cmax の条件が成立する解析エリアAN(図18(a)斜線
部)を抽出する。
【0086】このように抽出された解析エリアAN内の
各ピクセルに対し、ステップ42でTICが作成された
後、ステップ44〜47で前述と同様の処理がなされ
る。
【0087】そして、ステップ48において例えば図1
9に示すように、演算したファンクショナル・パラメー
タ(AT:Appearance Time ,PT:Peak Time,MT1
E:Effective Mean Transit Time )のイメージと補正
した血液量BVのイメージとをファンクショナルイメー
ジとして、必要な付帯情報(解析種、解析時間範囲、解
析時間範囲の点数、変換係数、単位など)と共に表示
し、ファイルする。
【0088】これにより、血流動態に関するファンクシ
ョナルイメージを的確に表示できる。このとき、画像処
理が実際に必要な画素値のエリアのみに限定されるた
め、この抽出処理を実施しない場合に比べて、全体の処
理時間が大幅に短縮される。
【0089】なお、第6実施例に係るイメージングモー
ドでの画像処理において、前述した第3実施例に係るT
IC曲線の立上がり時間差に対する補正処理、第4実施
例に係るノイズデータの除去処理を適宜組み込んで実施
することもできる。
【0090】なおまた、前述してきた第1〜第6実施例
は、MRIシステムにより取得されたダイナミックスキ
ャン画像に適用する場合を説明してきたが、X線CT、
デジタルフルオログラフィ−(DF)、SPECT、P
ETなどのダイナミックスキャン画像の後処理にも同様
に適用できる。また、ファンクショナル・パラメータと
しては血液量BVを例示し、これを算出する場合を中心
に説明したが、この発明のファンクショナル・パラメー
タは必ずしもこれに限定されず、例えばBF(血流
量)、MTT(平均通過時間)などのパラメータであっ
てもよい。さらに、この発明におけるTICは、X線C
Tなどの場合のように単純に原画同士の差分をとって造
影剤濃度変化を求めて行う手法に拠っても、勿論可能で
ある。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る画
像処理装置は、診断部位における組織の時系列データに
基づいて第1の造影剤濃度・時間特性を作成する第1の
TIC作成手段と、被検体の動脈血及び静脈血の内の一
方の時系列データに基づいて第2の造影剤濃度−時間特
性を作成する第2のTIC作成手段と、第1の造影剤濃
度−時間特性のデータに基づいて診断部位の血流動態を
表すパラメータを演算するパラメータ演算手段と、この
パラメータを第2の造影剤濃度−時間特性を用いて補正
するパラメータ補正手段とを備えたことを要部とするこ
とから、単一の造影剤濃度・時間特性のカーブ下面積を
血液量として採用するなどの従来手法とは異なり、造影
剤の注入量、注入速度の違いや患者の心機能の相違など
に影響され難い、より絶対値に近い血液量などのパラメ
ータ(ファンクショナル・パラメータ)を簡単な処理で
算出できる。これにより、診断に最も欲しいファンクシ
ョナル・パラメータを容易に提供でき、診断労力の軽減
及び診断精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る画像処理装置及びこれ
に接続されたMRIシステムの構成例を示すブロック
図。
【図2】MRIシステムにより収集される、時系列のダ
イナミックスキャン画像を示す模式図。
【図3】第1実施例におけるパーフュージョン・プロセ
ッサの処理例を示すフローチャート。
【図4】ROIの設定位置の例を示す説明図。
【図5】脳における組織のTIC曲線及びリファレンス
として静脈血のTIC曲線を示すグラフ。
【図6】(a)(b)は第2実施例におけるMRIのス
キャン位置及びそのスキャン画像上でのROI設定位置
の例を示す説明図。
【図7】第2実施例における組織のTIC曲線及びリフ
ァレンスとして動脈血のTIC曲線を示すグラフ。
【図8】第3実施例におけるパーフュージョン・プロセ
ッサの処理例を示すフローチャート。
【図9】TIC曲線の立上がり時間差及びその補正処理
を説明するグラフ。
【図10】TIC曲線の立上がり時間差に対する補正処
理の変形例を説明するグラフ。
【図11】第4実施例におけるパーフュージョン・プロ
セッサの処理例を示すフローチャート。
【図12】TIC曲線のノイズデータに対する除去処理
を説明するグラフ。
【図13】TIC曲線のノイズデータに対する除去処理
の変形例を説明するグラフ。
【図14】(a)(b)は第5実施例に係るベース画像
の束ね処理を説明する時系列毎の説明図。
【図15】第5実施例におけるパーフュージョン・プロ
セッサの処理例を示すフローチャート。
【図16】(a)(b)はピクセル位置毎のベース画像
の束ね処理を等価的に説明する説明図。
【図17】第6実施例におけるパーフュージョン・プロ
セッサの処理例を示すフローチャート。
【図18】(a)(b)は第6実施例における解析範囲
の抽出処理を説明する説明図。
【図19】第6実施例のイメージングモードでの表示例
を示す模式図。
【図20】(a)〜(c)は実施例に適用したパルスシ
ーケンスの例を示すフローチャート。
【図21】(a)(b)は従来の血液量の演算状況を説
明する説明図。
【符号の説明】
1 MRIシステム 2 画像処理装置 30 画像データ格納ユニット 31 バス 32 画像処理コントローラ 33 パーフュージョン・プロセッサ 34 メモリ・ユニット 35 入力器 36 TVモニタ

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造影剤を注入した被検体の同一診断部位
    を経時的にスキャンしたことにより得た時系列データに
    基づいて血流動態を表すパラメータを得る医用画像処理
    装置において、上記診断部位における組織の上記時系列
    データに基づいて第1の造影剤濃度・時間特性を作成す
    る第1のTIC作成手段と、上記被検体の動脈血及び静
    脈血の内の一方の上記時系列データに基づいて第2の造
    影剤濃度−時間特性を作成する第2のTIC作成手段
    と、上記第1のTIC作成手段が作成した第1の造影剤
    濃度−時間特性のデータに基づいて上記診断部位の血流
    動態を表すパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、このパラメータ演算手段により演算されたパラメー
    タを、上記第2のTIC作成手段により作成された第2
    の造影剤濃度−時間特性を用いて補正するパラメータ補
    正手段とを備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記パラメータは血液量である請求項1
    記載の医用画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記パラメータ演算手段は、前記第1の
    造影剤濃度−時間特性のカーブ下面積を積分演算で求め
    る手段であり、前記パラメータ補正手段は、前記第2の
    造影剤濃度−時間特性のカーブ下面積を積分演算で求め
    る手段と、その積分演算値と上記パラメータ演算手段に
    よる積分演算値との比を前記血液量として演算する手段
    とを含む請求項2記載の医用画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のTIC作成手段が作
    成した第1及び第2の造影剤濃度−時間特性間の立上が
    り時間の遅延を補正した積分範囲を決め、その積分範囲
    を前記パラメータ演算手段及びパラメータ補正手段に付
    与する積分範囲補正手段を付加した請求項3記載の医用
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のTIC作成手段の少
    なくとも一方は、造影剤注入前の診断部位の組織及び血
    中の少なくとも一方の造影剤濃度を基準データとして採
    用する手段であり、前記造影剤注入前に診断部位を複数
    回スキャンした複数組のデータから上記組織及び血中の
    少なくとも一方の造影剤濃度を平均して上記基準データ
    とする基準データ設定手段を付加した請求項1記載の医
    用画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のTIC作成手段の少
    なくとも一方により作成された前記造影剤濃度−時間特
    性について、前記造影剤が所定値未満しか注入されてい
    ないときの前記造影剤濃度−時間特性のデータを削除す
    るデータ削除手段を付加した請求項1記載の医用画像処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記時系列データは、前記第1及び第2
    のTIC作成手段により作成される造影剤濃度−時間特
    性に対応し、前記被検体の2か所の診断部位が個別にス
    キャンされた画像データである請求項1記載の医用画像
    処理装置。
  8. 【請求項8】 前記時系列データは、磁気共鳴イメージ
    ング装置によりスキャンされた画像データである請求項
    1記載の医用画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記画像データは、縦緩和の情報及びサ
    セプタビリティ効果の情報を反映したデータであり、上
    記画像データから造影剤濃度に変換し、この変換結果を
    前記第1及び第2のTIC作成手段に付与するデータ変
    換手段を付加した請求項8記載の医用画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記パラメータ補正手段により補正さ
    れたパラメータを数値及びイメージの内の少なくとも一
    方の態様で表示する表示手段を付加した請求項1記載の
    医用画像処理装置。
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