JP3295568B2 - 無段変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

無段変速機のライン圧制御装置

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JP3295568B2
JP3295568B2 JP31201994A JP31201994A JP3295568B2 JP 3295568 B2 JP3295568 B2 JP 3295568B2 JP 31201994 A JP31201994 A JP 31201994A JP 31201994 A JP31201994 A JP 31201994A JP 3295568 B2 JP3295568 B2 JP 3295568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用のベルト式無段
変速機において油圧制御系のライン圧を電子制御するラ
イン圧制御装置に関し、詳しくは、変速制御のアップシ
フト時とダウンシフト時のライン圧制御に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の無段変速機(CVT)の電子制
御に関しては、既に本件出願人により多数提案されてい
る。この電子制御系の概略について説明すると、油圧制
御系にセカンダリ圧としてのライン圧を制御するライン
圧制御弁と、プライマリ圧を制御する変速制御弁が設け
られている。また電子制御の変速制御系では、目標プラ
イマリプーリ回転数とセカンダリプーリ回転数により目
標変速比を設定し、プライマリプーリ回転数とセカンダ
リプーリ回転数により実変速比を算出する。そして目標
プライマリ圧に応じた操作量の電気信号を変速制御弁に
出力してプライマリ圧を制御することで、走行状態に応
じて変速比をOD側にアップシフト、またはLOW側に
ダウンシフトするように変速制御する。
【0003】またライン圧制御系では、CVT入力トル
クを推定し、単位トルク当たりの必要ライン圧を、図7
のように変速比により増大関数的に設定し、これらCV
T入力トルクと必要ライン圧を乗算して目標ライン圧を
演算する。そして目標ライン圧に応じた操作量の電気信
号をライン圧制御弁に出力することで、ライン圧をCV
T入力トルクに応じて増減し、更に変速制御に伴いLO
W側で高く、OD側で低く制御して、ライン圧によるベ
ルトクランプ力を常に必要最小限に定めるようになって
いる。
【0004】ところでアップシフトとダウンシフトの過
渡時の変速制御では、図6のように目標変速比に対して
実変速比が常に遅れを生じる。このためライン圧制御に
おいて必要ライン圧を、例えば実変速比の関数で設定す
ると、アップシフト時は実変速比の遅れによりライン圧
が過剰気味になり、このためベルトスリップは生じ難く
なる。しかしダウンシフト時は、逆に実変速比の遅れに
よりライン圧の上昇が遅れ、加えてライン圧自体の上昇
に遅れを生じることから、ライン圧が不足気味になる。
このため急激にダウンシフトすると、ライン圧の不足に
よりベルトスリップが生じ易くなる。
【0005】ここで必要ライン圧は、変速比の関数で設
定すれば良いので、実変速比に代って目標変速比を用い
ることもできる。しかし目標変速比を用いた場合は、図
6のように上述と全く逆の関係となり、今度はアップシ
フト時に変速遅れで先にライン圧が低下して、ベルトス
リップを生じ易くなる。従って、この目標変速比を用い
ても根本的な解決にならない。このことからライン圧制
御において、アップシフト時とダウンシフト時のいずれ
の場合も、ライン圧の不足によるベルトスリップを防止
することが望まれる。
【0006】従来、上記無段変速機のライン圧制御に関
しては、例えば特開昭63−1847号公報の先行技術
があり、アップシフト方向への急変速時にライン圧を一
時的に通常より高くして、プーリの大きい慣性に対して
ベルトの滑りを防止することが示されている。特開平3
−69850号公報の先行技術では、変速比制御手段の
ライン圧導入ポートに脈動低減用オリフィスが設けられ
る場合において、シフトアップ時にライン圧を高く変更
し、オリフィスにも拘らず一方のプーリに油圧を迅速に
導入して、変速応答性の低下を補うことが示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、アップシフト時にライン圧を高く
変更する方法であるから、実変速比の関数の必要ライン
圧を用いた制御では、アップシフト時にライン圧が高く
なり過ぎて、プライマリ圧による変速制御を損うおそれ
がある。また目標変速比の関数の必要ライン圧を用いた
制御では、有効に思えるが、ライン圧を増加させるよう
に補正しなければならず、制御が複雑化して変速制御に
も影響する等の問題がある。
【0008】本発明は、このような点に鑑み、ライン圧
の電子制御においてアップシフト時とダウンシフト時の
ライン圧の不足によるベルトスリップを防止することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る無段変速機のライン圧制御
装置は、図1に示すように、エンジン側のプライマリ軸
12にプライマリシリンダ14aを備えたプライマリプ
ーリ14が設けられ、車輪側のセカンダリ軸13にセカ
ンダリシリンダ15aを備えたセカンダリプーリ15が
設けられ、これら両プーリ14,15の間に駆動ベルト
16が巻付け径の比率を変えて無段階に変速制御するよ
うに巻付けられ、セカンダリシリンダ15aへの油路2
3に制御ユニット40の電気信号によりセカンダリシリ
ンダ15aのライン圧を制御して駆動ベルトをクランプ
するようにライン圧制御弁26が設けられ、プライマリ
シリンダ14aへの油路25にプライマリ圧を変化して
目標変速比に実変速比が追従するように変速制御する変
速制御弁27が設けられるものであって、制御ユニット
40は目標変速比の変化状態により変速制御のアップシ
フトまたはダウンシフトを検出する変速方向検出手段6
0と、アップシフト時は実変速比を選択し、ダウンシフ
ト時は目標変速比を選択して、これら変速比に対して単
位トルク当たりの必要ライン圧を増大関数的に設定する
必要ライン圧設定手段42と、無段変速機の入力トルク
と単位トルク当たりの必要ライン圧により目標ライン圧
を算出する目標ライン圧算出手段43と、目標ライン圧
に応じた操作量の電気信号をライン圧制御弁26に出力
する操作量設定手段44とを備えることを特徴とする。
【0010】
【作用】従って、本発明の請求項1にあっては、車両走
行時にエンジン動力がプライマリ軸12のプライマリプ
ーリ14に入力し、このときライン圧制御弁26による
セカンダリシリンダ15aのライン圧でベルトクランプ
される。また変速制御弁27でプライマリシリンダ14
aのプライマリ圧を変化して駆動ベルト16の両プーリ
14,15に対する巻付け径の比率を変化するように変
速制御される。このため例えば加速時には最大変速比の
LOWから最小変速比のODの方向に、実変速比が目標
変速比に追従しつつアップシフトする。また例えば減速
時には逆にODからLOWの方向に、実変速比が同様に
目標変速比に追従しつつダウンシフトして無段階に変速
する。
【0011】このとき制御ユニット40の目標ライン圧
算出手段43でCVT入力トルクと単位トルク当たりの
必要ライン圧により目標ライン圧を算出し、操作量設定
手段44により目標ライン圧に応じた操作量の電気信号
をライン圧制御弁26に出力して作動することで、ライ
ン圧が入力トルクと変速比に応じて制御され、このライ
ン圧で常に必要最小限の力でベルトクランプされる。こ
の場合に必要ライン圧設定手段42でアップシフト時は
変速遅れで変速比が大きめの実変速比を選択し、ダウン
シフト時は変速進みで同様に変速比が大きめの目標変速
比を選択する。このためアップシフトとダウンシフトの
いずれの場合も、必要ライン圧が高めに設定され、これ
によりアップシフト時はライン圧が高めに保持され、ダ
ウンシフト時はライン圧が早めに上がってベルトスリッ
プが確実に防止される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、本発明が適応される無段変速機と
して、電磁クラッチにベルト式無段変速機を組合わせた
駆動系の全体構成について説明する。エンジン1は、電
磁クラッチ2、前後進切換装置3を介して無段変速機4
に連結し、無段変速機4から1組のリダクションギヤ
5、出力軸6、ディファレンシャル装置7及び車軸8を
介して駆動輪9に伝動構成される。
【0013】電磁クラッチ2は、エンジン1のクランク
軸10に直結するドライブメンバ2aと、クラッチコイ
ル2cを内蔵して入力軸11に直結するドリブンメンバ
2bとを有する。そして制御ユニット40によりクラッ
チコイル2cにクラッチ電流Icが供給されると、磁気
作用で両メンバ2a,2bのギャップに電磁粉を鎖状に
結合して集積し、この結合力でクラッチトルクを伝達す
る。即ち、発進時にエンジン回転数Neに応じたクラッ
チ電流Icを供給して滑らかにクラッチ接続し、設定車
速以下でクラッチ電流Icを減じてクラッチ切断または
所定のドラッグトルクを発生する。
【0014】前後進切換装置3は、入力軸11とプライ
マリ軸12との間にギヤとハブやスリーブにより同期噛
合式に構成される。そして入力軸11をプライマリ軸1
2に直結する前進位置、入力軸11の回転方向を逆転し
てプライマリ軸12に伝達する後退位置及び両軸11,
12を切断する中立位置を有する。
【0015】無段変速機4は、プライマリ軸12とそれ
に平行配置されたセカンダリ軸13とを有し、プライマ
リ軸12にプライマリシリンダ14aを備えたプーリ間
隔可変のプライマリプーリ14が設けられる。セカンダ
リ軸13には同様のセカンダリシリンダ15aを備えた
セカンダリプーリ15が設けられ、両プーリ14,15
に駆動ベルト16が巻付けられる。そして例えば加速時
には、駆動ベルト16がセカンダリプーリ15に対する
巻付け径の最も大きい最大変速比のLOWからプライマ
リプーリ14の方に移行してアップシフトする。また例
えば減速時には、駆動ベルト16がプライマリプーリ1
4に対する巻付け径の最も大きい最小変速比のODから
セカンダリプーリ15の方に移行してダウンシフトする
ように無段階に変速する構成である。
【0016】次に、油圧制御系について説明する。先
ず、オイルパン20と連通するオイルポンプ21からの
油路22が、比例電磁リリーフ弁のライン圧制御弁26
に連通する。ライン圧制御弁26は、比例ソレノイド2
6aに制御ユニット40からのソレノイド電流Isが流
れると、ポンプ吐出圧を調圧して所定のライン圧Psを
生じ、このライン圧Psが油路23によりセカンダリシ
リンダ15aに常に供給されてベルトクランプする。ま
たライン圧Psは、油路24により比例電磁減圧弁の変
速制御弁27に導かれる。変速制御弁27は、比例ソレ
ノイド27aに制御ユニット40からのソレノイド電流
Ipが流れると、ライン圧Psをプライマリシリンダ1
4aに給排油して所定のプライマリ圧Ppを発生し、こ
のプライマリ圧Ppにより駆動ベルト16の両プーリ1
4,15に対する巻付け径の比率を変化するように構成
される。
【0017】更に、電子制御系について説明する。制御
ユニット40は、クラッチ制御機能と、変速制御、ライ
ン圧制御の機能を併せ持ったものであり、それぞれの制
御に必要な演算機能、及び入出力機能を備える。入力信
号として、ライン圧Psを検出するライン圧センサ3
0、イグニッションパルス等によりエンジン回転数Ne
を検出するエンジン回転数センサ31、プライマリプー
リ回転数Npを検出するプライマリ回転数センサ32、
セカンダリプーリ回転数Nsを検出するセカンダリ回転
数センサ33、スロットル開度θを検出するスロットル
開度センサ34、及びレンジスイッチ、アクセルスイッ
チ、ブレーキスイッチ等の各種スイッチ37を有する。
これらセンサ、スイッチ信号は制御ユニット40に入力
して電気的に処理され、クラッチ電流Icを電磁クラッ
チ2に出力してクラッチ制御し、ソレノイド電流Isを
ライン圧制御弁26に出力してライン圧制御し、ソレノ
イド電流Ipを変速制御弁27に出力して変速制御す
る。
【0018】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、エンジン1の運転によりオイルポンプ21が
駆動して油圧を生じ、この油圧がライン圧制御弁26に
導かれる。そこでライン圧制御弁26でライン圧Psに
調圧し、このライン圧Psを元圧として変速制御弁27
でプライマリ圧Ppを制御することが可能になる。
【0019】発進時に、例えばDレンジをセレクトする
と、前後進切換装置3が前進位置になって入力軸11と
プライマリ軸12とを直結する。そこでアクセルを踏込
むと、エンジン回転数Neの上昇に応じたクラッチ電流
Icが流れて、電磁クラッチ2が滑らかに接続する。こ
のためエンジン1の動力が電磁クラッチ2、前後進切換
装置3を介し無段変速機4に入力して変速され、変速動
力が駆動輪9に伝達して車両が走り始める。そして車両
の停車及び走行時にライン圧制御と変速制御が実行され
る。
【0020】ライン圧制御を、図3の制御系全体の機能
ブロックと図4のフローチャートにより説明する。先
ず、スロットル開度θとエンジン回転数Neが入力トル
ク算出部41に入力し、θ−Neのトルク特性によりエ
ンジントルクTeを推定する。またクラッチトルクやト
ルクコンバータの場合の増幅率を加味してCVT入力ト
ルクTiを算出する(ステップS1)。一方、必要ライ
ン圧設定部42で単位トルク当りの必要ライン圧Psu
を、変速比iに応じて増大関数的に設定する(ステップ
S5)。これらCVT入力トルクTiと必要ライン圧P
suは目標ライン圧算出部43に入力して、この場合に
必要な目標ライン圧Pssを、Pss=Ti・Psu・
Ks(Ksは若干の安全率)により算出する(ステップ
S6)。目標ライン圧Pssはソレノイド電流設定部4
4に入力して、目標ライン圧Pssに応じたソレノイド
電流Isに変換し、このソレノイド電流Isを駆動部4
5により比例ソレノイド26aに出力する(ステップS
7)。
【0021】そこで停車時には、CVT入力トルクTi
が略零のため目標ライン圧Pssと共にライン圧Psが
非常に低く制御される。アクセル踏込みの発進時には、
CVT入力トルクTiと必要ライン圧Psuが大きいこ
とで、目標ライン圧Pssが高く算出され、この場合の
ソレノイド電流Isが比例ソレノイド26aに流れる。
このためライン圧制御弁26は、ドレン量を減少するよ
うに作動してライン圧Psは高く制御される。そこでセ
カンダリシリンダ15aでのライン圧Psによるベルト
16のクランプ力も大きくなって、ベルトスリップが防
止される。
【0022】変速開始後は、変速比iが徐々に小さくな
るのに応じて必要ライン圧Psuも減少して設定され
る。この場合にアクセル操作でCVT入力トルクTiも
小さくなると、目標ライン圧Pssが更に低く算出され
て、ライン圧Psが低下制御される。このためベルト1
6は、常に必要最小限の力でクランプされる。
【0023】変速制御を、図3の制御系全体の機能ブロ
ックと図5のフローチャートにより説明する。油圧比制
御系において、プライマリプーリ回転数Npとセカンダ
リプーリ回転数Nsが実変速比算出部46に入力し、実
変速比isをis=Np/Nsにより算出する(ステッ
プS11)。またCVT入力トルクTi、必要ライン圧
Psu及び油圧センサ30による実際のライン圧Psが
トルク比算出部49に入力する。ここでCVT入力トル
クTiが例えば大きくなるとダウンシフト方向に移行し
て、CVT入力トルクTiが実変速比isに影響する。
そこでCVT入力トルクTiと実変速比isとの関係に
対し、今のライン圧Psで伝達できる最大トルク(Ps
/Psu)と、今のCVT入力トルクTiのトルク比K
tを、Kt=Ti/(Ps/Psu)により算出する
(ステップS12)。
【0024】このトルク比Ktと実変速比isは油圧比
設定部50に入力する。ここで定常時の実変速比isは
ライン圧Psとプライマリ圧Ppとの油圧比で決まるた
め、油圧比Kp(Pp/ Ps)は実変速比isの関数と
なる。また今のトルク伝達状態から、油圧比Kpはトル
ク比Ktの関数となり、これにより油圧比Kpを、Kp
=f(Kt/is)により求める(ステップS13)。
そして油圧比Kpとライン圧Psは必要プライマリ圧算
出部51に入力し、ライン圧Psに対してこの油圧比K
pでバランスするための必要プライマリ圧Ppdを、プ
ライマリ回転数Npによるプライマリシリンダ部分の遠
心油圧gpを考慮して、Ppd=Kp・Ps−gpによ
り算出する(ステップS14)。
【0025】また流量制御系において、実変速比isと
スロットル開度θが目標プライマリプーリ回転数検索部
47に入力し、i−θの関係で目標プライマリプーリ回
転数Npdを定める(ステップS15)。目標プライマ
リプーリ回転数Npdとセカンダリプーリ回転数Nsは
目標変速比算出部48に入力し、目標変速比itをit
=Npd/Nsにより算出するのであり(ステップS1
6)、こうして変速パターンをベースとして各運転及び
走行条件に応じた目標変速比itが求められる。これら
実変速比isと目標変速比itは変速圧力算出部52に
入力して、両変速比it,isの偏差に応じた補正分Δ
Ppを求める(ステップS17)。
【0026】そして油圧比制御系の必要プライマリ圧P
pdと、流量制御系の変速圧力ΔPpは目標プライマリ
圧算出部53に入力して、目標プライマリ圧Ppsを、
アップシフト時にはPps=Ppd+ΔPpにより、ダ
ウンシフト時はPps=Ppd−ΔPpにより算出する
(ステップS18)。目標プライマリ圧Ppsは更にソ
レノイド電流設定部54に入力して、目標プライマリ圧
Ppsに応じたソレノイド電流Ipに変換し、このソレ
ノイド電流Ipを駆動部55により比例ソレノイド27
aに出力する(ステップS19)。
【0027】そこでNs=0の停車時には、目標変速比
itが無段変速機4の機構上の最大変速比LOW(例え
ば2.5)に設定され、変速制御弁27をドレン(排
油)側に作動してプライマリ圧Ppは略零になる。この
ためセカンダリシリンタ15aにのみライン圧Psが供
給され、無段変速機4はベルト16が最もセカンダリプ
ーリ15側へ移行した最大変速比LOWの低速段にな
る。
【0028】発進後の走行時には、運転、走行状態に応
じて目標プライマリプーリ回転数Npdが設定され、車
速と共にセカンダリプーリ回転数Nsが上昇すること
で、目標変速比itが順次小さくなって変速開始する。
するとトルク比Kt、油圧比Kp、実変速比isと目標
変速比itの偏差に応じた補正分ΔPpにより、目標プ
ライマリ圧Ppsが徐々に高く算出される。このためソ
レノイド電流Ipも徐々に増圧側へ変化して、変速制御
弁27により給油量が増してプライマリ圧Ppは順次高
く制御され、ベルト16は順次プライマリプーリ14の
方へ移行して変速比の小さい高速段にアップシフトす
る。そして最小変速比OD(例えば0.5)に変速して
高速走行することが可能となる。
【0029】またアクセルの踏込みで目標プライマリプ
ーリ回転数Npdが高くなったり、減速時に車速と共に
セカンダリプーリ回転数Nsが低下すると、目標変速比
itが大きくなる。このため目標プライマリ圧Ppsが
低く算出され、これに伴い変速制御弁27でプライマリ
圧Ppは多く減圧されて低下し、ベルト16は再びセカ
ンダリプーリ15の方に移行してダウンシフトする。こ
うして最大変速比と最小変速比の変速全域で実変速比i
sが、図6のように目標変速比itに追従しながらアッ
プシフトまたはダウンシフトして無段階に変速制御され
る。
【0030】続いて、上記変速制御のアップシフトとダ
ウンシフトでの実変速比の遅れ等によるライン圧不足防
止対策について説明する。先ず、ライン圧制御では、単
位トルク当たりの必要ライン圧Psuを変速比iに対し
て増大関数的に設定するため、変速比iを大きめに定め
ることにより必要ライン圧Psu、目標ライン圧Pss
を高めにすることができる。ここで図6から明らかなよ
うに、アップシフト時は実変速比isの方が変速遅れの
分だけ変速比iが大きく、ダウンシフト時は目標変速比
itの方が変速進みの分だけ変速比iが大きい。このた
めアップシフト時は実変速比isを用い、ダウンシフト
時は目標変速比itを用いることで、いずれの場合も変
速比iと共に必要ライン圧Psuが大きめになる。
【0031】この場合の制御を、図3の制御系全体の機
能ブロックと図4のフローチャートにより説明する。先
ず、目標変速比itが変速方向検出部60に入力して、
目標変速比itの減少変化によりアップシフトを、増大
変化によりダウンシフトをそれぞれ検出する(ステップ
S2)。この変速方向の信号、実変速比is、目標変速
比itは必要ライン圧設定部42に入力し、アップシフ
ト時は実変速比isを選択し(ステップS3)、必要ラ
イン圧Psuを実変速比isの関数で設定する(ステッ
プS5)。またダウンシフト時は目標変速比itを選択
し(ステップS4)、必要ライン圧Psuを目標変速比
itの関数で設定する(ステップS5)。こうして設定
される必要ライン圧Psuに基づいて目標ライン圧Ps
sを算出してライン圧制御する。
【0032】そこで例えば加速時にOD側にアップシフ
トする場合は、変速遅れの実変速比isに基づき必要ラ
イン圧Psu、目標ライン圧Pssが高めに保持され
て、ライン圧Psが高めに制御される。また例えば減速
時にLOW側にダウンシフトする場合は、変速進みの目
標変速比itに基づき必要ライン圧Psu、目標ライン
圧Pssが早めに高くなって、ライン圧Psが同様に高
めに制御される。このためアップシフト時とダウンシフ
ト時のいずれの場合も、ライン圧Psが図6の一点鎖線
のように高めに制御されてベルト16が確実にクランプ
され、これによりベルトスリップが防止される。
【0033】以上、本発明の実施例について説明した
が、実変速比や目標変速比は他の方法で算出することも
できる。またライン圧を変速比との関係で電子制御する
場合の全てに適応できる。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の請求項
1に係る無段変速機のライン圧制御装置では、ライン圧
制御する制御ユニットが目標変速比の変化状態により変
速制御のアップシフトまたはダウンシフトを検出する変
速方向検出手段と、アップシフト時は実変速比を選択
し、ダウンシフト時は目標変速比を選択して、これら変
速比に対して単位トルク当たりの必要ライン圧を増大関
数的に設定する必要ライン圧設定手段と、CVT入力ト
ルクと単位トルク当たりの必要ライン圧により目標ライ
ン圧を算出する目標ライン圧算出手段と、目標ライン圧
に応じた操作量の電気信号をライン圧制御弁に出力する
操作量設定手段とを備える構成であるから、変速制御の
アップシフト時とダウンシフト時のライン圧を適正に制
御できる。
【0035】アップシフト時は変速遅れの実変速比を使
用し、ダウンシフト時は変速進みの目標変速比を使用し
て単位トルク当たりの必要ライン圧を増大関数的に設定
してライン圧制御するので、いずれもライン圧が高めに
なってベルトスリップを確実に防止できる。変速方向に
より実変速比と目標変速比の一方を選択する方法である
から、制御が容易である。またライン圧を設定する際の
マージンを低下することができ、このためベルト張力過
剰による駆動力ロス、ポンプ負荷が少なくなって燃費等
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機のライン圧制御装置の
構成を示すクレーム対応図である。
【図2】本発明が適応される無段変速機の一例の駆動系
と油圧制御系を示すスケルトン図である。
【図3】制御ユニットの全体の構成を示す機能ブロック
図である。
【図4】ライン圧制御のフローチャートである。
【図5】変速制御のフローチャートである。
【図6】アップシフト時とダウンシフト時の変速状態を
示す線図である。
【図7】変速比に対する必要ライン圧の設定マップを示
す線図である。
【符号の説明】 12 プライマリ軸 13 セカンダリ軸 14 プライマリプーリ 14a プライマリシリンダ 15 セカンダリプーリ 15a セカンダリシリンダ 16 駆動ベルト 23,25 油路 26 ライン圧制御弁 27 変速制御弁 40 制御ユニット 42 必要ライン圧設定部(必要ライン圧設定手段) 43 目標ライン圧算出部(目標ライン圧算出手段) 44 ソレノイド電流設定部(操作量設定手段) 60 変速方向検出部(変速方向検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン側のプライマリ軸にプライマリ
    シリンダを備えたプライマリプーリが設けられ、車輪側
    のセカンダリ軸にセカンダリシリンダを備えたセカンダ
    リプーリが設けられ、これら両プーリの間に駆動ベルト
    が巻付け径の比率を変えて無段階に変速制御するように
    巻付けられ、セカンダリシリンダへの油路に制御ユニッ
    トの電気信号によりセカンダリシリンダのライン圧を制
    御してベルトクランプするライン圧制御弁が設けられ、
    プライマリシリンダへの油路にプライマリ圧を変化して
    目標変速比に実変速比が追従するように変速制御する変
    速制御弁が設けられる無段変速機において、 制御ユニットは目標変速比の変化状態により変速制御の
    アップシフトまたはダウンシフトを検出する変速方向検
    出手段と、この変速方向検出手段の検出結果により、 アップシフト
    時は実変速比を選択し、単位トルク当たりの必要ライン
    圧を実変速比に対して増大関数的に設定すると共に、
    ウンシフト時は目標変速比を選択して、単位トルク当た
    りの必要ライン圧を目標変速比に対して増大関数的に設
    定する必要ライン圧設定手段と、 無段変速機の入力トルクと単位トルク当たりの必要ライ
    ン圧により目標ライン圧を算出する目標ライン圧算出手
    段と、目標ライン圧に応じた操作量の電気信号をライン
    圧制御弁に出力する操作量設定手段とを備えることを特
    徴とする無段変速機のライン圧制御装置。
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