JP3294242B2 - 荷電ビーム照射方法 - Google Patents

荷電ビーム照射方法

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JP3294242B2 JP2001156246A JP2001156246A JP3294242B2 JP 3294242 B2 JP3294242 B2 JP 3294242B2 JP 2001156246 A JP2001156246 A JP 2001156246A JP 2001156246 A JP2001156246 A JP 2001156246A JP 3294242 B2 JP3294242 B2 JP 3294242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造等に
用いられる荷電ビーム照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハやマスク基板等の試料上に
所望パターンを形成するものとして各種の電子ビーム照
射装置が用いられている。近年、この種の装置ではビー
ムを走査、あるいは収束するために静電偏向器が使用さ
れている。静電偏向器は、コイルと比べてヒステリシス
を持つこともなく、応答が速いという利点を持っている
が、一方では偏向器そのものが真空容器内のビーム経路
のごく近くに設置されるため、偏向器表面に絶縁物のコ
ンタミネーションが付着しやすく、これがチャージアッ
プのもととなり偏向器の性能を著しく損なうという欠点
があった。このコンタミネーションは、主として真空容
器内の残留ガスが電子ビームによって分解され静電偏向
器の表面に重合し付着した有機系汚染物であり、その堆
積防止のために偏向器室の真空度を改善したり、偏向器
より電子銃側のアパーチャを薄いナイフエッジ状にして
散乱電子を減らす、といった対策がとられている。しか
し、それでもコンタミネーションの堆積が完全になくな
ることはなく、やはり頻繁に偏向器を装置から取り外
し、クリーニングまたは交換を行う必要があった。また
コンタミネーションの付着は静電偏向器に限ったことで
はなく、アパーチャ、鏡筒内壁等、荷電粒子の衝突にさ
らされる表面すべてに見られ、これらの部品に関しても
やはり、定期的なクリーニングまたは交換作業が必要で
ある。
【0003】このように電子ビームの作用によって発生
したコンタミネーションは有機溶剤処理等によって除去
することができず、分解研磨材により掃除する方法が一
般的にとられている。これは描画装置の駆動率を大幅に
低下させるだけでなく、装置からの取り外し・取り付け
作業や部品の分解・清浄・組立作業に要する人件費がか
さむ原因ともなっていた。さらに、下地材料を損傷する
ため研磨材によるクリーニング方法が使えない場合もあ
り、簡便でかつ有効なコンタミネーションの除去方法や
堆積防止方法が望まれていた。また、試料上に汚染物が
付着することも問題である。
【0004】上記した問題を解決する方法及び装置とし
て、汚染物と反応してその汚染物より揮発性の化合物を
形成すべく選択されたガスを、真空処理チェンバ内に導
入しその揮発性の化合物を真空チェンバから除去する方
法及び装置(特開昭60−77340号公報参照)があ
る。
【0005】また、電子ビ−ム露光装置のコラム内にそ
の軸方向に沿って電極を挿入し、該電極とコラム内壁と
の間に高周波電圧を印加することにより、該コラム内に
ガスプラズマを発生させてコラム内壁面の有機汚染物質
を除去し、その後引き続き露光処理を行う方法(特開昭
61−20321号公報参照)がある。
【0006】しかしながら、前者の方法及び装置はガス
自身の反応性のみを利用して汚染物を除去したり減少さ
せるだけなので、汚染物の除去効率が大幅に減少してし
まうという問題があった。
【0007】また、後者の方法にあっては、コラム室内
の静電偏向器等の部品の表面に付着した汚染物を除去す
る際、該室内のプラズマによりイオン衝撃やこれに伴っ
て温度上昇が起こり、このため前記部品の下地が損傷し
てしまうといった問題があった。
【0008】なお、上記した問題は電子ビーム照射装置
に限らず、走査電子顕微鏡、EBテスタ−、イオンビー
ム照射装置、その他荷電粒子を扱う各種の装置について
も同様に言えることである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の荷電ビーム照射装置及び方法では、装置の分解、ク
リーニング工程が必要なため、装置の駆動率が大幅に低
下したり、装置の洗浄作業に要する人件費がかさむとい
う問題や、汚染除去過程や汚染防止過程で真空容器内部
の部品の下地材料が損傷を受けるという問題を抱えてい
た。
【0010】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、真空容器内の部品を取り外したり分解せずに、そ
の表面に付着した、又は付着する汚染物が下地の損傷な
く除去又は防止される荷電ビーム照射装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】また、本発明は、装置の部品表面に付着し
た、又は付着する汚染物を下地を損傷せずに簡単に除去
又は防止することができる荷電ビーム照射方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した問題を解決する
ため本発明は、真空室からなる電子ビーム発生部と、電
子ビームに対する光学系を備えた真空室からなる電子ビ
ーム制御室と、真空室からなる試料室と、前記電子ビー
ム制御室を清純化する電気的に中性な活性種を発生させ
る放電室と、前記電子ビーム制御室と前記放電室とを接
続する手段を備えた装置を用いて、試料の処理を行う電
子ビーム照射方法であって、前記放電室に酸素と弗素を
含むガスを供給し、放電させて生成した活性種の内、電
気的に中性な活性種のみを前記放電室に選択的に導入し
て電子ビーム照射によって前記電子ビーム制御室内に付
着した汚染物を清浄化するようにしたことを特徴とする
荷電ビーム照射方法を提供する。
【0013】
【作用】本発明であれば、荷電ビーム発生部と荷電ビー
ムに対する光学系を備えた荷電ビーム制御室と試料室と
を有する真空室に対し放電室が接続され、この放電室で
発生した活性種により前記真空室を清浄化するので、荷
電ビーム照射の際に前記真空室内の光学系などの部材に
生ずる汚染物の除去又は発生防止を部材の取り外しや分
解を行わずに簡単に達成することができる。
【0014】さらに、前記活性種は前記部材表面の下地
材料とは反応を起こさないので、下地の損傷なく汚染物
の除去又は発生防止を行うことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明による荷電ビーム照射装置及び
方法の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】第1の実施例 第1図は本発明による荷電ビーム照射装置の第1の実施
例の構成を示した概略断面図である。この図で示す装置
は電子ビーム露光装置である。
【0017】まず装置の真空室1は電子銃室(荷電ビー
ム発生部)2、ビーム光学系室(荷電ビーム制御室)
3、試料室4から構成され、それぞれイオンポンプ5
a、イオンポンプ5b、ターボ分子ポンプ6により差動
排気される。ここで、電子銃室2及びビーム光学系室3
はターボ分子ポンプ7により予め荒引きされた後、それ
ぞれイオンポンプ5a、5bによりドライ排気される。
また、電子銃室2とビーム光学系室3との間及びビーム
光学系室3と試料室4との間にはそれぞれゲートバルブ
8、9が設けられ、これらのバルブを閉めることにより
電子銃室2、ビーム光学系室3、試料室4は仕切られ
る。
【0018】電子銃室2の内部には電子銃10が設けら
れ、この電子銃10から電子ビームが照射される。この
電子ビームは、ビーム光学系室3内に設けられた第1収
束コイル11、第2収束コイル12、アパーチャ13、
静電偏向器14を介して所望の形状、軌道に制御された
後、試料室4に入射する。
【0019】試料室4内には対物レンズ15が設けられ
ており、前記電子ビームは対物レンズ15を経て、同じ
く試料室4内に設置された試料台16上の試料17に照
射される。
【0020】また、ビーム光学系室3には石英放電管1
8がその先端がビーム光学系室3の中に入るように固定
され、活性種導入部19が構成されている。また、もう
片方の端にはガス導入系20が接続されており、活性種
導入部19とガス導入系20との間の石英放電管18に
は、該放電管18を取りまくように高周波空洞21が設
けられている。
【0021】ガス導入系20は、前記石英放電管18と
結合部18aで結合するガス導入管20a、20bより
構成される。この導入管20a、20bはそれぞれマス
フローコントローラ20c、20dによりガス流量が制
御される。20eはバルブである。
【0022】一方、高周波空洞21には同軸ケーブル2
2を介して高周波発振器23が接続されている。この高
周波発振器23からは高周波電力が発振され、同軸ケー
ブル22を通して伝送された後、高周波空洞21に供給
される。高周波空洞21に供給された高周波電力によ
り、ガス導入系20から導入されたガスは石英放電管1
8内部で解離し、活性種が発生する。このようなマイク
ロ波放電によって生じた活性種は前記した活性導入部1
9よりビーム光学系室3に導入される。
【0023】次に、上記のように構成された装置を用い
た方法について説明する。
【0024】本発明による方法を行うにあたって、本実
施例では予め次の処理を試料に対して行った。即ち、表
面にレジスト膜等が形成された試料17を真空室1内に
設置し、該容器内で電子ビーム描画等の所望の処理を試
料17に対して施した後、該試料を真空室1から取り出
した。
【0025】以下、本発明により汚染の除去を行った。
まず、ゲートバルブ8、9を閉じてビーム光学系室3を
電子銃室2と試料室4から隔離し、ビーム光学系室3を
ターボ分子ポンプ7で排気した。
【0026】次に、ガス導入管20aから酸素700s
ccm、ガス導入管20bからCF 4 35sccmを石
英放電管18内に導入し、さらにビーム光学系室3内の
圧力を0.2Torrに保った。次に高周波発振器から
発振された2.45GHzの高周波電力100wを高周
波空洞21を介して石英放電管18に印加し、ガスを放
電した。この放電ガスには電子、イオン、及びOラジカ
ル、Fラジカル、CF3ラジカルなどの活性な中性粒子
が存在するが、そのうち寿命の長いFラジカルやOラジ
カル等の活性な中性粒子のみが石英放電管18を通って
ビーム光学系室3へ輸送される。この時、前記中性粒子
は電子銃室2及び試料室4には流入しない。
【0027】一方、ビーム光学系室3内の偏向器14の
表面には、アパーチャ13で散乱された電子とビーム光
学系室3内に排気ポンプのオイル系統から混入した炭化
水素系の残留ガスとの反応によって堆積した、炭素、酸
素、水素からなる汚染物(ポリマー)が付着している。
この汚染された偏向器14の表面をFラジカルやOラジ
カルにさらすと汚染物は完全に除去された。
【0028】なお、この汚染物の除去の際、ビーム光学
系室3内に設けられた第1収束コイル11、第2収束コ
イル12、アパーチャ13、静電偏向器14等の部品の
表面に酸素や弗素が残留したり、酸化物や弗化物が形成
されてしまう場合がある。そこで、上記電子ビーム露光
装置に加熱手段(図示せず)を設けて、この加熱手段を
用いて汚染物除去と同時若しくはその後に120℃程度
に加熱することによって、前記部品表面の残留酸素や弗
素、さらには該部品表面に形成された酸化物や弗化物を
気化して除去するとより好ましい。 本実施例ではOラ
ジカルにFラジカルを加えることによって初めて汚染物
が取れたが、これは次の理由によるものと思われる。
【0029】即ち、Fラジカルが汚染物のポリマーに対
して作用することにより汚染物は脆弱化し、さらにOラ
ジカルの酸化反応によって前記汚染物が酸化され、汚染
物の分解が進行する。このような脆弱化、酸化により汚
染物除去は促進される。
【0030】なお、上述の実施例においてO2 700s
ccmに対してCF4 を35sccm導入したが、O2
流量に対するCF4 流量の影響を調べた。図2は、そ
の結果を示す特性図である。このように、全ガス流量
(酸素ガス流量とCF4 ガス流量の和)の2%以上20
%以下の流量のCF4 を導入することによって汚染物の
除去効果を最大にすることができた。さらに望ましく
は、5%以上15%以下の流量が良い。また、全ガス流
量の10%の流量のCF4 を導入した時、汚染物の除去
速度は最大となり、効率良く汚染物を除去することがで
きた。
【0031】上述したCF4 流量の割合に上限と下限が
あるのは次の理由によるものと思われる。即ち、CF4
から生ずるFラジカルにより汚染物を脆弱化させるため
にはある程度の量のFラジカルが必要であり、またFラ
ジカルが多過ぎても汚染物表面に弗素が多く取り込まれ
酸素ラジカルの作用が妨害されるからである。
【0032】比較例として、前述したOラジカル及びF
ラジカルに代えて酸素ガス及びCF 4 ガスをそのままビ
ーム光学系室3に導入してみた。この場合には汚染物を
除去することは全くできなかった。
【0033】また、電子ビーム露光装置の真空室内でC
4 及びO2 を放電させ、この放電により部品に付着し
た汚染物を除去しようとしたところ、ビーム光学系の静
電偏向器(下地材料はジュラルミン)表面に施された金
メッキ(金蒸着膜)の一部がはがれてしまった。これ
は、放電によるイオン衝撃やこれに伴う温度上昇が原因
であると思われる。ここで、上記放電は、鏡筒内に放電
機構を設置することにより鏡筒内の構造が複雑となるた
め、異常放電が起きないように制御することがほとんど
不可能であった。
【0034】以上のように本実施例によれば、(1)通
常の有機溶剤等による処理では取れない強固な汚染物の
除去が可能、(2)研磨剤やイオン衝撃等の強い物理的
作用を伴う処理を使えない下地材料に対してその表面の
汚染物の除去が可能、(3)例えば細い円筒構造物の内
壁のようなところでもラジカル等の活性種が入っていく
限り構造物を分解せずに汚染物の除去が可能、などの効
果が得られる。
【0035】即ち、偏向器その他の部品を装置から取り
外さずに、しかも装置を大気解放せず簡単にクリーニン
グできるため、駆動率が高く、高効率の電子ビーム照射
装置を得ることができる。また、クリーニング時に上記
部品に対して損傷を与えることはないので、装置の保守
等に対して絶大な効果がある。
【0036】第2の実施例 図3は本発明による荷電ビーム照射装置の第2の実施例
の構成を示した概略断面図である。図1と同一の部分に
は同一符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0037】真空室1は、アパーチャ31により鏡筒
(荷電ビーム制御室)32と試料室4に分けられ、鏡筒
32と試料室4とはそれぞれターボ分子ポンプ33、6
により差動排気される。また試料室4には2次電子検出
器34が備えてある。
【0038】ガス導入系20は第1の実施例と同様だ
が、本実施例ではガス導入管20a、マスフローコント
ローラー20c、バルブ20eから構成されており、さ
らに石英放電管18が、試料室4に接続されている。
【0039】次に、上記の如く構成された装置を用いた
方法について説明する。
【0040】まず、ガス導入系20よりO2 5sccm
を石英放電管18に導入し、試料室の真空度を1×10
−3Torrに保った。次に高周波発振器23から発振
された2.45GHzの高周波電力100wを高周波空
洞21を介して石英放電管18に印加してガスを放電
し、これにより生ずるOラジカルのみを試料室4へ輸送
した。この時、Oラジカルは差動排気により鏡筒32に
は流入しない。この状態で試料17上に30分間電子ビ
ームを照射し、試料17上の2μm×3μmの範囲を観
察したところ、試料表面に汚染物の付着はほとんど認め
られなかった。これは電子ビームによって分解された残
留ガスがつぎつぎと酸素ラジカルと反応し、試料に付着
せずに排気されたためと思われる。なお、本実施例にお
いて試料室4内の対物レンズ15や試料17には損傷が
生じなかった。
【0041】上記実施例の変形として、ビーム照射時に
鏡筒32内にOラジカルを導入するようにしてもよく、
この場合鏡筒内の部品等の構造物に対して下地を損傷す
ることなく汚染物の付着を防止することができた。この
方法を用いれば、第1の実施例にも増して、装置の駆動
率を向上させることができる。
【0042】また、本実施例においても、汚染物除去の
際、真空室1内に設けられた電子銃10、第1収束コイ
ル11、第2収束コイル12、アパーチャ13、静電偏
向器14、対物レンズ15、アパーチャ31等の部品表
面や試料17の表面に酸素が残留したり、酸化物が形成
されてしまう場合がある。そこで、第1の実施例のよう
に電子ビーム露光装置に設けた加熱手段(図示せず)を
用いて汚染物除去と同時若しくはその後に120℃程度
に加熱することによって、前記部品や試料の表面の残留
酸素、さらには該表面に形成された酸化物を気化して除
去するとより好ましい。
【0043】次に、上記実施例を従来の装置及び方法と
比較するため、以下に示す実験を行った。
【0044】即ち、(1)酸素ガスを流さない場合、
(2)酸素ガスを放電を経ずにそのまま真空室1内に導
入する場合、(3)酸素ガスを放電により解離させて酸
化ラジカルとし、これを真空室1内に導入する場合、
(4)酸素ガスを無声放電により解離させてオゾンと
し、これを真空室1内に導入する場合の4通りの雰囲気
下で5分間電子ビーム照射を行い、汚染の付着状況を調
べた。
【0045】表1は、その結果を示すものである。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、酸素ガスを流さない場
合及び酸素ガスを放電を経ずにそのまま真空室内に導入
する場合には、汚染物の堆積が目立つが、Oラジカルや
オゾンを真空室内に導入する場合には汚染物の堆積を大
幅に抑制することが可能になった。
【0048】また、Oラジカルやオゾンを真空室内に導
入しても、真空室内の部品、例えば静電偏向器や対物レ
ンズの表面に損傷等は生じなかった。
【0049】第3の実施例 図4は荷電ビーム照射に基づく汚染の除去装置の一実施
例の構成を示した概略断面図である。図では図1の各部
分と対応する部分に対して同一の符号を付して示す。
【0050】真空容器41内の底部には試料台42が設
置されており、この上には前記した荷電ビームにより汚
染物の付着した部品が載置される。また、真空容器41
の側壁には真空扉44が設けられ、この真空扉44から
汚染物の付着した部品43を分解せず一体のまま入れ、
真空排気後ガス導入系20より石英放電管18を介して
酸素及び弗素等のガスを導入し、前述の実施例と同様に
クリーニングを行う。本実施例の装置を用いれば、前記
実施例と同様の効果が得られる他、個々の装置に汚染抑
制機構を取り付けなくても1台のクリーニング専用装置
で複数の荷電ビーム装置からの部品のクリーニングを行
えるという効果が得られる。
【0051】なお、本実施例においても、汚染物除去の
際に第1収束コイル11、第2収束コイル12、アパー
チャ13、静電偏向器14等の部品表面に残留した酸素
や弗素、該表面に形成された酸化物や弗化物を除去する
ために、上記除去装置に加熱手段(図示せず)を設け
て、この加熱手段を用いて120℃程度に加熱するとよ
り好ましい。
【0052】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、荷電ビームを照射する装置であれば容易に
適用できる。また、汚染物の除去又は防止に用いるガス
に関しても適宜選択すればよい。例えば、第1及び第3
の実施例のようなクリーニング方法に関しては、NF3
と水の混合ガスや、COF2 、OF等の酸素とハロゲ
ン、例えば弗素とを含む化合物ガスにも汚染物の除去効
果があることが確認された。特に除去速度の遅い汚染物
に対しては、あらかじめ水素プラズマにさらしてC−H
結合を形成した後、弗素ラジカルと酸素ラジカルの処理
を施せば、弗素による汚染物からの水素引き抜き効果が
発揮され、除去速度が大幅に向上した。また、第2の実
施例のような汚染防止方法に関しては、石英放電管によ
って高周波放電を印加する代わりに、オゾン発生器から
直接オゾンガスを導入してもよい。さらに、酸素と窒素
との化合物や、酸素とハロゲンとの化合物、例えば酸素
と弗素との化合物や酸素と塩素との化合物等によっても
汚染防止効果を得ることができた。
【0053】さらにまた、活性種導入部からの活性種導
入は荷電ビーム制御室、試料室いずれに対して行っても
良い。 要するに、本発明は、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、荷
電ビーム照射装置内の部品表面下地を損傷せずに簡単に
清浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による荷電ビーム照射装置の第1の実施
例の構成を示した概略断面図。
【図2】O2 流量に対するCF4 流量の影響を調べた結
果を示す特性図。
【図3】本発明による荷電ビーム照射装置の第2の実施
例の構成を示した概略断面図。
【図4】荷電ビーム照射に基づく汚染の除去装置の一実
施例の構成を示した概略断面図。
【符号の説明】
1…真空室、 2…電子銃室(荷電ビーム発生部)、 3…ビーム光学系室(荷電ビーム制御室)、 4…試料室、 5a,5b…イオンポンプ、 6,7,33…ターボ分子ポンプ、 8,9…ゲートバルブ、 10…電子銃、 11…第1収束コイル、 12…第2収束コイル、 13…アパーチャ、 14…静電偏向器、 15…対物レンズ、 16…試料台、 17…試料、 18…石英放電管、 18a…結合部、 19…活性種導入部、 20…ガス導入系、 20a,20b…ガス導入管、 20c,20d…マスフローコントローラ、 20e…バルブ、 21…高周波空洞、 22…同軸ケーブル、 23…高周波発振器、 31…アパーチャ、 32…鏡筒(荷電ビーム制御室)、 34…2次電子検出器、 41…真空容器、 42…試料台、 43…汚染物の付着した部品、 44…真空扉、 45…ターボ分子ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21K 5/00 G21K 5/04 M 5/04 H01J 37/16 H01J 37/16 H01L 21/30 541Z H01L 21/3065 541G 21/302 N (56)参考文献 特開 平4−94524(JP,A) 特開 平3−19314(JP,A) 特開 昭63−308856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/16 H01L 21/027

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室からなる電子ビーム発生部と、 電子ビームに対する光学系を備えた真空室からなる電子
    ビーム制御室と、 真空室からなる試料室と、 前記電子ビーム制御室を清純化する電気的に中性な活性
    種を発生させる放電室と、 前記電子ビーム制御室と前記放電室とを接続する手段を
    備えた装置を用いて、試料の処理を行う電子ビーム照射
    方法であって、 前記放電室に酸素と弗素を含むガスを供給し、放電させ
    て生成した活性種の内、電気的に中性な活性種のみを前
    記放電室に選択的に導入して電子ビーム照射によって前
    記電子ビーム制御室内に付着した汚染物を清浄化するよ
    うにしたことを特徴とする荷電ビーム照射方法。
  2. 【請求項2】 前記電子ビーム発生部と前記電子ビーム
    制御室との間をバルブによって隔離することを特徴とす
    る請求項1記載の荷電ビーム照射方法。
  3. 【請求項3】 前記酸素と弗素を含むガスは酸素ガスと
    四弗化炭素ガスとを含む混合ガスであり、両者の流量の
    和に対する四弗化炭素ガスの流量の比を2乃至20%と
    することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電ビーム
    照射方法。
JP2001156246A 1991-07-04 2001-05-25 荷電ビーム照射方法 Expired - Fee Related JP3294242B2 (ja)

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