JP3292952B2 - 木材の形状固定処理方法 - Google Patents

木材の形状固定処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を建築用資材
の製品として出荷する前に施される木材の形状固定処理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】山林から伐採された原木は、先ず、直材
と曲がり材とに分別される。このうち、直材について
は、そのまま製材加工され乾燥した後、直ぐに建築資材
として使用しても差ほど問題は起こらないが、曲がり材
については製材・乾燥後に曲がりや狂いが発生し易いと
いう問題があった。また、直材であってもアテや芯ず
れ、不完全乾燥などの理由により、後日、曲がりや狂い
が発生することがある。
【0003】積層集成材は、狂いも少なく、強度も高い
ことから近年使用が増加しているが、接着剤が人体に与
える健康問題や製造コストが高いという問題があり、需
要者のニーズに真に答えるものではない、このため、自
然素材だけで構成された狂わない強い木材の開発が望ま
れて来た。
【0004】そこで、木材を塑性加工して曲げ戻し加工
あるいは圧縮加工を行い、その形状を変形させると共
に、強度を高め、その後固定化する塑性加工手段が採ら
れる。この木材の塑性加工は、概略、可塑化・変形・固
定化の工程によりなる。すなわち、木材を可塑化、すな
わち軟化させた後、矯正固定して変形させ、そのままそ
の形状に固定するものである。また、木材を含水率20
%以下にすると、強度も増し狂いも無くなると言われて
いるが、含水を20%以下にするためには、高いコスト
と長い時間が必要とされる。さらに、従来の熱乾燥処理
方法であると、一回の熱処理だけで乾燥処理するため、
理想的な乾燥(含水率20%以下)ができたとしても、
木材が水を含むと回復し、再び元の形状に戻ってしまう
という問題があった。
【0005】木材を可塑化させる方法としては、以下の
ような方法がある。 (1)煮沸・燃焼ガス・水蒸気による加熱方法 木材を沸騰水中又は燃焼ガス、水蒸気中で加熱する方法
であり、木材の細胞壁の構成成分が熱軟化するため、木
材は柔らかくなり、大きく変形させることができる状態
となる。 (2)マイクロ波による加熱方法 含水状態の木材に、マイクロ波を照射する方法であり、
木材全体を短時間に加熱することができる。 上記いずれの方法を用いても、可塑化(軟化)した木材
を、矯正して変形させた状態のまま、乾燥させることに
より形状を固定できる。しかし、これらの方法によって
固定化された変形形状は、木材が水を含むと回復し、再
び元の形状に戻ってしまうという問題があった。
【0006】この形状回復を解決するために、回復を抑
制する固定化方法として、以下の方法がある。 (3)合成樹脂含浸による固定化 水溶性の合成樹脂(例えば、フェノール樹脂)を含浸さ
せた木材を熱軟化させて変形し、その後、樹脂を硬化さ
せることによって固定化する方法である。この方法で
は、木材が疎水化され、変形後の回復も抑制され、有効
な固定が行われる。しかし、硬化した樹脂によって、本
来、木材が有する吸湿性や通気性などの優れた特性を失
活してしまうという問題がある。 (4)高圧蒸気下での固定化 木材を加圧し、且つ高温の水蒸気下で熱軟化させる方法
であり、短時間で変形形状の固定化が行われるのが特徴
である。しかし、このような高温、高圧の条件を達成す
るための装置には、圧力釜内にボイラーから高圧水蒸気
を導入する機構を持つ高価で大規模な装置が必要とされ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、木材を
狂わなく強くする方法は種々あるが、木材形状の固定と
材木強化を実現しているものは、樹脂含浸を併用させた
方法と、高温による圧密化処理があるに過ぎない。しか
し、これらの方法は、木材特性の失活やコストが嵩むな
どの欠点がある。また、木材の含水率を20%以下に下
げると強く狂い難くなるが、長い時間が必要で、設備費
が高く、管理が難しく、芯部の含水率が下がり難く均一
な乾燥が困難であるという問題がある。この場合、後日
の吸湿により狂いが発生することもある。また、古来よ
り燃焼ガス(煙)で燻す乾燥方法があるが、煙は多量の
水分を含んでいるため、この燃焼ガスにより含水率20
%以下に乾燥させることは困難と考えられる。理想的な
乾燥を行なうには、湿熱風や水分を含む燃焼ガスにより
一次熱処理し、その後、乾熱風で材内を加熱し、水分を
除去して乾燥するための二次熱処理をするのが良い。本
発明は、上記問題点に鑑み、木材本来の持つ有益な特性
を残したまま、圧密化することにより強度を強めたり、
変形後の木材形状を固定する方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の木材の形状固定方法は、含水状態(含水率
20%以上)の木材を、水分を与えながら材内が60℃
〜100℃の温度になるように保温又は加熱して可塑化
しながら外力を与えて矯正固定し、この状態で自然冷却
して養生させる一次処理工程と、この一時処理工程で得
られた木材を、矯正固定した状態のまま、再度水分を与
えながら、材内が60℃〜100℃の温度になるように
再保温又は再加熱し、この状態で常温まで自然冷却させ
て乾燥させる二次処理工程、又は、一時処理工程で得ら
れた木材を、矯正固定した状態のまま、乾熱風等を使用
して材内を再加熱しながら水分を除去して乾燥させる二
次処理工程のいずれかの工程からなることを特徴とす
。本発明により処理する木材は、含水率の高い木材が
好適である。これは、材内が加熱されたときに、水分が
熱伝導の媒体となり芯部まで熱が均一に伝わり、細胞内
や細胞壁の構成成分に無理なく変化を起こさせるのに有
効だからである。したがって、含水率の低い木材では、
水分を含ませた湿熱気で加熱処理を行なうのが良い。ま
た、含水状態の表皮付き丸太は、表皮がラップの役目を
果すため好適に処理できる。
【0009】また、請求項3に係る木材の形状固定処理
装置は、熱風が通過可能な間隙を有するように、多数の
処理木材を多段に積載する載置台と、前記載置台を開閉
自在に被覆するドーム屋根を有する加熱処理室と、乾熱
風、湿熱風、燃焼ガス又は外気のうち少なくとも一種の
送風を選択して行う熱風発生装置とから成り、木材の加
熱処理と乾燥処理を行うことを特徴とする。
【0010】本発明方法の要旨は、木材を可塑化させ変
形させた後、水分を付与した状態で、再度加熱すること
により木材の変形形状を固定するものである。本発明に
より処理することができる木材の種類はとくに限定され
ず、針葉樹でも広葉樹でもその太さや長さに関係なく処
理することができる。とくに含水率の高い木材や皮付の
木材に対して好適である。これは、木材内部の組織が煮
えた状態になり、細胞壁の変化に有効だからである。し
たがって、含水率の低い木材では、処理室内で散水して
水分を含ませた状態にするのが良い。
【0011】含水木材に熱を与えると、木材成分が軟化
し、自然に冷却乾燥することにより固化される。すなわ
ち、軟化しているとき、プレスで外圧を与えると木材繊
維を傷めず変形できることは、木材の塑性加工や成形木
材を作る方法として一般的に行われている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法を従来方法と比
較して説明する。まず、木材の軟化点温度を知り得るべ
く、下記の試験を行なった。尚、木材の圧縮方向は全て
繊維と直交する方向とした。
【0013】
【試験例1】まず、縦32mm×横45mm×高さ50
mmのブロック状の杉材を15分間煮沸した後、縦方向
に20mmまで圧縮し、含水且つ圧縮固定したままの状
態で、常温で自然冷却し乾燥したものを試料1(一次加
熱圧縮処理乾燥材)とした。また、縦32mm×横45
mm×高さ50mmのブロック状の杉材を15分間煮沸
した後、縦方向に20mmまで圧縮し、含水且つ圧縮固
定したままの状態で、常温で自然冷却した後、再度、1
5分間煮沸し、常温で自然冷却したものを(二次加熱圧
縮処理材)試料2とした。
【0014】次いで、これらの試料1及び試料2につい
て、それぞれ、40℃、50℃、60℃、70℃、80
℃、90℃、100℃の熱水中に浸漬した後の形状の回
復度を調べた。その結果を図1のグラフに示す。グラフ
から明らかなように、試料1(一次加熱圧縮処理乾燥
材)は、含水と同時に大きく形状回復するが、試料2
(二次加熱圧縮処理材)は60℃を境に急激な形状の回
復が見られた。すなわち、含水状態で60℃以上に加熱
することにより、木材が軟化することが予想できる。
【0015】次いで、本発明方法を従来方法との木材の
形状回復度を比較するべく下記の実験を行なった。
【0016】
【実験例1】縦32mm×横45mm×高さ50mmの
ブロック状の杉材を、材内が60℃以上になるように煮
沸した後、縦方向に20mmまで圧縮し、この状態で乾
燥させたものを一次加熱圧縮処理乾燥材(実験体A)と
し、圧縮後、含水状態のまま圧縮固定を解放したものを
一次加熱圧縮処理含水材(実験体X)とし、圧縮後、含
水状態のまま自然冷却し、再度、材内が60℃以上とな
るように煮沸して二次加熱処理をし、自然冷却後、速や
かに圧縮を解放したものを二次加熱圧縮処理含水材(実
験体B)として、3種類の実験体を作り寸法変化を測定
し、他の熱処理方法と比較した。
【0017】
【実験例2】実験例1と同じ杉材ブロックを、一晩水に
浸し含水を高め、マイクロ波を3分間照射し、実験例1
と同様に、一次加熱圧縮処理乾燥材(実験体C)と、二
次加熱圧縮処理含水材(実験体D)の2種類の実験体を
作った。尚、二次加熱処理での加熱方法は、一時加熱処
理と同じくマイクロ波を3分間照射して行なった。
【0018】
【実験例3】実験例1及び実験例2と同じ杉材ブロック
を97℃の水蒸気によって30分間蒸煮し、実験例1と
同様に、一次加熱圧縮処理乾燥材(実験体E)と、二次
加熱圧縮処理含水材(実験体F)の2種類の実験体を作
った。尚、二次加熱処理での加熱方法は、一時加熱処理
と同じく97℃の水蒸気によって30分間蒸煮して行な
った。
【0019】上記の実験体A、B、X、C、D、E、F
について、変形形状が固定化されているか確認するため
に、各々の試料についての処理直後及び自然乾燥時の縦
寸法、更に40℃の熱水中に浸漬した後の縦寸法を測定
した結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、一次加熱だけを
行った実験体A、C、Eは形状回復率が高く、形状の固
定化がほとんど行われていないのに対し、本願発明処理
方法により二次加熱処理を行なった実験体B、D、Fで
は形状はほとんど回復せず、ほぼ変形形状の固定が行わ
れていることが判る。尚、一次加熱処理後、含水状態の
まますぐに圧縮固定を解放した実験体Xについては、単
なる自然乾燥のみによって急激な形状回復が見られた。
【0022】以上のことから、木材を加熱していくと、
材内温度が60℃〜80℃を頂点として成分軟化が始ま
り、外力を与えると変形させることができ、変形させた
ものを常温で自然冷却し、この状態で水分を除去し乾燥
(含水率20%以下)させると、外力により材内(細胞
壁)に発生した反発力(内部応力)が乾燥により固化さ
れ、また、加熱により軟化し、外力により圧縮された細
胞中の木材成分が自然冷却により固化する。この成分に
は外力により回復力が発生するがこれも同じく自然冷却
により固化される。
【0023】このため、一次加熱圧縮処理したものを自
然冷却後、含水状態のまま固定状態から解放すると、乾
燥するまでに形状が回復してしまう(上記実験体X)。
また、一次加熱圧縮処理した乾燥材には水分を与えるだ
けで形状が回復してしまう(上記実験体A、C、E)。
この問題を解決する方法として、含水状態のまま変形固
定した状態で自然冷却し、それを再加熱し、安定処理
(二次加熱処理)や乾燥処理を行うと形状を固定できる
ことが判る。しかしながら、再加熱で安定処理(二次加
熱処理乾燥木材:上記実験体B、D、F)したものでも
再度60℃以上の温度と水分を与えると形状が回復す
る。しかしながら、日常生活において、60℃の温度と
水分が発生することは考えにくい。このため、建築資材
として使用しても何ら問題は起こらないと考えられる。
【0024】本発明方法は、例えば次のような装置によ
り実施することができる。以下、本発明装置の実施の形
態を図面に示す実施例により説明する。図2は本発明の
一実施例に係る木材の形状固定処理装置の斜視図、図3
は本発明処理装置の概略構成を示す説明図、図4はプレ
ス装置の一例を示す説明図、図5は養生ケースを示す斜
視図、図6及び図7はプレス装置の他の例を示す説明図
である。
【0025】
【実施例1】図2及び図3に示すように、本発明に係る
形状固定処理装置は、処理すべき木材Wが多数収容可能
な加熱処理室1と、この加熱処理室1に併設され、加熱
処理室1内へ熱風を送風する熱風発生装置2と、加熱処
理室1と熱風発生装置2とを連結する煙道3と、熱風が
通過可能な間隙を有するように、多数の処理木材Wを多
段に積載する載置台4とから構成されている。ここで、
加熱処理室1は、載置台4を被覆するドーム屋根1Aを
有しており、このドーム屋根1Aの下端に取付けられた
車輪5でもって加熱処理室1の底板1Bの両側端に設け
られた一対の軌道6上を平行移動できるようにされてい
る。加熱処理室1内を開閉可能としている。
【0026】加熱処理室1の底板1Bは耐火コンクリー
ト製で、その上には、同じく耐火コンクリート製のドー
ム状の屋根1Aを開閉自在に覆設してあり、ドーム屋根
1Aを閉じた状態において、加熱処理室1内が密閉でき
るように、ドーム屋根1A下縁と底板1Bとの間にパッ
キング等(図示せず)を介してシールすることができる
ようにされている。また、加熱処理室1の前方には加熱
処理室1内で冷めた空気が排出される煙突7が取付けら
れている。尚、図中、8は熱風循環用のパイプ、9は循
環用ブロワーである。
【0027】熱風発生装置2も加熱処理室1と同様に耐
火コンクリート製で、密閉された箱状に形成され、加熱
処理室1の後部近傍に配置されている。熱風発生装置2
は、蛇腹状で表面積を大きくされた放熱板2bを加熱す
る燃焼室2aと、ここで、加熱された空気を送風ファン
2cにより加熱処理室1内に送風する構成とされてい
る。尚、燃焼室2は、耐化レンガ、耐化コンクリート、
粘土等による耐火造り。前記加熱処理室1は、石、レン
ガ、コンクリートブロックなどの保温材料を用いるもの
でもよい。
【0028】加熱処理装置1の後端部は、2本の円筒状
の煙道3でもって熱風発生装置2と連通されている。こ
の煙道3には、処理目的に応じて乾熱風、湿熱風、燃焼
ガスを選択するための切替弁3a、熱循環用パイプ8に
は、外気を導入するための切替弁8aが設けられてお
り、形状固定処理や乾燥処理のいずれにも対応できるよ
うにされている。
【0029】以下に形状固定処理装置を用いて木材を処
理する方法について説明する。
【0030】先ず、ドーム屋根1Aを開放した状態で、
加熱処理室1内部に処理すべき含水状態の木材Wを、熱
風が通過可能な間隙を有するように、桟木4aでもって
桟切して多段に積載し、その最上段に重石Pを載置す
る。次いで、ドーム屋根1Aを移動させて加熱処理室1
を閉じ、熱風発生装置2からの熱風を加熱処理室1内へ
導入して一次加熱処理を行う。熱風発生装置2の燃料と
しては、ガス、石油、蒔を用いるが、熱風発生装置2に
代えて廃棄物の焼却炉等から発生する熱風を利用するよ
うにしても良い。
【0031】熱風発生装置2で燃料を燃焼させることに
より発生する帯熱した空気は、煙道3を通り、加熱処理
室1内部へ流入し、加熱処理室1内部に載置した木材W
を加熱する。加熱処理室1内に流入した熱風は、温度が
低下すると加熱処理室1の底部を流動し、煙突7により
外部に排出される。図中、7aは排気と循環気との切替
弁である。
【0032】一次処理工程の加熱処理における木材の含
水率は20%以上であれば良いが、50%以上あるのが
好ましい、そこで、含水率の低い木材は、水槽等に浸漬
して、予め含水率を上げておくか、水分を与えながら加
熱するのが良い。そして、木材Wに重石Pを載せ真っ直
ぐに矯正固定した状態で、材内が60℃〜100℃の温
度になるように加熱する。これにより木材Wを可塑化
(すなわち、軟化)することができる。次いで、この矯
正固定した状態で自然冷却して養生させて一次処理工程
を終了する。次ぎに、この一次処理工程で得られた木材
Wを、矯正固定した状態で、水分を与えながら、材内が
60℃〜100℃の温度になるように再加熱した後、矯
正固定した状態で自然冷却を行って二次処理工程を終了
すると、固定化された成形木材が得られる。
【0033】各処理工程での具体的な水分付与方法は、
図3に示すように、熱風発生装置2の燃焼室2a内の放
熱板2b上に水を滴下して水蒸気を発生させ、この水蒸
気によって加熱処理室1内を加熱することにより行う
か、又は、含水の高い蒔(木質燃料)を使用して、水分
を多量に含んだ燃焼ガスにより行なう。
【0034】図4は、一次処理工程での矯正固定を行う
プレス装置を説明するものであり、柱状木材Wの四側面
を同時に押圧しながら移送する4本の無限履帯10でも
って木材Wを連続的に圧縮しながら矯正して行き、圧縮
後、直ぐに図5に示すような養生ケース11に収容し、
この状態で自然冷却させた後、水分を与えながら再加熱
するものである。これにより、密度が増した狂わない木
材が得られる。
【0035】図6は、プレス装置の他の例を説明するも
のであり、4枚のアングル板12をシリンダー13でも
って柱状木材Wの四側面を同時に押圧して矯正し、圧縮
後、直ぐにこれらアングル板12をバンド14で固定す
る。そして、この状態で自然冷却させた後、水分を与え
ながら再加熱するものである。
【0036】図7もまた、プレス装置の他の例を説明す
るものであり、断面略台形状の4枚の押圧板15でもっ
て柱状木材Wの四側面を同時に圧縮矯正するものであ
る。この装置は、押圧板15の押圧面に多数の溝条15
aが形成され、木材表面を強力に圧密化するのに適して
いる。圧縮後、木材Wの表面にできる凹凸は、プレーナ
ーにより削って平滑面に仕上げる。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、木
材本来の持つ有益な特性を残したまま、圧密化すること
により強度を強めたり、変形後の木材形状を固定化する
ことができるばかりでなく、可塑化並びに固定化処理の
ために、高価で大規模な装置を不要とし、低コストで優
れた建築用木材が得られるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材の形状回復状態を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例に係る木材の形状固定処理装
置の斜視図である。
【図3】本発明処理装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図4】プレス装置の一例を示す説明図である。
【図5】養生ケースを示す斜視図である。
【図6】プレス装置の他の例を示す説明図である。
【図7】プレス装置の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
W 木材 P 重石 1 加熱処理装置 1A ドーム屋根 1B 底板 2 熱風発生装置 2a 燃焼室 2b 放熱板 2c 送風ファン 3 煙道 3a 切替弁 4 載置台 4a 桟木 5 車輪 6 軌道(レール) 7 煙突 8 熱風循環用パイプ 8a 切替弁 9 循環用ブロワー 10 無限履帯 11 養生ケース 12 アングル板 13 シリンダー 14 バンド 15 押圧板 15a溝条

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水状態(含水率20%以上)の木材
    を、水分を与えながら材内が60℃〜100℃の温度に
    なるように保温又は加熱して可塑化しながら外力を与え
    て矯正固定し、この状態で自然冷却して養生させる一次
    処理工程と、この一時処理工程で得られた木材を、矯正
    固定した状態のまま、再度水分を与えながら、材内が6
    0℃〜100℃の温度になるように再保温又は再加熱
    し、この状態で常温まで自然冷却させて乾燥させる二次
    処理工程、又は、一時処理工程で得られた木材を、矯正
    固定した状態のまま、乾熱風等を使用して材内を再加熱
    しながら水分を除去して乾燥させる二次処理工程のいず
    れかの工程からなることを特徴とする木材の形状固定処
    理方法。
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