JP3291804B2 - ダイヤモンド単結晶の合成方法 - Google Patents

ダイヤモンド単結晶の合成方法

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JP3291804B2 JP00905893A JP905893A JP3291804B2 JP 3291804 B2 JP3291804 B2 JP 3291804B2 JP 00905893 A JP00905893 A JP 00905893A JP 905893 A JP905893 A JP 905893A JP 3291804 B2 JP3291804 B2 JP 3291804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装飾用途や光学部品など
に用いられる無色で透明なダイヤモンド単結晶の合成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている装飾用ダイヤモンド
は、主に南アフリカ、ロシアより産出されるものの中か
ら、無色透明で内部欠陥の少ないものを選別して用いら
れている。天然装飾用ダイヤモンドは宝石の中でも最も
販売量が多い。また、ダイヤモンドを用いた光学部品と
して、レーザー窓やIRアンビルセルなどがあるが、い
ずれも天然原石の中から赤外領域に光の吸収のない透明
なダイヤモンド(IIa型とよばれる)が選ばれて用いら
れている。しかし、無色透明な原石の産出は極めて少な
く、安定供給や価格に問題がある。
【0003】一方、人工合成によるダイヤモンドは通
常、超高圧高温下で合成する際に溶媒中の窒素が結晶格
子内に取り込まれるために黄色く着色してしまうが、溶
媒中に窒素ゲッターを添加することで無色透明のダイヤ
モンドを得ることができる。この窒素ゲッターとして
は、たとえば、The Journal of Physical Chemistry, v
ol.75, No.12 (1971) p1838 に示されているように、A
lがよく知られている。具体的には、米国特許第403
4066号明細書には、Fe溶媒にAlを3〜5重量%
添加することにより宝石級の無色透明なダイヤモンド単
結晶が得られると記載されている。Al以外の窒素ゲッ
ターを用いた例として、たとえば無機材質研究所研究報
告書第39号(1984)、p16〜19項にTiやZ
rを溶媒金属に添加することにより、結晶中の窒素が除
去されたという報告がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特に無色透明
の合成ダイヤモンドは合成コストが天然ダイヤモンドよ
りはるかに高くなるため工業生産は行われていない。こ
の理由は、合成には高価で特殊な装置が必要である上
に、Alなどを窒素ゲッターとして添加した場合、その
添加量の増加に従って、溶媒が結晶中に取り込まれ(以
下インクルージョンと呼ぶ)て、不良結晶となることが
多くなるため、良質な結晶とするためには成長速度を大
幅に下げる必要があるからである。とくにTiやZrを
窒素ゲッターとして用いた場合は、合成中に溶媒中に生
成したTiCやZrCなどの炭化物が原因でより多くの
インクルージョンが結晶中に取り込まれるようになる。
【0005】本発明者らが行った実験による結果では、
窒素ゲッターとしてAlを用い、溶媒金属に均一混合し
た場合、無色透明なダイヤモンド結晶を合成するために
は、その添加量は溶媒に対し少なくとも4重量%(約1
2体積%)必要であるが、この場合インクルージョンの
巻き込みなしに結晶成長させるためには成長速度を1m
g/hr以下にする必要がある。この場合、たとえば1
カラット(200mg)の結晶を合成するには200時
間以上の合成時間を要し、製造コストは膨大なものとな
る。また、Ti、Zrなど、Alより窒素との反応性の
高い物質を窒素ゲッターとして溶媒に均一添加した場
合、添加量は1重量%でも無色透明な結晶となる。しか
し、これらは炭化物を形成しやすく、成長速度を大幅に
低下させたとしてもTiCやZrCなどの炭化物の影響
で、良質な結晶は殆ど得られない。すなわち、TiCや
ZrCなどの炭化物自体がダイヤモンド結晶中へ混入し
たり、また、これらの炭化物が溶媒中の炭素の拡散を妨
げて、炭素の結晶表面への供給量が低下し、その結果、
溶媒が結晶中に巻き込まれやすくなる。本発明はかかる
問題点を解決し、無色透明でインクルージョのほとんど
ない結晶を、安価にしかも安定して合成できる新規な製
法を提供し、人工合成ダイヤモンドの装飾用途又は光学
部品用途への使用を可能にすることを意図するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明者らは、溶媒中に窒素ゲッターとして、T
i、Zr、Hfなどの、窒素との反応性の高い元素を添
加し、同時にCu、Ag、Au、Zn、などを添加すれ
ば、窒素の除去効率が上がり、また、TiCやZrCな
どの炭化物が合成中に溶媒中に生成することが少なくな
り、炭化物のダイヤ結晶中への混入や、溶媒の巻き込み
によるインクルージョンが大幅に少なくなり、その結
果、窒素不純物やインクルージョンをほとんど含まない
高純度なIIaタイプのダイヤモンド結晶が、比較的はや
い成長速度でも得られることを見いだした。さらに検討
を重ねたところ、Ti、Zr、Hfなどの元素とCu、
Ag、Auなどの元素からなる合金もしくは金属間化合
物を窒素ゲッターとして溶媒中に添加すれば、より効果
的であることが判った。
【0007】すなわち、本発明は温度差法によるダイヤ
モンド結晶合成において、溶媒金属に、窒素ゲッターと
してTi,Zr,Hf,V,Nb,Taから選ばれる一
種もしくは二種以上の金属を添加し、かつ、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Taの炭化物を分解する物質を添
加することを特徴とするものである。ここで、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Taの炭化物を分解する物質がC
u、Ag、Au、Zn、Cdから選ばれる金属であるこ
とを特徴とするものである。窒素ゲッターとして添加す
るTi、Zr、Hf、V、Nb、Taから選ばれる一種
もしくは二種以上の金属の添加量は、溶媒に対して、
0.1重量%以上、5重量%以下が好ましく、かつ、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Taの炭化物を分解する物
質の添加量が溶媒に対して、0.1重量%以上20重量
%以下であることが好ましい。
【0008】また、本発明は温度差法によるダイヤモン
ド結晶合成において、溶媒金属にX−Y系の合金もしく
は金属間化合物(ここで、XはTi、Zr、Hf、V、
Nb、Taから選ばれる元素、YはCu、Ag、Au、
Zn、Cdから選ばれる元素)を添加することを特徴と
するものである。ここで、前記、X−Y系の合金もしく
は金属間化合物(ここで、XはTi、Zr、Hf、V、
Nb、Taから選ばれる元素、YはCu、Ag、Au、
Zn、Cdから選ばれる元素)の添加量は、溶媒に対し
て、0.1重量%以上、10重量%以下であることが好
ましい。さらに、本発明において、溶媒金属は、Fe,
Co,Ni,Mn,Crの中から選ばれる一種もしくは
二種以上からなり、且つ0.1〜6.0重量%の炭素を
含むことが好ましい。
【0009】図1は本発明の一具体例であって、ダイヤ
モンド結晶合成用の試料室構成を示す図であり、溶媒金
属2中に、窒素ゲッターとしてTi、Zr、Hf、V、
Nb、Taから選ばれる一種もしくは二種以上の金属を
添加すると同時に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta
の炭化物を分解する物質としてCu、Ag、Au、Z
n、Cdから選ばれる金属を添加する。窒素ゲッターと
して添加するTi、Zr、Hf、V、Nb、Taから選
ばれる一種もしくは二種以上の金属の添加量は、溶媒に
対して、0.1重量%以上、5重量%以下であることが
好ましい。0.1重量%より少ないと、窒素が十分に除
去されずに結晶が黄色味を帯びてくる。また5重量%を
越えると、結晶中のインクルージョンが多くなり良質な
結晶が得られなくなる。また、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Taの炭化物を分解する物質の添加量は溶媒に対
して、0.1重量%以上20重量%以下であることが好
ましい。0.1重量%より少ないと炭化物分解の効果が
不十分で、20重量%をこえると多結晶化や自然核発
生、インクルージョンが多くなり良質な結晶が得られな
くなる。
【0010】また、本発明の別の方法では、前記溶媒金
属2中にX−Y系の合金もしくは金属間化合物(ここ
で、XはTi、Zr、Hf、V、Nb、Taから選ばれ
る元素、YはCu、Ag、Au、Zn、Cdから選ばれ
る元素)を添加する。たとえばTi−Cu合金の例とし
ては25Ti−75Cu合金(重量比、以下同じ)、5
0Ti−50Cu合金、75Ti−25Cuなどが挙げ
られる。また、たとえばTi−Cu系金属間化合物の例
としては、Cu2 Ti(原子比、以下同じ)、CuT
i、CuTi2 、Cu3 Ti2 などが、Cu−Zr系の
金属間化合物としては、Cu3 Zr、Cu3 Zr2 、C
uZr、CuZr2 などが挙げられる。このX−Y系の
合金もしくは金属間化合物の添加量は溶媒に対して、
0.1重量%以上、10重量%以下であることが好まし
い。0.1重量%より少ないと窒素が十分に除去されず
に結晶が黄色味を帯びてくる。10重量%をこえると多
結晶化や自然核発生、インクルージョンが多くなり良質
な結晶が得られなくなる。
【0011】ここで、図1の2の溶媒金属は一般にはF
e,Co,Ni,Mn,Crの中から選ばれる一種もし
くは二種以上からなる金属であり、種結晶溶解防止のた
め0.1〜6.0重量%の炭素をあらかじめ添加してお
くのが好ましい。炭素添加量が0.1重量%未満もしく
は炭素を含まない溶媒金属を用いた場合、種結晶上にP
tなどの種結晶溶解防止材を配置する必要があるが、こ
のような種結晶溶解防止材を配置することは、多結晶化
やインクルージョンの巻き込みの原因となり好ましくな
い。また、炭素添加量が6重量%をこえると、自然核発
生がおこりやすくなり、種結晶以外の部所より結晶成長
するため結晶同士が干渉し、良質な結晶が得られなくな
る。
【0012】本発明に用いる種結晶、炭素源等はこの種
の技術分野で公知のものを用いることができる。また、
温度差法による合成の条件等は適宜選択することができ
る。具体的な例は後記する実施例に挙げられる。
【0013】
【作用】本発明によるダイヤモンド合成方法によると、
溶媒金属に窒素ゲッターとしてTi,Zr,Hf,V,
Nb,Taから選ばれる一種もしくは二種以上の金属を
添加し、かつ、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの炭
化物を分解する物質たとえばCu、Ag、Au、Zn、
Cdから選ばれる金属を添加する、あるいは、溶媒金属
にX−Y系の合金もしくは金属間化合物(ここで、Xは
Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taから選ばれる元素、
YはCu、Ag、Au、Zn、Cdから選ばれる元素)
を添加するため、窒素の除去効率が高く、また、TiC
やZrCなどの炭化物の結晶中への混入や、溶媒の巻き
込みによるインクルージョンが大幅に少なくなり、その
結果、窒素不純物やインクルージョンをほとんど含まな
い高純度なIIaタイプのダイヤモンド結晶が、従来より
かなり速い成長速度でも得られるようになる。
【0014】この理由について、次に具体的に述べる。
先にも述べたように、Tiのみを窒素ゲッターとして用
いた場合、窒素との反応性が高いので添加量は〜1重量
%という微量でも無色透明なダイヤモンド結晶となる
が、TiCが溶媒中に多量に生成する。そのため結晶成
長が阻害されたり、また結晶の成長速度を大幅に低下さ
せたとしても、このTiCが結晶中に取り込まれたりし
て、良質な結晶は殆ど得られない。しかし、窒素ゲッタ
ーとしてTiを添加するとともに、炭化物を形成せず、
しかもTiCを溶解・分解する働きのあるCuを同時に
添加することにより、溶媒中のTiCの影響によるイン
クルージョンの混入を抑えることができる。さらにTi
とCuからなる合金又は金属間化合物、例えばCuTi
などを添加した場合、より効果的であり、良質な結晶が
かなり得やすくなる。また、窒素の除去効率も、Tiと
同程度で、1重量%程度の微量の添加でも殆ど窒素が除
去される。以上のように、窒素ゲッター及び炭化物分解
性物質を併用することにより、AlやTiなどの従来の
窒素ゲッターを用いる場合より、速い成長速度で無色透
明でインクルージョンのない良質なIIaダイヤモンド結
晶を合成することが可能となる。具体的には例えばCu
とTiをCuTi金属間化合物の形で溶媒金属に対し1
重量%添加した場合、成長速度2.5mg/hrでも、
無色透明な良質なIIaダイヤモンド結晶が得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Co:C=60:40:4.5(重量比) となるように配合した。これに、さらに平均粒径50ミ
クロンのTi粉末と、平均粒径50ミクロンのCu粉末
をいずれも溶媒金属量(グラファイトを除く)に対し
1.5重量%添加し、十分に混合した。この混合粉末を
型押し成形し、脱ガス、焼成したもの(直径20mm、
厚み10mm)を溶媒とした。図1に示す試料室構成で
炭素源(1)にはダイヤモンドの粉末、種結晶(3)に
は直径500ミクロンのダイヤモンド結晶3個を用い
た。そして、炭素源(1)と種結晶(3)部に約30℃
の温度差がつくように加熱ヒーター(5)内にセットし
た。これを超高圧発生装置を用いて、圧力5.5GP
a、温度1300℃で70時間保持し、ダイヤモンドの
合成を行った。その結果0.7〜0.9カラットの無色
透明な、インクルージョンのほとんどない良質なIIa型
のダイヤモンド結晶が得られた。ESRにより、結晶中
の窒素濃度を測定するといずれも0.1ppm以下であ
った。磁気天秤によりインクルージョン量を測定すると
いずれも0.5重量%以下であった。
【0016】実施例2〜8 TiとCuの添加量を重量%で(Ti,Cu)=(0.
5,0.5)、(1,1)、(1,2)、(1,3)、
(1,5)、(2,2)、(2,3)と変えた他は実施
例1と同様にして、ダイヤモンド合成を行った。いずれ
も0.8カラット前後の良質なIIa型ダイヤモンド結晶
が得られた。いずれの結晶も窒素濃度は0.2ppm以
下、インクルージョン量は0.7重量%以下であった。
【0017】実施例9 Tiの代わりにZrを用いた他は実施例1と同様に、ダ
イヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例1と殆ど
同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0018】実施例10 Cuの代わりにAgを用いた他は実施例1と同様に、ダ
イヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例1と殆ど
同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0019】実施例11 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Co:C=60:40:4.5(重量比) となるように配合した。これに、さらに添加材として平
均粒径50ミクロンの50Ti−50Cu合金粉末(重
量比)を、溶媒金属量(グラファイトを除く)に対し3
重量%添加し、十分に混合した。この混合粉末を型押し
成形し、脱ガス、焼成したもの(直径20mm、厚み1
0mm)を溶媒とした。図1に示す試料室構成で炭素源
(1)にはダイヤモンドの粉末、種結晶(3)には直径
500ミクロンのダイヤモンド結晶3個を用いた。そし
て、炭素源(1)と種結晶(3)部に約30℃の温度差
がつくように加熱ヒーター(5)内にセットした。これ
を超高圧発生装置を用いて、圧力5.5GPa、温度1
300℃で70時間保持し、ダイヤモンドの合成を行っ
た。その結果0.7〜0.9カラットの無色透明な、イ
ンクルージョンのほとんどない良質なIIa型のダイヤモ
ンド結晶が得られた。ESRにより、結晶中の窒素濃度
を測定するといずれも0.1ppm以下であった。磁気
天秤によりインクルージョン量を測定するといずれも
0.3重量%以下であった。
【0020】実施例12〜16 50Ti−50Cu合金粉末の添加量を溶媒金属量(グ
ラファイトを除く)に対し0.5、1.0、2.0、
5.0、8.0重量%と変えた他は実施例11と同様に
してダイヤモンド合成を行った。いずれも、0.8カラ
ット前後の良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
いずれの結晶も窒素量0.2ppm以下、インクルージ
ョン量は0.3重量%以下であった。
【0021】実施例17 添加材として、70Ti−30Cu(重量比)合金粉末
を、2重量%添加した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど
同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0022】実施例18 添加材として、25Ti−75Cu(重量比)合金粉末
を、4重量%添加した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど
同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0023】実施例19 添加材として、10Ti−90Cu(重量比)合金粉末
を、8重量%添加した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど
同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0024】実施例20 添加材として、70Ti−30Ag(重量比)合金粉末
を、3重量%添加した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど
同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0025】実施例21 添加材として、50Ti−50Ag(重量比)合金粉末
を、2重量%添加した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど
同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0026】実施例22〜26 添加材として、CuTi金属間化合物合金粉末を用い、
その添加量を0.5,1.0,2.0,4.0,8.0
重量%とした他は実施例11と同様にしてダイヤモンド
結晶を合成した。その結果、実施例11と殆ど同じ、
0.8カラット前後の良質なIIa型ダイヤモンド結晶が
得られた。いずれの結晶も窒素量0.2ppm以下、イ
ンクルージョン0.3重量%以下であった。
【0027】実施例27 添加材として、CuTi2 金属間化合物粉末を、1重量
%添加した他は実施例22と同様にしてダイヤモンド結
晶を合成した。その結果、実施例22と殆ど同じ、良質
なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0028】実施例28 添加材として、CuZr金属間化合物粉末を、4重量%
添加した他は実施例22と同様にしてダイヤモンド結晶
を合成した。その結果、実施例22と殆ど同じ、良質な
IIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0029】実施例29 添加材として、CuZr2 金属間化合物粉末を、2重量
%添加した他は実施例22と同様にしてダイヤモンド結
晶を合成した。その結果、実施例22と殆ど同じ、良質
なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0030】実施例30 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Ni粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用
い、 Fe:Ni:Co:C=60:30:10:4.2(重
量比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、実施例1とほとん
ど同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0031】実施例31 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Ni粉末、Mn粉末、グラファイト粉末を用
い、 Fe:Ni:Mn:C=60:30:10:4(重量
比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、実施例11とほと
んど同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0032】実施例32 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Ni粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Ni:C=70:30:3.5(重量比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、実施例11とほと
んど同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0033】実施例33 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度C
o粉末、グラファイト粉末を用い、 Co:C=100:4.7(重量比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、実施例11とほと
んど同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0034】実施例34 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度N
i粉末、グラファイト粉末を用い、 Ni:C=100:4.2(重量比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、実施例11とほと
んど同じ良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0035】比較例1 Cuを添加せずに、Tiのみ添加(1.5重量%)した
他は実施例1と同様にしてダイヤモンド結晶の合成を試
みた。窒素量が約0.2ppmと少ない結晶が得られた
が成長量は一個あたり0.3カラットと少なく、また多
くのTiCが結晶中に見られ、溶媒の巻き込みも約1.
3重量%と多く、良質な結晶は得られなかった。
【0036】比較例2 50Ti−50Cu合金粉末の添加量を15重量%とし
た他は実施例11と同様にダイヤモンドの合成を試み
た。種結晶から成長した結晶は多結晶化しており、良質
な結晶は得られなかった。
【0037】比較例3 窒素ゲッターとして溶媒に添加するTiの量を15重量
%とした他は実施例1と同様にダイヤモンドの合成を試
みた。種結晶から成長した結晶は多結晶化しており、良
質な単結晶は得られなかった。、また、自然核発生も多
数みられた。
【0038】比較例4 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Ni粉末、Co粉末を用い、 Fe:Ni:Co=60:30:10(重量比) となるように配合し、グラファイトを添加しなかった他
は実施例11と同様にしてダイヤモンドの合成を行っ
た。その結果、種結晶は溶媒中に溶解して消失してしま
い、ダイヤモンドの成長は認められなかった。
【0039】比較例5 溶媒の原料として粒径50〜100ミクロンの高純度F
e粉末、Ni粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用
い、 Fe:Ni:Co:C=60:30:10:7(重量
比) となるように配合した他は実施例11と同様にしてダイ
ヤモンドの合成を行った。その結果、種結晶以外の所よ
りダイヤモンドが多数自然核発生し、このため結晶同士
が干渉し、良質なダイヤモンド結晶はほとんど得られな
かった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無色透明でインクルージョンのほとんどないダイヤモン
ド結晶を、安価に安定して合成できる。本方法によって
合成ダイヤモンドを装飾用途、光学部品などに利用する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例における結晶合成用の試料室
構成を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 炭素源 2 溶媒金属 3 種結晶 4 絶縁体 5 黒鉛ヒーター 6 圧力媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 3/06 C01B 31/06 C30B 29/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度差法によるダイヤモンド結晶合成に
    おいて、溶媒金属に窒素ゲッターとしてTi、Zr、H
    f、V、Nb、Taから選ばれる一種もしくは二種以上
    の金属を添加し、かつ、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
    Taの炭化物を分解する物質を添加することを特徴とす
    るダイヤモンド単結晶の合成方法。
  2. 【請求項2】 Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの炭
    化物を分解する物質がCu、Ag、Au、Zn、Cdか
    ら選ばれる金属であることを特徴とする請求項1記載の
    ダイヤモンド単結晶の合成方法。
  3. 【請求項3】 窒素ゲッターとして添加するTi、Z
    r、Hf、V、Nb、Taから選ばれる一種もしくは二
    種以上の金属の添加量が溶媒に対して、0.1重量%以
    上、5重量%以下であり、かつ、Ti、Zr、Hf、
    V、Nb、Taの炭化物を分解する物質の添加量が溶媒
    に対して、0.1重量%以上20重量%以下であること
    を特徴とする請求項1または2記載のダイヤモンド単結
    晶の合成方法。
  4. 【請求項4】 温度差法によるダイヤモンド結晶合成に
    おいて、溶媒金属にX−Y系の合金もしくは金属間化合
    物(ここで、XはTi、Zr、Hf、V、Nb、Taか
    ら選ばれる元素、YはCu、Ag、Au、Zn、Cdか
    ら選ばれる元素)を添加することを特徴とするダイヤモ
    ンド単結晶の合成方法。
  5. 【請求項5】 前記、X−Y系の合金もしくは金属間化
    合物(ここで、XはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta
    から選ばれる元素、YはCu、Ag、Au、Zn、Cd
    から選ばれる元素)の添加量が溶媒に対して、0.1重
    量%以上、10重量%以下であることを特徴とる請求項
    4記載のダイヤモンド単結晶の合成方法。
  6. 【請求項6】 前記溶媒金属は、Fe,Co,Ni,M
    n,Crの中から選ばれる一種もしくは二種以上からな
    り、且つ0.1〜6.0重量%の炭素を含むことを特徴
    とする請求項1、2、3、4、または5記載のダイヤモ
    ンド単結晶の合成方法。
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