JP3291220B2 - 溶融金属用保温材 - Google Patents

溶融金属用保温材

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JP3291220B2 JP10616997A JP10616997A JP3291220B2 JP 3291220 B2 JP3291220 B2 JP 3291220B2 JP 10616997 A JP10616997 A JP 10616997A JP 10616997 A JP10616997 A JP 10616997A JP 3291220 B2 JP3291220 B2 JP 3291220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食品工場等から
排出される植物性繊維を含んだ産業廃棄物を利用して製
造される、溶融金属を保温するために用いられる保温材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】所定の精錬工程等を終了した溶融金属
は、次の処理工程へ搬送され、更に長時間処理を施され
る場合が多い。この場合、搬送途中あるいは処理の期間
中、溶融金属を所定の温度範囲内に保持しなければなら
ない。例えば、製鉄所における溶鋼の連続鋳造工程にお
いては、1600℃前後に加熱された200〜300t
前後の高温溶鋼を取鍋内に収容した状態で保持し、取鍋
底部に設けられた溶鋼排出用ノズルから溶鋼容量10〜
40t程度のタンディッシュに注入し、そして鋳型に連
続的に溶鋼を鋳造して鋳片を製造する。このような場合
には、溶鋼の連続鋳造期間中、例えば1時間程度の間、
取鍋及びタンディッシュ内の溶鋼をそれぞれ所定の温度
範囲内に保持しなければならない。その他、取鍋内で溶
鋼を2次精錬する工程においても同様に溶鋼を長時間保
温しなければならない。
【0003】上述した溶融金属の保温に対して最も経済
的な方法は、特別のエネルギーを供給せずに、安価な保
温材で溶融金属の表面を覆うことにより溶融金属表面か
らの熱損失を抑えることである。一方、保温材の溶融金
属表面への添加作業は、高温の厳しい環境下において行
なわれなければならず、しかも溶融金属表面全域に均一
にゆきわたるように行なわなければ、保温材の機能を十
分に発揮させることができない。
【0004】従って、溶融金属用保温材がそなえるべき
特性としては下記の事項が重要である。 1.高温の溶融金属表面に添加されたときに、長時間に
わたって断熱保温性がよいこと。そのためには、高温下
において内部に適切な形態で均一に空隙(空気のある部
分)を含んだ断熱保温層が形成されることが必要であ
る。溶融金属の表面には、通常、金属精錬時に形成した
いくらかのスラグが存在するが、このスラグや溶融金属
との接触により保温材が溶融しスラグ化が進行した場合
でも、適正な断熱保温層が形成されなければならない。
従って、上記機能が発揮されるための適切な物質からな
り、且つ適切な成分組成を有することが必要である。
【0005】2.従来のように、人間が高温、粉塵環境
の中で重筋作業を行なわず、機械を利用して自動添加す
ることができるのに対応した物性を有すること。溶融金
属表面からは高温の上昇気流が発生するので、保温材が
粉体であって嵩比重が小さいと、粉塵が発生し、揮発性
物質が多いと発煙の原因となり、環境を悪化させる。ま
た、容器内に収容された溶融金属の表面に、保温材を均
一に添加しなければならないので、溶融金属添加時に、
保温材粉粒体の分散性が悪いと一か所にかたまったまま
になるので、溶融金属表面を均一に覆うことはできな
い。従って、適切な形態及び粒径並びに嵩比重を有し、
且つ揮発性物質含有率が制限されたものであることが必
要である。
【0006】3.溶融金属にとって有害な不純物が保温
材から混入しないこと。 4.原材料等が安価であって、製造コストが安いこと。 以上のような特性を要求される溶融金属用保温材に対し
て、従来、次のようなものが知られている。例えば、特
開平5−269547号公報は、断熱保温性がよく、添
加時の分散性がよく、且つ保管性のよい溶融金属用保温
材として、バーミキュライト原石を粒径1〜6mmにサ
イジングし、成分組成がMgO:5〜40wt.%、SiO
2 :25wt.%以上であるもの(以下、先行技術という)
を開示している。この先行技術は、溶融金属表面に添加
されると、当該保温材は約7倍に剥離膨張して短時間に
良好な断熱保温層を形成するといわれる。
【0007】溶融金属用保温材としてその他に、焼きも
みがらがよく知られている。焼きもみがらは、米のもみ
がらを炭化したものであり、もみがらが割れた形態をし
ている。溶融金属表面に添加しても溶融・スラグ化する
ことなく灰化状態に変化して良好な断熱保温層を形成す
る性質をそなえている。また、焼きもみがらを造粒化す
ることにより、溶融金属へ添加した時の発塵を抑えたも
の(以下、焼きもみ造粒品という)が市販されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術は、
バーミキュライト原石を所定粒径にサイジングしただけ
のものであるから製造コストが安価であり、また、保温
性も良好である。しかしながら、この先行技術の保温材
の水分含有率は3.1〜5.1wt.%程度と高いので、取
鍋の溶鋼やタンディッシュの溶鋼の保温材として用い、
これらの溶鋼にガスを吹き込みバブリング作業を行なう
と、溶鋼の水素ピックアップの原因になり、鋼材の品質
上問題である。また、溶鋼の連続鋳造時のように、1時
間以上も溶鋼と接していると、良好な断熱保温層が溶融
化してスラグ化する。従って、このような条件での使用
には耐えない。
【0009】焼きもみがらは溶融金属用保温材として、
断熱保温性が良好である。しかしながら、焼きもみがら
は通常、可燃性包装材で所定重量単位に包装された状態
で溶融金属の表面に、人手作業によって投入・添加され
る。このような形態がとられているのは、焼きもみがら
の嵩比重が約0.1と小さく粒径も2〜3mm以下と小
さいので、包装せずに添加すると発塵が極めてひどく、
人手による添加作業をすることが出来ないからである。
ところが、前述したように、容量200〜300t程度
の取鍋内の溶鋼に人手作業で添加するのは、高温環境下
での重筋作業であり、作業環境上問題がある。
【0010】これに対して、焼きもみ造粒品は、焼きも
みがらの欠点である発塵性を改善したものである。従っ
て、溶融金属への添加は包装形態をとらなくてもよい。
そして人手作業によらずシュートから添加することがで
きるので、機械を用いて自動投入することが可能であ
る。この点において焼きもみ造粒品は有利である。しか
しながら、焼きもみ造粒品を長時間の保温に用いると、
その製造過程で添加したバインダーが溶融するので良好
な断熱保温層が維持されず、断熱保温性に劣るという欠
点がある。
【0011】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決して、高温に長時間曝しても溶融化が進行しない
ので断熱保温性に優れており、そして、水分が低いので
溶鋼の水素ピックアップがないという、溶融金属用保温
材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、溶融金属用保温材を開発すべく鋭意研究を重
ねた。その結果、次の知見を得た。
【0013】(イ)溶融金属表面に添加され、長時間高
温に曝されても、溶融してスラグ化が進行することな
く、且つ、良好な断熱保温層を形成させ、これを長時間
保持させるためには、成品保温材の成分組成を適切なも
のにしなければならない。このような成品保温材の成分
組成としては、灰分が50wt.%以上確保され、且つ残部
は当該溶融金属の温度よりも溶融点が高ければよいとの
予測をした。
【0014】(ロ)溶融金属の表面に、添加した時に溶
融金属表面からの上昇気流によって舞い上がらないよう
な物性のものにしなければならない。この条件を満たす
ためには、適切な嵩比重と適切な粒径との組み合わせを
もつものにしなければならない。粒径を調整するために
は、造粒装置により粒子化すればよい。但し、粒子化す
るに当たりバインダーを添加すると、通常のバインダー
は高温下で容易に溶融する断熱保温層を維持することが
困難となる。従って、このようなバインダーを一切使用
せず、造粒に際しては水分のみを利用すればよい。水分
はまた、造粒工程における温度−時間調整により調整で
きるから便利である。
【0015】上記(イ)及び(ロ)を満たすための原料
として、主成分が繊維質物質が適するとの予測をした。
繊維質物質であれば、溶融金属にとっては一般に有害な
元素である水素源である水分含有率をかなり低くし、且
つ特別なバインダーなしでも粒子形態を保持することが
できる。
【0016】ここで、繊維質含有物質として、食品工場
等から日々排出される膨大な量の排水汚泥及び残渣に注
目した。これら汚泥及び残渣は従来焼却処分されていた
ものである。
【0017】この発明は、上述した知見に基づきなされ
ものであって、請求項1記載の溶融金属用保温材は、少
なくとも植物性繊維と水分とを含む産業廃棄物を原料と
し、前記原料を乾燥し、造粒し、次いで炭化することに
より製造されてなっており、前記植物性繊維は、食品製
造工程において発生する大豆粕、小麦粕、ビール粕、小
豆粕、及びみかん粕の内一種以上を含むものであること
に特徴を有するものである。
【0018】請求項2記載の溶融金属用保温材は、請求
項1記載の発明において、灰分:50〜80wt.%、
揮発性物質:10wt.%以下、及び全炭素:20〜4
0wt.%を含有し、残部が水分等不可避的不純物から
なる成分組成を有することに特徴を有するものである。
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1に、この発明の溶融金属用保温材
を製造するための概略工程図の例を示す。
【0021】原料1としての大豆粕を原料ホッパー2か
らロータリーキルン型の乾燥炉3に装入する。乾燥炉3
には熱風炉4で加熱された720〜750℃の熱風5が
送りこまれる。含水率(外数)85wt.%の大豆粕は乾燥
炉3内で乾燥され、含水率(外数)が23wt.%に下がっ
た大豆粕が排出される。次いで、乾燥炉3から排出され
た大豆粕は、造粒機6に搬送される。造粒機6は、ツイ
ンダイス型であり、内径:10mm、高さ50mmのダ
イスで、300〜500kgf/mm2 の加圧力で押出し成型
する。造粒機6で成型された大豆粕は、10mmφ×
(10〜50)mm厚さの円柱状になる。次いで、造粒
機6で成型された造粒品7は、炭化炉8に連続的に装入
される。炭化炉7はロータリーキルン型であり、造粒品
7は約750℃で18分間すべり回転を与え炭化され、
炭化物9となって連続的に排出される。炭化物9の形態
は、最大10mm×最大7mmの円柱状を呈し、水分含
有率は5〜10wt.%程度である。次いで、炭化物9は、
分級機10でサイズ1.5mm×5mmの長方形スクリ
ーンを追加したオーバーサイズを炭化調整機11に装入
される。炭化調整機11は、水分2〜4wt.%の5〜10
分の滞留として、水分調整を行なう。そして、炭化物9
は、粒径1.5mm以上、水分含有率約5wt.%以下の粒
状の溶融金属用保温材12になる。
【0022】この発明においては、原料に繊維質、特に
植物性繊維質を多量に含むものを使用するので、造粒機
6において300〜500kgf/mm2 程度の小さな加圧力
によって、バインダーの添加なしに成型されることに特
徴がある。成品保温材の圧潰強度はやや脆弱で、嵩比重
は0.28〜0.32の保温材である。一方、嵩比重
は、粒径:1mm以上との組み合わせにより、溶融金属
による上昇気流で舞い上がらないための条件を満たす。
【0023】この発明で原料として使用する麦粕、大豆
粕、小豆粕、及びみかん粕はいずれも植物性繊維質を多
量に含んでおり、この発明の溶融金属用保温材の原料と
して適する。
【0024】この発明の溶融金属用保温材の成分組成
を、灰分:50〜80wt.%、揮発性物質:10wt.%以
下、及び全炭素:20〜40wt.%を含有し、残部が水分
等不可避的不純物からなると限定した理由を説明する。
前述したとおり、保温材が溶融金属表面に添加された
後、長時間高温に曝されても、溶融してスラグ化が進行
することなく、且つ、良好な断熱保温層になることが重
要である。灰分は融点が高いので高温に長時間保持され
ても殆ど溶融しない。そして、この発明では繊維質から
生ずる灰分であるから、内部に微細な気孔を無数に含
む。この気孔が良好な断熱保温層を形成する。灰分が5
0wt.%未満になると、使用状態における保温材の気孔率
が低下し、良好な断熱保温層を維持できなくなる。一
方、上述した原料中には揮発性物質が多量に含まれてい
るので、成品保温材中に不可避的に残留する。揮発性物
質が10wt.%を超えると、溶融金属表面に添加したとき
に発煙して環境を汚染したり、溶融金属表面を撹乱して
放熱ロスの原因になる。炭素分も揮発性物質と同様、上
記原料中には多量に含まれており、保温材製造工程での
減少程度は小さい。従って、全炭素含有率は20〜40
wt.%程度以上残留することが多い。従って、灰分含有率
の上限は、上記揮発性物質と全炭素との残留量に応じて
定まる。上記理由により、保温材の成分組成を、灰分:
50〜80wt.%、揮発性物質:10wt.%以下、及び全炭
素:20〜40wt.%を含有し、残部が水分等不可避的不
純物からなるとすれば、良質の保温材が得られると共
に、効率的に製造することができるので、製造コストも
安くなる。
【0025】
【実施例】次に、この発明の溶融金属用保温材を、実施
例によって更に詳細に説明する。図1に示した保温材の
製造工程により、本発明の範囲内の溶融金属用保温材を
製造した。製造方法は、実施の形態に述べた方法に準じ
て行なった。製造条件は次の通りである。
【0026】〔原料〕食品関係大豆粕、脱水汚泥及びそ
の他の混合原料を乾燥炉に原料として入れた。含水率
(外数)は85wt.%。 〔乾燥炉〕乾燥処理(吹き込み熱風温度):720〜7
50℃×12分乾燥後の混合原料の含水率(外数):2
0wt.%前後 〔造粒機〕加圧力:300〜500kgf/mm2 造粒品:10mmφ×(10〜50)mm厚さの円柱状 造粒品の水分含有率(内数):20wt.%前後 〔炭化炉〕 処理温度:750 ±20℃×18分 冷却:水冷(ジャケット方式)15分 炭化物の形態、寸法:1〜5mm開曲状 炭化物の水分含有率(内数):10wt.%以内 〔炭化調整機〕 処理温度:(100〜150℃)×(5〜10)分 保温材の形態、寸法:1mm以上 炭化物の水分含有率(内数):5wt.%以下 こうして製造された保温材の成分分析結果の一例を表1
に示し、表1に示す灰分の成分分析結果を、表2に示
す。分析方法は、下記のとおりである。
【0027】水分(付着):107℃±2℃、重量法。 灰分、揮発性物質(VM)、遊離炭素(F.C):石炭
及びコークス類の工業分析法。 全炭素(T.C):高周波燃焼−熱伝導度法。 P:ガラスビードによるX線分析法 S:高温燃焼法 灰の組成:ガラスビードによるX線分析法
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】上述した通り製造された本発明の溶融金属
用保温材(以下、本発明品という)の性能試験を次の通
り行なった。 (1)保温性能比較試験 本発明品と従来品との保温性の比較を、実験室的に行な
った。従来品として、焼きもみがら、焼きもみ造粒品、
ペーパースラッジ及びペーパースラッジ造粒品について
試験した。試験方法は、次の通りである。
【0031】図2に、この性能試験に用いた保温材試験
装置の概略縦断面図を示す。断熱性耐火物13で全周壁
が構成された保温容器14の下部に発熱室15が、上部
に保温材の燃焼室16が設けられている。発熱室15の
天井と燃焼室16の底板とは共通の耐火プレート17で
構成され、耐火プレート17の内部に温度測定用熱電対
18が埋め込まれ、これに温度計19が結線されてい
る。一方、上記発熱室15内には発熱体20が設置さ
れ、電源(図示せず)から電力が供給されるようになっ
ている。発熱体20に供給される電力測定用の電力計2
1及び電力記録計22がセットされている。温度計19
からは温度制御器(図示せず)が結線され、発熱体20
への供給電力を制御する。
【0032】先ず、燃焼室16内温度を1350℃に恒
温保持するように電力を供給し、次いで燃焼室16に試
料(保温材)23を投入する。試料23を投入直後から
燃焼室16内温度を1350℃に恒温保持するのに必要
な、発熱体20への電力供給量を測定する。保温性は、
試料投入後、時間t分経過後の時点から10分経過後
((t+10)分)までの供給電力の積分値で評価し
た。但し、時間tは、試料投入時点を基準(0分)とし
て、10分毎の時間とした。
【0033】比較品として、従来品である焼きもみが
ら、焼きもみ造粒品、ペーパースラッジ及びペーパース
ラッジ造粒品について試験した。図3に、各保温材の保
温性能試験結果を示す。本発明品は、焼きもみがらと同
等のよい保温性を有し、その他の従来品より優れている
ことがわかる。
【0034】(2)連続鋳造における使用試験 本発明品を、250t/チャージの連続鋳造工程に使用
した。即ち、250t容量の取鍋に収容された溶鋼の表
面に0.3kg/溶鋼t、そして28t容量のタンディ
ッシュ内の溶鋼表面に0.4kg/通過溶鋼t添加し
た。本発明品の取鍋及びタンディッシュへの添加は、機
械により自動的に行なった。作業者が操作盤上の取鍋用
及びタンディッシュ用プシュボタンを押すだけで、保温
材添加装置からそれぞれ所定量の保温材が切り出され
る。
【0035】取鍋への保温材添加装置は、取鍋の上方に
設置された保温材貯留槽、シュート及び振り分け盤から
なっている。取鍋の直上に設けた陣笠状の保温材振り分
け盤の傾斜面を滑降させて溶鋼表面に保温材が添加され
た。保温材振り分け盤の直径は取鍋の内径よりも小さ
く、保温材振り分け盤の上方には、投入シュートを備え
た保温材貯留ホッパーが設置されている。また、タンデ
ィッシュ内溶鋼表面への保温材添加は、タンディッシュ
上方に移動可能に設置されたタンディッシュ保温材投入
装置から添加される。タンディッシュ保温材投入装置
は、ホッパー、シュート及びベルトコンベアからなる。
ホッパーから切り出された保温材はシュートからベルト
コンベア上にのせられ、タンディッシュの天井に設けら
れた添加孔から自然落下され、溶鋼表面に連続的乃至間
欠的に添加された。
【0036】本発明の保温材は、上述した通り、自動投
入装置により取鍋及びタンディッシュに添加され、いず
れも発塵及び発煙は全くなく、保温材添加中、良好な環
境が得られた。
【0037】溶鋼250t/チャージの連続鋳造所要時
間は50〜80分であった。連続鋳造開始時から終了5
分前までの45〜75分間における温度降下速度は、下
記の通りであった。
【0038】タンディッシュ内溶鋼の温度降下速度:平
均0.15〜0.20℃/s。一方、本発明品の代わり
に、従来品である焼きもみがら(比較品)を、上記と同
じ連続鋳造工程において、取鍋及びタンディッシュの溶
鋼表面に使用した比較試験を行なった。焼きもみがらの
使用量は、取鍋内に0.3kg/溶鋼t、タンディッシ
ュ内に0.4kg/通過溶鋼t添加した。連続鋳造期間
中の溶鋼温度降下速度は、上記と同じ測定条件におい
て、下記の通りであった。
【0039】タンディッシュ内溶鋼の温度降下速度:平
均0.15〜0.20℃/s。上記試験結果より、実用
試験においても本発明品は、焼きもみがらと同等に優れ
ていることがわかる。
【0040】このように、本発明品は、溶融金属用保温
材として優れたものであり、従来、保温性が良好である
点において評価してきた焼きもみがらと同等の保温性を
有することが明らかになった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
次の利点を有する溶融金属用保温材を提供することがで
き、工業上有用な効果がもたらされる。
【0042】1.優れた保温性を備え、且つ、安価な溶
融金属用保温材を提供することができる。 2.原料に食品工業で発生する産業廃棄物を活用するの
で、従来の廃棄物処理により発生していた焼却・埋立に
伴う環境問題の解消に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の溶融金属用保温材を製造するための
概略工程図の例である。
【図2】保温材試験装置の概略縦断面図である。
【図3】本発明品と従来品との保温性についての実験室
的試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 原料 2 原料ホッパー 3 乾燥炉 4 熱風炉 5 熱風 6 造粒機 7 造粒品 8 炭化炉 9 炭化物 10 分級機 11 炭化調整機 12 溶融金属用保温材 13 断熱性耐火物 14 保温容器 15 発熱室 16 燃焼室 17 耐火プレート 18 熱電対 19 温度計 20 発熱体 21 電力計 22 電力記録計 23 保温剤(試料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 健司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 大前 達雄 兵庫県朝来郡朝来町山内318番地 株式 会社アグシス内 (56)参考文献 特開 平1−202359(JP,A) 特開 昭62−279051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 7/10 B22D 11/108

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも植物性繊維と水分とを含む産業
    廃棄物を原料とし、前記原料を乾燥し、造粒し、次いで
    炭化することにより製造されてなっており、前記植物性
    繊維は、食品製造工程において発生する大豆粕、小麦
    粕、ビール粕、小豆粕、及びみかん粕の内一種以上を含
    むものであることを特徴とする溶融金属用保温材。
  2. 【請求項2】灰分:50〜80wt.%、揮発性物質:
    10wt.%以下、及び全炭素:20〜40wt.%を
    含有し、残部が水分等不可避的不純物からなる成分組成
    を有する請求項1記載の溶融金属用保温材。
JP10616997A 1997-04-23 1997-04-23 溶融金属用保温材 Expired - Fee Related JP3291220B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6605639B1 (en) 1998-12-14 2003-08-12 Nuclear Receptor Research, Ltd. Ligands of nuclear receptor

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