JP3290852B2 - 眼科薬物供給装置 - Google Patents

眼科薬物供給装置

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JP3290852B2
JP3290852B2 JP14760495A JP14760495A JP3290852B2 JP 3290852 B2 JP3290852 B2 JP 3290852B2 JP 14760495 A JP14760495 A JP 14760495A JP 14760495 A JP14760495 A JP 14760495A JP 3290852 B2 JP3290852 B2 JP 3290852B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白内障治療や眼科診断
における眼内レンズの支持体に薬理学的に活性な剤の制
御放出部を装着した眼科薬物供給装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】眼内組織の炎症や、感染を治療する通常
の方法としては、点眼局所投与、灌流、経口投与、静脈
注射、結膜注射、眼内注射などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
は、眼内組織への薬物の供給は容易でなく、安全で効果
的な眼内組織への薬物供給が望まれている。
【0004】本発明は、上記状況に鑑みて、治療剤が所
定の制御された速度で放出され、従来の点眼法に比べ、
薬理学的に活性な剤を可能な限り眼内の標的組織へ的確
に供給することができ、かつ安全である眼科薬物供給装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)眼科薬物供給装置において、眼内レンズの支持体
に装着され、非毒性で生体適合性を有する薬物放出用微
小ポリマーロッドとを有し、診断有効量で存在する診断
剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に有効
な速度で放出されるようにしたものである。
【0006】(2)眼科薬物供給装置において、眼内レ
ンズの支持体に装着され、非毒性で生体適合性を有する
薬物放出用微小ポリマーロッドとを有し、薬理学的に活
性な剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に
有効な速度で放出されるとともに、前記薬物放出用微小
ポリマーロッドの基材がシリコーンエラストマーであ
る。
【0007】(3)眼科薬物供給装置において、眼内レ
ンズの支持体に装着され、非毒性で生体適合性を有する
薬物放出用微小ポリマーロッドとを有し、薬理学的に活
性な剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に
有効な速度で放出されるとともに、前記薬物放出用微小
ポリマーロッドの基材がポリメチルメタアクリレートで
ある。
【0008】(4)眼科薬物供給装置において、眼内レ
ンズの支持体に装着され、非毒性で生体適合性を有する
薬物放出用微小ポリマーロッドとを有し、薬理学的に活
性な剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に
有効な速度で放出されるとともに、前記薬物放出用微小
ポリマーロッドの基材がエチレン−酢酸ビニル共重合体
である。
【0009】(5)眼科薬物供給装置において、眼内レ
ンズの支持体に装着され、非毒性で生体適合性を有する
薬物放出用微小ポリマーロッドとを有し、薬理学的に活
性な剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に
有効な速度で放出されるとともに、前記薬物放出用微小
ポリマーロッドの基材がポリ乳酸あるいはポリ乳酸ポリ
グリコール酸共重合体である。
【0010】(6)眼科薬物供給装置において、眼内レ
ンズの支持体に装着され、非毒性で生体適合性を有する
薬物放出用微小ポリマーロッドとを有し、薬理学的に活
性な剤が前記薬物放出用微小ポリマーロッドから治療に
有効な速度で放出されるとともに、前記薬物放出用微小
ポリマーロッドに1層もしくは2層以上のポリマーコー
ティングをするようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、眼内レンズ(3)の支持体
(4,6)に、分解性あるいは非分解性の薬物放出用微
小ポリマーロッド(5,7)を装着する。微小放出部
は、ポリマー基材と放出しうる薬理学的に活性な剤とか
らなり、活性な剤は治療に有効な量をポリマー基材中に
分散あるいは溶解して存在し、製剤表面から所定の速度
で放出される。
【0012】このように、眼内レンズ(3)は、治療剤
を含有させたポリマー基材からなる微小なロッドを眼内
レンズ(3)の支持体(4,6)に、1個もしくは2個
以上装着したもので、薬剤は一定速度あるいは時間に依
存した最適治療速度で眼内に放出されるので、角膜透過
が困難な薬剤でも白内障、緑内障、あるいは網膜症など
の眼内疾患ばかりでなく、眼内レンズ移植時の合併症を
避けたり防止することができる。
【0013】また、薬物放出用微小ポリマーロッド
(5,7)は、治療用あるいは診断用の薬理学的に活性
な剤および生体適合性の高分子基材を含有し、その薬理
学的活性物質が、基材中にマトリックス状で分散あるい
は溶解している組成物である薬物保存層よりなる薬物放
出用微小円筒状ロッドを眼内レンズの支持体に1個もし
くは2個以上装着する。
【0014】したがって、従来の点眼法に比べ、薬理学
的に活性な剤を可能な限り、眼内の標的組織へ的確に供
給することができ、かつ安全である。
【0015】更に、薬物供給用眼内レンズにおいて使用
される薬理学的に活性な剤は、抗炎症剤、抗微生物剤、
抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、免疫抑制剤、眼圧降
下剤などが挙げられる。
【0016】また、薬物放出用微小ポリマーロッドの基
材としては、生体適合性の非分解性あるいは分解性高分
子材が用いられる。
【0017】上記生体適合性非分解性高分子基材として
は、シリコーンエラストマー、ポリメチルメタアクリレ
ート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリHEMAな
どが挙げられる。
【0018】更に、薬物放出用微小ポリマーロッドの基
材中には、薬理学的に活性な剤が均質濃度で溶解してい
るか、もしくは結晶状に分散しており、薬物供給用ロッ
ド表面から拡散によって制御放出される。
【0019】時間経過とともに、減少する速度で放出さ
せるためには、薬物放出用微小ポリマーロッド中に薬理
学的に活性な剤を均質濃度に分散あるいは溶解し、ロッ
ド表面から放出させる。
【0020】時間経過に関係なくほぼ一定速度で放出さ
せるためには、均質濃度の薬理学的に活性な剤を分散あ
るいは溶解したロッドをさらに速度制御用膜でコーティ
ングしたレザバー型ロッドを用いる。
【0021】また、時間経過に関係なくほぼ一定速度で
放出させるための他の例としては、上記コーティングロ
ッドの中心部に設けた薬物供給用小孔より薬物を放出す
る。
【0022】更に、薬理学的に活性な剤は、薬物放出用
微小ポリマーロッド中に2層もしくは多層に異なる濃度
で分散してもよい。この場合、薬物の放出速度は時間に
対して種々のパターンに制御できることになり、治療効
果が改善される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0024】図1は本発明の実施例を示す眼科薬物供給
装置の正面図、図2はその眼科薬物供給装置の側面図、
図3はその眼内レンズの装着方法を示す概略図である。
【0025】これらの図に示すように、1は角膜、2は
レンズカプセル、3は人工眼内レンズ〔例えば、φが
6.5mm、市販のメニコンUV2566T(商品
名)〕、4は人工眼内レンズ3の第1の支持体(例え
ば、φ0.14mm)、5はその支持体4に装着される
薬物放出用微小ポリマーロッドであり、例えば、マトリ
ックス型放出ロッドである。
【0026】また、6は人工眼内レンズ3の第2の支持
体、7はその支持体6に装着される薬物放出用微小ポリ
マーロッドであり、例えば、レザバー型放出ロッドであ
る。また、支持体4、6は人工眼内レンズ3に対して約
5度傾けて配置されている。このように構成された眼科
薬物供給装置の長い方の径で約13.5mmである。
【0027】このように、本発明の眼科薬物供給装置
は、人工眼内レンズ3の支持体4,6に装着され、非毒
性で生体適合性を有し、薬理学的に活性な薬物放出用微
小ポリマーロッド5,7とを有し、薬剤が薬物放出用微
小ポリマーロッド5,7から治療に有効な速度で放出さ
れる。すなわち、微小放出部は、ポリマー基材と放出し
うる薬理学的に活性な剤とからなり、活性な剤は治療に
有効な量がポリマー基材中に分散あるいは溶解して存在
し、製剤表面から所定の速度で放出される。
【0028】また、薬物放出用微小ポリマーロッド5,
7は、予め人工眼内レンズ3の支持体4、6に必要個数
装着された一体型眼内レンズ、又は装着手術直前に治療
に応じて必要個数取り付ける分離型眼内レンズとして用
いることができる。
【0029】更に、薬剤としては、治療有効量で存在す
る治療剤、診断剤、抗炎症有効量で存在する抗炎症剤、
抗微生物的有効量で存在する抗微生物剤、抗菌的有効量
で存在する抗菌剤、抗ウイルス的有効量で存在する抗ウ
イルス剤、抗真菌的有効量で存在する抗真菌剤、免疫抑
制的有効量で存在する免疫抑制剤等を用いることができ
る。
【0030】また、前記薬物放出用微小ポリマーロッド
5,7の基材としては、シリコーンエラストマー、ポリ
メチルメタアクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ乳酸あるいはポリ乳酸ポリグリコール酸共重合
体を用いることができる。
【0031】更に、前記薬物放出用微小ポリマーロッド
5,7に1層もしくは2層以上のポリマーコーティング
を施すことができる。
【0032】また、前記薬物放出用微小ポリマーロッド
5,7には、前記ポリマーコーティングした薬物放出用
微小ポリマーロッドの中央部に薬物放出用孔を施するこ
とができる。
【0033】更に、前記薬物放出用微小ポリマーロッド
5,7は、その基材中に活性剤を一様に溶解して用いる
ことができる。
【0034】また、その薬物放出用微小ポリマーロッド
5,7の基材中に活性剤を一部結晶状あるいは微小液滴
状で分散して用いることができる。
【0035】以下、具体的な実施例について詳細に説明
する。
【0036】〔実施例1〕 この実施例では、抗炎症剤メタスルホ安息香酸デキサメ
タゾンナトリウム(DMSB)の分散したシリコーンエ
ラストマーマトリックスロッドの製造方法について説明
する。
【0037】まず、200mgの薬剤DMSBを架橋前
の700mgのシリコーンエラストマーMDX4−42
10と架橋剤100mgをよく攪拌したのち、減圧下で
気泡を除去し、内径1.0mmのテフロンチューブ中に
押し込み、摂氏40度で架橋した。
【0038】その後、テフロンチューブから取り出し、
1mmの長さに切り取った。こうして作製したDMSB
含有円柱ロッドの中央に27ゲージの注射針(孔径40
0μm)を差込み、その孔中へ眼内レンズの支持体を挿
入した。
【0039】〔実施例2〕 この実施例では、DMSB溶解シリコーンエラストマー
マトリックスロッドの製造方法について説明する。
【0040】まず、薬物を含まない上記円柱ロッドを、
DMSB飽和溶液に一昼夜浸し、ロッド中に薬物を均質
に溶解させたのち、上記実施例1と同様の方法で眼内レ
ンズの支持体に装着した。
【0041】〔実施例3〕 この実施例では、フルオロメトロン(FLM)分散シリ
コーンマトリックスロッドの製造方法について説明す
る。
【0042】まず、200mgの薬剤FLMを架橋前の
1000mgのシリコーンエラストマーMDX4−42
10と架橋剤100mgをよく攪拌した後、減圧下で気
泡を除去し、内径1.0mmのテフロンチューブ中に押
し込み、摂氏40度で架橋した。
【0043】その後、テフロンチューブから取り出し、
1mmの長さに切り取った。こうして作製したFLM含
有円柱ロッドの中央に27ゲージの注射針(孔径400
μm)を差込み、その孔中へ眼内レンズの支持体を挿入
した。
【0044】〔実施例4〕 この実施例では、DMSB分散シリコーンマトリックス
ロッドをシリコーンエラストマーでコーティングしたレ
ザバー型ロッド製剤の製造方法について説明する。
【0045】上記実施例1で作製したロッド製剤を薬物
を含まないシリコーンエラストマー中に浸した後、取り
出し、摂氏50度で架橋した。この操作を3回繰り返
し、レザバー型ロッド製剤を作製し、上記実施例1と同
様の方法で、眼内レンズの支持体に装着した。
【0046】〔実施例5〕 この実施例では、DMSB分散シリコーン2層膜マトリ
ックスロッド製剤の製造方法について説明する。
【0047】上記実施例1と同様の10%DMSB含有
シリコーンエラストマーを、内径1.5mmのテフロン
チューブ内に外径1.0mmのテフロンチューブを同心
円状に重ねた二重円筒部に流し込み、外径1.5mmの
中空円筒ポリマーロッドを作製した。このポリマーロッ
ドの中空部に、上記実施例1で作製した20%DMSB
含有ポリマーロッドを挿入し、2層構造のロッド製剤を
作製し、上記実施例1と同様の方法で眼内レンズの支持
体に装着した。
【0048】〔実施例6〕 この実施例では、DMSB分散シリコーンマトリックス
ロッドからのDMSB放出について説明する。
【0049】上記実施例1で作製したロッド製剤を、容
積3mlのガラス製拡散セルを用いてリン酸緩衝液(1
/150M、pH7.4、摂氏37度)への薬剤DMS
Bの放出速度を測定した。その結果、5%の薬剤の放出
に要する時間が約6時間であり、点眼剤(半減期約3
分)に比べ著しい制御放出効果があることがわかった。
【0050】〔実施例7〕 この実施例では、フルオロメトロン(FLM)分散シリ
コーンマトリックスロッドからのFLM放出について説
明する。
【0051】上記実施例3で作製したロッド製剤を用い
て、実施例6と同様の装置と方法でFLM放出速度を測
定した。その結果、約3時間の初期バースティング放出
の後、1週間以上にわたって、ロッド1個当り0.30
μg/日の一定放出が得られ、点眼に比べて著しい制御
放出効果が得られた。
【0052】〔実施例8〕 この実施例では、DMSB分散ポリ乳酸ロッド製剤の製
造方法について説明する。
【0053】まず、2mgのDMSBと2mgのポリ乳
酸粉体を十分混合した後、摂氏50度で溶解し、内径8
00μmのテフロンチューブへ流し込み、冷却固化した
のちテフロンチューブから取り出し、長さ2mmのロッ
ド製剤を作製した。分子量の異なる2種類のポリ乳酸
(PLD2000とPLD4000)を用い、その混合
比率を70/30、50/50、30/70に変化させ
た3種類のポリマーロッドを作製した。
【0054】〔実施例9〕 この実施例では、DMSB分散ポリ乳酸ロッドからのD
MSBの放出について説明する。
【0055】上記実施例8で作製した3種類の生体分解
性ポリマーロッドからのDMSBの放出特性を上記実施
例5と同じリン酸緩衝液中で測定した。その結果、DM
SBの放出量は2種類のポリ乳酸の混合比率に大きく依
存し、放出半減期が5日から30日の範囲で制御できる
ことが明らかになった。また、放出速度の持続性は、点
眼剤に比べ4000倍以上改善できることがわかった。
【0056】上記したように、本発明によれば、人工眼
内レンズ3の支持体4,6に、分解性あるいは非分解性
の薬物放出用微小ポリマーロッド5,7を装着する。微
小放出部は、ポリマー基材と放出しうる薬理学的に活性
な剤とからなり、活性な剤は治療に有効な量がポリマー
基材中に分散あるいは溶解して存在し、製剤表面から所
定の速度で放出される。
【0057】このように、人工眼内レンズ3は、治療剤
を含有させたポリマー基材からなる微小なロッドを人工
眼内レンズ3の支持体4,6に、1個もしくは2個以上
装着したもので、薬剤は一定速度あるいは時間に依存し
た最適治療速度で眼内に放出されるので、角膜透過が困
難な薬剤でも白内障、緑内障、あるいは網膜症などの眼
内疾患ばかりでなく、眼内レンズ移植時の合併症を避け
たり防止することができる。
【0058】また、薬物放出用微小ポリマーロッド5,
7は、治療用あるいは診断用の薬理学的に活性な剤およ
び生体適合性の高分子基材を含有し、その薬理学的活性
物質が、基材中にマトリックス状で分散あるいは溶解し
ている組成物である薬物保存層よりなる薬物放出用微小
円筒状ロッドで眼内レンズの支持体に1個もしくは2個
以上装着する。
【0059】したがって、従来の点眼法に比べ、薬理学
的に活性な剤を可能な限り眼内の標的組織へ的確に供給
することができ、かつ安全である。
【0060】更に、薬物供給用眼内レンズにおいて使用
される薬理学的に活性な剤は、抗炎症剤、抗微生物剤、
抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、免疫抑制剤、眼圧降
下剤などが挙げられる。
【0061】また、薬物放出用微小ポリマーロッドの基
材としては、生体適合性の非分解性あるいは分解性高分
子材が用いられる。
【0062】上記生体適合性非分解性高分子基材として
は、シリコーンエラストマー、ポリメチルメタアクリレ
ート、ポリHEMAなどが挙げられる。
【0063】更に、薬物放出用微小ポリマーロッドの基
材中には、薬理学的に活性な剤が均質濃度で溶解してい
るか、もしくは結晶状あるいは微小液滴状に分散してお
り、薬物供給表面から拡散によって制御放出される。
【0064】時間経過とともに、減少する速度で放出さ
せるためには、ポリマーロッド中に薬理学的に活性な剤
を均質濃度に分散あるいは溶解し、ロッド表面から放出
させる。
【0065】時間経過に関係なくほぼ一定速度で放出さ
せるためには、均質濃度の薬理学的に活性な剤を分散あ
るいは溶解したロッドをさらに速度制御用膜でコーティ
ングしたレザバー型ロッドを用いる。
【0066】また、時間経過に関係なくほぼ一定速度で
放出させるための他の例としては、上記コーティングロ
ッドの中心部に設けた薬物供給用小孔より薬物を放出す
る。
【0067】更に、薬理学的に活性な剤は、ポリマーロ
ッド中に2層もしくは多層に異なる濃度で分散してもよ
い。この場合、薬物の放出速度は時間に対して種々のパ
ターンに制御できることになり、治療効果が改善され
る。
【0068】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0069】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。
【0070】(1)治療剤を含有させた薬物放出用微小
ポリマーロッドを眼内レンズの支持体に装着し、その薬
剤は所定の制御された速度で放出されるので、従来の点
眼法に比べ、薬理学的に活性な剤を可能な限り、眼内の
標的組織へ的確に供給することができ、かつ安全であ
る。
【0071】(2)その薬剤は一定速度あるいは時間に
依存した最適治療速度で眼内に放出されるので、角膜透
過が困難な薬剤でも白内障、緑内障、あるいは網膜症な
どの眼内疾患ばかりでなく、眼内レンズ移植時の合併症
を避けたり防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す眼科薬物供給装置の正面
図である。
【図2】本発明の実施例を示す眼科薬物供給装置の側面
図である。
【図3】本発明の実施例を示す眼内レンズの装着方法を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 角膜 2 レンズカプセル 3 人工眼内レンズ 4 人工眼内レンズの第1の支持体 5,7 薬物放出用微小ポリマーロッド 6 人工眼内レンズの第2の支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−103457(JP,A) 特開 昭58−165869(JP,A) 特開 昭52−64419(JP,A) 特開 平7−67910(JP,A) 特開 平6−40943(JP,A) 実開 平2−90626(JP,U) 実開 昭59−93541(JP,U) 特表 昭59−501897(JP,A) 国際公開94/3129(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 31/00 A61F 9/007

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、診断有効量で存在する診断剤が前記薬物放出用
    微小ポリマーロッドから治療に有効な速度で放出される
    ことを特徴とする眼科薬物供給装置。
  2. 【請求項2】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、薬理学的に活性な剤が前記薬物放出用微小ポリ
    マーロッドから治療に有効な速度で放出されるととも
    に、前記薬物放出用微小ポリマーロッドの基材がシリコ
    ーンエラストマーであることを特徴とする眼科薬物供給
    装置。
  3. 【請求項3】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、薬理学的に活性な剤が前記薬物放出用微小ポリ
    マーロッドから治療に有効な速度で放出されるととも
    に、前記薬物放出用微小ポリマーロッドの基材がポリメ
    チルメタアクリレートであることを特徴とする眼科薬物
    供給装置。
  4. 【請求項4】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、薬理学的に活性な剤が前記薬物放出用微小ポリ
    マーロッドから治療に有効な速度で放出されるととも
    に、前記薬物放出用微小ポリマーロッドの基材がエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする眼科薬
    物供給装置。
  5. 【請求項5】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、薬理学的に活性な剤が前記薬物放出用微小ポリ
    マーロッドから治療に有効な速度で放出されるととも
    に、前記薬物放出用微小ポリマーロッドの基材がポリ乳
    酸あるいはポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体であるこ
    とを特徴とする眼科薬物供給装置。
  6. 【請求項6】 眼内レンズの支持体に装着され、非毒性
    で生体適合性を有する薬物放出用微小ポリマーロッドと
    を有し、薬理学的に活性な剤が前記薬物放出 用微小ポリ
    マーロッドから治療に有効な速度で放出されるととも
    に、前記薬物放出用微小ポリマーロッドに1層もしくは
    2層以上のポリマーコーティングしたことを特徴とする
    眼科薬物供給装置。
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