JP3289494B2 - 状態判定装置および方法,センシング方法,ならびに被検査物体の検査システム - Google Patents

状態判定装置および方法,センシング方法,ならびに被検査物体の検査システム

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JP3289494B2
JP3289494B2 JP13958094A JP13958094A JP3289494B2 JP 3289494 B2 JP3289494 B2 JP 3289494B2 JP 13958094 A JP13958094 A JP 13958094A JP 13958094 A JP13958094 A JP 13958094A JP 3289494 B2 JP3289494 B2 JP 3289494B2
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尚紀 藤本
純夫 堀池
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,センサによって計測された計
測対象から生じる物理量を表すセンサ信号に基づいて計
測対象の状態を判定する状態判定装置および方法,セン
サ・コントローラおよびセンシング方法,ならびに状態
判定装置を用いた被検査物体の検査システムに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】センサによって計測された計
測対象から生じる物理量を表すセンサ信号に基づいて信
号処理を行ない,その処理結果を外部に出力する装置と
してセンサ・コントローラがある。
【0003】従来のセンサ・コントローラは,センサか
ら出力されるセンサ信号について所定のタイミングで信
号処理を開始する。この信号処理の開始が最適なタイミ
ングでなければ,センサ・コントローラに接続された機
器は誤動作を起こすことがある。
【0004】信号処理は信号処理のための処理知識を用
いて行われ,処理知識はセンサ・コントローラ内にあら
かじめ記憶された計測対象毎の複数の処理知識の中か
ら,オペレータにより計測対象に応じて選択された処理
知識が用いられる。しかしながら,計測対象の変更,セ
ンサの劣化等の要因により適正な信号処理ができないこ
とがあり,あらかじめ記憶された処理知識では対応でき
ない場合がある。このような場合には,処理知識をセン
サ・コントローラに設定しなおさなければならず,多大
な時間と労力を要する。この処理知識の調整(設定)に
は専門的な知識を有するオペレータが行わなければなら
ない。
【0005】
【発明の開示】この発明はセンサによって計測された計
測対象から生じる物理量を表すセンサ信号に基づいて計
測対象の状態を判定する状態判定装置および方法を提供
することを目的としている。
【0006】この発明は計測対象が計測可能な状態であ
るかどうを判定することができるセンサ・コントローラ
およびセンシング方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】この発明は状態判定装置を用いて被検査物
体の検査を行う検査システムを提供することを目的とし
ている。
【0008】ここで,計測可能な状態とは,センサおよ
び計測対象が目的とする情報を計測することができる状
態である。たとえば計測可能な状態は,センサがその機
能を充分に発揮できる温度状態にある,センサが計測対
象をその検知領域内にとらえている,計測対象が過渡状
態を脱して目的とする定常状態にある,というような状
態である。また,計測対象の過渡状態におけるデータが
目的とする情報であれば,計測対象が過渡状態であるこ
とが計測可能な状態である。
【0009】まず,この発明による状態判定装置および
方法について説明する。この発明による状態判定装置は
実施例ではセンサ・コントローラとして実現されてい
る。
【0010】第1の発明による状態判定装置は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて計測対象が計測可能な状態であるかどうかを
判定する対象状態判定手段,計測可能な状態であると上
記対象状態判定手段が判定した後に,上記センサから出
力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成する特徴量
作成手段,判定モードにおいては,上記特徴量作成手段
によって作成された特徴量について,あらかじめ記憶さ
れた処理知識を用いて信号処理を行う信号処理手段,お
よび調整モードにおいては,上記特徴量作成によって作
成された特徴量を,入力される教師信号にしたがってメ
モリに記憶し,上記メモリに記憶した特徴量を用いて上
記処理知識を調整する知識調整手段を備えている。
【0011】第1の発明による状態判定方法は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて計測対象が計測可能な状態であるかどうかを
判定し,計測可能な状態であると判定した後に,上記セ
ンサから出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成
し,判定モードにおいては,作成された特徴量について
あらかじめ記憶された処理知識を用いて信号処理を行
い,調整モードにおいては,作成された特徴量を,入力
される教師信号にしたがってメモリに記憶し,上記メモ
リに記憶した特徴量を用いて上記処理知識を調整するも
のである。
【0012】第1の発明によると,センサによって計測
された計測対象の物理量を表すセンサ信号に基づいて,
対象状態判定手段によって計測対象が計測可能な状態で
あるかどうかが判定される。計測可能な状態であると対
象状態判定手段が判定した後に,センサから出力される
センサ信号に基づいて,特徴量作成手段によって特徴量
が作成される。判定モードにおいては,特徴量作成手段
によって作成された特徴量について,あらかじめ記憶さ
れた処理知識を用いて,信号処理手段によって信号処理
が行われる。調整モードにおいては,特徴量作成によっ
て作成された特徴量が,入力される教師信号にしたがっ
てメモリに記憶され,上記メモリに記憶された特徴量を
用いて処理知識が知識調整手段によって調整される。
【0013】したがって,判定モードにおいては計測対
象が計測可能な状態であると判定された後に,信号処理
が行われるので,最適なタイミングで信号処理を行え
る。これにより,計測開始のタイミングのずれによる状
態判定装置の誤動作を回避することができる。また,処
理知識が不適切である場合(調整モード)においては,
入力される教師信号にしたがってメモリに記憶された特
徴量を用いて処理知識が自動的に調整されるので,信号
処理に用いられる処理知識の調整に専門的な知識を必要
とせず,信号処理に用いられる処理知識を容易に調整が
できる。
【0014】第2の発明による状態判定装置は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて計測対象が計測可能な状態であるかどうかを
判定する対象状態判定手段,計測可能な状態であると上
記対象状態判定手段が判定した後に,上記センサから出
力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成する特徴量
作成手段,および上記特徴量作成手段によって作成され
た特徴量についてあらかじめ記憶された処理知識を用い
て信号処理を行う信号処理手段を備えている。
【0015】第2の発明による状態判定方法は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて計測対象が計測可能な状態であるかどうかを
判定し,計測可能な状態であると判定した後に,上記セ
ンサから出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成
し,作成された特徴量についてあらかじめ記憶された処
理知識を用いて信号処理を行うものである。
【0016】第2の発明によると,センサによって計測
された計測対象の物理量を表すセンサ信号に基づいて,
対象状態判定手段によって計測対象が計測可能な状態で
あるかどうかが判定される。計測可能な状態であると対
象状態判定手段が判定した後に,センサから出力される
センサ信号に基づいて,特徴量作成手段によって特徴量
が作成される。特徴量作成手段によって作成された特徴
量について,あらかじめ記憶された処理知識を用いて,
信号処理手段によって信号処理が行われる。
【0017】したがって,計測対象が計測可能な状態で
あると判定された後に,信号処理が行われるので,最適
なタイミングで信号処理を行える。これにより,計測開
始のタイミングのずれによる状態判定装置の誤動作を回
避することができる。
【0018】第3の発明による状態判定装置は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて特徴量を作成する特徴量作成手段,判定モー
ドにおいて,上記特徴量作成手段によって作成された特
徴量についてあらかじめ記憶された処理知識を用いて信
号処理を行う信号処理手段,および調整モードにおい
て,上記特徴量作成によって作成された特徴量を,入力
される教師信号にしたがってメモリに記憶し,上記メモ
リに記憶した特徴量を用いて上記処理知識を調整する知
識調整手段を備えている。
【0019】第3の発明による状態判定方法は,センサ
によって計測された計測対象の物理量を表すセンサ信号
に基づいて特徴量を作成し,判定モードにおいて,作成
された特徴量についてあらかじめ記憶された処理知識を
用いて信号処理を行い,調整モードにおいて,作成され
た特徴量を,入力される教師信号にしたがってメモリに
記憶し,上記メモリに記憶した特徴量を用いて上記処理
知識を調整するものである。
【0020】第3の発明によると,センサによって計測
された計測対象の物理量を表すセンサ信号に基づいて,
特徴量作成手段によって特徴量が作成される。判定モー
ドにおいては,特徴量作成手段によって作成された特徴
量について,あらかじめ記憶された処理知識を用いて,
信号処理手段によって信号処理が行われる。調整モード
においては,特徴量作成によって作成された特徴量が,
入力される教師信号にしたがってメモリに記憶され,上
記メモリに記憶された特徴量を用いて処理知識が知識調
整手段によって調整される。
【0021】したがって,処理知識が不適切である場合
(調整モード)においては,入力される教師信号にした
がってメモリに記憶された特徴量を用いて処理知識が自
動的に調整されるので,信号処理に用いられる処理知識
の調整に専門的な知識を必要とせず,信号処理に用いら
れる処理知識を容易に調整ができる。
【0022】第1および第2の発明の第1の実施態様に
おいては,上記計測可能な状態の判定が,計測対象が動
作を開始したかどうかの判定である。
【0023】計測対象が動作していないとき,信号処理
手段が信号処理を行うと状態判定装置は誤動作を起こす
ことがある。第1の実施態様では,計測対象の動作開始
を判定することにより状態判定装置の誤動作を防止して
いる。
【0024】第1および第2の発明の第2の実施態様に
おいては,上記計測可能な状態の判定が,上記センサが
計測対象に接触しているかどうかの判定である。
【0025】センサが計測対象に接触していないとき
に,信号処理手段が信号処理を行うと,状態判定装置は
誤動作を起こすことがある。第2の実施態様では,セン
サが計測対象に接触しているかどうかを判定することに
より状態判定装置の誤動作を防止している。
【0026】第1,第2および第3の発明の第3の実施
態様においては,上記特徴量作成手段は,上記センサ信
号を全波整流する全波整流手段,上記全整流手段の出力
信号をロウ・パス・フィルタリングするロウ・パス・フ
ィルタ,上記ロウ・パス・フィルタの出力信号が,所定
の閾値を越えた時間を計時する閾値越え時間カウンタ,
および上記ロウ・パス・フィルタの出力信号が,所定の
閾値を越えた回数を計数する閾値越え回数カウンタを備
え,上記閾値越え時間および上記閾値越え回数を上記特
徴量とする。
【0027】この実施態様によると,センサによって計
測されたセンサ信号が全波整流され,全波整流された出
力信号がロウ・パス・フィルタリングされる。ロウ・パ
ス・フィルタリングされた出力信号が,所定の閾値を越
えた時間が計時される。ロウ・パス・フィルタリングさ
れた出力信号が,所定の閾値を越える回数が計数され
る。閾値越え時間および閾値越え回数が特徴量となる。
これらの特徴量は,センサ信号によって表される計測対
象の物理量の大きさに基づいて信号処理が行われるとき
に用いられる。
【0028】第1,第2,第3の発明の第4の実施態様
においては,上記信号処理手段は,上記特徴量に基づい
てあらかじめ記憶された判断知識を用いて計測対象の動
作状態を判定するものである。
【0029】この実施態様では,計測対象の動作状態が
判定されるので,製品の検査,たとえばプリンタの検査
を行うことができる。
【0030】第1,第2,第3の発明の第5の実施態様
においては,上記信号処理手段は,上記特徴量に基づい
てあらかじめ記憶された診断知識を用いて計測対象の劣
化診断を行うものである。
【0031】この実施態様では,計測対象の劣化診断が
行われるので,稼働中の設備,たとえば送風機等の劣化
を診断することができる。
【0032】第1,第2,第3の発明の一実施態様にお
いては,計測対象の物理量を計測するセンサをさらに備
えられる。
【0033】次に,この発明によるセンサ・コントロー
ラについて説明する。
【0034】第4の発明によるセンサ・コントローラ
は,センサによって計測された計測対象の物理量を表す
センサ信号に基づいて計測対象が計測可能な状態である
かどうかを判定し,計測対象が計測可能な状態であると
判定すると上記センサ信号を出力する。
【0035】第4の発明によると,センサによって計測
された計測対象の物理量を表すセンサ信号に基づいて計
測対象が計測可能な状態であるかどうかが判定される。
計測対象が計測可能な状態であると判定されるとセンサ
信号が出力される。
【0036】したがって,計測対象が計測可能な状態に
なるとセンサ信号が出力されるので,センサ・コントロ
ーラに接続された装置たとえば,センサ信号について信
号処理を行う信号処理装置は有効なセンサ信号を用いて
信号処理を行うことができる。
【0037】第5の発明によるセンサ・コントローラ
は,センサによって計測された計測対象の物理量を表す
センサ信号を常に出力しており,上記センサ信号に基づ
いて計測対象が計測可能な状態であるかどうかを判定
し,上記計測対象が計測可能な状態であると判定すると
イネーブル信号を出力する。
【0038】第5の発明によると,センサによって計測
された計測対象の物理量を表すセンサ信号が常に出力さ
れている。センサ信号に基づいて計測対象が計測可能な
状態であるかどうかを判定される。計測対象が計測可能
な状態であると判定されるとイネーブル信号が出力され
る。
【0039】したがって,計測対象が計測可能な状態に
なるとイネーブル信号が出力されるので,センサ・コン
トローラに接続される装置たとえば,センサ信号につい
て信号処理を行う信号処理装置はイネーブル信号が入力
された後に信号処理を行うことにより,有効なセンサ信
号を用いて信号処理を行うことができる。
【0040】第4および第5の発明の一実施態様におい
ては,上記計測可能な状態の判定が,計測対象が動作を
開始したかどうかの判定である。
【0041】計測対象が動作していないとき,センサ・
コントローラに接続された信号処理装置が信号処理を行
うと誤動作を起こすことがある。この実施態様では,計
測対象の動作開始を判定することにより信号処理装置の
誤動作を防止している。
【0042】第4および第5の発明の他の実施態様にお
いては,上記計測可能な状態の判定が,上記センサが計
測対象に接触しているかどうかの判定である。
【0043】センサが計測対象に接触していないとき,
センサ・コントローラに接続された信号処理装置が信号
処理を行うと誤動作を起こすことがある。この実施態様
では,センサが計測対象に接触しているかどうかを判定
することにより信号処理装置の誤動作を防止している。
【0044】最後に,この発明による被検査物体の検査
システムについて説明する。
【0045】第6の発明による被検査物体の検査システ
ムは,被検査物体の振動を表すセンサ信号を出力する振
動センサ,所与の装着信号が入力されると上記振動セン
サを被検査物体に装着させ,所与の離脱信号が入力され
ると上記振動センサを被検査物体から離脱させるセンサ
着脱手段,所与の動作開始信号が入力されると被検査物
体の動作を制御する対象コントローラ,上記振動センサ
から出力されるセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
を開始したかどうかを判定し,被検査物体が動作を開始
したと判定すると上記センサ信号に基づいてあらかじめ
記憶された判断知識を用いて被検査物体の動作状態を判
定し,判定結果を出力する状態判定手段,および上記セ
ンサ着脱手段に装着信号を出力するとともに上記対象コ
ントローラに動作開始信号を出力し,所定の動作時間経
過後に上記センサ着脱手段に離脱信号を出力し,一定時
間経過後に上記状態判定手段から判定結果が出力されな
いと上記センサ着脱手段に装着信号を出力するとともに
上記対象コントローラに動作開始信号を出力するホスト
・コントローラを備えている。
【0046】第6の発明の一実施態様においては,被検
査物体はプリンタである。
【0047】第6の発明によると,まず,装着信号がホ
スト・コントローラからセンサ着脱手段に出力され,振
動センサがセンサ着脱手段により被検査物体に装着され
る。動作開始信号がホスト・コントローラから対象コン
トローラに出力され,対象コントローラにより被検査物
体が作動される。一定時間経過後に離脱信号がホスト・
コントローラからセンサ着脱手段に出力され,センサ着
脱手段により振動センサが被検査物体から離脱される。
【0048】状態判定装置において,振動センサによっ
て計測された被検査物体の振動を表すセンサ信号に基づ
いて被検査物体が動作を開始したかどうかが判定され,
被検査物体が動作を開始したと判定すると,センサ信号
に基づいてあらかじめ記憶された判断知識を用いて被検
査物体の動作確認が行われる。センサ・コントローラか
ら判定結果が出力されないときには再びホスト・コント
ローラからセンサ着脱手段に装着信号が出力され,対象
コントローラに動作開始信号が出力されることになる。
【0049】したがって,状態判定装置は,被検査物体
が動作を開始した後に被検査物体の動作状態の判定を行
うので誤判定することがなくなる。また,被検査物体は
動作していたとしても振動センサが被検査物体に確実に
接触していないとき,状態判定装置は被検査物体が動作
を開始したと判定しないので誤判断がなくなる。このよ
うなときには,再び被検査物体の動作確認が行われるこ
とになる。
【0050】第7の発明による被検査物体の検査システ
ムは,被検査物体の振動を表すセンサ信号を出力する振
動センサ,所与の動作開始信号が入力されると被検査物
体を動作させ,所与の動作終了信号が入力されると被検
査物体を停止させる対象コントローラ,上記振動センサ
から出力されるセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
を開始したかどうかを判定し,被検査物体が動作を開始
したと判定すると上記センサ信号に基づいて被検査物体
の劣化診断を行い,判定結果を出力する状態判定手段,
および上記対象コントローラに動作開始信号を出力し,
上記状態判定装置から被検査物体に異常が生じている旨
の判定結果が出力されると上記対象コントローラに動作
終了信号を出力するホスト・コントローラを備えてい
る。
【0051】第7の発明の一実施態様においては,被検
査物体は送風機である。
【0052】第7の発明によると,動作開始信号がホス
ト・コントローラから対象コントローラに出力され,対
象コントローラにより被検査物体が稼働される。状態判
定装置において,振動センサによって計測された被検査
物体の振動を表すセンサ信号に基づいて被検査物体が動
作を開始したかどうかが判定され,被検査物体が稼働を
開始したと判定すると,センサ信号に基づいて被検査物
体の劣化診断が行われる。状態判定装置から被検査物体
に異常が生じている旨の判定結果がホスト・コントロー
ラに出力されると,動作終了信号がホスト・コントロー
ラから対象コントローラに出力され,対象コントローラ
により被検査物体が停止される。
【0053】したがって,状態判定装置は被検査物体が
稼働を開始した後に被検査物体の劣化診断を行うので誤
判定することがなくなり,検査システムが誤動作するこ
とがなくなる。これにより,被検査物体に異常が生じる
ことにより起こる危険等を回避することができる。ま
た,被検査物体は稼働していたとしても,振動センサが
被検査物体に確実に接触していないとき,状態判定装置
は,被検査物体が動作を開始したと判定しないので誤診
断がなくなり,検査システムの誤動作を防止することが
できる。
【0054】
【実施例】
第1実施例 図1は,製品の検査を行う検査システムの全体的構成を
示すブロック図である。
【0055】この検査システムは,プリンタを検査する
ものであり,プリンタの紙送り機構等の駆動機構に異常
があるかどうかが検査される。プリンタの駆動機構に異
常,たとえば駆動機構のギアの噛み合わせが悪いと,正
常なときよりも大きい振動が発生するので,この振動を
振動センサを用いて計測することによりプリンタの製品
検査が行われる。
【0056】検査システムは,振動センサ10,ホスト・
コントローラ11,プリンタ・コントローラ12,シリンダ
・コントローラ13,シリンダ・アーム14,シリンダ15,
ロッド16およびセンサ・コントローラ20を備えている。
【0057】ホスト・コントローラ11,プリンタ・コン
トローラ12およびシリンダ・コントローラ13はそれぞ
れ,別個のコンピュータ・システムにより実現すること
もできるし,1台のコンピュータ・システムに実現する
こともできる。これらの一部をハードウェアにより実現
することもできるし,その他の一部をソフトウェアによ
り実現することもできる。
【0058】シリンダ15がシリンダ・アーム14に垂直に
支持され,シリンダ15からロッド16が垂直下向に伸縮自
在である。ロッド16の先端には,被検査物体であるプリ
ンタの振動を計測する振動センサ10が取付けられてい
る。振動センサ10はたとえば,ピエゾ素子である。振動
センサ10から出力される振動を表すセンサ信号は,シリ
ンダ・アーム14,シリンダ15およびロッド16の内部を通
るケーブルを介して,センサ・コントローラ20に入力さ
れる。
【0059】振動センサ10はロボット(マニピュレー
タ)等により,被検査物体であるプリンタ1に装着させ
るようにしてもよい。
【0060】プリンタの製品検査の手順を以下に説明す
る。
【0061】まず,ホスト・コントローラ11は,振動セ
ンサ10をプリンタ1に装着させるために装着信号をシリ
ンダ・コントローラ13に出力する。シリンダ・コントロ
ーラ13は,装着信号がホスト・コントローラ11から出力
されると,シリンダ15を動作させて振動センサ10がプリ
ンタ1に接触するまでロッド16を延ばす。振動センサ10
は一定の圧力でプリンタ1に接触させるのが好ましい。
【0062】次に,ホスト・コントローラ11は,プリン
タ1を動作させるために動作開始信号をプリンタ・コン
トローラ12に出力する。プリンタ・コントローラ12は,
ホスト・コントローラ11から動作開始信号が出力される
と,プリンタの駆動機構に対してあらかじめ決められた
動作を行わせる。プリンタ1の検査はあらかじめ決めら
れた検査箇所(駆動機構)について検査が行われるた
め,プリンタ1の動作には一定の動作時間Td を要す
る。
【0063】センサ・コントローラ20は,後述するよう
に,振動センサ10から出力されるセンサ信号に基づいて
プリンタ1が動作を開始したかどうかを判定し,プリン
タ1が動作を開始したと判定するとプリンタ1が正常に
動作しているか(良品)または異常な動作をしているか
(不良品)の動作状態を判定する。判定結果は,センサ
・コントローラ20からホスト・コントローラ11に出力さ
れる。
【0064】また,振動センサ10がプリンタ1に確実に
接触してないときは,プリンタ1が動作を開始したと判
定することがないので,プリンタ1の動作状態の判定が
行われない。このため,判定結果はセンサ・コントロー
ラ20からホスト・コントローラ11に出力されない。
【0065】ホスト・コントローラ11は,プリンタ・コ
ントローラ12に動作開始信号を出力した後上述の動作時
間Td が経過すると,振動センサ10をプリンタ1から離
脱させるための離脱信号をシリンダ・コントローラ13に
出力する。シリンダ・コントローラ13は,ホスト・コン
トローラ11から離脱信号が出力されると,シリンダ15を
動作させてロッド16を縮め振動センサ20をプリンタ1か
ら離脱させる。また,プリンタ・コントローラ12が動作
を終了すると動作終了信号をホスト・コントローラ11に
出力し,ホスト・コントローラ11がこの動作終了信号が
出力されるとセンサ・コントローラ20から出力される判
定結果を取込むようにしてもよい。
【0066】ホスト・コントローラ11は,シリンダ・コ
ントローラ13に離脱信号を出力すると,センサ・コント
ローラ20から出力される判定結果を取込む。センサ・コ
ントローラ20から出力される判定結果は,必要があれば
さらに上位コントローラに出力される。
【0067】ホスト・コントローラ11が離脱信号をシリ
ンダ・コントローラ13に出力した後一定時間経過して
も,判定結果がセンサ・コントローラ20から出力される
なければ,センサ・コントローラ20によってプリンタ1
の動作状態の判定が行われていないことになる。この場
合には,ホスト・コントローラ11は,再び,離脱開始信
号をシリンダ・コントローラ13に出力し,さらに動作開
始信号をプリンタ・コントローラ12に出力してプリンタ
1を再び動作させることなる。
【0068】このようにして,プリンタ1の製品検査が
行われることになる。
【0069】この検査システムは,プリンタ以外にその
他の製品について適用できる。検査する製品には,モー
タ,モータを用いた製品たとえばコピー機,ファクシミ
リ装置,ドライア,ベルト・コンベア等がある。また,
ポンプ,コンプレッサ,エンジン,これらを用いた製品
等についても適用できる。こられらの製品に限らず,そ
の他の製品にも適用できる。
【0070】また,計測する物理量は,上述の振動に加
えてまたは代えて,音,圧力,温度,力,電圧,電流等
を用いてもよい。この場合には,それぞれの物理量を計
測するためのセンサが必要となるのはいうまでもない。
【0071】図2は,第1実施例におけるセンサ・コン
トローラ20の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【0072】センサ・コントローラ20は,プレセンシン
グ部21,判定センシング部22および調整センシング部23
からなる。プレセンシング部21と,判定センシング部22
および調整センシング部23とはそれぞれ,プログラムさ
れたコンピュータ・システム(いわゆるマイコン)によ
って実現される。また,これらのすべてを1つのコンピ
ュータ・システムによって実現してもよいし,各部をそ
れぞれ別個のコンピュータ・システムによって実現して
もよい。
【0073】プレセンシング部21は,被検査物体が動作
を開始したかどうかを判定するものである。
【0074】プレセンシング部21は対象状態判定装置30
およびスイッチ37を備えている。
【0075】対象状態判定装置30は,振動センサ10から
出力されるセンサ信号に基づいて被検査物体が動作を開
始したかどうかを判定し,被検査物体が動作を開始する
とスイッチ37をオンにし,かつ,イネーブル信号を特徴
量作成処理40に出力する。スイッチ37はたとえば,アナ
ログ・スイッチである。
【0076】図3は,振動センサ10によって計測された
プリンタの振動を表す振動波形の一例である。プリンタ
1が動作開始前は振動が小さく,プリンタ1が動作を開
始すると大きな振動が発生し,その後動作開始前より大
きい振動が発生している。
【0077】プリンタの動作開始時点における振動と,
動作開始時点の前後における振動の振幅に基づいて動作
開始が判定される。
【0078】振動の交流成分振幅vi が所定の閾値Th1
を越える前(動作開始前)における振動の交流成分振幅
vi の平均値を振幅Bとし,交流成分振幅vi が閾値T
h2を越えた後一定時間T0 経過した後(動作開始後)に
おけるN個のの交流成分振幅vi の平均値を振幅Aとす
る。交流成分振幅vi が閾値Th2を越えた直後に振幅A
を算出すると,被検査物体の動作開始時における大きな
振動により誤判定を起こすことがあり,これを避けるた
めに交流成分振幅vi が閾値Th2を越えた後一定時間T
0 経過した後に振幅Aを算出する。動作開始判定条件は
次式で表される。
【0079】 A>Th2 AND A>>B …(1)
【0080】この動作開始判定条件を満たすと被検査物
体が動作を開始したものと判定され,スイッチ37がオン
にされるとともにイネーブル信号が出力される。
【0081】振動センサ10が被検査物体に接触していな
いとき,振動センサ10は被検査物体の振動を検出するこ
とができないので,振動の交流成分振幅vi がvi 〜0
となり,式(1) の動作開始判定条件を満たすことはな
い。したがって,この動作開始判定条件により振動セン
サ10が被検査物体に接触しているかどうか(振動センサ
10が被検査物体の振動を検出しているかどうか)という
判定も同時に行っていることになる。動作開始判定条件
には,式(1) に示すもの以外の条件を用いることもでき
る。
【0082】判定センシング部22は,センサ信号に基づ
いて被検査物体が「良品」であるか,または「不良品」
であるかの動作状態の判定を行うものである。
【0083】判定センシング部22は,A/D変換器45,
特徴量作成処理40,モード切替ボタン46,モード切替ス
イッチ47,ファジィ推論処理48および判断知識記憶メモ
リ49を備えている。
【0084】センサ・コントローラ20には,判定モード
と調整モードとがあり,オペレータがモード切替スイッ
チ46を操作してスイッチ47を切替えることにより,モー
ドが切替えられる。
【0085】対象状態判定装置30が被検査物体が動作を
開始したと判定すると,スイッチ37がオンになり,イネ
ーブル信号が特徴量作成処理40に出力される。振動セン
サ10から出力されるセンサ信号がスイッチ37を介してA
/D変換器45に与えれ,一定のサンプリング間隔でA/
D変換される。A/D変換された振動データは,A/D
変換器45から特徴量作成処理40に与えられる。
【0086】特徴量作成処理40は,対象状態判定装置30
からイネーブル信号が出力されまで処理を行わない。特
徴量作成処理40は,対象状態判定装置30からイネーブル
信号が与えられると,A/D変換器45から与えられた振
動データから特徴量を作成する。作成される特徴量に
は,以下に説明する閾値越え時間Tおよび閾値越え回数
Cがある。特徴量は,その他(たとえばRMS(Root M
ean square)等)を作成してもよい。
【0087】図4は,特徴量作成処理40の詳細な構成を
示す機能ブロックである。
【0088】特徴量作成処理40は,全波整流処理41,ロ
ウ・パス・フィルタ42,閾値越え時間カウンタ43および
閾値越え回数カウンタ44を備えている。
【0089】A/D変換器45から与えられる振動データ
が全波整流処理41により全波整流され,さらにロウ・パ
ス・フィルタ42によりロウ・パス・フィルタリングさ
れ,その後,閾値越え時間カウンタ43および閾値越え回
数カウンタ44に与えられる。
【0090】図5(A) は,プリンタが良品(駆動機構に
異常がない場合)の振動波形を示し,図5(B) は図5
(A) の波形について全波整流した後ロウ・パス・フィル
タリングした波形を示す。
【0091】図6(A) は,プリンタが不良品(駆動機構
に異常がある場合)の振動波形を示し,図6(B) は図6
(A) に示す波形について全波整流した後ロウ・パス・フ
ィルタリングした波形を示す。図6(A) に示す波形は常
に異常な振動が発生している。この異常の原因はたとえ
ば,駆動機構のギアの噛み合わせが悪いような場合であ
る。
【0092】図6(C) は,プリンタが不良品(駆動機能
に異常がある場合)の振動波形を示し,図6(D) は図6
(C) 示す波形について全波整流した後ロウ・パス・フィ
ルタリングした波形を示す。図6(C) に示す波形は,一
定周期で異常な振動が発生している。この異常の原因は
たとえば,駆動機構のギアの歯の一部が欠けているよう
な場合である。
【0093】閾値越え時間カウンタ43は,イネーブル信
号が対象状態判定装置30から与えられると,ロウ・パス
・フィルタ42からの振動データに基づいて,所定の閾値
Th3を越えている時間の計時を開始し,イネーブル信号
が与えられてから動作時間Td が経過するまで計時す
る。この計時時間が閾値越え時間Tである。動作時間T
d が経過すると閾値越え時間Tが閾値越え時間カウンタ
43から出力される。
【0094】閾値越え回数カウンタ43は,イネーブル信
号が対象状態判定装置30から与えられると,ロウ・パス
・フィルタ42からの振動データに基づいて,所定の閾値
Th3を越えた回数の計数を開始し,イネーブル信号が与
えられてから動作時間Td が経過するまで計数する。こ
の計数値が閾値越え回数Cである。動作時間Td が経過
すると閾値越え回数Cが閾値越え回数カウンタ44から出
力される。
【0095】図5(B) ,図6(B) および図6(D) から分
かるように,プリンタが良品の場合には振動データが閾
値Th3を越えることが少なく,プリンタ1が不良品の場
合には振動データが閾値Th3を越えることが多くなる。
したがって,プリンタ1に異常が多いほど,閾値越え時
間Tおよび閾値越え回数Cはともに大きくなる。
【0096】切替スイッチ46により,スイッチ47が判定
モードに切替えられていたときには,閾値越え時間Tお
よび閾値越え回数Cは特徴量として,スイッチ47を介し
てファジィ推論処理48に出力される。
【0097】一方,モード切替スイッチ46により,スイ
ッチ47が調整モードに切替えられていたときには,閾値
越え時間Tおよび閾値越え回数Cは特徴量として,スイ
ッチ47を介して調整センシング部23に与えられる。
【0098】判断知識記憶メモリ49は,判断知識を記憶
しており,たとえば,図7に示す判断知識が記憶されて
いる。
【0099】図7(A) は,判断知識の判断ルールの一例
である。
【0100】図7(B) は,判断ルールの前件部変数「閾
値越え時間T」に関して,言語情報「SMALL」およ
び「LARGE」の2つのメンバーシップ関数である。
【0101】図7(C) は,判断ルールの前件部変数「閾
値越え回数C」に関して,言語情報「SMALL」およ
び「LARGE」の2つのメンバーシップ関数である。
【0102】図7(D) は,判断ルールの後件部変数「判
定結果」に関して,言語情報「良品」および「不良品」
の2つのシングルトンである。
【0103】ファジィ推論処理48は,判断知識記憶メモ
リ49に記憶された判断知識を用いて,特徴量作成処理40
からスイッチ47を介して与えられる特徴量(閾値越え時
間Tおよび閾値越え回数C)に基づいて,被検査物体が
「良品」であるかまたは「不良品」であるかをファジィ
推論により判定する。判定結果は,ファジィ推論処理48
からホスト・コントローラ11に出力される。
【0104】被検査物体が「良品」であるかまたは「不
良品」であるか判定は,外部の判定装置により行うよう
にしてもよい。この場合には,特徴量作成処理40により
作成された特徴量を上記の判定装置に出力する。また,
被検査物体が「良品」であるかまたは「不良品」である
か判定をセンサ・コントローラ20内で行うか,または上
記判定装置により行うかを,切り替えるようにしてもよ
い。
【0105】調整センシング部23は,判断知識記憶メモ
リ49に記憶された判断知識の前件部変数のメンバーシッ
プ関数を調整するものである。
【0106】調整センシング部23は,ティーチング・ボ
タン51,データ切替スイッチ52,良品特徴量記憶メモリ
53不良品特徴量記憶メモリ54およびメンバーシップ関数
作成処理55を備えている。
【0107】判断知識の前件部変数のメンバーシップ関
数を調整するために,被検査物体が良品の特徴量と,被
検査物体が不良品の特徴量とを収集し,収集した特徴量
を用いてメンバーシップ関数作成処理55がメンバーシッ
プ関数を作成する。
【0108】モード切替スイッチ46によりモードが調整
モードに切替えられているときは,オペレータは,現在
計測されている被検査物体(プリンタ)が「良品」であ
るかまたは「不良品」であるかを,ティーチング・ボタ
ン51を操作してティーチングする。オペレータがティー
チング・ボタン51を操作することにより,スイッチ51が
「良品」または「不良品」のいずれかに一方に切替えら
れる。
【0109】特徴量作成処理40によって作成された特徴
量(閾値越え時間Tおよび閾値越え回数C)は,ティー
チング・ボタン51により「良品」が選択されると良品特
徴量記憶メモリ53に記憶され,ティーチング・ボタン51
により「不良品」が選択されると不良品特徴量記憶メモ
リ54に記憶される。
【0110】図8(A) は,良品特徴量記憶メモリ53に記
憶された特徴量の一例を示し,図8(B) は,不良品特徴
量記憶メモリ54に記憶された特徴量の一例を示す。複数
の被検査物体について計測された閾値越え時間Tと閾値
越え回数Cとが対に記憶される。
【0111】判断知識を修正するための必要な特徴量が
収集され,モード切替スイッチ46が調整モードから判定
モードに切替えられると,良品特徴量記憶メモリ53およ
び不良品特徴量記憶メモリ54に記憶された特徴量を用い
て,メンバーシップ関数作成処理55によってメンバーシ
ップ関数が作成される。
【0112】メンバーシップ関数作成処理55は,良品特
徴量記憶メモリ53および不良品特徴量記憶メモリ54にそ
れぞれ記憶された閾値越え時間Tおよび閾値越え回数C
のデータをすべて読出し,それぞれについて平均値と標
準偏差を算出する。
【0113】図7(A) に示す判断ルールから分かるよう
に,判定結果が「良品」となるのは,前件部変数の言語
情報が共に「SMALL」のときであるから,良品特徴
量記憶メモリ53に記憶された閾値越え時間Tの平均値α
1 および標準偏差σ1 を用いて前件部変数「閾値越え時
間T」の言語情報「SMALL」を表すメンバーシップ
関数が作成され,良品特徴量記憶メモリ53に記憶された
閾値越え回数Cの平均値β1 および標準偏差τ1 を用い
て前件部変数「閾値越え回数C」の言語情報「SMAL
L」を表すメンバーシップ関数が作成さる。
【0114】また,判断ルールで判定結果が「不良品」
となるのは,前件部変数の言語情報のいずれか一方が
「LARGE」のときであるから,不良品特徴量記憶メ
モリ54に記憶された閾値越え時間Tの平均値α2 および
標準偏差σ2 を用いて前件部変数「閾値越え時間T」の
言語情報「LARGE」を表すメンバーシップ関数が作
成され,不良品特徴量記憶メモリ54に記憶された閾値越
え回数Cの平均値β2 および標準偏差τ2 を用いて前件
部変数「閾値越え回数C」の言語情報「LARGE」を
表すメンバーシップ関数が作成される。
【0115】図9はメンバーシップ関数作成処理55によ
って作成された前件部変数のメンバーシップ関数の一例
を示す。図9(A) は前件部変数「閾値越え時間T」に関
するメンバーシップ関数を示し,図9(B) は前件部変数
「閾値越え回数C」に関するメンバーシップ関数を示
す。
【0116】図9(A) に示す前件部変数「閾値越え時間
T」に関する言語情報「SMALL」を表すメンバーシ
ップ関数は,T<(α1 +σ1 )でグレードが「1」で
あり,T=(α1 +σ1 )〜(α1 +3σ1 )の間でグ
レードが「1」から「0」になり,(α2 +σ2 )<T
でグレードが「0」である。また,前件部変数「閾値越
え時間T」に関する言語情報「LARGE」を表すメン
バーシップ関数は,T<(α2 −3σ2 )でグレードが
「0」であり,T=(α2 −3σ2 )〜(α2−σ2 )
の間でグレードが「0」から「1」になり,(α2 −σ
2 )<Tでグレードが「1」である。前件部変数「閾値
越え回数C」についても同様である。
【0117】図9(A) に示すように前件部変数「閾値越
え時間T」のメンバーシップ関数を作成すると,(α1
+σ1 )>(α2 −σ2 )となることがあり,前件部変
数「閾値越え時間T」に関する言語情報「SMALL」
および「LARGE」をそれぞれ表すメンバーシップ関
数のグレードが「1」となる領域が重なることがある。
このようなメンバーシップ関数を用いてファジィ推論処
理48が推論を行うと,T=(α2 +σ2 )〜(α1 −σ
1 )の領域では適合度が「1」となり判定結果が得られ
ない。前件部変数「閾値越え回数C」についても同様で
ある。
【0118】このため,メンバーシップ関数作成処理55
は,(α1 +σ1 )>(α2 −σ2) OR (β1 +τ1
)>(β2 −τ2 )の場合には,メンバーシップ関数
を作成し直さなければならない。この場合には,メンバ
ーシップ関数作成処理55は,作成したメンバーシップ関
数が不適正である旨をオペレータに提示する。その後,
メンバーシップ関数を作成するために必要な特徴量が収
集され,メンバーシップ関数が作成されることになる。
【0119】また,図9(A) に示すように前件部変数
「閾値越え時間T」のメンバーシップ関数を作成する
と,(α1 +3σ1 )<(α2 −3σ2 )となることも
あり,前件部変数「閾値越え時間T」に関する言語情報
「SMALL」および「LARGE」をそれぞれ表すメ
ンバーシップ関数の間にグレードが「0」となる領域が
存在する。このとき,ファジィ推論処理48が推論を行う
と,T=(α1 +3σ1 )〜(α2 −3σ2 )の領域で
判定結果が得られない。この場合には,ファジィ推論処
理48は判定不能である旨の判定結果をホスト・コントロ
ーラ11に出力することになる。このような判定不能のと
きにはメンバーシップ関数が不適正であるから,再び特
徴量を収集し,メンバーシップ関数を作成してもよい。
【0120】メンバーシップ関数作成処理55によって作
成されたメンバーシップ関数が適正である場合には,作
成されたメンバーシップ関数がメンバーシップ関数作成
処理55から判断知識記憶メモリ49に転送され,判断知識
記憶メモリ49にあらかじめ記憶されているメンバーシッ
プ関数が,メンバーシップ関数作成処理55から転送され
たメンバーシップ関数に書換えれる。
【0121】メンバーシップ関数の調整は,メンバーシ
ップ関数を調整する外部の調整装置により行い,この調
整装置によって調整されたメンバーシップ関数をセンサ
・コントローラ20に転送するようにしもよい。
【0122】図10は,第1実施例におけるセンサ・コン
トローラの判定モードにおける処理手順を示すフロー・
チャートである。
【0123】対象状態判定装置30により被検査物体が動
作を開始したかどうかが判断される(ステップ71)。対
象状態判定装置30により被検査物体が動作を開始された
と判定されると(ステップ71でYES ),ステップ37がオ
ンにされ,イネーブル信号が出力される。センサ信号が
A/D変換器45によりA/D変換された振動データから
特徴量作成処理40により特徴量が作成される(ステップ
72)。
【0124】作成された特徴量に基づいて判断知識記憶
メモリ49に記憶された判断知識を用いてファジィ推論処
理48により被検査物体の状態が判定される(ステップ7
3)。判定結果がファジィ推論処理48から出力される
(ステップ74)。
【0125】図11,12は,第1実施例におけるセンサ・
コントローラの調整モードにおける処理手順を示すフロ
ー・チャートである。
【0126】対象状態判定装置30により被検査物体が動
作を開始したかどうかが判断される(ステップ81)。対
象状態判定装置30により被検査物体が動作を開始したと
判定されると(ステップ81でYES )ステップ37がオンに
され,イネーブル信号が与えられる。センサ信号がA/
D変換器45によりA/D変換された振動データから特徴
量作成処理40により特徴量が作成される(ステップ8
2)。
【0127】オペレータがティーチング・ボタン51を操
作することによりティーチングが行われ(ステップ8
3),被検査物体が「良品」であるかどうか判断される
(ステップ84)。「良品」である場合には(ステップ84
でYES ),ステップ82で作成された特徴量が良品特徴量
記憶メモリ53に記憶される(ステップ85)。「不良品」
である場合には(ステップ84でNO),ステップ82で作成
された特徴量が不良品特徴量記憶メモリ54に記憶される
(ステップ86)。
【0128】モード切替スイッチ46が調整モードであれ
ば(ステップ87でYES ),再びステップ81に戻り,ステ
ップ81〜86の処理が繰り返し行われ,メンバーシップ関
数を作成するための特徴量が収集される。
【0129】調整モードが終了すると(ステップ87でN
O),メンバーシップ関数作成処理55により判断ルール
の前件部変数のメンバーシップ関数が作成される(ステ
ップ88)。
【0130】メンバーシップ関数作成処理55は,作成し
たメンバーシップ関数が適正であるどうかを判断する
(ステップ89)。作成されたメンバーシップ関数が不適
正である場合には(ステップ89でNO),再びステップ81
に戻りステップ81〜88の処理が繰り返し行われ,メンバ
ーシップ関数を作成するための特徴量が収集された後,
メンバーシップ関数が作成される。
【0131】作成されたメンバーシップ関数が適正であ
ると判定されると(ステップ89でYES ),判断知識記憶
メモリ49に既に記憶された判断ルールの前件部変数のメ
ンバーシップ関数が,メンバーシップ関数作成処理55に
より作成された判断ルールの前件部変数のメンバーシッ
プ関数に変更される(ステップ90)。
【0132】図13は,対象状態判定装置30のハードウェ
ア構成を示すブロック図である。
【0133】対象判定装置30は,CPU31,RAM32,
ROM33,A/D変換器34,スイッチ・インタフェース
35およびイネーブル信号インターフェース36を備えてい
る。RAM32,ROM33,A/D変換器34,スイッチ・
インタフェース35およびイネーブル信号インターフェー
ス36は,アドレス・バスおよびデータ・バスを介してC
PU31に接続されている。図13においては,電源,クロ
ック,コントロール・バス等は省略されている。ROM
33には,後述する図14,15に示す処理手順を実現するプ
ログラムが記憶されている。
【0134】図14,15は対象状態判定装置30における処
理手順を示すフロー・チャートである。
【0135】電源が投入されると,CPU31は,スイッ
チ37をオフし(スイッチ100 ),サンプル・カウンタi
を初期化する(ステップ101 )。
【0136】CPU31は,振動センサ10から出力される
センサ信号がA/D変換器34によりサンプリングされた
振動データから交流成分振幅vi を抽出し,抽出した交
流成分振幅vi をRAM32に一次的に記憶させる(ステ
ップ102 )。
【0137】CPU31は,サンプル・カウンタiをイン
クリメントし(ステップ103 ),抽出した振幅vi が所
定の閾値Th1より大きいかどうかを判断する(ステップ
104)。CPU31は,交流成分振幅vi が閾値Th1より
小さいと判定すると(ステップ104 でNO),ステップ10
2 に戻り,再び交流成分振幅vi を抽出する。
【0138】CPU31は,交流成分振幅vi が閾値Th1
より大きいと判定すると(ステップ104 でYES ),RA
M32に一次的に記憶したすべての交流成分振幅vi を読
出し,次式により振幅Bを算出したのち,RAM32に記
憶する(ステップ105 )。
【0139】 B=(Σvi )/N …(2) ここで,Σは交流成分振幅vi についてi=0〜(N−
1)のN個の総和である。
【0140】CPU31は,振幅Bを算出した後一定時間
T0 経過したかどうかを判断する(ステップ106 )。C
PU31は,一定時間T0 経過すると(ステップ106 でYE
S ),サンプル・カウンタiを初期化する(ステップ10
7 )。
【0141】CPU31は,振動センサ10から出力される
センサ信号がA/D変換器34によってサンプリングされ
た振動データから交流成分振幅vi を抽出し,抽出した
交流成分振幅vi をRAM32に一次的に記憶させる(ス
テップ108 )。
【0142】CPU31は,サンプル・カウンタiをイン
クリメントし(ステップ109 ),交流成分振幅vi をN
個(たとえばN=100 )抽出したかどうかを判断する
(ステップ110 )。CPU31は,N個の交流成分振幅v
i を抽出するまで,ステップ108 ,109 の処理を繰り返
し行う。
【0143】CPU31は,N個の交流成分振幅vi を抽
出すると(ステップ110 でNO),RAM32に記憶したす
べての交流成分振幅vi を読出し,次式により振幅Aを
算出する(ステップ111 )。
【0144】 A=(Σvi )/i …(3) ここで,Σは振幅vi についてi=0〜(N−1)のN
個の総和である。
【0145】CPU31は,ステップ105 で算出した振幅
BをRAM32から読出し,ステップ111 で算出した振幅
Aとを用いて,式(1) の動作開始判定条件を満たすかど
うかを判断する(ステップ112 )。この動作開始判定条
件を満たさなければ(ステップ112 でNO),CPU31は
ステップ107 〜111 の処理を繰り返し行う。
【0146】動作開始条件を満たされると(ステップ11
2 でYES ),CPU31は,スイッチ・インタフェース35
を介してスイッチ37をオンにし(ステップ113 ),イネ
ーブル信号インタフェース36を介してイネーブル信号を
出力する(ステップ114 )。その後,CPU31は処理を
終了する。
【0147】振動センサ10からのセンサ信号をステップ
37によりスイッチングしているが,振動センサ10からの
センサ信号は出力したままでもよい。この場合には,図
10に示すスイッチ・インタフェース35は不要となり,か
つ,図11に示すステップ100および図12に示すステップ1
12 の処理も行われない。
【0148】図16は,振動センサとセンサ・コントロー
ラとの外観図である。振動センサ10は,両面テープ,マ
グネット,ビス止め等により被検査物体に取付られる。
センサ・コントローラ20には判定モード(RUN)また
は調整モード(LEARN)のモードを切替えるモード
切替スイッチ46,被検査物体が良品(OK)であるかま
たは不良品(NG)であるかをティーチングするティー
チング・ボタン51が取り付けられている。ティーチング
・ボタン51は,良品を表すOKボタン51aおよび不良品
を表すNGボタン51aがある。センサ・コントローラ20
にはその他に,パワー・スイッチ25と,判定結果を表示
する表示器27a,27bがある。OK表示器27aは,判定
結果が良品の場合に発光し,NG表示器27bは判定結果
が不良品の場合に発光する。
【0149】振動センサ10をセンサ・コントローラ20内
に内蔵することもできる。図17は,振動センサが内臓さ
れたセンサ・コントローラの外観図である。このセンサ
・コントローラ20は図16に示すセンサ・コントローラ20
と同じスイッチ,表示器が取付けられている。図17に示
すセンサ・コントローラ20のケース底部はフラットであ
り,両面テープ,マグネット,ビス止め等により被検査
物体に取付られる。この底部の内側に振動センサがあ
り,ケース底部を伝わってくる被検査物体からの振動が
振動センサにより計測される。
【0150】第2実施例 図18は,稼働している設備の劣化診断を行う検査システ
ムの全体的構成を示すブロック図である。この検査シス
テムは,稼働している送風機の劣化診断を行うものであ
る。
【0151】この検査システムは,振動センサ10,ホス
ト・コントローラ17,送風機コントローラ18,モータ19
およびセンサ・コントローラ20を備えている。
【0152】ホスト・コントローラ17および送風機コン
トローラ18はそれぞれ,別個のコンピュータ・システム
により実現することもできるし,1台のコンピュータ・
システムに実現することもできる。これらの一部をハー
ドウェアにより実現することもできるし,その他をソフ
トウェアにより実現することもできる。
【0153】送風機2には振動センサ10がビス止め,マ
グネット,両面テープ等により取付けられている。送付
機2は,モータ19によりファンが回転される。モータ19
は送風機コントローラ18により制御される。
【0154】ホスト・コントローラ17は,送風機コント
ローラ18に動作開始信号を出力し,送風機コントローラ
18はモータ19が回転させ,送風機1を動作させる。
【0155】第2実施例におけるセンサ・コントローラ
20は,後述するように,振動センサ10からのセンサ信号
に基づいて,被検査物体(送風機2)が動作したことを
確認した後,あらかじめ設定された診断知識を用いて,
「正常」,「注意」または「警告」の3段階で劣化診断
を行う。センサ・コントローラ20における劣化診断は一
定時間間隔で行われる。診断結果はセンサ・コントロー
ラ20からホスト・コントローラ17に出力される。
【0156】ホスト・コントローラ17は,センサ・コン
トローラ20から与えられる診断結果が「正常」の場合に
は何も行わず,「注意」の場合には警報を出力し,「警
告」の場合には送風機コントローラ18に動作停止信号を
出力する。
【0157】診断結果が「注意」の場合にはホスト・コ
ントローラ17から警報が出されることにより,オペレー
タが送風機2に異常があることを知ることができる。こ
れにより,オペレータは,必要があれば送風機2を停止
させ,送風機2の点検または分解整備を行う。診断結果
が「警告」の場合には,送風機コントローラ18はホスト
・コントローラ17からの動作停止信号に応答して送風機
2を停止させる。これにより,送風機2の異常による危
険を防ぐことができる。
【0158】ホスト・コントローラ17は,センサ・コン
トローラ20から出力される診断結果を必要があればさら
に上位コントローラに出力する。
【0159】このようにして,被検査物体の劣化診断が
行われる。
【0160】検査システムは,送風機の他の設備につい
て適用できる。診断する設備には,モータ,モータを用
いた設備,ポンプ,コンプレッサ,エンジン,これらを
用いた設備等がある。こられらの設備に限らず,その他
の設備,防犯装置等にも適用できる。また,計測する物
理量は,上述の振動の他に音,圧力,温度,力,電圧,
電流等を用いてもよい。この場合には,それぞれの物理
量を計測するためのセンサが必要となるのはいうまでも
ない。
【0161】図19は,第2実施例におけるセンサ・コン
トローラ20の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すものと同一物には同一符号を付し,詳細な説
明は省略する。
【0162】対象状態判定装置30Aは,振動センサ10か
らのセンサ信号に基づいて,被検査物体が稼働している
かどうか判断し,被検査物体が動作したと判定するとス
イッチ37をオンにし,イネーブル信号を出力する。
【0163】動作開始判定条件は,センサ信号の交流成
分振幅vi が所定の閾値21/2・Th4を越えた後一定時間
内において抽出した交流成分振幅vi の二乗平均根RM
Sを用いて,次式で表される。
【0164】 RMS>Th4 …(4)
【0165】振動センサ10が被検査物体に接触していな
いとき,振動センサ10からセンサ信号が得られないた
め,式(4) の動作開始判定条件を満たすことはないの
で,対象状態判定装置30Aは振動センサ10が被検査物体
に接触しているかどうかの判定を動作開始の判定と同時
に行っていることになる。
【0167】対象状態判定装置30Aは,被検査物体が動
作を開始したと判定すると,スイッチ37をオンにしする
とともに,イネーブル信号を特徴量作成処理40に出力す
る。振動センサ10が被検査物体に常時取付けられた状態
であり,かつ,被検査物体が常に稼働していると,振動
センサ10が被検査物体から外れることかある。このた
め,対象状態判定装置30Aは,被検査物体が動作を開始
したと判定した後においても,一定時間間隔毎に被検査
物体の動作確認(接触しているかどうかの判定)を行う
のが好ましい。
【0168】動作開始判定条件は,式(4) の代わりに,
センサ信号の交流成分振幅vi が所定の閾値を越え,か
つ,その継続時間が一定時間継続したとき,動作を開始
した,という動作開始判定条件を用いてもよい。
【0169】対象状態判定装置30Aにより被検査物体が
動作を動作を開始したと判定されると,第1実施例と同
様にして,センサ信号がA/D変換器45によりA/D変
換された振動データに基づいて特徴量作成処理40により
特徴量が作成される。
【0170】診断知識記憶メモリ49Aには,診断知識が
記憶されており,たとえば図20に示す診断知識が記憶さ
れている。
【0171】図20(A) は,診断知識の判断ルールの一例
である。
【0172】図20(B) は,診断ルールの前件部変数「閾
値越え時間T」に関して,言語情報「SMALL」,
「MIDDLE」および「LARGE」の3つのメンバ
ーシップ関数である。
【0173】図20(C) は,診断ルールの前件部変数「閾
値越え回数C」に関して,言語情報「SMALL」,
「MIDDLE」および「LARGE」の3つのメンバ
ーシップ関数である。
【0174】図20(D) は,診断ルールの後件部変数「判
定結果」に関して,言語情報「正常」,「注意」および
「警告」の3つのシングルトンである。
【0175】判定モードにおいて,ファジィ推論処理48
は,診断知識記憶メモリ49Aに記憶された判断知識を用
いて,特徴量作成処理40からスイッチ47を介して与えら
れる特徴量(閾値越え時間Tおよび閾値越え回数C)に
基づいてファジィ推論により劣化診断を行う。
【0176】調整モードにおいては,ティーチング・ボ
タン51により「正常」または「異常」が指定され,「正
常」が指定されたときの特徴量(閾値越え時間Tおよび
閾値越え回数C)のみが,特徴量記憶メモリ53Aに記憶
される。
【0178】特徴量の収集が終了すると,メンバーシッ
プ関数作成処理55Aは,特徴量記憶メモリ53Aに記憶さ
れた特徴量(閾値越え時間Tおよび閾値越え回数C)を
すべて読出し,それぞれについて平均値と標準偏差を算
出する。閾値越え時間Tの平均値αおよび標準偏差σを
用いて,図21(A) に示すように,前件部変数「閾値越え
時間T」の各言語情報を表すメンバーシップ関数が作成
される。前件部変数「閾値越え回数C」についても同様
にメンバーシップ関数が作成される。閾値越え回数Cの
平均値βおよび標準偏差τを用いて,図21(B) に示すよ
うに,前件部変数「閾値越え時間T」の各言語情報を表
すメンバーシップ関数が作成される。
【0179】メンバーシップ関数作成処理55Aにより作
成された判断ルールの前件部変数のメンバーシップ関数
は,第1実施例における判断ルールの前件部変数のメン
バーシップ関数のように不適正になることはない。
【0180】図22は,第2実施例におけるセンサ・コン
トローラの調整モードにおける処理手順を示すフロー・
チャートである。センサ・コントローラの判定モードに
おける処理手順は,図10に示す第1実施例における手順
と同様であるので,説明を省略する。
【0181】対象状態判定装置30Aにより被検査物体が
動作を開始したかどうかが判断される(ステップ121
)。対象状態判定装置30Aにより被検査物体が動作を
開始したと判定されると(ステップ121 でYES )ステッ
プ37がオンにされ,イネーブル信号が与えられる。セン
サ信号がA/D変換器45によりA/D変換された振動デ
ータから特徴量作成処理40により特徴量が作成される
(ステップ121 )。
【0182】オペレータがティーチング・ボタン51が操
作することによりティーチングが行われ(ステップ123
),ティーチングが「正常」であるかどうか判断され
る(ステップ84)。「正常」である場合には(ステップ
124 でYES ),ステップ122 で作成された特徴量が良品
特徴量記憶メモリ53に記憶さる(ステップ125 )。「正
常」でない,すなわち,「異常」である場合には(ステ
ップ124 でNO)特徴量は記憶されない。
【0183】モード切替スイッチ46が調整モードであれ
ば(ステップ126 でYES ),再びステップ121 に戻り,
ステップ121 〜125 の処理が繰り返し行われ,メンバー
シップ関数を作成するための特徴量が収集される。
【0184】調整モードが終了すると(ステップ126 で
NO),メンバーシップ関数作成処理55Aにより判断ルー
ルの前件部変数のメンバーシップ関数が作成される(ス
テップ127 )。判断知識記憶メモリ49に既に記憶された
判断ルールの前件部変数のメンバーシップ関数が,メン
バーシップ関数作成処理55Aにより作成された判断ルー
ルの前件部変数のメンバーシップ関数に変更される(ス
テップ128 )。
【0185】図23,24は,対象状態判定装置30Aの詳細
な処理手順を示すフロー・チャートである。対象状態判
定装置30Aのハードウェア構成は,図13に示す第1実施
例における対象状態判定装置30と同一である。ただし,
ROM33には図23,24に示す処理を実現するプログラム
が記憶されている。
【0186】電源が投入されると,CPU31は,スイッ
チ37をオフし(スイッチ120 ),サンプル・カウンタi
を初期化する(ステップ121 )。
【0187】CPU31は,振動センサ10からのセンサ信
号がA/D変換器34によりサンプリングされた振動デー
タから交流成分振幅vi を抽出し,抽出した交流成分振
幅vi をRAM32に一次的に記憶させる(ステップ122
)。
【0188】CPU31は,作成した振幅vi が所定の閾
値Th1より大きいかどうかを判断する(ステップ123
)。CPU31は,交流成分振幅vi が閾値21/2・Th4
より小さいと判定すると(ステップ123 でNO),ステッ
プ122 に戻り,再び交流成分振幅vi を抽出する。
【0189】CPU31は,交流成分振幅vi が閾値2
1/2・Th4より大きいと判定すると(ステップ123 でYES
),サンプル・カウンタiをインクリメントする(ス
テップ124 )。CPU31は,振動センサ10からのセンサ
信号がA/D変換器34によりサンプリングされた振動デ
ータから交流成分振幅vi を抽出し,抽出した交流成分
振幅vi をRAM32に一次的に記憶させる(ステップ12
2 )。
【0190】CPU31は,ステップ123 でYES と判定さ
れてから一定時間が経過したかを判断し(ステップ126
),一定時間が経過していないと判定すると(ステッ
プ126でNO),ステップ124 に戻り,ステップ124 ,125
の処理を繰り返し行う。
【0191】CPU31は,一定時間経過したと判定する
と(ステップ126 でYES ),RAM32に一次的に記憶し
たすべての交流成分振幅vi を読出し,これらのRMS
を算出する(ステップ127 )。
【0192】CPU31は,ステップ127 において算出し
たRMSがRMS>Th4を満たすかどうかを判断する
(ステップ128 )。CPU31は,RMS>Th4を満たさ
なければ(ステップ128 でNO),ステップ121 に戻り,
ステップ121 〜127 の処理を繰り返し行う。
【0193】CPU31は,算出したRMSがRMS>T
h4を満たすと(ステップ128 でYES),被検査物体が動
作を開始したと判定し,スイッチ・インタフェース35を
介してスイッチ37をオンにし(ステップ129 ),イネー
ブル信号インタフェース36を介してイネーブル信号を出
力する(ステップ130 )。その後,CPU31は処理を終
了する。
【0194】振動センサ10からのセンサ信号をステップ
37によりスイッチングしているが,振動センサ10からの
センサ信号は出力したままでもよい。この場合には,図
10に示すスイッチ・インタフェース35は不要となり,か
つ,図19に示すステップ120および図20に示すステップ1
30 の処理もまた行われない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における製品検査を行う検査システ
ムの全体的構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例におけるセンサ・コントローラの全
体的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】振動センサによって計測された被検査物体の振
動波形を示すグラフである。
【図4】特徴量作成処理の詳細な構成を示す機能ブロッ
ク図である。
【図5】(A) は被検査物体が良品である場合の振動波形
を示し,(B) は(A) の振動波形について全波整流して後
ロウ・パス・フィルタリングした振動波形を示す。
【図6】(A) は被検査物体が不良品である場合の振動波
形を示し,(B) は(A) の振動波形について全波整流した
後ロウ・パス・フィルタリングした振動波形を示し,
(C) は被検査物体が不良品である場合の振動波形を示
し,(D) は(C) の振動波形について全波整流した後ロウ
・パス・フィルタリングした振動波形を示す。
【図7】第1実施例における判断知識の一例を示し,
(A) は判断知識の判断ルールを示し,(B) は判断ルール
の前件部変数「閾値越え時間T」に関して言語情報「S
MALL」および「LARGE」の2つのメンバーシッ
プ関数を示し,(C) は判断ルールの前件部変数「閾値越
え回数C」に関して言語情報「SMALL」および「L
ARGE」の2つのメンバーシップ関数を示し,(D) は
判断ルールの後件部変数「判定結果」に関して,言語情
報「良品」および「不良品」の2つのシングルトンを示
す。
【図8】第1実施例における良品特徴量記憶メモリに記
憶された特徴量の一例を示し,不良品特徴量記憶メモリ
に記憶される特徴量の一例を示す。
【図9】第1実施例において調整された判断ルールの前
件部変数を示し,(A) は判断ルールの前件部変数「閾値
越え時間T」に関して言語情報「SMALL」および
「LARGE」の2つのメンバーシップ関数を示し,
(B) は判断ルールの前件部変数「閾値越え回数C」に関
して言語情報「SMALL」および「LARGE」の2
つのメンバーシップ関数を示す。
【図10】第1実施例におけるセンサ・コントローラの
判定モードにおける処理手順を示すフロー・チャートで
ある。
【図11】第1実施例におけるセンサ・コントローラの
調整モードにおける処理手順を示すフロー・チャートで
ある。
【図12】第1実施例におけるセンサ・コントローラの
調整モードにおける処理手順を示すフロー・チャートで
ある。
【図13】第1および第2実施例において共通の対象状
態判定装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】第1実施例における対象状態判定装置におけ
る処理手順を示すフロー・チャートである。
【図15】第1実施例における対象状態判定装置におけ
る処理手順を示すフロー・チャートである。
【図16】振動センサおよびセンサ・コントローラの外
観図である。
【図17】振動センサが内臓されたセンサ・コントロー
ラの外観図である。
【図18】第2実施例における設備の劣化診断を行う検
査システムの全体構成を示すブロック図である。
【図19】第2実施例におけるセンサ・コントローラの
全体的構成を示す機能ブロック図である。
【図20】第2実施例における診断知識の一例を示し,
(A) は診断知識の診断ルールを示し,(B) は診断ルール
の前件部変数「閾値越え時間T」に関して言語情報「S
MALL」,「MIDDLE」および「LARGE」の
3つのメンバーシップ関数を示し,(C) は診断ルールの
前件部変数「閾値越え回数C」に関して言語情報「SM
ALL」,「MIDDLE」および「LARGE」の3
つのメンバーシップ関数を示し,(D) は診断ルールの後
件部変数「判定結果」に関して,言語情報「正常」,
「注意」および「警告」の3つのシングルトンを示す。
【図21】第2実施例において調整された診断ルールの
前件部変数を示し,(A) は診断ルールの前件部変数「閾
値越え時間T」に関して言語情報「SMALL」,「M
IDDLE」および「LARGE」の3つのメンバーシ
ップ関数を示し,(B) は診断ルールの前件部変数「閾値
越え回数C」に関して言語情報「SMALL」,「MI
DDLE」および「LARGE」の3つのメンバーシッ
プ関数を示す。
【図22】第2実施例におけるセンサ・コントローラの
調整モードにおける処理手順を示すフロー・チャートで
ある。
【図23】第2実施例における対象状態判定装置の処理
手順を示すフロー・チャートである。
【図24】第2実施例における対象状態判定装置の処理
手順を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 送風機 10 振動センサ 11,17 ホスト・コントローラ 12 プリンタ・コントローラ 13 シリンダ・コントローラ 14 シリンダ・アーム 15 シリンダ 16 ロッド 18 送風機コントローラ 19 モータ 20 センサ・コントローラ 21 プレセンシング部 22 判定センシング部 23 調整センシング部 30,30A 対象状態判定装置 37 スイッチ 40 特徴量作成処理 41 全波整流処理 42 ロウ・パス・フィルタ 43 閾値越え時間カウンタ 44 閾値越え回数カウンタ 45 A/D変換器 46 モード切替スイッチ 47,52,52A スイッチ 48 ファジィ推論処理 49 判断知識記憶メモリ 49A 診断知識記憶メモリ 51 ティーチング・ボタン 53,53A 良品特徴量記憶メモリ 54 不良品特徴量記憶メモリ 55,55A メンバーシップ関数作成処理
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−72026(JP,A) 特開 平5−312634(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 17/00 G06F 9/44 554

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動センサによって計測された被検査物
    体の振動を表すセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
    を開始したかどうかを判定する対象状態判定手段, 被検査物体が動作を開始したと上記対象状態判定手段が
    判定した後に,上記振動センサから出力されるセンサ信
    号に基づいて特徴量を作成する特徴量作成手段, 判定モードにおいては,上記特徴量作成手段によって作
    成された特徴量に基づいてあらかじめ記憶された判断知
    識を用いて被検査物体の動作状態を判定する動作状態判
    定手段,および調整モードにおいては,上記特徴量作成
    手段によって作成された特徴量を,入力される被検査物
    体の動作状態を教示する教師信号にしたがって教示され
    た動作状態に対応してメモリに記憶し,上記メモリに記
    憶された動作状態に対応する特徴量を用いて上記判断知
    識を調整する知識調整手段, を備えた状態判定装置。
  2. 【請求項2】 振動センサによって計測された被検査物
    体の振動を表すセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
    を開始したかどうかを判定する対象状態判定手段, 被検査物体が動作を開始したと上記対象状態判定手段が
    判定した後に,上記振動センサから出力されるセンサ信
    号に基づいて特徴量を作成する特徴量作成手段, 判定モードにおいては,上記特徴量作成手段によって作
    成された特徴量に基づいてあらかじめ記憶された診断知
    識を用いて被検査物体の劣化診断を行う動作状態判定手
    段,および調整モードにおいては,上記特徴量作成手段
    によって作成された特徴量のうち,入力される劣化状態
    または正常状態を教示する教師信号にしたがって特定の
    特徴量のみをメモリに記憶し,上記メモリに記憶された
    特徴量を用いて上記診断知識を調整する知識調整手段, を備えた状態判定装置。
  3. 【請求項3】 センサによって計測された計測対象の物
    理量を表すセンサ信号に基づいて計測対象が計測可能な
    状態であるかどうかを判定する対象状態判定手段, 計測可能な状態であると上記対象状態判定手段が判定し
    た後に,上記センサから出力されるセンサ信号に基づい
    て特徴量を作成する特徴量作成手段, 判定モードにおいては,上記特徴量作成手段によって作
    成された特徴量について,あらかじめ記憶された処理知
    識を用いて信号処理を行う信号処理手段,および調整モ
    ードにおいては,上記特徴量作成手段によって作成され
    た特徴量を,入力される教師信号にしたがってメモリに
    記憶し,上記メモリに記憶した特徴量を用いて上記処理
    知識を調整する知識調整手段, を備えた状態判定装置。
  4. 【請求項4】 センサによって計測された計測対象の物
    理量を表すセンサ信号に基づいて計測対象が計測可能な
    状態であるかどうかを判定する対象状態判定手段, 計測可能な状態であると上記対象状態判定手段が判定し
    た後に,上記センサから出力されるセンサ信号に基づい
    て特徴量を作成する特徴量作成手段,および上記特徴量
    作成手段によって作成された特徴量についてあらかじめ
    記憶された処理知識を用いて信号処理を行う信号処理手
    段, を備えた状態判定装置。
  5. 【請求項5】 上記特徴量作成手段は, 上記センサ信号を全波整流する全波整流手段, 上記全整流手段の出力信号をロウ・パス・フィルタリン
    グするロウ・パス・フィルタ, 上記ロウ・パス・フィルタの出力信号が,所定の閾値を
    越えた時間を計時する閾値越え時間カウンタ,および上
    記ロウ・パス・フィルタの出力信号が,所定の閾値を越
    えた回数を計数する閾値越え回数カウンタ, を備え, 上記閾値越え時間および上記閾値越え回数を上記特徴量
    とする, 請求項1から4までのいずれか一項に記載の状態判定装
    置。
  6. 【請求項6】 振動センサによって計測された被検査物
    体の振動を表すセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
    を開始したかどうかを判定し, 被検査物体が動作を開始したと判定した後に,上記振動
    センサから出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作
    成し, 判定モードにおいては,作成された特徴量に基づいてあ
    らかじめ記憶された判断知識を用いて被検査物体の動作
    状態を判定し, 調整モードにおいては,作成された特徴量を,入力され
    る被検査物体の動作状態を教示する教師信号にしたがっ
    て教示された動作状態に対応してメモリに記憶し,上記
    メモリに記憶された動作状態に対応する特徴量を用いて
    上記判断知識を調整する, 状態判定方法。
  7. 【請求項7】 振動センサによって計測された被検査物
    体の振動を表すセンサ信号に基づいて被検査物体が動作
    を開始したかどうかを判定し, 被検査物体が動作を開始したと判定した後に,上記振動
    センサから出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作
    成し, 判定モードにおいては,作成された特徴量に基づいてあ
    らかじめ記憶された診断知識を用いて被検査物体の劣化
    診断を行い, 調整モードにおいては,作成された特徴量のうち,入力
    される劣化状態または正常状態を教示する教師信号にし
    たがって特定の特徴量のみをメモリに記憶し,上記メモ
    リに記憶された特徴量を用いて上記診断知識を調整す
    る, 状態判定方法。
  8. 【請求項8】 センサによって計測された計測対象の物
    理量を表すセンサ信号に基づいて計測対象が計測可能な
    状態であるかどうかを判定し, 計測可能な状態であると判定した後に,上記センサから
    出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成し, 判定モードにおいては,作成された特徴量についてあら
    かじめ記憶された処理知識を用いて信号処理を行い, 調整モードにおいては,作成された特徴量を,入力され
    る教師信号にしたがってメモリに記憶し,上記メモリに
    記憶した特徴量を用いて上記処理知識を調整する, 状態判定方法。
  9. 【請求項9】 センサによって計測された計測対象の物
    理量を表すセンサ信号に基づいて計測対象が計測可能な
    状態であるかどうかを判定し, 計測可能な状態であると判定した後に,上記センサから
    出力されるセンサ信号に基づいて特徴量を作成し, 作成された特徴量についてあらかじめ記憶された処理知
    識を用いて信号処理を行う, 状態判定方法。
  10. 【請求項10】 センサによって計測された計測対象の
    物理量を表すセンサ信号に基づいて計測対象が計測可能
    な状態であるかどうかを判定し,計測対象が計測可能な
    状態であると判定すると,上記センサ信号を出力する,
    センシング方法。
  11. 【請求項11】 センサによって計測された計測対象の
    物理量を表すセンサ信号を常に出力しており,上記セン
    サ信号に基づいて計測対象が計測可能な状態であるかど
    うかを判定し,計測対象が計測可能な状態であると判定
    するとイネーブル信号を出力する,センシング方法。
  12. 【請求項12】 被検査物体の振動を表すセンサ信号を
    出力する振動センサ, 所与の装着信号が入力されると上記振動センサを被検査
    物体に装着させ,所与の離脱信号が入力されると上記振
    動センサを被検査物体から離脱させるセンサ着脱手段, 所与の動作開始信号が入力されると被検査物体の動作を
    制御する対象コントローラ, 上記振動センサから出力されるセンサ信号に基づいて被
    検査物体が動作を開始したかどうかを判定し,被検査物
    体が動作を開始したと判定すると上記センサ信号に基づ
    いてあらかじめ記憶された判断知識を用いて被検査物体
    の動作状態を判定し,判定結果を出力する状態判定手
    段,および上記センサ着脱手段に装着信号を出力すると
    ともに上記対象コントローラに動作開始信号を出力し,
    所定の動作時間経過後に上記センサ着脱手段に離脱信号
    を出力し,一定時間経過後に上記状態判定手段から判定
    結果が出力されないと上記センサ着脱手段に装着信号を
    出力するとともに上記対象コントローラに動作開始信号
    を出力するホスト・コントローラ, を備えた被検査物体の検査システム。
  13. 【請求項13】 被検査物体の振動を表すセンサ信号を
    出力する振動センサ, 所与の動作開始信号が入力されると被検査物体を動作さ
    せ,所与の動作終了信号が入力されると被検査物体を停
    止させる対象コントローラ, 上記振動センサから出力されるセンサ信号に基づいて被
    検査物体が動作を開始したかどうかを判定し,被検査物
    体が動作を開始したと判定すると上記センサ信号に基づ
    いて被検査物体の劣化診断を行い,判定結果を出力する
    状態判定手段,および上記対象コントローラに動作開始
    信号を出力し,上記状態判定装置から被検査物体に異常
    が生じている旨の判定結果が出力されると,上記対象コ
    ントローラに動作終了信号を出力するホスト・コントロ
    ーラ, を備えた被検査物体の検査システム。
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