JP3289140B2 - 高生体親和性インプラント及びその作製法 - Google Patents
高生体親和性インプラント及びその作製法Info
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- A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
- A61B17/00—Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
- A61B17/56—Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor
- A61B17/58—Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
- A61B17/68—Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
- A61B17/84—Fasteners therefor or fasteners being internal fixation devices
- A61B17/86—Pins or screws or threaded wires; nuts therefor
- A61B17/866—Material or manufacture
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- A61B17/68—Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
- A61B17/80—Cortical plates, i.e. bone plates; Instruments for holding or positioning cortical plates, or for compressing bones attached to cortical plates
-
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- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
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- A61F2310/00592—Coating or prosthesis-covering structure made of ceramics or of ceramic-like compounds
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、高生体親和性イン
プラント及びその作製法に関するものであり、さらに詳
しくは、チタン又はチタン合金製インプラントに関し
て、生体親和性付与を目的とした水酸化アパタイト等の
生体活性セラミック粒子の圧入による表面改質を実用化
する技術に関するものである。なお、本発明でいうとこ
ろのインプラントとは、歯科及び整形外科において、歯
や骨等の生体硬組織の疾病や事故による欠損をおぎなう
目的で、体内に埋め込まれて使用される材料のことであ
って、具体的には人工歯根、骨接合用プレート、ピン、
ならびにネジ、あるいは各種人工関節本体ならびにその
固定用ピンやネジ類等をいう。
プラント及びその作製法に関するものであり、さらに詳
しくは、チタン又はチタン合金製インプラントに関し
て、生体親和性付与を目的とした水酸化アパタイト等の
生体活性セラミック粒子の圧入による表面改質を実用化
する技術に関するものである。なお、本発明でいうとこ
ろのインプラントとは、歯科及び整形外科において、歯
や骨等の生体硬組織の疾病や事故による欠損をおぎなう
目的で、体内に埋め込まれて使用される材料のことであ
って、具体的には人工歯根、骨接合用プレート、ピン、
ならびにネジ、あるいは各種人工関節本体ならびにその
固定用ピンやネジ類等をいう。
【０００２】
【従来の技術】チタン又はチタン合金製インプラント
は、優れた生体適合性（生体内において、組織に病変等
が起きない性質）と機械的特性を併せ持つことから、そ
の利用が広がりつつある。最近では、この表面に水酸化
アパタイト等の骨成分類似のセラミック粒子を付加し
て、生体親和性（生体内において、骨と積極的に結合す
る性質）を付与することにより、より優れたインプラン
トを得ようとする試みが、鋳造法によってなされている
（「Ｔｉ又はＴｉ合金製複合インプラント及びその製造
法」特開平５−５７０１３）。
は、優れた生体適合性（生体内において、組織に病変等
が起きない性質）と機械的特性を併せ持つことから、そ
の利用が広がりつつある。最近では、この表面に水酸化
アパタイト等の骨成分類似のセラミック粒子を付加し
て、生体親和性（生体内において、骨と積極的に結合す
る性質）を付与することにより、より優れたインプラン
トを得ようとする試みが、鋳造法によってなされている
（「Ｔｉ又はＴｉ合金製複合インプラント及びその製造
法」特開平５−５７０１３）。
【０００３】しかし、チタンは化学的活性が高く、鋳造
品の表面は鋳型との反応によって変質するため、数百ミ
クロン以上の研磨が必要である。さらに、チタンの融点
は１６６０℃と高温であることから、水酸化アパタイト
粒子が熱により変質するおそれが大きい。それゆえ上記
特開平５−５７０１３では、水酸化アパタイト等の生体
活性セラミック粒子は粒径１ｍｍ〜２．５ｍｍの範囲の
ものを使用している。
品の表面は鋳型との反応によって変質するため、数百ミ
クロン以上の研磨が必要である。さらに、チタンの融点
は１６６０℃と高温であることから、水酸化アパタイト
粒子が熱により変質するおそれが大きい。それゆえ上記
特開平５−５７０１３では、水酸化アパタイト等の生体
活性セラミック粒子は粒径１ｍｍ〜２．５ｍｍの範囲の
ものを使用している。
【０００４】しかしながら、生体親和性を付与して骨と
十分な結合を実現するためには、むしろ粒径１ｍｍ以下
の生体活性セラミック粒子を利用することが望ましい。
また、一般的に直径３〜４ｍｍの円柱、円筒、ないしは
ネジ形状を有する人工歯根等の小型のインプラント表面
に、直径１ｍｍ以上の粒子を付加することは現実的でな
い。そこで、数十μｍ以下の微細な粒子でもインプラン
ト表面へ付加するための方法として、水酸化アパタイト
粒子をチタン合金板の表面へ超塑性現象を利用して圧入
する方法が開発された（「ハイドロキシアパタイト顆粒
の超塑性チタン合金への圧入」野浪亨、長沼勝義、神谷
晶、亀山哲也、日本セラミックス協会学術論文誌、１０
５巻８月号、ｐ．７１０−７１２、１９９７年）。
十分な結合を実現するためには、むしろ粒径１ｍｍ以下
の生体活性セラミック粒子を利用することが望ましい。
また、一般的に直径３〜４ｍｍの円柱、円筒、ないしは
ネジ形状を有する人工歯根等の小型のインプラント表面
に、直径１ｍｍ以上の粒子を付加することは現実的でな
い。そこで、数十μｍ以下の微細な粒子でもインプラン
ト表面へ付加するための方法として、水酸化アパタイト
粒子をチタン合金板の表面へ超塑性現象を利用して圧入
する方法が開発された（「ハイドロキシアパタイト顆粒
の超塑性チタン合金への圧入」野浪亨、長沼勝義、神谷
晶、亀山哲也、日本セラミックス協会学術論文誌、１０
５巻８月号、ｐ．７１０−７１２、１９９７年）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記の水酸化アパタイ
ト粒子圧入法は一軸プレス加工によるものであって、板
の表面のような単純平面に対し適用され得るものであっ
た。一方、現実の人工歯根等は直径３〜４ｍｍ程度の円
柱、円筒、ないしはネジ形状を有するものが一般的であ
るため、上記の水酸化アパタイト粒子圧入法では、水酸
化アパタイト粒子をその円柱等の側面に均等に圧入する
ことは困難であり、新たな技術開発が求められていた。
本発明はこれに応えるものであって、水酸化アパタイト
等の生体活性セラミックス粒子を被加工材の側面に均等
に圧入することを可能とする高生体親和性インプラント
の作製法及びその製品を提供することを目的とするもの
であり、本発明により生体親和性に優れたチタン又はチ
タン合金製インプラントが実現されうる。
ト粒子圧入法は一軸プレス加工によるものであって、板
の表面のような単純平面に対し適用され得るものであっ
た。一方、現実の人工歯根等は直径３〜４ｍｍ程度の円
柱、円筒、ないしはネジ形状を有するものが一般的であ
るため、上記の水酸化アパタイト粒子圧入法では、水酸
化アパタイト粒子をその円柱等の側面に均等に圧入する
ことは困難であり、新たな技術開発が求められていた。
本発明はこれに応えるものであって、水酸化アパタイト
等の生体活性セラミックス粒子を被加工材の側面に均等
に圧入することを可能とする高生体親和性インプラント
の作製法及びその製品を提供することを目的とするもの
であり、本発明により生体親和性に優れたチタン又はチ
タン合金製インプラントが実現されうる。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 （１）垂直一軸プレス装置により与えられる荷重を、く
さびによる荷重伝達機構により水平に対向する両方向か
らの荷重に変換し、それによって、長軸を水平方向に設
置したチタン又はチタン合金からなる被加工材を型内で
その両底面を同時に熱間プレスして塑性変形せしめ、そ
の結果、被加工材が長軸に対して垂直方向に均等に変形
することを利用し、水酸化アパタイト等の生体活性セラ
ミック粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入して得ら
れる高生体親和性インプラント。 （２）前記（１）の高生体親和性インプラントを作製す
る方法であって、水酸化アパタイト等の生体活性セラミ
ック粒子を予め型表面又は被加工材の側面に付するこ
と、垂直一軸プレス装置により与えられる荷重を、くさ
びによる荷重伝達機構により水平に対向する両方向から
の荷重に変換し、それによって、長軸を水平方向に設置
したチタン又はチタン合金からなる被加工材を型内でそ
の両底面から同時に熱間プレスして塑性変形せしめ、上
記被加工材を長軸に対して垂直方向に均等に変形させる
こと、それにより、水酸化アパタイト等の生体活性セラ
ミックス粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入するこ
とを特徴とする高生体親和性インプラントの作製法。
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 （１）垂直一軸プレス装置により与えられる荷重を、く
さびによる荷重伝達機構により水平に対向する両方向か
らの荷重に変換し、それによって、長軸を水平方向に設
置したチタン又はチタン合金からなる被加工材を型内で
その両底面を同時に熱間プレスして塑性変形せしめ、そ
の結果、被加工材が長軸に対して垂直方向に均等に変形
することを利用し、水酸化アパタイト等の生体活性セラ
ミック粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入して得ら
れる高生体親和性インプラント。 （２）前記（１）の高生体親和性インプラントを作製す
る方法であって、水酸化アパタイト等の生体活性セラミ
ック粒子を予め型表面又は被加工材の側面に付するこ
と、垂直一軸プレス装置により与えられる荷重を、くさ
びによる荷重伝達機構により水平に対向する両方向から
の荷重に変換し、それによって、長軸を水平方向に設置
したチタン又はチタン合金からなる被加工材を型内でそ
の両底面から同時に熱間プレスして塑性変形せしめ、上
記被加工材を長軸に対して垂直方向に均等に変形させる
こと、それにより、水酸化アパタイト等の生体活性セラ
ミックス粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入するこ
とを特徴とする高生体親和性インプラントの作製法。
【０００７】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明は、水酸化アパタイト等の生体活性
セラミックス粒子を予め型表面又は被加工材の側面に付
する工程、垂直一軸プレス装置により与えられる荷重
を、くさびによる荷重伝達機構により水平に対向する両
方向からの荷重に変換し、それによって、長軸を水平方
向に設置したチタン又はチタン合金からなる被加工材を
型内でその両底面を同時に熱間プレスして塑性変形せし
める工程、それにより、被加工材を長軸に対して垂直方
向に均等に変形させること、水酸化アパタイト等の生体
活性セラミックス粒子を被加工材の側面全体に均等に圧
入すること、を特徴としている。
に説明する。本発明は、水酸化アパタイト等の生体活性
セラミックス粒子を予め型表面又は被加工材の側面に付
する工程、垂直一軸プレス装置により与えられる荷重
を、くさびによる荷重伝達機構により水平に対向する両
方向からの荷重に変換し、それによって、長軸を水平方
向に設置したチタン又はチタン合金からなる被加工材を
型内でその両底面を同時に熱間プレスして塑性変形せし
める工程、それにより、被加工材を長軸に対して垂直方
向に均等に変形させること、水酸化アパタイト等の生体
活性セラミックス粒子を被加工材の側面全体に均等に圧
入すること、を特徴としている。
【０００８】上記第１の工程は、好適には、例えば、図
１に示した割型３の表面又は被加工材１の側面に、水酸
化アパタイト等の生体活性セラミックス粒子を適宜の手
段で散布又は塗布することにより実施されるが、これら
に限らず、これらと同効の方法であれば適宜の方法が使
用される。ここで、上記生体活性セラミックスとして
は、好適には、例えば、水酸化アパタイト、第三リン酸
カルシウム、炭酸アパタイト、あるいは各種バイオガラ
ス等が例示される。また、上記生体活性セラミックス粒
子の粒径は１０μｍ以上１ｍｍ以下、好適には、３０μ
ｍ以上１００μｍ以下である。次に、上記第２の工程
は、好適には、例えば、図１に示した被加工材１とし
て、チタン又はチタン合金からなるピンを押出しピン２
と共に内型枠４にセットし、さらに、それを外型枠５に
セットし、これをホットプレス炉内で０．０５Ｔｏｒｒ
以下の真空中７００〜９００℃、プレス速度０．５ｍｍ
／ｍｉｎ以下でプレスすることにより実施される。プレ
ス機の力は、図１で示したくさび６を介してブロック７
に伝達されて水平方向の力に変換され、これにより、押
しピン２によって被加工材としてのピン１の両底面が同
時に押されて圧縮され、その結果、被加工材は長軸に対
し垂直方向に均等に変形し割型３に押しつけられ、予め
割型３の表面又は被加工材１の側面に付された水酸化ア
パタイト等の生体活性セラミックス粒子がその側面全体
に均等に圧入され、目的の製品が作製される。垂直一軸
プレス装置により与えられる荷重を、くさびによる荷重
伝達機構により水平に対向する両方からの荷重に変換す
る手段は、上記手段が好適なものとして例示されるが、
これに限らず、これと同効のものであれば適宜の手段が
用いられる。また、上記割型は、単純な円柱形状に限ら
れるものではなく、被加工材の製品形態により各種寸法
のネジ、表面に凹凸を有するピン、アンカー形状を有す
るもの、あるいは屈曲した形状のものなどの適宜の形
状、構造の割型が用いられる。被加工材としては、チタ
ン又はチタン合金が用いられるが、具体的には、例え
ば、ＪＩＳ第２種純チタン、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金、
Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ合金、Ｔｉ−
６Ａｌ−７Ｎｂ合金、Ｔｉ−５Ａｌ−２．５Ｆｅ合金、
Ｔｉ−１３Ｎｂ−１３Ｚｒ合金等が例示される。
１に示した割型３の表面又は被加工材１の側面に、水酸
化アパタイト等の生体活性セラミックス粒子を適宜の手
段で散布又は塗布することにより実施されるが、これら
に限らず、これらと同効の方法であれば適宜の方法が使
用される。ここで、上記生体活性セラミックスとして
は、好適には、例えば、水酸化アパタイト、第三リン酸
カルシウム、炭酸アパタイト、あるいは各種バイオガラ
ス等が例示される。また、上記生体活性セラミックス粒
子の粒径は１０μｍ以上１ｍｍ以下、好適には、３０μ
ｍ以上１００μｍ以下である。次に、上記第２の工程
は、好適には、例えば、図１に示した被加工材１とし
て、チタン又はチタン合金からなるピンを押出しピン２
と共に内型枠４にセットし、さらに、それを外型枠５に
セットし、これをホットプレス炉内で０．０５Ｔｏｒｒ
以下の真空中７００〜９００℃、プレス速度０．５ｍｍ
／ｍｉｎ以下でプレスすることにより実施される。プレ
ス機の力は、図１で示したくさび６を介してブロック７
に伝達されて水平方向の力に変換され、これにより、押
しピン２によって被加工材としてのピン１の両底面が同
時に押されて圧縮され、その結果、被加工材は長軸に対
し垂直方向に均等に変形し割型３に押しつけられ、予め
割型３の表面又は被加工材１の側面に付された水酸化ア
パタイト等の生体活性セラミックス粒子がその側面全体
に均等に圧入され、目的の製品が作製される。垂直一軸
プレス装置により与えられる荷重を、くさびによる荷重
伝達機構により水平に対向する両方からの荷重に変換す
る手段は、上記手段が好適なものとして例示されるが、
これに限らず、これと同効のものであれば適宜の手段が
用いられる。また、上記割型は、単純な円柱形状に限ら
れるものではなく、被加工材の製品形態により各種寸法
のネジ、表面に凹凸を有するピン、アンカー形状を有す
るもの、あるいは屈曲した形状のものなどの適宜の形
状、構造の割型が用いられる。被加工材としては、チタ
ン又はチタン合金が用いられるが、具体的には、例え
ば、ＪＩＳ第２種純チタン、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金、
Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ合金、Ｔｉ−
６Ａｌ−７Ｎｂ合金、Ｔｉ−５Ａｌ−２．５Ｆｅ合金、
Ｔｉ−１３Ｎｂ−１３Ｚｒ合金等が例示される。
【０００９】本発明は、ミクロンオーダーからミリオー
ダーの水酸化アパタイト等生体活性セラミック粒子を、
チタン又はチタン合金製インプラントの側面に均等に圧
入することにより実現される高生体親和性インプラント
及びその作製法である。即ち、この方法は具体的には、
目的とする人工歯根等のインプラント側面形状を有する
型を用い、型の表面、あるいは被加工材表面に水酸化ア
パタイト等の生体活性セラミック粒子を散布又は塗布し
たのち、垂直一軸プレス装置によって与えられる荷重
を、くさびによる荷重伝達機構によって、水平に対向す
る両方向からの荷重に変換し、長軸を水平方向に設置し
たチタン又はチタン合金からなる円柱状等の被加工材
を、その両底面を同時にプレスして全体を塑性変形せし
め、それにより被加工材が長軸に対し垂直方向に均等に
変形することによって、水酸化アパタイト等の生体活性
セラミック粒子を側面全体に均等に圧入するものであ
る。本発明によれば、最終製品形状への成形と生体活性
セラミック粒子圧入を同時に行うことができ、生体親和
性に優れたチタン又はチタン合金製インプラントが実現
される。本発明は、単純平面ではない、例えば、直径３
〜４ｍｍ程度の円柱、円筒、ないしはネジ形状を有する
人工歯根、骨接合用プレート、ピン、ならびにネジ、あ
るいは各種人工関節生体ならびにその固定用ピンやネジ
類等の各種インプラントの表面に、水酸化アパタイト等
の生体活性セラミックス粒子を均等に圧入する方法とし
て有用である。
ダーの水酸化アパタイト等生体活性セラミック粒子を、
チタン又はチタン合金製インプラントの側面に均等に圧
入することにより実現される高生体親和性インプラント
及びその作製法である。即ち、この方法は具体的には、
目的とする人工歯根等のインプラント側面形状を有する
型を用い、型の表面、あるいは被加工材表面に水酸化ア
パタイト等の生体活性セラミック粒子を散布又は塗布し
たのち、垂直一軸プレス装置によって与えられる荷重
を、くさびによる荷重伝達機構によって、水平に対向す
る両方向からの荷重に変換し、長軸を水平方向に設置し
たチタン又はチタン合金からなる円柱状等の被加工材
を、その両底面を同時にプレスして全体を塑性変形せし
め、それにより被加工材が長軸に対し垂直方向に均等に
変形することによって、水酸化アパタイト等の生体活性
セラミック粒子を側面全体に均等に圧入するものであ
る。本発明によれば、最終製品形状への成形と生体活性
セラミック粒子圧入を同時に行うことができ、生体親和
性に優れたチタン又はチタン合金製インプラントが実現
される。本発明は、単純平面ではない、例えば、直径３
〜４ｍｍ程度の円柱、円筒、ないしはネジ形状を有する
人工歯根、骨接合用プレート、ピン、ならびにネジ、あ
るいは各種人工関節生体ならびにその固定用ピンやネジ
類等の各種インプラントの表面に、水酸化アパタイト等
の生体活性セラミックス粒子を均等に圧入する方法とし
て有用である。
【００１０】
【実施例】以下に、本発明の高生体親和性インプラント
及びその作製法の例を図面に基づいて説明する。以下の
実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発
明は、以下の実施例により何ら限定されるものではな
い。 実施例１ 緻密質黒鉛材で、第１図に示されるような型を作製し
た。図中３で示される割型は単純な円柱形状（直径４ｍ
ｍ長さ２５ｍｍ）とした。この割型表面に、水酸化アパ
タイト粒子（平均直径３０μｍ）を散布したのち、Ｔｉ
−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫ
Ｋ製ＳＰ−７００）製のピン（直径３．６ｍｍ長さ１
４．８ｍｍ）を図中１で示される被加工材として割型内
に図中２で示される押しピンとともにセットし、それら
全体を図中４で示される内型枠にセットした。それを、
さらに図中６で示されるくさび及び７で示されるブロッ
クとともに図中５で示される外型枠にセットした。これ
を、ホットプレス炉内で１０-3 Ｔｏｒｒの真空中７５０
℃、プレス速度０．１ｍｍ／ｍｉｎで上方よりプレスし
た。
及びその作製法の例を図面に基づいて説明する。以下の
実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発
明は、以下の実施例により何ら限定されるものではな
い。 実施例１ 緻密質黒鉛材で、第１図に示されるような型を作製し
た。図中３で示される割型は単純な円柱形状（直径４ｍ
ｍ長さ２５ｍｍ）とした。この割型表面に、水酸化アパ
タイト粒子（平均直径３０μｍ）を散布したのち、Ｔｉ
−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫ
Ｋ製ＳＰ−７００）製のピン（直径３．６ｍｍ長さ１
４．８ｍｍ）を図中１で示される被加工材として割型内
に図中２で示される押しピンとともにセットし、それら
全体を図中４で示される内型枠にセットした。それを、
さらに図中６で示されるくさび及び７で示されるブロッ
クとともに図中５で示される外型枠にセットした。これ
を、ホットプレス炉内で１０-3 Ｔｏｒｒの真空中７５０
℃、プレス速度０．１ｍｍ／ｍｉｎで上方よりプレスし
た。
【００１１】第２図に加工開始前の型と被加工材の様子
を、第３図に加工終了時の様子を示す。プレス機の力
は、図中６で示されるくさびを介し図中７で示されるブ
ロックに伝達されて水平方向の力に変換され、これによ
り、図中２で示される押しピンによって被加工材たるチ
タン合金ピン両底面が同時に押され圧縮された。その結
果、被加工材は長軸に対し垂直方向に均等に変形して割
型に押しつけられ、水酸化アパタイト粒子の圧入が実現
され、直径４ｍｍ長さ１２ｍｍの高生体親和性インプラ
ントが作製された。
を、第３図に加工終了時の様子を示す。プレス機の力
は、図中６で示されるくさびを介し図中７で示されるブ
ロックに伝達されて水平方向の力に変換され、これによ
り、図中２で示される押しピンによって被加工材たるチ
タン合金ピン両底面が同時に押され圧縮された。その結
果、被加工材は長軸に対し垂直方向に均等に変形して割
型に押しつけられ、水酸化アパタイト粒子の圧入が実現
され、直径４ｍｍ長さ１２ｍｍの高生体親和性インプラ
ントが作製された。
【００１２】実施例２ Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金製のピン（直径３．６ｍｍ長さ
１４．８ｍｍ）を、加工温度を８５０℃とした他は、全
て実施例１と同様にして高生体親和性インプラントを作
製した。
１４．８ｍｍ）を、加工温度を８５０℃とした他は、全
て実施例１と同様にして高生体親和性インプラントを作
製した。
【００１３】実施例３ 純チタン（ＪＩＳ第２種）製のピン（直径３．６ｍｍ長
さ１４．８ｍｍ）を、加工温度を８５０℃とした他は、
全て実施例１と同様にして高生体親和性インプラントを
作製した。
さ１４．８ｍｍ）を、加工温度を８５０℃とした他は、
全て実施例１と同様にして高生体親和性インプラントを
作製した。
【００１４】実施例４ 割型の形状を直径４ｍｍ長さ２５ｍｍでネジピッチ０．
６ｍｍのメスネジとし、Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍ
ｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）製のピ
ン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他は、
実施例１と同様にして、高生体親和性インプラントを作
製した。
６ｍｍのメスネジとし、Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍ
ｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）製のピ
ン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他は、
実施例１と同様にして、高生体親和性インプラントを作
製した。
【００１５】実施例５ 割型の形状を直径４ｍｍ長さ２５ｍｍでネジピッチ０．
６ｍｍのメスネジとし、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金製のピ
ン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他は、
実施例２と同様にして、高生体親和性インプラントを作
製した。
６ｍｍのメスネジとし、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金製のピ
ン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他は、
実施例２と同様にして、高生体親和性インプラントを作
製した。
【００１６】実施例６ 割型の形状を直径４ｍｍ長さ２５ｍｍでネジピッチ０．
６ｍｍのメスネジとし、純チタン（ＪＩＳ第２種）製の
ピン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他
は、実施例３と同様にして、高生体親和性インプラント
を作製した。
６ｍｍのメスネジとし、純チタン（ＪＩＳ第２種）製の
ピン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）を被加工材とした他
は、実施例３と同様にして、高生体親和性インプラント
を作製した。
【００１７】実施例７ 直径４ｍｍ長さ２５ｍｍネジピッチ０．６ｍｍのオスネ
ジ模型をワックスで作製し、これをマグネシア系歯科用
埋没材（オハラチタニウムベスト）に埋没して円筒形の
型を作製し空気中１０００℃で焼成した。これを図中３
で示される割型の代わりに装着した。Ｔｉ−４．５Ａｌ
−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫＫ製ＳＰ−７
００）製のピン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）に、ポリビ
ニルアルコールをバインダーとして０．５重量％含む懸
濁液とした水酸化アパタイト粒子（平均直径３０μｍ）
を塗布し、型内部に装着した。以下、実施例１と同様に
して高生体親和性インプラントを作製した。
ジ模型をワックスで作製し、これをマグネシア系歯科用
埋没材（オハラチタニウムベスト）に埋没して円筒形の
型を作製し空気中１０００℃で焼成した。これを図中３
で示される割型の代わりに装着した。Ｔｉ−４．５Ａｌ
−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金（ＮＫＫ製ＳＰ−７
００）製のピン（直径３ｍｍ長さ１４ｍｍ）に、ポリビ
ニルアルコールをバインダーとして０．５重量％含む懸
濁液とした水酸化アパタイト粒子（平均直径３０μｍ）
を塗布し、型内部に装着した。以下、実施例１と同様に
して高生体親和性インプラントを作製した。
【００１８】実施例８ Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金
（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）の代わりにＴｉ−６Ａｌ−４
Ｖ合金製のピンとした他は、実施例７と同様にして、高
生体親和性インプラントを作製した。
（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）の代わりにＴｉ−６Ａｌ−４
Ｖ合金製のピンとした他は、実施例７と同様にして、高
生体親和性インプラントを作製した。
【００１９】実施例９ Ｔｉ−４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｍｏ−２Ｆｅ超塑性合金
（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）の代わりに純Ｔｉ製のピンを
装着した他は、実施例７と同様にして、高生体親和性イ
ンプラントを作製した。
（ＮＫＫ製ＳＰ−７００）の代わりに純Ｔｉ製のピンを
装着した他は、実施例７と同様にして、高生体親和性イ
ンプラントを作製した。
【００２０】
【発明の効果】本発明は、１）ミクロンオーダーからミ
リオーダーの水酸化アパタイト等の生体活性セラミック
粒子を均等に圧入された表面を有するチタン又はチタン
合金製インプラントを、簡単な一軸ホットプレス加工に
よって作製できる、２）特に、従来は非常に困難であっ
た人工歯根等の小型のインプラントにおいても、水酸化
アパタイト等の生体活性セラミック粒子をその表面に圧
入して、高生体親和性インプラントとすることを可能と
する、３）医療機器産業において従来技術にない優れた
効果を有する、４）歯科及び整形外科において硬組織代
替機器として使用される高生体親和性インプラント及び
その作製法を提供する、という格別の効果を奏する。
リオーダーの水酸化アパタイト等の生体活性セラミック
粒子を均等に圧入された表面を有するチタン又はチタン
合金製インプラントを、簡単な一軸ホットプレス加工に
よって作製できる、２）特に、従来は非常に困難であっ
た人工歯根等の小型のインプラントにおいても、水酸化
アパタイト等の生体活性セラミック粒子をその表面に圧
入して、高生体親和性インプラントとすることを可能と
する、３）医療機器産業において従来技術にない優れた
効果を有する、４）歯科及び整形外科において硬組織代
替機器として使用される高生体親和性インプラント及び
その作製法を提供する、という格別の効果を奏する。
【図１】高生体親和性インプラント作製用型の一例と、
部品及び被加工材の構成図である。
部品及び被加工材の構成図である。
【図２】高生体親和性インプラント作製用型の一例と、
加工開始前の様子を示した断面図である。
加工開始前の様子を示した断面図である。
【図３】高生体親和性インプラント作製用型の一例と、
加工終了後の様子を示した断面図である。
加工終了後の様子を示した断面図である。
１ 被加工材 ２ 押しピン ３ 割型 ４ 内型枠 ５ 外型枠 ６ くさび ７ ブロック
フロントページの続き (72)発明者 野浪 亨 愛知県名古屋市名東区平和が丘１丁目70 番地 (72)発明者 寺岡 啓 愛知県名古屋市北区西志賀町４丁目58番 １号 (72)発明者 園田 勉 愛知県愛知郡長久手町長湫打越15丁目 (72)発明者 宇敷 建一 愛知県名古屋市北区名城２丁目１番地 審査官 今村 玲英子 (56)参考文献 特開 平６−197947（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61C 8/00 A61B 17/58 A61F 2/30
Claims (2)
- 【請求項１】 垂直一軸プレス装置により与えられる荷
重を、くさびによる荷重伝達機構により水平に対向する
両方向からの荷重に変換し、それによって、長軸を水平
方向に設置したチタン又はチタン合金からなる被加工材
を型内でその両底面を同時に熱間プレスして塑性変形せ
しめ、その結果、被加工材が長軸に対して垂直方向に均
等に変形することを利用し、水酸化アパタイト等の生体
活性セラミック粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入
して得られる高生体親和性インプラント。 - 【請求項２】 請求項１の高生体親和性インプラントを
作製する方法であって、水酸化アパタイト等の生体活性
セラミック粒子を予め型表面又は被加工材の側面に付す
ること、垂直一軸プレス装置により与えられる荷重を、
くさびによる荷重伝達機構により水平に対向する両方向
からの荷重に変換し、それによって、長軸を水平方向に
設置したチタン又はチタン合金からなる被加工材を型内
でその両底面から同時に熱間プレスして塑性変形せし
め、上記被加工材を長軸に対して垂直方向に均等に変形
させること、それにより、水酸化アパタイト等の生体活
性セラミックス粒子を被加工材の側面全体に均等に圧入
することを特徴とする高生体親和性インプラントの作製
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17043699A JP3289140B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 高生体親和性インプラント及びその作製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17043699A JP3289140B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 高生体親和性インプラント及びその作製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001000452A JP2001000452A (ja) | 2001-01-09 |
| JP3289140B2 true JP3289140B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=15904890
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17043699A Expired - Lifetime JP3289140B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 高生体親和性インプラント及びその作製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3289140B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6465284B2 (en) | 1993-07-27 | 2002-10-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device and method for manufacturing the same |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004097707A (ja) * | 2002-09-12 | 2004-04-02 | Showa Ika Kohgyo Co Ltd | 脊柱固定システム用の椎体プレート |
| KR100714244B1 (ko) | 2004-04-26 | 2007-05-02 | 한국기계연구원 | 생체용 골유도성 금속 임플란트 및 그 제조방법 |
| US10687956B2 (en) | 2014-06-17 | 2020-06-23 | Titan Spine, Inc. | Corpectomy implants with roughened bioactive lateral surfaces |
| CA3005742A1 (en) | 2015-11-20 | 2017-05-26 | Titan Spine, Llc | Processes for additively manufacturing orthopedic implants |
| TWI726940B (zh) | 2015-11-20 | 2021-05-11 | 美商泰坦脊柱股份有限公司 | 積層製造整形外科植入物之方法 |
| AU2017307558B2 (en) | 2016-08-03 | 2022-08-11 | Titan Spine, Inc. | Implant surfaces that enhance osteoinduction |
-
1999
- 1999-06-17 JP JP17043699A patent/JP3289140B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6465284B2 (en) | 1993-07-27 | 2002-10-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device and method for manufacturing the same |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2001000452A (ja) | 2001-01-09 |
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