JP3287197B2 - 油井管用ねじ継手 - Google Patents

油井管用ねじ継手

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JP3287197B2
JP3287197B2 JP31310195A JP31310195A JP3287197B2 JP 3287197 B2 JP3287197 B2 JP 3287197B2 JP 31310195 A JP31310195 A JP 31310195A JP 31310195 A JP31310195 A JP 31310195A JP 3287197 B2 JP3287197 B2 JP 3287197B2
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box
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L21/00Joints with sleeve or socket

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下に埋蔵される
天然ガスや原油の探査および生産に使用される油井管の
ねじ継手に関するものである。特に、高深度の高圧力下
にある、腐食性不純物を多く含むガスや油などを汲み上
げる場合に好適な継手である。
【0002】
【従来の技術】今日、深さ数千mにも及ぶ天然ガス田や
油田等の探査および生産に使用される油井管を接続する
継手としてねじ継手が広く用いられている。油井管用ね
じ継手には二つの方式がある。管の一端にピン部を、他
端にボックス部を有し、管同士を接続するインテグラル
方式と、二つのボックス部を持つカップリングと両端に
ピン部を持つ管とを接続するカップリング方式である。
これらねじ継手には共通して、以下の性能が要求され
る。
【0003】接続された管の自重による軸方向の引張
力に耐え得る、 内部の流体による内圧あるいは外部の流体による外圧
に耐え得る、 数十回の繰り返し使用ができる、 内部および外部の流体による腐食および浸食に耐え得
る、ことなどである。
【0004】近年、井戸の深さが深くなり、また、極地
などの厳しい環境下で使用される場合が多くなってい
る。さらに、今まで対象とされなかった腐食性および酸
化性の不純物を多く含んだ埋蔵物も採掘されるようにな
り、上記した要求に応えるため継手の性能も急速に高度
化している。
【0005】図3は、シール部とトルクショルダ部をも
つカップリング方式の継手であって、内面ショルダの場
合の油井管用ねじ継手の一例を示す図面である。図3
(a)は管本体とカップリングを締結した状態を表す図
面である。図3(b)は図3(a)のねじ部、シール形
成部およびトルクショルダ形成部を表す図面である。
【0006】「トルクショルダ部」は、相互のトルクシ
ョルダ形成面を突き合わせることにより、塑性変形が生
じる程の高い接触圧がシール部に発生しないように、締
結トルクを適正な値にコントロールするために設けられ
たものである。「内面ショルダ」とは、管内面側にトル
クショルダ形成部14、24をもつ継手の形式、または
そのトルクショルダの部分をいう。
【0007】図2は、内面ショルダと外面ショルダを併
せ持つ油井管用ねじ継手の例を示す図面である。図2
(a)は締結後の管およびカップリングの断面を表す図
面である。図2(b)は、外面ショルダを形成するピン
側およびボックス側のトルクショルダ形成面の傾きを表
す図面である。「外面ショルダ」とは、管外面の雄ねじ
の根元のトルクショルダ形成面54にボックス側先端の
トルクショルダ形成面64が突き当たることによりトル
クショルダ部を形成する継手の形式、またはそのトルク
ショルダ部をいう。
【0008】以後の説明では、とくに断らないかぎり、
継手はシール部とトルクショルダ部をもつカップリング
方式の内面ショルダの継手とする。
【0009】図3(b)において、管10の先端部に設
けた雄ねじ12とカップリング20の内部に設けた雌ね
じ22とは互いに螺合される。ピン部11の先端にあ
る、テーパ状曲線あるいは大きな曲率半径の円弧の回転
面であるシール形成面13と、ボックス部21のねじ付
け根にあるテーパ状曲線の回転面であるシール形成面2
3とは、締結時に接触しシール部を形成する。ここで
「テーパ状曲線」とは、管軸(カップリングの軸でもあ
る)を含む平面内にある曲線であって、ボックス中心に
近づくにつれ管軸に近くなる曲線をいう。「回転面」と
は、前記テーパ状曲線あるいは円弧を管軸(カップリン
グの軸でもある)の回りに回転してできる曲面をいう。
このシール部でメタルシールを構成することにより、油
井管内部の流体による内圧あるいは管外部の流体による
外圧に対して気密性が保たれる。
【0010】シール形成面13のさらに先端にあるピン
側トルクショルダ形成面14と、ボックス側シール形成
面23のさらにボックス中心に近い部位にあるトルクシ
ョルダ形成面24とは、互いに突き当たることによりト
ルクショルダ部を形成する。
【0011】高圧流体に対する気密性能の他に、油井管
用ねじ継手が備えなければならない性能として、漏洩の
発生やねじ部からの破断につながるすき間腐食に対する
耐食性がある。すき間腐食は、腐食性の流体がピン部材
とボックス部材との間の微小なすき間に浸透し、滞留し
て濃縮されることにより、この流体にさらされる継手内
部の高応力負荷状態にある部材が、全面腐食や応力腐食
割れなどの損傷を受ける現象をいう。腐食性流体の存在
する管内面側あるいは管外面側に微小なすき間が存在し
なければすき間腐食は生じない。
【0012】上記した要求に応えるために、図3に示す
継手に改良を加えた次のようなシール形状およびトルク
ショルダ形状の継手が提案されてきた。これらは、α)
接触面を軟質材料で被覆する継手、β) パッキングを使
用した継手、γ) ピン先端の弾性変形によりシール部の
気密性を高めた継手、δ) トルクショルダ形成面の接触
を工夫してシール部の気密性を高めた継手の四種に大別
される。
【0013】α) 特開昭56−109975号公報や特
開平1−199088号公報に提案された、ピン側とボ
ックス側のシール形成面などを軟質の金属等で被覆した
継手がある。これは、軟質材料で被覆されたシール形成
面およびトルクショルダ形成面を接触することにより、
シール部およびトルクショルダ部の密封効果を向上させ
たものである。
【0014】しかしながら、この方法は継手の締結およ
び解除を繰り返す間に被覆材が欠落したり、摩耗したり
するために気密性能が低下し、数十回の使用に耐えられ
ないという欠点がある。
【0015】β) 図4は、実開昭58−142475号
公報に提示される継手であって、ピン側トルクショルダ
形成面14とボックス側トルクショルダ形成面24の間
にリング状の軟質材料からなるパッキング30を挿入し
た継手を表す図面である。同図において、パッキング3
0によって、ピン11の軸方向の締め込み長さのばらつ
きが許容される。このため、シール形成部の製造公差に
左右されることなく、トルク管理による締結により、シ
ール形成部が常に一定の接触圧で嵌合され、安定した気
密性能が得られる。
【0016】この継手は、パッキングの製作および挿入
など製造時に手間と費用がかかる問題がある。さらに、
本来、トルクショルダ部に要求される、締結トルクを適
正な値にコントロールする機能が、この継手にはないた
め、現場での締結の際にトルク管理を厳密にする必要が
生じ、取扱い性の劣化につながる。また、製造誤差によ
っては、パッキングとトルクショルダ面の間にすき間が
生じ、すき間腐食が発生するという難点がある。
【0017】γ) 図5は、特開昭60−26878号公
報に示される継手であって、ピン部先端(リップ部)を
薄くすることによって、弾性変形を利用して高い密封性
能をもたせる継手を表す図面である。図5(a)は締結
前のピン部およびボックス部のそれぞれのシール形成面
およびトルクショルダ形成面を表す。図5(b)は締結
後のシール部およびトルクショルダ形成部の接触圧分布
を表す。本継手は、ピン先端リップ部15およびボック
ス側トルクショルダ部にわたって管内面に滑らかな溝3
1をもつ。さらに、ボックス側トルクショルダ面24の
傾きθ2 がピン側トルクショルダ面14の傾きθ1 より
大きく、かつピン側シール形成面13の有効径がボック
ス側シール形成面23の有効径より小さい。ピン先端リ
ップ部15は、溝31のために肉厚が薄いので弾性変形
が生じ易い。螺合によってピン先端トルクショルダ面1
4がボックス側トルクショルダ面24に強く押し付けら
れると、傾きの相違のために、ピン先端リップ部15の
中央付近のシール形成面13が外側に膨らむ。このた
め、ボックス側シール形成面23と接触することによっ
て密封面32が形成される。この結果、密封面は、押し
付けによって形成されるトルクショルダ形成部の密封面
33とシール部の密封面32の二箇所となる。
【0018】本継手は、図5に示すようにピン側トルク
ショルダ形成面14の傾きθ1 が、ボックス側トルクシ
ョルダ形成面の傾きθ2 よりわずかに小さいという点で
本発明の構成に類似している。しかし、トルクショル
ダ部の傾きの差θ2 −θ1 は、ボックス側トルクショル
ダ形成部24に押し付けた薄肉のピン先端リップ部15
の中央を膨らますために設けたものである。ピン側シ
ール形成面13は、この膨らみ変形が生じて初めてボッ
クス側シール形成部23に接触するため、ピン側シール
形成面の有効径はボックス側のそれよりも小さい構造に
なっている。上記およびの二点において、本継手と
後記する本発明の継手とは異なる。
【0019】本継手は、シール形成部において充分な接
触圧を有する密封面を得るためにはピン先端リップ部の
大きな曲げ変形を実現させなければならない。そのため
には非常に大きな力でピン先端リップ部をボックス側ト
ルクショルダ形成面に押し付けなければならない。この
ため、特にボックス側トルクショルダ形成面の管内面に
近い部分26において過度の塑性変形が生じ、所定の気
密性能が発揮できないという問題がある。
【0020】δ) 図6は、特開昭52−11765号公
報に開示される継手であって、ピン側とボックス側のト
ルクショルダ形成面の接触によりピン部先端付近に発生
する管外径方向への膨らみによってシール部の密封性能
を高めた継手を示す図面である。ピン側シール形成面1
3を、大きな曲率半径からなる円弧の回転面とし、ボッ
クス側シール形成面を円錐面(テーパ状直線の回転面)
とする。ピン側トルクショルダ形成面14とボックス側
のトルクショルダ形成面24をそれぞれ異なる曲率R2
およびR3 をもつ凸曲面および凹曲面とする。ピン側ト
ルクショルダ形成面の曲率半径R2 をボックス側トルク
ショルダ形成面の曲率半径R3 より小さくとり、かつR
2 の曲率半径中心位置をR3 のそれより管内側とする。
本構造により、ピン側リップ部15の管内面方向へのた
わみは軽減され、製作誤差によるシール部の周方向に不
均一な接触圧は自動的に均一な接触圧に再配分される。
このため、トルクショルダ部およびシール部の2箇所で
良好な密封状態が得られる。
【0021】この継手は、トルクショルダ部の接触は、
管内面側に近い部分16および26での円周状の線接触
により維持されている。このため、この部分の接触圧が
非常に高くなり、上記γ) の場合と同じように過度の塑
性変形が生じて気密性能が低下するという問題がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造コスト
の上昇および取扱い性を劣化させることなく、すき間腐
食を発生せず数十回の繰り返し使用後にも高度の気密性
を保持する継手を供給することを課題としてなされたも
のである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した従
来の継手の問題を解決するために、継手の締結時および
さらに軸方向に引張応力が作用した時のシール部および
トルクショルダ部の挙動を詳細に検討して、つぎのこと
を確認した。
【0024】1) 油井管用ねじ継手のシール部は、通
常、ピン側シール形成面13の有効径をボックス側シー
ル形成面23の有効径より大きくとり、両者を嵌合する
ことにより接触圧を発生させ気密性の良いメタルシール
を形成する。ここで、ピン側シール形成面およびボック
ス側シール形成面の“有効径”とは、嵌合前の状態のそ
れぞれのシール形成面部に定めた“基準位置”の直径、
すなわち管軸あるいはボックス軸からのそれぞれのシー
ル形成面の“基準位置”までの平均距離の2倍をいう。
“基準位置”とは、締結が完了したときに、ピン側とボ
ックス側のシール形成面が“互いに接触している部分”
に該当するものであって、その“嵌合前の状態の位置”
をさす。
【0025】2 )有効径の差により、ピン側には縮径方
向へ応力が働く。特に、ピン先端には曲げ変形が発生す
る。
【0026】図7は、ピン側シール形成面に生じる縮径
変形によりピン側トルクショルダ形成面がボックス側ト
ルクショルダ形成面に対してθa だけ傾く様子を表す図
面である。同図に示すように、ピン部の先端近くにシー
ル形成部およびトルクショルダ形成部が配置されている
継手の場合、締結時にシール形成部13および23に生
じた接触圧によってピン先端リップ部15が縮径する方
向に曲げ変形が生じる。この曲げ変形によりピン側トル
クショルダ形成面14がボックス側トルクショルダ形成
面24に対し、θa だけ管の内面側に傾く。
【0027】3 )ピン側とボックス側のトルクショルダ
形成面の傾きが同一である通常の継手では、上記した曲
げ変形のためにトルクショルダ部の管内面側部位16お
よび26での接触圧は小さい。このため、締結状態で継
手を含む管本体に大きな引張応力が作用すると、接触圧
はほとんど無くなり、なかにはこのトルクショルダ内面
側部位にすき間が生じたものもある。
【0028】4 )ピン側トルクショルダ形成面の傾きと
ボックス側のそれとに予め差をもうけ、嵌合による曲げ
変形後、両者が面一、あるいは管内面側でやや重複する
ように両側のトルクショルダ形成面の傾きを調節するれ
ば、望ましい接触圧分布となる。
【0029】これら結果に基づいて、本発明の油井管ね
じ継手は完成された。
【0030】図1は、ピン側トルクショルダ形成面の傾
きθ1 をボックス側トルクショルダ形成面の傾きθ2
り小さくした内面ショルダ近傍の構造を表す図面であ
る。図1(a)は締結前の継手のピン側およびボックス
側のシール部およびトルクショルダ形成部を表す図面で
ある。図1(b)は締結後のシール部およびトルクショ
ルダ部に発生する接触圧分布(計算結果)を表す図面で
ある。同図より、上記したピン側トルクショルダ形成面
の曲げ変形を、予め見込んでピン側トルクショルダ形成
面の傾きをその分小さくすることにより、均一な接触圧
を得られることが分かる。
【0031】本発明は、また、外面ショルダの場合にも
適用される。図2(a)および(b)に示すように、ト
ルクショルダ形成面の傾きに差を設けて均一な接触圧を
得る技術的思想は外面ショルダの場合にもそのまま成り
立つ。
【0032】ここに、本発明はつぎに示すピン側とボッ
クス側のトルクショルダ形成面の傾きに差を設けること
により耐久性と気密性を高めた油井管用継手の構造をそ
の要旨とする。(図1および図2参照) (1)図1に示すように、雄ねじを有するピン部11の
先端の外表面に設けたシール形成面13と、雌ねじを有
するボックス部21の内面に設けたシール形成面23と
を嵌合させることによりシール部を形成し、ピンの最先
端部に設けたトルクショルダ形成面14と、それに対応
するボックス側に設けたトルクショルダ形成面24とを
突き合わせることにより内面ショルダを形成する下記の
特徴を有する油井管用ねじ継手。
【0033】(イ)ピン側およびボックス側のシール形
成面はそれぞれ回転面からなり、ピン側シール形成面1
3の有効径はボックス側シール形成面23の有効径より
も大きい。
【0034】(ロ)ピン側トルクショルダ形成面の傾き
θ1 はボックス側トルクショルダ形成面の傾きθ2 より
わずかに小さく、両者の傾きの差(θ)は、0.5゜≦
θ≦4.0゜を満足する。ただし、θ=θ2−θ1
【0035】なお、有効径とは、前述のように、嵌合前
の状態のそれぞれのシール形成面部に定めた基準位置の
直径、すなわち管軸あるいはボックス軸からのそれぞれ
のシール形成面の基準位置までの平均距離の2倍をい
う。基準位置とは、締結が完了したときに、ピン側とボ
ックス側のシール形成面が互いに接触している部分に該
当するものであって、その嵌合前の状態の位置を意味す
る。
【0036】(2)図2に示すように、雄ねじを有する
ピンの根元の外表面に設けたシール形成面53と、雌ね
じを有するボックスの先端内面に設けたシール形成面6
3とを嵌合させることによりシール部を形成し、ボック
ス最先端に設けたトルクショルダ形成面64と、それに
対応するピン根元の外面に設けたトルクショルダ形成面
54とを突き合わせることにより外面ショルダを形成す
る下記の特徴を有する油井管用ねじ継手。
【0037】(イ)ピン側およびボックス側のシール形
成面はそれぞれ回転面からなり、ピン側シール形成面5
3の有効径はボックス側シール形成面63の有効径より
も大きい。
【0038】(ハ) ピン側トルクショルダ形成面の傾きθ1 はボック
ス側トルクショルダ形成面の傾きθ2 よりわずかに大き
く、両者の傾きの差(θ)は、0.5゜≦θ≦4.0゜
を満足する。 ただし、θ=θ1−θ2 (3)さらに、下記(ニ)の特徴を有する上記(1)ま
たは(2)の油井管用ねじ継手。 (ニ) ピン側トルクショルダ形成面の傾きθ1 とボック
ス側トルクショルダ形成面の傾きθ2の差θが、D/t
およびδrのそれぞれにほぼ比例関係にあり、D/tあ
るいはδr の値が大きい場合は、ピン側およびボックス
側のトルクショルダ形成面の傾きの差θを大きくし、反
対にD/tあるいはδr の値が小さい場合はトルクショ
ルダ形成面の傾きの差θを小さくする。ただし、D、t
およびδrは以下の通り。 D=管またはカップリングの外径、t=管またはカップリングの肉厚 δr=(シール形成面の径方向の嵌合しろ)−(ねじ形
成面の径方向の嵌合しろ)
【0039】ただし、D、tおよびδr は以下の通り。
【0040】D=カップリング外径、t=カップリング
肉厚、 δr =(シール形成面の径方向の嵌合しろ)−(ねじ形
成面の径方向の嵌合しろ)
【0041】
【発明の実施の形態】以下において本発明の各限定理由
を説明する。
【0042】1.ピン側およびボックス側トルクショル
ダ形成面の傾きの差 ピン側シール形成面はテーパ状曲線または曲率半径の大
きい円弧の回転面からなる。また、ボックス側シール形
成面はテーパ状曲線の回転面からなる。
【0043】ピン側シール形成面の有効径はボックス側
シール形成面の有効径より大きくなければならない。上
記したように、有効径は、ピン側シール形成面およびボ
ックス側シール形成面のそれぞれの基準部分の直径をい
う。
【0044】嵌合に際して、中に嵌まるほう(ピン側)
の有効径が大きい場合、無理に嵌め込もうとすると、剛
性の小さいピン先端は縮径変形せざるをえない。ピン先
端が縮径変形するとき、ピン先端には、管内面方向への
曲げ変形が生じる。したがって、ピン側トルクショルダ
形成面は、この曲げ変形の分だけ傾きが変化する(図7
参照)。
【0045】図1(a)に示す継手は、ピン側トルクシ
ョルダ形成面13の傾きθ1 がボックス側トルクショル
ダ形成面23の傾きθ2 よりθ(=θ2 −θ1 )だけ小
さい。この角度の差θは、上記した、曲げ変形により実
際に生じている傾きの変化θa と等しいかθa よりやや
大きく設定する。図7に示すように、実際に生じる曲げ
変形による傾きの変化θa は、シール形成部の接触圧に
よってピン先端リップ部15が曲げ変形を起こしたとき
のピン側トルクショルダ部14のたわみ角θ’にほぼ相
当する。ここで、たわみ角とは、管先端のリップ部15
が横荷重または曲げモーメントを受けてたわんだ角度を
いう。
【0046】ピン部とボックス部のトルクショルダ形成
面の傾きに、このような角度差をつけることにより、以
下の接触圧分布が得られる。
【0047】ピン側およびボックス側のトルクショル
ダ形成面14および24の全面にわたるほぼ一様な接触
圧分布、あるいは、 管内面側16および26の接触圧が高くシール形成部
側17および27に近づくにつれなだらかに減少する接
触圧分布 したがって、トルクショルダ部の管内面側近傍16およ
び26にて過度の塑性変形が生じるほどの応力集中は生
じず、かつこの部分のすき間を生じなくするのに充分な
接触圧が確保できる。このため、数十回の使用に耐え、
かつすき間腐食が発生しない油井管用ねじ継手が得られ
るのである。
【0048】このようにして、ほぼ一様な接触圧でピン
側とボックス側のトルクショルダ形成面14および24
が接触しているため、応力集中などによる局部的な塑性
変形は発生しない。それゆえ、この状態で締結されてい
る継手を含む管本体に引張応力を作用させると、トルク
ショルダ部の接触圧は全面にわたってほぼ一様に減少す
るため、従来のトルクショルダ形状を有する継手よりも
はるかにトルクショルダ部が開口する引張荷重値は高
い。このため、締結時の接触圧が充分高い場合には、管
本体の降伏強さ相当の引張応力を負荷しても口開きしな
いトルクショルダ部が形成され、優れた耐すき間腐食性
能が得られる。
【0049】ピン側とボックス側のトルクショルダ面1
4および24の傾きが同一である継手では、トルクショ
ルダ面は一様な接触圧分布にはならず、シール形成部側
での接触圧が高く、管の内面側でのそれは低くなる。そ
の結果、締結後自重など引張応力がかかったときなど、
内面側の接触圧は極めて小さくなる。極端な場合にはこ
の部分が口開きしてしまう。この状態で長時間使用する
と、内部の高圧かつ腐食性の流体がトルクショルダ部の
管内面側部位16および26の間のすき間から継手内部
に浸透する。この結果、シール部、さらにはねじ部の高
応力負荷部を腐食させ、最悪の場合、漏れの発生あるい
は継手の破断につながる。本発明の継手は、そのような
問題の発生を数十回の使用回数を経るまで防止できる。
【0050】反対に圧縮力を作用させた場合にもトルク
ショルダ部の接触圧は全面にわたってほぼ一様なので、
トルクショルダ部において応力集中などによる局部的な
塑性変形が生じにくく、ゆえに「繰り返し使用が不可能
な程の過度の塑性変形」を生じない。ここで、「繰り返
し使用が不可能な程の」とは、とくにボックス側トルク
ショルダ部の永久変形により、トルクコントロールおよ
びサブシールとしての機能が果たせなくなり、継手の適
正な締結が不可能となり、所期の性能が発揮できなくな
ることを指す。
【0051】傾きの差θは大きすぎてもいけない。θが
大きすぎる場合は、トルクショルダ部の内面側に応力集
中が生じ、局部的な塑性変形が発生する。θには後記す
るように適正な範囲が存在する。
【0052】2.傾きの差の適正範囲 ピン側シール形成面13とボックス側シール形成面23
を嵌合することによって生じるピン側リップ部15の縮
径方向の曲げ変形のたわみ角θ’(図7参照)は古典シ
ェル理論に基づく計算式により求めることができる。さ
らにこの計算式により得られたたわみ角θ’と実際に発
生する傾きの変化θa との対応は実験により確かめられ
ている。したがって、ピン先端部のたわみ角θ’を求め
ることにより、実際に発生するピン側トルクショルダ形
成面の傾きの変化θa を求めることができる。この傾き
の変化θa と等しいか、あるいはやや大きくピン側トル
クショルダ面とボックス側トルクショルダ面との傾きの
差θを設定する。傾きの差θは、油井管用ねじ継手のサ
イズ、肉厚、嵌合しろおよび継手材料の機械的性質など
によって左右されるが、実用範囲の油井管用ねじ継手で
は0.5゜以上4.0゜以下と設定できる。ここで、
「嵌合しろ」とは、有効径の差をいう。
【0053】シール部およびショルダ部を含めて、継手
のねじ切りは、通常NC旋盤によりコンピュータ制御に
より行う。上記の角度は、コンピュータ制御のNC旋盤
により特別な精度管理をしなくても、実用上問題ない精
度で製造可能である。
【0054】3.傾きの差θに影響する因子 イ) このようにして設定した傾きの差θは、内面ショ
ルダの場合、D/t=(管本体外径)/(管肉厚)、に
ほぼ比例する。D/tが大きい場合は、曲げに対する剛
性が小さくなるので曲がり易くなり傾きの差は大きくと
る。したがって、D/tの大きさに応じてθの大きさを
変える必要がある。
【0055】ロ) θは、また、δr =(シール形成部
の嵌合しろ)−(ねじ形成部の嵌合しろ)にもほぼ比例
する。嵌合しろは、ピン部とボックス部の有効径の差な
ので、縮径を生じる原因となるものである。上記したよ
うに、「シール形成部の嵌合しろ」は、ピン先端の縮径
とトルクショルダ形成面の曲げの両方に効く。しかし、
「シール形成部の嵌合しろ」が「ねじ形成部の嵌合し
ろ」と同じ場合は、一様な縮径のみが生じ、曲げは生じ
ない。管本体に近い「ねじ形成部の嵌合しろ」は一様な
縮径変形のみを生じる。その「ねじ形成部の嵌合しろ」
と等しい場合、「シール部の嵌合しろ」はねじ部の嵌合
しろと共にその縮径変形を生ずるのみで、均衡してしま
う。「シール形成部の嵌合しろ」のうち、曲げに寄与し
ない「ねじ形成部の嵌合しろ」の分を差し引いた嵌合し
ろ(=δr) が曲げ変形を発生させる。管内面方向への
曲げのたわみ角とほぼ等しく設定されるθは、「シール
形成部の嵌合しろ」から「ねじ形成部の嵌合しろ」を差
し引いたδr とほぼ比例関係にある。ピン側およびボッ
クス側それぞれのトルクショルダ形成面の傾きの差θは
δrにほぼ比例させて設定するのが有効である。
【0056】4.外面ショルダの場合 図2(b)に示すように、ボックス側シール形成面63
の有効径をピン側シール形成面53のそれより小さくす
ると、ボックス側トルクショルダ形成面64は締結によ
り外側に曲げられ傾きが変化する。内面ショルダと違っ
て外面ショルダの場合は、カップリングの曲げ剛性が関
係するので、D=カップリング外径、t=カップリング
肉厚、とする。ボックス側先端が曲げ変形するのは、ボ
ックス側先端は肉厚が薄く、自由端であるため、ボック
ス部先端の曲げ剛性がピン根元のそれより小さいからで
ある。その傾きの変化分θa だけ、あるいはθa よりわ
ずかに大きい角だけ、ボックス側トルクショルダ形成面
の傾きθ2 をピン側トルクショルダ形成面の傾きθ1
それより小さく設定する。このとき、ほぼ均一な接触圧
あるいは、外面側56および66でやや高くシール形成
部側57および67でやや低い接触圧が得られる。
【0057】この結果、外面ショルダの場合、引張応力
が負荷されても、外面側が口開きしないようになる。そ
の他、内面ショルダの場合の上記した効果がそのまま外
面ショルダの場合にあてはまる。
【0058】内面ショルダと外面ショルダを併せ持つ継
手は、言及するまでもなく、本発明の構成がそのまま適
用される。
【0059】上記した説明はカップリング方式の場合を
説明したが、本発明をインテグラル方式に適用する場合
には、パイプの一端にはピン部材を構成する雄ねじ、シ
ールおよびショルダ形成面を装備し、もう一方の端には
肉盛加工を施した後、ボックス部材を構成する雌ねじ、
シールおよびショルダ形成面を装備すればよいので、本
発明の構成をそのまま適用することができる。
【0060】
【実施例】つぎに本発明の効果を実施例に基づいて説明
する。
【0061】表1、表2、表3および表4は、試験に供
した発明例および比較例の継手のトルクショルダ形成面
の傾きおよび継手の形式を示す一覧表である。表1およ
び表2に示す継手A、B、C、D、E、F、G、H、I
およびJ(以下、これら全ての継手を指す場合に継手A
等という)は、“D/tおよびδr をすべて共通に1
7.78および0.4”とするものである。表3および
表4に示す継手Kおよび継手Lは、それぞれ“D/t=
13.78、δr =0.199”および“D/t=2
1.72、δr =0.528”と、継手A等に比較して
D/tおよびδr を高低に変化させてある。継手A等に
比較してD/tおよびδr ともに小さい継手Kはそのト
ルクショルダ形成面の傾きの差θをほぼ比例させて小さ
くし、また逆にD/tおよびδr が継手A等より大きい
継手Lは傾きの差θを比例的に大きく設定してある。
【0062】表1〜表4の発明例の継手は、図1および
図2に示した、内面ショルダ、外面ショルダおよび内外
面併設ショルダの継手である。表2に示す比較例は、ピ
ン側およびボックス側トルクショルダ形成面の傾きを同
一にした継手、軟質金属でシール面などを被覆した継
手、滑らかな溝を設けた薄いリップ部を有する継手(図
5)もしくはピン側およびボックス側のトルクショルダ
形成面を曲率半径の異なる凸面および凹面とした継手
(図6)などを調査した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】これらの継手を以下の試験に供試して、性
能を評価した。
【0068】イ.繰り返し締結試験 潤滑用グリスをねじ部およびねじ無し部に塗布し、継手
の締結および解体を10回繰り返し行った後、シール部
およびトルクショルダ部の変化の様子を調査した。
【0069】ロ.引張応力下のすき間発生試験 上記した試験の後、継手を締結し、管本体に降伏強度の
80%に相当する応力が生じるような軸方向の引張力
(245.2ton)を負荷した状態でトルクショルダ
内面あるいは外面のすき間の有無を調査した。
【0070】ハ.複合荷重下における腐食試験 上記したロ.の引張応力を負荷したまま、硫化水素と二
酸化炭素の混合気体を、継手を含む管内部に封入した。
混合気体の圧力は、管本体に降伏強度の80%に相当す
る応力を生じる圧力5.24kgf/mm2 とした。そ
の状態で500時間保持した後に継手を解体し腐食箇所
を調査した。
【0071】表5および表6は、上記した三種類の試験
(イ.、ロ.およびハ.)の試験結果を示す一覧表であ
る。同表より、比較例ではいずれかの試験で不具合が生
じているが、本発明に係る継手はいずれの試験において
も良好な結果となっている。
【0072】表6は、D/tおよびδr に応じて傾きの
差θを比例させて変化させた継手Kおよび継手Lの試験
結果であるが、D/tおよびδr にほぼ比例させて傾き
の差θを変化させることが有効であることを明確に示す
結果である。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【発明の効果】本発明に係る油井管用ねじ継手は、連結
された管の自重などによる引張負荷下でも、内面ショル
ダではトルクショルダ部の内面側、または外面ショルダ
ではショルダ部の外面側で、すき間が生じない。このた
め、内部または外部の流体がトルクショルダのすき間か
ら継手内部に浸透することによって生じるすき間腐食を
防止でき、かつトルクショルダ部に過度の塑性変形が生
じないことから、数十回の繰り返し使用に耐えることが
できる。今後、ますます厳しくなる採掘条件に大きなコ
スト上昇を伴わずに耐久性に優れた継手の提供が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、シール部とトルクショルダ部をもつカ
ップリング方式の継手で、ピン側のトルクショルダ形成
面の傾きをボックス側トルクショルダ形成面の傾きより
小さくした構造を有する内面ショルダ近傍を表す図面で
あり、(a)は締結前のピン側およびボックス側のシー
ル形成面およびトルクショルダ形成面を、(b)は締結
後のシール部およびトルクショルダ部に発生する接触圧
分布(計算結果)を表す図面である。
【図2】図2は、内面ショルダと外面ショルダを併せ持
つ油井管用ねじ継手を表す図面であり、(a)は締結後
のピン部およびボックス部を、(b)は(a)に示す外
面ショルダの部分で、ボックス側のトルクショルダ形成
面の傾きをピン側トルクショルダ形成面の傾きより小さ
くした構造を表す図面である。
【図3】図3は、シール部とトルクショルダ部をもつカ
ップリング方式の継手であって、内面ショルダの場合の
油井管用ねじ継手の一例を示す図面であり、(a)は管
本体とカップリングを締結した状態を、(b)は(a)
のねじ部、シール形成部およびトルクショルダ形成部を
表す図面である。
【図4】図4は、ピン側トルクショルダ形成面とボック
ス側トルクショルダ形成面の間にリング状の軟質材料か
らなるパッキングを挿入した継手を表す図面である。
【図5】図5は、ピン部先端(リップ部)を薄くするこ
とによって、弾性変形を利用して高い密封性能をもたせ
る継手を表す図面であり、(a)は締結前のピン部およ
びボックス部のそれぞれのシール形成面およびトルクシ
ョルダ形成面を、(b)は締結後のシール部およびトル
クショルダ形成部の接触圧分布を表す。
【図6】図6は、ピン側トルクショルダ形成面(凸面)
とボックス側トルクショルダ形成面(凹面)の各曲率中
心位置をずらした接触によりピン部先端付近に発生する
管外径方向への膨らみによってシール部の密封性能を高
めた継手を示す図面である。
【図7】図7は、有効径の大きいピン側シール形成部分
に生じる縮径方向への曲げ変形によりピン側トルクショ
ルダ面がボックス側トルクショルダ面に対してθa だけ
傾く様子を表す図面である。
【符号の説明】
θ’…ピン先端リップ部のたわみ角、 θa …ピン先端リップ部の曲げ変形によるピン側トルク
ショルダ形成面の傾きの変化、 θ1 …ピン側トルクショルダ形成面の傾き、 θ2 …ボックス側トルクショルダ形成面の傾き、 θ…ピン側およびボックス側トルクショルダ形成面の傾
きの差 ここで、内面ショルダの場合:θ=θ2 −θ1 (>
0)、 外面ショルダの場合:θ=θ1 −θ2 (>0) 10…管本体、 11…ピン部、 12…雄ねじ、 20…カップリング、 21…ボックス部、 22…雌ねじ、 30…リング状パッキング、 31…周方向に設けられた滑らかな溝、 32…締結時のシール形成部、 33…締結時のトルクショルダ形成部 ・以下の符号は内面ショルダの場合に限定される。 13…ピン部のシール形成面、 23…ボックス部のシール形成面、 14…ピン部のトルクショルダ形成面、 24…ボックス部のトルクショルダ形成面、 16…ピン部のトルクショルダ形成面の管内面側の端
部、 26…ボックス部のトルクショルダ形成面の管内面側の
端部、 17…ピン部のトルクショルダ形成面のシール形成側の
端部、 27…トルクショルダ形成面のシール形成側の端部、 ・以下の符号は外面ショルダの場合に限定される。 53…ピン部のシール形成面、 63…ボックス部のシール形成面、 54…ピン部のトルクショルダ形成面、 64…ボックス部のトルクショルダ形成面、 56…ピン部のトルクショルダ形成面の管外面側の端
部、 66…ボックス部のトルクショルダ形成面の管外面側の
端部、 57…ピン部のトルクショルダ形成面のシール形成側の
端部、 67…トルクショルダ形成面のシール形成側の端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 15/00 F16L 15/04 F16L 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雄ねじを有するピン部(11)の先端の外
    表面に設けたシール形成面(13)と、雌ねじを有する
    ボックス部(21)の内面に設けたシール形成面(2
    3)とを嵌合させることによりシール部を形成し、ピン
    の最先端部に設けたトルクショルダ形成面(14)と、
    それに対応するボックス側に設けたトルクショルダ形成
    面(24)とを突き合わせることにより内面ショルダを
    形成する下記(イ)および(ロ)の特徴を有する油井管
    用ねじ継手。 (イ)ピン側およびボックス側のシール形成面はそれぞ
    れ回転面からなり、ピン側シール形成面(13)の有効
    径はボックス側シール形成面(23)の有効径よりも大
    きい。 (ロ)ピン側トルクショルダ形成面の傾き(θ1 )はボ
    ックス側トルクショルダ形成面の傾き(θ2)より小さ
    く、両者の傾きの差(θ)は、0.5゜≦θ≦4.0゜
    を満足する。ただし、θ=θ2−θ1
  2. 【請求項2】雄ねじを有するピンの根元の外表面に設け
    たシール形成面(53)と、雌ねじを有するボックスの
    先端内面に設けたシール形成面(63)とを嵌合させる
    ことによりシール部を形成し、ボックス最先端に設けた
    トルクショルダ形成面(64)と、それに対応するピン
    根元の外面に設けたトルクショルダ形成面(54)とを
    突き合わせることにより外面ショルダを形成する下記
    (イ)および(ハ)の特徴を有する油井管用ねじ継手。 (イ)ピン側およびボックス側のシール形成面はそれぞ
    れ回転面からなり、ピン側シール形成面(53)の有効
    径はボックス側シール形成面(63)の有効径よりも大
    きい。(ハ) ピン側トルクショルダ形成面の傾き(θ1 )はボ
    ックス側トルクショルダ形成面の傾き(θ2 )よりわず
    かに大きく、両者の傾きの差(θ)は、0.5゜≦θ≦
    4.0゜を満足する。ただし、θ=θ1−θ2
  3. 【請求項3】さらに、下記(ニ)の特徴を有する請求項
    1または請求項2に記載の油井管用 ねじ継手。 (ニ)ピン側トルクショルダ形成面の傾き(θ 1 ) とボ
    ックス側トルクショルダ形成面の傾き(θ 2 )の差
    (θ)は、D/tおよびδr のそれぞれにほぼ比例関係
    にあり、D/tあるいはδr の値が大きい場合は、ピン
    側およびボックス側のトルクショルダ形成面の傾きの差
    (θ)を大きくし、反対にD/tあるいはδrの値が小
    さい場合はトルクショルダ形成面の傾きの差(θ)を小
    さくする。ただし、D、tおよびδrは以下の通り。 D=管またはカップリングの外径、t=管またはカップリングの肉厚 δr =(シール形成面の径方向の嵌合しろ)−(ねじ
    形成面の径方向の嵌合しろ)
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