JP3285916B2 - 板材加工機のワークテーブル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形機の如き板
材加工機のワークテーブル装置に関し、特に加工板材を
一つの座標軸方向に移動可能に支持する板材加工機のワ
ークテーブル装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プレス成形機等の板材加工機には、パン
チとダイとによるプレス加工部の如き板材加工部に対し
て加工板材をワークキャレッジ等によりワークパスライ
ンに沿って座標軸方向へ移動させることにより、加工板
材の所定位置に加工を施こすよう構成された被加工物移
動式のものがある。

【０００３】この種の板材加工機に於いては、ワークテ
ーブル装置は加工板材をワークパスライン高さ位置にて
座標軸方向に移動可能に支持するよう構成され、このワ
ークテーブル装置は、多くの場合、テーブル部材と板材
加工部との干渉防止のために、全部、或はタレットティ
スクパンチプレスに於けるセンタテーブルの如く、一部
が固定テーブルとして構成され、固定テーブルに於いて
は、ワークパスラインに沿って延在するワークデーブル
面にて加工板材をフリーベアリング等により滑動可能に
支持するように構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の如きワークテー
ブル装置に於ける板材支持は、フリーベアリング等によ
るポイントサポートにより行われることになり、この場
合は、打ち抜き製品のミクロジョイントがフリーベアリ
ングに引っかかってこれが外れたり、打ち抜き製品の寸
法が小さいと、打ち抜き製品がフリーベアリング間に落
下するために打ち抜き寸法の下限が生じる欠点がある。
またフリーベアリング上を加工板材が滑動る際に、加工
板材にすり傷が生じる虞れがあり、更に騒音も生じる問
題がある。

【０００５】また固定テーブルの場合は、ワークキャレ
ッジにワーククランプ手段、オーバライド検出部材等と
の干渉回避のために、上下動機構を設ける必要がある。

【０００６】本発明は、従来の被加工物移動式板材加工
機のワークテーブル装置に於ける上述の如き問題点に着
目してなされたものであり、ミクロジョイントを破壊し
たり、加工板材にすり傷を与えることなく小寸法の打ち
抜き製品も確実に支持し、しかも大きい騒音を生じるこ
とがない板材加工機のワークテーブル装置を提供するこ
とを目的としている。

【０００７】本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされ
たもので、請求項１に係る発明は、Ｘ軸方向へ移動自在
の加工板材にプレス加工を行うべくＹ軸方向へ移動自在
の上下の金型のＸ軸方向の両側で前記加工板材を支持す
る複数のワーク支持ベルトをＹ軸方向へ並列して設け、
上記各ワーク支持ベルトを同期して同方向へ移動自在に
設けると共に上記各ワーク支持ベルトを個別に上下動自
在に設けた構成である。

【０００８】請求項２に係る発明は、加工板材を一つの
座標軸方向に移動可能に支持する板材加工機のワークテ
ーブル装置に於いて、ワークパスラインに沿って延在し
てワークテーブル面をなすワーク支持部を含み、前記ワ
ーク支持部が加工板材の移動と同期して加工板材の移動
方向に同方向へ同速度にて移動するよう構成されたワー
ク支持ベルトを有しており、前記ワーク支持ベルトは加
工板材の移動方向に直交する方向に細分化され、板材加
工機の板材加工部に対応する位置に位置するベルトのワ
ーク支持部は当該板材加工部を迂回するよう構成されて
いるものである。

【０００９】

【００１０】

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。

【００１２】図９は本発明によるワークテーブル装置を
プレス式の両面成形加工機に適用した一実施例を示して
いる。両面成形加工機はベッド部材１上にリニアガイド
部３に案内されてＸ軸座標方向へ往復動可能な枠状のワ
ークキャレッジスライダ５を有している。ワークキャレ
ッジスライダ５は、ワーククランプ７（図１参照）によ
り枠内にて加工板材Ｗを着脱可能にワークパスラインＰ
Ｌ（図２参照）に沿って水平支持するようになってお
り、下底部に設けられた図示されていないラックにより
Ｘ軸サーボモータ９のピニオン１１と噛合し、Ｘ軸座標
方向へ往復駆動されるようになっている。

【００１３】ベッド部材１には門型フレーム１３がベッ
ド部材１をＹ軸座標方向に跨ぐようにして取り付けられ
ている。またベッド部材１内には門型フレーム１３と同
一位置にてベッド部材１をＹ軸座標方向に横切って延在
する下部フレーム１５（図１、図２参照）が設けられて
いる。

【００１４】門型フレーム１３にはリニアガイド部１７
（図２参照）により上部金型キャリヤ部材１９が、また
下部フレーム１５にはリニアガイド部２１（図２参照）
により下部金型キャリヤ部材２３が各々Ｙ軸座標方向に
往復動可能に取り付けられている。

【００１５】上部金型キャリヤ部材１９と下部金型キャ
リヤ部材２３はワークパスラインＰＬを挟んで上下に整
合対向し、上部金型キャリヤ部材１９はパンチの如き上
部金型２５（図２参照）を交換可能に支持し、下部金型
キャリヤ部材２３はダイの如き下部金型２７（図２参
照）を交換可能に支持するようになっている。上部金型
キャリヤ部材１９は、図示されていないが、上部金型２
５を打圧するためのラム等を含む打圧機構を内蔵してお
り、また下部金型キャリヤ部材２３は下部金型２７をワ
ークパスラインＰＬの高さ位置に整合する上昇位置とこ
れより３０ｍｍ程度下方の降下位置との間に上下動させ
る金型上下動アクチュエータ２９を内蔵している。

【００１６】門型フレーム１３にはＹ軸サーボモータ３
１が取り付けられている。Ｙ軸サーボモータ３１は、ベ
ルト式同期駆動装置３３により上部ボールねじ３５（図
２参照）と下部ボールねじ３７（図２参照）とに同期駆
動連結され、上部金型キャリヤ部材１９と下部金型キャ
リヤ部材２３とをＹ軸座標方向へ互いに同期往復駆動す
るようになっている。

【００１７】また上部金型キャリヤ部材１９に於ける上
部金型２５と下部金型キャリヤ部材２３に於ける下部金
型２７は、各々垂直な中心軸線周りに回転可能になって
おり、門型フレーム１３に取り付けられたインディクス
モータ３９により各々割出し回転駆動され、回転姿勢を
可変設定されるようになっている。

【００１８】またベッド部材１の一方の側には金型スト
ッカ４１が設けられており、金型ストッカ４１に貯蔵さ
れている上部金型２５と下部金型２７は図示されていな
い金型自動交換装置により上部金型キャリヤ部材１９と
下部金型キャリヤ部材２３とに交換可能に自動装着され
るようになっている。

【００１９】図１〜図３は本発明によるワークテーブル
装置の要部を示している。このワークテーブル装置は、
ワークキャレッジスライダ５による加工板材Ｗの移動方
向（Ｘ軸座標方向）に直交する方向、即ちＹ軸座標方向
に細分化されてベッド部材１内に配置された多数のワー
ク支持ベルト４３を有している。換言すれば、多数のワ
ーク支持ベルト４３はＹ軸座標方向に所定間隔をおいて
互いに平行に配置されている。

【００２０】ワーク支持ベルト４３は各々、所定の幅を
有するゴム等の可撓性帯体により構成されて無端状をな
し、８個のプーリ４５、４７、４９、５１、５３、５
５、５７、５９間に巡回走行可能に掛け渡されている。

【００２１】各ワーク支持ベルト４３のプーリ４５、５
９とプーリ５５、５７は下部フレーム１５の両側に各々
にガイド部材６１、６３によりＸ軸座標方向に各々個別
に移動可能に配置された可動プーリ支持部材６５、６７
により回転可能に支持され、プーリ４７、４９とプーリ
５３、５１は各々ベッド部材１のＸ軸座標方向の両端部
に上下に配置されている。

【００２２】各ワーク支持ベルト４３は、プーリ４５と
４７間、及びプーリ５５と５３間にてはワークパスライ
ンＰＬに沿ってＸ軸座標方向に水平に延在しており、こ
の領域にてＸ軸座標方向に可動のワークテーブル面をな
すようになっている。ここで、ワーク支持ベルト４３の
プーリ４５と４７との間の領域をフロント側ワーク支持
部４３ｆ、プーリ５５と５３との間の領域をリヤ側ワー
ク支持部４３ｒと称することにする。

【００２３】可動プーリ支持部材６５、６７は上述のプ
ーリと同様に各ワーク支持ベルト４３毎に個別に設けら
れており、この可動プーリ支持部材６５、６７の各々に
はサーボモータ６９、７１が搭載されている。サーボモ
ータ６９、７１には各々Ｘ軸座標方向に延在するボール
ねじ７３、７５が取り付けられており、ボールねじ７
３、７５は各々ガイド部材６１、６３に固定されたナッ
ト部材７７、７９と螺合している。

【００２４】これにより可動プーリ支持部材６５、６７
は各々個別にＸ軸座標方向に移動し、プーリ４５、５５
のＸ軸座標方向位置を変更することになる。このプーリ
４５、５５のＸ軸座標方向位置の変更により、フロント
側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒの各
々のＸ軸座標方向長さが変化することになる。

【００２５】サーボモータ６９、７１による可動プーリ
支持部材６５、６７のＸ軸座標方向移動は、下部金型キ
ャリヤ部材２３のＹ軸座標方向の移動に応じて下部金型
キャリヤ部材２３との干渉を避けるように行われ、これ
により下部金型キャリヤ部材２３に対応する位置にある
ワーク支持ベルト４３のプーリ４５、５５は、図２に示
されている如く、下部金型キャリヤ部材２３をＸ軸座標
方向に挟んで、その両側近傍に位置し、これに対し下部
金型キャリヤ部材２３と対応しない位置にあるワーク支
持ベルト４３のプーリ４５、５５は、図３に示されてい
る如く、下部金型キャリヤ部材２３を挟むことなく互い
に近接した位置に位置することになる。

【００２６】尚、プーリ４５と５５間にはワーク支持ベ
ルト４３が存在しないギャップＧが存在することにな
る。このギャップＧは、当該ギャップＧに対する加工板
材Ｗの落込み防止等のために、図１に示されている如
く、隣合うワーク支持ベルト４３に於て交互にＸ軸座標
方向に異なる位置にジグザグ状に生じ、各ワーク支持ベ
ルト４３のギャップＧがＹ軸座標方向に一直線に連続し
ないように考慮されている。

【００２７】上述の如き可動プーリ支持部材６５、６７
の移動によるプーリ４５、５５のＸ軸座標方向移動によ
りワーク支持ベルト４３は、プーリ４５、５９、５７、
５５間にて下部金型キャリヤ部材２３の下方を迂回して
延在する。

【００２８】ガイド部材６１、６３とプーリ４７、５３
は各々上下動流体圧シリンダ装置８１、８３、８５、８
７と連結され、これら流体圧シリンダ装置により上下駆
動されるようになっている。このガイド部材６１、６３
とプーリ４７、５３の上下駆動により、各ワーク支持ベ
ルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワー
ク支持部４３ｒは、各々個別に、パスラインＰＬに整合
する上昇位置とこれより３０ｍｍ程度下方の降下位置と
の間に水平状態を保って上下動することになる。

【００２９】各プーリ４９はベルトテンション維持用流
体圧シリンダ装置８９に連結されてＸ軸方向へ変位可能
になっており、ベルトテンション維持用流体圧シリンダ
装置８９による各プーリ４９のＸ軸方向変位により、プ
ーリ４５、４７、５３、５５、５７の移動に拘らず各ワ
ーク支持ベルト４３のテンションが所定の一定値に保た
れるようになっている。

【００３０】各ワーク支持ベルト４３は、連結部９１に
よりワークキャレッジスライダ５と上下変位可能に一様
に連結され、ワークキャレッジスライダ５のＸ軸座標方
向移動に追従してプーリ４５、４７、４９、５１、５
３、５５、５７、５９間を巡回走行するようになってい
る。これにより各ワーク支持ベルト４３のフロント側ワ
ーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒは各々ワ
ークキャレッジスライダ５のＸ軸座標方向に移動と同期
して同方向へ同速度にて移動することになる。

【００３１】次に上述の如き構成よりなるワークテーブ
ル装置を備えた両面成形加工機の動作について説明す
る。ワーククランプ７により加工板材Ｗをクランプし、
加工板材Ｗをワークキャレッジスライダ５にセットす
る。これにより加工板材Ｗはワークキャレッジスライダ
５と連結され、上昇位置にある各ワーク支持ベルト４３
のフロント側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部
４３ｒに面状接触し、フロント側ワーク支持部４３ｆと
リヤ側ワーク支持部４３ｒ上に載置されてこれらよりワ
ークパスラインＰＬに整合する高さ位置に水平に支持さ
れる。

【００３２】Ｘ軸サーボモータ９によるワークキャレッ
ジスライダ５のＸ軸座標方向移動により加工板材Ｗはワ
ークパスラインＰＬに沿ってＸ軸座標方向に移動し、Ｙ
軸サーボモータ３１による上部金型キャリヤ部材１９と
下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向移動により、
上部金型キャリヤ部材１９の上部金型２５と下部金型キ
ャリヤ部材２３の下部金型２７がＹ軸座標方向に移動
し、加工板材Ｗの所定位置に上部金型２５と下部金型２
７によってパンチ加工等の成形加工が行われる。

【００３３】ワークキャレッジスライダ５による加工板
材ＷのＸ軸座標方向の移動時には、ワークキャレッジス
ライダ５のＸ軸座標方向移動に追従して各ワーク支持ベ
ルト４３がプーリ４５、４７、４９、５１、５３、５
５、５７、５９間を巡回走行することから、各ワーク支
持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆとリヤ側
ワーク支持部４３ｒは各々ワークキャレッジスライダ５
の加工板材ＷのＸ軸座標方向に移動と同期して同方向へ
同速度にて移動する。

【００３４】これにより加工板材ＷのＸ軸座標方向の移
動時に加工板材Ｗとこれを支持するワークテーブル面を
なすワーク支持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４
３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒとの間に相対変位が生
じることがなく、即ち加工板材ＷがＸ軸座標方向移動時
にワークテーブル面（フロント側ワーク支持部４３ｆと
リヤ側ワーク支持部４３ｒ）に対して滑りを生じること
がなく、加工板材Ｗにすり傷が付くことが回避される。

【００３５】また加工板材ＷのＸ軸座標方向の移動時に
は、下部金型キャリヤ部材２３の下部金型２７は金型上
下動アクチュエータ２９によりワークパスラインＰＬよ
り下方の位置に降下され、これにより加工板材Ｗと下部
金型２７との接触により加工板材Ｗに傷が付くことも回
避される。

【００３６】各ワーク支持ベルト４３のフロント側ワー
ク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒは、加工板
材Ｗの成形加工中も加工板材Ｗの移動時に引き続いてワ
ークパスラインＰＬに整合する上昇位置にあって加工板
材ＷをワークパスラインＰＬに整合する高さ位置にて水
平に支持する。

【００３７】これにより、多数個取りのパンチ加工等に
於いても加工板材Ｗに垂れが生じることが防止され、加
工精度の低下、ミクロジョイントの破壊が回避される。

【００３８】バーリング成形、ランス成形、ルーバ成形
等の下向き成形加工時には、下部金型キャリヤ部材２３
の下部金型２７は金型上下動アクチュエータ２９によ
り、下向き成形高さ分だけ降下される。この下向き成形
加工完了後には、図７に示されている如く、バーリング
成形、ランス成形、ルーバ成形等の下向き成形部Ｍに対
応する位置にあるワーク支持ベルト４３の上下動流体圧
シリンダ装置８１、８３、８５、８７によりガイド部材
６１、６３、プーリ４７、５３が降下し、そのワーク支
持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆとリヤ側
ワーク支持部４３ｒが下向き成形部Ｍとの干渉を避ける
べく水平降下する。この下向き成形部Ｍに対応する位置
にあるワーク支持ベルト４３の選択はＮＣプログラム等
よりの指示により行われればよい。

【００３９】ワークキャレッジスライダ５にクランプ装
着された加工板材Ｗはワークキャレッジスライダ５より
取り外されない限り、ワーク支持ベルト４３のフロント
側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒに対
してＸ軸座標方向にもＹ軸座標方向にも相対位置を変動
することがないから、下向き成形部Ｍに対応する位置に
あるワーク支持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４
３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒが降下されると、加工
板材Ｗに下方へ突出した下向き成形部Ｍが成形されて
も、加工板材Ｗは、下向き成形部Ｍが成形されていない
部分を、引き続きワークパスラインＰＬに整合する高さ
位置にあるワーク支持ベルト４３のフロント側ワーク支
持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒにより引き続き
ワークパスラインＰＬに整合する高さ位置にて水平に安
定支持される。

【００４０】下向き成形部Ｍに対応する位置にあるワー
ク支持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆとリ
ヤ側ワーク支持部４３ｒの降下量は、図８に示されてい
る如く、対応する下向き成形部Ｍの成形高さに応じて各
々個別に設定されてよく、この場合は下向き成形部Ｍも
ワーク支持ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆ
とリヤ側ワーク支持部４３ｒより支持される。

【００４１】尚、バーリング成形、ランス成形、ルーバ
成形等が上向き成形される場合は、ワーク支持ベルト４
３のフロント側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持
部４３ｒを降下させる必要はない。

【００４２】Ｙ軸サーボモータ３１による上部金型キャ
リヤ部材１９と下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方
向移動時には、このＹ軸座標方向移動に伴いワーク支持
ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆのプーリ４
５側とリヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５５側との間
に下部金型キャリヤ部材２３が進入すべく、サーボモー
タ６９により可動プーリ支持部材６５が図２、図３にて
左方へ移動し、サーボモータ７１により可動プーリ支持
部材６７が図２、図３にて右方へ移動する。

【００４３】これによりワーク支持ベルト４３のフロン
ト側ワーク支持部４３ｆのプーリ４５側とリヤ側ワーク
支持部４３ｒのプーリ５５側との間隔が下部金型キャリ
ヤ部材２３の通過を許す程度の広さに広がり、下部金型
キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向の移動がワーク支持ベ
ルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆおよびリヤ側
ワーク支持部４３ｒより阻害されることなく行われるよ
うになる。

【００４４】下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向
移動により、上述の如くフロント側ワーク支持部４３ｆ
のプーリ４５側とリヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５
５側との間隔を広げられたワーク支持ベルト４３の可動
プーリ支持部材６５、６７は、下部金型キャリヤ部材２
３の通過後、元の位置に戻り、フロント側ワーク支持部
４３ｆのプーリ４５側とリヤ側ワーク支持部４３ｒのプ
ーリ５５側との間隔は元のギャップＧの大きさに戻る。

【００４５】図４〜図６は本発明によるワークテーブル
装置の他の実施例を示めしている。尚、図４〜図６に於
いて、図１〜図３に対応する部分は図１〜図３に付した
符号と同一の符号により示されている。この実施例に於
いては、可動プーリ支持部材６５、６７は各々ばね９
３、９５によりワーク支持ベルト４３のフロント側ワー
ク支持部４３ｆのプーリ４５側とリヤ側ワーク支持部４
３ｒのプーリ５５側とが互いに近付く方向へ付勢されて
いる。

【００４６】可動プーリ支持部材６５、６７には各々カ
ムフォロアローラ９７、９９が回転可能に取り付けられ
ている。下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向の両
側に先細の二等辺三角形状のカム部材１０１が固定装着
されており、カム部材１０１の二等辺部にカムフォロア
ローラ９７、９９が各々ばね９３、９５のばね力により
当接している。

【００４７】この実施例に於いては、下部金型キャリヤ
部材２３と対応していない位置にあるワーク支持ベルト
４３のカムフォロアローラ９７と９９は、ばね９３、９
５のばね力により、直接当接し、そのワーク支持ベルト
４３のフロント側ワーク支持部４３ｆのプーリ４５側と
リヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５５側との間隔は小
さいギャップＧに保たれる。

【００４８】これに対し下部金型キャリヤ部材２３と対
応している位置にあるワーク支持ベルト４３のカムフォ
ロアローラ９７と９９は、下部金型キャリヤ部材２３の
側周壁部、あるいはカム部材１０１の二等辺部に各々ば
ね９３、９５のばね力により当接し、ワーク支持ベルト
４３のフロント側ワーク支持部４３ｆのプーリ４５側と
リヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５５側との間に下部
金型キャリヤ部材２３が位置する。

【００４９】Ｙ軸サーボモータ３１による上部金型キャ
リヤ部材１９と下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方
向移動時には、このＹ軸座標方向移動に伴い可動プーリ
支持部材６５のカムフォロアローラ９７と可動プーリ支
持部材６７のカムフォロアローラ９９との間にカム部材
１０１が進入し、可動プーリ支持部材６５がばね９３の
ばね力に抗して図４〜図６にて左方へ移動し、可動プー
リ支持部材６７がばね９５のばね力に抗して図４〜図６
にて右方へ移動する。

【００５０】これによりワーク支持ベルト４３のフロン
ト側ワーク支持部４３ｆのプーリ４５側とリヤ側ワーク
支持部４３ｒのプーリ５５側との間隔が広がり、下部金
型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向の移動がワーク支持
ベルト４３のフロント側ワーク支持部４３ｆおよびリヤ
側ワーク支持部４３ｒより阻害されることなく行われる
ようになる。

【００５１】下部金型キャリヤ部材２３のＹ軸座標方向
移動により、上述の如くフロント側ワーク支持部４３ｆ
のプーリ４５側とリヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５
５側との間隔を広げられたワーク支持ベルト４３の可動
プーリ支持部材６５、６７は、下部金型キャリヤ部材２
３の通過後、ばね９３、９５のばね力により元の位置に
戻り、フロント側ワーク支持部４３ｆのプーリ４５側と
リヤ側ワーク支持部４３ｒのプーリ５５側との間隔は元
のギャップＧの大きさに戻る。

【００５２】上述の何れの実施例に於いても、ワークキ
ャレッジスライダ５の原点位置時にはワーク支持ベルト
４３も同位相位置にくるから、ワーク支持ベルト４３に
貫通孔を設け、ワークパスライン高さ位置に設けたウレ
タンフリーベアリング等がワーク支持ベルト４３の降下
により前記貫通孔に嵌合することにより、原点セットが
行われればよい。またこの原点セットは、互いに隣接す
るワーク支持ベルト４３間に立設されたブラシ部材によ
り行われてもよい。

【００５３】上述の実施例に於いては、加工板材Ｗはワ
ークキャレッジスライダ５にクランプ装着されてＸ軸座
標方向へ移動されるが、加工板材Ｗは、ワークキャレッ
ジスライダ５を用いず、ワーク支持ベルト４３のフロン
ト側ワーク支持部４３ｆとリヤ側ワーク支持部４３ｒの
Ｘ軸座標方向移動によりＸ軸座標方向に移動されてもよ
く、この場合はワーク支持ベルト４３がＸ軸サーボモー
タにより強制駆動されればよい。またワーク支持ベルト
４３は、ワークキャレッジスライダ５が用いられる場合
も、ワークキャレッジスライダ５のＸ軸座標方向駆動源
とは別の駆動源により駆動されてもよい。

【００５４】以上に於ては、本発明を特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明は、これらに限定される
ものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能
であることは当業者にとって明らかであろう。

【００５５】

【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、本発明においては、Ｙ軸方向へ移動自在の上
下の金型のＸ軸方向の両側で加工板材を支持する複数の
ワーク支持ベルトはＹ軸方向に並列してあり、かつ各ワ
ーク支持ベルトは同期して同方向へ移動自在であると共
に各ワーク支持ベルトを個別に上下動自在に設けてある
から、加工板材をＸ軸方向に移動するとき、各ワーク支
持ベルトと加工板材との間の滑りを防止できると共に、
加工板材に下方向へ突出した成形加工を行った場合であ
っても容易に対応でき得るものであり、前述したごとき
従来の問題を解消し得るものである。

【００５６】またワーク支持ベルトが加工板材の移動方
向に直交する方向に細分化され、板材加工機の板材加工
部に対応する位置に位置するベルトのワーク支持部が当
該板材加工部を迂回するよう構成されている場合は、板
材加工部周りに加工板材非支持の大きい間隙が生じるこ
とがなく、このことによりミクロジョイントの破壊が回
避され、剛性が低い薄板の加工、多数個取り加工も確実
に高精度に行われ得るようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による板材加工機のワークテーブル装置
の一実施例を示す概略平面図である。

【図２】図１の線II−IIに沿った断面図である。

【図３】図１の線 III−III に沿った断面図である。

【図４】本発明による板材加工機のワークテーブル装置
の他の実施例を示す平面図である。

【図５】図４に示された本発明による板材加工機のワー
クテーブル装置の要部を拡大して示す平面図である。

【図６】図４に示された本発明による板材加工機のワー
クテーブル装置の要部を縦断面図である。

【図７】本発明による板材加工機のワークテーブル装置
の一動作例を示す部分的側面図である。

【図８】本発明による板材加工機のワークテーブル装置
の他の動作例を示す部分的側面図である。

【図９】本発明によるワークテーブル装置をプレス式の
両面成形加工機に適用した一実施例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ ベッド部材 ５ ワークキャレッジスライダ ９ Ｘ軸サーボモータ １３ 門型フレーム １５ 下部フレーム １９ 上部金型キャリヤ部材 ２１ リニアガイド部 ２３ 下部金型キャリヤ部材 ２５ 上部金型 ２７ 下部金型 ２９ 金型上下動アクチュエータ ３１ Ｙ軸サーボモータ ３９ インディクスモータ ４１ 金型ストッカ ４３ ワーク支持ベルト ４３ｆ フロント側ワーク支持部 ４３ｒ リヤ側ワーク支持部 ６１、６３ ガイド部材 ６５、６７ 可動プーリ支持部材 ６９、７１ サーボモータ ８１、８３、８５、８７ 上下動流体圧シリンダ装置 ８９ ベルトテンション維持用流体圧シリンダ装置 ９１ 連結部 ９３、９５ ばね ９７、９９ カムフォロアローラ １０１ カム部材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ軸方向へ移動自在の加工板材にプレス
   加工を行うべくＹ軸方向へ移動自在の上下の金型のＸ軸
   方向の両側で前記加工板材を支持する複数のワーク支持
   ベルトをＹ軸方向へ並列して設け、上記各ワーク支持ベ
   ルトを同期して同方向へ移動自在に設けると共に上記各
   ワーク支持ベルトを個別に上下動自在に設けたことを特
   徴とする板材加工機のワークテーブル装置。
2. 【請求項２】 加工板材を一つの座標軸方向に移動可能
   に支持する板材加工機のワークテーブル装置に於いて、 ワークパスラインに沿って延在してワークテーブル面を
   なすワーク支持部を含み、前記ワーク支持部が加工板材
   の移動と同期して加工板材の移動方向に同方向へ同速度
   にて移動するよう構成されたワーク支持ベルトを有して
   おり、前記ワーク支持ベルトは加工板材の移動方向に直
   交する方向に細分化され、板材加工機の板材加工部に対
   応する位置に位置するベルトのワーク支持部は当該板材
   加工部を迂回するよう構成されていることを特徴とする
   板材加工機のワークテーブル装置。