JP3284605B2 - 光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法 - Google Patents

光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(RS)−1−(1−
ナフチル)エチルアミンから光学分割法により塩基性光
学分割剤として有用な光学活性1−(1−ナフチル)エ
チルアミンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ラセミ酸の光学分割剤としてエフ
ェドリン、キニーネ、ブルシンなどの塩基性天然光学分
割剤が利用されてきたが、これらの化合物は一般に高価
であり、また、天然から抽出されるために一対の対掌体
のうちどちらか一方の光学異性体しか利用できない場合
が多く、このような天然光学分割剤の欠点を補う合成光
学分割剤の開発が望まれてきた。
【0003】光学活性な1−(1−ナフチル)エチルア
ミンの製造法としては、(RS)−1−(1−ナフチ
ル)エチルアミンを光学分割する方法が知られている。
たとえば、(1) 光学活性シス−2−ベンズアミドシクロ
ヘキサンカルボン酸を分割剤として光学分割する方法
(特開昭58−24545号公報)、(2) 光学活性チア
ゾリン−4−カルボン酸を分割剤とする方法(特公昭6
4−10509号公報)、(3) 光学活性2−フェニルプ
ロピオン酸を分割剤とする方法(特開昭62−1754
46号公報)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法のうち(1) 、(3) は光学活性シス−2−ベンズアミド
シクロヘキサンカルボン酸や光学活性2−フェニルプロ
ピオン酸が比較的高価で工業的に入手が困難であり、
(2) の分割剤光学活性チアゾリン−4−カルボン酸は溶
媒に対する溶解性が高いため回収率が低く、工業的には
必ずしもよい分割方法とはいえない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
工業的に実施可能な光学活性1−(1−ナフチル)エチ
ルアミンの製造法を確立することを目的として鋭意検討
した。その結果、この目的は特定の光学活性酒石酸アニ
リド誘導体を分割剤として用いて光学分割することによ
り達成されることが判った。
【0006】すなわち、本発明は(RS)−1−(1−
ナフチル)エチルアミンを次の一般式(I)
【化2】 (式中、Rはメトキシ基を表す。)で表される光学活性
酒石酸アニリド誘導体を分割剤として用いて光学分割す
ることを特徴とする光学活性1−(1−ナフチル)エチ
ルアミンの製造法である。
【0007】以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】本発明で分割剤として用いる光学活性酒石
酸アニリド誘導体は、光学活性な酒石酸の誘導体であ
り、そのD体、L体を目的に応じて使い分けることがで
きる。
【0009】本発明で用いる光学活性酒石酸アニリド誘
導体は、たとえば、酒石酸に無水酢酸を反応させて得ら
れるジアセチル酒石酸無水物に置換アニリンを反応させ
た後、加水分解することにより高収率で得ることができ
る。もちろん、これ以外の方法で製造したものであって
も何ら問題ない。また、この分割剤は、非常に安定な化
合物であり、分割回収の際に、分解、ラセミ化すること
はほとんどない。すなわち、本発明で用いる分割剤は安
価に工業的に入手可能な化合物である。
【0010】本発明で用いる酒石酸アニリド誘導体は上
記式(I)で表される化合物であって、具体例として
、o−メトキシ−酒石酸アニリド、m−メトキシ−酒
石酸アニリド、p−メトキシ−酒石酸アニリドなどが挙
げられる。
【0011】本発明において、原料として用いられる
(RS)−1−(1−ナフチル)エチルアミンは(R)
−1−(1−ナフチル)エチルアミンと(S)−1−
(1−ナフチル)エチルアミンとを等量含むラセミ型混
合物だけでなく、いずれか一方の光学異性体を等量以上
に含む混合物も包含する。
【0012】(RS)−1−(1−ナフチル)エチルア
ミンの光学分割は次の手順と条件で行う。
【0013】まず、溶媒中で(RS)−1−(1−ナフ
チル)エチルアミン1モルに対して0.3〜1.5モ
ル、好ましくは0.5〜1.2モルの光学活性酒石酸ア
ニリド誘導体を接触させてジアステレオマー塩をつく
る。この時、塩酸、硫酸、りん酸などの鉱酸あるいはギ
酸、酢酸などの有機酸を共存させてもよい。鉱酸、有機
酸の使用量は、分割剤と合せて(RS)−1−(1−ナ
フチル)エチルアミン1モルに対して0.3〜1.5モ
ル、好ましくは0.5〜1.2モル量である。
【0014】ここで、使用する溶媒としては、(RS)
−1−(1−ナフチル)エチルアミンと光学活性酒石酸
アニリド誘導体を溶液中で化学的に変質せしめることな
く、かつ、ジアステレオマー塩を析出せしめるものであ
ればよい。たとえば、水、メタノール、エタノール、プ
ロパノールなどのプロトン溶媒、アセトン、アセトニト
リル、酢酸エチル、クロロホルム、トルエンなどの有機
溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。好
ましい溶媒は水、エタノールまたはこれらの混合溶媒で
あり、工業的には特に水が好ましい。
【0015】(RS)−1−(1−ナフチル)エチルア
ミンに光学活性酒石酸アニリド誘導体を接触させる方法
としては、前記溶媒中に(RS)−1−(1−ナフチ
ル)エチルアミン誘導体および光学活性酒石酸アニリド
誘導体を一挙に加えてもよいし、それらを順次加えても
よい。さらにあらかじめ(RS)−1−(1−ナフチ
ル)エチルアミンと光学活性酒石酸アニリド誘導体から
つくった塩を、前記溶媒中に溶解あるいは懸濁させても
よい。また、鉱酸や有機酸を共存させる場合も同様に、
一挙に加えてもよいし、それらを順次加えてもよい。
【0016】次に、かくして得られたジアステレオマー
塩を含む溶液を冷却および/あるいは濃縮すると、難溶
性のジアステレオマー塩が溶液から晶析してくる。
【0017】難溶性のジアステレオマー塩を溶液から析
出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の範
囲であればよく、目的に応じて適宜決められるが、通常
は0℃から100℃の範囲で十分である。
【0018】難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、瀘
過、遠心分離などの通常の固液分離法によって容易に分
離することができる。
【0019】一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離
した残りの母液を冷却および/あるいは濃縮し、易溶性
のジアステレオマー塩を析出せしめた後、これを分離す
ることもできる。
【0020】また、鉱酸や有機酸を共存させる場合には
母液を冷却および/あるいは濃縮すれば鉱酸塩や有機酸
塩が析出してくるので、これも分離することができる。
【0021】かくして得られる各ジアステレオマー塩を
適当な方法で分解することによって、(R)−1−(1
−ナフチル)エチルアミンまたは(S)−1−(1−ナ
フチル)エチルアミンと光学活性酒石酸アニリド誘導体
を分離・採取することができる。
【0022】ジアステレオマー塩の分解方法は任意であ
り、たとえば水性溶媒中、酸またはアルカリで処理する
方法などが適用できる。たとえばジアステレオマー塩を
水中に溶解または分散させた中に硫酸、塩酸などの鉱酸
を添加すると水に難溶性の酒石酸アニリド誘導体が析出
し、(R)−1−(1−ナフチル)エチルアミンまたは
(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミンの鉱酸塩の
水溶液が得られる。この水溶液中に水酸化ナトリウムな
どのアルカリ水溶液を添加し、これをトルエン、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテルなどの有機
溶媒で抽出すると(R)−1−(1−ナフチル)エチル
アミンまたは(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミ
ンが有機溶媒層に抽出されてくるので、抽出後溶媒を留
出することによって容易に光学活性1−(1−ナフチ
ル)エチルアミンを得ることができる。またジアステレ
オマー塩を水中に溶解または分散させた中に水酸化ナト
リウムなどのアルカリ水溶液を添加し、先に光学活性1
−(1−ナフチル)エチルアミンをトルエン、クロロホ
ルムなどの有機溶媒で抽出してもよい。
【0023】本発明で分割剤として用いる光学活性酒石
酸アニリド誘導体は水に難溶性であり、ジアステレオマ
ー塩溶液から高収率で回収することができ、しかも回収
過程で分解、ラセミ化することはほとんどない。
【0024】つまり、この分割剤は光学活性が保持され
ているので再使用して光学分割を行うことができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0026】なお、実施例中1−(1−ナフチル)エチ
ルアミンの光学純度(%ee)は、ジ−p−トルオイル
−L−酒石酸無水物(L−PTAN)と反応させたの
ち、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により次
の条件下で分析を行った。
【0027】 カラム:CAPCELL PAK SG120(資生
堂)4.6mmφ×150mm 溶離液:0.05%リン酸/メタノール=35/65 流 速:1.0ml/min 検 出:UV 254nm 保持時間:(R)−1−(1−ナフチル)エチルアミン
とL−PTANとの反応物17.2min 、(S)−1−
(1−ナフチル)エチルアミンとL−PTANとの反応
物20.0min 。
【0028】実施例1 (RS)−1−(1−ナフチル)エチルアミン(以下、
(RS)−NEAと略す)3.5g(0.020モ
ル)、m−メトキシ−L−酒石酸アニリド5.2g
(0.020モル)に水230mlを加え、約80℃で加
熱溶解した後ゆっくり冷却した。30℃で5時間攪拌し
た後、析出した結晶を瀘別し、白色結晶5.7gを得
た。この塩を水100mlで再結晶して3.7g(0.0
09モル)の塩を得た。(S)−NEAに対する収率は
87%、光学純度は72%eeであった。
【0029】得られた塩に2N塩酸6mlを加えて、析出
したm−メトキシ−L−酒石酸アニリド2.1gを回収
した後、2N水酸化ナトリウム水溶液7mlを加えてジク
ロロメタンで抽出し、有機層を水洗、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより、
1.34g(0.008モル)の(S)−1−(1−ナ
フチル)エチルアミンを得た。光学純度は73%eeで
あった
【0034】施例 (RS)−NEA3.5g(0.020モル)、m−メ
トキシ−L−酒石酸アニリド3.2g(0.012モ
ル)に1N−塩酸8mlと水100mlを加え、約80℃で
加熱溶解した後ゆっくり冷却した。20℃で3時間攪拌
した後、析出した結晶を瀘別し、白色結晶3.6g
(0.008モル)を得た。(S)−NEAに対する収
率は80%、光学純度は76%eeであった。
【0035】
【発明の効果】(1) 本発明で使用する分割剤は、安価な
原料から高収率で得られるため、工業的に供給可能であ
る。
【0036】(2) 本発明で使用する分割剤は、化学的に
非常に安定なため、ジアステレオマー塩溶液から高収率
でラセミ化することなく回収することができ、分割剤の
再使用が可能である。
【0037】(3) 本発明方法は、収率および光学純度に
おいても優れている。
【0038】(4) 従って、本発明によれば工業的に実用
化可能な光学活性1−(1−ナフチル) エチルアミン
の製造法が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−67052(JP,A) 特開 昭58−24545(JP,A) 特開 昭62−175446(JP,A) 特開 平3−223236(JP,A) 特開 昭61−7238(JP,A) 特開 平4−108773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/30 C07B 57/00 360 C07C 209/88

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (RS)−1−(1−ナフチル)エチル
    アミンを次の一般式(I) 【化1】 (式中、Rはメトキシ基を表す。)で表される光学活性
    酒石酸アニリド誘導体を分割剤として用いて光学分割す
    ることを特徴とする光学活性1−(1−ナフチル)エチ
    ルアミンの製造法。
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