JP3283711B2 - 浮スラブ用アンカー装置及び浮スラブの製造方法 - Google Patents

浮スラブ用アンカー装置及び浮スラブの製造方法

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JP3283711B2
JP3283711B2 JP26633094A JP26633094A JP3283711B2 JP 3283711 B2 JP3283711 B2 JP 3283711B2 JP 26633094 A JP26633094 A JP 26633094A JP 26633094 A JP26633094 A JP 26633094A JP 3283711 B2 JP3283711 B2 JP 3283711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浮スラブ用アンカー装置
及び浮スラブの製造方法に関する。さらに詳しくは、こ
とにコンクリート建築物等における躯体スラブへの振動
の伝達を軽減する浮スラブを構成する方法及びこれに用
いられるアンカー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル、マンション等においては階上の床
構造に及ぼす音や振動が躯体スラブを介して階下に直接
伝わるため、騒音・振動対策が必要となっている。特
に、フィットネスクラブやホテルの調理室の直下の部屋
の騒音対策は重要である。その他、立体駐車場のような
鉄骨式の建物にあっては、自動車を移動させるための大
型リフトの振動や、自動車の移動時に建物に発生する振
動が地面を通して隣接する建物に伝達される事がある。
従来、このようなビルやマンションの騒音・振動対策と
しては、躯体スラブ上にグラスウールやロックウールを
敷設し、必要に応じて木片セメント板を敷設し、その上
に床スラブ用のモルタルを打設する等が行われていた。
【0003】しかしながら、このようなグラスウール層
やロックウール層や木片セメント板を介するものではあ
っても、依然として床スラブから躯体スラブへ固体振動
が伝達される構成に変わりなく、騒音や振動の対策とし
ては不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の解決し
ようとする課題は、ビルやマンション等において床構造
と躯体スラブとの間に振動の伝達経路を有効に遮断し得
る床スラブを構成する手段を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本願『請求項
1』にかかる発明によれば、『基盤(1)に固定される固
定板(13A)と、該固定板(13A)上に載置される弾性体(12)
と、該弾性体(12)を圧縮しうる押圧体(10A)と、弾性体
(12)及び押圧体(10A)を内部に収容しかつ押圧体(10A)を
介して弾性体(12)により上記固定板(13A)から離間して
支承され得る外筒体(6A)とからなり、上記押圧体(10A)
は、その外面が上記外筒体(6A)内面と離脱可能に係合し
かつ係合位置が所定部位で固定できるよう構成されると
共に、上記外筒体(6A)は、その外面にスラブ用配筋(5)
と係合する配筋取付部(7)を有するよう構成されてなる
浮スラブ用アンカー装置(A)』が提供される。
【0006】本発明の浮スラブ用アンカー装置(以下、
本願アンカー装置という)(A)に用いられる弾性体(12)
は、簡単な構造で大きな負荷に耐え得る強度及び大きな
圧縮応力を有し、更には取替可能なものが好ましく、例
えば圧縮バネ等が挙げられるがこれに限定されるもので
はなく例えば空気バネであってもよい。
【0007】本願アンカー装置(A)に用いられる押圧体
(10A)は、弾性体(12)を押圧すると共に後述する外筒体
(6A)内面の所定位置で固定できるように構成される。こ
の構成例としては、例えば本願『請求項3』に示すよう
に、押圧体(10A)と外筒体(6A)の内面とが螺合する構成
であってもよく、また本願『請求項4』に示すように、
外筒体(6B)内面の圧縮位置に相当する部位に形成される
凸部(6b)と、押圧体(10B)に上記凸部(6b)を挿通し得る
よう形成される切欠部とからなるものであってもよい。
【0008】上記押圧体(10A)は、一体物にて構成され
るものであってもよいが、組合せ部品により構成される
ものが好ましい。組合せ部品例としては、弾性体(12)を
押圧する弾性体押圧部(11a)と、押圧体本体(10a)と、外
筒体係合部(14)とからなる構成を挙げることができる。
上記押圧体(10A)が組合せ部品により構成される場合、
本願『請求項2』に示すように、弾性体押圧部(11a)と
外筒体係合部(14)との距離を任意の長さに調節できる構
成が好ましく、例えば押圧体本体(10a)と外筒体係合部
(14)とが螺合する構成を挙げることができる。
【0009】本願アンカー装置(A)に用いられる外筒体
(6A)は、その内面では上記押圧体(10A)と係合してこれ
を所定位置に保持できかつ外面ではスラブ用配筋(5)と
係合できるよう構成される。上記配筋取付部(7)は、配
筋を挿通できる挿通孔(7a)に形成されていてもよく、ま
た配筋を引っかける切り込みに形成されていてもよく、
また係止部が突設されていてもよい。この外筒体(6A)
は、その下端部と固定板(13A)との間からのコンクリー
ト材の侵入を阻止するよう構成されることが適している
が、間隙が生ずる場合はこの間隙を閉塞するアダプタ
(9)を用いることにより解決できる。またこの外筒体(6
A)はその上部に開口部を有しかつその開口部には、外筒
体内へのコンクリート材の侵入を防止しかつ押圧体(10
A)や弾性体(12)等の部材の交換のために着脱可能な天蓋
(18)が設けられることが好ましい。
【0010】本発明はまた、本願『請求項5』に示すよ
うに、『基盤(1)に固定される固定板(13C)と、該固定板
(13C)上に載置される弾性体(12)と、弾性体(12)を圧縮
しうる押圧体(10C)と、弾性体(12)及び押圧体(10C)を内
部に収容し得る外筒体(6C)とからなり、上記押圧体(10
C)は、上記固定板(13C)と離脱可能に連結されかつ連結
状態においては上記弾性体(12)を過圧縮状態で固定板(1
3C)と押圧体(10C)との間に保持するよう構成されると共
に、上記外筒体(6C)は、その外面にはスラブ用配筋(5)
と係合する配筋取付部(7)を有し、その内面には上記押
圧体(10C)が連結状態のときはこの押圧体(10C)と係合し
なく、連結が解除された状態では弾性体(12)を圧縮しこ
の反発力により外筒体(6C)が上記固定板(12)から離間し
て支承されるべく押圧体(10C)と係合しうる係合部(6c)
を有するよう構成されてなる浮スラブ用アンカー装置
(C)』を提供することができる。
【0011】上記浮スラブ用アンカー装置(C)におい
て、“過圧縮状態”とは、このアンカー装置を用いて構
成する後述の浮スラブを支承する圧縮状態よりもさらに
圧縮されている状態をいう。
【0012】また、上記浮スラブ用アンカー装置(C)に
おいて、外筒体の内面に設けられる係合部は、予め所定
位置に固定して取付けられるものであってもよいが、外
筒体内面の上下方向の任意の位置に移動して固定できる
構造のものが、弾性体の圧縮力を調節できる点で好まし
い。上記移動・固定できる構造としては、例えば係合部
がリング体でその外面が外筒体内面と螺合する構造を挙
げることができる。
【0013】本発明は更に、上記アンカー装置(A),(B),
(C)を用いて浮スラブを製造する方法を提供することが
できる。すなわち本願『請求項6』にかかる発明によれ
ば、『基盤(1)上に、本願アンカー装置(A),(B)の複数を
各固定板(13A)の部位で固定すると共に離型材(3)を敷設
し、各アンカー装置(A),(B)の外筒体(6A),(6B)の配筋取
付部(7)に鉄筋(5)を係合させて配筋し、これらのアンカ
ー装置(A),(B)及び配筋(5)を含むよう基盤上に枠体(4)
を構成し、この枠体(4)内にスラブ用コンクリート材を
打設し、コンクリート材硬化後各アンカー装置(A),(B)
の押圧体(10A),(10B)を押圧して弾性体(12)を圧縮する
ことによりその反発力にてコンクリート硬化体を基盤
(1)から離間させる浮スラブの製造方法』が提供され
る。
【0014】また、本願『請求項7』にかかる発明によ
れば、『基盤(1)上に、本願アンカー装置(C)の複数を各
装置の固定板(13C)と押圧体(10C)との連結を保持したま
まの状態で各固定板(13C)の部位で固定すると共に離型
材(3)を敷設し、各アンカー装置(C)の外筒体(6C)の配筋
取付部(7)に鉄筋(5)を係合させて配筋し、これらのアン
カー装置(C)及び配筋を含むよう基盤上に枠体(4)を構成
し、この枠体(4)内にスラブ用コンクリート材を打設
し、コンクリート材硬化後各アンカー装置(C)の押圧体
(10C)と固定板(13C)との連結を解除することによりコン
クリート硬化体を基盤(1)から離間させる浮スラブの製
造方法』が提供される。
【0015】本発明のいずれの方法においても、離型材
(3)は、固定板の固定に先立って基盤上に敷設されてい
てもよいし、また固定板の固定後に敷設されるものであ
ってもよい。但し、後者の場合は固定板の部分は除いて
敷設されることとなる。また、離型塗料のような場合に
は、塗布によって敷設する事になる。また、離型材(3)
は、ビニルシートのようなものでもよいし、ロックウー
ルやグラスウールのようなものでもよいし、前述のよう
に塗料状のものでもよい。離型材(3)の敷設は、ビニル
シート単体、ロックウール単体、グラスウール単体又は
離型塗料単体でもよいが、ロックウールやグラスウール
の上にビニルシートを敷設したり離型塗料を塗布しても
よい。この場合には上層のビニルシートや塗料層が破れ
てコンクリートミルクが下層のロックウールやグラスウ
ール側に流れ込んできても基盤(1)に達すことかなく、
コンクリートミルクの浸透部分でロックウールやグラス
ウールを剥離することで浮スラブ(2)を基盤(1)から持ち
上げる事が出来る。
【0016】本発明のいずれの方法においても、枠体
(4)はコンクリート材の硬化後に取り外してもよいし、
そのままコンクリート硬化体と一体にしておいてもよ
い。
【0017】
【作用】本願『請求項1』によるアンカー装置(A)を用
いた本願『請求項6』にかかる発明によれば、コンクリ
ート材硬化後各アンカー装置(A)の押圧体(10A)を押圧し
ていけば各弾性体(12)が圧縮され、これに伴って圧縮力
が蓄積され、その反発力によりコンクリート硬化体は基
盤(1)から上方に離間され、弾性的に支承されることと
なる。
【0018】本願『請求項2』によるアンカー装置(A)
を用いた本願『請求項6』にかかる発明によれば、各ア
ンカー装置(A)の押圧体(10A)が、弾性体押圧部(11a)と
外筒体係合部(14)との距離を任意の長さに調節可能に構
成されているので、圧縮率を調節することができ従って
反発力を調節することができる。
【0019】本願『請求項3』によるアンカー装置(A)
を用いた本願『請求項6』にかかる発明によれば、各ア
ンカー装置(A)の押圧体(10A)と外筒体(6A)内面との係合
構造が螺合であるので、押圧体(10A)の圧縮程度の調節
及び圧縮解除が容易に行えることとなる。
【0020】本願『請求項4』によるアンカー装置(B)
を用いた本願『請求項6』にかかる発明によれば、各ア
ンカー装置(B)の押圧体(10B)と外筒体(6B)内面との係合
構造が、外筒体(6B)内面の所定部位に形成される凸部(6
b)と、押圧体(10B)に形成され上記凸部(6b)を挿通し得
る切欠部とから構成されているので、圧縮位置が固定さ
れることとなり、各アンカー装置(B)の圧縮力を同一に
揃えることができる。
【0021】本願『請求項5』によるアンカー装置(C)
を用いた本願『請求項7』にかかる発明によれば、コン
クリート材硬化後各アンカー装置(C)において押圧体(10
C)と固定板(13C)との連結を解除していけば、各弾性体
(12)が過圧縮状態からそれぞれ開放されることによって
各押圧体(10C)は上昇して各外筒体(6C)内面の係合部(6
c)と係合することとなるが、各係合部(6c)の位置は各弾
性体(12)を適度に圧縮する位置に取付けられているの
で、各アンカー装置(C)に蓄えられる反発力によりコン
クリート硬化体は基盤(1)から上方に離間され、弾性的
に支承されることとなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。 実施例1 図1は本発明の方法により製造された浮スラブの一例を
示す斜視図、図2は本発明の浮スラブの製造におけるコ
ンクリート材打設時の要部断面概略図、図3は本発明の
浮スラブ製造方法の一例のコンクリートを打設する前の
状態を説明する斜視図、図4は本発明の浮スラブ用アン
カー装置の一例を施工したときの斜視図、図5はコンク
リート材打設時の本発明の浮スラブ用アンカー装置の一
例を説明する断面概略図、図6は本発明の浮スラブの要
部断面概略図である。
【0023】まず、図4及び図5を参照して本発明の一
例の浮スラブ用アンカー装置(A)について説明する。上
記アンカー装置(A)は、躯体スラブ(1)に固定されるベー
ス座(13A)と、このベース座(13A)上に載置される圧縮バ
ネ(12)と、この圧縮バネ(12)を圧縮しうる押圧ボルト体
(10A)と、この押圧ボルト体(10A)を内装する外筒体(6A)
とから主として構成されている。
【0024】上記ベース座(13A)は、躯体スラブ(1)に埋
設されたアンカーボルト(17)を挿通する図示しない周辺
部に設けられ、上面中央部には圧縮バネ(12)の載置領域
を区画しかつこれを収納する突リング部(13a)が形成さ
れている。
【0025】上記押圧ボルト体(10A)は、本体周側面に
螺子溝が螺設されたジャッキボルト本体(10a)と、該ボ
ルト本体下端部の溝部に回動可能に装着された押圧用バ
ネ座(11a)と、ジャッキボルト本体(10a)に螺合されかつ
外筒体(6A)内面とも螺合する押圧固定用メインナット(1
4)とから構成されている。なお、押圧固定用メインナッ
ト(14)には締結用工具を係合するための工具掛け孔(14
a)が設けられている。また押圧固定用メインナット(14)
の緩みを防止するために本例ではロックナット(15a)が
用いられている。
【0026】上記外筒体(6A)は、その外周面にはスラブ
用配筋(5)と係合する複数の配筋係合用アーム(7)が一体
に突設されており、内周面には上記押圧ボルト体(10A)
の押圧固定用メインナット(14)及びロックナット(15a)
と螺合する螺子溝が螺設されている。上記各配筋係合用
アーム(7)には鉄筋(5)を挿通する挿通孔(7a)が穿設され
ている。また外筒体(6A)の上部開口部には開閉可能な天
蓋(18)が設けられている。さらに本例において、外筒体
(6A)の下端部にはベース座(13A)との間に生ずる間隙を
閉塞するためのアダプタ(9)が設けられている。
【0027】次に、上記アンカー装置(A)を用いた本発
明の浮スラブの製造方法の一例について図1〜6を参照
して述べる。まず、躯体スラブの各所定部位にアンカー
装置(A)を取付けていく。すなわち、躯体スラブの所定
部位に植設されたアンカーボルト(17)に対してまずベー
ス座(13A)を挿通してナットにて固定する。次いで、離
型材(例えばビニルシート、ロックウール、ガラスウー
ル又は離型塗料等)(3)を各ベース座(13A)が取付けられ
たところを除いて敷設乃至塗布により敷設する(図4参
照)。敷設方法はビニルシート単体、ロックウール単
体、グラスウール単体又は離型塗料単体でもよいが、ロ
ックウールやグラスウールの上にビニルシートを敷設し
たり離型塗料を塗布してもよい。(勿論、ロックウール
やグラスウールを上層にし、ビニルシートや離型塗料を
下層にしいもよい。)『この場合には上層のビニルシー
トや塗料層が破れてコンクリートミルクが下層のロック
ウールやグラスウール側に流れ込んできても基盤(1)に
達すことかなく、コンクリートミルクの浸透部分でロッ
クウールやグラスウールを剥離することで浮スラブ(2)
を基盤(1)から持ち上げる事が出来る。』その後、各ベ
ース座(13A)の突リング部(13a)内に圧縮バネ(12)を収納
載置し、ここに、圧縮バネ(12)を押圧しない位置に調節
された押圧ボルト体(10A)を内装した外筒体(6A)及びア
ダプタ(9)を被せていく(図4参照)。これによって、
各アンカー装置(A)の取付けが完了する
【0028】次いで、各アンカー装置(A)の外筒体(6A)
から突出している配筋係合用アーム(7)の各挿通孔(7a)
に鉄筋(5)を挿通して配筋を完了する(図3参照)。こ
の後、配筋された周囲に型枠(4)を配設し、この枠内に
コンクリート材を打設する(図2参照)。
【0029】上記打設されたコンクリート材が十分に硬
化した後、各アンカー装置(A)において外筒体(6A)の天
蓋(18)を開けて、各押圧ボルト体(10A)の押圧固定用メ
インナット(14)を工具を用いて締めていき、所定の圧縮
位置まで圧し下げた後、ロックナット(15a)を螺合して
押圧ボルト体(10A)を固定する。なお、更に大きな圧縮
力を稼ぎたい場合は、上記状態から押圧ボルト体(10A)
のジャッキボルト本体(10a)を押圧固定用メインナット
(14)に対して螺入することにより押圧用バネ座(11a)を
押し下げることになり、これによって稼ぐことができ
る。
【0030】このようにして各アンカー装置(A)におい
て圧縮力が蓄えられていくうちに、コンクリート硬化体
はこれらの総合される圧縮力に抗し切れず離型材(3)か
ら浮き上がり(図6参照)、ここに本発明の浮スラブ
(2)が完成されることとなる(図1参照)。なお、すべ
てのアンカー装置(A)における押圧ボルト体(10A)の押し
下げが完了しないうちにコンクリート硬化体が浮き上が
ったときは、残存しているアンカー装置(A)における押
圧ボルト体の押しさげ圧を完了させておく。また、枠体
(4)はこのまま浮スラブの構成要素として使用してもよ
く、また取り除いてもよい。
【0031】以上のように構成された本発明の浮スラブ
(2)は、躯体スラブ(1)に対して圧縮バネ(12)を介して弾
性的に支承されていてほとんど縁が切られている状態な
ので、浮スラブ(2)に生ずる振動は躯体スラブ(1)にほと
んど伝達されないこととなる。その上圧縮バネ(12)を伝
達する振動は弾性によって吸収されることにもなる。従
って、階上の床スラブを本発明の浮スラブに構成すれ
ば、階上で生ずる振動を階下に殆ど伝わらないようにす
ることができる。
【0032】実施例2 本発明のアンカー装置の他の例を用いた浮スラブについ
て図7を参照して説明する。図7に用いられたアンカー
装置(B)は、押圧ボルト体(10B)及び外筒体(6B)を下記す
るごとく変更する以外は実施例1と同様であり、従って
同一機能を有する部材については実施例1と同一番号で
示し、これらについての説明は省略する。
【0033】すなわち、本例のアンカー装置(B)におけ
る外筒体(6B)はその内面には螺子溝が螺設されていな
く、複数の凸部(6b)が所定の部位に同一の高さで設けら
れている。一方、押圧ボルト体(10B)は、ジャッキボル
ト本体(10a)と、該ボルト本体下端部の溝部に回動可能
に装着された押圧用バネ座(11a)と、上記ジャッキボル
ト本体(10a)と螺合する押圧固定用ナット(14b)とから構
成されている。そして上記押圧固定用ナット(14b)に
は、外筒体(6B)の内壁に固定された上記凸部(6b)を挿通
する図示しない切欠部が設けられており、この切欠部が
凸部(6b)と合致しているときは外筒体(6B)とは挿脱自在
となり、凸部(6b)を越えて下方に押圧されかつ回動され
て切欠部が凸部(6b)に合致しなくなったときはこの凸部
(6b)にて上方への挿脱が阻止される構成となっている。
【0034】従って本例によれば、外筒体(6B)内面の所
定部位に形成される凸部(6b)と、押圧ボルト体(10B)と
の係合位置は予め設定されているので、浮スラブ内の各
アンカー装置(B)の圧縮力(換言すれば反発力)を同一
に揃えることができる上、ロックナットが不要であると
いう利点がある。
【0035】実施例3 本発明のアンカー装置の更に他の例を用いた浮スラブの
製造方法について図8及び図9を参照して説明する。ま
ず、図8及び図9に示されるアンカー装置(C)は、ベー
ス座(13C)、押圧ボルト体(10C)及び押圧ボルト体(10C)
と外筒体(6C)との係合構造が下記するごとく変更される
以外は、実施例1におけるアンカー装置(A)と基本的に
同様なものであり、従って同一機能を有する部材につい
ては実施例1と同一番号で示し、これらについての説明
は省略する。
【0036】すなわち、本例のアンカー装置(C)におけ
る押圧ボルト体(10C)は、本体ボルト(10c)とこの本体外
面と螺合しかつ圧縮バネ(12)を押圧する押圧用バネ座(1
1c)とから構成されている。なお、上記押圧用バネ座(11
c)には、下記する係合部(6c)を挿通する図示しない切欠
部が設けられており、外筒体へは挿脱自在に構成されて
いる。上記アンカー装置(C)に用いられるベース座(13C)
には、その中央部に上記押圧ボルト体(10C)の本体ボル
ト(10c)の下端と螺合する本体ボルト連結部(13c)が設け
られている。また、外筒体(6C)内面の所定位置には、上
記押圧ボルト体(10C)の押圧用バネ座(11c)と係合してそ
こに係止する係合部(6c)が複数で同一高さに設けられて
いる。なお、(15c)は押圧用バネ座(11c)の緩みを防止す
るロックナットである。
【0037】従って、図8に示されるように、ベース座
(13C)の本体ボルト連結部(13c)に本体ボルト(10c)下端
を螺合してベース座(13C)と押圧ボルト体(10C)とを連結
して圧縮バネ(12)を過圧縮状態に保持したものを、実施
例1と同様に、躯体スラブ(1)の各所定部位に埋設され
ているアンカーボルト(17)に挿通固定した後、離型材
(3)を各ベース座(13C)が取付部位を除いて敷設し、各ベ
ース座(13C)上から各外筒体(6C)を被せて行くことによ
り各アンカー装置(C)を取付け、次いで各アンカー装置
(C)の外筒体(6C)から突出している配筋係合用アーム(7)
の各挿通孔(7a)に鉄筋(5)を挿通して配筋を完了し、こ
の後、配筋された周囲に図示しない型枠を配設し、この
枠内にコンクリート材を打設して硬化させる。
【0038】上記コンクリート材が十分に硬化した後、
各アンカー装置(C)において外筒体(6C)の天蓋(18)を開
けて、各押圧ボルト体(10C)の本体ボルト(10c)を回して
ベース座(13C)との連結を外すと、瞬時に押圧ボルト体
(10C)は圧縮バネ(12)の反発力により外筒体(6C)内面に
突出された係合部(6c)まで押し上げられてそこで係止さ
れる(図9参照)。同図に示すようにこの状態では、外
筒体(6C)にかかる荷重は押圧用バネ座(11c)及び圧縮バ
ネ(12)を介して基盤上に弾性的に支承されることとな
る。このようにして各アンカー装置(C)に圧縮力が蓄えら
れていくうちに、コンクリート硬化体はこれらの総合さ
れる圧縮力に抗し切れず離型材(3)から浮き上がり、こ
こに本発明の浮スラブ(2)が完成されることとなる。以
上のように構成された本発明の浮スラブ(2)は、実施例
1で得られた浮スラブと同様の効果を有するものであ
る。
【0039】また、図10,11に示すように、図5、
6の変形例(A1)として、押圧固定用メインナット(14)と
押圧ボルト体(10A)とを溝と突条とで構成された回転係
合部(10D)で回転可能に係合し、押圧固定用メインナッ
ト(14)を回転させて上昇させ、コンクリート硬化体(2)
を持ち上げるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明の浮スラブによれば、振動を効果
的に吸収できるのでビルやマンション等の集合住宅床や
屋上階において床構造と躯体スラブとの間に振動の伝達
経路を有効に遮断し得る床スラブを構成することができ
る。またこれらに限らず、機械基礎、泡風呂、トイレ、
ホテルの厨房、フィットネスクラブ、立体駐車場等の振
動が発生し得る床構造すべてに好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された浮スラブの一例
を示す斜視図
【図2】本発明の浮スラブの製造におけるコンクリート
材打設時の要部概略断面図
【図3】本発明の浮スラブの製造方法の一例のコンクリ
ート材打設前の状態を説明する斜視図
【図4】本発明の浮スラブ用アンカー装置の一例を施工
したときの斜視図
【図5】コンクリート材打設時における本発明の浮スラ
ブ用アンカー装置の第1実施例の断面図
【図6】図5の浮スラブ用アンカー装置によって浮スラ
ブを持ち上げた場合の要部断面図
【図7】浮スラブを持ち上げた状態の本発明の浮スラブ
用アンカー装置の第2実施例の断面図
【図8】コンクリート材打設時における本発明の浮スラ
ブ用アンカー装置の第3実施例の断面図
【図9】図8の浮スラブ用アンカー装置によって浮スラ
ブを持ち上げた場合の要部断面図
【図10】コンクリート材打設時における本発明の浮ス
ラブ用アンカー装置の第4実施例の断面図
【図11】図10の浮スラブ用アンカー装置によって浮
スラブを持ち上げた場合の要部断面図
【符号の説明】
(A),(B),(C)…浮スラブ用アンカー装置 (1)…躯体スラブ (2)…浮スラ
ブ (3)…離型材 (4)…型枠 (5)…鉄筋 (6A),(6B),(6
C)…外筒体 (7)…配筋係合用アーム (9)…間隙閉
塞用アダプタ (10A),(10B),(10C)…押圧ボルト体 (10a)…ジ
ャッキボルト本体 (10c)…本体ボルト (11a),(11c)
…押圧用バネ座 (12)…圧縮バネ (13A),(13B),
(13C)…ベース座 (13a)…突リング部 (13c)…本体
ボルト連結部 (14)…押圧固定用メインナット (14a)…工具
掛け孔 (14b)…押圧固定用ナット (15a),(15b),
(15c)…ロックナット (17)…アンカーボルト (18)…天蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 5/43 E04B 1/98

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤に固定される固定板と、該固
    定板上に載置される弾性体と、該弾性体を圧縮しうる押
    圧体と、弾性体及び押圧体を内部に収容しかつ押圧体を
    介して弾性体により上記固定板から離間して支承され得
    る外筒体とからなり、 上記押圧体は、その外面が上記外筒体内面と離脱可能に
    係合しかつ係合位置が所定部位で固定できるよう構成さ
    れると共に、 上記外筒体は、その外面にスラブ用配筋と係合する配筋
    取付部を有するよう構成されてなる浮スラブ用アンカー
    装置。
  2. 【請求項2】 押圧体が、弾性体を押圧する部分
    と外筒体内面に係合する部分との距離を任意の長さに調
    節できるよう構成されてなる請求項1記載の浮スラブ用
    アンカー装置。
  3. 【請求項3】 押圧体と外筒体内面との係合構造
    が螺合である請求項1又は2に記載の浮スラブ用アンカ
    ー装置。
  4. 【請求項4】 押圧体と外筒体内面との係合構造
    が、外筒体内面の圧縮位置に相当する部位に形成される
    凸部と、押圧体に形成され上記凸部を挿通し得る切欠部
    とから構成されてなる請求項1又は2に記載の浮スラブ
    用アンカー装置。
  5. 【請求項5】 基盤に固定される固定板と、該固
    定板上に載置される弾性体と、弾性体を圧縮しうる押圧
    体と、弾性体及び押圧体を内部に収容し得る外筒体とか
    らなり、 上記押圧体は、上記固定板と離脱可能に連結されかつ連
    結状態においては上記弾性体を過圧縮状態で固定板と押
    圧体との間に保持するよう構成されると共に、 上記外筒体は、その外面にはスラブ用配筋と係合する配
    筋取付部を有し、その内面には上記押圧体が連結状態の
    ときはこの押圧体と係合しなく、連結が解除された状態
    では弾性体を圧縮しこの反発力により外筒体が上記固定
    板から離間して支承されるべく押圧体と係合しうる係合
    部を有するよう構成されてなる浮スラブ用アンカー装
    置。
  6. 【請求項6】 基盤上に、請求項1〜4のいずれ
    かに記載のアンカー装置の複数を各固定板の部位で固定
    すると共に離型材を敷設し、各アンカー装置の外筒体の
    配筋取付部に鉄筋を係合させて配筋し、これらのアンカ
    ー装置及び配筋を含むよう基盤上に枠体を構成し、この
    枠体内にスラブ用コンクリート材を打設し、コンクリー
    ト材硬化後各アンカー装置の押圧体を押圧して弾性体を
    圧縮することによりその反発力にてコンクリート硬化体
    を基盤から離間させる浮スラブの製造方法。
  7. 【請求項7】 基盤上に、請求項5に記載のアン
    カー装置の複数を各装置の固定板と押圧体との連結を保
    持したままの状態で各固定板の部位で固定すると共に離
    型材を敷設し、各アンカー装置の外筒体の配筋取付部に
    鉄筋を係合させて配筋し、これらのアンカー装置及び配
    筋を含むよう基盤上に枠体を構成し、この枠体内にスラ
    ブ用コンクリート材を打設し、コンクリート材硬化後ア
    ンカー装置の押圧体と固定板との連結を解除することに
    よりコンクリート硬化体を基盤から離間させる浮スラブ
    の製造方法。
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