JP3278520B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- oxide
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波領域で使用さ
れる誘電体磁器に関する。
れる誘電体磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話や可搬型電話、あるい
は衛星放送など、マイクロ波領域の電磁波を利用する通
信の進展にともない、機器の小型化が要求されている。
このためには、機器を構成する個々の部品が小型化され
る必要がある。誘電体はこれらの機器において、フィル
タ素子や発振素子に誘電体共振器として組み込まれてい
る。誘電体共振器の大きさは同じ共振モードを利用する
場合、誘電体材料の持つ比誘電率(εr )の平方根に逆
比例するため、小型の誘電体共振器を作製するには、高
い比誘電率を有する材料が必要である。加えて、誘電体
共振器として実用するためには、マイクロ波領域で低損
失であること、すなわちQ値が高いこと、さらに共振周
波数の温度係数(τf )が小さいことが必要である。
は衛星放送など、マイクロ波領域の電磁波を利用する通
信の進展にともない、機器の小型化が要求されている。
このためには、機器を構成する個々の部品が小型化され
る必要がある。誘電体はこれらの機器において、フィル
タ素子や発振素子に誘電体共振器として組み込まれてい
る。誘電体共振器の大きさは同じ共振モードを利用する
場合、誘電体材料の持つ比誘電率(εr )の平方根に逆
比例するため、小型の誘電体共振器を作製するには、高
い比誘電率を有する材料が必要である。加えて、誘電体
共振器として実用するためには、マイクロ波領域で低損
失であること、すなわちQ値が高いこと、さらに共振周
波数の温度係数(τf )が小さいことが必要である。
【0003】従来、誘電体共振器用のマイクロ波誘電体
として、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3系(特公昭59−48484
号公報)のようにAサイトにBaを含むペロブスカイト
系の磁器組成物が数多く開発されている。これらの誘電
体は、非常に高いQ値をもっている。
として、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3系(特公昭59−48484
号公報)のようにAサイトにBaを含むペロブスカイト
系の磁器組成物が数多く開発されている。これらの誘電
体は、非常に高いQ値をもっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の誘
電体磁器組成物では比誘電率が30程度と低く、実用上
問題がある。そこで、誘電体共振器を小型化するため、
より比誘電率の高いマイクロ波誘電体の開発が望まれて
いた。
電体磁器組成物では比誘電率が30程度と低く、実用上
問題がある。そこで、誘電体共振器を小型化するため、
より比誘電率の高いマイクロ波誘電体の開発が望まれて
いた。
【0005】本発明は、上記の課題を解決する誘電体磁
器組成物を提供することを目的としている。
器組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は酸化カルシウム、酸化ニッケル、酸化鉄、
酸化ニオブおよび酸化チタンよりなる組成物を、組成
式、 Ca{(Ca1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.46以下、あるい
は、 Ca{(Ni1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.53以下、あるい
は、 Ca{(Fe1/2Nb1/2)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.52以下である誘電
体磁器組成物とする。
に、本発明は酸化カルシウム、酸化ニッケル、酸化鉄、
酸化ニオブおよび酸化チタンよりなる組成物を、組成
式、 Ca{(Ca1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.46以下、あるい
は、 Ca{(Ni1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.53以下、あるい
は、 Ca{(Fe1/2Nb1/2)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.52以下である誘電
体磁器組成物とする。
【0007】
【作用】前記構成の本発明の誘電体磁器組成物によれ
ば、BサイトのTi量xを適当に選択することで、比誘
電率が35以上でτf=0を実現できるので、従来、比
誘電率30程度の誘電体を使用していた誘電体共振器を
小型化することができる。
ば、BサイトのTi量xを適当に選択することで、比誘
電率が35以上でτf=0を実現できるので、従来、比
誘電率30程度の誘電体を使用していた誘電体共振器を
小型化することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
出発原料には化学的に高純度であるCaCO3 、Ni
O、Fe2 O3 、Nb2O5 、およびTiO2 を用い
た。原料の純度補正を行なったのち、組成をCa{(C
a1/3 Nb2/3 )1-x Tix }O3 、Ca{(Ni1/3
Nb2/3 )1-x Ti x }O3 、あるいはCa{(Fe
1/2 Nb1/2 )1-x Tix }O3 と表したときのxが表
1に示した種々の値になるように秤量した。
出発原料には化学的に高純度であるCaCO3 、Ni
O、Fe2 O3 、Nb2O5 、およびTiO2 を用い
た。原料の純度補正を行なったのち、組成をCa{(C
a1/3 Nb2/3 )1-x Tix }O3 、Ca{(Ni1/3
Nb2/3 )1-x Ti x }O3 、あるいはCa{(Fe
1/2 Nb1/2 )1-x Tix }O3 と表したときのxが表
1に示した種々の値になるように秤量した。
【0009】これらの粉体を、ポリエチレン製のボール
ミルに入れ、直径5mmの安定化ジルコニアの玉石と純
水を加え、17時間混合した。混合後、スラリーを乾燥
し、アルミナ製の坩堝にいれ、900から1100℃で
2時間仮焼した。仮焼体を、ライカイ機で解砕した後、
前述したボールミルで17時間粉砕し、乾燥させ、原料
粉体とした。この粉体にバインダとしてポリビニルアル
コールの5%水溶液を6重量%加えて混合後、32メッ
シュのふるいを通して造粒し、100MPaで直径13
mm、厚み約6mmの円柱状にプレス成形した。成形体
を600℃で2時間加熱してバインダを焼却後、マグネ
シア製の磁器容器に入れ、蓋をし、1200から150
0℃の種々の温度で2時間保持して焼成した。密度が最
高となる温度で焼成した焼結体についてマイクロ波での
誘電特性を測定した。共振周波数とQ値は誘電体共振器
法により求めた。焼結体の寸法と共振周波数より誘電率
を算出した。共振周波数は、2〜5GHzであった。ま
た、−25℃、20℃及び85℃における共振周波数を
測定し、最小二乗法により、その温度係数(τf )を算
出した。結果を表1に示す。表1におけるMeのCa、N
i、Feは、組成がそれぞれCa{(Ca1/3 Nb2/3 )
1-x Tix }O3 、Ca{(Ni1/3 Nb2/3)1-x T
ix }O3 、Ca{(Fe1/2 Nb1/2 )1-x Tix }
O3 であることを表す。
ミルに入れ、直径5mmの安定化ジルコニアの玉石と純
水を加え、17時間混合した。混合後、スラリーを乾燥
し、アルミナ製の坩堝にいれ、900から1100℃で
2時間仮焼した。仮焼体を、ライカイ機で解砕した後、
前述したボールミルで17時間粉砕し、乾燥させ、原料
粉体とした。この粉体にバインダとしてポリビニルアル
コールの5%水溶液を6重量%加えて混合後、32メッ
シュのふるいを通して造粒し、100MPaで直径13
mm、厚み約6mmの円柱状にプレス成形した。成形体
を600℃で2時間加熱してバインダを焼却後、マグネ
シア製の磁器容器に入れ、蓋をし、1200から150
0℃の種々の温度で2時間保持して焼成した。密度が最
高となる温度で焼成した焼結体についてマイクロ波での
誘電特性を測定した。共振周波数とQ値は誘電体共振器
法により求めた。焼結体の寸法と共振周波数より誘電率
を算出した。共振周波数は、2〜5GHzであった。ま
た、−25℃、20℃及び85℃における共振周波数を
測定し、最小二乗法により、その温度係数(τf )を算
出した。結果を表1に示す。表1におけるMeのCa、N
i、Feは、組成がそれぞれCa{(Ca1/3 Nb2/3 )
1-x Tix }O3 、Ca{(Ni1/3 Nb2/3)1-x T
ix }O3 、Ca{(Fe1/2 Nb1/2 )1-x Tix }
O3 であることを表す。
【0010】
【表1】
【0011】表1に示したように、Ca{(Ca1/3N
b2/3)1-xTix}O3系、Ca{(Ni1/3Nb2/3)
1-xTix}O3系、Ca{(Fe1/2Nb1/2)1-xT
ix}O3系のいずれの系においても、あるxの値でτf
=0を実現できることがわかる。そのときの比誘電率は
いずれの組成系も40より高く、Qf積も5000GH
z以上あるものと予想される。一方、xの値がある範囲
を越えると、比誘電率が従来使用されている30程度の
低さとなるか、あるいはτfが50ppm/℃より大き
くなり、さらにQf積も低くなったので、これらを回避
できる、0より大きいxの範囲を採用した。
b2/3)1-xTix}O3系、Ca{(Ni1/3Nb2/3)
1-xTix}O3系、Ca{(Fe1/2Nb1/2)1-xT
ix}O3系のいずれの系においても、あるxの値でτf
=0を実現できることがわかる。そのときの比誘電率は
いずれの組成系も40より高く、Qf積も5000GH
z以上あるものと予想される。一方、xの値がある範囲
を越えると、比誘電率が従来使用されている30程度の
低さとなるか、あるいはτfが50ppm/℃より大き
くなり、さらにQf積も低くなったので、これらを回避
できる、0より大きいxの範囲を採用した。
【0012】なお、請求の範囲以外の元素、特にBa、
Sr、Mn、Zn、Cr、Co、Cu、Si、Al、B
i、Pb、Ge、Sb、Ta、および希土類元素等から
なる酸化物の含有も誘電特性に悪い影響を与えない範囲
であればかまわない。
Sr、Mn、Zn、Cr、Co、Cu、Si、Al、B
i、Pb、Ge、Sb、Ta、および希土類元素等から
なる酸化物の含有も誘電特性に悪い影響を与えない範囲
であればかまわない。
【0013】
【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明の誘電体磁器組成物によると、比誘電率が3
5以上と高いときに、高いQ値と小さいτfを実現でき
るため、誘電体共振器の小型化が可能となる。このよう
な本発明の誘電体磁器組成物は、誘電体共振器のみなら
ず、マイクロ波用の回路基板、磁器積層コンデンサなど
にも利用でき、工業的価値が大きいものである。
に、本発明の誘電体磁器組成物によると、比誘電率が3
5以上と高いときに、高いQ値と小さいτfを実現でき
るため、誘電体共振器の小型化が可能となる。このよう
な本発明の誘電体磁器組成物は、誘電体共振器のみなら
ず、マイクロ波用の回路基板、磁器積層コンデンサなど
にも利用でき、工業的価値が大きいものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−24913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/12 335 C04B 35/46
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化カルシウム、酸化ニオブおよび酸化
チタンよりなる組成物を、組成式、 Ca{(Ca1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.46以下であること
を特徴とする誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】 酸化カルシウム、酸化ニッケル、酸化ニ
オブおよび酸化チタンよりなる組成物を、組成式、 Ca{(Ni1/3Nb2/3)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.53以下であること
を特徴とする誘電体磁器組成物。 - 【請求項3】 酸化カルシウム、酸化鉄、酸化ニオブお
よび酸化チタンよりなる組成物を、組成式、 Ca{(Fe1/2Nb1/2)1-xTix}O3 と表したとき、xが0.2以上0.52以下であること
を特徴とする誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00608994A JP3278520B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00608994A JP3278520B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07211139A JPH07211139A (ja) | 1995-08-11 |
JP3278520B2 true JP3278520B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=11628810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00608994A Expired - Fee Related JP3278520B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3278520B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100607900B1 (ko) * | 2004-05-31 | 2006-08-03 | 요업기술원 | 저온 소결용 마이크로파 유전체 세라믹스 및 그 제조방법 |
KR100763284B1 (ko) * | 2006-07-31 | 2007-10-04 | 요업기술원 | 마이크로파 유전체 세라믹스 및 그 제조방법 |
-
1994
- 1994-01-25 JP JP00608994A patent/JP3278520B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07211139A (ja) | 1995-08-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |