JP3277585B2 - 情報記録媒体、その記録装置および再生装置 - Google Patents

情報記録媒体、その記録装置および再生装置

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JP3277585B2
JP3277585B2 JP02087693A JP2087693A JP3277585B2 JP 3277585 B2 JP3277585 B2 JP 3277585B2 JP 02087693 A JP02087693 A JP 02087693A JP 2087693 A JP2087693 A JP 2087693A JP 3277585 B2 JP3277585 B2 JP 3277585B2
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誠司 小林
完成 岡村
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光ディスク等の
情報記録媒体、この情報記録媒体に情報を記録し、また
は再生する場合に用いて好適な情報記録媒体その記録装
置および再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCAV(角速度一定)モードで用
いられる光ディスクにおいては、各トラックの所定の位
置に周期的にサーボバイト区間を設け、このサーボバイ
ト区間に基準クロック生成用のクロックピットと、トラ
ッキング用のウォブルドピットを形成するようにしてい
る。そしてクロックピットに対応して基準クロック(チ
ャンネルクロック)を生成し、この基準クロックの周期
の整数倍の長さのピットにより、情報をデジタル的に記
録するようにしている。また、例えば、CD(コンパク
トディスク)のようなCLV(線速度一定)モードで用
いられるシステムにおいては、クロックピットは存在し
ないが、記録されたピットの長さ及びピット間隔が、基
準クロック(チャンネルクロック)の周期(0.3 μm)
の整数倍の長さ(CDの場合、約 0.9μm〜3.3 μmの
9種類の長さ)になるように選ばれており、このことを
使ってクロック再生を行い、記録された情報をビット単
位に切り出している。
【0003】ところで、同じ光ディスクであるビデオデ
ィスクでは、CDよりもはるかに細かいピットの長さの
差でビデオ信号を記録して、再生している。いま、この
ことを、CAVモードで半径55mmの所に記録される信号
を例に挙げて説明する。ビデオディスクでは、ビデオ信
号中の最も明るい部分を9.3MHz、最も暗い部分を7.6MHz
の信号として記録しており、これは半径55mmのディスク
上で、それぞれ1.075 μm と1.316 μm に相当する。こ
のように記録されたディスクを再生すると、大変美しい
映像が再生されるのは周知の事実である。この映像で、
128 階調の明るさの変化が表現できていると考えると、
これは、ディスク上で、ピットの周期が128 段階以上に
細かく記録され、これが再生されていることを意味す
る。つまり、 (1.316 μm −1.075 μm ) ÷128 =0.002 μm の細かいピット長及びピット間隔の変化が、ビデオ信号
に反映されているのである。ピットの長さの変化として
は、このように細かい変化が記録できるのにも関わら
ず、CDにおいて、ピット長の変化の最小単位を0.3 μ
m と、大きくしなければならないのは、おもにその記録
再生方法が最適でないことによる。
【0004】本出願人は、特願平3−167585号と
して、情報ピットの前方または後方エッジの位置を、記
録情報に対応して所定の基準位置からステップ状にシフ
トして、デジタル情報を記録することを先に提案した。
この記録再生方法によれば、ピット長及びピットエッジ
の位置の変化を非常に高い精度で検出可能であるので、
これまで不可能であると思われていた微小な変化で情報
を記録することが可能となり、この結果、これまで以上
の高密度化を実現することができる。
【0005】図33は、本出願人が先に提案したエッジ
の位置をステップ状にシフトすることにより、情報を記
録する原理を示している。同図に示すように、記録デー
タに対応してPWM変調した記録信号(図33(B))
を生成する。そして、その0クロス時における長さに対
応するピット(図33(A))を形成する。このように
すると、ピットのエッジの位置が基準クロック(図33
(C))で示す位置からステップ状に変化する。この変
化量に応じて、1つのエッジについて0から7までの8
段階(3ビット)のデータを記録することができる。
【0006】図34は、このようにして記録した信号を
再生する原理を示している。情報記録媒体より再生した
RF信号(図34(A))を大きく増幅して、2値化R
F信号(図34(B))を得る。情報を記録したディス
クにはクロックピットが形成されているため、これを基
準として基準クロック(図34(C))を生成し、この
基準クロックに同期して、さらに鋸歯状波信号(図34
(D))を生成する。そして、この鋸歯状波信号と2値
化RF信号とがクロスするタイミングを検出することに
より、情報ピットのエッジの位置を検出するようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先の提
案においては、隣接するエッジ間の符号間干渉が起こ
り、さらに記録密度を上げようとすると、正確な再生が
困難となる問題があった。
【0008】この符号間干渉の影響を軽減するために、
イコライザを用いることが考えられる。例えば、3タッ
プのイコライザにより再生RF信号を一定距離Δだけ離
間して、3回サンプリングし、この3つの値に線形演算
を施す。この場合のインパルス応答は、 h(t)=δ(t)−κ{δ(t+Δ)+δ(t−Δ)} となるから、その周波数応答は次のようになる。 H(f)=1−2κcos(2πΔf)
【0009】Δおよびκを適当に選ぶことにより、高周
波領域の信号成分を強調して、符号間干渉の影響を軽減
することができる。
【0010】しかしながら、行なわれる演算は線形であ
るため、非線形の符号間干渉には完全には適応すること
ができない。また、符号間干渉除去の度合いを強めるた
めに、結合係数κの値を大きくすると、高周波領域のノ
イズ成分が強調され、逆効果となってしまうようなこと
があった。
【0011】また、先の提案においては、エッジの位置
を検出するのに鋸歯状波を発生させ、その鋸歯状波から
エッジの発生タイミングを検出するようにしているた
め、エッジの発生タイミングを読み取るための構成が複
雑となり、その正確な検出が困難になる問題があった。
さらに、さきの提案においては、光ディスクに特有の振
幅変動や、バイアス成分の変動などの影響が全く考慮さ
れていなかった。このため、これらの変動によって、正
しいデータが読み取れなくなるという欠点があった。
【0012】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、簡単な構成で、高記録密度のデータを正確
に再生することができると共に、ノイズ成分を強調する
ことなしに、非線形の符号間干渉を軽減することができ
るようにするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による情報記録媒
体は、例えば図1および図2に示す如くピット列に沿っ
て光ビームで走査して各ピットに応じた再生信号を得る
光学検出系の伝達特性に応じて決まる再生信号の立ち上
り期間または立ち下り期間よりも小なる所定期間内で、
情報ピットのエッジ位置を、所定の基準位置から、記録
すべきディジタル情報に応じてステップ状にシフトさせ
たことを特徴とする。
【0014】さらに、情報ピットのピット列に挿入さ
れ、その挿入位置に対応して予め設定された教育データ
に応じて、エッジ位置が所定の基準位置からステップ状
にシフトされた教育ピットを付加する。
【0015】さらに、情報ピットのピット列に挿入さ
れ、エッジ位置のシフト量が最小値に設定された基準ピ
ットを付加する。
【0016】さらに、情報ピットのピット列に挿入さ
れ、エッジ位置のシフト量が最大値に設定された基準ピ
ットを付加する。
【0017】本発明による情報記録装置は、例えば図3
2に示す如くピット列に沿って光ビームで走査する光学
検出系によって記録情報が再生される情報記録媒体に、
前記光学検出系の伝達特性に応じて決まる再生信号の
ち上り期間または立ち下り期間よりも小なる所定期間内
で、情報ピットのエッジ位置を、所定の基準位置からス
テップ状にシフトして、ディジタル情報を記録する記録
手段を具備することを特徴とする。
【0018】本発明による情報再生装置は例えば図5に
示す如く、ピット列に沿って光ビームで走査する光学検
出系の伝達特性に応じて決まる再生信号の立ち上り期間
または立ち下り期間よりも小なる所定期間内で、情報ピ
ットのエッジ位置を、所定の基準位置からステップ状に
シフトして、ディジタル情報を記録した情報記録媒体か
ら記録情報を再生する情報再生装置において、光学検出
系から得られる再生信号に基づいて、前記基準位置に対
して位相的に同期したクロックを生成するクロック生成
手段と、クロックで規定されるタイミングで、再生信号
立ち上り期間または立ち下り期間における再生レベル
を検出するレベル検出手段と、再生レベルに基づいて前
記情報ピットのエッジ位置のシフト量に対応する記録情
報を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0019】さらに、クロック生成手段は、シフト期間
の中央に相当するタイミングでクロックを生成する。
【0020】さらに、クロック生成手段は、情報記録媒
体のサーボ領域に記録された所定の基準位置を示す基準
ピットから光学検出系を介して得られる再生信号に基づ
いて、基準位置に対して位相的に同期したクロックを生
成する。
【0021】さらに、レベル検出手段は、前記クロック
で規定されるサンプルタイミングで再生信号をアナログ
/ディジタル変換することによって、再生レベルを検出
するA/D変換回路によって構成されている。
【0022】さらに、判定手段は、情報ピットのピット
列に対する挿入位置に応じて予め設定された教育データ
がピット列方向に隣接するエッジ位置の各々のシフト量
として設定された教育ピットから、レベル検出手段によ
って順次検出される再生レベルによって規定される基準
点と、情報ピットから順次検出される再生レベルによっ
て規定される情報点とに基づいて、情報ピットのピット
列方向に隣接するエッジ位置の各々のシフト量に対応し
た記録情報を判定する。
【0023】さらに、判定手段は、挿入位置に応じて予
め設定された一対の教育データが、一対のエッジ位置の
各々のシフト量として設定された教育ピットから、レベ
ル検出手段によって検出された一対の再生レベルによっ
て規定される基準点と、情報ピットから検出される一対
の再生レベルによって規定される情報点とに基づいて、
情報ピットのピット列方向に隣接する一対のエッジ位置
の各々のシフト量に対応した一対の記録情報を判定す
る。
【0024】さらに、一対の教育データが設定された教
育ピットから検出された一対の再生レベルの内、一方の
再生レベルを上位アドレスとし、他方の再生レベルを下
位アドレスとすることによって規定されるアドレスを基
準点とし、この基準点に前記一対の教育データが復号デ
ータとして格納される記憶手段を設け、前記判定手段
は、情報ピットから検出される一対の再生レベルの内、
一方の再生レベルを上位アドレスとし、他方の再生レベ
ルを下位アドレスとすることによって規定されるアドレ
スを情報点とし、この情報点に対応する記憶手段のアド
レスに格納されている一対の復号データを、記録情報と
して判定する。
【0025】さらに、判定手段は、前記記憶手段の各基
準点に格納されている復号データの内、前記情報点に最
も近い基準点に格納されている復号データを、記録情報
と見做して判定する。
【0026】さらに、教育データが設定された教育ピッ
トから検出された再生レベルによって規定される記憶手
段のアドレスを基準点とし、この基準点に前記教育デー
タを復号データとして格納するマッピング処理を行うマ
ッピング手段を設ける。
【0027】さらに、マッピング手段は、記憶手段の各
記憶点の内、基準点以外の各記憶点に、各記憶点に最も
近い基準点に格納されてる復号データを各々格納する。
【0028】さらに、レベル検出手段によって検出され
た再生レベルから、エッジ位置のシフト量が最小値に設
定された基準ピットから検出された再生レベルを減算す
るバイアス除去手段を設ける。
【0029】さらに、バイアス除去手段は、エッジ位置
のシフト量が最小値に設定された複数の基準ピットから
検出された複数の再生レベルの内、最大値と最小値を除
く各値の平均値を、再生レベルから減算するディフェク
ト除去機能を有する。
【0030】さらに、エッジ位置のシフト量が最大値に
設定された基準ピットから検出された再生レベルが所定
の目標値となるように、レベル検出手段によって検出さ
れた再生レベルのゲインを調整するゲイン調整手段を設
ける。
【0031】さらに、ゲイン調整手段は、エッジ位置の
シフト量が最大値に設定された複数の基準ピットから検
出された複数の再生レベルの内、最大値と最小値を除く
各値の平均値が所定の目標値となるように、再生レベル
のゲインを調整するディフェクト除去機能を有する。
【0032】
【作用】本発明による情報記録媒体においては、光学検
出系の伝達特性に応じて決まる再生信号の立ち上り期間
または立ち下り期間よりも小なる所定期間内で、情報ピ
ットのエッジ位置が、所定の基準位置から、記録すべき
ディジタル情報に応じてステップ状にシフトしている。
【0033】したがって、本発明による情報再生装置に
よって、再生信号の立ち上り期間または立ち下り期間
おける1サンプルタイミングで、その再生レベルを検出
することで、情報ピットのエッジ位置のシフト量に対応
する記録情報を確実に判定することができ、従って、簡
単な構成で、高記録密度の情報を正確に再生することが
可能となる。
【0034】また、情報ピットのピット列に対する挿入
位置に応じて予め設定された教育データがピット列方向
に隣接するエッジ位置の各々のシフト量として設定され
た教育ピットから、順次検出される再生レベルによって
規定される基準点と、情報ピットから順次検出される再
生レベルによって規定される情報点とに基づいて、情報
ピットのピット列方向に隣接するエッジ位置の各々のシ
フト量に対応した記録情報を判定することにより、ノイ
ズ成分を強調することなく、非線形の符号間干渉を低減
し、正確な復号が可能となる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の情報記録媒体を適用し
た光ディスクの基本的フォーマットの一例を示してい
る。
【0036】この実施例では、直径120mm の反射型(光
ビームの反射面にピットが物理的な凹部または凸部によ
って形成されている)光ディスク1にCLVモード、ト
ラックピッチ1.6 μm で、ピット列が記録されている。
全ての情報は、一定周期1.67μm 毎に配置されたピット
の前端(立ち上り)と、後端(立ち下り)のエッジ位置
の8段階のシフト量として記録されている。このシフト
量の1単位である単位シフト量Δは、0.05μm に設定さ
れている。
【0037】このように配列された各ピットのエッジ位
置の8段階のシフト量で、各々3ビットの情報を記録す
ることができるので、ピット列方向の線記録情報密度と
しては、 0.28 μm /bit と、現在のCDシステムの2
倍以上となっている。
【0038】なお、CDシステムにおいては、線速度を
上限の1.2m/sとした場合においても、EFM(Eight to
Fourteen Modulation)変調により、記録すべき8ビッ
トのデータ・ビットが14ビットのインフォメーション
・ビットと3ビットのマージン・ビットの計17ビット
のチャネル・ビットに変換されて、ディスク上のピット
に記録されるため、このEFM変調を勘案すると、線記
録情報密度は、約0.6μm /bit である。すなわち、約
0.9 μm の最短ピットが、3ビット分のチャネル・ビッ
トに相当するから、 (0.9 ÷3 )×(17÷8 )=約0.6 μm /bit となる。
【0039】ここで、図2に示すように、光ディスク1
に記録されたピットのエッジ位置は、そのピットの中心
の基準位置から、記録すべきディジタル情報に応じてス
テップ状にシフトしているが、そのシフト期間Ts(=
Δ×7)は、光学検出系の伝達特性に応じて決まるRF
信号(再生信号)の過渡期間(0レベル又は飽和レベル
となる定常状態以外の期間)である立ち上り期間trま
たは立ち下り期間tfよりも小なる期間に相当する範囲
内に設定されている。
【0040】上記RF信号は、後述する再生装置のピッ
クアップ3から出力されるものであり、このピックアッ
プ3の伝達特性によって過渡期間が決まる。一般に、光
学系の伝達特性は、その伝達関数(OTF;Optical Tr
ansfer Function )の絶対値であるMTF(Modulation
Transfer Function)によって規定され、このMTFは
レンズの開口率NAとレーザの波長λに依存して決ま
る。
【0041】上記シフト期間Ts内で、単位シフト量Δ
を0.05μm よりもさらに小なる単位量でシフトさせれ
ば、さらに記録密度を高めることができる。
【0042】このように記録されたピットの中心の基準
位置に位相的に同期したサンプルクロックSPにより、
RF信号をA/D変換することによって、ピットのエッ
ジ位置のシフト量0〜7に対応する再生レベルL0 〜L
7 を得ることができる。このように、RF信号の過渡期
間における1サンプルタイミングで、その再生レベルL
0 〜L7 を検出することができる条件が、シフト期間T
s≦過渡期間(立ち上り期間trまたは立ち下り期間t
f)ということになる。
【0043】ここで、サンプルクロックSPによるサン
プリングタイミングとしては、シフト期間Tsの中央に
対応するタイミングが望ましく、このタイミングとする
ことにより、RF信号の過渡期間の全範囲に渡って再生
レベルを検出することが可能となる。また、この実施例
においては、光ビームの反射面に物理的な凹部または凸
部としてピットが形成された、いわゆる反射型の光ディ
スク1を例に挙げて説明するが、光磁気膜の部分的な磁
化の反転によってピットを形成する、いわゆるMO(Ma
gneto Optical )ディスク等にも適用することが可能で
ある。
【0044】光ディスク1上に記録される情報は、3ビ
ット単位に切り出され、記録データan とbn として、
n番目のピットに記録される。図3はこの様子を示した
もので、ピットの前端エッジが記録データan に応じて
0乃至7の8個のシフト位置のいずれかに設定される。
同様にして、後端エッジの位置も記録データbn に応じ
て0乃至7の8個のシフト位置のいずれかに設定され
る。各シフト位置のピッチΔは、先に述べたように0.05
μm である。この結果、各ピットは記録データan,bn
がいずれもシフト位置0のエッジに形成されたとき、最
も短い長さLP =0.5 μm となる。
【0045】再び、図1に戻り、データが記録された4
4個のデータピットからなるデータ領域の間に、サーボ
用の5個のピットからなるサーボ領域が挿入されてい
る。このサーボ領域に記録された5個のピットのうち、
2個は教育ピットP1,P2とされ、残りの3個は基準
ピットP3乃至P5とされている。教育ピットP2の図
中左側の前端エッジは、その位置が0から7の8段階の
シフト位置の何れかの位置Mに設定されており、また図
中右側の後端エッジも、0から7までの8段階のシフト
位置の何れかの位置Nに設定されている。
【0046】教育ピットP2の前端エッジの位置Mと後
端エッジの位置Nは、各サーボ領域において、それぞれ
異なる組合せにとなるように、規則的に組み合わせが設
定されている。すなわち、MとNが最初のサーボ領域に
おいては、(0,0)とされ、次のサーボ領域において
は(0,1)とされる。以下同様に、(0,2),
(0,3),・・・,(7,6),(7,7)と規則的
に組み合わせが設定されている。これにより、64(=
8×8)個のサーボ領域において、教育ピットP2の前
端エッジと後端エッジの全てのあり得る位置の組合せが
用意されていることになる。
【0047】尚、教育ピットP1は、この場合ダミーと
なる。即ち、教育データをピットP2の両端のエッジで
はなく、ピットP1の両端のエッジに形成することも理
論的には可能である。しかしながらそのようにすると、
ピットP1の左隣に隣接するピットがデータ領域のデー
タピットであるため、そのエッジの位置がデータに対応
して変化する。その結果、教育ピットP1の、特にデー
タ領域側のエッジに対する干渉の度合いがデータ値に
よって変化する。従って、いつも一定の状態で教育デー
タを後述するようにパターン化することが困難になる。
そこで実施例のように、ピットP1の両端のエッジにで
はなく、教育ピットP2の両端のエッジに教育データを
形成するようにすることが好ましい。このようにする
と、教育ピットP2の後端エッジに隣接する基準ピット
P3と、前端エッジに隣接する教育ピットP1が共にそ
のエッジが(0,0)のまま一定である(変化しない)
ため、教育ピットP2の教育データを読み取ったとき、
常に一定の符号間干渉を受け、一定のパターンを得るこ
とができる。
【0048】基準ピットP3乃至P5は、(0,0)と
(7,7)の基準位置のデータを得るためのピットであ
る。この基準位置データも理論的には、例えばピットP
5の両端のエッジに形成することも可能である。しかし
ながらそのようにすると、教育ピットについて説明した
場合と同様に、隣接するデータ領域からの干渉の割合が
記録データによって変化することになるため、実施例の
ように基準ピットP5の図中右側の後端エッジには基準
位置データを形成しないようにするのが好ましい。
【0049】図4は、光ディスク1の平面的な構造を簡
単に説明するものである。トラックピッチ1.6 μm で記
録された信号は、CLVモードで記録されているので、
隣り合うトラック間ではピット位置の位相は合わず、こ
の図に示されたように、ばらばらの位相でディスク上に
記録されている。
【0050】図5は、本発明の情報再生装置を応用した
光ディスク再生装置の一実施例の構成を示すブロック図
である。光ディスク1は、スピンドルモータ2により回
転されるようになされている。この光ディスク1には、
図1および図2に示した原理に基づいて情報が記録され
ている。即ち、情報ピットの前端と後端エッジの少なく
とも一方の位置を所定の基準位置からステップ状にシフ
トすることにより、デジタル情報が記録されている。そ
して、この光ディスク1には、一定の周期でサーボ領域
が形成されており、教育ピットP1,P2と基準ピット
P3乃至P5が形成されている。データ領域にはデータ
ピットが形成されているのはもとよりである。
【0051】ピックアップ3は、光ディスク1に対して
レーザビームを照射し、その反射光から光ディスク1に
記録されている信号を再生する。ピックアップ3が出力
するRF信号は、ヘッドアンプ4により増幅され、フォ
ーカストラッキングサーボ回路5、APC回路6および
PLL回路7に供給されるようになされている。フォー
カストラッキングサーボ回路5は、入力された信号から
フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を
生成し、その誤差信号に対応して、フォーカス制御およ
びトラッキング制御を実行する。また、APC回路6
は、光ディスク1に対して照射されるレーザ光のパワー
が一定になるようにサーボをかける。
【0052】PLL回路7は、入力信号からクロック成
分を抽出するものである。通常のCDシステムなどで使
用されるPLL回路は、全てののRF信号を使ってクロ
ック再生を行なうが、本実施例の場合は、サーボ領域の
部分のRF信号のみを使ってクロック再生を行う。すな
わち、サーボ領域の部分は記録データで変調されていな
いので、記録データの影響を一切受けずに、安定なクロ
ック再生を行うことが可能となる。
【0053】図6はこのような機能を実現するPLL回
路7の構成を示すブロック図である。この図において、
先ずサーボエリアパターン判定回路171が、RF信号
からサーボ領域と思われるパターンを検出すると、サー
ボ領域検出パルスを発生する。ここで、サーボ領域と同
じパターンは、データ領域中に現われる可能性もあり、
このパルスは必ずしも正しいとは限らないが、とりあえ
ずこれが正しいものと仮定して、ロック検出回路172
がこの信号をカウンタ173にリセットパルスとして供
給し、カウンタ173をリセットする。もしもこれが正
しいサーボ領域であれば、その後も必ず同じタイミング
で検出パルスが出力されるはずである。ロック検出回路
172はこのことを検出して、PLL回路7がロック状
態にあるかどうかを判定する。もしも正しい検出パルス
でなかった場合には、一定時間経過してもロック検出の
出力がでないので、ロック状態になるまで上述の動作を
繰り返す。
【0054】サーボ領域が正しく検出された後は、カウ
ンタ173が正しいタイミングでリセットされているの
で、このカウンタ173のカウント値をデコードするこ
とで、サーボ領域が次に現われるタイミングをおおよそ
予想することができる。この原理を使って、カウンタ1
73のカウント値から、サーボ領域内の存在する特定の
ピットが出現するタイミングを生成し、これをゲート信
号として、アンドゲート176へ供給する。
【0055】サーボ領域の両側に記録されたデータから
の影響を除去するために、可能な限りサーボ領域の中央
部にあるピットが選ばれるようにゲート信号のタイミン
グは調整される。
【0056】RF信号を微分回路174で微分してゼロ
クロス検出回路でゼロクロス点を検出した信号のうち、
このアンドゲート176を通過したものが位相比較パル
スとなり、サンプルホールド回路177へ供給される。
【0057】サンプルホールド回路177は、カウンタ
173の出力に基づいて鋸波発生回路178で発生され
た鋸波を、特定のピットが出現したタイミングで瞬間的
にサンプルホールドすることにより、カウンタ173を
カウントアップしているクロックと、光ディスク1上の
サーボ領域に存在する特定のピットの時間差(位相誤
差)を検出する。この位相誤差信号は、フィルタ179
を通過した後、VCO(電圧制御発振器)のドライブ電
圧としてフィードバックされ、光ディスク1上のサーボ
領域に存在する特定ピットと、クロックが常に正しい位
相関係を保つPLLのループを構成する。
【0058】上述したカウンタ173の出力をデコーダ
181でデコードすることにより、図13に示す所定の
位相関係のサンプルクロックSP、クロックA、クロッ
クB、クロックRA、クロックRB、クロックTA、クロック
TBが生成される。これらのクロックは、図5に示すよう
に、A/D変換回路9と、バイアス除去回路10と、二
次元デコーダ11へ供給される。
【0059】図5におけるスピンドルサーボ回路8は、
図6におけるVCO180のドライブ電圧が常に一定値
になるようにスピンドルモータ2を制御し、光ディスク
1が一定の速度で回転するように制御する。
【0060】一方、ヘッドアンプ4が出力するRF信号
は、A/D変換回路9に入力され、サンプルクロックS
Pの立ち上りのタイミングで、8ビットの256段階の
レベルを示すディジタルデータ(再生レベル)にA/D
変換される。この8ビットのデータがバイアス除去回路
10に供給され、このバイアス除去回路10によりバイ
アス成分が除去された後、二次元デコーダ11とコント
ローラ15に供給される。コントローラ15は、各種演
算を行うCPUと、このCPUで実行されるプログラム
が格納されたプログラムROM等によって構成されてお
り、後述するマッピング処理等を実行する。
【0061】二次元デコーダ11は、バイアス除去回路
10より供給された信号をデコードし、その出力を6−
8ビット変換回路12に供給する。6−8ビット変換回
路12は、入力された6ビットのデータを4組蓄積した
後、8ビットの3組のデータに変換し、誤り訂正回路1
3に出力する。誤り訂正回路13は、入力されたデータ
の誤りを訂正した後、D/A変換回路14に出力する。
D/A変換回路14は、入力されたデータをアナログ信
号に変換して、図示せぬアナログオーディオアンプに出
力する。
【0062】二次元デコーダ11は、例えば、図7に示
すように構成される。即ち、バイアス除去回路10より
供給された8ビットの再生レベルデータは、遅延回路2
1と22により順次遅延される。そして初段の遅延回路
21より出力されたデータと、後段の遅延回路22によ
り遅延されたデータとが、RAM23にアドレスデータ
として出力される。そしてRAM23は、遅延回路21
と22より供給されたアドレスデータに対応するアドレ
スに書き込まれている6ビットの復号データを読み出
し、これを6−8ビット変換回路12に出力する。
【0063】図8は、バイアス除去回路10と二次元デ
コーダ11のより詳細な構成例を示している。即ち、こ
の実施例においては、A/D変換回路9より出力された
8ビットのデータがラッチ回路31と32に供給される
とともに、減算回路42,44とともにバイアス除去回
路10を構成するラッチ回路41と43に供給されるよ
うになされている。減算回路42は、ラッチ回路31に
ラッチされたデータからラッチ回路41にラッチされた
データを減算し、減算回路44は、ラッチ回路32にラ
ッチされたデータからラッチ回路43にラッチされたデ
ータを減算し、それぞれ出力する。
【0064】減算回路42と44の出力は、RAM23
にその8ビットの上位アドレスと8ビットの下位アドレ
スとして供給される。またラッチ回路33と34は、減
算回路42と44より供給される各々8ビットの教育デ
ータを所定のタイミングでラッチし、ラッチした教育デ
ータをコントローラ15に出力するようになされてい
る。コントローラ15は、この教育データをパターン化
し、RAM23にマッピングを行なうように予めプログ
ラムされている。
【0065】次に、上記実施例の動作について説明する
が、その前に本実施例における情報ピットのシフト位置
の読み取りの原理について説明する。いま、ピット間の
距離が充分に離れているとして、隣接ピットからの符号
間干渉を無視するとすると、第n番目のピットの前端エ
ッジおよび後端エッジのシフト期間におけるA/D変換
回路9の出力データ(再生レベル)は、図9に示すよう
に、Va(n),Vb(n)である。このVa(n),
Vb(n)は、RF信号のレベルを表しており、次式で
示すことができる。 Va(n)=Δrf×an +ga (bn ) Vb(n)=Δrf×bn +gb (an ) ここで、Δrfは単位シフト量Δに定数kを乗じた値g
a (bn)およびgb(an)は、2つのエッジ間の符
号間干渉を表している非線形の関数であり、記録密度を
上げるほど(即ち、2つのエッジが近づくほど)これら
の値は大きくなる。データの復号は、この連立方程式を
解き、観測されるVa(n)およびVb(n)から記録
された信号an ,bn を求めることである。なお、上記
非線形関数は、図9に示すラインスプレッド関数(Line
spread function)fに基づいて概略求められ、このライ
ンスプレッド関数fは光ディスク1の反射面からの反射
光の強度分布によって定まり、詳しくは、“ APPLIED O
PTICS / Vol.26, No.18 / 15 September 1987 P.3961
〜P.3973 ”に記載されている。
【0066】この信号an ,bn は、二次元空間上での
パターン認識の問題として把えることができる。即ち、
すべての(an ,bn )の組合せに対して、上記した式
の計算を行ない、その結果得られるVa(n)を例えば
X軸、Vb(n)をY軸の値として二次元空間にプロッ
トすると、Va(n),Vb(n)の取り得る値は、図
10に示すような情報点として表される。この二次元平
面上においては、符号間干渉の影響を表す関数ga (b
n)およびgb (an)は情報点の位置歪として表現さ
れる。即ち、この関数ga (bn)およびgb (an)
が0である場合においては(符号間干渉が起きない場合
においては)、情報点は図10に破線で示す線の交差し
た位置(格子点)(基準点)に位置することになる。し
かしながら実際には、例えば、図11に示すような単調
増加関数となる符号間干渉の関数gb (an ),ga
(bn )が発生する。その結果、図10に示すように、
図中黒丸印で示す情報点が格子点(基準点)からずれる
ことになる。
【0067】このずれは符号間干渉により発生するので
あるから、符号間干渉が大きくなるほどこのずれも大き
くなる。図12は、この様子を示している。即ち、図1
2(A)は、線記録密度を0.32μm/bitとした
場合のずれ(歪)を表しており、同図(B)と(C)
は、それぞれ線記録密度が0.36μm/bitまたは
0.46μm/bitである場合における歪を表してい
る。線記録密度が小さくなるほど(高密度になるほど)
歪が大きくなることが理解される。
【0068】即ち、上記した教育ピットP2に記録した
教育データを再生して、その再生レベルにより規定され
る情報点を、図10に黒丸印で示したように、基準点と
してRAM23上にマッピングする。そして、データピ
ットのデータを読み取って得られる情報点をRAM23
上でプロットし、最も近い基準点がその情報点に対応す
る基準点であると判定するのである。そして、その基準
点の示すエッジ位置(an ,bn )が読み取った情報点
のエッジ位置として出力されるのである。
【0069】次に、図13のタイミングチャートを参照
して、最初にRAM23に対する基準点のマッピングの
動作について説明する。
【0070】ピックアップ3は光ディスク1より、そこ
に記録されている信号を再生する。この再生RF信号は
ヘッドアンプ4を介してA/D変換回路9に供給され、
サンプルクロックSP(図13(C))の立ち上りのタ
ミングでA/D変換される。A/D変換回路9より出力
されたデジタルデータは、ラッチ回路31,32,4
1,43にそれぞれ供給される。これらのラッチ回路に
は、クロックA(図13(D))、クロックB(図13
(E))、クロックRA(図13(H))、クロックR
B(図13(I))がそれぞれ供給されている。
【0071】図13に示すクロックA、クロックB、ク
ロックRA、クロックRB、クロックTA(図13
(F))、クロックTB(図13(G))は、PLL回
路7で生成されたクロックである。図13を参照して明
らかなように、クロックAとクロックBは、それぞれ各
ピットの前端エッジと後端エッジをサンプリングするタ
イミングの直後に発生される。また、クロックRAとR
Bは、それぞれサーボ領域の基準ピットP3の基準位置
データ(0,0)をラッチするタイミングで発生され
る。
【0072】従って、ラッチ回路41とラッチ回路43
には、前回のサーボ領域における基準ピットP3の前方
エッジと後方エッジの基準位置データ(0,0)がラッ
チされている。ラッチ回路31と32により教育ピット
P2の前端エッジと後端エッジの教育データがラッチさ
れると、減算器42によりラッチ回路31のラッチデー
タからラッチ回路41のラッチデータが減算される。同
様にして、ラッチ回路32によりラッチされたデータか
らラッチ回路43によりラッチされたデータが減算され
る。
【0073】即ち、減算回路42と44は、教育ピット
P2の位置M(Mは0乃至7のいずれかの値)と位置0
におけるレベルの差を出力することになる。また減算回
路44は、位置N(Nは0乃至7のいずれかの値)と位
置0のレベルの差を出力することになる。このように、
位置0におけるレベルを減算することにより再生信号の
DC成分(バイアス成分)が除去されることになる。そ
して、このようにDC成分が除去されたデータは、ラッ
チ回路33と34にそれぞれ供給される。ラッチ回路3
3と34は、クロックTAとTBが入力されたタイミン
グにおいて、このデータをラッチし、コントローラ15
に出力する。即ち、ラッチ回路33と34は、DC成分
が除去された教育データをラッチし、コントローラ15
に出力することになる。
【0074】勿論、基準位置データ(0,0)の値を減
算しないで、各シフト位置のデータの絶対的レベルをラ
ッチすることも可能である。しかしながら、そのように
すると、ディスク1や光学系のバラツキなどに起因し
て、各シフト位置の絶対的レベルが変化するので、各シ
フト位置の判定が困難になる。そこで、このように基準
位置データ(0,0)の値を減算することで、ディスク
1や光学系のバラツキによる影響を軽減するのが好まし
い。
【0075】コントローラ15は、ラッチ回路33から
入力された教育データを図8における下位アドレス、ラ
ッチ回路34より入力される教育データを図8における
上位アドレスとして、その2つの座標により規定される
情報点を基準点としてRAM23上にマッピングする。
【0076】以上のマッピング動作が64個のサーボ領
域からの教育データに対応して行なわれると、64個の
基準点が、図14に示すように、RAM23上の所定の
記憶点にマッピングされることになる。
【0077】次に、コントローラ15は、RAM23上
の各記憶点の、64個の基準点が記憶された記憶点に対
する距離を演算する。即ち、例えば図15に示すよう
に、記憶点m1 乃至m17の、基準点(0,7)が記憶さ
れた記憶点mi に対する距離を演算する。また同様にし
て、記憶点m1 乃至m17の、基準点(1,7)が記憶さ
れた記憶 点mj に対する距離も演算する。そして、各
記憶点に、基準点が記憶されている 記憶点のうち、最
も近い記憶点に記憶されている基準点と同一のデータを
記憶させる。
【0078】ここで、A/D変換回路9における1サン
プル当りの量子化ビット数が8ビットであるので、その
出力は256段階のレベルを有することになる。従っ
て、RAM23は横軸と縦軸のアドレスとして、それぞ
れ256個のアドレスを有することになる。換言すれ
ば、RAM23は、256×256個の記憶点により構
成されることになる。このうち、所定の記憶点に、図1
4に示すように基準点が記憶されることになる。
【0079】そして、この基準点が記憶されていないそ
の他の記憶点に対しては、既に基準点が記憶されている
記憶点との距離が演算され、最も近い距離の記憶点に記
憶されている基準点と同一のデータが、各記憶点に記憶
される。例えば図15の実施例においては、記憶点m1
乃至m17のうち、記憶点m1 乃至m9 は記憶点mi (基
準点(0,7))に最も近く、記憶点m10乃至m17は記
憶点mj (基準点(1,7 ))に最も近いことにな
る。そこで、記憶点m1 乃至m9 には、基準点(0,
7)のデータが書き込まれる。即ち、これらの記憶点
は、基準点(0,7)の領域A(0,7)とされる。こ
れに対して、記憶点m10乃至m17には、基準点(1,
7)のデータが書き込まれる。即ち、これらの記憶点
は、基準点(1,7)に対応する領域A(1,7)とさ
れる。
【0080】以上のようにして、256×256個の各
記憶点に基準点のデータが書き込まれるため、各基準点
に対応するRAM23上の領域を図に示すと、図16に
示すようになる。各領域A(i,j)に含まれる記憶点
には、基準点(i,j)のデータが記憶されていること
になる。
【0081】上述したコントローラ15によるマッピン
グ処理をフローチャートを、図17に示す。
【0082】まず、前述したように、光ディスク1の各
サーボ領域の教育ピットP2の前端エッジの位置Mと後
端エッジの位置Nは、各サーボ領域において、それぞれ
異なる組合せに設定されている。これら教育データ
(M,N)は、データ領域に対する挿入位置に対応して
所定の順序となるように規則的に設定されている。すな
わち、最初のサーボ領域においては、(0,0)とさ
れ、次のサーボ領域においては(0,1)とされ、以降
同様に、(0,2),(0,3),・・・,(7,
6),(7,7)と設定されている。
【0083】そこで、図17に示すステップSP1にお
いては基準位置データ(0,0)に対応する教育データ
(0,0)を、順次到来するサーボ領域から検出し、最
初のサーボ領域が検出された時点で、ステップSP2に
進み、MとNが0に設定された後、ステップSP3へ進
む。このステップSP3において、教育データ(0,
0)で指定されるRAM23上のアドレス(記憶点)を
基準点(0,0)として、復号データ(0,0)を格納
する。以降同様にして、ステップSP3〜SP8を繰り
返し処理することによって、教育データ(0,1),・
・・,(7,7)で指定されるRAM23上のアドレス
(記憶点)に、復号データ(0,1),・・・,(7,
7)を格納する。
【0084】その後、ステップSP9に進み、上述した
補間演算処理により、基準点(i,j)以外の記憶点
に、復号データ(i,j)を格納する。以上のマッピン
グ処理が、異なる光ディスク1が再生装置に装填される
毎に、初期設定動作としてコントローラ15によって実
行される。
【0085】次に、図18のタイミングチャートを参照
して、データ領域における動作について説明する。図1
8(A)に示すピット列に対応して、同図(B)に示す
RF信号がA/D変換回路9に入力される。各ピットの
前端及び後端エッジのレベルがサンプルクロックSP
(図18(C))の立ち上りに同期してサンプリングさ
れる。図18(A)および(B)に示すように、RF信
号の位相はピットのエッジの位置に対応して変化する。
そしてサンプルクロックSPは、このエッジのシフト期
間に発生するので、エッジのシフト位置はRF信号のレ
ベルの変化として検出することができる。
【0086】ラッチ回路31によりラッチされたデータ
ピットの前端エッジのデータは、ラッチ回路41にラッ
チされている位置0のレベルとの差が減算回路42によ
り演算された後、RAM23に、その下位アドレス(図
10における横軸のアドレス)として供給される。同様
にして、ラッチ回路32によりラッチされたデータピッ
トの後端エッジのデータは、ラッチ回路43にラッチさ
れている位置0のレベルが減算されてDC成分が除去さ
れた後、RAM23に上位アドレス(図10における縦
軸のアドレス)として供給される。RAM23は、横軸
と縦軸により規定されるアドレスに記憶されている復号
データを読み出して、出力する。この復号データとして
は、上述したマッピングによる教育データの基準点が書
き込まれている。従って、情報点に最も近い基準点のデ
ータ(an ,bn )が選択されて出力されることにな
る。
【0087】このようにして図5に示す二次元デコーダ
11より出力された6ビットの復号データ(an ,bn
)は、6−8ビット変換回路12に供給されて、8ビ
ットのデータに変換される。即ち、光ディスク1に例え
ば音声信号が記録されるとき、音声信号は8ビットを単
位として誤り訂正処理が実行される。しかしながら上述
したように、本実施例においては、前端エッジ3ビット
(8段階のシフト位置)、後端エッジ3ビット(8段階
のシフト位置)の合計6ビットが基本的な単位としてデ
ータが記録される。即ち、記録時に8ビット区切りのデ
ータを所定の方式に従って6ビット区切りのデータに変
換して光ディスク1にデータを記録している。そこで、
6−8ビット変換回路12において、この6ビット単位
のデータを元の8ビット単位のデータに逆変換するので
ある。これは、例えば6ビット単位の4組のデータを復
号した後、これらをまとめて8ビット単位の3組のデー
タを出力するように動作する。6−8ビット変換回路1
2により逆変換された8ビットを単位とするデータは、
誤り訂正回路13に供給され、その誤りが訂正された
後、D/A変換回路14に供給され、D/A変換され
て、例えば図示せぬアナログオーディオアンプで増幅さ
れ、スピーカなどから再生音として放音される。
【0088】図19は、上述した実施例において、バイ
アス除去回路10を動作させない状態で、デコードして
得られたデータのエラーレートを示している。同図に示
すように、鋸歯状波を用いて行った従来のデコード方法
(本出願人が先に提案した、特願平3−167585号
に記載の方法)に較べ、上述したRAM23上にマッピ
ングした基準点を用いて二次元デコードを行った場合の
方がエラーレートが小さくなっていることが判る。ま
た、線記録密度を小さくした場合の方がより効果が上が
っていることが判る。
【0089】尚、上記した実施例においては、図1に示
すように、1つのピットの前端エッジと後端エッジを対
として、それぞれにデータan とbn を記録するように
したが、例えば図20に示すように、隣接するピットの
それぞれ対向するエッジにデータan とbn を記録する
ようにすることもできる。この場合においては、サーボ
領域における教育データと位置基準データも、図21に
示すように、2つのピットの対向するエッジにそれぞれ
の教育データと位置基準データを記録する。この実施例
においては、教育ピットP1とP2のそれぞれ対向する
エッジに教育データ(M,N)が記録されており、基準
ピットP3とP4の対向するエッジに位置基準データ
(0,0)が記録されており、基準ピットP4とP5の
それぞれ対向するエッジに位置基準データ(7,7)が
記録されている。
【0090】この場合においては、クロックAとクロッ
クBが図18(F)と(G)に示すように、それぞれピ
ットの後方のエッジと前方のエッジにおいて発生するよ
うにする。
【0091】再生データにより得られた情報点と、教育
データにより得られた基準点との距離は、RAM23に
予め記憶しておくのではなく、その都度演算することも
可能であるが、そのようにすると迅速な判定が困難にな
るため、実施例のようにRAM23に予め書き込んでお
くことが好ましい。
【0092】図5に示す実施例においては、A/D変換
回路9と二次元デコーダ11との間に、バイアス除去回
路10を配置する構成としたが、バイアス除去回路10
以外にゲイン調整回路を挿入することが可能である。図
22は、この場合の実施例を示している。即ち、この実
施例においては、減算回路42の出力がゲイン可変アン
プ63に供給されるとともに、ラッチ回路61に供給さ
れ、クロックKAでラッチされるようになされている。
ラッチ回路61の出力が減算回路62に供給され、所定
の目標振幅との差が演算されるようになされている。そ
して、減算回路62の出力がゲイン可変アンプ63に供
給されている。
【0093】同様にして、減算回路44の出力がゲイン
可変アンプ66に供給されるとともに、ラッチ回路64
に供給されている。ラッチ回路64によりクロックKB
のタイミングでラッチされたデータは、減算回路65に
供給され、図示せぬ回路から供給される目標振幅が減算
された後、ゲイン可変アンプ66に供給されるようにな
されている。
【0094】尚、ゲイン可変アンプ63,66は、RO
Mにより構成することができる。このROMに、減算回
路42と62(44と65)の出力をアドレスとして入
力し、そのアドレスに対応するデータを読み出すように
する。
【0095】そして、ゲイン可変アンプ63の出力がR
AM23とラッチ回路33に供給されるとともに、ゲイ
ン可変アンプ66の出力がRAM23とラッチ回路34
に供給されるようになされている。即ち、バイアス除去
回路10の後段に、ゲイン調整回路60が接続された構
成となっている。その他の構成は、図5および図8にお
ける場合と同様である。
【0096】次に、図22の実施例について、図23の
タイミングチャートを参照して説明する。図22の実施
例においては、図1および図13に示す実施例の場合と
異なり、教育ピットP1とP2のそれぞれ対向するエッ
ジに教育データが配置されている。また、基準ピットP
3とP4の対向するエッジに基準位置データ(0,0)
が記録され、基準ピットP4とP5の対向するエッジに
基準位置データ(7,7)が記録されている(図23
(A))。
【0097】この教育ピットP1,P2と、基準ピット
P3乃至P5に対応して、図23(B)に示すRF信号
が得られる。これを図23(C)に示すサンプルクロッ
クSPのタイミングでA/D変換回路9においてA/D
変換し、このデータをクロックA(図23(D))のタ
イミングでラッチ回路31においてラッチするととも
に、クロックB(図23(E))のタイミングでラッチ
回路32においてラッチする。さらに、クロックRA
(図23(F))のタイミングでラッチ回路41におい
てラッチし、またクロックRB(図23(G))のタイ
ミングでラッチ回路43においてラッチする。
【0098】そして、減算回路42において、ラッチ回
路31の出力からラッチ回路41の出力を減算するとと
もに、減算回路44において、ラッチ回路32の出力か
らラッチ回路43の出力を減算する。このようにして、
DC成分に影響されないデータを得ることができる(図
14において、基準点(0,0)を、破線で示す直線が
交差する格子点の位置に配置することができる)のは、
上述した場合と同様である。
【0099】本実施例においては、さらにラッチ回路6
1において、減算回路42の出力がクロックKA(図2
3(H))のタイミングでラッチされる。即ち、ラッチ
回路61には基準ピットP4の後端エッジに記録されて
いる位置基準データ7がラッチされる。このラッチ回路
61の出力から、減算回路62において予め設定された
目標振幅が減算される。そして、その差がゲイン可変ア
ンプ63に供給される。ゲイン可変アンプ63は、減算
回路62より供給される信号に対応して、減算回路42
より供給される信号のゲインを調整する。即ち、これに
より、ゲイン可変アンプ63より出力される信号の、図
10において、基準点(7,7)で示される横軸方向の
位置が目標振幅になるように設定される。
【0100】同様にして、ラッチ回路64において、ク
ロックKB(図23(I))のタイミングで減算回路4
4の出力がラッチされる。即ち、このラッチ回路64に
は、基準ピットP5の前端エッジに記録されている位置
基準データ7がラッチされる。このラッチ回路64によ
りラッチされたデータは、減算回路65において目標振
幅が減算された後、ゲイン可変アンプ66に供給され
る。ゲイン可変アンプ66は、減算回路65より供給さ
れる信号に対応して、減算回路44より供給される信号
のゲインを調整する。これにより、ゲイン可変アンプ6
6より出力される信号の、図10において、基準点
(7,7)で示す縦軸方向の位置が予め設定した目標振
幅位置になるように調整される。
【0101】このように、ゲイン調整回路60により利
得を調整することにより、図14に示す基準点(7,
7)の位置を所定の位置に常に配置することができる。
これにより、光ディスク1に局部的に特性のバラツキが
あったような場合においても、データを正確に読み取る
ことが可能となる。
【0102】図24は、ゲイン可変アンプ63(または
66)の出力を表わしている。同図(A)は、減算回路
62の出力をゲイン可変アンプ63に供給しない場合の
ものであり、同図(B)は、供給した場合のものであ
る。減算回路62の出力によりゲインを調整した方がレ
ベル変動が抑制されていることが判る。
【0103】図25は、図22における実施例におい
て、CDシステムに使われているエラー訂正の手法を応
用したときのC1のエラーの数を測定した場合を示して
いる。図中、白丸印は、ラッチ回路41,43の出力を
減算回路42,44に供給するとともに、減算回路6
2,65の出力をゲイン可変アンプ63,66に供給し
ない場合のものであり、図中、黒丸印は、ラッチ回路4
1,43の出力を減算回路42,44に供給するととも
に、減算回路62,65の出力をゲイン可変アンプ6
3,66に供給した場合のものである。後者の方が発生
するエラーの数が減少していることが判る。また、記録
線密度がCDの2倍であるにも関わらず、エラーの数が
CDの規格を満足していることが判る。
【0104】以上のように、教育ピットP1,P2、あ
るいは基準ピットP3乃至P5に記録されているデータ
を基準として再生データを処理するのであるから、これ
らの基準となるデータに例えばドロップアウトなどがあ
ると、正確なデータの読み取りが困難になる。これを防
止するため、例えば図26に示すように構成することが
できる。即ち、この実施例においては、図22における
ラッチ回路31と32がFIFO71と72に置き換え
られており、ラッチ回路41と43がディフェクト除去
回路73と74に置き換えられている。また、ラッチ回
路61と64がディフェクト除去回路82と84に置き
換えられるとともに、ゲイン可変アンプ63と66の前
段にFIFO81と83が挿入されている。その他の構
成は、図22における場合と同様である。
【0105】即ち、ディフェクト除去回路73は、A/
D変換回路9より入力されるデータを、図27に示すよ
うに、例えば4ブロック分記憶する。そして、各ブロッ
クにおける位置基準データ(0,0)を比較し、最大と
最小のデータを除く、2つのデータの平均を演算し、そ
れを位置基準データ(0,0)のデータとする。このよ
うにすれば、ドロップアウトなどにより位置基準データ
(0,0)の値が異常な値になったとしても、その異常
な値が基準データとして用いられるようなことが防止さ
れる。
【0106】このことは、他のディフェクト除去回路7
4,82,84においても同様である。
【0107】尚、FIFO71,72,81,83は、
ディフェクト除去回路73,74,82,84におい
て、4ブロックのデータを記憶する必要があるため、こ
れに基づく遅延時間だけデータを遅延して、減算回路4
2,44またはゲイン可変アンプ63,66に供給する
ためのものである。
【0108】図28は、ディフェクト除去回路73(7
4,82,84においても同様である)の構成例を示し
ている。この実施例においては、A/D変換回路9より
入力されたデータがラッチ回路91乃至94にクロック
RAに同期して順次ラッチされる。そしてラッチ回路9
1乃至94にラッチされたデータは、ゲート95乃至9
8がオンされることによりデータバスに読み出される。
データバス上のデータは、ラッチ回路99乃至102
に、コントローラ104が出力するクロックに同期して
所定のタイミングでラッチされる。このコントローラ1
04は、各種演算を行うCPUと、このCPUで用いら
れるプログラムが予め格納されたROMなどからなるマ
イクロコンピュータによって構成されている。
【0109】ラッチ回路99と100によりラッチされ
たデータは、比較回路103に供給され、そのレベルの
大小が比較される。そして、その比較結果に対応した信
号SABがコントローラ104に供給される。コントロ
ーラ104は、ゲート95乃至98にそれぞれゲート制
御信号EA,EB,EC,EDを出力し、所定のデータ
をデータバスに読み出させるとともに、ラッチ回路99
乃至102に出力するクロックを生成している。また、
比較回路103より供給された信号から、ラッチ回路9
1乃至94にラッチされているデータのうち、最大値と
最小値を図29に示すようなテーブルに従って判定す
る。
【0110】即ち、コントローラ104は、ゲート制御
信号EA乃至EDの所定のものを所定のタイミングで出
力し、データバスを介してラッチ回路99と100に、
ラッチ回路91乃至94にラッチされているデータのう
ち、所定の2つのデータをそれぞれラッチする。そし
て、このラッチしたデータの大小を比較回路103で判
定する。この処理を何回か繰り返すことにより、ラッチ
回路91乃至94にラッチされているデータの最大値と
最小値が求められる。
【0111】図29においては、ラッチデータRn-1 乃
至Rn+2 のうち、最上行において左側に記載されている
ものが右側に記載されているものより大きいとき論理
1、小さいとき論理0、不定のときXで示されている。
例えばラッチ回路94にラッチされているデータRn-1
が、ラッチ回路93にラッチされているデータRn より
大きく、ラッチ回路94にラッチされているデータRn-
1 が、ラッチ回路92にラッチされているデータRn+1
より大きく、さらにラッチ回路94にラッチされている
データRn-1 が、ラッチ回路91にラッチされているデ
ータRn+2 より大きいとき、ラッチ回路94にラッチさ
れているデータRn-1 が最大値となる。
【0112】また、Rn-1 がRn より小さく、Rn がR
n+1 より大きく、かつ、Rn がRn+2 より大きい場合、
Rn が最大値となる。
【0113】以下同様にして、図27より最大値と最小
値が求められる。
【0114】コントローラ104は、以上のようにして
図29に示すテーブルからラッチ回路91乃至94に記
憶されているデータRn-1 乃至Rn+2 のうち、最大値と
最小値が判ったとき、それを除く、他のデータをデータ
バス上に読み出し、これをラッチ回路101と102に
ラッチする。そして、ラッチ回路101と102にラッ
チされたデータは、加算回路105により加算され、乗
算回路106により係数1/2が乗算された後、ラッチ
回路107に供給され、ラッチされる。即ち、このラッ
チ回路107には、ラッチ回路91乃至94にラッチさ
れたデータRn-1 乃至Rn+2 のうち、最大値と最小値を
除く2個のデータの平均値がラッチされる。このデータ
が減算回路42に供給されることになる。
【0115】図30は、図26においてディフェクト除
去回路73,74,82,84を用いた場合(同図にお
いてAで示す)と、用いない場合(同図においてBで示
す)のレベルの変化を示している。ディフェクト除去回
路を用いない場合、レベルがドロップアウトなどに起因
するディフェクトに対応して、ばらついていることが判
る。これに対して、ディフェクト除去回路を用いた場合
においては、ディフェクトが除去されるため、レベルの
バラツキが抑制されていることが判る。即ち、それだけ
正確にデータを判定することが可能になる。
【0116】この他、再生データにより得られる情報点
と教育データにより設定された基準点との最小距離は、
例えば図31に示すような構成により検出することもで
きる。
【0117】この実施例においては、再生RF信号がA
/D変換回路50によりA/D変換され、ラッチ回路5
1と52によりラッチされるようになされている。ラッ
チ回路51は、上記した例えばピットの前方のエッジに
対応したデータをラッチし、ラッチ回路52は、後方の
エッジに対応したデータをラッチする。ラッチ回路51
と52によりラッチされたデータは、64個の相関器5
3−1乃至53−64に供給される。相関器53−1乃
至53−64には、64通りの教育データがそれぞれ供
給されている。そして各相関器53−1乃至53−64
は、ラッチ回路51,52より供給されたデータと教育
データとの相関を演算し、その演算結果を最大値検出器
54に出力している。最大値検出器54は、例えばWi
nnerTake All回路により構成され、相関器
53−1乃至53−64より供給される64個のデータ
のうち、最大のものを検出し、それを出力する。
【0118】上述した実施例においては、CLVモード
とした場合を例に挙げて説明したが、CAVモードとし
ても勿論かまわない。この場合に、隣接するトラック間
でピットとピットの位置が互いに90度の位相ずれを持
つようにピットを配置することで、隣接トラック間のク
ロストークの影響を減らし、トラック方向にも高密度化
を実現することが可能となる。
【0119】尚、上述した実施例においては、RAM2
3に教育データに対応してすべての基準点をマッピング
するようにしたが、その一部(例えば16個)の基準点
のみを教育データによりマッピングし、他の基準点は教
育データによりマッピングされた基準点から演算により
補間するようにすることもできる。
【0120】最後に、上述した高記録密度の光ディスク
1の記録装置の実施例について説明する。図32におい
て、情報源201は、記録すべき信号として、オーディ
オ信号をディジタル化して出力する。ECC回路202
は、情報源201より供給されたディジタルオーディオ
データに誤り訂正符号を付加し、変換回路203に出力
する。変換回路203は、入力されたデータを、3ビッ
トを単位とするデータに変換する。すなわち、この実施
例においては、各ピットのエッジ位置が0乃至7の8段
階の位置の何れかに設定される。このため、各エッジの
位置を特定するために、3ビットのデータが必要とな
る。変換回路203においては、この3ビットのデータ
が生成される。
【0121】クロック情報発生回路205は、光ディス
ク1に記録されているデータを読み取るために必要なク
ロックを生成するのに必要なデータを発生する。バイア
スゲイン情報発生回路206は、バイアス点を示すデー
タ(基準点(0,0)を示すデータで、前端エッジと後
端エッジの位置が、何れも0であることを示すデータ)
と、ゲインを設定するデータ(基準点(7,7)を示す
データで、前端エッジと後端エッジの位置が、何れも7
であることを示すデータ)を発生する。
【0122】PLL引込信号発生回路207は、PLL
を引き込ませるための信号を発生する。教育データ発生
回路208は、エッジ位置(an,bn)が、(0,
0)乃至(7,7)のエッジ位置に対応するデータを発
生する。これらのクロック情報発生回路205、バイア
スゲイン情報発生回路206、PLL引込信号発生回路
207、および教育データ発生回路208が出力するデ
ータは、いずれも加算器204に供給され、変換回路2
03より供給されるデータと加算される(時分割多重さ
れる)。
【0123】加算器204の出力は、記録エッジ位置計
算回路209に供給され、この記録エッジ位置計算回路
209の出力がエッジ変調回路210に出力されてい
る。そして、エッジ変調回路210の出力がマスタリン
グ装置211に供給され、カッティング、現像、メッキ
処理、転写、アルミ蒸着、保護膜塗布などのプロセスを
経て、光ディスク1が作成される。
【0124】以上の構成において、エッジ変調回路21
0は、記録エッジ位置計算回路209より出力されたデ
ータに対応するタイミングのタイミング信号を発生し、
これをマスタリング装置211に出力する。
【0125】ここで、エッジ位置変調回路210は、図
2に示すように、各ピットの前端および後端のエッジ位
置を、それらのピットの中心の基準位置から、記録すべ
きディジタル情報に応じて各々8段階にシフトさせるタ
イミングのタイミング信号を発生するように構成されて
いるが、各ピットのエッジ位置のシフト期間Tsが、再
生装置側の光学検出系(ピックアップ3)の伝達特性に
応じて決まるRF信号の過渡期間(立ち上り期間trま
たは立ち下り期間tf)よりも小なる期間に相当する範
囲内に収まるように設定されている。
【0126】マスタリング装置211は、エッジ変調回
路210より供給されたタイミング信号に同期して、記
録原盤上に塗布された感光膜をレーザービームによりカ
ッティングする。カッティングされた原盤は現像され、
メッキが施されて、スタンパが作成される。そして、こ
のスタンパに形成されたピットをレプリカに転写し、こ
のレプリカにアルミ蒸着を施し、さらに保護膜を塗布す
ることにより、光ディスク1が製造される。このような
光ディスク1の製造過程において、上述したエッジ位置
変調による記録方法を用いることにより、ディスクごと
に異なるビットの状態の変化の影響を除去することがで
きるため、常に安定して、高記録密度を達成することが
できる。すなわち、従来のCDにおいては、上述したの
と同様のマスタリング装置で製造されるが、製造過程の
さまざまな要因によってビットの状態、特に大きさが極
微量に変化してしまう。このようにビットの大きさを変
化させる要因としては、例えば記録レーザーのパワー変
動、現像液の温度変化、現像時間の誤差、レプリカ作製
時の温度変化など、たくさんあり、これらの全てを常に
一定にコントロールすることは非常に難しい。このため
に従来のCDにおいては、ビット長の変化の最少刻みを
0.3μmとして、極微量にビット長が変化しても記録
情報を十分に復号できるようにしていたのである。しか
し、上述した実施例によれば、製造過程のさまざまな要
因によってビットの大きさが変化したとしても、これに
よるRF信号の変化をサーボ領域中に埋め込まれた、
(0、0)及び(7、7)の位置基準ビットから知るこ
とができる。さらに上述した実施例中に説明したバイア
ス及びゲイン調整回路により、これらの影響が取り除か
れる。このために、従来のCDよりもビット長の変化の
最少刻みを大幅に小さく(例えば0.05μm)するこ
とが可能となり、高密度記録が可能となる。また、光デ
ィスクには、単にビットの大きさのバラツキだけではな
く、ビットの形状の変化もディスク単位に発生すること
が知られている。このような形状の変化がRF信号に与
える影響は、サーボ領域中に埋め込まれた教育ビットの
RF信号に反映される。上述した実施例では、情報を読
み出す際に、これら教育ビットから規定された基準点を
もとに演算するようにしたので、ビット形状の変化の影
響も除去して、安定な情報再生が可能となる。さらに、
上述の実施例を光磁気膜の部分的な磁化の反転によって
記録するMOディスクシステムに応用した場合に関して
述べる。MOディスクシステムは、情報を記録する際、
レーザーパワーを大幅に上昇させて、ディスクの温度を
上昇させ、これにより磁成膜の特性を変化させることに
より、磁化の反転したビットを形成するものである。こ
のようなMOディスクシステムに従来のCDの記録方式
を応用すると、いわゆる蓄熱効果のために再生信号が歪
んでしまい、デジタル信号の読み取りの際のマージンを
低下させてしまう。すなわち、CDの記録方式に基づい
て、3.3μmの最大の長さのビットを記録した直後
に、0.9μmのビットを記録しようとすると、いわゆ
る蓄熱効果により、3.3μmのビットを記録している
間にディスク(記録原盤)が局部的に暖められるため、
0.9μmのビットは所望の形状よりも大きく形成され
てしまう。その結果再生信号が歪んでしまい、デジタル
信号の読み取りの際のマージンを低下させてしまう結果
となっていた。上述した実施例によれば、ビットの長さ
が、0.5から1.2μmの間に分布するため記録され
るビットの長さのダイナミックレンジが低い。また1.
67μmの一定間隔で必ずビットが形成されるため、デ
ィスクは記録される情報に関係なく、常にほぼ同じよう
に暖められる。このため蓄熱効果の影響がCDの記録方
式に比べて大幅に小さくなり、高記録密度で記録した場
合においても良好な信号特性が得られる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
媒体によれば、光学検出系の伝達特性に応じて決まる再
生信号の立ち上り期間または立ち下り期間よりも小なる
所定期間内情報ピットのエッジ位置を、所定の基準
位置から、記録すべきディジタル情報に応じてステップ
状にシフトさせたので、従来のCDシステムと比較して
2倍以上の記録密度が得られる。
【0128】また、本発明による情報記録媒体を再生す
る情報再生装置においては、再生信号の立ち上り期間ま
たは立ち下り期間における1サンプルタイミングで、そ
の再生レベルを検出することができるので、情報ピット
のエッジ位置のシフト量に対応する記録情報を確実に判
定することができ、従って、簡単な構成で、高記録密度
の情報を正確に再生することができ、構成を簡略化し、
低コスト化することが可能になる。
【0129】また、情報ピットのピット列に対する挿入
位置に応じて予め設定された教育データがピット列方向
に隣接するエッジ位置の各々のシフト量として設定され
た教育ピットから、順次検出される再生レベルによって
規定される基準点と、情報ピットから順次検出される再
生レベルによって規定される情報点とに基づいて、情報
ピットのピット列方向に隣接するエッジ位置の各々のシ
フト量に対応した記録情報を判定することにより、ノイ
ズ成分を強調することなく、非線形の符号間干渉を低減
することができ、さらに記録密度を向上させることが可
能であると共に、より正確な復号が可能となる。
【0130】また、基準点を記憶手段上にマッピングす
るようにしたので、エッジの位置を簡単に、かつ迅速に
判定することが可能になる。
【0131】また、情報記録媒体に記録した教育ピット
から基準点をマッピングするようにしたので、情報記録
媒体のバラツキに影響されずに正確にデータの読み取り
を行なうことができる。
【0132】また、基準点の一部を教育ピットから規定
された基準点から演算により求めるようにしたので、情
報記録媒体に記録する教育ピットの数を少なくすること
ができ、それだけ情報記録媒体の容量を有効に利用する
ことができる。
【0133】また、教育ピットの再生レベルに対応する
アドレスにより規定される記憶点に基準点を記憶させる
ようにしたので、情報点の対応する基準点の判定を容易
に行うことができるようになる。
【0134】また、教育ピットの再生レベルに対応する
アドレスにより規定される記憶点以外の記憶点に、教育
ピットの再生レベルに対応するアドレスにより規定され
る記憶点のうち、最も近い記憶点に記憶されている基準
点を記憶させるようにしたので、対応する基準点の迅速
な判定が可能となり、再生レベルが雑音により多少変動
されても正確に復号可能となる。
【0135】また、情報記録媒体から再生された信号か
ら、エッジのシフト量が最も小さいシフト位置にある基
準ピットに対応する信号を減算するようにしたので、情
報記録媒体などのバラツキに影響されずに、データを正
確に読み取ることが可能となる。
【0136】また、情報記録媒体から再生された信号か
ら、エッジのシフト量が最も大きいシフト位置にある基
準ピットに対応する信号を減算するようにしたので、情
報記録媒体自体の局部的な特性のバラツキの影響を受け
ずに、データを正確に読み取ることが可能になる。
【0137】また、情報記録媒体から再生された信号か
ら、エッジのシフト量が最も小さいシフト位置と、最も
大きいシフト位置にある基準ピットに対応する信号を減
算するようにしたので、情報記録媒体の個々のバラツキ
や、内部の局部的なバラツキに拘らず、データを正確に
読み取ることが可能になる。
【0138】また、教育ピットを形成するようにしたの
で、情報記録媒体や再生装置の特性のバラツキに影響さ
れずに、記録データを正確に再生することが可能にな
る。
【0139】また、教育データをデータピットから離間
して形成するようにしたので、教育データが記録データ
により影響を受けることが軽減される。
【0140】また、シフト量が最も小さいシフト位置の
エッジを有する基準ピットを、データピット以外の所定
の位置に記録するようにしたので、個々にバラツキがあ
った場合においても、正確にデータを読み取ることが可
能な情報記録媒体を実現することができる。
【0141】また、シフト量が最も大きいシフト位置の
エッジを有する基準ピットを、データピット以外の所定
の位置に記録するようにしたので、局部的に特性のバラ
ツキがあった場合においても、データを正確に読み取る
ことが可能な情報記録媒体を実現することができる。
【0142】また、シフト量が最も小さいシフト位置の
エッジと、シフト量が最も大きいシフト位置のエッジを
有する基準ピットを、データピット以外の所定の位置に
記録するようにしたので、個々のバラツキや、局部的な
バラツキに拘らず、データを正確に読み取ることが可能
な情報記録媒体を実現することができる。
【0143】さらに、本発明による情報記録装置によれ
ば、記録されるピットの長さのダイナミックレンジが低
く、このため記録時における蓄熱効果等の影響は、ほと
んど無視することができ、高記録密度で記録した場合に
おいても良好な信号特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体のデータ領域とサーボ領
域の構成を説明する図である。
【図2】本発明の情報記録媒体における情報ピットの構
成例を説明する図である。
【図3】本発明の情報記録媒体における情報ピットの構
成例を説明する図である。
【図4】本発明の情報記録媒体のトラック間の位相を説
明する図である。
【図5】本発明の情報再生装置を応用した光ディスク再
生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の実施例におけるPLL回路7の構成例を
示すブロック図である。
【図7】図5の実施例における二次元デコーダ11の構
成例を示すブロック図である。
【図8】図5の実施例におけるバイアス除去回路10と
二次元デコーダ11の構成例を示すブロック図である。
【図9】隣接するエッジの符号間干渉を説明する図であ
る。
【図10】図8のRAM23における基準点のマッピン
グの原理を説明する図である。
【図11】隣接するエッジの影響を示す関数を説明する
図である。
【図12】隣接するエッジの影響と線密度の関係を説明
する図である。
【図13】図8の実施例におけるサーボ領域の動作を説
明するタイミングチャートである。
【図14】図8のRAM23における基準点のマッピン
グを説明する図である。
【図15】図8のRAM23における他の記憶点に対す
る基準点のマッピングを説明する図である。
【図16】図8のRAM23における全ての記憶点に対
する基準点のマッピング状態を説明する図である。
【図17】図8のコントローラ15によるマッピング処
理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図18】図8の実施例におけるデータ領域における動
作を説明するタイミングチャートである。
【図19】図5の実施例により実現されるエラーレート
を説明する図である。
【図20】情報記録ピットの他の構成例を説明する図で
ある。
【図21】情報記録ピットを図20に示すように構成し
た場合におけるサーボ領域の構成例を示す図である。
【図22】本発明の情報再生装置を応用した光ディスク
再生装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図23】図22の実施例の動作を説明するタイミング
チャートである。
【図24】図22におけるゲイン可変アンプ63,66
の出力のレベルの変化を説明する図である。
【図25】図22の実施例において実現されるエラーの
発生状況を説明する図である。
【図26】本発明の情報再生装置を応用した光ディスク
再生装置のさらに他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図27】図26のディフェクト除去回路73の動作を
説明する図である。
【図28】図26のディフェクト除去回路73の構成例
を示すブロック図である。
【図29】図26のコントローラ104における演算を
説明するテーブルの図である。
【図30】図26のゲイン可変アンプ63,66の出力
のディフェクトによる影響を説明する図である。
【図31】教育データと再生データとの最小距離を求め
る他の構成例を示すブロック図である。
【図32】本発明の情報記録装置を応用した光ディスク
製造装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図33】従来の光ディスクにおけるデータ記録方法を
説明する図である。
【図34】従来の光ディスクにおけるデータ再生方法を
説明する図である。
【符号の説明】
Ts…シフト期間 tr…立ち上り期間(過渡期間) tf…立ち下り期間(過渡期間) 1…光ディスク(情報記録媒体) 3…ピックアップ(光学検出系) 7…PLL回路(クロック生成手段) 9…A/D変換回路(レベル検出手段) 10…バイアス除去回路 11…二次元デコーダ(判定手段) 15…コントローラ(判定手段) 21,22…遅延回路 23…RAM 31,32,41,43…ラッチ回路 60…ゲイン調整回路 63,66…ゲイン可変アンプ 71,72…FIFO 73,74…ディフェクト除去回路 81,83…FIFO 82,84…ディフェクト除去回路
フロントページの続き (56)参考文献 特許3068105(JP,B2) 特許3147255(JP,B2) 特表 平6−507513(JP,A) 米国特許4873680(US,A) 国際公開93/16467(WO,A1) H.H.Hopkins,Diffr action theory of l aser read−out syst ems for optical vi deo discs,Journal of the Optical Soc iety of America,米 国,Vol.69,No.1,pp.4− 24 Shigeo Kubota,Apl anatic condition r equired to reprodu ce jitter−free sig nals in an optical digital disk syst em,Applied Optics, Vol.26,No.18,pp.3961− 3973 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/013 G11B 7/24

Claims (41)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピット列に沿って光ビームで走査して各
    ピットに応じた再生信号を得る光学検出系によって前記
    各ピットに記録された情報が再生される情報記録媒体に
    おいて、 前記光学検出系の伝達特性に応じて決まる前記再生信号
    立ち上り期間または立ち下り期間よりも小なる所定期
    間内で、情報ピットのエッジ位置を、所定の基準位置か
    ら、記録すべきディジタル情報に応じてステップ状にシ
    フトさせたことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記情報ピットの前端および後端のエッ
    ジ位置を、所定の基準位置から、記録すべきディジタル
    情報に応じてステップ状にシフトさせたことを特徴とす
    る請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記情報ピットは光ビームの反射面に物
    理的な凹部または凸部として形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記情報ピットは光磁気膜の部分的な磁
    化の反転によって形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記光学検出系に対して線速度一定で相
    対移動する場合に、前記情報ピットが一定距離間隔で配
    列されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 前記光学検出系に対して所定の回転中心
    を軸に角速度一定で相対移動する場合に、前記情報ピッ
    トが中心角に関して一定角度間隔で配列されていること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記所定の基準位置は、前記情報ピット
    の中心位置に対応して設定されていることを特徴とする
    請求項1に記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記情報ピットのピット列に挿入され、
    その挿入位置に対応して予め設定された教育データに応
    じて、エッジ位置が前記所定の基準位置からステップ状
    にシフトされた教育ピットを具備することを特徴とする
    請求項1に記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記教育ピットのピット列方向に隣接す
    る一対のエッジ位置が、前記挿入位置に対応して予め設
    定された一対の教育データに応じて、前記所定の基準位
    置からステップ状に各々シフトされていることを特徴と
    する請求項8に記載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記一対の教育データとして、想定し
    得る全ての組み合わせが、前記挿入位置に対応して予め
    設定され、これら全ての組み合わせの教育データに対応
    する教育ピットを、前記情報ピットのピット列の挿入位
    置に順次挿入配置したことを特徴とする請求項9に記載
    の情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記教育データの教育ピットは、前記
    情報ピットから少なくとも1個のダミーピットを介在さ
    せた位置に配置されていることを特徴とする請求項8、
    9又は10に記載の情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記教育ピットは、前記情報ピットに
    隣接する位置に配置されている場合においては、前記情
    報ピットに対向するエッジと反対側のエッジが、前記教
    育データに応じてステップ状にシフトしていることを特
    徴とする請求項8、9又は10に記載の情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記情報ピットのピット列に挿入さ
    れ、エッジ位置のシフト量が最小値に設定された基準ピ
    ットを具備することを特徴とする請求項1、8、9又は
    10に記載の情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記基準ピットのピット列方向に隣接
    する一対のエッジ位置のシフト量が共に最小値に設定さ
    れていることを特徴とする請求項13に記載の情報記録
    媒体。
  15. 【請求項15】 前記情報ピットのピット列に挿入さ
    れ、エッジ位置のシフト量が最大値に設定された基準ピ
    ットを具備することを特徴とする請求項1、8、9又は
    10に記載の情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記基準ピットのピット列方向に隣接
    する一対のエッジ位置のシフト量が共に最大値に設定さ
    れていることを特徴とする請求項15に記載の情報記録
    媒体。
  17. 【請求項17】 前記情報ピットのピット列に挿入さ
    れ、各々のエッジ位置のシフト量が最小値と最大値に設
    定された一対の基準ピットを具備することを特徴とする
    請求項1、8、9又は10に記載の情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 前記2個の基準ピットのエッジ位置の
    内、ピット列方向に隣接する一対のエッジ位置のシフト
    量が共に最小値に設定されていると共に、ピット列方向
    に隣接する他の一対のエッジ位置のシフト量が共に最大
    値に設定されていることを特徴とする請求項17に記載
    の情報記録媒体。
  19. 【請求項19】 ピット列に沿って光ビームで走査する
    光学検出系によって記録情報が再生される情報記録媒体
    に、前記光学検出系の伝達特性に応じて決まる再生信号
    立ち上り期間または立ち下り期間よりも小なる所定期
    間内で、情報ピットのエッジ位置を、所定の基準位置か
    らステップ状にシフトして、ディジタル情報を記録する
    記録手段を具備することを特徴とする情報記録装置。
  20. 【請求項20】 前記記録手段は、前記情報ピットのピ
    ット列に挿入され、その挿入位置に対応して予め設定さ
    れた教育データに応じて、エッジ位置が前記所定の基準
    位置からステップ状にシフトされた教育ピットを前記情
    報記録媒体に記録することを特徴とする請求項19に記
    載の情報記録装置。
  21. 【請求項21】 前記記録手段は、前記情報ピットのピ
    ット列に挿入され、エッジ位置のシフト量が最小値に設
    定された基準ピットを前記情報記録媒体に記録すること
    を特徴とする請求項19又は20に記載の情報記録装
    置。
  22. 【請求項22】 前記記録手段は、前記情報ピットのピ
    ット列に挿入され、エッジ位置のシフト量が最大値に設
    定された基準ピットを前記情報記録媒体に記録すること
    を特徴とする請求項19又は20に記載の情報記録装
    置。
  23. 【請求項23】 前記記録手段は、前記情報ピットのピ
    ット列に挿入され、各々のエッジ位置のシフト量が最小
    値と最大値に設定された一対の基準ピットを前記情報記
    録媒体に記録することを特徴とする請求項19又は20
    に記載の情報記録装置。
  24. 【請求項24】 ピット列に沿って光ビームで走査する
    光学検出系の伝達特性に応じて決まる再生信号の立ち上
    り期間または立ち下り期間よりも小なる所定期間内で、
    情報ピットのエッジ位置を、所定の基準位置からステッ
    プ状にシフトして、ディジタル情報を記録した情報記録
    媒体から記録情報を再生する情報再生装置において、 前記光学検出系から得られる再生信号に基づいて、前記
    基準位置に対して位相的に同期したクロックを生成する
    クロック生成手段と、 前記クロックで規定されるタイミングで、前記再生信号
    立ち上り期間または立ち下り期間における再生レベル
    を検出するレベル検出手段と、 前記再生レベルに基づいて前記情報ピットのエッジ位置
    のシフト量に対応する記録情報を判定する判定手段とを
    具備することを特徴とする情報再生装置。
  25. 【請求項25】 前記クロック生成手段は、前記シフト
    期間の中央に相当するタイミングでクロックを生成する
    ことを特徴とする請求項24に記載の情報再生装置。
  26. 【請求項26】 前記クロック生成手段は、前記情報記
    録媒体のサーボ領域に記録された前記所定の基準位置を
    示す基準ピットから前記光学検出系を介して得られる再
    生信号に基づいて、前記基準位置に対して位相的に同期
    したクロックを生成することを特徴とする請求項24に
    記載の情報再生装置。
  27. 【請求項27】 前記レベル検出手段は、前記クロック
    で規定されるサンプルタイミングで前記再生信号をアナ
    ログ/ディジタル変換することによって、前記再生レベ
    ルを検出するA/D変換回路によって構成されているこ
    とを特徴とする請求項24に記載の情報再生装置。
  28. 【請求項28】 前記A/D変換回路は、前記情報ピッ
    トのエッジ位置のシフト量で示されるビット数よりも多
    いビット数のディジタルデータに変換することを特徴と
    する請求項27に記載の情報再生装置。
  29. 【請求項29】 前記判定手段は、前記情報ピットのピ
    ット列に対する挿入位置に応じて予め設定された教育デ
    ータがピット列方向に隣接するエッジ位置の各々のシフ
    ト量として設定された教育ピットから、前記レベル検出
    手段によって順次検出される再生レベルによって規定さ
    れる基準点と、前記情報ピットから順次検出される再生
    レベルによって規定される情報点とに基づいて、前記情
    報ピットのピット列方向に隣接するエッジ位置の各々の
    シフト量に対応した記録情報を判定することを特徴とす
    る請求項24に記載の情報再生装置。
  30. 【請求項30】 前記判定手段は、前記挿入位置に応じ
    て予め設定された一対の教育データが、前記一対のエッ
    ジ位置の各々のシフト量として設定された教育ピットか
    ら、前記レベル検出手段によって検出された一対の再生
    レベルによって規定される基準点を学習し、この基準点
    と、前記情報ピットから検出される一対の再生レベルに
    よって規定される情報点とに基づいて、前記情報ピット
    のピット列方向に隣接する一対のエッジ位置の各々のシ
    フト量に対応した一対の記録情報を判定することを特徴
    とする請求項24に記載の情報再生装置。
  31. 【請求項31】 前記一対の教育データが設定された教
    育ピットから検出された一対の再生レベルの内、一方の
    再生レベルを上位アドレスとし、他方の再生レベルを下
    位アドレスとすることによって規定されるアドレスを基
    準点とし、この基準点に前記一対の教育データが復号デ
    ータとして格納される記憶手段を具備し、前記判定手段
    は、前記情報ピットから検出される一対の再生レベルの
    内、一方の再生レベルを上位アドレスとし、他方の再生
    レベルを下位アドレスとすることによって規定されるア
    ドレスを情報点とし、この情報点に対応する前記記憶手
    段のアドレスに格納されている一対の復号データを、記
    録情報として判定することを特徴とする請求項24に記
    載の情報再生装置。
  32. 【請求項32】 前記判定手段は、前記記憶手段の各基
    準点に格納されている復号データの内、前記情報点に最
    も近い基準点に格納されている復号データを、記録情報
    と見做して判定することを特徴とする請求項31に記載
    の情報再生装置。
  33. 【請求項33】 前記教育データが設定された教育ピッ
    トから検出された再生レベルによって規定される前記記
    憶手段のアドレスを基準点とし、この基準点に前記教育
    データを復号データとして格納するマッピング処理を行
    うマッピング手段を具備することを特徴とする請求項3
    1又は32に記載の情報再生装置。
  34. 【請求項34】 前記マッピング手段は、前記記憶手段
    の各記憶点の内、前記基準点以外の各記憶点に、前記各
    記憶点に最も近い基準点に格納されてる復号データを各
    々格納することを特徴とする請求項33に記載の情報再
    生装置。
  35. 【請求項35】 前記記憶手段は、随時書き込み/読み
    出し可能な半導体メモリによって構成されていることを
    特徴とする請求項31、32、33又は34に記載の情
    報再生装置。
  36. 【請求項36】 前記レベル検出手段によって検出され
    た再生レベルから、エッジ位置のシフト量が最小値に設
    定された基準ピットから検出された再生レベルを減算す
    るバイアス除去手段を具備することを特徴とする請求項
    24、25、26、27、28、29、30、31、3
    2、33、34又は35に記載の情報再生装置。
  37. 【請求項37】 前記バイアス除去手段は、エッジ位置
    のシフト量が最小値に設定された複数の基準ピットから
    検出された複数の再生レベルの内、最大値と最小値を除
    く各値の平均値を、前記レベル検出手段によって検出さ
    れた再生レベルから減算するディフェクト除去機能を有
    することを特徴とする請求項36に記載の情報再生装
    置。
  38. 【請求項38】 エッジ位置のシフト量が最大値に設定
    された基準ピットから検出された再生レベルが所定の目
    標値となるように、前記レベル検出手段によって検出さ
    れた再生レベルのゲインを調整するゲイン調整手段を具
    備することを特徴とする請求項24、25、26、2
    7、28、29、30、31、32、33、34又は3
    5に記載の情報再生装置。
  39. 【請求項39】 前記ゲイン調整手段は、エッジ位置の
    シフト量が最大値に設定された複数の基準ピットから検
    出された複数の再生レベルの内、最大値と最小値を除く
    各値の平均値が所定の目標値となるように、前記レベル
    検出手段によって検出された再生レベルのゲインを調整
    するディフェクト除去機能を有することを特徴とする請
    求項38に記載の情報再生装置。
  40. 【請求項40】 前記レベル検出手段によって検出され
    た再生レベルから、エッジ位置のシフト量が最小値に設
    定された基準ピットから検出された再生レベルを減算す
    るバイアス除去手段と、エッジ位置のシフト量が最大値
    に設定された基準ピットから検出された再生レベルが所
    定の目標値となるように、前記バイアス除去手段から出
    力された再生レベルのゲインを調整するゲイン調整手段
    とを具備することを特徴とする請求項24、25、2
    6、27、28、29、30、31、32、33、34
    又は35に記載の情報再生装置。
  41. 【請求項41】 前記バイアス除去手段は、エッジ位置
    のシフト量が最小値に設定された複数の基準ピットから
    検出された複数の再生レベルの内、最大値と最小値を除
    く各値の平均値を、前記レベル検出手段によって検出さ
    れた再生レベルから減算するディフェクト除去機能を有
    すると共に、前記ゲイン調整手段は、エッジ位置のシフ
    ト量が最大値に設定された複数の基準ピットから検出さ
    れた複数のレベルの内、最大値と最小値を除く各値の平
    均値が所定の目標値となるように、前記レベル検出手段
    によって検出された再生レベルのゲインを調整するディ
    フェクト除去機能を有することを特徴とする請求項40
    に記載の情報再生装置。
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