JP3276693B2 - 紙塗工用ラテックス - Google Patents

紙塗工用ラテックス

Info

Publication number
JP3276693B2
JP3276693B2 JP35602492A JP35602492A JP3276693B2 JP 3276693 B2 JP3276693 B2 JP 3276693B2 JP 35602492 A JP35602492 A JP 35602492A JP 35602492 A JP35602492 A JP 35602492A JP 3276693 B2 JP3276693 B2 JP 3276693B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
wax
parts
paper
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35602492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06184995A (ja
Inventor
明 内田
修二 大西
和志 宮本
育夫 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon A&L Inc
Original Assignee
Nippon A&L Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon A&L Inc filed Critical Nippon A&L Inc
Priority to JP35602492A priority Critical patent/JP3276693B2/ja
Publication of JPH06184995A publication Critical patent/JPH06184995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3276693B2 publication Critical patent/JP3276693B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用のバインダ−
としてのラテックスに関するものである。さらに詳しく
は、耐ブロッキング性の良好な印刷紙を得るのに必要な
バインダ−としての紙塗工用ラテックスに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および問題点】印刷紙の印刷効果を高める
ために、デンプンやポバ−ルなどの塗液を塗布したり、
無機顔料を塗布することが行われている。しかし、デン
プンやポバ−ルを塗布する場合は、作業時の発泡、高粘
度のため固形分が上げられない等の問題がある。そのた
め、ラテックスを併用することがしばしば行われるが、
ラテックスが本来持っている粘着性のため、マシ−ン汚
れの原因となったり、塗工紙がくっついたりするという
トラブルを起こし易い。
【0003】また、無機顔料を塗布する場合は、通常バ
インダ−としてラテックスが併用されており、その接着
力を上げるために柔軟なラテックスが求められている。
しかし、柔軟なラテックスは一方で粘着し易いという性
質を持っており、塗工過程でマシ−ンの各部分を汚した
り、塗工後の塗工紙がお互いにくっついてしまうという
欠点がある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前述の
諸事情に鑑み、現状の問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、モンタン酸ワックス(以下ワックスと略す)を含
有したラテックスをバインダ−として用いることによ
り、ラテックス本来の接着強度を有したまま、その粘着
性を低下させることを見いだし、本発明に至った。
【0005】本発明において用いられるモンタン酸ワッ
クスとは、アスファルト質のカッ炭から蒸留又は溶剤抽
出によって得られる硬質ワックスであり、R−COOH
で示される酸ワックス、R−COO−(CH2 CH2
n −OOC−Rで示されるエステルワックス、R−CO
O−Ca−OOC−Rで示される部分ケン化エステルワ
ックスを意味するものである。なお、Rは通常28〜3
2の炭素数である。
【0006】また、酸ワックス、エステルワックス、部
分ケン化エステルワックスによって、酸価、ケン化価が
相違するが、一般的には以下の数値を有する。 酸 価 ケン化価 (DIN53402) (DIN53401) 酸ワックス ; 110 〜160 130 〜180 エステルワックス ; 5 〜100 50 〜170 部分ケン化エステルワックス; 5 〜50 70 〜120
【0007】なお、本発明においてはその効果を阻害し
ない範囲内で、上記のモンタン酸ワックスと共にポリエ
チレンワックス等のパラフィン系ワックス、ステアリン
酸カルシウム、エチレンビスステアリルアミド等の滑剤
を併用してもよい。
【0008】モンタン酸ワックスをラテックスへ添加す
る方法には特に制限はなく、モンタン酸ワックスを予め
乳化し、乳化物をラテックスへ添加する方法もあるが、
モンタン酸ワックスをラテックス粒子内へ含有させるこ
とが添加効果の面より好ましいため、ラテックスの乳化
重合時に、モノマ−またはトルエン、シクロヘキサン、
シクロヘキセン等の溶剤に予め溶かして用いるか、ある
いはトルエン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の溶
剤に予め溶かしておき、該溶剤をラテックスへ添加しラ
テックス粒子内へ膨潤、含有させる方法が良い。
【0009】本発明においては、モンタン酸ワックスを
紙塗工用ラテックスの固形分100重量部に対して0.
5〜10重量部配合させることを特徴とするが、0.5
重量部未満では耐ブロッキング性改良効果に劣る。ま
た、10重量部を超すとラテックス本来の接着強度の低
下が大きくなってしまう。モンタン酸ワックスの配合量
としては、特に1〜6重量部が好ましい。
【0010】本発明で対象とするラテックスとは、紙塗
工用として用いられるラテックスすべてであり、ラテッ
クスを構成する組成には何ら制限はない。具体的には、
スチレン−ブタジエン系ラテックス、カルボキシ変性ス
チレン−ブタジエン系ラテックス、メチルメタアクリレ
−ト−ブタジエン系ラテックスなどのブタジエン系ラテ
ックスが例示される。特に上記カルボキシ変性スチレン
−ブタジエン系ラテックスにて使用されるカルボン酸と
しては、アクリル酸、マレイン酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸、フマル酸などのモノまたはジカルボン酸が例
示される。
【0011】さらに、上述のブタジエン系ラテックスに
おいては、メチルメタアクリレ−ト、ブチルアクリレ−
ト、グリシジルメタアクリレ−ト、ヒドロキシエチルア
クリレ−トなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル
類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどの不
飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタアクリルアミド
などの不飽和アミド類をコモノマ−として用いることも
できる。もちろん、スチレンやブタジエンの一部又は全
部を、他の芳香族ビニルや他の脂肪族共役ジオレフィン
に置き換えることができる。特に、本発明の効果が発揮
されるラテックスは、脂肪族共役ジオレフィンを35重
量%以上含む粘着性の高いラテックスである。
【0012】ラテックスの重合に際しては、モノマ−の
一括添加、連続添加、分割添加など、いずれの添加方式
でもよく、またシ−ド重合、二段重合などの重合方式を
採用することもできる。さらに、公知の乳化剤、重合開
始剤、分子量調節剤などを用いることができる。
【0013】本発明の紙塗工用ラテックスは、通常のラ
テックス同様、そのまま単独で塗工されたり、デンプン
やポバ−ルと混合して塗工されたり、さらにはカオリ
ン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、
水酸化アルミニウムなどの無機顔料と混合して塗工、使
用される。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の優れた効果を明示するため
に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、
実施例および比較例中に示す部および%は、特に断りの
無い限り、重量を基準としたものである。
【0015】共重合体ラテックスの製造方法 耐圧性オ−トクレ−ブに、水95部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.6部、t−ドデシルメルカプ
タン0.5部、炭酸ナトリウム0.4部、過硫酸アンモ
ニウム0.8部を仕込み、十分撹拌した後、表1に示す
各単量体を加えて65℃にて重合を10時間行った。重
合完了時のコンバ−ジョンは、98%だった。次いで、
これら共重合体ラテックスを苛性ソ−ダ水溶液にてpH
8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去し、
共重合体ラテックスa〜gを得た。
【0016】ラテックスa〜fの場合は、所定量のモン
タン酸ワックス(酸価15〜20、けん化価130〜1
60のエステルワックス)をあらかじめスチレンに溶解
分散したあと重合させ、ラテックス粒子内に含有させ
た。また、ラテックスgはワックスを含んでいない。こ
のラテックスgに、あらかじめ上記のワックスを15%
で溶解したトルエン溶液を、ラテックス固形分100部
に対しワックスが2部含有する様に、撹拌しながら添加
して得られたラテックスをhとする。(ラテックスに膨
潤したトルエンは、水蒸気蒸留により除去した。)さら
にラテックスgにあらかじめ乳化したモンタン酸ワック
スエマルジョン(酸価30〜40、けん化価135〜1
50のエステルワックスを予めノニオン系界面活性剤で
乳化)をラテックス固形分100部に対し有効成分で3
部含有するよう添加、2時間撹拌してラテックスiを得
た。
【0017】〔実施例1〕塗工液の作成 ポバ−ル(クラレ117)5%溶液を90℃、15分間
クッキングした後、ラテックスb,g,h,iとそれぞ
れ固形分比で半々になる様にブレンドして塗工液1〜4
を得た。塗工液の固形分は8%に調整した。
【0018】塗工紙の作成 各塗工液を、坪量85g/m2の上質紙にワイヤ−ロッド
にて、塗工量3g/m2になるように塗布した。塗工後、
120℃オ−ブン中で30秒乾燥し、その後、恒温室に
て一夜間調湿し、各塗工液に相当する塗工紙(1〜4)
を得た。
【0019】塗工紙の試験 各塗工紙サンプルを3cm幅に短冊状に切り、台紙上に4
種の塗工紙を並べて貼り付ける。この上に、濾紙を重ね
てRI印刷機を用いロ−ル間を通し圧着する。その後、
濾紙を剥がした後の、濾紙の繊維の各塗工紙表面上への
付着状態を見て、各塗工紙の粘着性を比較する。粘着性
の高いものを×とし、低くなるに従い△、○と目視にて
ランク分けした。
【0020】<結果>ラテックス粒子内部にワックスを
含有させたラテックスb、hを塗工した1及び3の粘着
性は、ワックスを含まないラテックスgに比べて、明ら
かに低くなり改善されている。また、ワックスエマルジ
ョンを添加したラテックスiもラテックスgに比べ良く
なっている。(表2)
【0021】〔実施例2〕塗工液の作成 次の塗料配合にて調製した。 カオリン 80 部(固形分) 重質炭酸カルシウム 20 〃 ポリアクリル酸ソ−ダ 0.2 〃 カセイソ−ダ 0.15〃 酸化デンプン 5 〃 ラテックス 25 〃 (固形分 63%) 通常の塗料の場合、ラテックスの配合量は10部(固形
分)前後であるが、試験結果を促進拡大するために、2
5部(固形分)まで増やして作成した。ラテックスをa
〜iまで変えて塗料を作成したが、各塗料をそれぞれ5
〜13とする。
【0022】塗工紙の作成 市販上質紙(坪量85g/m2)に、ワイヤ−ロッドを用
いて以下の条件にて塗工、乾燥し塗工紙を得た。 コ−ト量 18g/m2 乾燥条件 150℃ オ−ブン中にて30秒間乾燥 調湿 恒温室(20℃、60%RH)にて一昼
夜 調湿後、55℃でス−パ−カレンダ−掛けを行い、平滑
な塗工紙を得た。ラテックスa〜iまでの塗料5〜13
を塗工して作成した塗工紙を、それぞれ塗工紙5〜13
とする。
【0023】塗工紙の試験 各塗工紙サンプルを3cm幅に短冊状に切り、塗工面同士
を合わせて、加熱できるプレスにて圧着させる。その
後、インストロン引張り試験機にて剥離強度を測定し粘
着の強さの判定をした。プレスにて圧着させる際の条件
は、差が見られるよう適宜変えたが、温度の影響が大き
かったため室温と50℃の二つの条件で行った。
【0024】<結果>表3に示される如く、ワックスを
含有したラテックスa〜f、h、iの剥離強度はラテッ
クスgに比べ低く、粘着性が良くなっていることがわか
る。圧着温度を50℃にあげた場合でも、ブタジエンの
多いラテックスの粘着性が悪くなるという一般的な傾向
は残るものの、ワックスの含有しないラテックスgに比
べると、剥離強度が低く粘着性の改善が見られる。ラテ
ックスb、e、f、h、iの結果から、ワックスをラテ
ックス粒子内に膨潤させたほうが、ワックスエマルジョ
ンをブレンドさせたものより効果が大きく、言い換えれ
ば、同レベルの改善を得るために使用するワックス量が
少なくて済むことが判る。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−211394(JP,A) 特開 昭56−148997(JP,A) 特開 昭57−117337(JP,A) 特開 昭60−135462(JP,A) 特開 昭55−94983(JP,A) 特公 昭46−42986(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴムラテックス固形分100重
    量部当たり0.5〜10重量部のモンタン酸ワックスが
    ラテックス粒子内に存在してなることを特徴とする紙塗
    工用ラテックス。
JP35602492A 1992-12-17 1992-12-17 紙塗工用ラテックス Expired - Fee Related JP3276693B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35602492A JP3276693B2 (ja) 1992-12-17 1992-12-17 紙塗工用ラテックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35602492A JP3276693B2 (ja) 1992-12-17 1992-12-17 紙塗工用ラテックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06184995A JPH06184995A (ja) 1994-07-05
JP3276693B2 true JP3276693B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=18446943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35602492A Expired - Fee Related JP3276693B2 (ja) 1992-12-17 1992-12-17 紙塗工用ラテックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3276693B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19522400A1 (de) * 1995-06-21 1997-01-02 Basf Ag Verwendung von Papierstreichmassen mit hohem Butadiengehalt im Tiefdruck
JP6823928B2 (ja) * 2016-01-19 2021-02-03 共同印刷株式会社 剥離性感圧接着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06184995A (ja) 1994-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08239408A (ja) 水性ポリマー分散液
JPH07118450A (ja) 低フォルムアルデヒド高ゲル率ラテックス結合剤
JPS6344879B2 (ja)
JP3276693B2 (ja) 紙塗工用ラテックス
JPH05163308A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2009068129A (ja) 高炭酸カルシウム含有紙塗工用組成物
JP3144874B2 (ja) 共重合体ラテックス
JPH10298208A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法ならびに該共重合体ラテックスを含有してなる紙塗工用組成物。
JP3030610B2 (ja) 紙塗工用ラテックスの製造方法
JPS6399395A (ja) 紙塗被組成物
JP3089071B2 (ja) 顔料組成物
JP3115837B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2000087012A (ja) 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JPH0616736A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2001200196A (ja) 紙塗工用ラテックス組成物およびその製造方法
JPH05279406A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法ならびに該共重合体ラテックスを含有してなる組成物
JP3247924B2 (ja) 紙塗工用組成物及び該組成物を塗工して得られる塗工紙
JP3148315B2 (ja) 紙塗工用組成物および塗工紙
JPH04332701A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3788553B2 (ja) 紙被覆用組成物及び塗被紙
JP2001192997A (ja) オフセット印刷紙塗工用バインダーの製造方法
JP3136180B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2009013541A (ja) 紙塗工用共重合体ラテックス。
JP2849451B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製造方法
JP4260963B2 (ja) クリアーコート用水分散体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees