JP3276577B2 - 光学式表面粗さ計測装置 - Google Patents

光学式表面粗さ計測装置

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JP3276577B2
JP3276577B2 JP03242397A JP3242397A JP3276577B2 JP 3276577 B2 JP3276577 B2 JP 3276577B2 JP 03242397 A JP03242397 A JP 03242397A JP 3242397 A JP3242397 A JP 3242397A JP 3276577 B2 JP3276577 B2 JP 3276577B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板等の被測定物
の表面粗さを計測するために利用される光学式表面粗さ
計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板等の被測定物の表面粗さを計
測する装置としては、接触型の装置の代表としてタリス
テップ、また、非接触型の装置の代表として光を用いた
干渉型の装置と散乱を用いた装置とが知られていた。
【0003】接触型の装置は、細い針により表面をなぞ
り、表面の凹凸の程度を計測するものであるが、計測時
間がかかること、また、被測定物が柔らかい場合には傷
を付けてしまうこと、また、表面の粗さが細かいと針先
の形状に依存してしまうこと等の欠点があった。
【0004】この欠点を補うものとして光学的な方法が
考えられている。その一つが、干渉型の計測装置であ
り、参照面と被測定面との干渉縞のコントラストと位相
情報より、被測定物の表面状態を計測していた。しかし
ながら、干渉型のために、振動の影響を受け易く、ま
た、参照面の状態に依存するなどの欠点を有していた。
【0005】また、光学的な他の方法として、散乱光を
利用したものがある。これは、全散乱光と全光量との比
(Total Integrate Scatter いわゆる TIS法)により、
自乗平均平方根粗さRrms を測定する方法である。
【0006】TIS法では、図8に示すように、レーザ
ー光源21から出力されたコヒーレント光は、回転鏡2
2、アパーチュア23、および積分球24を通過して被
測定物25に照射され、被測定物25の表面により反射
される。この反射光の全光量を計測するために、入射角
と反射角とが互いに一致する正反射光の光量は回転鏡2
2を介して検出器26によって計測され、また、入射角
と反射角とが互いに一致しない散乱反射光(以下、単に
散乱光という)の光量は積分球24を介して検出器27
によって計測される。
【0007】このTIS法では、正反射光量Rs、全散
乱光量Rd、使用波長λとして、ビーム径に関する量を
省略するものとすると、測定光量に基づき得られる自乗
平均平方根粗さRrms は、
【数1】 である。
【0008】この場合、全散乱光を測定する必要があ
り、全散乱領域(正反射光測定エリア以外の全ての半球
状の領域)をカバーする必要があるため、散乱光受光装
置を全散乱領域に対して操作するか、アレイ状にする
か、もしくは、被測定物の散乱中心を1つの焦点とする
楕円球状の鏡面として、一方の焦点で全散乱光を集光さ
せるなどの装置にすることが考えられる。
【0009】〔従来技術の問題点〕このTIS法におい
ては、散乱光の総量と全光量との比が必要であったの
で、全光量の受光のために、正反射光の測定が必要とな
った。この場合、被測定物からの正反射光の位置が変化
しないように、被測定物が傾かないように保持するか、
または、正反射光の位置を正確に求めるような補正機構
をもうける必要があった。従って、被測定物がコンベア
ーやロボット等の搬送装置により搬送されてくるような
現場、いわゆるインラインでは、被測定物をリアルタイ
ムに計測することは困難であった。
【0010】また、全光量を測定するためには、全散乱
光と正反射光を測定しなければならず、散乱光受光装置
自体を走査する機構や受光アレイが必要になったり、光
学系が複雑になる等のため、高価な測定装置となった。
また、最近では、ハードディスクやシリコンウェファー
の基板あるいは液晶の表示画面等の基板の加工工程中で
表面状態を検査したいという、いわゆる、インライン検
査におけるニーズが高まっている。この場合には、安価
であると同時に高速な判断が必要になる。
【0011】このように従来の光学式表面粗さ測定装置
では、計測時間が長く、インライン検査に適合したもの
がなく、また、搬送装置のガタの影響に依り、干渉方式
では振動に弱く、散乱方式では正反射光の位置ずれが生
じる等により、正確な測定を行うことが困難で、実質
上、インライン検査を行うことができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、これを解決するための具体
的な課題は、非常に簡単な方式で表面の粗さを定性的に
評価または定量化できるとともにインライン検査にも適
合し、高速に計測を行うことができ、しかも搬送装置の
ガタによる影響を軽減することのできる光学式表面粗さ
計測装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
に係る光学式表面粗さ計測装置は、被測定物にコヒーレ
ント光束を照射し、前記被測定物からの反射光を測定す
ることにより、表面の粗さを計測する装置において、コ
ヒーレント光束を出射する光源と、該光源からのコヒー
レント光束を前記被測定物に照射するレンズと、前記被
測定物からの散乱反射光の一部を正反射光以外の空間領
域における正反射光から互いに異なる角度位置で受光す
る2個以上の受光素子と、該2個以上の受光素子により
受光された散乱反射光の光量に基づき自乗平均平方根表
面粗さを算出する演算処理手段とを備えたことを特徴と
するものである。
【0014】また、請求項2に係る光学式表面粗さ計測
装置は、被測定物にコヒーレント光束を照射し、前記被
測定物からの反射光を測定することにより、表面の粗さ
を計測する装置において、コヒーレント光束を出射する
光源と、該光源からのコヒーレント光束を前記被測定物
に照射するレンズと、前記被測定物からの散乱反射光の
一部を正反射光以外の空間領域における正反射光から互
いに異なる角度位置で受光する2個以上の受光素子と、
該2個以上の受光素子により受光された散乱反射光の光
量の比を算出する演算処理手段とを備えたことを特徴と
する。
【0015】また、請求項3に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の受光面が散乱反射光の一部だけ
を受光する矩形状、円環状または円環の一部からなる形
状であることを特徴とする。
【0016】また、請求項4に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光の一
部だけを透過させる矩形状、円環状または円環の一部か
らなる形状のスリットを配置することを特徴とする。
【0017】また、請求項5に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光の一
部だけを反射させる矩形状、円環状または円環の一部か
らなる形状の反射型マスクを配置することを特徴とす
る。
【0018】また、請求項6に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光の一
部のみ透過させる矩形状、円環状または円環の一部から
なる形状のスリットと、該スリットを透過した散乱反射
光を集光するレンズとを配設することを特徴とする。
【0019】また、請求項7に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光の一
部のみ反射させる矩形状、円環状または円環の一部から
なる形状の反射型マスクと、該反射型マスクが反射した
散乱反射光を集光するレンズとを配設することを特徴と
する。
【0020】また、請求項8に係る光学式表面粗さ計測
装置は、前記受光素子の被測定物側に、矩形状、円環状
または円環の一部の領域の散乱反射光を集光させるレン
ズを配置することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
について被測定物にレーザー光を照射する場合につき説
明する。ただし、この実施の形態は、本発明をより良く
理解させるために具体的に説明するものであって、特に
指定のない限り、発明の内容を限定するものではない。
【0022】〔第1実施形態〕光学式表面粗さ計測装置
の第1実施形態としては、図1に示すように、コヒーレ
ント光束を出射する半導体レーザーからなる光源1と、
入射光を平行光として出射するコリメータレンズ2と、
被測定物3の表面の凹凸により反射した散乱光を正反射
光領域以外の2つの空間領域で受光するフォトダイオー
ドからなる受光素子4,5と、これらの受光素子4,5
からの出力信号の比を算出するか、または受光素子4,
5からの出力信号に基づき自乗平均平方根粗さRrms
求める演算処理装置6とからなる。
【0023】この光学式表面粗さ計測装置では、光源1
より出射されたコヒーレント光束は、コリメータレンズ
2により平行光となって被測定物3に照射され、被測定
物3の表面の凹凸により反射光が散乱し、正反射光は入
射角度と同一の反射角度の方向へ反射し、散乱光束は正
反射光以外の領域に反射して、受光素子4,5が設けら
れた箇所でその一部が受光される。
【0024】このように光学系全体を被測定物3に対し
て傾けて配設すると、表面の凹凸が光源1側に向いた面
の反射光以外は光源1に戻らないので、光源1への戻り
光が極めて少なくなり、戻り光の影響を軽減することが
できる。従って、シグナル・ノイズ比S/Nの高い検出
ができる。
【0025】この実施形態においては、表面で反射され
た散乱光のうち、正反射光領域以外の2つの空間領域で
受光した散乱光に基づき自乗平均平方根粗さRrms を求
める点が特徴となっている。以下、この点につき具体的
に示す。
【0026】被測定面の表面形状の断面曲線をf(x)
とすると、コレログラムr(τ)は一般に次の式で与え
られる。
【数2】
【0027】ここで、R(τ)は断面曲線の自己相関関
数であり、Lを被測定面の計測長さとすると、次の式で
与えられる。
【数3】
【0028】一方、Rrms の定義より、
【数4】
【0029】従って、式2,3,4より
【数5】 が得られる。
【0030】被測定物表面にコヒーレント光を照射した
場合、表面の凹凸状態により、光は回折される。表面よ
り遥かに離れた領域は、いわゆる、ファーフィールド領
域となる。従って、この領域における空間周波数kの複
素振幅分布F(k)は、
【数6】 と表すことができる。即ち、ファーフィールドにおける
光の振幅分布は、断面曲線のフーリエ変換であるという
ことができる。
【0031】一般に、ある関数の自己相関関数は、その
関数のパワースペクトラムのフーリエ変換に等しい。こ
れを式に表すと、
【数7】 となる。
【0032】ここで、表面形状のコレログラムが(TI
S法でも仮定されている)相関の及ぶ幅aのガウス過程
であると仮定する。即ち、
【数8】 と表すことができる。
【0033】さて、式5,7,8より、パワースペクト
ラムのフーリエ変換は、
【数9】 と表すことができる。
【0034】散乱光の周波数空間での光量F(k)F*
(k)は、式9の逆フーリエ変換となるので、
【数10】
【0035】ここで、相関のおよぶ幅aは、凹凸の傾斜
角分布の自乗平均平方根をmとすると、
【数11】 と表すことができる。
【0036】従って、式10,11より、
【数12】 となる。
【0037】ここまでは、1次元として取り扱ってき
た。しかし、表面粗さを検出するための照射光束はある
一定の面積を有するから、上記理論を2次元に拡張す
る。2次元に拡張した場合の光量F(k)(2)
* (k)(2) は、ビーム径に関する量を省略すると、
【数13】 となる。
【0038】表面で散乱された光のうち、正反射光以外
の2つの空間領域で散乱光を受光するとき、例えば、受
光素子4と受光素子5によりそれぞれ空間周波数k1
2の2つの領域で測定した光量は、式13より、それ
ぞれ
【数14】
【数15】 となる。
【0039】この2つの式の比を取ると、
【数16】 となる。
【0040】この式の意味は、2つの領域で測定した光
量の比は、表面の粗さの自乗平均平方根粗さRrms と凹
凸の傾斜角分布の自乗平均平方根mとに関する関数で与
えられるということである。さて、ここで、簡単化する
ために、
【数17】
【数18】 として、上式を変形すると、
【0041】
【数19】 となる。
【0042】この両辺につき平方根をとると自乗平均平
方根粗さRrms が得られる。
【数20】
【0043】従って、正反射光以外の空間領域の2カ所
に受光素子4,5を設け、この受光素子4,5によって
被測定物3の表面により散乱された光量を測定し、この
測定値に基づき演算することにより被測定物表面の自乗
平均平方根表面粗さRrms を求めることができる。
【0044】〔作用・効果〕この実施形態によれば、正
反射光以外の空間領域の2カ所以上で受光量を計測する
ので、非常に大きな傾きの変化がなければ、正確に表面
粗さを計測することができる。このため、従来のTIS
法において散乱総光量と全光量との比が必要なため、全
光量の受光のためには正反射光の測定が必要であった
り、被測定物からの正反射光の位置が変化しないよう
に、被測定物が傾かないように保持するか、または、正
反射光の位置を正確に求めるような補正機構をもうける
必要があったが、これらの必要性がなくなる。
【0045】なぜならば、図2で示したように、散乱光
強度は、空間周波数が比較的高い領域(散乱角度の大き
い領域)では、大きく変化することはないので、多少、
被測定物が傾いても大きな変化をすることがない。しか
も、2つの領域で受光した光量の比を取れば、上式に示
したように、被測定物の反射率が変化しても変化しない
し、被測定物が傾いても比較的高い周波数領域の変化は
少ないので、比を取ることで、その変化はさらに軽減さ
れる。
【0046】ただし、比を取った場合には、式16に示
したように、表面の粗さの自乗平均平方根粗さRrms
凹凸の傾斜角分布の自乗平均平方根mに依るので、正確
な自乗平均平方根粗さRrms を算出することはできない
が、例えば、Rrms /mの小さいL1 では、互いに異な
る空間周波数k1 ,k2 で受光する光量差は小さく、R
rms /mの大きいL2 では、互いに異なる空間周波数k
1 ,k2 で受光する光量差は大きくなる。従って、表面
粗さの適否を評価基準との比較において相対的に評価す
ることができる。
【0047】実際、金属表面に円周方向に加工傷をつけ
た媒体の表面粗さを評価したところ、接触型のタリステ
ップの中心線平均粗さRa との間で高い相関を得てい
る。従って、インラインにおける表面状態の検査で表面
粗さの数値化を必要としない場合には、このような方法
と、上記の比を演算して設定した閾値で判定する簡単な
演算処理装置6との組合せにより、表面加工の良否を即
座に判定することができる。
【0048】また、受光素子は、表面の加工状態によ
り、以下のように選別して使うことができる。表面の加
工状態が、金属表面に円周方向に加工傷を付けた媒体の
ように一方向にそろったものやある程度加工方向が決ま
ったものなどにおいては、光の散乱方向は、その加工傷
の方向に対してほぼ垂直な方向に非常に強くなる。従っ
て、加工方向に広い矩形状の、鏡等の反射膜を蒸着した
マスク(以下、反射型マスクという。図示せず)もしく
はスリット(図5参照)を、受光素子と被測定物との間
に設けることにより、余計な散乱光をカットすることが
できたり、得られた信号のシグナル・ノイズ比S/Nを
高くすることができ、測定誤差を少なくすることができ
る。
【0049】また、被測定物が比較的周囲が明るい環境
下に置かれていても、単位面積当たりの光量は、コヒー
レント光束に比較して、非常に弱いので、スリットに入
射されるコヒーレント光束以外の光量は非常に弱くな
り、実質上、測定結果に影響を与えることがなくなる。
従って、インライン計測において、暗所にするなどの特
別な環境下にする必要性がなくなる。
【0050】〔別態様〕この実施形態の受光素子は、正
反射光を除く領域に3個以上の受光素子(図示せず)を
配置しても良い。この場合には、受光素子数をN個とし
た場合に、各受光素子の2つずつの組み合わせより N
2 個の情報を得ることができるので、これらの比あるい
は式19により、各値を計算して平均値もしくは近似曲
線より所望の値を得るようにすれば測定精度を増すこと
ができる。
【0051】この他に、表面の加工状態が、レンズの研
磨面などのように、加工傷の方向が全くランダムであっ
たり、少々方向性を有するような場合には、光の散乱方
向は、全方向に広がるので、反射型マスクもしくはスリ
ットを設けた場合では、ある空間周波数の全光束を受光
したことにはならないので、このような場合には、図3
に示すように、反射光を中心とした円環状の受光面を有
する受光素子7,8を配置しても良い。円環状の受光面
を有する受光素子7,8を使用した場合には、ある空間
周波数領域を全て包含しているので、加工方法に依ら
ず、安定した検出を行うことができる。従って、より汎
用性の高い表面粗さ測定ができる利点がある。
【0052】また、同様の理由により、円環状の受光面
を有する受光素子7,8と被測定物3との間にスリット
(図示せず)を配置しても良い。加工傷が全くランダム
な方向を向いている場合には、散乱光は散乱角が等しけ
れば均一になるので、円環状の一部の光を受光しても同
様の目的を達することができる。
【0053】また、上記散乱光を透過させるスリットば
かりではなく、反射させる反射型マスクを使用しても良
い。この反射型マスクを使用したものでは、空間周波数
の異なる2つ以上の領域を各反射型マスクの反射方向を
変えることにより、空間的に完全に分離させることがで
きるので、省スペース化が図れる。
【0054】また、光源1の向きは、図4に示すよう
に、コヒーレント光束が被測定物に対して垂直に出射す
るような向きに配置しても良い。この場合にはインライ
ン計測における光学系全体の占めるスペースが少なくて
すむ利点がある。なお、光源としては、コヒーレント光
源であれば、半導体レーザーのみならず、気体レーザー
や固体レーザーのような、他のどのような光源を用いて
も良いことは言うまでもない。
【0055】〔第2実施形態〕次に、スリットを透過し
てきた散乱光をレンズで集光させる場合について述べ
る。図5に示すように、被測定物3と受光素子4,5と
の間に透過型の矩形状または円環状のスリット11,1
2をそれぞれ配設し、そのスリット11,12と受光素
子4,5との間に散乱光を集光させるレンズ13,14
をそれぞれ配設し、さらに、被測定物の表面の凹凸によ
り散乱された光を2つの光束に分けて、一方の光束がス
リット11および集光レンズ13を経て受光素子4に集
光され、他方の光束がスリット12および集光レンズ1
4を経て受光素子5に集光されるように配置したビーム
スプリッタ15を設ける。
【0056】この場合には、光源1より出射されたコヒ
ーレント光束は、コリメータレンズ2により略平行光束
となり、この略平行光束を被測定物3に照射すると、被
測定物3の表面の凹凸により光は散乱され、散乱された
光をビームスプリッタ15により2つの光束に分けら
れ、一方の光束がスリット11を経て集光レンズ13に
より受光素子4に集光され、他方の光束がスリット11
よりも高い空間周波数領域の散乱光を透過させるスリッ
ト12を経て集光レンズ14により受光素子5に集光さ
れる。
【0057】この場合には、第1実施形態で述べた原理
により受光素子4,5の出力の比を式16を用いて取る
ことにより、表面の粗さの評価ができ、受光素子4,5
の出力より自乗平均平方根粗さRrms を式20を用いて
算出することができる。このため本第2実施形態では、
第1実施形態で述べた利点の他に、スリットを円環状に
形成することにより円環状の受光面を有する受光素子が
必要なくなること、また、表面状態に依らず表面粗さを
評価することができること等の利点が挙げられる。
【0058】また、光源1からの出射光をやや収束気味
にして被測定物3に照射し、集光レンズ13、14を凸
レンズとすることにより、平行光束を収束する場合に比
較すると、全光路長を短くすることができ、全体系をコ
ンパクトにできる。また、受光素子4,5の受光面の形
状を散乱光の受光したい空間周波数領域に合わせた形状
にする必要がなくなるので、設計の自由度が増す。
【0059】また、上記散乱光を透過させるスリットば
かりではなく、反射させる反射型マスクを使用しても良
い。この反射型マスクを使用したものでは、空間周波数
の異なる2つ以上の領域を各反射型マスクの反射方向を
変えることにより、空間的に完全に分離させることがで
きるので、省スペース化が図れる。
【0060】〔第3実施形態〕さらにまた、マスクやス
リットの効果と集光レンズの効果を併せ持った複合的な
素子を用いる場合について述べる。図6に示すように、
集光レンズ16は、レンズ中心を除く円環状の2つの透
光領域A,Bを有し、他の領域は光が透過しないように
マスクする。そして、この2つの透光領域A,Bには各
々別の焦点距離を与える。
【0061】このような集光レンズ16を製造するに
は、凸レンズの前側の曲率半径を各領域A,Bで異なる
ように研磨するか、各領域の屈折率を別々のイオンの注
入により変化させるか、あるいはホログラム素子にする
等の多くの方法が考えられるが、最も簡単な方法として
は、異なる焦点距離を有する2つの凸レンズを円環状に
切り出し、マスク領域を平面ガラスとしてはめ込むこと
により実現することができる。ただし、実際には、前側
で屈折した光線の高さは後側では前側よりも低くなるか
ら、各領域A,Bは必要とする空間周波数領域よりも大
きめに円環部分を切り出す必要がある。
【0062】このような複合的な素子を用いると、円環
状の部分を通過した光束、即ち、被測定物3により散乱
された光の異なる空間周波数を、異なる焦点で検出する
ことができ、従って、図7に示すように、集光レンズ1
6、受光素子4、および受光素子5を光学的に直列な配
置にすることができる。
【0063】これにより、光源1より出射されたコヒー
レント光束は、コリメータレンズ2により平行光束とな
り、この平行光束を被測定物3に照射すると、被測定物
の表面の凹凸により、光は散乱され、散乱された光は集
光レンズ16により透光領域A,Bを透過した光束を異
なる焦点位置に置かれた受光素子4と受光素子5にて検
出することができる。
【0064】このような配置にしたことにより、第1実
施形態で述べた原理により受光素子4,5の出力の比を
式16を用いて取ることにより、表面の粗さの評価がで
き、受光素子4と受光素子5との出力に基づき自乗平均
平方根粗さRrms を式20を用いて算出することができ
る。
【0065】この第3実施形態では、第1,2実施形態
で述べた利点の他に、ビームスプリッター15等を用い
る必要がないために、光学系が非常に簡素化される。ま
た、図7において、光源1からの出射光をやや収束気味
にして被測定物に照射すると、平行光を収束する場合に
比較して、全光路長を短くすることができ、全体系をコ
ンパクトにすることができる。
【0066】さらに、集光レンズ16の円環状領域を3
つ以上にすることもできるので、簡単な構成で3つ以上
の空間周波数領域の情報を同時に検出することもでき
る。従って、正反射光を除く領域に3個以上の受光素子
を配置したのと変わりがなく、この場合には、第1実施
形態で述べたように、受光素子数をN個とした場合に、
各受光素子の2つずつの組み合わせより、 N2 個の情
報を得ることができるので、これらの比あるいは式20
により各々の数値を計算して平均値もしくは近似曲線よ
り所望の値を得るようにすれば測定精度を増すことがで
きる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る光学式表面粗さ計測装置では、正反射光からの距離
のガウス分布に従い強度が変化する散乱反射光を、正反
射光から離れた2つ以上の散乱反射光受光領域で光量測
定しているので、被測定物が角度θだけ傾くなどにより
散乱方向が角度2θ程度変化したとしても、検出出力の
傾きに依る影響を低減させることができる。従って、ロ
ボットやコンベアー等の被測定物搬送手段により被測定
物を搬送する途中で、チャッキング状態が変化したり、
チャッキングが毎回変化したり、或いは、搬送手段の振
動等により、光軸と被測定物との角度が変化したとして
も、その影響を低減することができるので、被測定物の
インライン検査が容易にできるようになる。また、2つ
以上の散乱光受光領域に設けられた受光素子からの出力
に基づく演算により自乗平均平方根表面粗さRrms を算
出することができるので表面粗さを定量化することがで
きる。
【0068】請求項2に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、2つ以上の散乱反射光受光領域における光量の比を
取ることで、簡便に相対的な表面粗さを評価することが
できるとともに、検出出力の傾きに依る影響を低減させ
ることができる。また、被測定物搬送手段を用いた被測
定物の搬送において、光軸と被測定物との角度が変化し
てもその影響を低減でき、インライン検査を容易かつ迅
速に実行することができる。
【0069】請求項3に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の受光面が散乱反射光の一部だけを受光す
る矩形状、円環状または円環の一部からなる形状に成形
されているから、不要な散乱光をカットして、S/Nを
向上させることができて測定精度を向上させることがで
き、表面粗さの定性的な評価値や自乗平均平方根表面粗
さRrmsの測定精度を高めることができる。
【0070】請求項4に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の被測定物側に、散乱光の一部だけを透過
させる矩形状、円環状または円環の一部からなる形状の
スリットを配置したことにより、光学系の構成が非常に
簡単になるとともに、不要な散乱光をカットして、S/
Nを向上させることができ、測定精度を高くすることが
できる。
【0071】請求項5に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の被測定物側に、散乱光の一部だけを反射
させる矩形状、円環状または円環の一部からなる形状の
反射型マスクを配置したことにより、光学系の構成が非
常に簡単になるとともに、不要な散乱光をカットして、
S/Nを向上させることができ、測定精度を高くするこ
とができる。
【0072】請求項6に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の被測定物側に、散乱光の一部だけを透過
させる矩形状、円環状または円環の一部からなる形状の
スリットと、このスリットを透過してきた散乱光を集光
するための集光レンズとを配置したことにより、不要な
散乱光をカットしてS/Nを向上させることができ、測
定精度を向上させることができるとともに、不要な光を
カットできるので計測位置を暗所にする必要性がなくな
る。
【0073】請求項7に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の被測定物側に、散乱光の一部だけを反射
させる矩形状、円環状または円環の一部からなる形状の
反射型マスクと、この反射型マスクを反射してきた散乱
光を集光するための集光レンズとを配置したことによ
り、不要な散乱光をカットしてS/Nを向上させること
ができ、測定精度を向上させることができるとともに、
不要な光をカットできるので計測位置を暗所にする必要
性がなくなる。
【0074】請求項8に係る光学式表面粗さ計測装置で
は、受光素子の被測定物側に矩形状、円環状または円環
の一部の領域の散乱光を集光させるレンズを配置したこ
とにより、光学系の構成を非常に簡単な構成にすること
ができ、コンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態の光学式表面粗さ
計測装置を示す構成図である。
【図2】本発明における第1実施形態の光学式表面粗さ
計測装置に係る光散乱強度と散乱角度(空間周波数)と
の関係を示す図である。
【図3】本発明における第1実施形態の光学式表面粗さ
計測装置を実現する第1別態様を示す構成図である。
【図4】本発明における第1実施形態の光学式表面粗さ
計測装置を実現する第2別態様を示す構成図である。
【図5】本発明における第2実施形態の光学式表面粗さ
計測装置を示す構成図である。
【図6】本発明における第3実施形態の光学式表面計測
装置に用いられる複合的機能を有する集光レンズを示す
説明図であり、(イ)は集光レンズの側面図、(ロ)は
集光レンズの正面図である。
【図7】本発明における第3実施形態の光学式表面粗さ
計測装置を示す構成図である。
【図8】従来のTIS法を適用した光学式表面粗さ計測
装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ(光源) 2 コリメータレンズ(レンズ) 3 被測定物 4,5 受光素子 6 演算処理装置(演算処理手段) 7,8 円環状の受光面を有する受光素子 11,12 スリット 13,14 集光レンズ 15 ビームスプリッタ 16 集光レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−32207(JP,A) 特開 昭62−2114(JP,A) 特開 昭59−50309(JP,A) 特開 昭54−24051(JP,A) 米国特許5708506(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物にコヒーレント光束を照射し、前
    記被測定物からの反射光を測定することにより、表面の
    粗さを計測する装置において、 コヒーレント光束を出射する光源と、 該光源からのコヒーレント光束を前記被測定物に照射す
    るレンズと、 前記被測定物からの散乱反射光の一部を正反射光以外の
    空間領域における正反射光から互いに異なる角度位置で
    受光する2個以上の受光素子と、 該2個以上の受光素子により受光された散乱反射光の光
    量に基づき自乗平均平方根表面粗さを算出する演算処理
    手段とを備えたことを特徴とする光学式表面粗さ計測装
    置。
  2. 【請求項2】被測定物にコヒーレント光束を照射し、前
    記被測定物からの反射光を測定することにより、表面の
    粗さを計測する装置において、 コヒーレント光束を出射する光源と、 該光源からのコヒーレント光束を前記被測定物に照射す
    るレンズと、 前記被測定物からの散乱反射光の一部を正反射光以外の
    空間領域における正反射光から互いに異なる角度位置で
    受光する2個以上の受光素子と、 該2個以上の受光素子により受光された散乱反射光の光
    量の比を算出する演算処理手段とを備えたことを特徴と
    する光学式表面粗さ計測装置。
  3. 【請求項3】前記受光素子の受光面が散乱反射光の一部
    だけを受光する矩形状、円環状または円環の一部からな
    る形状であることを特徴とする請求項1または2記載の
    光学式表面粗さ計測装置。
  4. 【請求項4】前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光
    の一部だけを透過させる矩形状、円環状または円環の一
    部からなる形状のスリットを配置することを特徴とする
    請求項1または2記載の光学式表面粗さ計測装置。
  5. 【請求項5】前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光
    の一部だけを反射させる矩形状、円環状または円環の一
    部からなる形状の反射型マスクを配置することを特徴と
    する請求項1または2記載の光学式表面粗さ計測装置。
  6. 【請求項6】前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光
    の一部のみ透過させる矩形状、円環状または円環の一部
    からなる形状のスリットと、該スリットを透過した散乱
    反射光を集光するレンズとを配設することを特徴とする
    請求項1または2記載の光学式表面粗さ計測装置。
  7. 【請求項7】前記受光素子の被測定物側に、散乱反射光
    の一部のみ反射させる矩形状、円環状または円環の一部
    からなる形状の反射型マスクと、該反射型マスクが反射
    した散乱反射光を集光するレンズとを配設することを特
    徴とする請求項1または2記載の光学式表面粗さ計測装
    置。
  8. 【請求項8】前記受光素子の被測定物側に矩形状、円環
    状または円環の一部の領域の散乱反射光を集光させるレ
    ンズを配置することを特徴とする請求項1または2記載
    の光学式表面粗さ計測装置。
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