JP3276417B2 - 強誘電性液晶表示素子の駆動方法 - Google Patents

強誘電性液晶表示素子の駆動方法

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JP3276417B2 JP24801892A JP24801892A JP3276417B2 JP 3276417 B2 JP3276417 B2 JP 3276417B2 JP 24801892 A JP24801892 A JP 24801892A JP 24801892 A JP24801892 A JP 24801892A JP 3276417 B2 JP3276417 B2 JP 3276417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電性液晶表示素子の
駆動方法に関し、特に、表面安定化による強誘電性液晶
表示素子における複数の階調表示を行う強誘電性液晶表
示素子の駆動方法に関する。近年、オフィスオートメー
ションの進展に伴って、ワードプロセッサやパーソナル
コンピュータ等の所謂OA機器を利用する機会が増加し
ている。特に、パーソナルユーズとしては、小型のOA
機器が好まれるため、ラップトップおよびパームトップ
等の小型・軽量機の需要が高い。このような小型のOA
機器では、ヒューマンインターフェイスとしてのキーボ
ードやディスプレイに対しても、当然に小型化が要求さ
れている。特に、装置の顔であるディスプレイに対して
は、単に、小型・軽量だけでなく、平面薄型および高画
質が要望されている。
【0002】
【従来の技術】現在、ディスプレイに対する小型・軽
量, 並びに, 平面薄型および高画質の要求に対して、液
晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)が
最も広く利用されている。LCDは、小型・軽量で且つ
薄型・低消費電力であり、比較的表示容量も大きくカラ
ー化も可能であるため、OA機器のディスプレイに必要
とされる要素をほぼ満足することができる。
【0003】しかしながら、従来から用いられているス
ーパーツイスト型LCD(STN−LCD)は表示容量
が1200×800画素程度が限界であり、さらに、応
答時間が長いため、マウス等で画面上のカーソルを移動
させた時、カーソルの動きがマウスの動きに追随できな
いため、マウスを使用するコンピュータ等のディスプレ
イとしては問題がある。また、STN−LCDは、表示
容量の増加に伴ってコントラスト比が低下するという問
題もある。特に、1200×800画素の高精細表示で
は、コントラスト比が高々8:1程度であり、十分な値
ではない。さらに、STN−LCDの最大の問題点は視
野角が狭いことであり、画面法線方向に対して高々±3
0゜程度の視野角しかないため、見る角度によってコン
トラスト比が変わったり色が変化するため、極めて見ず
らいディスプレイとなり、改善および改良が強く求めら
れている。
【0004】そこで、従来、STN−LCDの持つ欠点
を改善する液晶駆動モードとして、強誘電性液晶(FLC-
LCD,FLCD: Ferroelectric Liquid Crystal Display) お
よび表面安定化による強誘電性液晶(SSFLC: Surface S
tabilized erroelectric Liquid Crystal)構造が提案さ
れている(例えば、Appl.Phys.Lett.Vol.36, pp.899,N.
A.Clark et al参照) 。このFLC−LCDは、電気−
光学特性において双安定を示すため、液晶のメモリ効果
を利用した大容量表示が可能であり、また、1ラインの
走査線当たりの駆動時間が100μsec.程度と極めて速
いため、マウス等の動きに対して、表示が十分に追随す
ることができる。さらに、FLC−LCDでは、液晶分
子が印加電界の有無に関わらず常に基板(ガラス支持基
板)に対して平行となっているため、視野角が極めて広
く、事実上、表示特性の視野角依存性がないと言っても
よい程である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、FL
C−LCDは、大容量のOA用ディスプレイとして極め
て有望なものであるが、表示品質上における問題が知ら
れている。すなわち、FLC−LCDは、階調表示が十
分できず、基本的に双安定駆動であるため、原理的に
「黒」か「白」の2値表示となることである。これに対
して、従来、FLC−LCDにおける階調表示を可能と
する方法として、ドメイン制御法, パルス変調法, およ
び, 面積階調法が提案されている。
【0006】まず、ドメイン制御法は、1画素内の液晶
ドメインの反転状態を制御することにより階調を実現す
るものである(例えば、Proceedings of the SID (Soci
etyfor Information Display), Vol. 32/2, pp. 115〜1
20 (1991), W.J.A.M. Hartmann et al 参照) 。すなわ
ち、1画素内の液晶分子配向は均一ではなくいくつかの
ドメインに分かれており、この分割されたドメインの反
転数を制御することによって、いわば1画素内での面積
階調を行って複数の階調表示を行うものである。
【0007】また、パルス変調法は、後に詳述するよう
に、一定時間内に反転する回数をパルス数によって制御
し、複数の階調表示を実現するものである(例えば、Na
tional Technical Report, Vol. 38, No. 3, pp. 313〜
317 (1992), N. Wakita et al 参照) 。このパルス変調
法は、もともとSTN等のネマティック液晶では広く行
われている方法で、液晶の応答時間が速い程階調度数を
多くすることができる。
【0008】さらに、面積階調(Dithering) 法は、1絵
素を複数の画素で構成することにより、各画素を独立に
反転させて絵素としての階調を実現するものである(例
えば、SID DIGEST, '91, pp. 261〜264, Y. Yabe et al
参照) 。この面積階調法は、例えば、新聞の網点写真等
で広く用いられている手法であり、液晶でも利用されて
いる。
【0009】しかしながら、ドメイン制御法は、温度に
よってドメイン領域が変化し易いこと、作製上ドメイン
数の制御が困難という欠点がある。また、パルス変調法
は、液晶の応答速度の時間依存性、特に、10℃以下の
低温域で液晶応答時間が遅くなるのに伴って階調度数が
急速に低減するという問題があり、現状の液晶の応答速
度では十分機能せず、敢えて行っても4階調程度が限度
である。さらに、面積階調法では、画素数が実効的に減
少するため、解像度に難点があり、また、超大容量表示
パネルが必要となるため、駆動回路数の増加によるコス
トアップ等の問題がある。
【0010】本発明は、上述した従来のディスプレイが
有する課題に鑑み、強誘電性液晶表示素子における有効
な階調表示の方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、選択電
圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択電圧Vnsの各電圧レ
ベルを有する信号を使用して表面安定化による強誘電性
液晶表示素子を駆動する強誘電性液晶表示素子の駆動方
法であって、前記Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択電圧
Vnsの相対的な比率或いは絶対的な電圧レベルを変化さ
た駆動信号を、各フレーム毎または数フレーム毎に変
化させて前記強誘電性液晶表示素子に印加し、該強誘電
性液晶表示素子における複数の階調表示を行うようにし
たことを特徴とする強誘電性液晶表示素子の駆動方法が
提供される。
【0012】
【作用】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法によ
れば、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択電圧V
nsの相対的な比率により、すなわち、Vs :Vhs:Vns
= 4:2:1, 4:2:1.5, 4:2:2, 4:1:1 等に変化させた駆動
信号を、各フレーム毎または数フレーム毎に変化させて
強誘電性液晶表示素子に印加することで、表面安定化に
よる強誘電性液晶表示素子における複数の階調表示を行
うことができる。
【0013】また、本発明の強誘電性液晶表示素子の駆
動方法によれば、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非
選択電圧Vnsの絶対的な電圧レベルにより、例えば、選
択電圧Vs の電圧レベルを変化させた駆動信号を、各フ
レーム毎または数フレーム毎に変化させて強誘電性液晶
表示素子に印加することで、表面安定化による強誘電性
液晶表示素子における複数の階調表示を行うことができ
る。ここで、選択電圧Vs の電圧レベルを変化させる
と、それに伴って、半選択電圧Vhsおよび非選択電圧V
nsの電圧レベルが変化することになる。
【0014】尚、本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動
方法は、ドメイン制御法、パルス変調法、または、面積
階調法を組み合わせて使用することにより、階調度数を
さらに増加することができる。このように、本発明の強
誘電性液晶表示素子の駆動方法によれば、強誘電性液晶
表示素子における有効な階調表示を行うことができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る強誘電性
液晶表示素子の駆動方法を説明する。図1は本発明に使
用する強誘電性液晶表示素子を説明するための図であ
り、ナフタレン系液晶により構成した強誘電性液晶表示
素子の一例を示している。
【0016】図1(a) に示されるように、強誘電性液晶
表示素子は、対向するガラス等の絶縁基板1および2に
よりナフタレン系液晶等の強誘電性液晶5を挟むように
して構成されている。そして、一方の絶縁基板1にはI
TO等の透明電極よりなる信号電極(データ電極)3が
設けられ、また、他方の絶縁基板2にはITO等の透明
電極よりなる走査電極(スキャン電極)4が設けられて
いる。これら信号電極3および走査電極4は、それぞれ
絶縁基板1および2に対して直交するように複数本設け
られ、これによりマトリクス状の画素が形成されるよう
になっている。尚、本発明が適用される強誘電性液晶表
示素子の駆動方法は、上記の単純マトリクス型の液晶表
示装置における強誘電性液晶表示素子に適用されるだけ
でなく、様々な構成の液晶表示装置における強誘電性液
晶表示素子に適用することができるのはもちろんであ
る。ここで、本発明で使用する強誘電性液晶表示素子
は、表面安定化により、層構造(ブックシェルフ構造)
を有するものである。すなわち、絶縁基板1および2の
間隙による界面効果に起因する液晶分子の分子配列およ
びスメクティック相液晶の分子間相互作用のために、強
誘電性液晶は図1(a) に示す層構造をとるが、本発明
は、この表面安定化により層構造を有する強誘電性液晶
表示素子の駆動方法を提供するものである。
【0017】図1(a) に示されるように、強誘電性液晶
5は、2枚の絶縁基板1および2の間において、所定間
隔(例えば、約35Å程度の間隔)の層構造(ブックシ
ェルフ構造)5a,5b,5c,…となっていることが知られてい
る。すなわち、図1(b) に示されるように、強誘電性液
晶表示素子は、距離x方向において、例えば、約35Å
程度の間隔で電子密度が周期的に変化することが観測さ
れる。
【0018】図2は本発明の強誘電性液晶表示素子の駆
動方法に適用する4スロット法を説明するための図であ
る。同図において、参照符号Vs は選択電圧(書き込み
電圧),Vhsは半選択電圧, Vnsは非選択電圧を示してい
る。図2に示されるように、4スロット法(1/4バイアス
法) は、選択電圧Vs のレベルを4VX とし、半選択電
圧Vhsのレベルを2VX とし、非選択電圧Vnsのレベル
をVX とし、すなわち、Vs :Vhs:Vns=4:2:1
となるように設定して液晶表示素子を駆動する方法であ
る。
【0019】図3は本発明に係る強誘電性液晶表示素子
の駆動方法の原理を説明するための図(その1)であ
り、また、図4は本発明に係る強誘電性液晶表示素子の
駆動方法の原理を説明するための図(その2)である。
まず、図3に示されるように、強誘電性液晶表示素子
は、「白」→「黒」を書き込む場合、書き込み電圧(選
択電圧Vs)を0ボルトから上昇させて行くと、それに対
応して光透過率が減少し、約17ボルト付近で最小とな
る。さらに、書き込み電圧を上昇させて行くと、再び光
透過率が増加する。本発明では、この強誘電性液晶表示
素子が有する特性を利用して、図2に示す4スロット法
における電圧のレベルを変化させることにより、異なる
階調を得るものである。
【0020】すなわち、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsお
よび非選択電圧Vnsの電圧レベルの比率は、例えば、そ
のままVs :Vhs:Vns=4:2:1とし、全体の電
圧、換言すると、電圧VX の値を変化させることによ
り、異なる階調を得るようになっている。具体的に、選
択電圧Vs を20ボルト(電圧VX を5ボルト)とする
と、コントラスト比C2/C1 が得られ、選択電圧Vs を
28ボルト(電圧VX を7ボルト)とすると、コントラ
スト比C4/C3 が得られ、そして、選択電圧Vs を32
ボルト(電圧VX を8ボルト)とすると、コントラスト
比C6/C5 が得られ、それぞれ異なる階調(コントラス
ト比C2/C1,C4/C3,および, C6/C5)の表示を行うこ
とができる。
【0021】次に、図4に示されるように、強誘電性液
晶表示素子は、「白」→「黒」を書き込む場合、書き込
み電圧(選択電圧Vs)を0ボルトから上昇させて行く
と、それに対応して光透過率が減少し、約17ボルト付
近で最小となる。さらに、書き込み電圧を上昇させて行
くと、再び光透過率が増加する。ここで、図2に示す4
スロット法において、各電圧の比率をVs :Vhs:Vns
=4:2:1からVs :Vhs:Vns=4:2:1.5 へ変
化させると、図4における実線で示す特性から破線で示
す特性へ変化する。従って、選択電圧Vs を20ボルト
に固定した場合(VX を5ボルトに固定した場合)で
も、Vs :Vhs:Vns=4:2:1とした時と、Vs :
Vhs:Vns=4:2:1.5 とした時では、異なる階調
(コントラスト比C9/C7 およびC9/C8)の表示を行う
ことができる。
【0022】すなわち、選択電圧Vs を20ボルトに固
定しておき、選択電圧Vs と非選択電圧Vnsとの比率を
変化させることにより、異なる階調を表示することが可
能となる。ここで、選択電圧Vs と半選択電圧Vhsとの
比率を変化させた場合も同様に異なる階調を得ることが
できる。さらに、図2におけるパルス幅PWを変化させ
ることにより、異なる階調を得ることができるが、上述
した選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択電圧Vns
の電圧レベルの比率を変化させる方法、および、これら
の電圧レベルを変化させる方法と組み合わせることによ
り、実用上必要とされる階調を容易に得ることができる
ようになっている。
【0023】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法
は、図3および図4を参照して説明した原理を使用して
複数の階調を得るようになっているが、次に、その具体
的な実験例を示す。多重駆動のバイアス比、すなわち、
選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択電圧Vnsの電
圧レベルの相対値の変化に伴う駆動マージン(Window:
閾値特性)の変化を調べるために次のFLC−LCDを
作製した。
【0024】まず、直径15mmの丸ベタ透明電極付ガラ
ス基板を洗浄した後、ポリビニルアルコールをスピンコ
ーターで塗布し、150℃, 1hで焼成して500Åの
PVA膜を成膜した。この膜の表面をナイロン製の布で
ラビングし、 1.6μm平均粒径のガラス球をスペーサと
して液晶パネルを作製した。このパネルにナフタレン系
液晶を主成分とする混合液晶 (Ferroelectrics Vol.11
3, pp.353−359 A.Mochizuki et al に記載した強誘電
性液晶) を注入し、FLC−LCDとした。
【0025】このパネルを使用して、4スロット波形
(図2参照)を用いて多重駆動し、閾値特性とバイアス
比、Vs,VhsおよびVnsの相対値の関係を測定した。図
5および図7は本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方
法を説明するための非選択電圧の比率および光透過率の
関係を示す図であり、図6および図8は半選択電圧の比
率および光透過率の関係を示す図である。ここで、図5
および図6は、駆動電圧のパルス幅が100μsec.の場
合を示し、また、図7および図8は、駆動電圧のパルス
幅が70μsec.の場合を示している。
【0026】図5は、駆動電圧のパルス幅が100μse
c.の場合、選択電圧Vs を半選択電圧Vhsの2倍(Vs
=2Vhs)とし、非選択電圧Vnsの選択電圧Vs に対す
る比率を25%から50%まで変化させた時の駆動マー
ジン (Window) を示すものである。図5から明らかなよ
うに、各非選択電圧Vnsの割合(比率)に対してコント
ラスト比10:1以上が可能な選択電圧Vs の波高値幅
(電圧レベル)が変化することを示している。従って、
選択電圧Vs の波高値を一定、すなわち、選択電圧Vs
を一定としたまま、非選択電圧Vnsを変えることにより
コントラスト比を変化させ得ることが判る。
【0027】図6は、駆動電圧のパルス幅が100μse
c.の場合、選択電圧Vs を非選択電圧Vnsの4倍(Vs
=4Vns) とし、半選択電圧Vhsの選択電圧Vs に対す
る比率を25%から100%まで変化させた時の駆動マ
ージン (Window) を示すものである。図6から明らかな
ように、選択電圧Vs を一定とし、半選択電圧Vhsの選
択電圧Vs に対する割合を変化させることによって、コ
ントラスト比を変化させ得ることが判る。
【0028】ここで、図7および図8は、駆動電圧のパ
ルス幅が70μsec.とした場合において、図5および図
6に対応したものを示している。図7および図8と図5
および図6との比較から明らかなように、駆動電圧のパ
ルス幅を100μsec.から70μsec.に短縮することに
よって、それぞれ駆動マージン (Window) がほぼ一様に
小さくなることが判る。従って、バイアス比、Vs,Vhs
およびVnsの相対値の変化に合わせてパルス変調を行う
ことにより、より精密な階調表示が可能となることが判
る。
【0029】図9〜図12は、本発明の強誘電性液晶表
示素子の駆動方法を実現する各信号波形の第1〜第4実
施例を示す図である。実際に、強誘電性液晶を使用して
液晶表示装置を駆動する場合には、走査電極および信号
電極に対して、それぞれに図9〜図12の波高値の波形
を印加してFLC−LCDを駆動する。すなわち、図9
の駆動波形は、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選
択電圧Vnsが、Vs :Vhs:Vns=4:2:1の場合で
あり、図10の駆動波形は、Vs :Vhs:Vns=4:
2:1.5 の場合である。また、図11の駆動波形は、V
s :Vhs:Vns=4:2:2の場合であり、図12の駆
動波形は、Vs :Vhs:Vns=4:1:1の場合であ
る。
【0030】以下に示す表1は、選択点電圧Vs の透過
率を100%とした時の、各波形図の非選択点電圧Vns
が印加された場合の透過率を示している。表1から明ら
かなように、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよび非選択
電圧Vnsの相対値が変化するような駆動波形で多重駆動
すればコントラスト比に変調、すなわち階調表示を可能
とすることが確認できることが判る。
【0031】ここで、本発明の強誘電性液晶表示素子の
駆動方法をブックシェルフ層構造が可能なナフタレン系
液晶に適用すれば、0〜40℃の範囲において、少なく
とも8階調、5〜40℃の範囲では少なくとも16階調
の表示が可能である。
【0032】
【表1】
【0033】このように、図9〜図12に示すような波
形のパルス信号を走査電極および信号電極に印加して強
誘電性液晶表示素子を駆動することによって、それぞれ
異なる階調で表示を行うことができる。さらに、前述し
たようにパルス変調を合わせて用いれば、走査電極に印
加する電圧レベルを、例えば、 0.5ボルト, 0ボルト,
1.5 ボルト, および, 2.0 ボルトの4レベルとし、ま
た、パルス信号のパルス幅PWを、例えば、100μse
c.および70μsec.の2段階に変調すれば合計で8レベ
ルの白黒階調が可能となる。すなわち、例えば、現在の
STN−LCDで用いられるRGBマイクロカラーフィ
ルターと組み合わせてカラー表示を行えば、R(赤),G
(緑),B(青)の各色についてそれぞれ8階調の表示が
可能となるため、パネルスクリーン上では8×8×8=
512色の発色が可能となりほぼフルカラーの表示がで
きることになる。尚、選択電圧Vs,半選択電圧Vhsおよ
び非選択電圧Vnsの比率は、図9〜図12に示すVs :
Vhs:Vns= 4:2:1, 4:2:1.5, 4:2:2, 4:1:1 以外に、
様々な値に設定することができるのはいうまでもない。
【0034】以上において、図9〜図12に示す駆動波
形は、各フレーム毎にレベルを変えて液晶表示素子に印
加すれば、さらに階調性を高めることができる。例え
ば、1秒間に30フレームの画面書き込みを行う場合、
10フレーム毎に図9〜図11の電圧レベルを用いて書
き込む場合と、30フレームすべて図9のレベルで書き
込む場合とでは、見た目のコントラスト比は後者の方が
高くなる。このようにフレーム毎に、あるいは数フレー
ム毎に電圧レベルを変えることによりさらに多階調とす
ることができる。尚、本発明の強誘電性液晶表示素子の
駆動方法は、ドメイン制御法、パルス変調法、または、
面積階調法を組み合わせて使用することにより、階調度
数をさらに増加することができる。
【0035】図13は本発明の強誘電性液晶表示素子の
駆動方法を適用した強誘電性液晶表示装置の一例の全体
的構成を示す図である。同図において、参照符号11は強
誘電性液晶パネル, 12は信号発生回路, 13は走査電極側
シフトレジスタ, 14は走査電極側駆動回路を示してい
る。さらに、参照符号15は信号電極側シフトレジスタ,1
6はラッチ回路, 17はデコーダ回路, そして, 18は信号
電極側駆動回路を示している。
【0036】信号発生回路12は、スキャン信号, データ
信号およびフレーム毎反転制御信号を出力する。スキャ
ン信号は、走査電極側シフトレジスタ13を介して走査電
極側駆動回路14に供給され、また、データ信号は、信号
電極側シフトレジスタ15, ラッチ回路16およびデコーダ
回路17を介して信号電極側駆動回路18に供給されてい
る。さらに、フレーム毎反転制御信号は、スイッチ素子
SW1 およびSW2 に供給されている。
【0037】図13に示されるように、電圧レベル2Vx,
0, -2Vxは信号電極側駆動回路18に印加され、また、電
圧レベル2Vx, Vx, 0.5Vx, -0.5Vx, -Vx, -2Vx は走査電
極側駆動回路14に印加されている。ここで、電圧レベル
Vxおよび0.5Vx は、フレーム毎反転制御信号に応じてス
イッチ素子SW1 により選択され、同様に、電圧レベル-V
x および-0.5Vxは、フレーム毎反転制御信号に応じてス
イッチ素子SW2 により選択されるようになっている。以
上により、様々な電圧レベルを有する駆動信号が強誘電
性液晶パネル11の各強誘電性液晶表示素子に印加される
ことになる。尚、本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動
方法を適用した強誘電性液晶表示装置は、図13に示す
もの以外に様々に変形することができる(例えば、走査
電極側駆動回路14, 信号電極側駆動回路18, スイッチ素
子SW1,SW2 等) のはいうまでもない。
【0038】図14は図13の強誘電性液晶表示装置に
おける駆動波形の例を示す図である。まず、図14(a)
の場合、第1フレームにおいては、駆動信号の選択電圧
Vs,半選択電圧Vhs および非選択電圧Vns の相対的な比
率Vs:Vhs:Vnsは、Vs:Vhs:Vns= 4:2:1とされ、第2フレ
ームにおいては、Vs:Vhs:Vns = 4:2:1.5とされ、そし
て、第3フレームにおいては、Vs:Vhs:Vns = 4:2:1とさ
れている。すなわち、Vs:Vhs:Vnsは、各フレーム毎に変
化させて強誘電性液晶表示素子に印加するようになって
いる。
【0039】次に、図14(b) の場合、第1フレームお
よび第2フレームにおいては、Vs:Vhs:Vns = 4:2:1とさ
れ、また、第3フレームにおいては、Vs:Vhs:Vns = 4:
1:1とされている。すなわち、Vs:Vhs:Vnsは、数フレー
ム毎に変化させて強誘電性液晶表示素子に印加するよう
になっている。このように、駆動信号の選択電圧Vs, 半
選択電圧Vhs および非選択電圧Vns の相対的な比率Vs:V
hs:Vnsは、各フレーム毎または数フレーム毎に変化させ
て強誘電性液晶表示素子に印加するようになっている。
また、同様に、選択電圧Vs, 半選択電圧Vhs および非選
択電圧Vns の絶対的な電圧レベル (Vxの値) も各フレー
ム毎または数フレーム毎に変化させて強誘電性液晶表示
素子に印加することができるのはもちろんである。
【0040】以上において、本発明の強誘電性液晶表示
素子の駆動方法は、ワードプロセッサやパーソナルコン
ピュータ等のOA機器だけでなく、強誘電性液晶表示素
子を使用したOHP(Overhead Projector)等に対しても
適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の強誘電
性液晶表示素子の駆動方法によれば、広視野角, 大容量
表示および高速応答可能な強誘電性液晶を使用した表示
装置に対して多数の階調表示の機能を付与することによ
って、大面積で高精細のフルカラー表示を実現すること
ができ、OA用フラットパネルディスプレイの画質を著
しく高品位化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する強誘電性液晶表示素子を説明
するための図である。
【図2】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法に適
用する4スロット法を説明するための図である。
【図3】本発明に係る強誘電性液晶表示素子の駆動方法
の原理を説明するための図(その1)である。
【図4】本発明に係る強誘電性液晶表示素子の駆動方法
の原理を説明するための図(その2)である。
【図5】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説
明するための非選択電圧の比率および光透過率の関係を
示す図である。
【図6】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説
明するための半選択電圧の比率および光透過率の関係を
示す図である。
【図7】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説
明するための非選択電圧の比率および光透過率の関係を
示す図である。
【図8】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説
明するための半選択電圧の比率および光透過率の関係を
示す図である。
【図9】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を実
現する各信号波形の第1実施例を示す図である。
【図10】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を
実現する各信号波形の第2実施例を示す図である。
【図11】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を
実現する各信号波形の第3実施例を示す図である。
【図12】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を
実現する各信号波形の第4実施例を示す図である。
【図13】本発明の強誘電性液晶表示素子の駆動方法を
適用した強誘電性液晶表示装置の一例の全体的構成を示
す図である。
【図14】図13の強誘電性液晶表示装置における駆動
波形の例を示す図である。
【符号の説明】
1, 2…絶縁基板 3…信号電極(透明電極) 4…走査電極(透明電極) 5…強誘電性液晶 11…強誘電性液晶パネル 12…信号発生回路 13…走査電極側シフトレジスタ 14…走査電極側駆動回路 15…信号電極側シフトレジスタ 16…ラッチ回路 17…デコーダ回路 18…信号電極側駆動回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−140130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/18 G09G 3/36 G02F 1/133 560 G02F 1/133 575

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択電圧, 半選択電圧および非選択電
    各電圧レベルを有する信号を使用して表面安定化によ
    る強誘電性液晶表示素子を駆動する強誘電性液晶表示素
    子の駆動方法であって、 前記選択電圧, 半選択電圧および非選択電圧の相対的な
    比率を変化させた駆動信号を、各フレーム毎または数フ
    レーム毎に変化させて前記強誘電性液晶表示素子に印加
    し、該強誘電性液晶表示素子における複数の階調表示を
    行うようにしたことを特徴とする強誘電性液晶表示素子
    の駆動方法。
  2. 【請求項2】 選択電圧, 半選択電圧および非選択電
    各電圧レベルを有する信号を使用して表面安定化によ
    る強誘電性液晶表示素子を駆動する強誘電性液晶表示素
    子の駆動方法であって、 前記選択電圧, 半選択電圧および非選択電圧の絶対的な
    電圧レベルを変化させた駆動信号を、各フレーム毎また
    は数フレーム毎に変化させて前記強誘電性液晶表示素子
    に印加し、該強誘電性液晶表示素子における複数の階調
    表示を行うようにしたことを特徴とする強誘電性液晶表
    示素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記強誘電性液晶表示素子の駆動方法
    は、ドメイン制御法、パルス変調法、または、面積階調
    法を組み合わせて使用することにより、前記強誘電性液
    晶表示素子が表示する階調を増加するようにしたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の強誘電性液晶表示
    素子の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記パルス変調法は、前記選択電圧,
    選択電圧および非選択電圧の各パルス幅を変化させるこ
    とにより、前記強誘電性液晶表示素子における複数の階
    調表示を行うようになっている請求項の強誘電性液晶
    表示素子の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記表面安定化による強誘電性液晶表示
    素子に対して走査電極および信号電極の少なくとも一方
    に印加する電圧レベルを、正側2レベル以上、且つ、負
    側2レベル以上にして該強誘電性液晶表示素子を駆動す
    るようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載
    強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の電圧レベルを有する駆動信号
    を、各フレーム毎または数フレーム毎に変化させて前記
    強誘電性液晶表示素子に印加するようにしたことを特徴
    とする請求項の強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の電圧レベルを印加パルスのパ
    ルス幅の2段階以上用いて印加するようにしたことを特
    徴とする請求項の強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
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