JP3275944B2 - 異方性薄膜検査法、異方性薄膜検査装置、液晶配向膜検査方法、液晶配向膜検査装置 - Google Patents

異方性薄膜検査法、異方性薄膜検査装置、液晶配向膜検査方法、液晶配向膜検査装置

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JP3275944B2 JP4932096A JP4932096A JP3275944B2 JP 3275944 B2 JP3275944 B2 JP 3275944B2 JP 4932096 A JP4932096 A JP 4932096A JP 4932096 A JP4932096 A JP 4932096A JP 3275944 B2 JP3275944 B2 JP 3275944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はセンサーや配線材
料に用いられる有機薄膜、および液晶表示素子において
液晶分子の配向を制御する有機薄膜を評価する方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機薄膜の膜中分子の配向状態はそれを
用いたデバイスの機能に与える影響が大きい。特に液晶
表示素子において液晶分子の配向を制御する液晶表示素
子で液晶分子に初期配向を与えるのに用いられる有機薄
膜においては有機薄膜分子の配向と液晶分子の配向に密
接な関係があることが知られ(石原他 リキッド クリ
スタルズ(Liquid Crystals)4巻6号
669ページ1989年)、有機薄膜の分子配向が高い
ほど、液晶分子の配向規制力が大きいとされる。このた
めに有機薄膜の分子配向の定量的測定はデバイスの機能
を評価する上で重要である。
【0003】有機薄膜(特に液晶配向膜)の評価は赤外
線吸収分光法やラマン散乱分光法などの分子振動から分
子の状態を観測する方法が中心である。薄膜内の分子配
向度や配向方向についての知見は分子配向に起因する膜
の光学的異方性を光の偏光を利用した二色比の測定を行
なうことで評価している(特開平6−160862号公
報 江沢他「液晶表示装置とその配向膜の特性評価方
法」)。
【0004】振動分光法以外にも試料を透過した光の複
屈折位相差の異方性によって光学異方性を評価すること
が行なわれている(特開平6−102512号公報 倉
井他「液晶表示素子の配向評価装置および液晶表示素子
の製造方法」)。また、偏光方向が膜表面に水平、また
はそれと直交する直線偏光を入射し、その反射光強度の
差から分子配向によって生じる膜の面内の屈折率異方性
を観測する方法が提案されている(特開平4−9584
5号公報 石原「配向膜の液晶配向能評価方法」)。
【0005】これら以外の方法として、原子間力顕微鏡
や走査トンネル顕微鏡によって薄膜表面の形状を二次元
的に測定することが行なわれている(磯野他 日本学術
振興会142委員会A部会特別研究会試料34ページ1
994年)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】赤外吸収等の光を用い
た振動分光による方法は、ガラス基板上に透明電極膜を
作製し、その上に液晶配向膜がある液晶表示素子を測定
する際に、ガラス基板や透明電極膜の影響を避けること
ができない。特に1500cm-1より低波数の赤外線は
ガラスを透過しないために吸収スペクトルの測定ができ
ない。これまでの赤外分光による液晶配向膜の分子配向
の観測は1240cm-1の吸収に注目して測定を行なっ
ているので(沢他 ジャパニーズジャーナルオブアプラ
イドフィジクス Japanese Journal
of Applied Physics 33巻627
3ページ 1994年)、実際に使用されている液晶表
示素子の配向膜の検査を行なうことができない。
【0007】複屈折位相差の測定を行なう場合、通常ガ
ラス基板自身が歪等による複屈折性をもつので配向膜自
身の複屈折位相差を測定するのは困難である。従って、
従来から知られている方法で配向膜中の分子の配向状態
を正確に評価することはできない。これに加えて、複屈
折位相差は複屈折率Δn、膜厚d、光の波長λとの間に 複屈折位相差=2π(Δn・d)/λ (1) なる関係があるので、複屈折位相差の測定から得られる
量は、膜厚dと分子配向によって生じる複屈折率Δnの
積であることを示している。液晶表示素子に配向膜とし
て広く使われているラビング処理したポリイミド膜は、
膜全体が配向するのではなく、表面付近が配向すること
が知られている(沢他 ジャパニーズジャーナルオブア
プライドフィジクス Japanese Journa
l ofApplied Physics 33巻62
73ページ 1994年)ので、配向した部分の厚さが
測定できなければ分子配向を定量的に知ることができな
い。
【0008】膜からの反射光強度の入射光の偏光状態と
膜の面内入射方向の依存性から膜の面内屈折率異方性を
測定して分子配向を測定する方法が提案されているが
(特開平4−95845号公報 石原「配向膜の液晶配
向能評価方法」)、複屈折位相差測定と同様に配向した
部分の膜厚を測定することができないので分子配向を測
定することができない。更に測定を行なう際の技術的な
困難として表面形状の異方性の効果が挙げられる。液晶
配向膜として広く用いられるポリイミド膜はラビングに
より膜の分子が配向するばかりでなく、表面にラビング
方向に沿って走る微細な溝状の形態が形成されることが
知られている(磯野他 日本学術振興会142委員会A
部会特別研究会試料34ページ1994年など報告多
数)。この溝の存在のために膜表面に入射した光は正反
射方向以外に散乱される光の量に面内異方性が表れるた
めに、反射光強度の入射方向の面内異方性は膜の分子配
向によって生じた光学的異方性を正確に反映した量では
ない。
【0009】原子間力顕微鏡による観察は表面の荒さと
いった表面形態が観測されているにすぎず配向膜におい
て原子レベルの分解能で観察された例はない。液晶配向
膜の場合、この方法で観察された表面形状が液晶分子の
配向状態には殆ど影響を与えず、膜中の分子配向とも相
関がないことが報告されている(磯野他 日本学術振興
会142委員会A部会特別研究会試料34ページ199
4年)。更に、ラビングした膜の表面をアセトン等の有
機溶媒で処理した膜では、液晶分子の配向規制力はある
ものの、ラビングで生じた表面の溝状の形態がないこと
が知られている。この様に表面形態観察は液晶配向膜の
もつ液晶分子の配向規制力に対して直接的な情報を与え
ないので、適当な評価法ではない。
【0010】一方、薄膜の光学的評価法として一定の方
向と入射角および偏光状態で試料表面に光を入射したと
きに生じる反射光の偏光状態から膜厚、屈折率、吸収率
等を測定するエリプソメトリが広く行なわれている。こ
の手法は、屈折率、吸収率が既知で等方的な基板上の一
層の薄膜の膜厚、屈折率、吸収率の3つの量のうちの2
つ以下の量を、反射光のS偏光成分(試料表面に平行な
偏光成分)とそれに垂直なP偏光成分の位相差Δと強度
比 (tan ψ)2、入射角、光の波長から計算する(アザ
ム(Azzam) 他 「エリプソメトリアンドポーラライズド
ライト」(Ellipsometry and Polalized light) ノー
スホーランド(North-Holland) 1987 年及び ザグラウ
ル(Zaghloul)他 アプライドオプチックス(Applied Opt
ics )21巻4号739ページ 1987 年)。この計算に
あたっては基板及び薄膜ともに光学的に等方的な物質と
して扱っている。
【0011】一方、液晶配向膜は基板上に等方的な部分
の上に光学的異方性をもつ部分が存在し、実質的には2
層の膜が基板上にあり、さらに一方は光学的に非等方的
であるので、従来のエリプソメトリでは等方的部分と非
等方的部分のそれぞれの厚さや屈折率は測定できない。
【0012】それ故、本発明の第1の課題は、ガラス基
板上に作製された配向膜中の分子配向の状態を評価する
ことが可能な方法と装置を提供することにある。
【0013】本発明の第2の課題は、ガラス基板上に作
製された液晶配向膜の最表面の分子配向した部分の厚
さ、主座標系、主誘電率(誘電率テンソルが対角行列と
して表現される座標系とその対角成分の値 (吉原「物
理光学」 共立出版 昭和41年 186ページ))の
膜表面に対する配置、および無配向部分の屈折率と厚さ
を測定し、液晶配向膜表面の分子配向を評価することが
可能な方法と装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、本発明は薄膜試料表面に一定の偏光状態の単
色光を入射し、それによって生じた反射光の偏光状態を
測定することで、薄膜の分子配向を測定する。本発明で
は反射光を観察しているので、歪をもったガラス基板の
上に作製された薄膜の分子配向を測定することができ
る。
【0015】本発明は反射光の強度でなく、偏光状態を
測定するので荒れや溝等の表面形状の異方性に起因する
散乱光強度の変化に影響されずに膜の光学的異方性が測
定できる。
【0016】通常、空間のある固定した位置で観測され
る角周波数ωの光の時刻tでの電場ベクトル強度は光の
伝搬方向に対し垂直な面上に定義された互いに直交する
2つの方向XYについて x成分 A1×exp(i(ωt+δ1)) y成分 A2×exp(i(ωt+δ2)) (2) と表される。δ1、δ2はそれぞれの方向の初期位置、
A1,A2はそれぞれの方向の振幅である。強度の絶対
値を除いた偏光状態はこの2成分の比 (A1/A2)×exp(i(δ1−δ2)) (3) となり、 tanψ=(A1/A2) Δ=(δ1−δ2) (4) で定義される2つの量ψ、Δで表される。この2つのパ
ラメータに影響を与えるのは膜の屈折率、吸収係数およ
び膜厚であるが、通常、液晶配向膜に使われるようなポ
リイミド膜の吸収係数は可視光領域で1/1000未満
であり、波長依存性も小さいために吸収はない物質とし
て扱うことができる。そこで、測定された2つのパラメ
ータ(ψ、Δ)から膜の状態を表す2つのパラメータ
(屈折率、膜厚)を決定できる。
【0017】この方法では、複屈折位相差測定や反射光
強度異方性測定では知ることができない、分子が配向し
ている部分の膜厚と屈折率を独立に求めることができ、
分子配向について定量的な測定が可能である。
【0018】反射光の偏光状態の入射光波長依存性や入
射角依存性を測定することで既知量が増えることから、
膜の屈折率の深さ方向の分布を、測定した条件の数に応
じて求めることができる。
【0019】なお、透過光の偏光状態を測定する複屈折
位相差測定では、膜を支えるガラス基板歪が大きく影響
するという問題があったが、反射光の場合は歪んだガラ
ス基板のように異方性がある物質の表面での反射の際に
発生する位相変化は、反射を起こす媒質と入射光および
反射光が伝搬する物質の屈折率の大小関係のみで決定す
るため、歪によって発生した屈折率の異方性によって反
射光の位相が変化することは殆どない。この様な事情に
よって、反射光の位相変化の異方性を測定することでガ
ラス基板の歪等の下地基板の光学的異方性に影響され
ず、表面付近の膜の異方性を測定できる。
【0020】反射光の異方性を測定するには、まず光源
からの光を分光器と偏光子を通過させることによって偏
光状態と波長が一定の入射光をつくって試料表面に入射
させたときに発生する反射光の偏光状態を検光子を用い
て測定する。異方性の測定は、試料を面内回転すること
で光の入射方向を変え、反射光の偏光状態依存性を測定
したり、それぞれが試料表面上の同じ点で交差し、試料
への入射方向が違う複数の光線の反射光の偏光状態を測
定することで同時に異方性の測定を行う。なお、入射光
と反射光の偏光状態は試料表面に平行な成分とそれに直
交する成分で表す。入射光は表面に水平な部分とそれに
直交する成分の値が等しい状態のψ=π/4、の場合が
膜厚と屈折率を同時に求める場合に最適である。
【0021】前記第2の課題を解決するために、本発明
は、液晶配向膜試料表面に一定の偏光状態の単色光を入
射し、それによって生じた反射光の偏光状態(S偏光成
分とP偏光成分の位相差と強度比)を試料面内の複数の
方向から観測し、反射光の偏光状態の入射方向依存性か
ら膜の分子配向状態を直接反映した配向部分の主誘電
率、主座標系の膜表面に対する角度、厚さと、ラビング
処理によっても分子配向を生じない非配向部分の屈折率
と厚さを求めることで液晶配向膜表面の分子配向を評価
する。
【0022】歪が存在しても光の吸収が極く小さい基板
表面での反射ではS偏光成分とP偏光成分の位相差には
変化が生じないので、歪のあるガラス基板に成膜された
液晶配向膜試料からの反射光のS偏光成分とP偏光成分
の位相差の面内入射方向依存性は液晶配向膜の分子配向
状態に対応した配向部分の主誘電率、主座標系の膜表面
に対する角度、厚さと、ラビング処理によっても分子配
向を生じない非配向部分の屈折率を正確に反映する。こ
のような理由により反射光の偏光状態の面内入射方向依
存性を観測する本発明は、歪のあるガラス基板上の液晶
配向膜の分子配向を評価できる。
【0023】本発明では反射光の強度の面内入射方向依
存性ではなく、偏光状態の面内入射方向依存性を測定す
るので、膜表面の荒れや溝等の表面形態の異方性に起因
する反射光強度の変化に影響されずに、膜の分子配向に
対応する光学的異方性の測定ができる。
【0024】S偏光成分とP偏光成分の面内入射方向依
存性を測定するには、光源からの光を分光器と偏光子を
通過させることによって偏光状態と波長が一定の光をつ
くる。この光を液晶配向膜試料表面の同一の点に複数の
面内方向入射させたときに発生する反射光の偏光状態
(S波、P波の位相差と振幅比)をそれぞれの面内入射
方向について検光子を用いて測定する。複数の面内入射
角での測定は、試料面上の光が当っている点を通る軸を
中心に試料を面内回転させたり、複数の光源を試料表面
上に同時に当てることで行なう。入射光はS偏光成分と
P偏光成分の振幅比が等しい偏光状態の時、解析がやや
簡単になる。
【0025】ラビング処理によって形成された液晶配向
膜は最表面相が異方性がある物質、その下の無配向相を
等方的な物質の2層からなる膜と考える。この様な構造
の膜表面で光が反射された際の反射光の偏光状態は異方
性層の主誘電率、主座標系の膜表面に対する角度、厚さ
と、非配向部分の屈折率と厚さ、および基板の屈折率に
依存する。この反射光の偏光状態は4×4行列法(ベル
マン (D. W. Berrman)ジャーナルオブディオプティカル
ソサエティオブアメリカ (Journal of the Optical Soc
iety of America)62巻4号502ページ 1972 年)を
用いて以下の様に計算される。
【0026】試料表面の法線ベクトルをZ軸、試料面と
入射面の両方に平行で光の進行する向きを正方向にX
軸、X軸Z軸に垂直にY軸とする座標系を定義する。光
の角周波数をω、光の電場ベクトルを(Ex,Ey,E
z)、磁場ベクトルを(Hx,Hy,Hz)は、 Ψ=t (Ex,Hy,Ey,−Hz) (2´) なる列ベクトルを導入して、下記の数式1で表される式
(3´)をみたす。
【0027】
【数1】 なお、式(3´)においてM´は4行4列の行列であ
り、光が伝播する媒質の光学的特性を反映する。
【0028】M´がZ=Z0 〜Z0 +dの範囲で一定の
場合は、 Ψ(Z0 +d)=exp(iωdM´)Ψ(Z0 ) (4´) なる関係がある。
【0029】配向膜表面をZ=0、光はZ<0側より入
射角φ0 で入射しZ<0側に反射し、表面の異方層の厚
さをd1 、それより深い等方層の厚さをd2 である場
合、配向膜とガラス基板の界面での光の状態Ψ(d1 +
d2 )は、異方層に対応する行列M´1 、等方層の行列
M´2 を用いて、 Ψ(d1 +d2 )=exp(iωd2 M´2 )exp(iωd1 M´1 )Ψ(0 ) (5´) となる。
【0030】ここで、Ψ(0)、Ψ(d1 +d2 )を入
射光のS偏光成分EisとP偏光成分のEip、及び反射光
のS偏光成分Ers、P偏光成分Eps、透過光のS偏光成
分Ets、P偏光成分Etpで表すと、大気の屈折率を1、
ガラス基板の屈折率をN2 として、 Ψ(0)=(( Eip−Erp) cosφ0 、 Eip+Erp、Eis+Ers、( Eip− Erp) cosφ0 ) (6´) Ψ(d1 +d2 )=(Etpcosφ2 、 N2 Etp、Ets、N2 Erpcosφ2 ) (7´) となる。ここでφ2 は、 sinφ0 =N2 sinφ2 (8´) を満たす。
【0031】式(6´)、(7´)を式(5´)に代入
し、Ψ(d1 +d2 )のEtp、Etsを消去すると、 t(Erp,Ers) =R t( Eip,Eis) (9´) なる2行2列の行列Rが得られる。入射光のS成分とP
成分の大きさが等しい場合に行列Rのi 行j 列成分を、
Ri,j で表すと反射光は、 Erp=R1,1 +R1,2 (10´) Ers=R2,1 +R2,2 (11´) となり、S偏光とP偏光の位相差Δと振幅比 tanψは、 tan ψ・exp(iΔ)=(R1,1 +R1,2 )/(R2,1 +R2,2 ) (13´ ) となる。
【0032】以上はガラス基板の上に直接液晶配向膜を
成膜した試料の場合を計算したが、液晶配向膜とガラス
基板の間に透明電極膜や保護膜がある場合には(5´)
式は以下の様に変形される。ガラス基板の表面の位置が
Z=Zg 、配向膜以外の層がh個あり、それぞれの光学
特性を示す行列が表面から内部に向ってH1 ,H
2,..,Hh ,膜厚がf1 ,f2 ,..,fh であると
き、 exp(iωd2 M´2 )exp(iωd1 M´1 )=L (14´) なる4行4列の行列Lと、 exp(iωfj Hj )=Kj (15´) なる4行4列Kj を導入して、 Ψ(Zg )=Kh ・Kh-1 ・...・K2 ・K1 ・LΨ(0) (16´) となる。
【0033】以上に示したようにして液晶配向膜からの
反射光の状態が計算できるので、測定された反射光の偏
光状態を再現するような異方性層の主誘電率、主座標系
の膜表面に対する角度、厚さと、非配向部分の屈折率と
厚さの最適値を求める。この値の最適化は非線形最小二
乗法で行なうと能率的である。
【0034】液晶配向膜の下地の構造と屈折率が既知の
場合、異方性層の主誘電率、主座標系の膜表面に対する
角度、厚さと、非配向部分の屈折率と厚さがより精度よ
く求められるが、下地の構造と屈折率が未知の場合で
も、それらの値を最適化されるべきパラメータとして扱
って、異方性層の主誘電率、主座標系の膜表面に対する
角度、厚さと、非配向部分の屈折率と厚さと同時に最適
値を求めることにより、精度が悪いながらも液晶配向膜
の状態を評価することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て以下に説明する。
【0036】実施の形態1 本発明の一実施例として入射光に単一波長の光線を用い
た装置について図1を参照して実施例を説明する。入射
光光源1から出た光は偏光子2によってψ=π/4、Δ
=0(ψ,Δは(4)式の定義のとおり)の直線偏光に
される。直線偏光にされた入射光は、試料表面の法線か
ら一定の入射角をもって試料6表面に入射される試料よ
り上流におかれた位相板3はΔの象現決定を行うために
出し入れする。本測定ではHe−Neレーザーの633
nmの光を光源に、位相板として1/4波長板を用い
た。光は必要があれば表面上の測定範囲を、スリット
4、レンズ5を用いて制限することができる。但し、レ
ンズを用いて集光を行うと試料に対する入射角のボケが
大きくなって測定精度が犠牲になる。試料6で反射した
光は検光子7に入り、そこを通過した光の強度は受光管
8で測定される。本測定では受光管としてフォトダイオ
ードを用いた。
【0037】検光子を回転させて、検光子の角度によっ
て光の強度を測定し、検光子を通過する光の強度を検光
子角についてのフーリェ和からψとΔを求める。周期関
数であるためにΔが2つの値をもつ。そこで、位相板を
入れて入射光の偏光状態を変えた測定を行い、位相板が
ない場合に求めたのと同じ値のΔを最終的な値として採
用する。
【0038】試料6は回転ステージ9の上にあり、ステ
ージを回転させることによって異方性の測定を行う。
【0039】なお、本測定例では反射光の偏光状態を決
定するために回転検光子法を用いたが、同じ光学素子の
配置で検出される反射光強度が0になる検光子、偏光子
の角度から偏光状態を決める消光点法(大塚 日本金属
学会会報20巻7号614ページ1981年)でも測定
可能であると考えられる。
【0040】この装置を用いて以下の3種類の試料を測
定した。
【0041】(試料A)コーニング社製7059ガラス
の表面にポリイミド原料液の日立化成LQ120(商品
名)をスピンコート装置を用いて塗布した後、250℃
で2時間加熱による焼成を行った。
【0042】(試料B)試料Aと同様な方法で焼成した
後、半径40mmバフ布ローラで、布の押込み長さ0.
4mm、回転数800rpm、移動速度20mm/sで
ラビングを行った。
【0043】(試料C)ローラ回転数80rpmとした
以外は試料Bと同じラビング条件である。
【0044】図2は入射角度を70°として回転ステー
ジ9を回転させながら測定した試料A、B、CのΔと試
料回転角との関係を示す図である。縦軸はΔは356.
5°からの変化量を示している。
【0045】図2から読取れるように、ラビング処理を
しない試料Aは分子配向がないために光学的異方性が観
測されないが、試料Bは角度依存がみられ分子の配向に
起因する光学異方性が特にΔについて顕著に観測され
る。
【0046】図2の反射光の偏光状態はラビングの正方
向入射と逆方向入射で有意の差が認められる。この差は
膜中の分子が膜表面に対する配向方向が膜表面に平行で
ないことに起因し、その差から表面に対する分子の傾き
角度がわかる。
【0047】試料Bの測定結果からポリイミド分子の配
向部分膜厚と分子の傾斜角を以下の様にして求めた。膜
構造の解析を行うにあたり、試料Bのポリイミド膜の構
造は表面付近のポリイミド分子が配向した層とそれより
深度の分子が配向していない(ランダム)領域の2つの
部分から成ると仮定し、それぞれの膜厚を求めた。表面
付近の分子が配向している部分は光学的異方性が極く小
さい単軸結晶として扱い、誘電率マトリックスの主軸方
向を求めてポリイミド分子の配向方向とした。この様な
構造をした試料からの反射光の偏光状態は以下の様にし
て計算される。
【0048】光を含む電磁波の伝搬はMaxwellの
方程式を解くことで記述される。角周波数ωの単色光の
場合の方程式は rotE=iωB rotH=iωD (5) となる。これを解くのにあたり電場E、磁場Hの正規直
交座標成分を成分とするベクトル G=(Ex,Ey,Ez,Hx,Hy,Hz) (6) と C=(Dx,Dy,Dz,Bx,By,Bz) (7) を導入する。光が伝搬する媒質の性質を示す誘電率テン
ソルと透磁率テンソルを対角部分にもつ6行6列のテン
ソルMを用いると C=MG (8) となる。一方、上の(5)式も左辺の回転操作に対応す
る非対角要素のみからなる行列Pを用いて、 PG=iωMG G=iω(P-1M)G=iωLG L=(P-1M) (9) となる。この式において、測定された光の状態はGに反
映されPは既知であるので、ポリイミド膜の状態を決定
することはMの成分を解くことに対応する。この試料B
の様に光学的特性が異なる構造では、 L=L1 2 3 (10) となり、L1 ,L2 ,L3 はそれぞれ、ガラス基板、ポ
リイミド膜の無配向部分、配向部分に対応する。このう
ちL1 ,L2 には既知の値を用いることができる。な
お、全てのテンソルに共通して、磁気的効果は殆どない
ため透磁率は等方的に1とした。具体的には4〜6行4
〜6列の9個の要素のうち対角要素が1で他は0とし
た。また、ポリイミド表面、およびポリイミド−ガラス
界面はZ軸に垂直、、ラビング方向がX軸となるように
座標系を定義した。
【0049】まず、ガラス基板の屈折率を知るためにポ
リイミド膜についてのすべての測定が終了した後、試料
A、B、Cの裏面をphotodevice社製エリプ
ソメータ MAXY−102で測定して、ガラス基板自
身の屈折率を求めたところ、1.5270±0.001
なる値を得た。これよりテンソルM1の1〜3行1〜3
行1〜3列の9個の要素のうち対角要素を2.331と
し、他は0とした。
【0050】次いで試料Aのポリイミド膜をphoto
device社製エリプソメータMAXY−102で測
定した結果を、ガラス基板の屈折率1.5270として
計算すると屈折率1.61、膜厚1068Aを得た。な
お、この測定はガラス基板の裏面の測定に先立って行っ
た。テンソルM2は1〜3行1〜3列の9個の要素のう
ち対角要素を2.592として、他の要素は0と置い
た。
【0051】分子が配向した領域のテンソルは以下の様
に表した。分子の傾斜角をθ、ラビング方向に対する入
射光の面内角をφとする。ポリイミドの誘電率テンソル
を主軸表示して1行1列成分u2行2列および3行3列
成分をv他の非対角要素を0とする。このu,vを求め
ることになる。試料表面の法線がZ軸となる座標系にお
けるテンソルM3のi行j列の成分Mijは以下の様にな
る。
【0052】 M11=u cos2 θ cos2 φ+v cosθ sin2 φ−v sin2 θ cosφ M12=−u cos2 θ sinφ cosφ−v sinφ cosφ M13=−u sinθcos θ cos2 φ+v sinθ sin2 θ+v sinθ cosθcos φ M21=u cos2 θ sinφ cosφ+v cosθ sinφ cosφ+v sin2 θ sinφ M22=u cosθ sin2 φ+v cos2 φ M23=−u sinθ cosθ sinφ cosφ +v sinθ sinφ cosφ+v sinθ cosθ sinφ M31=u sinθ cosθ cosφ−v sinθ cosθ M32=u sinθ sinφ M33=−u sin2 θ cosφ+v cos2 θ (11) となる。
【0053】式(9)の右辺の演算子P-1は、この場合
は実質的にZ成分についての微分になり、右辺の行列要
素中のθの値を測定値から求めることが分子配向を決定
することに対応する。しかし、解析的に求めるのは計算
が繁雑で能率が悪いので、パラメータを一定の値に決め
て反射光の状態をこの式にしたがって計算し、パラメー
タを少しずつ変化させながら測定結果に近い計算値とな
る値を探した。このパラメータ最適化のプロセスは最小
二乗法によって行うことがより能率的と考えられるが、
今回は試行錯誤で行った。
【0054】第0近似 傾き角を0とすると M11=u cos2 φ+v sin2 φ M12=u sinφ cosφ−v sinφ cosφ M13=0 M21=−u sinφ cosφ+v sinφ cosφ M22=u sin2 φ+v cos2 φ M23=0 M31=0 M32=0 M33=v (12) となる。更にラビング方向のφ=0では M11=u M12=0 M13=0 M21=0 M22=v M23=0 M31=0 M32=0 M33=v (13) φ=90°の場合は M11=v M12=0 M13=0 M21=0 M22=u M23=0 M31=0 M32=0 M33=v (14) となって対角行列になり測定値との比較が容易になる。
しかし、この傾斜角θ=0とした近似では2回対称の角
度依存をもつことになって実際の状態をあらわさないの
で、θ=0°とφ=180°の平均値、φ=90°とφ
=180°の平均値を用いてu,vを解く。すると、こ
の場合はEzとDz,HzとBzの関係が恒等式となる
ので、それに関わる行列成分のMi3,M3j、Mi
6,M6jを無視できる。するとφ=0°、180°の
場合にテンソルMは対角要素のみになり、最表面の層が
屈折率(u)1/2 の均一な膜の試料について成立する式
と同じになる。φ=90°、270°の場合も同様に屈
折率が(u)1/2 の膜が最表面にのっている場合と同じ
になる。つまりu,vの第0近似値はφ=0°、180
°の測定値、φ=90°、270°の測定値から得られ
る。最表面の層(配向部)の膜厚とその下にある無配向
層の膜厚も未知なパラメータであるが、試料Aの測定か
らポリイミド膜全体の厚さが1070A程度と求められ
ているので、配向部分の厚さをd、その下の未配向部分
の厚さを1070−dと仮定すると、d,u,vを一義
的に決めることができる。試料Bの場合 u=(1.635)2 =2.673 v=(1.534)2 =2.353 d=150 A (15) となる。θ=0°、u=(1.635)2 =2.67
3、v=(1.534)2=2.353、d=150A
の場合のΔの変化を図3に○印で示す。
【0055】第1近似このu,vを初期値として、θ、
u、v、dの値の最適化を図った。その手順としてφ=
0°では M11=u cos2 θ−v sin2 θ M12=0 M13=0 M21=0 M22=v M23=0 M31=0 M32=0 M33=v (16) φ=180°では M11=u cos2 θ+v sin2 θ M12=0 M13=0 M21=0 M22=v M23=0 M31=0 M32=0 M33=v (17) となる。0°と180°の見かけ上の屈折率の差はθを
微小量として展開し、近似的にvθ2 となる。θの2次
までを考慮する近似で解いてθ〜6°を得る。
【0056】第2近似 u=(1.635)2 =2.673 v=(1.53
4)2 =2.353 d=150A θ=6°を初期値として、全測定点の値
に近くなる様にu,v,d,θの値を最適化する。この
プロセスは試行錯誤により、最終的に u=(1.648)2 =2.716 v=(1.501)2 =2.253 d=120 A θ=7° (18) を得た。この値より得られた計算値を図3に◇印で示
す。
【0057】試料Cも同様な方法で u=2.658 v=2.440 d=120 A θ=7° (19) を得た。
【0058】(比較例)図4は従来技術と比較のために
示した試料A、試料Bの複屈折位相差の測定例である。
この測定においても光源はHe−Neレーザーの633
nmの光を用いた。図4に示した透過で測定した複屈折
位相差の偏光状態の変化量は試料B最大で±0.15°
程度であるが、図2に示した反射光の場合は最大±0.
9°に達し、より敏感であることがわかる。図4におい
て角度300°が光がラビング方向に平行に入射した配
置であり、120°が逆向きに入射した場合に対応す
る。さらに図4に示した透過測定による複屈折位相差に
はラビング方向の正負に対応した有意な差は見られない
が、図2の反射光の偏光状態はラビングの正方向入射と
逆方向入射で有意の差が認められる。この差は膜中の分
子が膜表面に対する配向方向が平行でないことに起因
し、その差から表面に対する分子の傾き角度がわかる。
【0059】実施の形態2 基板歪が測定に与える影響を調べた。
【0060】(試料D)歪をもつと思われるソーダライ
ムガラスの表面にポリイミド原料液の日立化成LQ12
0(商品名)をスピンコート装置を用いて塗布した後、
250°で2時間加熱による焼成を行った。
【0061】(試料E)同様な方法で焼成した後、半径
40mmバフ布ローラで、布の押込み長さ0.4mm、
回転数800rpm、移動速度20mm/sでラビング
を行ったものである。
【0062】(比較例)試料D、Eについての透過によ
る複屈折位相差測定の結果を図5に示す。ラビングを行
った試料E(●)とラビングしない試料D(◇)差は極
く小さく、基板の歪の影響でポリイミドの分子配向の測
定は困難であることが示されている。
【0063】同様の試料D、Eの表面に633nmの光
を入射角70°で入射したときに生じた反射光の偏光状
態の入射方向依存性を測定した。図6に反射光の位相差
の測定結果を示す。ラビングを行わない試料Dにおいて
反射光の位相差に異方性はなく(図6中の○)、一方、
ラビングした試料では実施例1の試料B、Cで観測され
たような分子配向に起因した異方性が見られた。このよ
うに反射光の位相差測定はガラス基板歪の影響を受けな
い。
【0064】実施の形態3 本発明の実施の形態として試料上で交差する2本の光線
を用いた装置について図7を用いて説明する。図7は試
料の法線方向から見た装置の配置を示し、2つの光線の
進行方向は互いに直交している。入射光光源1から出た
2本の光は偏光子2によってψ=π/4 Δ=0の直線
偏光にされる。試料より上流におかれた位相板3はΔの
象現決定を行うために出し入れする。本測定では光源は
水銀ランプを用い、回折格子とスリットを組合せたモノ
クロメーター36,46で単色化した。また、位相板と
して1/4波長板を用いた。光は表面上の測定範囲を、
スリット4、レンズ5を用いて制限し、2つの光線が試
料にあたる部分を一致させた。試料6で反射した光は検
光子7に入り、そこを通過した光の強度は受光管8で測
定される。本測定では受光管としてフォトダイオードを
用いた。この配置で偏光状態は回転検光子法、消光点法
のいずれでも測定できる。試料6は回転ステージ9の上
におかれた平行移動するXYステージ39の上におかれ
る。このステージを用いて配向部分の膜厚と任意の方向
の屈折率の面内分布を測定する。
【0065】この装置を用いて、コーニング社製705
9ガラスの表面に日立化成LQ120をスピンコート装
置を用いて塗布し、250℃で2時間加熱による焼成を
行ったのち、半径40mmバフ布ローラで、布の押込み
長さ4mm、回転数800rpm、移動速度10mm/
sのラビングを行った試料を測定した。測定波長に40
0nmと633nmを選択し入射角を50°、55°、
60°、70°に選んだ。
【0066】2つの光線の方向をそれぞれX方向、Y方
向とする。試料のラビング方向にX方向の光線が平行に
なる配置で測定された各波長λおよび入射角でのX、Y
方向それぞれで観測されたΔ、ψを下記の表1及び表2
に記す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】 この試料においては入射角60°の場合に偏光状態、特
にΔの異方性が最も大きく精度、感度ともに高い測定が
できることを示している。
【0069】それぞれの波長において膜厚と屈折率を求
めることを試みた。実施例1の試料Bの結果から表面近
傍の120A程度の領域が配向していると考えられるの
で4層に分割しそれぞれの層の膜厚と屈折率を求めるこ
とを試みた。配向した部分が120A程度であることが
考えられるので、分子配向の深さ方向の分布を知るため
に表面近傍の160Aごとの屈折率(膜厚固定)とそれ
より深い部分の膜厚と屈折率を求めた。この解析では入
射方向が2方向のみであり、屈折率に関しても4つのパ
ラメータがあることから傾斜角を求めることはしなかっ
た。実施例1より求められた傾斜角は7°程度のために
屈折率に与える影響は小さいので(sinθ〜0.1の
ため10%程度)各層ともに屈折率が異なった等方的な
膜として扱った。表面から順番に各層を第1層、第2
層、第3層、第4層、第5層(バルク部分)として、そ
れぞれの層の屈折率をN1,N2,N3,N4,N5=
1.61として、第k層のテンソルM(k)のi行j列
の要素は [M(k)]11=[M(k)]22=Nk2 (k=1,〜5) [M(k)]i,j=0 (i≠) (20) となり、L=L(glass)L(5)L(4)L
(3)L(2)L(1)を得る。測定値にあう様に試行
錯誤でNkを決めた。Nkの初期値は最表面が膜厚12
0Aの一様な膜、その下が1050A、屈折率1.61
の均一な膜、基板の屈折率は1.527として、最表面
の屈折率を求めた。このモデルの近似が低いため入射角
の違いによって差があり、 X軸方向 1.71±0.6 Y軸方向 1.5
4±0.5 となった。試行錯誤が各層の値を最適化するにあたり、
先ず第4層の屈折率の適値を求め、最表面の方が初期値
よりX方向では大きな値、Y軸方向では小さな値となる
様にした。また、より深い層の屈折率はそれより上の層
の屈折率よりバルクの値に近くなるようにした。下記の
表3及び表4にその結果を示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】 このように、表面近傍の120Aでは分子配向は表面か
ら膜中にむかって徐々に変化するが、120〜160A
の深さ付近で不連続的に分子配向が失われることが屈折
率の変化からわかる。
【0072】回転ステージを用いて、この状態から試料
を45°回転させた場合のΔ、ψの測定結果は、下記の
表5及び表6に示すように、
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】 となり、X軸方向とY軸方向の差が殆どみられない。解
析の結果も各層の屈折率は波長633nmでは、1.6
15〜1.621の範囲になり、400nmでは、1.
630〜1.633となった。
【0075】実施の形態4 本発明の実施例として試料上で交差する2本の光線を用
いた装置について図8を用いて説明する。図8は試料の
法線方向から見た装置の配置を示し、2つの光線の進行
方向は互いに直交している。入射光光源1から出た2本
の光は偏光子2によってψ=π/4 Δ=0の直線偏光
にされる。試料より上流におかれた位相板3はΔの象現
決定を行うために出し入れする。本測定ではHe−Ne
レーザーの633nmの光を光源に、位相板として1/
4波長を用いた。光は表面上の測定範囲を、スリット
4、レンズ5を用いて制限し、2つの光線が試料にあた
る部分を一致させる。但し、レンズを用いて集光を行う
と試料に対する入射角のボケが大きくなって測定精度が
犠牲になる。試料6で反射した光は検光子7に入り、そ
こを通過した光の強度は受光管8で測定される。本測定
では受光管としてフォトダイオードを用いた。この配置
で偏光状態は回転検光子法、消光点法のいずれでも測定
できる。試料は平行移動するXYステージ19の上にお
かれる。このステージを用いて配向部分の膜厚と屈折率
の面内分布を測定する。
【0076】この装置を用いて以下の条件で作製した試
料F、Gの測定を行った。
【0077】(試料F)コーニング社製7059ガラス
の表面にポリイミド原料の日産化学SE7311をスピ
ンコート装置を用いて塗布し、250℃で3時間加熱に
よる焼成を行った。
【0078】(試料G)同様な方法で焼成した後、半径
40mmバフ布ローラで、布の押込み長さ4mm、回転
数600rpm、移動速度40mm/sでラビングを行
った。
【0079】測定は100mm×100mmの正方形の
範囲を縦横それぞれ20mm間隔で測定した。下記の表
7、表8、表9、及び表10に試料F、Gの測定結果を
示す。なお、測定位置XYの値は装置自身がもつ座標で
ある。試料Gはラビングの順方向が一方の光の進行方向
と一致するように配置した。表7は、試料FのX方向に
光線を入射させた時の測定結果、表8は試料FのY方向
に光線を入射させた時の測定結果、表9は試料GのX方
向に光線を入射させた時の測定結果、表10は試料Gの
Y方向に光線を入射させた時の測定結果を示す。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】 測定結果(表7、8、9、10)が示すようにラビング
処理した試料Gの屈折率の異方性はどの点においてもほ
ほ同じで、分子配向状態が測定範囲内でほぼ一様である
ことがわかる。一方、膜厚は試料F、Gともに入射方向
の違いにより1nm程度の差があるが、これは膜厚に関
する測定精度がこの装置の場合1nm程度であることを
示す。この測定は、測定点が多く、実施の形態1で行っ
た詳細な解析は多くの時間がかかるために、簡略な解析
にとどめた。配向膜の配向状態の面内分布をみるには以
下の理由から、実施の形態3で行ったように、それぞれ
の入射方向において試料構造は屈折率が違う等方的な多
層膜であるとして扱う解析で十分と思われる。まず、分
子の傾斜角は実施の形態1の結果、および、同じポリイ
ミド(日産化学製SE7311(商品名))を測定した
赤外吸収の結果(沢他 ジャパニーズジャーナルオブア
プライドフィジクス Japanese Journa
l of Applied Physics 33巻6
273ページ1994年)から10°程度と小さいこと
が予想され、配向部分を等方的な物質と考えた場合のテ
ンソル成分との差は最大でも20%未満である。そこ
で、試料Fの試料構造のモデルとして基板の屈折率を
1.527とし、ポリイミドは等方的な膜として膜厚と
屈折率を求めた。
【0084】テンソルMはガラス基板を表示した対角テ
ンソル(M11〜M33の値は全て2.332)、とポ
リイミドを示す対角テンソル(M11からM33の値は
全て等しい値ε)になり、ε=2.567〜2.588
を得た。表7に試料FのΔ、ψ、膜厚、屈折率を示す。
この結果が示すように、ポリイミドSE7311の等方
的な状態の屈折率は1.604±0.03であり、この
例の条件で作製された際の膜厚は750Aと決まった。
一方、試料Gは赤外吸収や(沢他 ジャパニーズジャー
ナルオブアプライドフィジクス Japanese J
ournalof Applied Physics
33巻6273ページ 1994年)実施の形態1か
ら、配向部分の厚さが150A程度と予想されるので、
構造モデルとして屈折率1.527のガラス基板、ポリ
イミドの等方的な部分を示す屈折率1.610、膜厚6
00Aの膜、そして屈折率と膜厚が不明な配向部分なる
3層構造を採用した。配向部分の扱いは屈折率と膜厚が
不明の等方的な膜とした。その結果を表9、表10に示
す。表9、表10に示したように屈折率、膜厚に入射方
向により系統的な差が見られる。また、同一の入射方向
では屈折率、膜厚ともに各点の値がほぼ等しく均一な膜
が作製されていることを示している。なお、入射方向に
よって屈折率ばかりでなく、配向部の膜厚にも系統的な
差が見られるが、これは解析に際して配向層の異方性を
考慮しなかったことが原因と考えられれる。
【0085】実施の形態5 実際に製造されている液晶表示素子に近い構造をもつ試
料を作製し反射光の偏光状態の入射角度依存性を測定し
た。
【0086】(試料H)厚さ1.1mmのコーニング社
製7059ガラスの表面にスパッタリングによって厚さ
400nmのシリコン酸化膜を形成し、32nmのIT
O(酸化インジウム・酸化錫)膜を真空蒸着によって形
成した。この上にポリイミド原料の日産化学SE731
1をスピンコート装置を用いて塗布し、250℃で3時
間加熱による焼成を行い、半径40mmバフ布ローラ
で、布の押込み長さ0.4mm、回転数600rpm、
移動速度40mm/sでラビング処理をした。
【0087】(試料I)厚さ1.1mmのコーニング社
製7059ガラスの表面にスパッタリングによって厚さ
200nmのシリコン酸化膜を形成し、32nmのIT
O(酸化インジウム・酸化錫)膜を真空蒸着によって形
成した。この上にポリイミド原料の日産化学SE731
1をスピンコート装置を用いて塗布し、250℃で3時
間加熱による焼成を行い、半径40mmバフ布ローラ
で、布の押込み長さ0.4mm、回転数600rpm、
移動速度40mm/sでラビング処理をした。
【0088】測定は実施の形態3で用いた装置で行い、
波長633nmの光を用いた。試料Eは、入射角70
°、65°、60°、55°、50°で反射光の偏光状
態を測定し、試料Fは入射角70°、55°、40°で
測定した。どちらの試料もラビング方向がX軸と平行に
なるように配置した。下記の表11及び表12に測定結
果を示す。
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】 この測定結果が示すように試料Hでは実施例3と同様に
反射光の偏光状態の異方性が入射角60°付近で最大に
なることが明らかになった。一方、試料Iにおいては配
向膜の下地の構造の違いを反映して入射角が40°付近
で偏光状態の異方性が最大になる。これらの測定結果を
ふまえて反射光の偏光状態を計算した結果、ガラス基
板、絶縁膜、透明電極膜、ポリイミド配向膜を構成要素
の一部とする液晶表示素子の場合、最も感度が高い入射
角は35°〜65°の間にあることがわかった。
【0091】実施の形態6 本発明の実施の形態6として入射光に単一波長の光線を
用いた装置について試料面法線方向から見た装置構成を
示した図9と、試料に入射する2本の光線のうちの一方
(X方向とする)についての装置構成を示した図10を
参照して説明する。X、Y方向の入射光光源1から出た
光はそれぞれレンズ群101によって広い径の平行光線
にされる。その後、偏光子2によってψ=π/4 Δ=
0の直線偏光にされる。試料より上流におかれた位相板
3はΔの象現決定を行うために出し入れする。本測定で
はHe−Neレーザーの633nmの光を光源に、位相
板として1/4波長板を用いた。2つの光線が試料表面
上の同じ範囲を測定するように、スリット4を用いて試
料に入射する光線形状の整形を行った。本測定では試料
6への光の入射角に55°を選び、2つの光線とも試料
面上で1×1mmの正方形になる様に縦0.6mm、横
1mmに整形した。試料6で反射した光はスリット4を
通過後に検光子7に入れ、そこを通過した光はレンズ群
102,103を用いて10倍に拡大され、3行3列計
9個の光ファイバーが長方形状にならんだ受光器面10
4で結像する。なお、検光子の角度はコンピュータで制
御される。
【0092】図11に、X、Yそれぞれの方向の反射光
を検出する光ファイバーの配置を示す。2つの反射光と
も横4.0mm、縦2.3mm間隔に光ファイバーの受
光部を配置した。つまり、X方向の51と52、52と
53、54と55、55と56、57と58、58と5
9の間隔が4mmで51と54、54と57、52と5
5、55と58、53と56、56と59の間隔が2.
3mmである。もう一方の光ファイバー群61から69
も同様である。光ファイバーによって導かれた光の強度
はフォトダイオードで測定した。光ファイバーによって
測定された反射光強度の検光子角度依存は図9、図10
中のコンピュータ106に記録され、それぞれの位置で
の反射光の偏光状態(ψ、Δ)が光の強度の検光子角に
ついてのフーリェ和を計算して求められる。なお、Δの
象現決定をする場合は、位相板を入れて入射光の偏光状
態を変えた測定の結果も用いて計算を行う。試料の光学
的異方性は入射方向が違う二つの光の反射光の偏光状態
の差に反映される。この測定の2方向の光ファイバーに
おいて57と61、54と62、51と63、58と6
4、65と55、52と66、59と67、56と6
8、53と65を対応させることで、それぞれ試料面上
の同じ位置を測定することになる。以上の組合せそれぞ
れにおいて、反射光の偏光状態を比較して各位置での試
料の分子配向状態を知ることができる。偏光状態の比較
よりも、文献(マークト アプライドオプティクス
(U.Markt Applied Optics V
ol.2pp.307(1981))に示された方法を
用いてそれぞれの方向に対する試料の屈折率を求めて、
方向による差を比較する方がより直接的に分子配向状態
を示す量になると考えられる。例えば、 |X方向の屈折率−Y方向の屈折率|/|X方向の屈折率+Y方向の屈折率| で定義される量が分子配向の強さに対応する量であると
考えられる。
【0093】この装置を用いて以下の試料を測定した。
ポリイミド原料液の日産化学のSE7311(商品名)
をコーニング社製7059ガラスの表面にスピンコート
装置を用いて塗布した後、250℃で2時間加熱による
焼成を行った後、試料面の半分にレジストを印刷塗布し
た。この状態で半径40mmバフ布ローラで、布の押込
み長さ0.4mm、回転数200rpm、20mm/s
5回のラビングを行った後に、レジストを剥離した。
この試料において、レジスト塗布した部分と露出してい
た部分の境界付近を測定した結果を下記の表13に示
す。なお、以下のX方向位置、Y方向位置はX、Yそれ
ぞれの方向の反射光を捕えた光ファイバーの図11にお
ける番号である。なお、ラビング方向とY軸方向を一致
させた。
【0094】
【表13】 ガラス基板の屈折率を1.52としてポリイミド膜の屈
折率を求めると、下記の表14に示すように、
【0095】
【表14】 となり、61から65までにラビングにより生じた分子
配向による屈折率の異方性が観測される。なお、この解
析ではポリイミド膜全体が一様に配向しているものとし
て扱ったが、赤外吸収の測定から(沢他 ジャパニーズ
ジャーナルオブアプライドフィジクス Japanes
e Journal of Applied Phys
ics 33巻6273ページ 1994年)表面のみ
が配向していることが明らかになっている。それを考慮
して膜の深い部分の屈折率は1.604で等方的である
と考えて改めて解析を行った結果を下記の表15に示
す。なお、配向度は先の式で定義した量である。
【0096】
【表15】 配向度を白黒の8段階のコントラストで表現し、Y方向
から見た場合の配向度の面内分布を画像出力装置107
で表したのが図12である。
【0097】以上の様に本実施の形態は、ラビングによ
って生じた分子配向の面内分布を同時に観測することが
できる。本実施の形態では反射光の検出に光ファイバー
をアレイ状に並べたものを用いたが、位置敏感2次元検
出器の例であるCCDイメージセンサや、高感度撮像管
SIT管(浜松フォトニクス製 ビジコンカメラC27
41)を用いることで更に高分解能の測定ができる。
【0098】この実施の形態により微小部分の屈折率異
方性を測定することにより、液晶配向膜の微小領域にお
ける分子配向の面内分布の様子を観測することができ、
それを視覚化して観察することができる。
【0099】実施の形態7 入射光に単一波長の光線を用いた図1の装置を再び参照
して、入射光光源1から出た光は偏光子2によってS偏
光成分とP偏光成分の振幅が等しく、それぞれの位相差
が0の直線偏光にされる。この入射光は試料表面の法線
から一定の入射角をもって試料6表面に入射する。試料
と光源の間に置かれた位相板3は反射光のΔの象現決定
を行なうために出し入れする。本測定ではHe−Neレ
ーザーの633nmの光を光源に、位相板として1/4
波長板を用いた。この位相板を通過することにより入射
光は直線偏光から円偏光になる。入射光は必要があれば
表面上の測定範囲をスリット4、レンズ5を用いて制限
することができる。但し、レンズを用いて集光を行なう
と試料に対する入射角のボケが大きくなって偏光状態の
測定精度が犠牲になる。試料6で反射した光は検光子7
に入り、そこを通過した光の強度は受光管8で測定され
る。本測定では光電子増倍管を用いた。
【0100】検光子を回転させて、検光子の角度ごとの
検光子を透過する光の強度を測定し、測定された強度の
検光子角についてのフーリエ和から(13´)式で定義
された反射光のψ、Δを求める。なお、Δの象現を決定
するために位相差板を操作して直線偏光を入射した場合
に測定されたΔと円偏光を入射したときにえられるΔの
値が等しいものを最終的なΔとする。
【0101】試料6は回転ステージ9の上にあり、ステ
ージを回転させることで面内異方性の測定を行なう。
【0102】なお、本測定例では反射光の偏光状態を決
定するために上記の回転検光子法で行なったが、検光子
を通過する光が0になるような偏光子、検光子の角度か
ら偏光状態を決める消光点法(大塚 日本金属学会会報
20巻7号614ページ1981年)でも測定可能であ
ると考えられる。
【0103】この装置を用いて以下の試料を測定した。
【0104】(試料A)厚さ1.1mm のソーダライムガラ
スの表面にポリイミド原料液の日立化成LQ120(商
品名)をスピンコート装置を用いて塗布した後、250
℃で2時間加熱による焼成を行なった。その後、半径4
0mmのバフ布ローラーで、布の押込み長さ0.4mm 、ロー
ラー回転数300rpm、基板移動速度20mm/sで
ラビングを行なった。
【0105】図13は70°の入射角で試料ステージを
回転させながら15°間隔で試料Aを測定してえられた
Δの試料回転角に対する値である。光がラビング方向と
平行に試料に入射する状態を試料角0°としている。
【0106】図14は70°の入射角で試料ステージを
回転させながら15°間隔で試料Aを測定してえられた
ψの試料回転角に対する値である。光がラビング方向と
平行に試料に入射する状態を試料角0°としている。
【0107】この試料の配向膜の異方性層の主誘電率、
主座標系の膜表面に対する角度、厚さと、非配向部分の
屈折率と厚さは式(1)、式(2´)〜式(13´)の
手順に従ってもとめたが、以下に具体的な解析過程を示
す。 (第0近似)ガラス基板は成膜前の透過光の複屈折位相
差測定により、透過光に±1°程度の位相差が観測され
たが常光と異常光の屈折率差は平均で3×10-6と非常
に小さく、ガラスとポリイミド界面での反射率は、歪の
ないガラスとポリイミド界面の反射率と殆ど同じであ
る。つまり、ガラス基板の歪は無視できる。
【0108】配向膜全体の厚さと平均的な誘電率を求め
るために、ガラス基板の上に均一な膜があると考える。
平均誘電率を< ε> とすると式(3´)のテンソルMの
成分は、 M11=0 M12=1−η2 /< ε> M13=0 M14=0 M21=< ε> M22=0 M23=0 M24=0 M31=0 M32=0 M33=0 M34=1 M41=0 M42=0 M43=< ε> −η2 M44=0 (17´) となる。なお、 η=sinφ0 (18´) である。
【0109】測定の結果、図13および図14に示す通
り、Δの最小値は 354.950 °、最大値は 356.494°、
ψの最小値は 16.278 °、最大値は 16.390 °である。
この値に近い膜厚を探す。 (第一近似)液晶配向膜は誘電率1.8〜3.4の範囲
に入るものが多いため、誘電率を2.6と仮定した。ま
たガラス基板の屈折率を1.525 とした。下記の表16に
この条件で計算した膜厚とΔ、ψを示す。膜厚は90〜10
0nm であることが予想されるので 95nm とする。
【0110】
【表16】 (第二近似) 全膜厚95nmのうち、表面附近の配向した部分の厚さを赤
外吸収測定の報告(沢他 ジャパニーズジャーナルオブ
アプライドフィジクス Japanese Journ
al of Applied Physics 33巻
6273ページ1994年)を参考に15nmと仮定する。
配向部分は光学的に単軸性と仮定し、配向部分の誘電率
εp 、εn は、無配向部の誘電率< ε> と、 < ε> =εp /3 + 2εn /3 (19´) の関係があると仮定する。
【0111】この場合、光学的性質を反映した行列Mの
成分は、εp の試料面に対する傾き角をθ、光の入射方
向の面内成分とのなす角をφとして、 εp −εn =Δε (20´) εp ・cos2θ+εn ・sin2θ=ε3 (21´) M11=−(Δcos θsin θsin φ)η/ε3 M12=1−η2 /ε3 M13=(Δcos θsin θcos φ)η/ε3 M21=εn ・(εp −Δεsin2θcos2φ)/ε3 M22=−εn ・(Δεsin2θcos φ)/ε3 M23=−εn ・Δεsin2θsin φcos φ/ε3 M31=0 M32=0 M33=0 M34=1 M41=0 M42=0 M43=εn ・(εp −Δεsin2θsin2φ)/ε3 M44=0 (22´) とかける。
【0112】式(19´)の関係を満たすεp 、εn の
値から計算したΔの値の範囲(最小値、最大値)を下記
の表17に示す。なお、この際に配向部のεp は表面に
平行(傾斜角0°)と仮定した。そのうち測定結果にも
っとも近いのは εp =2.66、εn =2.57 である。
【0113】
【表17】 以上の計算は、分子の傾斜角を0°としたためにΔは光
の面内入射方向について2回対称になる。一方、実際の
測定では2回対称性がなく、εp の方向(主座標軸)が
面に対して傾いていることがわかる。図15はεp の傾
きを0°、20°、40°、60°として計算したΔの
入射方向依存性である。Δの値はεp の表面に対する傾
斜角に大きく依存するが、なかでも20°が測定結果に
一番近いのでこれを採用する。 (最適化) ガラスの屈折率 1.525、無配向部の誘電率< ε> =2.6
、無配向部分の厚さ 80nm 、配向部分の厚さ 15nm 、
配向部分の誘電率 εp =2.66、εn =2.57 、傾斜角
20°を初期値として、測定でえられたΔ、ψを再現す
るようにガラス基板の屈折率、無配向部の誘電率< ε>
、無配向部分の厚さ、配向部分の厚さ、配向部分の誘
電率(εp 、εn )、傾斜角を非線形最小二乗法で最適
化した。最小二乗法はマーカット法(中川、小柳 「最
小二乗法による実験データ解析」 東大出版会 1982
年)を採用し、各測定データの重みは等しいと仮定し
た。
【0114】最適化の結果、ガラスの屈折率 1.527無配
向部の誘電率< ε> =2.64 、無配向部分の厚さ 80nm
、配向部分の厚さ 13nm 、配向部分の誘電率 εp =
2.74、εn =2.59 、傾斜角38°なる結果をえた。図
16および図17に測定値と最適化によってえられたパ
ラメータによる計算値を示す。測定データのψはデータ
の揺らぎが大きくガラス基板歪の影響と考えられる。
【0115】実施の形態8 無歪ガラスを用いてψの角度依存性から分子配向を議論
した。
【0116】(試料B)厚さ1.1mm のコーニング7059ガ
ラスの表面にポリイミド原料液の日立化成LQ120
(商品名)をスピンコート装置を用いて塗布した後、2
50℃で2時間加熱による焼成を行なった。その後、半
径40mmのバフ布ローラーで、布の押込み長さ0.4mm 、
ローラー回転数300rpm、基板移動速度20mm/
sでラビングを行なった。
【0117】(試料C)ラビング処理をしない以外は試
料Bと同じ条件である。
【0118】試料B、Cを実施の形態1と同じ装置で測
定した。ただし面内入射角は10°ごとに変化させて測
定した。図18にψの測定結果を示す。試料Cは等方的
であるが試料Bには分子配向による異方性が観測され
た。試料Bについて実施の形態7と同じ解析を行なった
ところ無配向部分の膜厚は 82nm で、他のパラメータは
試料Aと同じであった。なお試料Cは全層無配向で膜厚
94nmとなった。これらの試料を以上のような条件で測定
した場合、Δの方がψよりも感度がよい。
【0119】実施の形態9 試料面上で交差する2本の光線を用いた図7の装置を再
び参照して、この実施の形態9を説明する。上述したよ
うに、図7は試料の法線方向から見た装置の配置を示
し、2つの光線の進行方向は互いに直交している。入射
光光源1から出た2本の光は偏光子2によってS成分と
P成分の振幅が等しい直線偏光にされる。試料より光源
に近い位置に置かれた位相板3はΔの象現決定のために
出し入れする。本測定では水銀ランプを光源に、位相板
として1/4波長板を用いた。光はモノクロメータ3
9、46により単色化される。実施の形態7と比較のた
め630nm の光を取り出した。光は表面上の測定範囲をス
リット4、レンズ5を用いて制限し、2つの光線が試料
にあたる部分を一致させる。但し、レンズを用いて集光
を行なうと試料に対する光の入射角のボケが大きくなっ
て測定精度が犠牲になる。試料6で反射した光は検光子
7に入り、そこを通過した光の強度は受光管8で測定さ
れる。本測定では受光管としてフォトダイオードを用い
た。この配置で反射光の偏光状態は回転検光子法、消光
点法のいずれでも測定できる。試料は平行移動できるX
Yステージ19の上に置かれる。この装置をもちいて実
施の形態8で述べた試料B、Cを20mm×20mmの正方形の
領域をX、Y方向共に5mm間隔で25点測定を行なっ
た。
【0120】試料Bは入射光をラビング方向に平行に入
射した場合と垂直に入射した場合で反射光の偏光状態の
差の面内分布を比較した。入射光をラビング方向に垂直
に入射した場合と平行に入射した場合の結果をそれぞれ
下記の表18および表19に示す。表18および表19
からわかるように分子配向による光学特定の異方性を反
映してラビング方向に対して光を垂直方向より入射した
場合の方がΔの値が系統的に大きいのが観測された。
【0121】
【表18】
【0122】
【表19】 試料Cも同様な面内分布測定を行なった。入射光をラビ
ング方向に垂直に入射した場合と平行に入射した場合の
結果をそれぞれ下記の表20および表21に示す。表2
0および表21に示すようにΔ、ψとも有意の差が認め
られなかった。
【0123】
【表20】
【0124】
【表21】 以上のように2方向からの同時測定によりえられたΔの
差から、ラビングによる分子配向の有無を観測できる。
試料の回転を行なわないので測定に要する時間が実施の
形態7の装置より短く、配向の試料面内分布測定が効率
よくできる。
【0125】なお、この装置は2方向のみの異方性を測
定しているため、分子配向が完全に未知な試料の配向膜
の状態(配向部分の主誘電率、主座標系の膜表面に対す
る角度、厚さと、非配向部分の屈折率と厚さ)を知るこ
とは困難である。膜の状態を詳細に求める場合は実施の
形態7と同様に試料を回転させることや、同時に入射す
る光の方向を更に増やすことが必要である。
【0126】しかし、実施の形態7で一旦測定した試料
と同じ構造(同じ液晶配向膜材料と同じ基板)であれ
ば、2方向からの測定で膜厚や誘電率の異方性について
ある程度推測できる。
【0127】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、斜入射光の偏光状態の異方性の測定から、従来の方
法では測定できなかった分子の配向度と配向している部
分の厚さを定量的に測定することができる。さらに本発
明では、分子配向の膜表面に対する角度に関する情報を
得ることができる。また本発明では、入射光や波長に対
する依存性から分子配向の深さ方向の分布も測定するこ
とができる。
【0128】さらに、本発明によれば、斜入射光の偏光
状態の面内入射方向依存性の測定から、従来は測定でき
なかった、膜の分子配向を反映した配向部分の主誘電
率、主座標系の膜表面に対する角度、厚さと、ラビング
処理によっても分子配向を生じない非配向部分の屈折率
と厚さを定量的に測定することができる。また本発明に
よれば、従来方法では回避できなかったガラス基板の歪
の影響をうけずに配向膜の状態を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査装置の模式的斜視図である。
【図2】入射角を70°として本発明の検査法を行なっ
た試料A、B、およびCのΔと試料回転角との関係を示
す図である。
【図3】試料BのΔの測定値と計算値を示す図である。
【図4】試料A、B、およびCについて従来の検査法を
行ったΔと試料回転角との関係を示す図である。
【図5】試料DおよびEについて従来の検査法を行った
Δと試料回転角との関係を示す図である。
【図6】本発明の検査法を行った試料DおよびEのΔと
試料回転角との関係を示す図である。
【図7】本発明の検査装置の模式的平面図である。
【図8】本発明の検査装置の模式的平面図である。
【図9】本発明の検査装置の模式的平面図である。
【図10】本発明の検査装置の模式的斜視図である。
【図11】本発明の光ファイバーの配置図である。
【図12】本発明の検査法で得られた配向度の面内分布
を示す図である。
【図13】入射角を70°として本発明の検査法を行な
った試料AのΔと試料回転角との関係を示す図である。
【図14】入射角を70°として本発明の検査法を行な
った試料Aのψと試料回転角との関係を示す図である。
【図15】無配向部膜厚80nm、誘電率2.6 、配向部膜厚
15nm、誘電率2.66,2.57 、ガラス基板の屈折率1.525 と
して主座標系の膜表面に対する傾き角を0°、20°、
40°、60°として計算したΔの試料回転角依存性を
示す図である。
【図16】試料Aの測定値と最適化されたパラメータか
ら計算されたΔの試料角度依存性を示す図である。
【図17】試料Aの測定値と最適化されたパラメータか
ら計算されたψの試料角度依存性を示す図である。
【図18】試料BおよびCの反射光のψの試料角度依存
性を示す図である。
【符号の説明】 1 光源 2 偏光子 3 位相板 4 スリット 5 レンズ 6 試料 7 検光子 8 受光管 9 回転ステージ 19、39 XYステージ 36、46 モノクロメータ 101 レンズ群 104 光ファイバーアレイ 105 光検出器 106 コンピュータ 107 画像出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−95845(JP,A) 特開 平5−273120(JP,A) 特開 昭60−122333(JP,A) 特開 平5−5656(JP,A) 特開 平6−50880(JP,A) 特開 昭61−269036(JP,A) 特開 平4−127004(JP,A) 特開 平9−105704(JP,A) 田幸 敏治、辻内 順平、南 茂夫, 光学的測定ハンドブック,日本,朝倉書 店,1981年 7月25日,初版,256〜265 Japanese Journal of Applied Physic s,日本,33〔11〕,6273〜6276 Journal of the Op tical Society of A merica,米国,62〔4〕,502〜 510 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 G01J 4/00 - 4/04 G01N 21/21 - 21/45 G01B 11/06 G01B 11/30 G02F 1/13 101 G02F 1/1337 520

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深さ方向に分子配向の分布を持つ薄膜試
    表面に対して所定の偏光状態の単色光線を所定の角
    度で入射したときに生じる該薄膜試料表面からの反射光
    の偏光状態を試料表面の同一箇所に前記所定の角度で複
    数の方向から入射した入射光による複数の反射光につい
    て測定し、前記複数の反射光の偏光状態の異方性から試
    料の深さ方向の分子配向の状態を決定することを特徴と
    する異方性薄膜検査法。
  2. 【請求項2】 深さ方向に分子配向の分布を持つ薄膜試
    表面に対して所定の偏光状態の単色光線を所定の角
    度で入射したときに生じる該薄膜試料表面からの反射光
    の偏光状態を試料表面の同一箇所に前記所定の角度で複
    数の方向から入射した入射光による複数の反射光につい
    て測定する方法であって、前記複数の入射光の波長およ
    び試料表面への入射方向依存性から試料表面の深さ方向
    の分子配向の状態を決定することを特徴とする異方性薄
    膜検査法。
  3. 【請求項3】 深さ方向に分子配向の分布を持つ薄膜試
    表面に対して所定の偏光状態の単色光線を所定の角
    度で入射したときに生じる該薄膜試料表面からの反射光
    の偏光状態を試料表面の同一箇所に前記所定の角度で複
    数の方向から入射した入射光による複数の反射光につい
    て測定する方法であって、前記入射光を所定の面積部分
    表面に入射し、前記所定の面積部分の表面からの反射光
    を拡大し、その反射光の偏光状態の差から試料表面の
    さ方向の分子配向の状態の前記所定の面積部分の面内分
    布を測定することを特徴とする異方性薄膜検査法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の異方性
    薄膜検査法により得られる分子配向を、前記薄膜試料表
    面の複数の箇所から得ることで、試料表面の分子配向分
    布を決定することを特徴とする異方性薄膜検査法。
  5. 【請求項5】 前記入射角は、35°以上65°以下で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    異方性薄膜検査法。
  6. 【請求項6】 深さ方向に分子配向の分布を持つ薄膜試
    料を載置し、該試料を面内回転および平行移動させるこ
    とができる試料台と、該試料台上の試料表面に所定の偏
    光状態の単色光線を所定の角度で入射する手段と、前記
    試料からの反射光の偏光状態を測定する手段とからな
    り、前記反射光の偏光状態の異方性から試料表面の深さ
    方向の分子配向の状態を決定することを特徴とする異方
    性薄膜検査装置。
  7. 【請求項7】 深さ方向に分子配向の分布を持つ薄膜試
    料を載置し、該試料を面内回転および平行移動させるこ
    とができる試料台と、該試料台上の試料表面の一点に所
    定の偏光状態の単色光線を所定の角度で入射する手段を
    複数設け、前記試料表面からの複数の反射光の偏光状態
    のそれぞれを測定する手段とからなり、前記複数の反射
    光の偏光状態の差から試料表面の深さ方向の分子配向の
    状態を決定することを特徴とする異方性薄膜検査装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の偏光状態の単色光線を所定の
    角度で入射する手段は入射光の波長および入射角度を変
    えることができ、反射光の偏光状態の入射角依存性から
    試料の屈折率分布を試料面内の入射方向ごとに求めて、
    試料表面の分子配向および試料内の分子配向分布を決定
    することを特徴とする請求項6または7記載の異方性薄
    膜検査装置。
  9. 【請求項9】 深さ方向に分子配向の分布を持つ膜膜試
    料を載置する試料台と、該試料台上の試料表面の同一個
    所に所定の偏光状態の単色光線を所定の角度で互に交差
    するように入射する複数の手段と、前記試料表面からの
    複数の反射光を拡大する手段と、その反射光の偏光状態
    の面内分布を測定する手段とを有し、複数の反射光のそ
    れぞれについて対応する前記反射光の偏光状態の成分の
    差から試料の深さ方向の分子配向の状態の面内分布を決
    定することを特徴とする異方性薄膜検査装置。
  10. 【請求項10】 前記反射光の偏光状態の面内分布を
    定する手段が位置敏感二次元検出器であることを特徴と
    する請求項9記載の異方性薄膜検査装置。
  11. 【請求項11】 液晶配向膜の表面に対して所定の偏光
    状態の単色光線を所定の角度で入射したときに生じる該
    液晶配向膜からの反射光の偏光状態を試料表面の同一の
    領域に前記所定の角度で複数の方向から入射した入射光
    による複数の反射光を測定し、反射光のS偏光成分(試
    料表面に平行な偏光成分)とそれに垂直なP偏光成分の
    位相差の異方性を測定することにより液晶配向膜の深さ
    方向の分子配向の状態を決定することを特徴とする液晶
    配向膜検査方法。
  12. 【請求項12】 液晶配向膜の表面に対して所定の偏光
    状態の単色光線を所定の角度で入射したときに生じる該
    液晶配向膜からの反射光の偏光状態を試料表面の同一の
    領域に前記所定の角度で複数の方向から入射した入射光
    による複数の反射光を測定し、反射光のS偏光成分(試
    料表面に平行な偏光成分)とそれに垂直なP偏光成分の
    強度比の異方性を測定することにより液晶配向膜の深さ
    方向の分子配向の状態を決定することを特徴とする液晶
    配向膜検査方法。
  13. 【請求項13】 液晶配向膜の表面に対して所定の偏光
    状態の単色光線を所定の角度で入射したときに生じる反
    射光の偏光状態を試料面内の同一の領域について複数の
    方向から測定し、反射光のS偏光成分(試料表面に平行
    な偏光成分)とそれに垂直なP偏光成分の位相差と強度
    比の異方性から、液晶配向膜の表面の分子配向層の厚
    さ、異方的な主誘電率と液晶配向膜中の分子配向層の下
    無配向部の厚さと誘電率を求めることを特徴とする解
    析方法。
  14. 【請求項14】 液晶配向膜試料を載置し、該試料を面
    内回転させることができる試料台と、該試料台上の試料
    表面に所定の偏光状態の単色光線を所定の角度で入射す
    る手段と、前記試料からの反射光のS偏光成分とP偏光
    成分の位相差および強度比を測定する手段とからなり、
    反射光のS偏光成分とP偏光成分の位相差および強度比
    の異方性から試料の液晶配向膜の表面の分子配向層の厚
    さ、異方的な主誘電率と液晶配向膜中の分子配向層の下
    無配向部の厚さと誘電率を決定することを特徴とする
    液晶配向膜検査装置。
  15. 【請求項15】 液晶配向膜試料を載置する試料台と、
    該試料台上の試料表面の一点に所定の偏光状態の単色光
    線を所定の角度で入射する手段を複数設け、前記試料か
    らの反射光のS偏光成分とP偏光成分の位相差および強
    度比を測定する手段とからなり、反射光のS偏光成分と
    P偏光成分の位相差および強度比の異方性から試料の液
    晶配向膜の表面の分子配向層の厚さ、異方的な主誘電率
    と液晶配向膜中の分子配向層の下の無配向部の厚さと誘
    電率を決定することを特徴とする液晶配向膜検査装置。
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