JP3274692B2 - 画像入力装置の露光制御回路 - Google Patents

画像入力装置の露光制御回路

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JP3274692B2
JP3274692B2 JP25998691A JP25998691A JP3274692B2 JP 3274692 B2 JP3274692 B2 JP 3274692B2 JP 25998691 A JP25998691 A JP 25998691A JP 25998691 A JP25998691 A JP 25998691A JP 3274692 B2 JP3274692 B2 JP 3274692B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、累積加算を用いる電
子カメラ等の画像入力装置に関し、特にダイナミックレ
ンジの広い被写体の撮像を高速化した画像入力装置の露
光制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CCDイメージセンサやMOS型
イメージセンサ等種々の固体撮像素子が開発されてい
る。そして、これらの固体撮像素子を用いて被写体を電
子的に撮像する電子カメラ等の画像入力装置の開発が、
種々行われている。
【0003】ところで、上記固体撮像素子により撮像に
供される被写体が持つダイナミックレンジは、往々にし
て約80dBにも及ぶことがある。一般に、固体撮像素子
の撮像能力(ダイナミックレンジ)は約50dBであり、
これ以上の広いダイナミックレンジを持つ被写体につい
ては撮像することが不可能であった。例えば、高輝度部
で固体撮像素子の飽和が生じ、いわゆる白飛び状態が発
生したり、逆に低輝度部が露光不足となって、いわゆる
黒つぶれの状態になることがあった。
【0004】このような問題点に対して、特願平1−3
34508号では、固体撮像素子から読出される画像信
号を累積加算してダイナミックレンジを広げる装置を開
示している。図23はこの装置の概略を示したもので、
電子カメラの要部概略構成図である。
【0005】同図に於いて、図示されない被写体を電子
的に撮像入力する固体撮像素子(AMI)1から高速度
に読出された画像信号は、プリアンプ2を介して所定の
信号レベルに増幅される。その後、上記信号は、信号処
理回路3にてクリッピング処理等が施され、A/D変換
器4でデジタル符号化される。更に、デジタル符号化さ
れた画像信号は、加算器5を介して、この加算器5との
組合わせで累積加算を行うフレームメモリ6に順次1フ
レーム毎に記憶される。
【0006】こうして、累積加算されてダイナミックレ
ンジが拡大された画像信号は、ビデオプロセッサ7に於
いて、その輝度信号成分Yが分離抽出されると共に、
R、G、Bの3原色成分に分解される。輝度信号成分Y
は、ダイナミックレンジ制御回路8内のログアンプ8aに
より、log Yに対数変換されて取込まれる。そして、2
次元フィルタ8bを介して、その照度むらの成分が除去さ
れた信号は、ダイナミックレンジゲインコントローラ
(DGC)8cに入力される。ここで、輝度信号成分Yの
ダイナミックレンジを画像モニタのダイナミックレンジ
に合わせた出力が求められた後、ログアンプ8aから遅延
回路8dを介した出力と共に加算器8eに出力され、この加
算器8eにて、ダイナミックレンジの圧縮係数が求められ
る。
【0007】一方、ビデオプロセッサ7にて変換出力さ
れた3原色成分R、G、Bは、それぞれログアンプ9r、
9g、9bを介してlog R、log G、log Bとして対数変換
された後、遅延回路 10r、 10g、 10bを介して加算器 1
1r、 11g、 11bにそれぞれ与えられる。そして、これら
の加算器 11r、 11g、 11bにて、上記圧縮係数が加算さ
れ、更に逆ログアンプ 12r、 12g、 12bで逆対数変換さ
れた後、D/A変換器13r、 13g、 13bを介してダイナ
ミックレンジの圧縮された信号成分が得られる。
【0008】このような構成の装置では、累積加算によ
りランダムノイズが軽減されることを利用しており、こ
れによって広いダイナミックレンジを得ることが可能と
なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術による装置では、固体撮像素子による累積
加算数と露光時間との関係については、詳細な記載がな
されていないものである。ここで、累積加算数をnとす
れば、その信号値はn倍、ノイズ値はn1/2 倍になるこ
とから、撮像のダイナミックレンジはn1/2 倍にするこ
とができる。すなわち、i)加算数を増やすほどダイナ
ミックレンジは広くできるが、撮像に費やされる時間が
増加する。ii)撮像するべき被写体のダイナミックレン
ジが狭い場合に不必要な累積加算が行われ、撮像時間が
無用に長くなる。iii)高輝度の被写体を撮像する場合に
は固体撮像素子の露光時間を短くする必要があり、逆に
低輝度の被写体を撮像する場合には露光時間を長くしな
ければならないものであった。このように、累積加算数
と露光時間は、撮像されるべく被写体のダイナミックレ
ンジ、輝度に応じて適切な状態に設定する必要があっ
た。
【0010】この発明は上記のような点に鑑みてなされ
たもので、撮像されるべく被写体のダイナミックレン
ジ、輝度により撮影者の意図に応じて最も適切な状態を
設定することのできる画像入力装置の露光制御回路を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、被
写体を撮像して電気的な画像信号に変換する固体撮像素
子と、撮像された被写体の画像信号を上記固体撮像素子
から読出す手段と、上記固体撮像素子から読出された該
画像信号を累積加算する累積加算手段とを備えた画像入
力装置の露出制御回路に於いて、該被写体から上記固体
撮像素子上に入射する入射光量を調節する光量調節手段
と、撮像のために、該被写体が上記固体撮像素子上に露
光されている時間を制御する固体撮像素子制御手段と、
上記累積加算手段に於ける画像信号の累積加算数を制御
する累積加算数制御手段と、上記固体撮像素子の固定パ
ターンノイズを記憶する記憶手段と、上記画像信号を外
部機器に適合する形式に変換する前に、上記累積加算手
段から出力される画像信号から上記記憶手段に記憶され
ている固定パターンノイズを減算する減算手段と、該被
写体の輝度の上限値及び下限値を検出し、対応する信号
を輝度上限値信号及び輝度下限値信号として出力する被
写体輝度検出手段と、該輝度上限値信号と該輝度下限値
信号との比から定められる被写体のダイナミックレンジ
の幅に基いて、該入射光量、該露光時間及び該累積加算
数に対して最適な数値を設定し、それぞれの数値を制御
信号として、対応する光量調節手段、固体撮像素子制御
手段及び累積加算数制御手段に出力する条件設定手段
と、を具備することを特徴とする。またこの発明は、被
写体を撮像して電気的な画像信号に変換する固体撮像素
子と、撮像された被写体の画像信号を上記固体撮像素子
から読出す手段と、上記固体撮像素子から読出された該
画像信号を累積加算する累積加算手段とを備えた画像入
力装置の露光制御回路に於いて、上記固体撮像素子は、
撮像のために該被写体が露光されている期間中、相異な
る時間に非破壊で該画像信号を読出すことが可能な固体
撮像素子であり、該被写体から上記固体撮像素子上に入
射する入射光量を調節する光量調節手段と、該露光期間
中、撮像のために該被写体が露光されている時間を制御
する固体撮像素子制御手段と、上記累積加算手段に於け
る画像信号の累積加算数を制御する累積加算数制御手段
と、上記累積加算されたデータを線形の信号に変換する
変換手段と、該被写体の輝度の上限値及び下限値を定め
る信号を出力する被写体輝度検出手段と、上記被写体輝
度検出手段から出力された該被写体の輝度の上限値及び
下限値を定める信号から生成される該被写体の輝度の上
限値と下限値との比から定められる被写体のダイナミッ
クレンジの幅若しくは該ダイナミックレンジの幅に相当
する条件に応じて、該入射光量、該露光時間及び該累積
加算数に対して最適な数値を設定し、それぞれの数値を
制御信号として、対応する光量調節手段、固体撮像素子
制御手段及び累積加算数制御手段に出力する条件設定手
と、を具備することを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明による画像入力装置の露光制御回路で
は、被写体が入射光量を調節する絞りを介してCCD撮
像素子で電子的に撮像入力され、このCCD撮像素子に
より読出された画像信号が累積加算回路で複数回加算さ
れる。上記被写体は、その輝度が輝度検出器で検出され
るもので、この検出された輝度に応じて条件設定回路に
於いて上記入射光量、露光時間及び加算数が設定され
る。これにより、絞りによる光量、CCD撮像素子の露
光時間及び累積加算回路の累積加算数が制御されて、最
も適切な状態で被写体が撮像される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0014】図1は、この発明の画像入力装置の露光制
御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的なブ
ロック構成図である。同図に於いて、14は撮影用の光学
系であり、この光学系14からハーフミラー15を介して入
射される入射光量が、絞り16で調節されるようになって
いる。この絞り16は、F値制御回路17により、その絞り
値Fが制御されるものである。
【0015】絞り16を通過した入力画像は、後述する性
質のランダムノイズを有するCCD撮像素子18で電子的
に撮像される。このCCD撮像素子18は、CCD駆動回
路19によってその読出し及び露光時間Tが制御されるよ
うになっている。CCD撮像素子18から出力された画像
信号は、プリアンプ20を介して所定の信号レベルに増幅
され、信号処理回路21にてクリッピング処理等が施され
る。その後、A/D変換器22でデジタル符号化された画
像信号は減算器23に出力され、ここで予め固定パターン
ノイズ(FPN)記憶ROM24に記憶されているCCD
撮像素子18のFPNが除去される。
【0016】上記減算器23でFPNが除去された画像信
号は、累積加算回路25を構成する加算器26に供給され
る。そして、この加算器26の出力はフレームメモリ27に
送られ、順次1フレーム毎に記憶される。上記累積加算
回路25は、累積加算数制御回路28によって、その累積加
算数が制御されるようになっている。この累積加算回路
25で累積加算された信号Snは、画像処理回路29にて輝
度変換、符号化等の処理が施され、その後記録媒体30に
書込まれる。
【0017】上記F値制御回路17、CCD駆動回路19及
び累積加算数制御回路28は、例えばマイクロプロセッサ
で構成される条件設定回路31によってそれぞれ制御され
る。この条件設定回路31は、撮像されるべく被写体光の
一部がハーフミラー15、全反射ミラー32を介して導出さ
れる輝度検出器32により検出された被写体の最大輝度L
hと最小輝度Llに基いて、絞り16のF値と、CCD撮
像素子18の露光時間Tと、累積加算回路24の累積加算数
nを制御するものである。
【0018】図2は、図1の条件設定回路31の詳細を示
したもので、輝度検出器33により供給された被写体の最
大輝度Lhと最小輝度Llは、それぞれダイナミックレ
ンジ検出回路 311に入力される。このダイナミックレン
ジ検出回路 311は、S/N設定回路 312に於いて設定さ
れた最小輝度Llの被写体のS/N比snl(dB)と、
最大輝度Lhと最小輝度Llから、撮像のダイナミック
レンジDRを検出する。そして、このダイナミックレン
ジ検出回路 311で検出されたダイナミックレンジDR
は、nT条件設定回路 313に出力され、ここで累積加算
数n及び露光時間Tを決定するべくn、Tに対する拘束
条件Iが算出され、条件CI としてパラメータ設定回路
314に出力される。
【0019】また、上記最大輝度Lhは、FT条件検出
回路 315に出力され、ここでF値、露光時間Tに対する
拘束条件IIが算出されて条件CIIとして、パラメータ設
定回路 314に出力される。また、FT条件検出回路 315
からは、上記F、Tの条件の状態信号CFT(詳細は後述
する)がパラメータ設定回路 314に出力される。
【0020】このパラメータ設定回路 314には、撮像モ
ード設定回路316からの、例えば次のように設定される
モード信号modeが出力される。 モード1:撮像時間を最も短くする。 モード2:撮像時間を一定にする。 モード3:被写界深度を最も深くする。 そして、このパラメータ設定回路 314は、このように設
定されたモード信号modeと、上記条件CI 、CII及び状
態信号CFTにより、最も適切な絞り値F、露光時間T、
累積加算数nを算出して設定する。
【0021】図3は、図1の輝度検出器33の詳細を示し
たもので、ハーフミラー15、全反射ミラー32を介して導
出された被写体の入射光は、駆動回路 331により駆動さ
れるラインセンサで構成される非破壊センサ34に入射さ
れる。そして、この非破壊センサ34で電子的に読出され
た画像信号SOは、プリアンプ 332で増幅されてA/D
変換器 333でデジタル符号化された後、輝度演算器 334
に入力される。また、非破壊センサ34からは、ピーク値
信号PEが、輝度演算器 334に入力される。この輝度演
算器 334の出力は、上記駆動回路と共にカウンタ 335に
供給される。更に、輝度演算器 334は、上記A/D変換
器 333からの出力、ピーク値信号PE及びカウンタ 335
からのカウント数Cntから、最大輝度Lh及び最小輝
度Llを演算する。
【0022】図4は、図3の非破壊センサ34の構成を示
したもので、複数の非破壊読出しフォトセンサ 3411
…、 341n を有している。これらのフォトセンサ 34
11 、…、 341n には、それぞれ読出しスイッチ 34
21 、…、 342n を介して走査回路 343が接続されてい
る。この走査回路 343の駆動により、読出された画像信
号は、出力アンプ 344を経て端子 345から画像信号SO
として出力される。尚、 346はリセットスイッチであ
る。
【0023】また、フォトセンサ 3411 、…、 341n
は、それぞれバッファアンプ 3471、…、 347n を介し
てピーク検出部 348が接続されている。このピーク検出
部348からは、ピーク値が検出されて、端子 349からピ
ーク値信号PEとして出力されるようになっている。次
に、上述した固体撮像素子のノイズについて説明する。
【0024】固体撮像素子には種々のノイズがあるが、
これらは主に上述した2つのノイズ、すなわち固定パタ
ーンノイズ(FPN)とランダムノイズに分けられる。
このうちランダムノイズ(NR )は、画像信号を累積加
算することにより相対的に減少させることができる。更
に、このランダムノイズは、露光時間に依存する暗電流
ノイズ(ND )と、露光時間に依存しないシステムノイ
ズ(NS )に分けられるもので、これら2種類のノイズ
は、例えば図5に示されるように変化する。
【0025】いま、累積加算数をn、固体撮像素子の露
光時間をTとして、露光時間Tでn回累積加算する場合
のノイズについて考える。すると、この場合の総露光時
間tB はnTで表される。累積加算が無い場合の暗電流
ノイズND は数1のように表される。
【0026】
【数1】 そして、n回累積加算した場合は数2のように表され
る。
【0027】
【数2】 また、システムノイズNS をn回累積加算した場合は数
3の如く表される。
【0028】
【数3】 したがってランダムノイズNR は数4のように表され
る。
【0029】
【数4】
【0030】そして、上記信号の振幅の最大値をSとす
れば、累積加算数nの場合の信号の最大レベルはnSと
なることから、撮像のダイナミックレンジDRは、数5
のように表される。
【0031】
【数5】 尚、ここではランダムノイズについてのみ考慮すること
にする。上記数5をグラフで表すと、図6に示されるよ
うになる。同図に於いて、縦軸、横軸は、共に対数で表
されており、数6に示される関係で表されている。
【0032】
【数6】 この図6から、必要なダイナミックレンジを得るための
露光時間と累積加算数を知ることができる。
【0033】ところで、あるダイナミックレンジを得る
にあたって、露光時間Tと累積加算数nの組合わせは複
数考えられる。しかしながら、露光時間Tは、被写体の
輝度と撮影光学系のFナンバにより決定されるものであ
る。すなわち、飽和せずに撮像できる被写体の最大輝度
をLmax とすれば、数7の関係式で表される。
【0034】
【数7】 ここでkは撮像素子の感度等に依存して求められる定数
である。これに対し、撮像し得る最小輝度をLmin とす
れば、数8の関係式で表される。
【0035】
【数8】 ここで、Lmin はノイズレベルとなる。上記数8のDR
は、上述した数5に於けるDR(n,T)のことであ
る。
【0036】ここで、撮像したい被写体の輝度が最小輝
度Ll[cd/m2 ]からLh[cd/m2 ](但しLl<L
h)に分布しているものとする。このとき、被写体のダ
イナミックレンジをdrとすると数9に表されるように
なる。
【0037】
【数9】 そして、その最小輝度LlのS/N比としてsnl[d
B]を確保するために必要とされる撮像のダイナミック
レンジDRは数10のように表される。
【0038】
【数10】 この場合、最大輝度Lhの被写体のS/N比はDR[d
B]となる。そして、最大輝度Lhを飽和せずに撮像す
る条件として数11の関係式が必要となる。
【0039】
【数11】 このことから、上記数11と数7とを合わせて、数12
を満足する露光時間T、Fナンバを選択し、上記数5か
ら累積加算数nを求めればよい。
【0040】
【数12】 次に、同実施例の動作について説明する。
【0041】撮像が開始されると、まず輝度検出器33に
より、撮像されるべく被写体の画像の最大輝度Lh及び
最小輝度Llが求められる。すなわち、図3を参照する
と、輝度検出が開始されると、非破壊センサ34がリセッ
トされると共に、カウンタ335がゼロにセットされる。
次いで、非破壊センサ34の露光が開始されると、これと
共にカウンタ 335のカウントが開始される。そして、図
7に示されるように、時間t0 秒後にピーク値信号PE
が飽和値に達したとすると、そのときのカウント数Cn
0 より、最大輝度Lhが求められる。
【0042】また、このときの画像信号の最小値が最小
輝度を与えることになるが、上記最小値が非破壊センサ
34のS/N比で決定されるノイズレベル以下である場合
は、更に露光を続ける。そして、所定時間毎(例えば時
間t1、t2 、…)に信号を読出し、最小輝度Llが上
記ノイズレベルを上回った時間(同図では時間t3 )の
カウント数(この場合Cnt3 )から最小輝度Llを求
める。
【0043】このような動作をすることにより、被写体
のダイナミックレンジdrが、非破壊センサ34のS/N
比より大きい場合でも、正確に最大輝度Lh及び最小輝
度Llを求めることができる。
【0044】こうして、輝度検出器33にて最大輝度Lh
及び最小輝度Llが求められると、これらの輝度Lh、
Llが条件設定回路31内のダイナミックレンジ検出回路
311に供給される。このダイナミックレンジ検出回
路311では、上述した数9に基いて、先ず被写体のダ
イナミックレンジdrが算出される。次いで、この被写
体のダイナミックレンジdrと、S/N設定回路 312で
設定された最小輝度の被写体が必要とするS/N比sn
lとから、撮像に必要なダイナミックレンジDRが上記
数10から求められる。nT条件検出回路 313は、この
ダイナミックレンジDRを受けて、上記数5から数13
の関係式で表される拘束条件Iを算出し、条件CI とし
てパラメータ設定回路 314に出力する。
【0045】
【数13】
【0046】一方、FT条件設定回路 315では、撮像の
ダイナミックレンジDRを確保し、最大輝度Lhの被写
体を撮像するための数14の関係式で表される条件IIを
算出し、条件CIIとして上記パラメータ設定回路 314に
出力する。
【0047】
【数14】
【0048】図8(a)及び(b)は、それぞれ条件C
I 及びCIIの例を示したものである。ここで、図8
(a)に於いてダイナミックレンジDRより大きい図の
斜線部分と、同図(b)に於いて実線Lhで表される部
分が、それぞれ条件CI 及びCIIを満たす部分である。
したがって、これらを満足する累積加算数n、絞り値
F、露光時間Tが設定されればよいことになる。そし
て、これら3つのパラメータの値は、複数の組合わせが
可能となり、最も適切な値を選択する必要がある。
【0049】いま、露光時間TがTmin 〜Tmax の範囲
で連続的に変化が可能であるとし、累積加算数nが1〜
max の整数値をとり、絞り値FがFmin 〜F
close (入射光量ゼロ)まで連続した値をとり得るもの
とする。
【0050】ここで、図9(b)に(i)で示されるよ
うに、最大輝度Lhの値がLh1 <Lhの関係の場合、
その露光時間TはTmin ≦T≦Tmax の範囲内となり、
絞り値FはF1 ≦F≦F1 ′の範囲内となる。同様に
(ii)で示されるように最大輝度Lhの値がLh2 ≦L
h≦Lh1 の場合、露光時間TはT2 ≦T≦Tmax の範
囲内となり、絞り値FはFmin ≦F≦F2 ′の範囲内と
なる。更に、(iii)で示されるように、最大輝度Lhの
値がLh<Lh2 の場合は、上記条件CIIを満足する
T、Fは存在しないことになる。そして、上記(i)、
(ii)、(iii)の各状態が、上述した状態信号CFTとし
てFT条件検出回路315からパラメータ設定回路 314に
出力されるものである。
【0051】こうして図9(b)に示された条件CII
より、図9(a)に示された条件CI の横軸(T)が決
定される。例えば、上記(i)の場合(Tmin ≦T≦T
max )、撮像のダイナミックレンジDRは最大DR1
値まで可能であり、このうち露光時間T=Tmax の場合
は最大でDR3 まで可能になる。また、上記(ii)の場
合(T2 ≦T≦Tmax )、撮像のダイナミックレンジD
Rは図9(a)の斜線で示される部分となる。そして、
このときの累積加算数nを最大にすると、T=T2 のと
きに最大でDR2 まで撮像のダイナミックレンジを得る
ことができる。
【0052】図10(a)〜(c)は、上述した条件C
I 及びCIIに応じたダイナミックレンジ等を説明する概
念図である。同図(a)は条件CI 、CIIの何れも満足
している場合、同図(b)は条件CIIのみ満足している
場合、同図(c)は条件CIIを満足していない場合の、
それぞれの概念図である。尚、何れの図に於いても、縦
軸は輝度に対応しており、ここで図示されるDR1 は、
そのそれぞれの状態でとり得る最大のダイナミックレン
ジとする。
【0053】図10(a)に於いては、ダイナミックレ
ンジDRはNR からLhまでの広範囲に渡る。また、図
10(b)の場合、F、Tを変化させなければ撮像し得
る最大輝度値は変わらない。この場合、D-1:S/Nがs
nlがsnl′に変化する、D-2:高輝度側をとらずにs
nlを確保する、D-3:上記 D-1と D-2の中間をとる、の
3つを選択することができる。ここで、上記 D-2の場
合、Lh′はFmin 2 k/Tmax 以上の値とするものと
する。更に、図10(c)の場合、D-4:撮像のダイナミ
ックレンジを図示DRからDR′に増大する、D-5:S/
Nがsnlがsnl′に変化する、の何れかを選択する
ことができる。
【0054】また、撮影モードにより、次のようなモー
ド設定を行う。 モードA:累積加算数nを極力小さくする。 モードB:累積加算数を一定値(nC )とする。 モードC:絞り値Fを極力大きく、nは極力小さくし撮
像時間を短くする。
【0055】以上のことに基いて、各状態、各モードに
対して、最も適切なn、F、Tを図11の関係図のよう
に設定する。尚、ここではn、F、Tの3つのパラメー
タに対して、複数の組合わせによる設定が可能な上記状
態(i)、(ii)の例について示すものとする。
【0056】このような原理により、同実施例に於いて
は、条件設定回路31で被写体のダイナミックレンジ、輝
度、撮像希望モードのそれぞれに応じて、最も適切な累
積加算数n、絞り値F、露光時間Tが設定される。そし
て、これらのパラメータに基いて、累積加算回路25で累
積加算が行われる。また、FPN記憶ROM24と減算器
23により、CCD撮像素子18のFPNが減算された信号
が得られて累積加算されるため、累積加算回路25から得
られる信号Snには、FPNが含まれていないものとな
る。したがって、上記数5に示されたダイナミックレン
ジを有した信号を得ることができる。更に、この信号S
nは、画像処理回路29により、特開昭63−23259
1号に提唱されているような輝度変換や符号化等の処理
が施され、記録媒体30に書込まれるようになっている。
【0057】尚、同実施例に於いて、絞り値Fの最小値
はFmin としてこの値以上に小さくすることはできない
としたが、適切な照明光を点燈し、不足している光量を
補うようにしてもよい。
【0058】また、同実施例では、ハーフミラー等を使
用して、撮像するべく被写体光を直接輝度検出器に導い
ていたが、これに限られるものではなく、例えば別途フ
ァインダー系を使用することも可能である。
【0059】更に、撮像モードとして3種類の設定とし
たが、他に被写界深度を浅くすることを優先させたり、
露光時間Tを短くすることを優先させるようにしてもよ
いものである。尚、最大輝度値Lh及び最小輝度値Ll
は、画像中の1点でもよいし、複数点の平均値としても
よい。
【0060】また、暗電流ノイズは、温度によりその大
きさが大きく変化することから、温度センサを設けて、
より正確な暗電流ノイズを検出するようにしてもよい。
更には、撮像素子を冷却して暗電流ノイズを抑制し、よ
り広いダイナミックレンジを得るようにしてもよい。更
に、図2に示される条件設定回路は、Lh、Ll、sn
lを入力、n、F、Tを出力とするROMで構成するこ
ともできる。
【0061】次に、図12乃至図15を参照して、この
発明の第2の実施例を説明する。尚、上述した第1の実
施例と同じ部分には同一の参照番号を付して重複を避け
るため、その説明は省略するものとする。
【0062】図12は、この発明の第2の実施例で画像
入力装置の露光制御回路が適用された電子カメラの全体
を示す概略的なブロック構成図であり、図1の輝度検出
器33に代わって被写体輝度検出器35を有している。図1
3は、この被写体輝度検出器35の詳細を示したもので、
被写体指示器 351は、例えばファインダと釦によって構
成される。この釦が押下されたときに、該ファインダの
中央に見える撮影光学系14の光軸上にある被写体の撮像
が行われ、その輝度が輝度演算器 334から出力されるよ
うになっている。ここで、輝度演算器 334は、ピーク値
が飽和したときの信号を用いて、信号の最大輝度Lh′
と平均値Lave ′を被写体輝度演算器352に出力する。
この被写体輝度演算器 352は、上記最大輝度Lh′と平
均値Lave ′を基に、撮像するべき画像の最大輝度Lh
と被写体の平均輝度Lave を検出する。
【0063】ここで、被写体輝度演算器 352は、被写体
指示器 351により指示される複数の被写体の輝度を総合
的に判断して、最大輝度Lhと被写体の平均輝度Lave
を出力する。例えば、j種類の被写体を指定したものと
して、順にLave i 、Lhi、(i=1〜j)とすれば
数15で表される関係式からLh、Lave を求める。
【0064】
【数15】 次に、この第2の実施例の動作について説明する。
【0065】いま、例えば図14に示されるように、部
屋の中から窓の外を写す場合を考えてみる。そして、図
中にp、q、r、sで示される各被写体の輝度が、次の
ようになっているものとする。 p窓の外の景色 Lh1 , Lave 1 q電燈 Lh2 , Lave 2 r本棚 Lh3 , Lave 3 s時計 Lh4 , Lave 4 そして、被写体指示器 351で各被写体を順次指示した場
合の最大輝度値Lhと平均値Lave は、図15の概念図
のように表される。
【0066】上記被写体輝度演算器 352で算出された上
記Lh及びLave は、条件設定回路31に出力される。次
いで、上述した第1の実施例と同様にして処理が行われ
るもので、Lave がLlに代わってパラメータの設定が
なされる。ここで、撮像のダイナミックレンジがDR>
DR1 の場合、図10(b)に示されるように、低輝度
側のS/Nを優先するものとして、同図中 D-2で示され
るように、撮像のダイナミックレンジがセットされる。
このように、Lave のS/N比を確実に確保することに
より、最も写したい被写体(主要被写体)を良好に写す
ことができる。
【0067】尚、この第2の実施例では、図15に示さ
れるように、Laveは本棚qや時計rの平均値Lave
3 、Lave 4 よりも輝度値が大きく、この2つの被写
体については必ずしも必要とされるS/N比が確保され
てはいないものである。この場合、被写体指示器 351に
於いて、該被写体を複数回指定すればよい。例えば、窓
の外の景色pを1回、電燈qを1回、本棚rを2回、時
計sを4回指定する。すると、最大輝度及び平均輝度
は、図15中のLh′及びLave ′のようになり、本棚
や時計のS/N比も確保されることになる。
【0068】このように、同実施例によれば、撮像した
い画像を指定することにより、主要被写体を最も良好に
写すことができるようにパラメータn、F、Tが設定さ
れて撮像が行われる。
【0069】上述した第2の実施例では、被写体輝度検
出器35にはラインセンサを用いているが、エリアセンサ
を使用すれば撮影光学系を動かすことなく被写体の指定
をすることができる。
【0070】また、輝度演算器 334では、被写体の最大
輝度値Lh′と平均値Lave ′を検出しているが、これ
に限られずに、上述した第1の実施例と同様に最小輝度
を検出し、この最小輝度を考慮してパラメータn、F、
Tを設定するようにしてもよい。
【0071】上述した第1及び第2の実施例では、被写
体の輝度を求めるために、ハーフミラー15、全反射ミラ
ー32を設けている。しかしながら、一般にこのような部
材を用いると、光学系が大きくなり、装置全体が大きく
なってしまうという欠点を有する。そこで、次に、上記
部材を用いない実施例について説明する。
【0072】図16に於いて、36はプリ測光回路であ
り、第1の実施例の輝度検出器33、第2の実施例の被写
体輝度検出器35に代わる回路である。これは、A/D変
換器22の出力信号を入力とし、信号の最大値Lhと最小
値Llを、条件設定回路31へ出力する。
【0073】また、第1及び第2の実施例と異なる部分
として、CCD撮像素子18に代えて高速度読出しが可能
な撮像素子、ここではCMD(Charge Modulation Devi
ce)18a、及びCMD駆動回路 19aを用いている。更
に、画像処理回路29の出力は、モニタ37へ入力されてい
る。その他の構成は、上述した第1及び第2の実施例と
同じであるので、説明を省略する。
【0074】次に、この第3の実施例の動作について説
明する。CMD 18aにて撮像された信号は、高速度に読
出され、A/D変換された後、プリ測光回路36へ入力さ
れる。そして、このプリ測光回路36では、入力される信
号の最大値Lhと、最小値Llを検出して、条件設定回
路31へ出力する。
【0075】条件設定回路31では、最大値Lhの信号が
飽和しているか否かが判断されるもので、飽和している
場合には、露光時間Tを短くするか、または絞り値を大
きくする。一方、飽和していない場合には、露光時間T
を長くするか、または絞り値を小さくする。この動作
は、CMD 18aから信号が読出される毎に行われること
により、数16で表される関係式に調整されるCMD 1
8aから高速読出しが行われているため、この調整に要す
る時間は非常に短いものとなる。
【0076】
【数16】
【0077】そして、このとき、読出された信号の最小
値Llから、上記数9より被写体のダイナミックレンジ
dr[dB]が決定される。このLhとLlの検出にあた
っては、第1の実施例の輝度検出器33と同様に、1回の
露光中に多数回に渡って非破壊読出しを行ってもよい。
【0078】尚、同実施例に於いて、最大値Lh、最小
値Llの単位は、A/D変換された後の輝度としての値
であり、上述した第1及び第2の実施例で用いられた単
位[cd/m2 ]と異なっているものである。
【0079】そして、上記数10より撮像のダイナミッ
クレンジDRが求められる。以下、第1、第2の実施例
と同様にして、露光時間T、絞り値F、累積加算数nが
設定される。
【0080】以上のようにして、露光時間T、絞り値
F、累積加算数nが設定され、累積加算数された信号S
nに対し、輝度変換の処理が画像信号処理回路29で行わ
れ、モニタ37へ出力される。
【0081】同実施例では、高輝度撮像素子を用いてい
るために、累積加算数nに要する時間をNTSCの1フ
レーム時間以下とすることができ、動画像を撮像する場
合に於いても、モニタ37によって動きに不自然さを伴う
ことなく、広いダイナミックレンジを持つ画像を観察す
ることができる。
【0082】また、同実施例では、読出された信号から
測光を行うプリ測光回路を設けたため、光学系の光路を
分離する部材を必要としない。したがって、装置全体を
小型化することが可能である。
【0083】尚、CMDは、ランダムアクセスも可能な
ことから、プリ測光時の読出し位置を、撮像したい小領
域に限定することにより、条件設定に要する時間を更に
短縮することもできる。次に、減算するFPNを撮像毎
に検出するこの発明の第4の実施例を説明する。
【0084】FPNは温度依存性が高く、使用環境によ
ってその値が大きく異なることが知られている。また、
クロックノイズ等により、同じ温度で使用しても、FP
Nが変化することもある。累積加算数nが大きくなる
と、FPNもnに比例して大きくなるため、FPNだけ
正確に減算することが、広いダイナミックレンジを得る
うえで、大変重要なものとなってくる。そこで、この第
4の実施例では、FPNの記憶を撮像時に行い、正確な
FPNの減算が行われるようにしている。
【0085】図17は、画像入力装置の露光制御回路が
適用された電子カメラの全体を示すブロック構成図であ
る。同図に於いては、上述した第1の実施例と異なり、
CCD撮像素子18の直前に機械的シャッタ38が設けら
れ、更にシャッタ制御装置39及びFPN記憶切換スイッ
チ40を具備している。上記シャッタ38は、光学系14の内
部に挿入されるようにしてもよい。尚、その他の部分に
ついては、上述した実施例と同じであるので、同一の参
照番号を付して説明を省略する。
【0086】次に、この第4の実施例の動作について説
明する。撮像が開始されると、図示されないコントロー
ラにより、シャッタ制御装置39が制御されてシャッタ38
が閉じられる。このシャッタ38により光が遮光されるの
と同時に、FPN記憶切換スイッチ40がa側に切換えら
れる。そして、1フレーム時間露光された後に読出され
た信号は、A/D変換変換されてFPN記憶ROM24に
記憶される。そして、次のフレームでは、シャッタ38が
開かれ、光学系14からの被写体光がCCD撮像素子18上
に結像されると共に、FPN記憶切換スイッチ40がb側
に切換えられる。こうして、上述した第1の実施例と同
様にして、撮像が行われる。
【0087】このように、撮像が行われる直前にFPN
の記憶が行われることにより、正確なFPNの減算処理
を行うことができる。また、同実施例に於いては、FP
Nの露光を1フレームとしたが、これは実際の露光時間
Tとした方が、より正確となるため、次のようにしても
よい。
【0088】すなわち、シャッタ38が閉じられて遮光さ
れたときにも、輝度検出器33には被写体光が入射される
ため、この出力Lh、Llから、条件設定回路31では撮
像の露光時間T、絞り値F、累積加算数nが求められ
る。そして、この露光時間Tに基き、CCD撮像素子18
の露光が行われ、読出された信号がFPN記憶ROM24
に記憶される。
【0089】また、同実施例では、遮光された状態で一
度撮像された信号をFPNとしたが、遮光された状態で
複数回撮像し、これを累積加算した信号をFPNとして
もよい。尚、上述した実施例では撮像素子にCCDを使
用しているが、これに限られるものではなく、例えばC
MD(Charge Modulation Device)を用いてもよい。
【0090】図18は、この発明の第5の実施例を示す
ブロック構成図で、上述した第3の実施例に対して、累
積加算によるFPNの検出がなされた例を示したもので
ある。
【0091】同実施例に於いて、累積加算器25の出力が
FPNとして記憶され、撮像時には乗算器41にて係数C
N が乗ぜられて減算処理が行われるようになっている。
ここで、例数CN は、FPNの記憶時の累積加算数と撮
像の累積加算数が異なる場合の補正係数である。例え
ば、FPNの記憶時の累積加算数をNFPN 、撮像時の累
積加算数をn′とすれば、数17の関係式が成立する。
【0092】
【数17】
【0093】累積加算数によりFPNを検出するため
に、FPNをより正確に求めることができる。また、高
速読出しが可能な撮像素子を用いているため、FPNの
検出も短時間で行うことができる。
【0094】尚、上述した第4及び第5の実施例に於け
るFPNの検出に於いては、シャッタ38を設けて、被写
体光が完全に遮光されて行われたが、一般にこのような
機械的シャッタ手段を用いると、装置全体が大型化して
しまう。そのため、このような機械的シャッタを設けず
に、撮像素子の露光時間を最も短縮し、絞り値Fを最も
大きくして撮像した信号を、FPNとして用いることも
考えられる。更に、絞り値の最大値が無限大(∞;絞り
値Fclose 、入射光量ゼロ)になる場合は、これをシャ
ッタとして使用してもよいのは勿論である。
【0095】次に、図19を参照して、この発明の第6
の実施例を説明する。同実施例は、非破壊読出し可能な
固体撮像素子を使用し、1露光期間内に、異なった露光
時間の複数の画像を得ようとするものである。
【0096】図19の画像処理回路29は、従来例で記述
した図23のビデオプロセッサ回路7からD/A変換器
13( 13b、 13g、 13r)までの回路であることを前提と
する。
【0097】図19に示されるブロック構成図に於い
て、前述した第3の実施例と同様に、非破壊読出し可能
な撮像素子としてCMD 18aを使用している。また、減
算器23と累積加算器25との間にはスライス回路42が、そ
して上記累積加算器25と画像処理回路29の間には線形変
換回路43が、それぞれ挿入接続されている。
【0098】ここで、CMD 18aによる非破壊読出しに
ついて、図20を参照して説明する。同図に於いて、時
間“0”にてリセット(図中RST)が実行され、電荷
の蓄積が開始される。そして、時間t1 が経過したとき
に信号読出し(同READ)が実行される。次いで、時
間t2 が経過したときに信号が読出される。このとき、
読出されるデータは、時間t1+t2 の間、露光された
信号である。つまり、t1 で信号が読出されたときにリ
セット動作がされない限り、データが失われることはな
いということを示している。時間t2 が経過した後に信
号が読出され、リセットが実行されると蓄積電荷はなく
なる。このように、リセットを実行せずに読出しのみ行
うと、1露光期間中に露光時間の異なる複数の画像を読
出すことができる。
【0099】次に、この実施例の動作について説明す
る。上記CMD 18aからの信号は、プリアンプ20で増幅
され、信号処理回路21にてクランプ等の処理が行われ、
更にA/D変換器22でデジタルに変換される。変換され
たデータは、減算器23に於いてFPNが除去される。そ
して、スライス回路42にてクリップされ、累積加算回路
25にて露光時間の異なる画像が順次加算される。この加
算回数は、条件設定回路31にて設定される。
【0100】図21は、累積加算回路25で累積加算され
たデータを示した図である。同図では、1露光期間中に
5回の読出しが行われる例について示すもので、図中f
1 の露光時間が一番長く、同f5 が最も露光時間が短
い、光電変換特性を有している。露光時間が短いために
飽和する輝度が高くなっている。
【0101】いま、f1 〜f5 の電変換特性出力が、ス
ライス回路42にてV1 でスライスされたものとする。そ
して、上記f1 〜f5 の出力が、累積加算回路25にて累
積加算されることにより、図中F0 に示される光電変換
特性が得られる。非破壊読出しがされない場合は、1露
光期間中では、例えば図中L1 で表される光量しか再現
できない。しかしながら、同実施例によれば、L1より
もはるかに光量の多いL5 までの光量が撮像可能とな
る。
【0102】また、累積加算されたデータは、F0 で示
されるように非線形であるため、線形変換回路43に於い
て、図21のF1 で示される線形の特性に変換される。
そして、線形の信号に変換後、画像処理回路29でモニタ
37に適した信号に変換されてモニタ37に出力される。
【0103】上述した実施例では、輝度を検出するため
にプリ測光回路36等を具備していたが、この実施例で
は、画像処理回路29のビデオプロセッサ7にてマトリク
ス変換することにより、輝度信号を検出する。画像処理
回路29は、図23に示されるダイナミックレンジゲイン
検出回路(DGC)8cを具備している。
【0104】DGC8cの回路構成を図22に示す。参照
番号44は標準偏差生成回路であり、加算器 44a、2乗検
波器 44b、LPF 44c及び平方根回路 44dを有してい
る。そして、この標準偏差生成回路44の出力は、一方が
可変抵抗VR2に接続された比較増幅器45の他方に入力
されて基準電圧との間で比較増幅される。この比較増幅
器45の出力は、一方が可変抵抗VR4に接続された切換
スイッチ46の他方の入力に供給され、自動制御及び手動
制御が切換え選択されてダイナミックレンジ調整電圧β
として出力される。
【0105】LPF47は輝度信号の平均値を求めるため
のもので、このLPF47の出力は、可変抵抗VR1に接
続された比較増幅器48で利得基準電圧と比較される。そ
して、可変抵抗VR3により設定された利得設定電圧と
比較増幅器48の出力とを切換えスイッチ49で切換えるこ
とにより、自動制御及び手動制御が切換え選択されて利
得調整電圧αが出力される。
【0106】このような構成のDGC8cにより、Y(輝
度信号)からα、βの信号を得ることができる。その出
力α、βは、それぞれ輝度に於ける画像の平均値と標準
偏差に相当する。α、βを条件設定回路31に入力するこ
とによって、それぞれ絞りと露光時間の制御を行うもの
である。DGC8cの動作については、特開昭63−23
2591号等に詳しく述べているので省略する。また、
絞りと露光時間の設定を細かく行うと、線形処理が複雑
になるため、予め決められた幾つかの設定条件にて絞り
と露光時間を制御するほうが望ましい。線形変換時に
は、上記設定条件を信号線Sを介して線形変換回路43に
入力し、線形変換を行う。
【0107】以上の動作を行うことにより、複数の画像
データを高速に累積加算し、広ダイナミックレンジ信号
を得ることができる。更に、広ダイナミックレンジ信号
は、絞りと露光時間が最適に設定されるため、S/Nの
良い画像が得られる。また、同実施例では図示されてい
ないが、A/D変換器22の前のクランプ回路が不安定な
場合は、A/D変換した後にデジタル部でクランプして
もよい。
【0108】このように、1露光期間中に、何度も読出
すことにより、より広輝度の被写体を撮像することがで
きる。更に、1露光期間中でなく、幾つかの露光期間経
過後に非破壊読出しを行い、これを数回読出した後にリ
セットを行うようにしてもよい。
【0109】この発明に使用されたカラー撮像装置につ
いては、特開昭63−232591号及び特願平1−3
34508号に記載されているので、詳細は省略する。
【0110】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、撮像
されるべく被写体のダイナミックレンジ、輝度により、
撮影者の意図に応じて最も適切な露光時間、絞り値、累
積加算数を設定することのできる画像入力装置の露光制
御回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像入力装置の露光制御回路が適用
された電子カメラの全体を示す概略的なブロック構成図
である。
【図2】図1の条件設定回路の詳細を示すブロック構成
図である。
【図3】図1の輝度検出器の詳細を示すブロック構成図
である。
【図4】図3の非破壊センサの詳細を示す回路構成図で
ある。
【図5】ランダムノイズの経時変化を示した図である。
【図6】累積加算数と露光時間の関係を示した図であ
る。
【図7】非破壊センサの蓄積電荷量の経時変化を示した
図である。
【図8】(a)はnT条件検出回路で算出される拘束条
件Iに対応した条件CI を示した図、(b)はFT条件
設定回路で算出される拘束条件IIに対応した条件CII
示した図である。
【図9】(a)及び(b)はそれぞれ図8(a)及び
(b)の条件CI 及びCIIに対応した累積加算数、絞り
値、露光時間のパラメータの組合わせを表した図であ
る。
【図10】(a)〜(c)は、条件CI 及びCIIに応じ
たダイナミックレンジ等を説明する概念図である。
【図11】図9(b)の各状態と撮影モードとの最も適
切なパラメータの関係を示した図である。
【図12】この発明の第2の実施例で画像入力装置の露
光制御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的
なブロック構成図である。
【図13】図12の被写体輝度検出器の詳細を示したブ
ロック構成図である。
【図14】ファインダから見た被写体を表した図であ
る。
【図15】図14の被写体の最大輝度値と平均値を説明
する概念図である。
【図16】この発明の第3の実施例で画像入力装置の露
光制御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的
なブロック構成図である。
【図17】この発明の第4の実施例で画像入力装置の露
光制御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的
なブロック構成図である。
【図18】この発明の第5の実施例で画像入力装置の露
光制御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的
なブロック構成図である。
【図19】この発明の第6の実施例で画像入力装置の露
光制御回路が適用された電子カメラの全体を示す概略的
なブロック構成図である。
【図20】図19の電子カメラによる蓄積電荷量と露光
時間との関係を示した図である。
【図21】図19の電子カメラの出力電圧と光量との関
係を示した図である。
【図22】画像処理回路内のダイナミックレンジゲイン
検出回路の構成を示すブロック図である。
【図23】従来の電子カメラの要部概略構成図である。
【符号の説明】
14…光学系、15…ハーフミラー、16…絞り、17…F値制
御回路、18…CCD撮像素子、19…CCD駆動回路、2
0、 332…プリアンプ、21…信号処理回路、22、 333…
A/D変換器、23…減算器、24…固定パターンノイズ
(FPN)記憶ROM、25…累積加算回路、26…加算
器、27…フレームメモリ、28…累積加算数制御回路、29
…画像処理回路、30…記録媒体、31…条件設定回路、32
…全反射ミラー、33…輝度検出器、34…非破壊センサ、
311…ダイナミックレンジ検出回路、 312…S/N設定
回路、 313…nT条件設定回路、 314…パラメータ設定
回路、 315…FT条件設定回路、 316…撮像モード設定
回路、 331…駆動回路、 334…輝度演算器、 335…カウ
ンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 健 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−246985(JP,A) 特開 平2−50584(JP,A) 特開 昭62−285584(JP,A) 特開 昭63−86976(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体を撮像して電気的な画像信号に変
    換する固体撮像素子と、撮像された被写体の画像信号を
    上記固体撮像素子から読出す手段と、上記固体撮像素子
    から読出された該画像信号を累積加算する累積加算手段
    とを備えた画像入力装置の露出制御回路に於いて、 該被写体から上記固体撮像素子上に入射する入射光量を
    調節する光量調節手段と、 撮像のために、該被写体が上記固体撮像素子上に露光さ
    れている時間を制御する固体撮像素子制御手段と、 上記累積加算手段に於ける画像信号の累積加算数を制御
    する累積加算数制御手段と、 上記固体撮像素子の固定パターンノイズを記憶する記憶
    手段と、 上記画像信号を外部機器に適合する形式に変換する前
    に、上記累積加算手段から出力される画像信号から上記
    記憶手段に記憶されている固定パターンノイズを減算す
    る減算手段と、 該被写体の輝度の上限値及び下限値を検出し、対応する
    信号を輝度上限値信号及び輝度下限値信号として出力す
    る被写体輝度検出手段と、 該輝度上限値信号と該輝度下限値信号との比から定めら
    れる被写体のダイナミックレンジの幅に基いて、該入射
    光量、該露光時間及び該累積加算数に対して最適な数値
    を設定し、それぞれの数値を制御信号として、対応する
    光量調節手段、固体撮像素子制御手段及び累積加算数制
    御手段に出力する条件設定手段と、 を具備することを特徴とする画像入力装置の露光制御回
    路。
  2. 【請求項2】 被写体を撮像して電気的な画像信号に変
    換する固体撮像素子と、撮像された被写体の画像信号を
    上記固体撮像素子から読出す手段と、上記固体撮像素子
    から読出された該画像信号を累積加算する累積加算手段
    とを備えた画像入力装置の露光制御回路に於いて、 上記固体撮像素子は、撮像のために該被写体が露光され
    ている期間中、相異なる時間に非破壊で該画像信号を読
    出すことが可能な固体撮像素子であり、 該被写体から上記固体撮像素子上に入射する入射光量を
    調節する光量調節手段と、 該露光期間中、撮像のために該被写体が露光されている
    時間を制御する固体撮像素子制御手段と、 上記累積加算手段に於ける画像信号の累積加算数を制御
    する累積加算数制御手段と、上記累積加算されたデータを線形の信号に変換する変換
    手段と、 該被写体の輝度の上限値及び下限値を定める信号を出力
    する被写体輝度検出手段と、上記被写体輝度検出手段から出力された該被写体の輝度
    の上限値及び下限値を定める信号から生成される該被写
    体の輝度の上限値と下限値 との比から定められる被写体
    のダイナミックレンジの幅若しくは該ダイナミックレン
    ジの幅に相当する条件に応じて、該入射光量、該露光時
    間及び該累積加算数に対して最適な数値を設定し、それ
    ぞれの数値を制御信号として、対応する光量調節手段、
    固体撮像素子制御手段及び累積加算数制御手段に出力す
    る条件設定手段と、 具備することを特徴とする画像入力装置の露光制御回
    路。
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