JP3274101B2 - 開水路の流速測定方法とその装置及び較正検査方法 - Google Patents

開水路の流速測定方法とその装置及び較正検査方法

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JP3274101B2
JP3274101B2 JP06163099A JP6163099A JP3274101B2 JP 3274101 B2 JP3274101 B2 JP 3274101B2 JP 06163099 A JP06163099 A JP 06163099A JP 6163099 A JP6163099 A JP 6163099A JP 3274101 B2 JP3274101 B2 JP 3274101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川や大きな人工開水
路での流量を測定するために、一種類以上の水深に於け
る水平平均流速を超音波で測定するのに使用される技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、河川等の開水路の所定箇
所の流量を測定する代表的な方法には、所定箇所に於け
る断面積と、その断面部分に於ける流体の流速を測定す
れば良いことが知られており、その具体的な手段は、開
水路の幅方向に沿った仮想線を所定の間隔でいくつかの
区間に分割し、この各区間毎の中央に於いて種々の垂直
水深位置で例えばプロペラ式流速計で局部流速を測定
し、この垂直線上の平均流速を計算し、部分断面積との
積から分割区間毎に部分流量を求め、それらの総和を算
出することから行われていた。
【0003】上記従来の手段の詳細は、本発明者、本出
願人が先に提案した特許第2863748号公報の「流
速測定装置」、或いは特開平9−196727号公報の
「河川流量測定装置及び方法」に於ける従来説明で明ら
かにしている。
【0004】そして、前記提案した発明は、或る固定点
から水中に発信した超音波が他の或る固定点に達するま
での伝播時間が流速により変化することを利用して、流
速を測定する装置及び方法である。この超音波を利用し
た流速測定手段は、従来から主として使用されている前
述したような機械式且つ局部的測定手段に較べて、流
速分布を乱さない、微流速から高流速まで直線性があ
る、流速成分がわかる、流量の実時間測定ができ、
連続自動観測が可能、機械的動作部分がないので保守
が容易である、等の利点が挙げられている。
【0005】この超音波を利用した基本的な流速測定手
段を図11以下及び演算の数式から説明すると、河川等
の開水路での流量を測定するために、超音波を利用して
一種類以上の水深における水平平均流速を測定する方法
は次の通りである。
【0006】図11(a)の横断断面で示したように河
川等の開水路の両岸に、水深によっていくつかのトラン
スデュ−サ(超音波変換器)をA1 とB1 、A2 とB2
……等の如く一対ずつ対向させ、図11(b)の河川平
面図で示したように水流方向に対して一定の角度φを形
成するように配置しておいて、トランスデュ−サA1
ら超音波を発信してトランスデュ−サB1 に到達する時
間tABと、反対にトランスデュ−サB1 から発信した超
音波がトランスデュ−サA1 に到達する時間t BAを測定
すると、時間tABと時間tBAは式(a)と(b)であ
り、この式(a)と(b)から超音波伝播時間の差Δt
=tBA−tABは式(c)となり、この式(c)により流
速Vは式(d)となる。ここでcは河川水での音速であ
り、Vは水平平均流速、Lは一対のトランスデュ−サ
A、B間の距離である。
【0007】
【数1】
【0008】音速の2乗c2 は、式(a)と(b)の積
から実質的に式(e)なので、これを式(d)に代入す
れば、最も多く使用する流速測定式(f)になる。この
流速測定式(f)が超音波伝播時間差(transit time d
iffrence)法である。流速測定式に関し式(g)も使用
されているが、結局式(f’)となり同じである。
【0009】
【数2】
【0010】開水路だけでなく、現在もっとも広く知ら
れている閉水路(例えば管路)用超音波流量計でも超音
波伝播時間差法で流速を測定している。この方法以外に
周波数差法、位相差法等もあるが、何れにしても超音波
伝播時間差法に基づいているし、対をなすトランスデュ
−サも図11と同様に流速Vに対し一定の角度φで配置
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来技術によって、幅の広い河川において水平平均流
速を測定しようとすると、次のような問題が発生する。
【0012】先ず一番目の問題は、(各種水深での)水
平平均流速を測定して流量を演算するには、水の流れに
対して直角な流水断面積Sを選択しなければならない
が、測定した水平平均流速に対応する断面積Sの選定が
不確定であり、決定できない点である。
【0013】流量Qを求めるには、各種水深での水平平
均流速Vi を測定して断面Sと直交する総平均流速VS
を演算し、式(h)から求める方法もあるし、または水
平平均流速Vi を測定して、式(i)のように部分断面
積Si にVi を掛けた部分流量の総和からQを求める方
法もある。(図11)。
【0014】
【数3】
【0015】処で、超音波は流速の影響を受けながらL
線に沿って伝播するが、L線上の各地点における流速
は、この点に釣合する開水路形態によって様々な値とな
る。処が上記のどの方法を使用したとしても、超音波が
伝播する河川の区間D=Lcosφに於ける断面は、図1
2に示した平面と断面とを合成して表した説明図から明
らかなように、川幅は勿論のこと、川床の深浅・凹凸に
よって同一でなく多様となるので、測定した水平平均流
速がどの断面に適合するものなのか明確に知るこができ
ない。従ってD区間内の任意の地点の断面積Sを選択す
ることになり、その結果、流量の測定誤差は明らかに大
きくなる。
【0016】例えば河川の幅Bが500mでφ=45°
ならD=500mになるが、D=500mの区間全域で
河川断面が同じな自然河川はまず無いだろう。上記図1
2に示したように川床の深浅・凹凸等によって多様とな
る筈であり、唯一コンクリートの人工開水路のうちの極
く一部が例外となるだけである。
【0017】二番目の問題は、河川では流速の斜流成分
が発達していることにより生じる。図13に示したよう
に、正確な流量を算出するために測定しなければならな
い流速Vは、断面Sに対して直角な直角流速成分V
ある。もし流速の方向が直角流速成分Vと一致してお
り、L線とφの角度を成していれば、時間差法等の従来
技術で測定した流速Vは直角流速成分Vになるが、流
速の方向がL線に対してφ+αの角度を成す斜流の場合
は、式(f)で算出した流速Vは真の直角流速成分V
とは大きく異なり、Vの測定誤差が大きくなる。従っ
て上述の場合は、従来技術が故に生じる斜流角度αの影
響分を考慮し、先ず式(j)で流速Vを求め、次に式
(k)でその直角流速成分Vを算出すべきである。
【0018】
【数4】
【0019】このように、流量を測定するための本来の
流速Vは式(k)であるにも拘らず、従来技術では実
際の斜流角度αを知り得ないので、前記した式(f)に
基づき式(l)で流速V’を演算することになり、この
流速V’をVとしてしまうので、流速Vの測定誤差
δV は式(m)のようになる。
【0020】φ=45°ならtan φ=1なので、測定誤
差δV =−tan αになる。斜流の角度がα=1°〜10
°の範囲ならδV =1.75 〜17.63%である。自然河川で
α=2°〜3°は一般的なので、δV =3.5〜5.2%にな
るのは普通であり、このような誤差が発生してしまうこ
とが問題である。
【0021】次に3番目の問題は、超音波パルスを利用
するために発生する問題である。先ずトランスデュ−サ
はその原理上、例えば矩形波のように完全な1パルスの
み超音波を発信することは不可能で、実際には図14
(a)左図の如く最初の3〜4波で順次振幅が増大して
最大となり、そこから数波で徐々に減衰して収束される
鐘形パルスであり、結局数波から10波程度の音波が発
信される。また、図14(b)左図の如きラジオパルス
は発信できない。
【0022】そこで、上記したトランスデュ−サがパル
スを受信する瞬間は、通常、超音波を受信したトランス
デュ−サの出力信号が或る一定のレベル(チェックレベ
ル、CL)に達した時を基準としているので、このレベ
ルに達する波になった時に始めて受信瞬間として検知
し、この受信瞬間と発射瞬間との時間差を超音波伝播時
間としている。
【0023】しかしながら、超音波パルスは水中を伝播
することによって減衰変形する。それは、発信パルスが
衝撃波で周波数スペクトルバンドが広いことにより、超
音波が水中を伝播する際にパルスの高周波(higher har
monic )成分が早く減衰するためで、鐘形パルスは図1
4(a)右図の如く、パルス形状が変わると共に基本波
も大きく減衰してしまう。また、仮に理想的なラジオパ
ルスを発信できたとしても、結局は図14(b)右図の
ように減衰・変形した音波を受信することになる。
【0024】鐘形パルスの振幅が変化すると、図14
(c)で明らかにしたように、受信の瞬間をチェックす
る時に、超音波の1〜2周期程度の誤差が発生するのが
一般的である。鐘形パルスが減衰すると、チェックレベ
ル(CL)に達する波がずれるからである。
【0025】そして、超音波パルスを受信して増幅する
際、パルスの波形が歪曲されないように広帯域増幅器
(wide band amplifier )を使用するので、幅広いスペ
クトルに渡って雑音も増幅され、特にパルス形状のノイ
ズが高効率に増幅され、前記チェックレベルに達して超
音波伝播時間測定に混乱をきたす危険がある。
【0026】更には、一対のトランスデュ−サ間の間隔
Lが長かったり、流体の流れに様々な過流(vortex, ed
dy)が発生したり、浮遊粒子の濃度が変化したり、また
浮遊粒子濃度や水温の境界があると、超音波パルスの屈
折拡散度や吸収減衰度が著しく変化するので、受信点に
於ける超音波強度(音圧)が瞬時瞬時で激しく脈動す
る。このため超音波が受信(到達)した瞬間をチェック
するのが難しくなり、超音波伝播時間測定誤差が大きく
なったり、または全波ともチェックレベルに達せずに測
定が不可能になる場合もあった。
【0027】即ち前述したように、受信トランスデュ−
サの出力信号が或る一定のレベル(CL)に達する波と
なった時を基準として受信瞬間を決定しているので、図
14(c)から明らかなように、何番目の波がチェック
レベル(CL)に達するかによって超音波の1〜2周期
程度の誤差が発生することになり、この誤差の発生要因
として、上記したマクロ過流、浮遊粒子、浮遊粒子濃度
や水温の境界等によって生じる超音波強度(音圧)の脈
動が、挙げられるのである。
【0028】逆に、受信トランスデュ−サの出力信号を
過剰増幅すると、本来チェックすべきでない波がチェッ
クレベルに達して1〜2周期程度早く検出してしまった
り、または全く無関係なノイズさえもチェックレベルに
達してしまい、受信瞬間と看做してしまうといった不都
合となる。このため超音波伝播時間差流速測定法を利用
できる河川の広さや流水状態が制限されるのである。
【0029】従来の技術ではこのような三つの主な問題
によって、幅の広い自然河川で水平平均流速を測定する
のが難しく、また測定したとしても誤差が大きくなる可
能性が高いので、河川流量を超音波を利用して測定する
例が殆ど無い。唯一、割と幅が狭く、断面が一定で流水
状態が一様で安定した人工開水路で利用されているのみ
である。
【0030】以上説明してきたように、流速を測定する
手段としての、周波数差法、位相差法等を含む超音波伝
播時間差法に対しては、流量を演算するべく任意の地点
での水の流れに対して直角な流水断面積Sを選択しなけ
ればならないが、測定する平均流速と対応した断面積S
が不確定で選定できないため流量測定誤差が大きくなる
点、河川では流速の斜流成分が発達していることにより
生じる誤差の点、利用する超音波パルスが鐘形且つ高周
波成分を多く含むので減衰が激しく受信強度を保証する
のが難しくて、また伝播時間測定誤差の原因になり、更
に減衰度が脈動するので同じく伝播時間測定誤差の原因
になる点等、種々の欠点を指摘することができる。
【0031】そこで、この欠点を解消する手段として、
超音波が水中を伝播する際に生じる偏向現象を利用する
ことが着目される。即ちこの偏向現象とは、流量測定断
面に沿って超音波の連続波(サイン波)が水中を伝播す
る時に、伝播媒体である水が或る流速で移動しているた
めに不動の河川岸に超音波が到達する地点が、水が流れ
ていない時に到達する地点から流速方向に離れた地点に
なる現象である。
【0032】よって本発明は、上述した従来技術の不満
点を解決するため開発されたもので、超音波が水中を伝
播する際に生じる偏向現象を利用して、流速・流量を簡
単且つ精度高く測定できるようにすることを目的とす
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の請求項1に記載の超音波流速測定方法は、開水
路の流速を測定する方法であって、開水路にほぼ直交す
る任意の仮想測定直線Bの開水路他側端との交叉地点を
原点aとして設定し、開水路の仮想測定直線B上の一側
端内に発信トランスデュ−サ部を配置すると共に、他側
端内に仮想測定直線Bに直交する方向に間隔dをあけた
一対の受信トランスデュ−サ部を配し、受信トランスデ
ュ−サ部の少なくとも一つを仮想測定直線Bに直交する
方向に変位させ、一対の受信トランスデュ−サ部の夫々
が、発信トランスデュ−サ部がその指向特性の中心を原
点aに向けて発信した超音波を受信してその出力信号の
大きさが等しくなる位置での、超音波の指向特性の中心
を測定地点bとして求めて、この測定地点bと前記した
原点aとの間の距離から偏向距離l(スモールエル)を
求め、偏向距離lと超音波が発信トランスデュ−サ部か
ら受信トランスデュ−サ部に到達するまでの時間t、ま
たは偏向距離lと超音波の音速cと仮想測定直線距離B
の値から、開水路の流速を演算することを特徴とする。
【0034】発信トランスデュ−サ部が開水路の仮想測
定直線B上の一側端からその指向特性の中心を原点aに
向けて発信した超音波は、流体である水中を伝播する際
に生じる偏向現象によって開水路他側端の原点aより下
流の或る地点に到達する。
【0035】この場合、受信トランスデュ−サ部の少な
くとも一つを仮想測定直線Bに直交する方向に変位させ
るので、一対の受信トランスデュ−サ部の受信出力信号
の大きさU21とU22が夫々等しくなる時点(地点)に於
ける二つの受信トランスデュ−サ部の位置によって、発
信トランスデュ−サ部から発信された超音波の指向特性
の中心の到着地点を把握することができ、この点を測定
地点bとして、原点aとの間の偏向距離lを求めること
になる。
【0036】そこで、この求められた偏向距離lと超音
波が発信トランスデュ−サ部から受信トランスデュ−サ
部に到達するまでの時間t、または偏向距離lと超音波
の音速cと仮想測定直線距離Bの値を用いて、開水路の
流速を演算することができる。
【0037】また、請求項2に記載の超音波流速測定方
法は、開水路の流速を測定する方法であって、開水路に
ほぼ直交する任意の仮想測定直線Bの開水路他側端との
交叉地点を原点aとして設定し、開水路の仮想測定直線
B上の一側端内に発信トランスデュ−サ部を配置すると
共に、他側端内に仮想測定直線Bに直交する方向に間隔
dをあけた一対の受信トランスデュ−サ部を、超音波の
指向特性の中心が原点aに到達したときに夫々の出力信
号の大きさが等しくなる位置に配し、発信トランスデュ
−サ部を回動させ、一対の受信トランスデュ−サ部の夫
々が、発信トランスデュ−サ部が発信した超音波を受信
して、その出力信号の大きさが等しくなる時の仮想測定
直線Bに対する前記発信トランスデュ−サ部の回動角度
を偏向角度θとし、偏向角度θと超音波の音速cの値か
ら、開水路の流速を演算することを特徴とする。
【0038】従って、発信トランスデュ−サ部が発信し
た超音波は、流速がV≠0のときは、流体である水中を
伝播する際に生じる偏向現象によって発信方向より下流
寄りの開水路他側端の或る地点に到達するが、この到達
地点が原点aと一致する、即ち出力信号が等しくなるよ
うに、発信トランスデュ−サ部を仮想測定直線B方向か
ら回動させれば、この回動角度を偏向角度θとして求め
ることができ、この偏向角度θと超音波の音速cの値を
用いて、開水路の流速を演算することができる。
【0039】次に請求項3に記載の超音波流速測定方法
は、請求項1、2にあって、一対の受信トランスデュ−
サ部の夫々の出力を差動増幅器に入力して、差動増幅器
の出力信号がΔU=0となる位置から測定地点b、また
は差動増幅器の出力信号がΔU=0となる回動角度から
偏向角度θを求める。
【0040】本発明では、上述したように、一対の受信
トランスデュ−サ部の夫々が超音波を受信して、位置移
動並びに回動角度変化に対する出力信号の大きさが夫々
等しくなる時点(地点)を求めるのであるが、このため
の大小比較は両者を増幅すれば多少行い易くなるもの
の、全く等しい増幅度で増幅するには、及び都度異なる
任意な二つの信号の大小を比較するには、手間がかか
る。
【0041】そこで請求項3の如く差動増幅器を用い
る。これにより先ず第一に、両者の差が一つの信号とし
て出力されるため、等しくなる位置または角度を探すた
めに二つの信号の大小比較をする必要はなく、単に出力
がゼロになった時を検知し、その時の位置から偏向距離
l或いは偏向角度θを求めれば良い。また次に、大きく
増幅すれば出力のゼロ付近を極めて精密且つ容易にチェ
ック可能になるが、この場合は両者を各々増幅する訳で
はないので、増幅度が等しくないための上記したような
エラーは発生し得ない。そして求めるべき点はゼロなの
で、例えば増幅度が瞬間瞬間において変動したとして
も、常にゼロはゼロである。
【0042】次に請求項4に記載の超音波流速測定方法
は、請求項1または2にあって、一方の受信トランスデ
ュ−サ部の受信出力信号をU1 、他方の受信トランスデ
ュ−サ部の受信出力信号をU2 とし、U2 /U1 が最大
或いはU1 /U2 が最小となる、他方の受信トランスデ
ュ−サ部の位置を測定地点b、または他方の受信トラン
スデュ−サ部を原点aに一致させた状態での発信トラン
スデュ−サ部の回動角度を偏向角度θとする。
【0043】ここでは、受信音圧が刻々と脈動したとし
ても、この音圧の増減は一方の受信トランスデュ−サ部
と他方の受信トランスデュ−サ部とに同じ割合で影響す
るので、求めるべき両者の比率には何等の変化も生じな
いことになり、安定した状態のままで比率が最大または
最小となる時点を正確に検知できることになる。
【0044】次に請求項5に記載の超音波流速測定装置
は、開水路の流速を測定する装置であって、開水路に直
交する任意の仮想測定直線Bの開水路他側端との交叉地
点を原点aとして設定し、開水路の仮想測定直線B上の
一側端内に配置される発信トランスデュ−サ部と、他側
端内に仮想測定直線Bに直交する方向に間隔dをあけて
配され、発信トランスデュ−サ部からの超音波を受信す
る一対の受信トランスデュ−サ部と、少なくとも一つが
前記直交方向に変位する一対の受信トランスデュ−サ部
の夫々の出力信号の大きさが等しくなる位置での、超音
波の指向特性の中心を変位地点bとして測定してこの測
定地点bと前記した原点aとの間の距離から偏向距離l
を求め、超音波が発信トランスデュ−サ部から受信トラ
ンスデュ−サ部に到達するまでの時間tの測定、超音波
の音速c測定、等の何れかまたは全てを行う演算・制御
装置、とを有することを特徴とする。
【0045】次に請求項6に記載の超音波流速測定装置
は、請求項5にあって、一方の受信トランスデュ−サ部
の受信出力信号をU1 、他方の受信トランスデュ−サ部
の受信出力信号をU2 とし、U2 /U1 が最大或いはU
1 /U2 が最小となる、他方の受信トランスデュ−サ部
の位置を測定地点bとして、この測定地点bと前記した
原点aとの間の距離を偏向距離lとして求め、超音波が
発信トランスデュ−サ部から前記受信トランスデュ−サ
部に到達するまでの時間tの測定、超音波の音速c測
定、等の何れかまたは全てを行う演算・制御装置を有す
る開水路の流速測定装置である。
【0046】次に請求項7に記載の超音波流速測定装置
は、開水路の流速を測定する装置であって、開水路に直
交する任意の仮想測定直線Bの開水路他側端との交叉地
点を原点aとして設定し、開水路の仮想測定直線B上の
一側端内に回動自在に配置される発信トランスデュ−サ
部と、他側端内に、仮想測定直線Bに直交する方向に間
隔dをあけ、且つ超音波の指向特性の中心が原点aに到
達したときに夫々の出力信号の大きさが等しくなる位置
に配される一対の受信トランスデュ−サ部と、この発信
トランスデュ−サ部と受信トランスデュ−サ部とに接続
される演算・制御装置、とを有し、前記した一対の受信
トランスデュ−サ部の夫々が、回動する前記発信トラン
スデュ−サ部が発信した超音波を受信して、演算・制御
装置が、その出力信号の大きさが等しくなる時点の、仮
想測定直線Bに対する発信トランスデュ−サ部の回動角
度を偏向角度θとして測定し、超音波の音速c測定、等
を行うことを特徴とする。
【0047】請求項8に記載の超音波流速測定装置は、
請求項7にあって、開水路の仮想測定直線B上の一側端
内に回動自在に配置される発信トランスデュ−サ部と、
他側端内に、仮想測定直線Bに直交する方向に間隔dを
あけ、且つ他方の受信トランスデュ−サ部を原点aに一
致させて配される一対の受信トランスデュ−サ部と、こ
の発信トランスデュ−サ部と受信トランスデュ−サ部と
接続される演算・制御装置、とを有し、回動する前記
した発信トランスデュ−サ部が発信した超音波を受信し
た、一方の受信トランスデュ−サ部の受信出力信号をU
1 、他方の受信トランスデュ−サ部の受信出力信号をU
2 とし、演算・制御装置が、U 2 /U 1 が最大或いはU 1
/U 2 が最小となる、仮想測定直線Bに対する発信ト
ランスデュ−サ部の回動角度を偏向角度θとして測定
し、超音波の音速c測定、等を行う構成である。
【0048】
【0049】
【0050】そして請求項9に記載の較正検査方法は
請求項1、2、3、4に記載の流速測定方法,及び請求
項5,6、7、8に記載の流速測定装置において、水槽
内の一側端に発信トランスデュ−サ部を配置すると共
に、他側端内に、発信トランスデュ−サ部の発信方向と
直交する方向に間隔dをあけた一対の受信トランスデュ
−サ部を配し、発信トランスデュ−サ部と受信トランス
デュ−サ部とを様々な位置に、間隔d方向に沿って平行
移動させて、この様々な位置での一対の受信トランスデ
ュ−サ部の夫々が、発信トランスデュ−サ部からの超音
波を受信して、夫々の出力信号がU21=U22で等しくな
る、または出力信号U21とU22を差動増幅器に入力して
差動増幅器の出力信号がΔU=0となる、または夫々の
出力信号U1 とU2 の比率が最大か最小となる、一対の
受信トランスデュ−サ部の位置を検出し、夫々対応する
発信トランスデュ−サの移動量と比較することを特徴と
する。
【0051】この請求項9の発明は、上記した発明の方
法や装置の特性や精度を検査したり調整(較正)を容易
に達成するためのもので、発信トランスデュ−サ部が水
平平均流速と同じ速度で所定時間移動したとすれば、こ
の移動距離が超音波偏向距離と同一になるために成立す
る。
【0052】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の原理を図1に従っ
て説明すると、開水路にほぼ直交する任意の仮想測定直
線Bにあって、開水路の仮想測定直線B上の一側端内に
発信トランスデュ−サ部1を配置すると共に、他側端内
に受信トランスデュ−サ部2を配した場合、図1は不動
点0から不動点aに向かって出発した超音波が、水中を
伝播して不動点aまたはbに到達する現象を誇大にして
説明するものである。
【0053】水が静止している場合、即ち流速V=0の
時、0点から伝播する超音波はa点に到達するが、水が
Vの流速で流れていると超音波が到達する地点はbにな
る。この時、a点とb点間の距離l(スモールエル)は
式(1)のようになる。ここでBは0点とa点との距
離、cは流体における音速、tは超音波が伝播するのに
要した時間である。また、0a線と0b線が成す角度θ
は、式(2)のようになる。
【0054】
【数5】
【0055】式(1)のl(スモールエル)を超音波の
偏向距離、式(2)のθを超音波の偏向角度とし、両式
から流速Vは式(3)(4)のようになり、偏向距離l
と音速cまたは伝播時間t、或いは偏向角度θと音速
c、を測定して流速Vを求めることができるのである。
【0056】尚、ここでの偏向角度θは図示上の幾何学
的角度であり、超音波の伝播方向がθの角度に変化して
伝播するのではない。伝播し始めた方向は不変である
が、伝播媒体が移動するために、結果的に見かけ上の幾
何学的角度θが生じるだけである。図1の曲線0b線に
於ける複数の矢視は、伝播し始めた方向が不変であると
いう、この現象を示している。
【0057】式(3)(4)によって偏向距離lと音速
cまたは伝播時間t、或いは偏向角度θと音速c、を測
定して水平平均流速Vを求めるなら、従来の技術を利用
して流量を測定する時に発生する前記した三つの問題が
一度に解消される。その理由は、現実的な流速域に於い
ては、超音波が流量測定断面Sとほぼ等しい線上を伝播
するので、測定する平均流速と1対1に対応する断面積
Sを特定することができるし、パルスではなく連続した
サイン波を使用することができるので、伝播による減衰
が少なくなるからである。
【0058】減衰度が時々で変化し、受信信号レベルが
脈動しても、チェックレベルを使用している訳ではない
ので、受信信号を適度に増幅さえすれば充分であり、誤
って取り込んでしまったり逆に取り込み損ねることはあ
り得ない。
【0059】更には、斜流成分流速の角度αがいくら大
きくなっても、直接的に測定する流速は常に断面Sに対
して直角な成分のみである。仮に流速の方向が超音波伝
播方向と一致する場合は、l(スモールエル)=0、θ
=0になるし、超音波伝播方向に対して90±αの角度
になるとl(スモールエル)とθは式(5)のようにな
る。ここでVcos α=Vであり、即ち断面積Sに対し
て直角な測定すべき流速成分のみを適切に測定すること
になる。
【0060】次に図2は、本発明に於ける偏向距離lの
測定方法と装置の概略を示すもので、開水路にほぼ直交
する任意の仮想測定直線B(流量測定断面S)の開水路
他側端との交叉地点を原点aとして設定し、開水路の仮
想測定直線B上の一側端内に発信トランスデュ−サ部1
を配置すると共に、他側端内に前記した仮想測定直線B
に直交する方向に所定間隔dをあけて一対の受信トラン
スデュ−サ部21 、2 2 を配し、発信トランスデュ−サ
部1には超音波発振器3が接続され、必要に応じて一対
の受信トランスデュ−サ部21 、22 の夫々は差動増幅
器4に接続される。尚、図示実施例では、受信トランス
デュ−サ部21 を上流側に、受信トランスデュ−サ部2
2 を下流側に配置するものとする。
【0061】発信トランスデュ−サ部1は、開水路の仮
想測定直線B上の一側端から超音波をその指向特性の中
心を他側端の原点aに向けて発信するが、ここではその
指向性は左右対称で、指向角の小さい鋭い指向性で超音
波を発信するものとし、以下の説明も同様とする。
【0062】図2(a)は、例えば測定開始に備えて待
機中等に、一対の受信トランスデュ−サ部21 、22
中心を原点aに一致するように配置した場合で、受信ト
ランスデュ−サ部21 と原点a、受信トランスデュ−サ
部22 と原点aとは、夫々d/2間隔で等距離にある。
【0063】図2(a)のように流速がV=0の場合、
超音波の指向特性の中心は原点aに到達するので、一対
の受信トランスデュ−サ部21 と22 の夫々の出力信号
の大きさU21とU22は互いに同じになり(U21
22)、この出力を差動増幅器4に入力すれば、その出
力はΔU=K(U22−U21)=0になる。ここでKは差
動増幅器4の増幅度である。
【0064】これに対し流速がV≠0の場合、一側端か
らの超音波は式(1)で求められる偏向距離lだけ偏向
して他側端に到達するので、上流側である受信トランス
デュ−サ部21 の出力信号は下流側の受信トランスデュ
−サ部22 の出力信号より小さくなり、ΔU=K(U22
−U21)>0になる。
【0065】そこで図2(b)のように、受信トランス
デュ−サ部21 と22 を仮想測定直線Bに直交する下流
方向(即ちd方向)に同時に変位させると、それに伴い
ΔUは減少し、ΔU=0となり、更に変位を続行すると
ΔUの符号が逆転して、負の値として増加する(ΔU<
0)。
【0066】このΔU=0になった時点とは、受信トラ
ンスデュ−サ部21 と22 が超音波を受信してその出力
信号の大きさが等しくなるということであり、従って発
信トランスデュ−サ部1から発信された超音波の音圧ピ
ーク到着位置は、この実施例では指向性が左右対称なの
で、両受信トランスデュ−サ部21 、22 の中間点であ
るd/2点であり、この点が測定地点bとなり、測定地
点bと原点aとの間の距離が、測定しようとする超音波
偏向距離lである。
【0067】一方、一対の受信トランスデュ−サ部21
と22 のうち一つだけを変位させる場合、例えば図2
(b)に於いて、受信トランスデュ−サ部21 を同図の
位置に常に固定しておき、受信トランスデュ−サ部22
のみを変位させ、U21=U22(ΔU=0)になった時点
のd’/2(d’は受信トランスデュ−サ部22 の変位
と共に増減する)点が前記と同様に音圧ピーク到着点と
なり、まさに図2(b)がこの時点を表している。従っ
て、このd’/2点と原点aとの距離が偏向距離lとし
て求められる。
【0068】そして仮に流速Vが図2(b)の場合より
ももう少し大きいときは、受信トランスデュ−サ部21
の出力信号U21は同図の場合より小さく受信トランスデ
ュ−サ部22 の出力信号U22は大きいが、受信トランス
デュ−サ部22 を変位させると出力信号U22は減少して
いく一方、固定された受信トランスデュ−サ部21 の出
力信号U21は不変なので、或る時点でU21=U22(ΔU
=0)になる受信トランスデュ−サ部22 の変位点が生
じる。音圧ピーク到着点は、この時のd’の中間点(即
ち1/2点)なので、この点と原点aとの間の距離が偏
向距離lとなる。
【0069】尚、上記説明では、上流側に位置する受信
トランスデュ−サ部21 を図示上は原点aに固定する例
を用いたが、測定範囲や現場の諸条件によっては下流側
の受信トランスデュ−サ部22 を固定したり、或いは固
定された受信トランスデュ−サ部2に対し、移動する受
信トランスデュ−サ部2をこの固定された受信トランス
デュ−サ部2を越えて、上流側から下流側へ或いは下流
側から上流側へ変位させることも有り得る。
【0070】処で、上記した実施例で、受信トランスデ
ュ−サ部21 と22 を共に変位させる手段と何れか一方
だけを変位させる手段とを比較すると、後者の方が変位
のための移動装置を小型軽量化することができる。
【0071】また、固定側の受信トランスデュ−サ部2
の配置位置を適切に選定すれば、前者の手段に比較する
と移動側の受信トランスデュ−サ部2の変位量が増大す
るので、変位量を測定する際の分解能が高くなり、精度
が向上する。特に図2(b)の如く、固定側の受信トラ
ンスデュ−サ部2を原点aに配置すれば、上述した間隔
d’/2がそのまま偏向距離lに等しく、即ちd’=2
l(2スモールエル)になる。従って川幅が比較的小さ
い場合には偏向距離lも小さいので、後者が最適な手段
となる。
【0072】これに対して前者の手段は、川幅や流速V
が大きく、そして流速Vの変化範囲(測定範囲)が大き
い場合に効果的となる。更には、この前者の手段は、後
述するように、発信トランスデュ−サ部1の指向特性に
合わせて変位量に対する音圧変化勾配を著しく大きく得
られる間隔dを選定し、且つその間隔dを常用すること
も可能なので、U21=U22(ΔU=0)時点をチェック
する精度を常に高くすることができる。
【0073】処で、他側端に一対の受信トランスデュ−
サ部2を配する上述したような構成ではなく、一つの受
信トランスデュ−サ部2のみを配して直接的に音圧ピー
クを探す手段も考えられる。即ちこの受信トランスデュ
−サ部2を仮想測定直線Bと直交する方向に変位させつ
つ、発信トランスデュ−サ部1から発信された超音波を
受信して、その出力信号Uが最大となる上記受信トラン
スデュ−サ部2の変位位置を、測定地点bとするのであ
る。
【0074】しかしながら超音波の音圧ピークはさほど
明確に表れないので、この変位する受信トランスデュ−
サ部2のみの単独で、且つ単一受信出力信号の最大値を
もってして、最大音圧の受信位置を特定するには大きな
誤差が生じる。
【0075】また、そのために出力信号Uを大きく増幅
すれば今度はノイズも増幅され、やはり真の音圧(信
号)ピーク点検知に誤差を招く。更に、超音波の受信強
度が瞬時瞬時に於いて変動し脈動するので、当然音圧ピ
ーク点の音圧も脈動し、ピーク点に於ける受信出力信号
が他点に於けるそれよりも小さくなる瞬間も度々発生
し、最大音圧到着点を検知するのに補充的誤差が発生す
るばかりでなく、測定不能になることも多い。これは、
後述の受信トランスデュ−サ部2を固定配置して偏向角
度θを求める場合でも同様である。
【0076】そこで、上記発明では二つの受信トランス
デュ−サ部2を用いて、受信トランスデュ−サ部21
2 が受信する、超音波の出力信号の大きさが夫々等し
くなる、または出力信号U1 とU2 の比率が最大か最小
値となる時点(地点)を求めるのである。
【0077】これにより、図3(a)から明らかなよう
に、変位量に対する音圧変化勾配が最も小さな音圧ピー
ク付近ではなく、音圧変化勾配の大きな部分で受信でき
るので、無理な増幅は不要になり、増幅ノイズの支障を
受けずに求めたい時点(地点)を正確に把握することが
可能となる。
【0078】また、受信音圧が刻々と脈動したとして
も、この音圧の増減は両受信トランスデュ−サ部2にほ
ぼ同量が作用するので、受信出力信号の大小比較には殆
ど影響が生ぜず、特にU21=U22(ΔU=0)の時点
(地点)に於いては同量が作用するため完全に相殺さ
れ、全く影響が生じない。このことは、偏向角度θを求
める場合でも同様である。
【0079】処で、二つの有限の出力信号の大きさを度
々比較して夫々が等しくなる時点を単純に求めるより
も、差動増幅器4を介してその出力信号ΔU(=U21
22)一つだけが0か否かをチェックする方が更に高分
解能で、確実・容易であり、より総合的な精度向上が実
現できる。更に、変化する信号が或る一定値になったの
を最も精密にチェックする方法は、信号が0になる瞬間
であることは広く知られている。
【0080】図3(b)は、受信トランスデュ−サ部2
の変位に対する差動増幅器4の出力信号ΔUが、増幅度
Kによって変化する様子を示した。差動増幅器4の増幅
度Kを大きくするのは極めて容易で、この増幅度Kが大
きいほど出力信号勾配は大きくなり、先の距離dの値に
起因する音圧変化勾配の増大と相俟ってΔU=0か否か
の精密なチェックが更に容易となる。
【0081】このように差動増幅器4を用いて電気的に
後処理を行うなら、たとえ大きく増幅する場合であって
も、超音波中や電気回路に於いて生じて出力信号U21
22に等しく含まれるノイズは、前述の受信音圧脈動も
含め全て除去されるばかりでなく、ΔUは直流信号とし
て出力されるため、整流回路等も不要である。
【0082】そして、例えば差動増幅器4の出力を比較
器(comparator)に入力して、ΔU=0の瞬間に単安定
パルス発振器(mono stable multivibrator )を作動さ
せ、パルスを発信させれば、このパルスによって受信ト
ランスデュ−サ部21 と22の出力信号の大きさが等し
くなったことを知ることができる。勿論、偏向角度θを
求める場合でも同様の効果が得られる。
【0083】このように音圧自体の変化勾配が大きい理
想的な一対の受信トランスデュ−サ部21 と22 の間隔
dは、式 d≧2B・tan β から選択する。ここで
は、発信トランスデュ−サ部1の指向特性図である図3
(a)及び図4に示したように、発信トランスデュ−サ
部1の指向特性の最大音圧をPmax 、受信トランスデュ
−サ2が受信しようとする超音波の音圧をP1 、指向特
性の原点とPmax 点及びP1 点を結ぶ線が成す角度をβ
とする。
【0084】例えばP1 =0.95Pmax になる角度がβ=
0.05°なら、上記式から、d/B=2・tan 0.05°=0.
001745になる。従って、仮想測定直線Bが、仮に100 m
(メートル)、500 m、1000mならば、間隔dは、夫々
0.175 m(メートル)、0.873 m、1.75mになる。
【0085】そして、P1 /Pmax が多少小さくなって
も前述の通り指向特性を参考にしつつ、大きめの間隔d
を定めれば、前述の音圧変化勾配が大きくなり、高感度
に時点・地点の検知が可能になる。逆に省スペースや装
置の小型軽量化のために間隔dを小さくする時には、発
信トランスデュ−サ1の指向角を小さくすれば良い(指
向角を2〜3°にするのは難しくない)。またはP1
max を比較的大きく選定しても良いが、この場合は電
気的に補完するべく差動増幅器4の感度と増幅度を高く
する必要がある。これは、偏向角度θを求める場合でも
同様である。
【0086】また、測定地点bを求める手段として、受
信トランスデュ−サ部21 と22 の夫々の出力信号の比
率が最も大きくなる時点を測定することも考えられる。
即ち図2(c)に於いて、例えば一方の受信トランスデ
ュ−サ部を21 として、その超音波受信出力信号をU
1 、他方の受信トランスデュ−サ部を22 としてその受
信出力信号をU2 とし、間隔d''を保ったまま受信トラ
ンスデュ−サ部21 と2 2 を、或いは図2(d)では他
方の受信トランスデュ−サ部22 のみを、鎖線から実線
に示した如く変位させ、U2 /U1 が最大値となる、ま
たはU1 /U2 が最小値となる地点を検知する。
【0087】U2 /U1 が最大値となる、またはU1
2 が最小値となる地点とは、発信トランスデュ−サ部
1から発信された超音波の音圧ピークを受信する位置で
あり、従って変位した他方の受信トランスデュ−サ部2
2 の位置を測定地点bとして決定できるのである。尚、
2 /U1 等は、U2 とU1 を割算回路4’に入力すれ
ば容易に得られるし、必要に応じて行う整流方法も周知
の通りである。
【0088】勿論、何れの受信トランスデュ−サ部を2
1 と22 として割り当てるかは任意であり、且つ上記実
施例の割り当てに於いて逆に、少なくとも受信トランス
デュ−サ部21 を変位させ、U1 /U2 が最大値、また
はU2 /U1 が最小値となる時点の受信トランスデュ−
サ部21 の位置が音圧ピーク到着点であり、求めるべき
測定地点bとすることも可能である。また、一方の受信
トランスデュ−サ部2のみを変位させる場合に於いて、
他方である固定側の受信トランスデュ−サ部2の両側に
わたって変位させることもある。
【0089】さて、このように音圧のピーク点を二つの
受信トランスデュ−サ部2のうちの一つが直接的に検出
する手段は前述の通りであり、ピーク点付近は変位量に
対する音圧変化勾配が少ないために、ここを検知する他
方の受信トランスデュ−サ部22 の出力信号変化勾配も
少なくなる点では、先に説明した一つの受信トランスデ
ュ−サ部2のみでピーク点を直接的に検出する場合と同
様である。
【0090】しかしながら、二つの受信トランスデュ−
サ部2のうちの一つで音圧のピーク点を検出する手段で
は、高精度の検知が実現できる。なぜならば、一つの受
信トランスデュ−サ部2のみで検出する場合と異なり、
他方の受信トランスデュ−サ部22 のみならず、一方の
受信トランスデュ−サ部21 でも受信し、両出力信号の
比率を取って最大または最小を検知するからである。
【0091】即ち、他方の受信トランスデュ−サ部22
の出力信号変化勾配が少なくても、一方の受信トランス
デュ−サ部21 の出力信号変化勾配は大きくできるの
で、両者の比率の変化勾配は大きいものになるのであ
る。更に、受信音圧が刻々と脈動しても、この音圧の増
減は一方の受信トランスデュ−サ部と他方の受信トラン
スデュ−サ部とに同じ割合で影響するので、求めるべき
両者の比率には何等の変化も生じないこと、前述の通り
である。
【0092】また、受信トランスデュ−サ部21 と22
を間隔d''を保ったまま同時に変位させる場合には、図
2(c)や図4から明らかなようにd''=d/2なの
で、d''≧B・tan θから、U2 /U1 の変化勾配が大
きく得られる間隔d''を求めることができる。
【0093】以上、出力信号U1 とU2 の比率から指向
特性の中心を検知する手段の原理は、偏向角度θを求め
る場合でも応用できる。但しこの場合には、一対の受信
トランスデュ−サ部2は固定配置しておけば良く、また
何れか一方を原点aに位置させることになる。
【0094】上述した図2の実施例は、偏向距離lを求
めるにつき、受信トランスデュ−サ部21 と22 、或い
は一対のうちの少なくとも一つの受信トランスデュ−サ
部2を、仮想測定直線Bに直交する方向に機械的に変位
させ、発信トランスデュ−サ部1から発信された超音波
の音圧ピークを、受信出力信号が等しくなること、また
は比率が最大・最小になることから、測定地点bとして
決定するようにしている。
【0095】これに対して図5に示した実施例は、前述
したような発信トランスデュ−サ部1や受信トランスデ
ュ−サ部2を回動させたり移動変位させたりする構成で
はなく、受信トランスデュ−サ部21 は例えば原点a位
置させると共に、受信トランスデュ−サ部22 は、仮想
測定直線Bに直交する方向に、l(スモールエル)ma x
からl(スモールエル)min の区間全体に羅列する多数
のn個のトランスデュ−サ片2iを一体的に構成して固
定配置し、受信トランスデュ−サ部21 及び各トランス
デュ−サ片2iの夫々を割算回路4’に接続する。
【0096】この場合、n個の割算回路4’を用いる方
法もあるが、各トランスデュ−サ片2iの各出力を切り
替えスイッチ(sw)に接続し、一つづつ順次切り替え
て一つの割算回路4’に接続し、Ui /U1 を算出して
も良い。この場合、割算回路4’の他の入力端には受信
トランスデュ−サ部21 が接続される。
【0097】そして、原点aに向けて発信した超音波
が、流速によって音圧のピークが或るトランスデュ−サ
片2iに加わり、これの出力信号比Ui /U1 が最大等
になったとすれば、このトランスデュ−サ片2iを上述
した受信トランスデュ−サ部2 2 とするのである。即
ち、多数のトランスデュ−サ片2iの何れかを選択して
受信トランスデュ−サ部22 と決定するのであり、結果
的に受信トランスデュ−サ部22 が変位するのと同じこ
とになる。
【0098】例えばl(スモールエル)max からl(ス
モールエル)min の区間を100に分割して、100個
のトランスデュ−サ片2iでモザイクを作れば、Vmax
からVmin を1/100の分解能で測定することにな
る。仮に、ΔV=Vmax −Vmi n =3m/s−0.5m
/sとすれば、2.5/100=0.025m/sの分
解能で流速を測定することができ、この場合最悪条件と
なるVmin の測定誤差は、δV min =0.025×10
0/0.5=5%になる。
【0099】勿論、出力信号がU1 =Ui 、または受信
トランスデュ−サ部21 と受信トランスデュ−サ部2i
の出力を作動増幅器4に入力してΔU=0になった時点
のd/2を測定地点bと認知する方法もあり、この場合
は距離d及び測定範囲に応じて受信トランスデュ−サ部
2 の配置位置が前記と異なり、またd/2が故に分解
能が1/200になり、δV min も0.25%になる。
【0100】更に、測定範囲が流速0からの場合等は、
受信トランスデュ−サ部21 を用いず、最上流のトラン
スデュ−サ片2iを原点aに配置すると同時に、この出
力を、上述の受信トランスデュ−サ部21 の出力の代わ
りに用いることも可能である。
【0101】そして、間隔d或いはd''だけ隔たった、
トランスデュ−サ片2iとトランスデュ−サ片2i +d
或いはトランスデュ−サ片2iとトランスデュ−サ片2
i +d ''、の出力を順次チェックし、U1 =U2 (ΔU=
0)或いはU2 /U1 が最大か最小になった時点から測
定地点bを得ることも可能である。尚、受信トランスデ
ュ−サ部21 に相当する受信トランスデュ−サ部2の配
置位置は、何れの場合であっても原点aに限定されるも
のではない。
【0102】処で、上述した各請求項に於ける本発明及
びその実施例にあって、受信トランスデュ−サ部2は、
一対に限定されるものではない。流速測定範囲や測定現
場の状況に応じて複数対、或いは複数個(特に奇数)で
あっても良いものである。
【0103】例えば図6(a)は、間隔d1 とd2 を有
する一対の受信トランスデュ−サ部21 と22 を一体的
に用いて、夫々適当な受信トランスデュ−サ部2対でU
21=U22(ΔU=0)時点を検知したり、図6(b)の
如く、複数から成る一方の受信トランスデュ−サ部2を
適宜配置し、最適なU2 /U21やU222の値等から音
圧ピーク点(または測定地点b)を検知したり、更に
は、図6(c)の如く、例えば三個の受信トランスデュ
−サ部2を用いて、U21=U22(ΔU=0)並びにU2
/U21やU222等を複合的に活用して測定地点bを検
知することもできる。
【0104】次に図7は、本発明に於ける偏向角度θの
測定方法と装置の概略を示すもので、開水路にほぼ直交
する任意の仮想測定直線B(流量測定断面S)の開水路
他側端との交叉地点を原点aとして設定し、開水路の仮
想測定直線B上の一側端内に発信トランスデュ−サ部1
を回動自在に配置すると共に、他側端内に前記した仮想
測定直線Bに直交する方向に所定間隔dをあけた一対の
受信トランスデュ−サ部21 、22 を、d/2点を原点
aに一致させて固定配置した構成である。
【0105】流速がV=0の場合、発信トランスデュ−
サ部1が原点aに向けて発信した超音波は仮想測定直線
Bに沿って伝播するが、流速がV≠0の場合、超音波は
偏向して他側端のb’地点に到達する。そこで超音波の
音圧ピークが原点aに到達するように発信トランスデュ
−サ部1を上流方向に回動させるのであり、超音波が原
点aに到達する時点に、回動方向が原点a方向と成す角
度が、偏向角度θとなる。
【0106】前述した平行移動させる装置・方法と異な
り、ここでは発信トランスデュ−サ部1のみの単純な回
転運動なので、主として駆動装置が簡易となると同時
に、各種の水深での流速を測定する場合には、一本の回
動柱に全ての発信トランスデュ−サ部1を配することが
可能である。
【0107】尚、回動角度が偏向角度θとなった時点
を、出力信号 21 =U 22 から、或いは差動増幅器4の出
力信号ΔU=0から求める手段、及び出力信号U1 とU
2 の比率から求める手段等は、トランスデュ−サ片2i
を用いる例を含めて前述の偏向距離lの測定の場合と同
様である。但し、比率を求める場合には、受信トランス
デュ−サ部21 と22 の何れかを原点aに配置する。ま
た発信トランスデュ−サ部1の回動は、精密に微小角度
で正確にステップ回転等の制御が必要である。
【0108】さて、超音波偏向距離lまたは偏向角度θ
を測定して、流速Vを式(3)または式(4)で演算す
るためには、仮想測定直線B区間を超音波が伝播する時
間t、または水中での音速cを測定しなければならない
が、伝播時間tまたは音速cの測定方法は広く知られて
いるので、適切な方法を選択すれば良い(例えば音速c
についてなら特開平9−189590号公報や特願平1
0−279306号の発明)。
【0109】
【実施例】次に、図8は本発明の偏向距離lを求める装
置の受信トランスデュ−サ部2の具体的な一実施例を示
すもので、水中に河床に向かって立てられる管桿5に
は、複数のラック桿6が上下方向に所定間隔で、夫々水
平且つ仮想測定直線Bと直交方向姿勢で装着されてい
る。
【0110】ラック桿6は、管桿5内のピニオン7の回
転方向に応じて左右に水平移動し、一対の受信トランス
デュ−サ部21 と22 は、所定間隔dをあけてラック桿
6に固定され、管桿5内に挿通されているピニオン7の
軸8はモ−タ−9の回転数を減速する減速機10に連結
されている。
【0111】モ−タ−9には、モ−タ−9の回転数測定
装置11が接続され、また、タイマ12、タイマ12の
信号によって動作する電源スイッチ13が接続される。
【0112】一方、一対の受信トランスデュ−サ部21
と22 に接続される差動増幅器4は、比較器14に接続
される。この比較器14は差動増幅器4の出力信号の大
きさがΔU=0になった時に、出力信号を発して比較器
14と連結されている単安定パルス発振器15を作動さ
せる。
【0113】単安定パルス発振器15と前記した回転数
測定装置11とはデジタルコンバ−タ16に接続され
る。このデジタルコンバ−タ16は、モ−タ−9の回転
数をラック桿6の移動距離に換算し、単安定パルス発振
器15のパルスが入力された時に、その瞬間に測定した
偏向距離lの値をコード信号として流速演算装置17の
メモリ回路に送るようになっている。流速演算装置17
は、流速Vの式(3)を演算してV値のコード信号を流
量演算装置18に伝達する
【0114】尚、流速演算装置17には、測定された音
速cの値(コード信号)が流速測定を始める時に入力さ
れるようになっている(音速測定装置、時間測定装置及
びラック桿6を基準点に待機させる制御装置等は図示省
略)。
【0115】また、流速演算装置17のメモリ回路に
は、流速V演算に用いるために様々な水深毎の仮想測定
直線Bが(但し時間測定の場合は不要)、更に流量演算
装置18には、河川の幅(広さ)を始めとした流量Q演
算に用いる各種データが、夫々入力・記録されている。
ピニオン7とラック桿6は水中で作動するために、例え
ばポリウレタン等の合成樹脂材で製作されることもあ
る。
【0116】次に図9(a)は、仮想測定直線Bと平行
な垂直断面、図9(b)はその部分の平面を表すもの
で、上下に複数個が配置された発信トランスデュ−サ部
1には、この発信トランスデュ−サ部1を励振する超音
波サイン波発振器3が接続され、同時に全ての発信トラ
ンスデュ−サ部1から超音波を発信させても良いよう
に、超音波発射周波数を互いに異なる周波数にしてあ
り、受信トランスデュ−サ部21 と22 との共振周波数
も、夫々対応する発信トランスデュ−サ部1の周波数と
一致させてある。
【0117】尚、超音波サイン波発振器3には、タイマ
19とタイマ19によって動作する電源スイッチ20が
接続されている。このタイマ19は、前記した受信側の
タイマ12と同期していて、指定された流量測定周期に
基づき、電源スイッチ13と20がONになって装置が
動作するようになっている。
【0118】上記した装置の動作は、先ず流量測定時刻
になったら受信側のタイマ12と発信側の19が夫々電
源スイッチ13と20を動作させて測定を始めさせる。
そして、発信トランスデュ−サ部1が超音波を連続して
発信して、モーター9が回転を始めると共に、回転数測
定装置11がモ−タ−9の回転数を連続測定して、出力
信号をコンバ−タ16に入力する。
【0119】モ−タ−9が回転するとピニオン7が回転
するので、ラック桿6が水平移動し、従って受信トラン
スデュ−サ部21 と22 は、定められた位置から仮想測
定直線Bに対して直角な方向に移動を開始する。そして
移動しながら受信トランスデュ−サ部21 と22 の出力
信号の大きさが同一になった瞬間、差動増幅器4の出力
はΔU=0になり、単安定パルスが発生してコンバータ
16に入力されるので、この瞬間に測定された受信トラ
ンスデュ−サ部21 と22 の原点aからの距離、即ち超
音波偏向距離lを流速演算装置17に入力するのであ
る。
【0120】一般に表層の流速は高く、河床付近の流速
は低いので、原点aから下流方向へ移動させた場合は、
ΔU=0になる順序は河床に近い受信トランスデュ−サ
部2から始まり、水面に近くの受信トランスデュ−サ部
2で終わる。尚、受信トランスデュ−サ部2は、下流側
から原点aへ向かって移動させても良い。
【0121】流量測定に必要な時間は、ラック桿6の移
動速度と河川の広さによって決まる。減速器10の減速
係数、ピニオン7の1回転当りのラック桿6の移動距
離、モータ9の回転数測定装置の分解能などを適当に選
択し、超音波偏向距離lを精度高く測定することができ
る。
【0122】前述したように、図8、図9は本発明の偏
向距離lを求める装置の実施例であるが、偏向角度θを
求める装置もほぼ同様の構成で良い。但し、上下方向に
所定間隔で複数の発信トランスデュ−サ部1を装着した
ロッドは、精度高く軸回転できるようにし、その駆動
源、駆動制御装置、回動角度測定装置等が必要となる。
また、受信トランスデュ−サ部2は固定配置するので、
水平移動させるための装置や変位量を測定する装置は不
要である(共に図示省略)。
【0123】また、前記した全ての流量測定方法と装置
は、発信トランスデュ−サ部1と一対の受信トランスデ
ュ−サ部2とを対にしなければならない限定はなく、水
路形状や流速分布状況によっては流量演算精度が多少劣
化することはあっても、例えば一基の発信トランスデュ
−サ部1に対して受信トランスデュ−サ部2をほぼ水深
方向に沿って複数対用いて構成されることもある。
【0124】さて、本発明の開水路の流速測定方法とそ
の装置は、上述したような構成で作用を営むが、一般に
測定装置の場合、装置の特性や精度を検査したり調整
(較正)することが容易にできなくてはならなず、この
特性を較正または検査するための装置及び方法の一実施
例を図10に示した。
【0125】図10(a)は較正検査装置の平面図、図
10(b)は同じく断面図を示すものにして、水槽21
の一方側に発信トランスデュ−サ部1を、他方側に間隔
dをあけた受信トランスデュ−サ部21 と22 から成る
受信トランスデュ−サ部2を浸し、何れも外部に取り付
けたマイクロメータ23と連結されている送りネジ22
に装着し、水槽21内の側端に沿って相互にd方向に平
行移動自在なものにする。
【0126】この構成にあって、先ず発信トランスデュ
−サ部1を基準点b'0に配置すると共に受信トランスデ
ュ−サ部2に向けて超音波を発信し、マイクロメータ2
3を操作して受信トランスデュ−サ部2を左右(d方
向、図では上下)に移動させながらΔU=0(U21=U
22)になる位置を探す。
【0127】仮に発信トランスデュ−サ部1の指向特性
が完全に左右対称になっていれば、受信トランスデュ−
サ部21 と22 の中心点d/2が、発信トランスデュ−
サ部1の基準点b'0の正対位置と一致する。非対称の場
合は、中心点d/2は正対位置と一致しないが、これは
問題にならない。ΔU=0(U21=U22)になる点b 0
の位置を記録・表示しておけば良い。
【0128】次にマイクロメータ23を操作して、発信
トランスデュ−サ部1をl(スモールエル)'1だけ変位
させb'1の位置に移動固定した後、再び受信トランスデ
ュ−サ部21 と22 を移動させてΔU=0(U21
22)になった瞬間の位置b1 の変位量l(スモールエ
ル)1 をマイクロメータ23で測定し、上記l(スモー
ルエル)'1と比較して変位量l(スモールエル)1 の差
異を検査する。
【0129】このようにして、発信トランスデュ−サ部
1をb'1、b'2、b'3、b'4………b'maxの位置に移動
・固定の上、受信トランスデュ−サ部2を移動させΔU
=0(U21=U22)になった瞬間の位置bn の変位量l
(スモールエル)n を測定し、これ等を発信トランスデ
ュ−サ部1の変位量l(スモールエル)'nと夫々比較し
て、l(スモールエル)全域に於ける測定誤差を検査し
たり、電子回路を調整して必要な特性に較正することが
できる。水槽21の長さは約5m位あれば充分である。
【0130】較正検査をして、l(スモールエル)の測
定誤差δl が分かれば、実際の総流速測定誤差δV は式
(6)のようになる。ここでδc とδB は、音速cの測
定誤差及び発信トランスデュ−サ部1から原点aまでの
距離の測定誤差である。
【0131】
【数6】
【0132】このように簡単に較正検査を実施すること
ができるのは、仮に発信トランスデュ−サ部1が測定現
場に於ける水平平均流速と同じ速度Vで、発信トランス
デュ−サ部1から受信トランスデュ−サ部2までの超音
波伝播時間t=B/cと同じ時間だけ移動したとすれ
ば、数式(1)のVt=l(スモールエル)となり、こ
れは超音波偏向距離と同一になるためである。
【0133】尚、この較正検査方法は、差動増幅器4を
用いずに出力信号U21=U22を用いた装置、或いは受信
トランスデュ−サ部21 または22 の何れかを変位させ
出力信号(U21=U22(ΔU=0))を得る装置、更に
は出力信号U1 とU2 の比率が最大または最小となる時
点を利用する装置にも、応用可能である。
【0134】また、発信トランスデュ−サ部1と受信ト
ランスデュ−サ部2を平行移動させ、夫々の変位量l
(スモールエル)'nと変位量l(スモールエル)n を測
定・比較する代わりに、両者を各々同軸上で回動させ、
同様に回動角度θn とθ'nを測定・比較することによ
り、水槽21内で較正検査する方法もある。
【0135】
【発明の効果】本発明にかかる開水路の流速測定方法と
その装置によれば、流体に於ける超音波の偏向現象を利
用して精度高く且つ簡単に流体の流速を測定し、またそ
の流速から流量を測定することができ、本発明の較正検
査方法によればこの装置の較正検査が容易且つ正確に達
成できる等、多くの優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理である超音波の偏向現象の説明図
である。
【図2】本発明に於ける偏向距離lの測定方法と装置の
概略を示すもので、受信トランスデュ−サ部2の様々な
位置での説明図である。
【図3】(a)は、超音波の音圧変化勾配を示す説明
図、(b)は、受信トランスデュ−サ部の変位に対する
差動増幅器の出力信号ΔUが、増幅度Kによって変化す
る様子を示した説明図である。
【図4】受信トランスデュ−サ間の間隔選択原理図であ
る。
【図5】受信トランスデュ−サ部の一実施例を示す説明
図である。
【図6】一対以上の受信トランスデュ−サ部を使用する
場合の実施例を示す説明図である。
【図7】本発明に於ける偏向角度θの測定方法と装置の
概略を示す説明図である。
【図8】受信トランスデュ−サ部の他の実施例を示す説
明図である。
【図9】本発明の装置の全体を示す実施例であって、
(a)は仮想測定直線Bと平行な垂直断面、(b)はそ
の部分の平面を表す説明図である。
【図10】本発明の較正・検査装置及の一実施例で、
(a)は平面図、(b)は断面図を示す。
【図11】従来技術にあって、(a)は横断断面図、
(b)は河川平面図である。
【図12】河川に於ける流水断面の変化図である。
【図13】従来技術にあって、斜流流速の測定誤差を示
す説明図である。
【図14】超音波パルスの形態とその変化を示す説明図
である。
【符号の説明】
1;発信トランスデュ−サ部、2;受信トランスデュ−
サ部、3;発振器、4;差動増幅器、5;管桿、6;ラ
ック桿、l(スモールエル);偏向距離、θ;偏向角
度。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/66

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開水路の流速を測定する方法であって、 開水路にほぼ直交する任意の仮想測定直線Bの開水路他
    側端との交叉地点を原点aとして設定し、開水路の仮想
    測定直線B上の一側端内に発信トランスデュ−サ部を配
    置すると共に、他側端内に前記仮想測定直線Bに直交す
    る方向に間隔dをあけた一対の受信トランスデュ−サ部
    を配し、該一対の受信トランスデュ−サ部を仮想測定直
    線Bに直交する方向に変位させ、前記一対の受信トラン
    スデュ−サ部の夫々が、発信トランスデュ−サ部がその
    指向特性の中心を前記原点aに向けて発信した超音波を
    受信してその出力信号の大きさが等しくなる位置での、
    超音波の指向特性の中心を測定地点bとして求めて、該
    測定地点bと前記原点aとの間の距離から偏向距離l
    (スモールエル)を求め、偏向距離lと超音波が前記発
    信トランスデュ−サ部から前記受信トランスデュ−サ部
    に到達するまでの時間t、または偏向距離lと超音波の
    音速cと前記仮想測定直線距離Bの値から、開水路の流
    速を演算することを特徴とする開水路の流速測定方法。
  2. 【請求項2】 開水路の流速を測定する方法であって、 開水路にほぼ直交する任意の仮想測定直線Bの開水路他
    側端との交叉地点を原点aとして設定し、開水路の仮想
    測定直線B上の一側端内に発信トランスデュ−サ部を配
    置すると共に、他側端内に前記仮想測定直線Bに直交す
    る方向に間隔dをあけた一対の受信トランスデュ−サ部
    を、超音波の指向特性の中心が前記原点aに到達したと
    きに夫々の出力信号の大きさが等しくなる位置に配し、
    発信トランスデュ−サ部を回動させ、前記一対の受信ト
    ランスデュ−サ部の夫々が、発信トランスデュ−サ部が
    発信した超音波を受信して、その出力信号の大きさが等
    しくなる時の前記仮想測定直線Bに対する前記発信トラ
    ンスデュ−サ部の回動角度を偏向角度θとし、偏向角度
    θと超音波の音速cの値から、開水路の流速を演算する
    ことを特徴とする開水路の流速測定方法。
  3. 【請求項3】 一対の受信トランスデュ−サ部の夫々の
    出力を差動増幅器に入力して、差動増幅器の出力信号が
    ΔU=0となる位置から測定地点b、または差動増幅器
    の出力信号がΔU=0となる回動角度から偏向角度θを
    求める請求項1または2に記載の開水路の流速測定方
    法。
  4. 【請求項4】 一方の受信トランスデュ−サ部の受信出
    力信号をU1 、他方の受信トランスデュ−サ部の受信出
    力信号をU2 とし、U2 /U1 が最大或いはU1 /U2
    が最小となる、他方の受信トランスデュ−サ部の位置を
    測定地点b、または他方の受信トランスデュ−サ部を原
    点aに一致させた状態での発信トランスデュ−サ部の回
    動角度を偏向角度θとする請求項1または2に記載の開
    水路の流速測定方法。
  5. 【請求項5】 開水路の流速を測定する装置であって、 開水路に直交する任意の仮想測定直線Bの開水路他側端
    との交叉地点を原点aとして設定し、 開水路の仮想測定直線B上の一側端内に配置される発信
    トランスデュ−サ部と、他側端内に前記仮想測定直線B
    に直交する方向に間隔dをあけて配され、前記発信トラ
    ンスデュ−サ部からの超音波を受信する一対の受信トラ
    ンスデュ−サ部と、前記直交方向に変位する 前記一対の受信トランスデュ−
    サ部の夫々の出力信号の大きさが等しくなる位置での、
    超音波の指向特性の中心を変位地点bとして測定して該
    測定地点bと前記原点aとの間の距離から偏向距離lを
    求め、超音波が前記発信トランスデュ−サ部から前記受
    信トランスデュ−サ部に到達するまでの時間tの測定、
    超音波の音速c測定、等の何れかまたは全てを行う演算
    ・制御装置、 とを有することを特徴とする開水路の流速測定装置。
  6. 【請求項6】 一方の受信トランスデュ−サ部の受信出
    力信号をU1 、他方の受信トランスデュ−サ部の受信出
    力信号をU2 とし、U2 /U1 が最大或いはU1 /U2
    が最小となる他方の受信トランスデュ−サ部の位置を測
    定地点bとして測定して該測定地点bと前記原点aとの
    間の距離から偏向距離lを求め、超音波が発信トランス
    デュ−サ部から前記受信トランスデュ−サ部に到達する
    までの時間tの測定、超音波の音速c測定、等の何れか
    または全てを行う演算・制御装置を有する請求項5に記
    載の開水路の流速測定装置。
  7. 【請求項7】 開水路の流速を測定する装置であって、 開水路に直交する任意の仮想測定直線Bの開水路他側端
    との交叉地点を原点aとして設定し、 開水路の仮想測定直線B上の一側端内に回動自在に配置
    される発信トランスデュ−サ部と、他側端内に、前記仮
    想測定直線Bに直交する方向に間隔dをあけ、且つ超音
    波の指向特性の中心が前記原点aに到達したときに夫々
    の出力信号の大きさが等しくなる位置に配される一対の
    受信トランスデュ−サ部と、 該発信トランスデュ−サ部と受信トランスデュ−サ部と
    接続される演算・制御装置、とを有し、 前記一対の受信トランスデュ−サ部の夫々が、回動する
    前記発信トランスデュ−サ部が発信した超音波を受信し
    て、前記演算・制御装置が、その出力信号の大きさが等
    しくなる時点の、前記仮想測定直線Bに対する前記発信
    トランスデュ−サ部の回動角度を偏向角度θとして測定
    し、超音波の音速c測定、等を行うことを特徴とする
    水路の流速測定装置。
  8. 【請求項8】 開水路の仮想測定直線B上の一側端内に
    回動自在に配置される発信トランスデュ−サ部と、他側
    端内に、前記仮想測定直線Bに直交する方向に間隔dを
    あけ、且つ他方の受信トランスデュ−サ部を原点aに一
    致させて配される一対の受信トランスデュ−サ部と、 該発信トランスデュ−サ部と受信トランスデュ−サ部と
    接続される演算・制御装置、とを有し、 回動する前記発信トランスデュ−サ部が発信した超音波
    を受信した、一方の受信トランスデュ−サ部の受信出力
    信号をU 1 、他方の受信トランスデュ−サ部の受信出力
    信号をU 2 とし、前記演算・制御装置が、U 2 /U 1
    最大或いはU 1 /U 2 が最小となる、前記仮想測定直線
    Bに対する前記発信トランスデュ−サ部の回動角度を偏
    向角度θとして測定し、超音波の音速c測定、等を行う
    請求項7に記載の開水路の流速測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4に記載の流速測定
    方法,及び請求項5,6、7、8に記載の流速測定装置
    における較正検査方法であって、 水槽内の一側端に発信トランスデュ−サ部を配置すると
    共に、他側端内に、前記発信トランスデュ−サ部の発信
    方向と直交する方向に間隔dをあけた一対の受信トラン
    スデュ−サ部を配し、発信トランスデュ−サ部と受信ト
    ランスデュ−サ 部とを様々な位置に、前記間隔d方向に
    沿って平行移動させて、該様々な位置での前記一対の受
    信トランスデュ−サ部の夫々が、発信トランスデュ−サ
    部からの超音波を受信して、夫々の出力信号がU 21 =U
    22 で等しくなる、または出力信号U 21 とU 22 を差動増幅
    器に入力して差動増幅器の出力信号がΔU=0となる、
    または夫々の出力信号U1 とU2 の比率が最大か最小と
    なる、一対の受信トランスデュ−サ部の位置を検出し、
    夫々対応する発信トランスデュ−サの移動量と比較する
    ことを特徴とする較正検査方法。
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