JP3271578B2 - 鋼の連続鋳造用モールドパウダおよび連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造用モールドパウダおよび連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造用モ
ールドパウダ(以下、パウダと略記する)に関し、さら
に詳しくは、鋳片表面の気泡性欠陥の発生を防止し、表
面品質の良好な鋳片を得ることが可能なパウダおよびそ
れを用いた連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造において、従来一般的に用
いられているパウダは、酸化カルシウム(以下、CaO
と記す)、二酸化珪素(以下、SiO2 と記す)、フッ
化カルシウム(以下、CaF2 と記す)を主な化学組成
として含有し、その他に酸化ナトリウム(以下、Na2
Oと記す)等を含有している。
【0003】その中でも、SiO2 は20〜40重量%
(以下、単に%と略記する)程度に調整され、T.Ca
OのSiO2 に対する%の比T.CaO/SiO2
0.8〜1.3程度の範囲に調整されていた。ここで、
T.CaOは、下記の(1)式で表されるものである。
【0004】 T.CaO(重量%)=CaO(重量%)+CaF2(重量%) ×(56/78)・・・(1) ただし、CaF2(重量%)=F(重量%)×(78/
38)である。
【0005】これら20〜40%程度のSiO2 を含有
する従来のパウダを使用して、たとえばMnを0.5%
程度以上含有する鋼(以下、高マンガン鋼と記す)を連
続鋳造する場合、鋳片表面に気泡性欠陥が発生するとい
う問題があった。この鋳片の気泡性欠陥は次工程の圧延
で、製品の表面欠陥となる。
【0006】この気泡性欠陥は、とくにパウダが溶融状
態となって鋳型内壁と凝固殻との間隙に流入する際に、
一部の未溶融のパウダが巻き込まれた場合に、発生しや
すくなる。
【0007】またこの欠陥は、比較的小さな断面積の鋳
片、たとえば断面が円形の鋳片(以下、丸鋳片と記す)
を、溶鋼を電磁撹拌しながら鋳造する場合に発生しやす
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳片表面で
の気泡性欠陥の発生を防止し表面品質の良好な鋳片を得
ることが可能で、とくに高マンガン鋼の連続鋳造にも、
また断面積の小さい丸鋳片を鋳造する場合にも、さらに
断面積の小さい鋳片を高速で鋳造する場合にも使用でき
るパウダおよびそれを用いた連続鋳造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
(1)に示す連続鋳造用パウダおよび)に示す連続
鋳造方法にある。
【0010】(1)CaO、Alおよびフッ
素化合物を基本成分とする鋼の連続鋳造用モールドパウ
ダであって、下記(1)式で表されるT.CaOとAl
の%の比「T.CaO/Al
が、0.5〜2.5で、SiOを15%以下、フッ素
化合物としてのFを5〜30%、NaOを0〜10
%、MgOを0〜10%含有し、溶融パウダの1300
℃における粘度が2.5〜10poiseである鋼の連
続鋳造用モールドパウダ。 T.CaO(%)=CaO(%)+CaF(%) ×(56/78)・・・(1) ただし、CaF(%)=F(%)×(78/38)で
ある。
【0011】
【0012】()上記(1)に記載のモールドパウダ
を用いるMn含有率が0.5%以上である鋼の連続鋳造
方法。
【0013】20〜40%程度のSiO2 を含有する従
来のパウダを使用して、高マンガン鋼を連続鋳造する場
合、前述のとおり気泡性欠陥が発生するという問題点が
あった。本発明者等は、その欠陥発生の原因を調査した
結果、次の知見を得た。
【0014】まず、連続鋳造の操業面から、この欠陥の
発生状況を見ると、とくにパウダが溶融状態となって鋳
型内壁と凝固殻との間隙に流入する際に、その一部の未
溶融のパウダが巻き込まれた場合にこの欠陥が発生しや
すいことがわかった。
【0015】また、鋳造条件によってとくに発生しやす
くなることがある。たとえば、丸鋳片を、溶鋼を電磁撹
拌しながら鋳造する場合、この気泡性欠陥が発生しやす
い。
【0016】これは、電磁撹拌によって溶鋼が鋳型内を
回転することにより溶鋼湯面がすり鉢状になるため、溶
鋼湯面上に添加されたパウダおよび溶融パウダが湯面中
央に集まるからである。その結果鋳型内壁付近は、とく
に溶融パウダ厚みが薄くなる傾向があるので、鋳型内壁
と凝固殻との間隙へ溶融パウダとともに未溶融のパウダ
が巻き込まれやすくなる。
【0017】この欠陥の発生に関し、本発明者等は、と
くにパウダ中のSiO2 含有率の減少とともに、溶融パ
ウダが鋳型内壁と凝固殻の間隙で固化したパウダフィル
ム中のMnO含有率も減少すること、また、パウダフィ
ルム中のMnO含有率が高いと、この気泡性欠陥が多い
ことを見いだした。
【0018】以上のことから、鋳型内の溶鋼のメニスカ
ス近傍において発生した一酸化炭素ガス(以下、COガ
スと記す)が、凝固殻に捕捉されて鋳片表面の気泡性欠
陥となっていることがわかった。
【0019】すなわち、COガスによる気泡性欠陥は、
以下に示す一連の反応によって起こっている。溶鋼中M
n(以下、[Mn]と記す)が、鋳型内壁と凝固殻との
間隙へ巻き込まれた未溶融のパウダ中、または溶融パウ
ダ中のSiO2 と下記(2)式で表される酸化還元反応
を起こし、酸化マンガン(以下、MnOと記す)とな
る。これらパウダ中のSiO2 は還元され、Siは溶鋼
中へと移行(以下、溶鋼中のSiを[Si]と記す)す
る。 2[Mn]+(SiO2 )=2(MnO)+[Si] ・・・(2) 次に、生成したMn0が、パウダ中および溶鋼中の炭素
と、下記(3)式で表す酸化還元反応を起こす。 (MnO)+C=[Mn]+CO ・・・(3)
この(3)式により発生したCOガスが気泡を形成す
る。そして、この気泡が凝固殻に捕捉され、鋳片に気泡
性欠陥が発生するのである。
【0020】したがって、気泡性欠陥の低減のためには
COガスの気泡の発生を抑制する手段を講じれば良いこ
とがわかった。そのためには、たとえばパウダ中のSi
2含有率を減少させることで上記反応を抑制し、気泡
性欠陥を抑制することを考えたのである。
【0021】ところで、従来のパウダにおいて、主成分
としてのSiO2 含有率の低い、あるいはSiO2 を含
まないパウダが提案されている。すなわち、特開昭57
−184563号公報には、アルミキルド鋼を鋳造する
際において、溶鋼中Alの酸化を抑制し、また溶鋼中A
2 3 系非金属介在物を吸収して浸漬ノズル詰まりを
防止することを目的に、Al2 3 −CaO系を主体と
し、SiO2 含有率を7.0%以下に低下させたパウダ
が提案されている。
【0022】また、特開昭60−133956号公報に
は、浸漬ノズル詰まりを防止することを目的に、Al2
3 、CaO、MgOを主成分とすることで、SiO2
を含有しないパウダが提案されている。
【0023】ただし、これら特開昭57−184563
号公報、あるいは特開昭60−133956号公報にお
いて提案されたSiO2 を低下させた、あるいは含有し
ないパウダは、溶融温度が1200℃以上と比較的高
い。
【0024】そのため、丸鋳片を連続鋳造する場合と
か、あるいは鋳片断面積が小さいことから生産性向上の
ために、鋳造をたとえば2.0m/分以上の高速で実施
する場合には、これらのパウダは、溶融するのが遅すぎ
て使用できない。鋳片断面積が小さい場合とか、高速鋳
造の場合は、単位時間当たりに鋳型内を通過する溶鋼の
量が相対的に少ないことにより、パウダへの溶鋼からの
熱供給が少なくなり、パウダの溶融が遅くなるためであ
る。
【0025】本発明のパウダは、従来のパウダ中では主
成分として使用されていたSiOの含有率を大幅に低
減し、CaO−Al3 −フッ素化合物系を基本成
分とすることを特徴とする。なお、フッ素化合物として
は、おもにCaF2 を用いる。
【0026】ところで、CaO−SiO2 −CaF2
を主成分とした従来のパウダにおいて、SiO2 含有率
を低減するとパウダの溶融温度が上昇するため、SiO
2 の含有率を従来範囲の20〜40%よりも低減するこ
とはなかなか困難であった。本発明では主成分としてA
2 3 を配合することと、CaF2 含有率を増加させ
ることにより、溶融温度上昇を抑制しつつ、SiO2
低減することを可能にした。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明のパウダを構成する基本的
な化合物は、CaO、Al2 3 およびフッ素化合物
としてのCaF2 である。以下に、本発明のパウダの化
学組成についての基本思想を述べる。
【0028】CaOは20〜50%程度 、Al2 3
は20〜50%程度含有させるが、これら配合率は目安
を示すもので、本発明でとくに重要なのは、T.CaO
/Al2 3 の比をO.5〜2.5とすることである。
Al2 3 を配合することで溶融温度上昇を抑制しつ
つ、SiO2 を低減することが可能になるが、この比が
0.5未満、あるいは2.5を超える場合には、いずれ
もパウダの溶融温度が1300℃を超えて高くなり、パ
ウダの溶融が遅くなって、連続鋳造の操業に支障を来
す。したがって、この比を0.5〜2.5とした。
【0029】SiO2 は、15%以下とする必要があ
る。本発明のCaO−Al2 3 −CaF2 系を基本成
分とするパウダ中のSiO2 含有率を変化させて、鋳造
中の溶融パウダ中のMnO含有率の上昇量を調査した結
果を図1に示す。ここで、溶融パウダ中のMnO%は、
鋳造中の鋳型直下に排出されるパウダフィルムを回収し
て、化学分析によりその含有率を測定し、使用前のパウ
ダ中のMnO%からの増加分を算出して指標とした。
【0030】図1から分かるように、パウダ中のSiO
2 %の減少とともに溶融パウダ中のMnO%上昇量は減
少し、その傾向はSiO2 %が15%以下の範囲で特に
顕著になった。気泡性欠陥の発生を防止するには、パウ
ダ中のMnO量をできるだけ少なくしなければならな
い。したがって、パウダ中のSiO2 含有量は15%以
下とする必要がある。望ましいのは、5%以下である。
SiO2 は、積極的に添加されていなくてもよいが、他
の原料の不純物として不可避的に含まれるのは構わな
い。
【0031】次に、CaO−Al2 3 −SiO2 系の
純粋な三元系組成では、もっとも低い溶融温度でも13
30℃程度であり、パウダとして使用するには溶融温度
が高すぎる。パウダとして使用するためには、1000
〜1300℃程度の範囲まで溶融温度を低下させる必要
がある。
【0032】また、断面積の小さい形状の鋳片を鋳造す
る場合、あるいは生産性向上等のために鋳造速度が、た
とえば2.0m/分以上の高速鋳造を実施する場合に
は、パウダの溶融温度は、1050〜1250℃に調整
する必要がある。すなわち、高速鋳造の観点からパウダ
の溶融温度の上限は1250℃が望ましく、一方溶融温
度が低すぎても溶融パウダ厚みが薄すぎて、未溶融パウ
ダを巻き込みやすくなることから、パウダの溶融温度の
下限は1050℃とすることが望ましい。
【0033】ところで、このCaO−Al2 3 −Si
2 三元系組成で、フッ素化合物としてのF添加は、パ
ウダの溶融温度の低下効果がある。T.CaO/Al2
3の比を0.5〜2.5、SiO2 を15%以下含む
範囲において、Fを5%配合すれば、溶融温度を125
0℃程度まで低下させることができ、さらに30%配合
した場合には、溶融温度は1050℃程度まで低下す
る。したがって、Fは5〜30%配合するのが望まし
い。Fの5〜30%をCaF2 に換算すると約10〜6
0%となる。配合する形態としては蛍石、フッ化ナトリ
ウム等、通常用いられているもので良い。
【0034】Na2 OおよびMgOは、必要に応じて配
合する化合物である。Na2 Oは低融点の酸化物であ
り、逆に、MgOは高融点の酸化物である。ところで、
本発明のCaO−Al2 3 −CaF2 系を基本成分と
するパウダにおいて、上述のとおりにF5〜30%、S
iO2 15%以下を含有するパウダの溶融温度は、だい
たい1050〜1250℃になるが、配合によっては、
若干この温度範囲から外れる場合がある。
【0035】つまり、パウダの溶融温度を上昇、または
低下させることが必要な場合があり、そのときには状況
に応じてNa2 O、MgOを添加すればよい。これによ
り溶融温度を自由に調整することが容易になる。配合す
る量は、それぞれ2%程度で効果が得られはじめる。1
0%までの範囲で目標とする溶融温度になるように調整
するのがよい。10%を超えて配合すると溶融温度は、
それぞれ上記の上限、下限の適正温度を外れるようにな
る。したがって、配合する場合には、それぞれ2〜10
%の範囲が望ましい。
【0036】パウダの粘度は、CaF含有率等によ
り調整され、CaF含有率が多いと、粘度は下が
る。この粘度は、たとえば丸鋳片を、溶鋼を電磁撹拌し
ながら鋳造する場合、高い方がよい。粘度を高くするこ
とにより、溶融パウダの流動が抑制され鋳型内壁付近の
溶融スラグ厚みが確保でき、未溶融パウダの巻き込み防
止に対して有効であるからである。粘度の下限は、13
00℃で2.5poiseとする。また、上限は10p
oiseでこれを超すと潤滑性が悪くなり、操業に支障
がでる。したがって、1300℃での粘度は2.5〜1
0poiseとする
【0037】次に、本発明の連続鋳造方法について説明
する。本発明のパウダは、とくにMn含有率が0.5%
以上の高マンガン鋼を連続鋳造するのに適している。
【0038】前述のとおり、とくに高マンガン鋼の連続
鋳造に際し、気泡性欠陥が起こる原因は、鋳型内の溶鋼
のメニスカス近傍において発生したCOガスが、凝固殻
に捕捉されて鋳片表面の気泡性欠陥となることである。
そのCOガス発生のメカニズムは、溶鋼中の[Mn]
と、鋳型内壁と凝固殻との間隙へ巻き込まれた未溶融の
パウダ中または溶融パウダ中のSiO2 との反応と、引
き続きこのときの反応生成物のMnOと、パウダ中およ
び溶鋼中の炭素との反応でCOガスが生成することによ
る。
【0039】したがって、この現象は、鋼のMn含有率
が高い場合に起こりやすく、0.5%以上の含有率で顕
著である。前述のとおり、反応メカニズムから考えて、
もっとも好ましいのは、パウダ中のSiO2 を低減する
ことであり、本発明ではパウダ中のSiO2 の低減を図
ったので、本発明のパウダを用いる場合には、Mn含有
率0.5%以上の鋼を気泡性欠陥の発生なく鋳造するこ
とが可能である。
【0040】
【実施例】湾曲型連続鋳造機において、表1に示す化学
組成の高マンガン鋼を対象に、表2に示す本発明例のパ
ウダ11種類と比較例としてのパウダ4種類を用いて、
鋳造速度2.0m/分で連続鋳造することにより、断面
形状が直径300mmの丸鋳片を製造した。得られた鋳
片の表面を調査し、発生した気泡性欠陥の個数の合計か
ら、各パウダの性能を評価した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2において、本発明例1〜9の9種類の
パウダは、基本組成のCaO、Al 2 3 およびCaF
2 を配合したパウダであり、その中で本発明例1〜4
は、T.CaO/Al2 3 の比の値を0.7〜2.1
まで変化させ、本発明例5〜7は、F含有率を8.0〜
26.0%まで変化させ、また本発明例8、9はSi0
2 の含有率を8〜12%まで、それぞれ本発明で規定す
る範囲内で変化させて、その影響を見たものである。N
2 O、MgOは配合せず、不可避的に含有される重量
%を示している。本発明例10、11の2種類は、基本
組成にNa2 OとMgOの一方または両方を配合させ、
溶融温度を調整し、その影響を見たものである。
【0044】比較例12、13のパウダ2種類は、従来
用いられている一般的な組成のパウダで、SiO2 含有
率が30〜35%程度である。比較例14、15の2種
類は、SiO2 含有率は15%以下で本発明で規定する
範囲内であるが、T.CaO/Al2 3 が0.3およ
び3.1で、本発明で規定する範囲の下限と上限を超え
ているパウダである。
【0045】表3には、これらの本発明例および比較例
のパウダを用いて鋳造し、得られた鋳片表面品質の評価
指標を示す。表4には、気泡性欠陥の発生頻度と鋳片表
面品質の評価指標との関係を示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】本発明例1〜4のパウダを用いた場合は、
T.CaO/Al2 3 の比が、本発明で規定する範囲
内であるので、鋳片の気泡性欠陥が少なく極めて良好で
あった。しかし、T.CaO/Al2 3 の比が2.1
と若干高い本発明例4の場合は、鋳片評価がBとなって
おり、本発明例1〜3の方が良好であった。
【0049】また、本発明例4の溶融温度は、1250
℃をわずかに超えて1264℃となっているため、鋳片
の評価はBであった。それに対してNa2 O、Mg0を
配合して、溶融温度を調整した本発明例11のパウダを
用いた鋳片の評価は最良であった。
【0050】F含有率の影響を8.0〜26.0%の範
囲で調査した本発明例5〜7のパウダの結果では、F含
有率の増加とともにパウダ粘度が下がっている。Fを2
6.0%含む本発明例7の粘度は、2.5poiseで
あり、やや低めであった。ただし、いずれも鋳片評価は
最良で、本発明で規定する範囲内のF含有率であれば気
泡性欠陥のない鋳片が得られることが確認された。
【0051】本発明例8、9のパウダにおいて、SiO
2 含有率の影響を調査した。SiO2 の増加とともに、
溶融温度は下がっているが、本発明で規定するSiO2
範囲の上限に近い12.0%の本発明例9を用いた鋳片
の評価はBに下がっている。これは、気泡性欠陥が若干
起こっていることによる。
【0052】本発明例10のパウダは、本発明例2の化
学組成にNa2 Oを配合したものである。このパウダで
は期待どおりに溶融温度が下がっており、このパウダを
用いた鋳片の評価も良好である。
【0053】比較例12、13のパウダ2種類は、Si
2 含有率が30〜35%と多いため、鋳片に気泡性欠
陥が多く発生し、鋳片表面の評価はD〜Eと悪かった。
比較例14、15のパウダ2種類は、溶融温度が130
0℃以上と高温になりすぎて、連続鋳造の試験に使用で
きなかった。
【0054】
【発明の効果】本発明のパウダは、鋳片に気泡性欠陥が
発生しやすいMn含有率0.5%以上の高マンガン鋼
を、比較的小さな断面積の鋳片に高速で連続鋳造するの
に好適である。本発明のパウダを用いることにより、良
好な潤滑性を維持しつつ、表面品質の良好な鋳片を製造
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】パウダ中SiO2 含有率と鋳造中の溶融パウダ
中MnO含有率の上昇量との関係を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−185195(JP,A) 特開 平10−258343(JP,A) 特開 平9−85404(JP,A) 特開 平5−318087(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/108 B22D 11/00 C21C 7/076

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CaO、Alおよびフッ素化合
    物を基本成分とする鋼の連続鋳造用モールドパウダであ
    って、下記(1)式で表されるT.CaOとAl
    の重量%の比「T.CaO/Al」が、
    0.5〜2.5で、SiOを15重量%以下、フッ素
    化合物としてのFを5〜30重量%、NaOを0〜
    10重量%、MgOを0〜10重量%含有し、溶融パウ
    ダの1300℃における粘度が2.5〜10poise
    であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウ
    ダ。 T.CaO(重量%)=CaO(重量%)+CaF(重量%) ×(56/78)・・・(1) ただし、CaF(重量%)=F(重量%)×(78/
    38)である。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のモールドパウダを用いる
    ことを特徴とするMn含有率が0.5重量%以上である
    鋼の連続鋳造方法。
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