JP3270118B2 - 高周波プラズマによる球状化粒子の製造方法およびその装置 - Google Patents

高周波プラズマによる球状化粒子の製造方法およびその装置

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JP3270118B2 JP17835292A JP17835292A JP3270118B2 JP 3270118 B2 JP3270118 B2 JP 3270118B2 JP 17835292 A JP17835292 A JP 17835292A JP 17835292 A JP17835292 A JP 17835292A JP 3270118 B2 JP3270118 B2 JP 3270118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波誘導プラズマ反
応装置により発生させたプラズマフレームを利用して、
金属、非金属およびセラミックスなどの分散、凝集状態
にある不定型粒子を原料として、定型の球状化粒子を製
造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉末冶金の分野においては、粉末
冶金による生産品の高靱性化、高強度化等の要求、およ
び通常の冶金では製造することのできない金属間化合物
製品の生産の要求により、さらに細粒化・球状化された
粉末の生産が望まれている。また、金属射出成形の分野
においても、球状化された粒子は充填率と流動性が高い
ことから、球状化粒子の高品位かつ効率的な生産が望ま
れている。一方、ハンダ粒子についても、リフロー方式
によるハンダのセッティングもICチップの小型化に伴
い、基板との接合あるいはクリームハンダによるリード
部との接合が高密度化するため、ノズルの小径化が進む
につれて、高流動化の要請があり、またAg、Au、P
t等の導電ペースト用粒子の微細化および高球状化が要
求されるようになってきた。
【0003】前記粉末冶金法の原料として使用される球
状化粒子の製造方法としては、近年種々の改良方法が試
みられており、たとえば特開平2−11704号公報に
開示されるガスまたは水アトマイズ法(噴霧法)、特開
昭63−230807号公報に開示される回転噴霧法、
特開平1−234506号公報に開示される回転電極
法、特開昭63−58799号公報に開示されるプラズ
マアーク法、および湿式法(アルコキシド法)などが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たガスアトマイズ法、回転噴霧法および回転電極法等に
おいては、製造される球状粒子の粒径に大きな偏りがあ
り、たとえば鉄粉を製造した場合は、平均粒径で70〜
80μmから数mm程度のものを製造する際には適する
が、比較的小さい粒径のものが製造できないという問題
がある。また、前記水アトマイズ法においては、平均粒
径1〜10μm程度の極小径のものを製造し得るが、球
状化率の高いものは製造不可能である。すなわち、従来
法においては、球状化粒子の製造に際し、比較的大きな
サイズのものか、あるいは球状化率の低い極小径のサイ
ズのものしかできずに、たとえば粒径が1〜60μm程
度の小径かつ高球状化率のものを製造することができな
かった。
【0005】一方、前記特開昭63−58799号公報
に開示されるプラズマアーク法は、不定型粒子をアーク
プラズマフレーム中に挿入して粒状化する方法である
が、高周波誘導を直接受ける部分を原料の溶融エネルギ
ーとして利用するものであるため、処理物質が超微粉化
し易く、要求する球状化粒子が得られないとともに、高
周波誘導コイルからの表皮エネルギー効果により、プラ
ズマ発生部の断面方向に温度分布が発生し、かつプラズ
マが高圧化しているため、処理物質の供給および球状化
処理の制御性に問題がある。さらに、プラズマ発生電極
と処理物質の供給ノズル間が近接せざるを得ず、またエ
ネルギー密度が高いため、処理物質の蒸発とともに、熱
対流が起き、プラズマ発生トーチ部、あるいは処理物質
挿入口に処理物質が付着し、トーチ部、ノズル部が閉塞
するため、長時間の連続運転が不可能であるなどの問題
があった。加えて、プラズマ発生部位へ直接処理物質を
挿入する方法のため、その遮蔽効果により高周波誘導さ
れているプラズマが失火する現象が頻繁に発生し、安定
的な操業ができないなどの問題もある。また、前記湿式
法では、処理物質の球状化が難しく、不定型の約0.1
μm〜5μm程度の粒子サイズが限界である。
【0006】そこで、本発明の主たる課題は、特にIC
チップ等のハンダ粒子および導電ペーストとして要求頻
度の高い1〜60μm程度の小径の球状粒子を高い球状
化率をもって製造し得るとともに、プラズマ反応を乱す
ことなく、処理物質供給ノズル、プラズマ発生トーチ部
の閉塞、またはプラズマの失火現象を無くし安定的に連
続生産が可能な球状粒子の製造方法およびその装置を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、高周波誘導
コイルにより高周波磁場を励磁し、この高周波磁場内に
プラズマガスを供給して誘導的に高周波プラズマフレー
ムを発生させ、この高周波プラズマフレーム内に不定型
粒子処理物質を供給して球状化粒子を製造する方法であ
って冷却水が供給され冷却される二重管の外方に前記
高周波誘導コイルが配設され、前記二重管内にプラズマ
ガスを供給するプラズマガス供給管が設けられ、前記二
重管内にその内面に沿って下方へ流しその内面への処理
物質付着防止用のシールガスを供給し、発生する絞りの
ないプラズマフレームにおける前記高周波誘導コイル配
設領域外の低温のテールフレーム領域に対して、前記処
理物質を実質的に前記プラズマフレーム軸に向けて活性
ガスまたは不活性ガスとともに供給することで解決でき
る。さらに、前記課題は、高周波誘導コイルにより高周
波磁場を励磁し、この高周波磁場内にプラズマガスを供
給して誘導的に高周波プラズマフレームを発生させ、こ
の絞りのない高周波プラズマフレーム内に不定型粒子処
理物質を供給して球状化粒子を製造する方法であって、
前記プラズマガスを供給するプラズマガス供給管の先端
位置を、前記高周波誘導コイルの最遠コイル位置に略一
致させ、供給されるプラズマガスに乗せて二相流状態で
処理物質を供給することでも解決できる。
【0008】処理物質の供給態様としては、プズマ
フレーム軸に対して実質的に直交する方向より供給する
方法、プズマフレーム軸と直交する軸より、±45
°の方向より供給する方法、またはプラズマフレーム
軸と同一線上より、供給されるプラズマガスに乗せて二
相流状態で処理物質を供給する方法が好適に採用され
る。
【0009】また、そのための装置は、高周波誘導コイ
ルにより高周波磁場を励磁し、この高周波磁場内にプラ
ズマガスを供給して誘導的に高周波プラズマフレームを
発生させ、この高周波プラズマフレーム内に不定型粒子
処理物質を供給して球状化粒子を製造する装置であっ
前記高周波誘導コイルの内方に配設され、冷却水が
供給され冷却される二重管と、この二重管内にプラズマ
ガスを供給するプラズマガス供給管と、前記二重管内に
その内面に沿って下方へ流しその内面への処理物質付着
防止用のシールガスを供給する手段と、発生する絞りの
ないプラズマフレームにおける前記高周波誘導コイル配
設領域外の低温のテールフレーム領域に対して、前記
理物質を実質的に前記プラズマフレーム軸に向けて活性
ガスまたは不活性ガスとともに供給する、処理物質供給
手段とを備えるものである。前記処理物質の供給態様
の場合には、プラズマガスを供給するプラズマガス供給
管の先端位置を、前記高周波誘導コイルの最遠コイル位
置に略一致させ、供給されるプラズマガスに乗せて二相
流状態で処理物質を供給する方法が採用される。
【0010】
【作用】高周波磁場を利用して、誘導的に高周波プラズ
マを発生させた場合、発生するプラズマフレームは高周
波磁場を形成するための高周波誘導コイルの配設領域に
おいてプラズマ反応を起こし、プラズマ化させるガス流
の勢いによりその先方に延長されたプラズマフレーム形
状となる。このプラズマフレームは、高周波誘導コイル
が配設されたプラズマ反応部とその先方のテールフレー
ム部とにより構成される。本発明においては、前記プラ
ズマフレームにおける高周波誘導コイルの配置領域外の
前記テールフレーム領域に処理物質を供給することを発
明の要旨とするものであり、該テールフレーム領域は、
約7000℃の高温部から約1000℃の低温部の温度
範囲であり、かつ該領域での処理とするため前記プラズ
マ部での気流乱れがなくなるため、処理物質の蒸発およ
び熱対流がなくなり、プラズマ発生トーチ部、処理物質
供給ノズルの閉塞の問題および遮蔽による高周波プラズ
マの失火現象がなくなる。また、処理する原料の粒径、
比重、融点、熱伝導性等を考慮して、適宜の位置に処
物質を供給することにより、所望の粒径の球状化粒子を
任意に連続生産できるようになる。
【0011】前記テールフレーム領域に対して、プ
マフレーム軸と実質的に直交する方向より処理物質を供
給する場合には、円周方向より前記プズマフレーム軸
に向けて複数の供給ノズルを設けることができるため、
単位時間当りの処理量を多くすることができるととも
に、各ノズルより供給された処理物質が互いに衝突し、
分散性が良好となる。また、プズマフレーム軸と直交
する軸の±45°の方向より処理物質を供給する場合に
は、前記利点に加え、原料種、およびその物性の違いよ
り、球状化に要する滞留時間の延長を図る場合に好適に
採用される。さらに、プラズマフレーム軸と同一線上よ
り、供給されるプラズマガスに乗せて二相流状態で処理
物質を供給する場合には、単位時間当りの処理量が少な
くなるものの、供給される微粒子はテールフレームの全
延長範囲を通過し、充分な滞留時間が確保されるため球
状化率が向上する。前記定型の球状化粒子の製造メカニ
ズムを図式的に表すと、図5に示されるように、たとえ
ばAgの凝集粉が、前記操業条件の下で、製造される粒
径サイズに応じて適度の分散が図られ、溶解・凝固する
ことにより所望の粒径の球状化粒子が製造される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体例に基づき詳説する。図
1〜図3は共に、本発明に係る高周波誘導プラズマ反応
器の各例の縦断面図であり、図1はプラズマフレーム軸
に対して直交する方向から処理物質を供給する場合を示
し、図2は側方より供給ノズルを若干下向きにして処理
物質を供給する場合を示し、図3はプラズマガスに乗せ
て二相流状態で処理物質を供給する場合を示したもので
ある。また、図4は装置の全体縦断面図である。先ず、
図4において、高周波誘導プラズマ反応による球状化粒
子製造装置の全体構造について説明すると、本球状化粒
子製造装置は、その上部にプラズマ反応装置1を備える
とともに、その下方に図示されない吸排気装置によっ
て、加圧または真空圧運転が可能な容器4とを備え、そ
の最下部に加工された球状化粒子を回収するための回収
容器4Aを備えるものである。なお、前記容器4の側部
の4aは、監視用窓であり、4bおよび4cは、温度計
設置等の器具の設置および吸排気のための管路が接続さ
れるための吸排気孔である。
【0013】前記プラズマ反応装置1は、図1に示され
るように、二重管構造の石英管3の外方部分に高周波誘
導コイル2、2…が配設され、前記石英管3の内部に高
周波磁場を励磁するようになっており、その上方に設置
されたプラズマガス供給管5からプラズマガスを流し込
むとともに、前記高周波誘導コイル2、2…に高周波電
流を流し、点火することによってプラズマフレームFを
生じさせる。プラズマ反応器1の上部構造について図2
の具体例に基いて詳説すると、プラズマガス供給管5は
二重管構造となっており、この中空部分には、冷却水供
給管5aより冷却水が供給されるようになっている。ま
た、前記プラズマガス供給管5を囲む外周にシールガス
供給管6が設けられており、供給口6aから供給された
アルゴンガス等のシールガスが前記石英管3内に送ら
れ、供給されるプラズマガスによるガス流の乱れを抑え
るとともに、石英管3の内面に沿って流れるシールガス
によって処理物質が石英管内面に付着するのを防止して
いる。また、前記石英管3の二重管内の中空部には、冷
却水供給管3a、3bにより、冷却水が供給されてい
る。前記プラズマガスとしては、アルゴンガスの他、ヘ
リューム、窒素等のガスを使用することでもよいし、ま
た水素を補助ガスとしてアルゴンガスと同時供給するよ
うにすれば、特に酸化物の少ない金属粒子を得ることが
でき、使用される用途の拡大を図ることができる。前記
プラズマ反応装置1により発生するプラズマフレームF
は、流入ガスの勢いにより、高周波誘導コイル2、2…
が配設されたプラズマ部Aからさらに下方に延び、細長
のプラズマフレームFを形成する。このプラズマフレー
ムFの内、この高周波コイル2、2…が配置されていな
い領域、すなわち直接高周波エネルギーを受けていない
部分Bが、本明細書にいう「テールフレーム」として定
義されるものであり、本発明においては、該テールフレ
ームBのエネルギーのみを球状化のために利用する。図
1に示される第1の例では、原料微粒子は、処理物質供
給ノズル8、8…により、前記テールフレーム領域Bに
対して、プズマフレーム軸Lと実質的に直交する方向
より前記プラズマフレーム軸Lに向けて供給される。前
記供給ノズル8、8…は、処理物質の比重にもよるが、
制御性の良い安定した条件を得るためには、投入に必要
な処理物質供給ガス圧および約3〜8(l/min)以
上の流量とするのが望ましい。本第1具体例では、円周
方向に前記プズマフレーム軸Lに向けて複数の供給ノ
ズル8、8…を設けることができるため、単位時間当り
の処理量を多くすることができるとともに、各ノズル
8、8…より供給された処理物質が互いに衝突し、分散
性が良好となる。
【0014】また、図2に示される第2の例では、原料
粒子は、処理物質供給ノズル9、9…により、テールフ
レーム領域に対して、側方より若干先端側を下向きに
して、プラズマフレーム軸Lに向けて供給される。前記
処理物質供給ノズル9の傾斜角βは、好ましくは±45
°、より好ましくは±30°の範囲とされる。本第2具
体例の場合には、前記利点に加え、原料種、およびその
物性の違いより、球状化に要する滞留時間の延長を図る
場合に好適に採用される。なお、前記±45°の範囲を
超える領域からの供給は、処理物質がプラズマガス流れ
によって弾かれ易くなりテールフレーム内への挿入が難
しくなるため、制御性が悪くなる。
【0015】また、図3に示される第3の例では、処理
物質としての原料粒子は、プラズマガス供給管5を利用
して、供給されるプラズマガスに乗せて二相流状態で供
給される。前記処理物質は、処理物質の重力落下+αの
低い圧力で送給するとともに、望ましくは約1(l/m
in)以上の流量で、プラズマ部Aには処理物質が落下
しないように、プラズマ反応器1の圧力、処理物質の供
給用ガス圧および処理物質供給ノズル5の位置などを調
整しながら球状化処理を行う。本第3具体例の場合に
は、単位時間当りの処理量が少なくなるものの、供給さ
れる微粒子は、テールフレームBの全延長範囲を通過す
るため、球状化率を向上させることができる。なお、前
記処理物質供給ノズル8、9は、二重管構造となってお
り、その内空部に冷却水が供給されている。処理物質の
供給用キャリアガスとしては、アルゴンガス、ヘリュー
ム等の不活性ガスの他、活性ガスを用いることでもよ
い。微粒子粉体を前記キャリアガスに乗せて供給する態
様として一例を示せば、図6および図7に示される粉体
輸送方式が好適に用いられる。容器12に充填された金
属微粒子は、容器12の底部に配設された回転テーブル
10の円周部分に形成されたポケット10a、10a、
…にそれぞれ充填されており、回転テーブル10の各ポ
ケット10a、10a、…位置がキャリアガス管11の
配設位置と一致した際に、該ポケット10a内の金属粒
子が前記ガス管11内を流れるキャリアガスに随伴され
て搬送される。
【0016】さらに、処理物質は、プラズマフレーム内
に供給される前に、篩に掛けたり、機械的または非機械
的方法により(特殊ノズル、および原料供給用キャリ
ス量の変化)分散させ、凝集している量を加減するこ
とにより、本発明が特に対象とする1〜60μmの球状
化粒子の他、処理物質の融点、あるいは熱伝導性、粘性
条件等に応じ、プラズマフレームFと処理物質供給ノズ
ル5との距離、プラズマ反応部分の圧力条件、処理物質
の供給用ガスの圧力条件などを適宜制御することによっ
て、任意に約0.1〜200μmの所望の粒径サイズの
球状化粒子を得ることが可能となる。以上のようにし
て、前記処理物質供給ノズル8、9(5)から供給さ
れた処理物質は、プラズマフレームFのテールフレーム
領域Bと接触し、溶融・凝固することによって、球状化
され容器4の回収容器4Aに落下し回収される。なお、
本発明が対象とする処理物質としては、金属、非金属物
質およびセラミック系物質などの破砕粒子の他、幅広い
条件で球状化処理が可能となったため、たとえば回転噴
霧法、回転電極法、プラズマアーク法等でできる凝集ま
たは非凝集の微粉、あるいは湿式法で製造される多孔質
系も含めた約0.1〜5μm程度の不定型粒子について
も、その利用価値を高める目的で処理対象とすることが
できる。
【0017】〔実施例〕 以下、本発明の効果を実施例に基づき明らかにする。 (実施例1) 実施例1は、図1に示される高周波プラズマ反応装置に
より、湿式法で製造された還元Ag粉末(融点;約96
0.5℃、品位;Ag99.9%以上、見掛け比重;
0.88g/cm3 、非表面積;1.0m2/g、平均粒径;
0.6μm )の凝集した多孔質不定型粒子について、表
1に示されるように、Ag供給量の変化とともに、原料
供給アルゴンガス量およびRFプラズマ条件を変化させ
て、球状化粒子を製造した。その結果、表1の右欄に示
されるように、球状化率95%以上であって平均粒径1
〜60μm程度の粒子サイズのものを得ることができ
た。なお、図8は球状化処理前の不定型Ag凝集粉の粒
子構造写真であり、図9は球状化処理後のAg粒子構造
写真(倍率;×100)であり、図10は倍率を変えた
場合の球状化処理後のAg粒子構造写真(倍率;×35
0)である。図8〜図10により、本発明によって、球
状化率の高い所定の粒径サイズの粒子が製造されること
が判明される。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例2) 実施例2は、図3に示される高周波プラズマ反応装置に
より、乾式法(プラズマアーク法)で製造された乾式A
g粉末(融点;約960.5℃、品位;Ag99.95
%以上、見掛け比重;0.88g/cm3 、非表面積;1.
0m2/g、平均粒径;0.6μm )の凝集した多孔質不定
型粒子について、表2に示される条件の下、Ag供給量
の変化とともに、原料供給アルゴンガス量およびRFプ
ラズマ条件を変化させて、球状化粒子を製造した。その
結果、表2の右欄に示されるように、球状化率95%以
上であって平均粒径1〜60μm程度の粒子サイズのも
のを得ることができた。
【0020】
【表2】
【0021】(実施例3) 実施例3は、図1に示される高周波プラズマ反応装置に
より、湿式法で製造された還元Au粉末(融点;約10
53℃、品位;Au99.9%以上、見掛け比重;2.
9g/cm3 、非表面積;0.11m2/g、平均粒径;2.9
μm )の凝集した多孔質不定型粒子について、表3に示
されるように、Au供給量の変化とともに、原料供給ア
ルゴンガス量およびRFプラズマ条件を変化させて、球
状化粒子を製造した。その結果、表3の右欄に示される
ように、球状化率95%以上であって平均粒径1〜60
μm程度の粒子サイズのものを得ることができた。
【0022】なお、図11は球状化処理前の不定型Au
凝集粉の粒子構造写真であり、図12は球状化処理後の
Au粒子構造写真(倍率;×100)であり、図13は
倍率を変えた場合の球状化処理後のAu粒子構造写真
(倍率;×350)である。図11〜図13により、本
発明によって、球状化率の高い所定の粒径サイズの粒子
が製造されることが判明される。
【0023】
【表3】
【0024】(実施例4) さらに、補足的に不定型Fe凝集粉について球状化処理
を行った場合の粒子構造写真を図14〜図16に示す。
図14は球状化処理前の不定型Fe凝集粉の粒子構造写
真であり、図15は球状化処理後のFe粒子構造写真
(倍率;×350)であり、図16は倍率を変えた場合
の球状化処理後のFe粒子構造写真(倍率;×750)
である。図14〜図16により、前述Ag、Auの場合
と同様、Feの場合にも、本発明によって、球状化率の
高い所定の粒径サイズの粒子が製造されることが判明さ
れる。
【0025】以上の各種実施例により明らかなように、
本発明によれば、アトマイズ法、遠心噴霧法、回転噴霧
法、アークプラズマ法等の従来法では得られないサイズ
の球状粒子が高い球状化率をもって得ることができると
ともに、いずれの試験においても、プラズマトーチ部、
処理物質供給ノズルの閉塞およびプラズマの失火現象が
見られず、安定的に生産を行うことができた。
【0026】
【発明の効果】以上詳説のように、本発明によれば、特
にICチップ等の導電ペースト用粒子として要求頻度の
高い1〜60μm程度の小径の球状粒子を高い球状化率
をもって製造し得るとともに、プラズマ反応を乱すこと
なく、処理物質供給ノズルへの付着およびトーチ部の閉
塞およびプラズマの失火現象を無くし安定的に生産を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波プラズマ反応装置を示す縦
断面図である。
【図2】本発明に係る高周波プラズマ反応装置の他例の
縦断面図である。
【図3】本発明に係る高周波プラズマ反応装置の他例の
縦断面図である。
【図4】球状化粒子製造装置の全体縦断面図である。
【図5】球状化粒子の生成メカニズムの説明図である。
【図6】粉体搬送装置に係る縦断面図である。
【図7】粉体搬送装置に係る水平断面図である。
【図8】球状化処理前の不定型Ag凝集粉の粒子構造写
真である。
【図9】球状化処理後のAg粒子構造写真(倍率;×1
00)である。
【図10】球状化処理後のAg粒子構造写真(倍率;×
350)である。
【図11】球状化処理前の不定型Au凝集粉の粒子構造
写真である。
【図12】球状化処理後のAu粒子構造写真(倍率;×
100)である。
【図13】球状化処理後のAu粒子構造写真(倍率;×
350)である。
【図14】球状化処理前の不定型Fe凝集粉の粒子構造
写真である。
【図15】球状化処理後のFe粒子構造写真(倍率;×
350)である。
【図16】球状化処理後のFe粒子構造写真(倍率;×
750)である。
【符号の説明】
1…プラズマ反応装置、2…高周波誘導コイル、3…石
英管、4…容器、4A…回収用容器、5…プラズマガス
供給管、F…プラズマフレーム、8・9…処理物質供給
ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住友 紘泰 埼玉県鶴ケ島市富士見6丁目2番22号 富士電波工機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−198299(JP,A) 特開 昭61−161138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 9/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁
    し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して誘導的
    に高周波プラズマフレームを発生させ、この高周波プラ
    ズマフレーム内に不定型粒子処理物質を供給して球状化
    粒子を製造する方法であって冷却水が供給され冷却される二重管の外方に前記高周波
    誘導コイルが配設され、前記二重管内にプラズマガスを
    供給するプラズマガス供給管が設けられ、前記二重管内
    にその内面に沿って下方へ流しその内面への処理物質付
    着防止用のシールガスを供給し、 発生する絞りのないプラズマフレームにおける前記高周
    波誘導コイル配設領域外の低温のテールフレーム領域に
    対して、前記処理物質を実質的に前記プラズマフレーム
    軸に向けて活性ガスまたは不活性ガスとともに供給する
    ことを特徴とする高周波プラズマによる球状化粒子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】プラズマフレーム軸に対して実質的に直交
    する方向より処理物質を供給する請求項1記載の高周波
    プラズマによる球状化粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】プラズマフレーム軸と直交する軸の±45
    °の方向より処理物質を供給する請求項1記載の高周波
    プラズマによる球状化粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】プラズマフレーム軸と同一線上より、供給
    されるプラズマガスに乗せて二相流状態で処理物質を供
    給する請求項1記載の高周波プラズマによる球状化粒子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁
    し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して誘導的
    に高周波プラズマフレームを発生させ、この高周波プラ
    ズマフレーム内に不定型粒子処理物質を供給して球状化
    粒子を製造する装置であって前記高周波誘導コイルの内方に配設され、冷却水が供給
    され冷却される二重管と、この二重管内にプラズマガス
    を供給するプラズマガス供給管と、 前記二重管内にその内面に沿って下方へ流しその内面へ
    の処理物質付着防止用のシールガスを供給する手段と、 発生する絞りのない プラズマフレームにおける前記高周
    波誘導コイル配設領域外の低温のテールフレーム領域に
    対して、前記処理物質を実質的に前記プラズマフレーム
    軸に向けて活性ガスまたは不活性ガスとともに供給す
    る、処理物質供給手段とを備えたことを特徴とする高周
    波プラズマによる球状化粒子の製造装置
  6. 【請求項6】高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁
    し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して誘導的
    に高周波プラズマフレームを発生させ、この絞りのない
    高周波プラズマフレーム内に不定型粒子処理物質を供給
    して球状化粒子を製造する装置であって、 前記プラズマガスを供給するプラズマガス供給管の先端
    位置を、前記高周波誘導コイルの最遠コイル位置に略一
    致させ、供給されるプラズマガスに乗せて二相流状態で
    処理物質を供給することを特徴とする高周波プラズマに
    よる球状化粒子の製造装置
  7. 【請求項7】高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁
    し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して誘導的
    に高周波プラズマフレームを発生させ、この絞りのない
    高周波プラズマフレーム内に不定型粒子処理物質を供給
    して球状化粒子を製造する方法であって、 前記プラズマガスを供給するプラズマガス供給管の先端
    位置を、前記高周波誘導コイルの最遠コイル位置に略一
    致させ、供給されるプラズマガスに乗せて二相流状態で
    処理物質を供給することを特徴とする高周波プラズマに
    よる球状化粒子の製造方法。
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