JP3269172B2 - 電磁波発生装置 - Google Patents

電磁波発生装置

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JP3269172B2 JP08899493A JP8899493A JP3269172B2 JP 3269172 B2 JP3269172 B2 JP 3269172B2 JP 08899493 A JP08899493 A JP 08899493A JP 8899493 A JP8899493 A JP 8899493A JP 3269172 B2 JP3269172 B2 JP 3269172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、爆薬の爆発エネルギ
ーを大電流に変換し、この大電流から強い電磁波を発生
させ、電子機器などの耐電磁波ノイズ性を評価するため
の電磁波発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、爆薬による電磁波発生装置の動
作原理を示す斜視図であり、(A) は動作前、(B) は動作
中の状態を示す。図12(A) は銅など良導体の金属円筒1
と、巻線3と、金属円筒1と巻線3とに初期電流I0
流す電流源6と、右端に接続された短絡導体7とにより
構成されている。金属円筒1の内部には爆薬4が充填さ
れ、この爆薬4と接触するように起爆装置5が左端に嵌
挿されている。巻線3は、金属円筒1の軸方向へ空隙部
2を介して巻回されている。初期電流I0 を流した状態
で起爆装置5の起爆によって爆薬4を起爆させると、爆
発は左端からはじまり、右側へ伝播して行く。
【0003】図12(B) は起爆後、爆薬4の爆発が伝播し
ている途中の状態を示し、爆轟波8によって金属円筒1
が外側に膨張し、起爆装置5側から空隙部2を潰しなが
ら巻線3と金属円筒1とが圧着(以後、爆着と称す)す
る。この爆着面9は爆轟波8の進展とともに短絡導体7
側の方へ進み最終的には金属円筒1と巻線3とが全面的
に爆着する。
【0004】電磁波発生の原理を以下に説明する。図12
(A) において起爆装置5を起爆する直前に電流源6より
初期電流I0 を金属円筒1、短絡導体7、巻線3を介し
て流し、円筒状の空隙部2内に磁界(全磁束量をΦとす
る)が形成される。その状態で起爆装置5を起爆させる
と、図12(B) のように爆轟波8によって爆着面9は爆発
の伝播速度とほぼ同じ速度(約9km/s) で短絡導体7
側へ進展する。爆着面9の進展がこのように極端に速い
ので、空隙部2が圧潰しても空隙部2内部の磁束は外部
に漏れだすことができずに全磁束量Φの値はそのまま保
存される。
【0005】すなわち、起爆前に金属円筒1と巻線3と
の往復回路で作られるインダクタンスをL0 とすると、
初期電流I0 によって形成される全磁束量Φは、 Φ=L0 ・I0 ・・・(1) で表わすことができる。一方、起爆後において金属円筒
1と巻線3とで作られるインダクタンスをL、このとき
に短絡導体7を通して流れる出力電流をIとすると、や
はり Φ=L・I ・・・(2) となる。(1) 式と(2) 式とを等しいと置くと、 I/I0 =L0 /L ・・・(3) となる。爆着面9が短絡導体7側へ進展するにつれて、
空隙部2が潰れ、残存する空隙部2の長さ方向の距離が
減少するのでインダクタンスLが減少し、空隙部2内の
磁界が強くなり、(3) 式より出力電流Iが増大する。こ
の出力電流Iは、金属円筒1、短絡導体7、巻線3とが
爆着面9を介してできる閉ループを流れるもので(3) 式
における出力電流I0 との比I/I0 が電流増幅率に対
応する。
【0006】この出力電流Iが巻線3を流れることによ
って、周囲に電磁波が発生する。この装置は、短絡導体
7を負荷とする電流増幅器であり、爆薬発電機とも呼ば
れている。急峻にメガアンペアオーダにまで立ち上がる
電流を流し、周囲に強い電磁波を形成することができ
る。図13は従来の電磁波発生装置の構成例を示す断面図
であり、金属円筒1の両端に内部を塞ぐ栓14が配され、
下方の栓14には起爆装置5が嵌挿されている。この金属
円筒1の外側に、巻線3と円筒状の支持絶縁体13とが配
されている。支持絶縁体13の内壁にらせん状の溝が設け
られ、この溝に巻線3が収められるとともに、金属円筒
1との間に空隙部2が形成されている。巻線3の下端と
金属円筒1との間には絶縁間隙材12が介装されている。
一方、巻線3の上端と金属円筒1との間には、負荷と間
隙材との双方の役目を担う短絡導体70が介装されてい
る。巻線3と金属円筒1とは下端で電流源6に接続され
ている。
【0007】図13において電流源6によって巻線3、短
絡導体70および金属円筒1に初期電流を流した状態で、
起爆装置5により爆薬4を爆発させる。爆発は時間とと
もに上方へ伝播するとともに、巻線3に流れる電流も増
大し、周囲に強い電磁波を発生させる。この装置から所
定の寸法離れた位置に電子機器などを配し、その電磁波
による電界Eに対する耐ノイズ性が調べられる。図13に
おける巻線3の導体幅Wおよびターン間の絶縁間隙Dが
上方へ行くに従って大きくなっている。これは、上方に
行くに従って、単位長あたりのインダクタンスを小さく
するためである。これにより、(3) 式で示したように電
流増幅率が大きくなり、強い電磁界が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように従来の装置は、発生する電磁波の電界成分が少
ないという問題があった。すなわち、磁界成分は巻線に
流れる電流値によって決まる。したがって、前述の電流
増幅率を大きくすることによって大きな磁界成分を得る
ことができる。一方、電界成分は巻線の軸方向の電位降
下分によって決まるので巻線の抵抗値にも関係する。図
13における巻線は上部に行くに従って導体幅が広くなっ
ているので、電流は増大するが単位長あたりの抵抗は次
第に小さくなってくる。そのために、電界成分の大きい
電磁波を得ることができなかった。巻線自体を抵抗の大
きい材料で構成することも考えられるが、所定の初期電
流を流すために電流源の出力電圧を増す必要があり、装
置が大がかりになる。電流源の出力電圧を増しても、電
界成分はその出力電圧に比例するだけであり、桁違いに
電磁界を強くすることはできない。
【0009】この発明の目的は、巻線に直列に可溶体ま
たは爆発で圧縮される金属シートを接続する、さらには
アンテナを付加することによって、電磁波の電界成分を
桁違いに増大させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、内部に爆薬が装填された金属円
筒と、この金属円筒の外側に円筒状の空隙部を形成させ
ながら軸方向に巻回される巻線と、この巻線を外側より
補強する支持絶縁体と、金属円筒の一方端に嵌挿され前
記爆薬に接触するように配された起爆装置と、金属円筒
および巻線の起爆装置側の端部と接続された電流源とに
より構成され、金属円筒および巻線の反起爆装置側を可
溶体を介して互いに導電接続し、巻線に電流源から初期
電流を流した状態で爆薬を起爆させ巻線に流れる電流を
増幅させて周囲に電磁波を発生させるものとし、かかる
構成において、可溶体が巻線の反起爆装置側端部から軸
方向に向けて装着され、円板状の短絡導体を介して可溶
体と金属円筒とが導電接続されたものとし、又は、可溶
体が巻線の反起爆装置側端部から半径方向内方に向けて
装着され、金属円筒の外壁面に直接導電接続されたもの
とする。
【0011】また上記目的を達成するために、この発明
によれば、内部に爆薬が装填された金属円筒と、この金
属円筒の外側に円筒状の空隙部を形成させながら軸方向
に巻回される巻線と、この巻線を外側より補強する支持
絶縁体と、金属円筒の一方端に嵌挿され前記爆薬に接触
するように配された起爆装置と、金属円筒および巻線の
起爆装置側の端部と接続された電流源とにより構成さ
れ、前記金属円筒の反起爆装置側の端部にその一方端が
接続されてなる短絡導体と、前記巻線の反起爆装置側の
端部にその一方端が接続されてなる金属シートとが設け
られるとともに、前記短絡導体の他方端と前記金属シー
トの他方端とが導電接続されてなり、前記金属シートの
一方の面にもう一つの起爆装置に接触する爆薬が配さ
れ、金属シートの他方の面に接して金属シート固定部が
設けられ、巻線に電流源から初期電流を流した状態で起
爆させ巻線に流れる電流を増幅させて周囲に電磁波を発
生させるものとする。
【0012】かかる構成において、それぞれ巻線の半径
方向外方に円錐状に広がりその円錐の開口方向が互いに
逆方向となるように形成された2つのコニカルアンテナ
の基部同士が間隔を空けて対向するようにして構成され
たアンテナ対が設けられ、前記アンテナ対の一方のコニ
カルアンテナの基部が前記金属円筒の反起爆装置側の端
部に導電接続されるとともに前記アンテナ対の他方のコ
ニカルアンテナの基部が前記巻線の反起爆装置側の端部
に導電接続されてなるものとする。また、その一方端が
巻線の反起爆装置側の端部に接続されるとともに他方端
がギャップを介して金属円筒の反起爆装置側の端部に対
向してなる短絡導体と、この短絡導体が貫通するリング
状の鉄心に二次巻線を巻回させてなる変成器と、この変
成器の二次巻線が給電端子に接続され短絡導体に絶縁体
を介して取付けられたアンテナとが設けられたものとす
る。
【0013】
【作用】この発生の構成によれば、巻線の反起爆装置側
の端部に直列に可溶体を介装する。爆発によって増幅さ
れた電流が可溶体を一時的に液化させ、その後に溶断さ
せる。液体状態の抵抗は、固体状態のそれに比べて桁違
いに大きい。そのために、巻線に流れる電流が増し、可
溶体が溶融したときに可溶体間の電位降下が非常に大き
くなる。それによって、周囲に大きな電界成分をもった
電磁波が発生する。
【0014】かかる構成において、可溶体を半径方向内
方に向け金属円筒の外壁面に直接導電接続させることに
より、電流の流れる回路のインダクタンスが小さくなる
ので電流が増し電磁波の電界成分がさらに大きくなる。
また、巻線の反起爆装置側の端部に直列に爆薬が片面に
配された金属シートが介装される。爆発によって増幅さ
れた電流がピークになる直前に、金属シートの片面に配
された爆薬を爆発させる。金属シートが爆発によって圧
縮され、その厚さが急に薄くなる。そのために、金属シ
ートの面に沿った抵抗が大きくなり、金属シート部の電
位降下が非常に大きくなる。それによって、周囲に大き
な電界成分をもった電磁波が発生する。
【0015】上記構成に加えて、可溶体又は金属シート
の両端に一対のコニカルアンテナが設けられたので、ア
ンテナ対間に流れる変位電流分によっても電界が発生す
る。この電界が前述の可溶体溶融による電界に加わるの
で、電磁波の電界成分がさらに大きくなる。また、ギャ
ップを介して短絡導体を可溶体に並列接続し、この短絡
導体が内部を貫通するリング状の鉄心に二次巻線を巻回
させた変成器を設ける。短絡導体に絶縁体を介して取り
付けられたアンテナの給電端子に変成器の二次巻線を接
続する。一方、ギャップは、可溶体が電流によって溶融
したときに発生する可溶体間の電位降下によって絶縁破
壊するようにその間隙長を設定しておく。ギャツプが絶
縁破壊すると、短絡導体に電流が流れるので、変成器の
二次巻線側に電圧が発生しアンテナから電磁波が発生す
る。アンテナの周波数特性に共振するように変成器の二
次巻線の巻き数を調整しておけば、アンテナがその最大
利得の周波数の電磁波を発振することができる。
【0016】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例にかかる電磁波発生装置の構成
を示す要部拡大断面図である。巻線3の端部に可溶体15
の一方端が接続されている。さらに可溶体15の他方端
は、短絡導体70を介して金属円筒1に支えられた金属リ
ング16に接続されている。
【0017】可溶体15は、巻線3および金属リング16の
端面上を複数本、はんだ付けによって散在させてある。
その他の構成は図8の従来の装置と同じである。同じ部
分には同一参照符号を用いることにより詳細な説明は省
略する。図1における可溶体15が、爆発によって増幅さ
れた電流によって一時的に液化し、その後に溶断する。
【0018】図2は図1および図13の装置で発生する電
流、電圧、電磁波の波形を示すタイムチャートである。
上段の波形17A、17Bは、それぞれ図1、図13の巻線3
を流れる電流波形を示す。中段の波形18Aは図1の可溶
体15間の電圧降下、波形18Bは図13の巻線3の最終ター
ンの電圧降下を示す。下段の波形19A、19Bはそれぞれ
図1、図13の巻線3の周囲に発生する電磁波の電界成分
を示す。
【0019】図2において、波形17A、17Bは時刻t1
において爆発が生じ、時間とともに電流が増大してい
る。波形17Bは時刻t3 においてピークになり、爆発が
金属円筒1の端部まで伝播したことを示す。なお時刻t
3 以降の波形は示されていないが、装置が爆発破壊して
しまうので電流や電圧、電磁波の値はすべて零になる。
波形17Aは時刻t2 において図1の可溶体15が溶断し、
それ以後は巻線3と金属リング16との間がアークとなり
最終的には消滅する。波形17Aと17Bとのピーク値はそ
れほど大差ない。
【0020】しかし、波形18A、18Bは前者の方がその
ピーク値が桁違いに大きくなる。時刻t1 において爆発
が生じ電流が増大してくると、図1の可溶体15は次第に
液化しはじめるので、その抵抗値も次第に大きくなる。
一方、図13の巻線3は電流が増しても固体状態のままな
ので、その抵抗値は変わらない。短時間なので温度上昇
もなく、温度による抵抗値の変化も見られない。可溶体
15は時刻t2 の溶融状態において最もその抵抗値が大き
くなる。そのために、波形18Aは時刻t2 においてピー
クとなる。一方、波形18Bは電流波形17Bに比例して増
大するが、巻線3の抵抗値が溶融状態の可溶体15のそれ
よりは小さいので、波形18Bは波形18Aほど大きくは増
大しない。電界成分の波形19A、19Bは、それぞれ電圧
の波形18A、18Bに比例して変化するので、波形19Aの
ピーク値は波形19Bのそれより桁違いに大きくなる。
【0021】図3は、この発明の異なる実施例にかかる
電磁波発生装置の構成を示す要部断面図である。巻線3
の端部に金属シート22の一方端が接続され、金属シート
22の他方端が金属リング16に接続されている。金属シー
ト22の両面のうち、内側にはリング状の金属シート固定
部21が配され、外側には絶縁物23が配されている。さら
に、絶縁物23の外側には爆薬25が装填され、円筒状の覆
い24が支持絶縁体13と絶縁円筒20との両者にまたがるよ
うにして嵌められている。金属シート22、絶縁物23およ
び爆薬25は、金属シート固定部21の外周を周回してい
る。その他の構成は図1のそれと同じである。
【0022】図3において、爆発によって増幅された電
流がピークになる直前に、爆薬25を起爆装置26によって
爆発させる。この爆発によって、金属シート22が絶縁物
23を介して圧縮力を受ける。そのために、金属シート22
の厚さが桁違いに薄くなり、金属シートの面方向の抵抗
が大きくなる。その結果、金属シート22の両端間の電圧
降下が高まり、電磁波の電界成分が桁違いに大きくな
る。
【0023】図4は、この発明のさらに異なる実施例に
かかる電磁波発生装置の構成を示す要部断面図である。
可溶体15の両端に円錐状に開く一対のコニカルアンテナ
27が接続されている。その他の構成は図1のそれと同じ
である。図5は、図1および図4の装置で発生する電磁
波の電界成分の波形を示すタイムチャートである。波形
28、29がそれぞれ図1、図4の装置のそれに対応し、ピ
ーク値はコニカルアンテナ27の配された図4の波形29の
方が波形28と比べると、1.3 倍大きい。なお図5におい
て、いずれの装置の場合も可溶体15は、直径0.16mm、長
さ30mmの銅線5本を1つに束ね、これを2束巻線3の端
部にはんだ付けされた。また、図5の電界成分は、装置
の可溶体15から半径方向外方に50cm離れた位置で電界セ
ンサによって測定されたものである。
【0024】図6は、図5の波形29を測定したときに用
いられたコニカルアンテナ27の形状を示す斜視図であ
る。直径D1、D2がそれぞれ60mm、240 mm、長さLが180
mm、角度Xが30度である。図7は、この発明のさらに異
なる実施例にかかる電磁波発生装置の構成を示す要部断
面図である。可溶体15が巻線3の端部から半径方向内方
に向けて2束装着され、金属円筒1の外径面に直接導電
接続されている。さらに、2個のコニカルアンテナ27が
巻線3と金属円筒1の端部にそれぞれ取り付けられてい
る。その他の構成は図4と同じである。
【0025】図8は図7および図4の装置で発生する電
流、電圧、電磁波の波形を示すタイムチャートである。
上段の波形30A、30Bは、それぞれ図7、図4の巻線3
を流れる電流波形を示す。中段の波形31A、31Bはそれ
ぞれ図7、図4の可溶体15間の電圧降下を示す。下段の
波形32A、32Bはそれぞれ図7、図4の巻線3の周囲に
発生する電磁波の電界成分を示す。
【0026】図8において、図7の装置の方が図4のそ
れと比べると、波形31Aのように発生する電磁波が数倍
も大きくなる。これは、図7の装置における電流の流れ
る回路のインダクタンスが小さいことによる。図4の装
置では、電流が金属リング16、短絡導体70を介して流れ
ていたのが、図7の装置では電流が巻線3から最短距離
で金属円筒1に流れ込んでいる。その電流の流れる距離
が短くなる分だけ回路のインダクタンスが減少してい
る。
【0027】なお、図7において、コニカルアンテナ27
がなくても、回路のインダクタンスを減少させた効果は
充分に発揮される。図7のコニカルアンテナ27がない場
合は、電磁波のピーク値が数10%減少するだけである。
図9はこの発明のさらに異なる実施例にかかる電磁波発
生装置の構成を示す要部断面図である。金属円筒1の上
部にギャップ38を介して円筒状の短絡導体37が配され、
さらに、円板状のもう一つの短絡導体36を巻線3の端部
と短絡導体37との間に導電接続する。また、短絡導体37
の周囲はリング状の鉄心33が周回している。二次巻線34
は鉄心33を巻回し、短絡導体37とともに変成器35を形成
している。さらに、二次巻線34の両端は貫通端子42を介
して、ダイポールアンテナ40の給電端子41に接続されて
いる。なお、ダイポールアンテナ40は絶縁体39を介して
装置の端部に固定されている。
【0028】図10は図9の構成の電気的な等価回路図で
ある。電流源45は図9において図示の省略された装置の
下部を示し、爆発によって巻線3から流れてくる電流源
をまとめて示したものである。この電流源45の出力端
は、金属円筒1や巻線3の有するインダクタンス43を介
して可溶体15の両端につながっている。可溶体15の両端
は、さらに、ギャップ38からなるスイッチを介して短絡
導体37である変成器35の一次巻線につながっている。変
成器35の二次巻線34の両端はダイポールアンテナ40につ
ながっている。
【0029】図11は図9で発生する電流、電圧、電磁波
の波形を示すタイムチャートである。上段の波形46A、
46Bは、それぞれ図10において可溶体15、短絡導体37を
流れる電流波形を示す。また、中段の波形の47A、47B
は、それぞれ可溶体15、二次巻線34の両端に発生する電
圧波形を示す。さらに、下段の波形48は、ダイボールア
ンテナ40が発振する電磁波の電界成分を示す。
【0030】図11において、時刻t2 までの波形46A、
47Aは、図8において説明したように、可溶体15の抵抗
値増加によって電流および電圧が増加する分である。ギ
ャップ38は、時刻t2 においてその間隙にかかる電圧に
よって絶縁破壊するように設定されてある。すなわち、
図10におけるギャップ38が投入されると、電流源45から
の電流が短絡導体37を流れるので、二次巻線34に電圧が
誘導される。この誘導電圧によってダイポールアンテナ
40が波形48のような電磁波を発振する。
【0031】図10において、ダイポールアンテナ40は必
ずしもダイポールタイプのものでなくてもよい。アンテ
ナは一般に特有な周波数特性を備えており、共振する周
波数において最大の電磁放射強度が得られる。変成器35
を介することによって、二次巻線34の巻数を調整し回路
の共振周波数を変えることができる。従って、二次巻線
34の巻数調整によって、出力される電磁波の電界成分を
大きくすることができる。
【0032】
【発明の効果】この発明は、前述のように、巻線の端部
に直列に可溶体を接続することによって、電磁波の電界
成分を桁違いに増大することができる。そのために電流
源などの設備を大型にすることなしに電界成分を高める
ことができ経済的である。かかる構成において、可溶体
を巻線の端部から半径方向内方に向けて金属円筒に直接
導電接続することによって、発振される電磁波の電界成
分をさらに高めることができる。
【0033】また、巻線の端部に直列に爆発力によって
その厚さが薄くなる金属シートを接続する。この構成に
よっても、電磁波の電界成分を桁違いに高めることがで
き、電流源などの設備を大型にする必要がなくなる。か
かる構成に加えて、可溶体の両端に一対のコニカルアン
テナを設けると、電磁波の電界成分が30%も高められ
る。
【0034】さらに、可溶体に並列にギャップを介して
変成器を設け、この変成器の出力端に接続されたアンテ
ナを備えたことにより、アンテナに共振する周波数をア
ンテナの給電端子に供給することができ、アンテナの最
大利得における周波数の電磁波を発振することができ、
高い電磁波を発生させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる電磁波発生装置の構
成を示す要部拡大断面図
【図2】図1および図13の装置で発生する電流、電圧、
電磁波の波形を示すタイムチャート
【図3】この発明の異なる実施例にかかる電磁波発生装
置の構成を示す要部拡大断面図
【図4】この発明の更に異なる実施例にかかる電磁波発
生装置の構成を示す要部拡大断面図
【図5】図1および図4で発生する電磁波の電界成分の
波形を示すタイムチャート
【図6】図5の波形を測定したときに用いられるコニカ
ルアンテナの形状を示す斜視図
【図7】この発明の更に異なる実施例にかかる電磁波発
生装置の構成を示す要部拡大断面図
【図8】図7および図4の装置で発生する電磁波の電界
成分の波形を示すタイムチャート
【図9】この発明の更に異なる実施例にかかる電磁波発
生装置の構成を示す要部拡大断面図
【図10】図9の等価回路図
【図11】図11の装置で発生する電磁波の電界成分の波形
を示すタイムチャート
【図12】爆薬による電磁波発生装置の動作原理を示す斜
視図で、(A) は動作前、(B) は動作中の状態の図
【図13】従来の電磁波発生装置の構成例を示す断面図
【符号の説明】
1:金属円筒、2:空隙部、3:巻線、4,25:爆薬、
70,36,37:短絡導体、13:支持絶縁、39:絶縁体、20:
絶縁円筒、14:栓、15:可溶体、16:金属リング、21:
金属シート固定部、22:金属シート、23:絶縁物、24:
覆い、26:起爆装置、27:コニカルアンテナ、40:ダイ
ポールアンテナ、41:給電端子、42:貫通端子、38:ギ
ャツプ、34:二次巻線、33:鉄心、35:変成器、45:電
流源、43:インダクタンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に爆薬が装填された金属円筒と、この
    金属円筒の外側に円筒状の空隙部を形成させながら軸方
    向に巻回される巻線と、この巻線を外側より補強する支
    持絶縁体と、金属円筒の一方端に嵌挿され前記爆薬に接
    触するように配された起爆装置と、金属円筒および巻線
    の起爆装置側の端部と接続された電流源とにより構成さ
    れ、金属円筒および巻線の反起爆装置側を可溶体を介し
    て互いに導電接続し、巻線に電流源から初期電流を流し
    た状態で爆薬を起爆させ巻線に流れる電流を増幅させて
    周囲に電磁波を発生させることを特徴とする電磁波発生
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁波発生装置におい
    て、可溶体が巻線の反起爆装置側端部から軸方向に向け
    て装着され、円板状の短絡導体を介して可溶体と金属円
    筒とが導電接続されたことを特徴とする電磁波発生装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電磁波発生装置におい
    て、可溶体が巻線の反起爆装置側端部から半径方向内方
    に向けて装着され、金属円筒の外壁面に直接導電接続さ
    れたことを特徴とする電磁波発生装置。
  4. 【請求項4】内部に爆薬が装填された金属円筒と、この
    金属円筒の外側に円筒状の空隙部を形成させながら軸方
    向に巻回される巻線と、この巻線を外側より補強する支
    持絶縁体と、金属円筒の一方端に嵌挿され前記爆薬に接
    触するように配された起爆装置と、金属円筒および巻線
    の起爆装置側の端部と接続された電流源とにより構成さ
    れ、前記金属円筒の反起爆装置側の端部にその一方端が
    接続されてなる短絡導体と、前記巻線の反起爆装置側の
    端部にその一方端が接続されてなる金属シートとが設け
    られるとともに、前記短絡導体の他方端と前記金属シー
    トの他方端とが導電接続されてなり、前記金属シートの
    一方の面にもう一つの起爆装置に接触する爆薬が配さ
    れ、金属シートの他方の面に接して金属シート固定部が
    設けられ、巻線に電流源から初期電流を流した状態で起
    爆させ巻線に流れる電流を増幅させて周囲に電磁波を発
    生させることを特徴とする電磁波発生装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れかに記載の電磁波
    発生装置において、それぞれ巻線の半径方向外方に円錐
    状に広がりその円錐の開口方向が互いに逆方向となるよ
    うに形成された2つのコニカルアンテナの基部同士が間
    隔を空けて対向するようにして構成されたアンテナ対が
    設けられ、前記アンテナ対の一方のコニカルアンテナの
    基部が前記金属円筒の反起爆装置側の端部に導電接続さ
    れるとともに前記アンテナ対の他方のコニカルアンテナ
    の基部が前記巻線の反起爆装置側の端部に導電接続され
    てなることを特徴とする電磁波発生装置。
  6. 【請求項6】請求項3に記載の電磁波発生装置におい
    て、その一方端が巻線の反起爆装置側の端部に接続され
    るとともに他方端がギャップを介して金属円筒の反起爆
    装置側の端部に対向してなる短絡導体と、この短絡導体
    が貫通するリング状の鉄心に二次巻線を巻回させてなる
    変成器と、この変成器の二次巻線が給電端子に接続され
    短絡導体に絶縁体を介して取付けられたアンテナとが設
    けられたことを特徴とする電磁波発生装置。
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