JP3268022B2 - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

カルボン酸エステルの製造方法

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JP3268022B2
JP3268022B2 JP23602992A JP23602992A JP3268022B2 JP 3268022 B2 JP3268022 B2 JP 3268022B2 JP 23602992 A JP23602992 A JP 23602992A JP 23602992 A JP23602992 A JP 23602992A JP 3268022 B2 JP3268022 B2 JP 3268022B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボン酸エステルの
製造方法に係り、更に詳しくは不飽和アルデヒドあるい
は芳香族アルデヒドとアルコールとを酸素の存在下に特
定の触媒に接触させた後、液相よりカルボン酸エステル
を製造する方法に関する。カルボン酸エステルは樹脂製
品のモノマーとしてその価値が高く、特に、アクリル樹
脂モノマーなどとして重要である。
【0002】
【従来の技術】従来、シリカ、アルミナ、けいそう土、
活性炭またはゼオライトなどの担体にパラジウムなどを
担持させた触媒をアルデヒドとアルコールの混合物中に
懸濁させ、これに分子状酸素含有ガスを吹き込んでアル
デヒドを液相酸化し同時にエステル化も行わせるカルボ
ン酸エステルの製造方法が知られている。(例えば、特
公昭45−34368、特公昭57−35858、特公
昭57−35859、特公昭61−60820、特公昭
62−7902参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は反応原料であるアルデヒドが二重結合を有する
場合、以下の欠点を持つ。すなわち固体触媒と反応生成
物含有液を分離するに際し、二重結合の還元反応が起こ
りやすい。これらの副生物は、目的とするカルボン酸エ
ステルと沸点が近接しているため、分離が困難である。
【0004】例えば、アルデヒドとしてメタクロレイン
を、アルコールとしてメタノールを使用した場合、主反
応としてはメタクロレインの酸化的エステル化によるメ
タクリル酸メチルを生成するが、触媒の存在下で酸素濃
度の低い系において副反応としてメタクロレインの還元
によるイソブチルアルデヒドや、イソ酪酸メチルエステ
ルなどが生成してくる。これら副生成物は、主反応生成
物を重合しポリマーを製造するに際し、重合反応を阻害
する物質であるため精製分離を充分に行わなければなら
ない。すなわち、これらの副生成物の選択率が高くなる
ことは、精製設備が大型となり、精製エネルギーも大き
くなる。また、主反応成分の選択率の低下による原料の
損失や、大型のエステル化反応器が必要となる。このた
め、イソブチルアルデヒドや、イソ酪酸メチルエステル
の選択率は極力抑えなければならない。
【0005】触媒スラリー液中に空気又は酸素を吹き込
んでいる懸濁流動床では、比較的液中酸素濃度は高く保
たれており副反応物の生成は抑制されている。しかしな
がら、液状反応生成物を取り出すときに触媒を分離する
際、図4に示すような通常の沈降分離器(4)を採用す
ると、沈降分離装置内で還元雰囲気となり副反応が進行
しやすいことを見いだした。還元反応を避けるため、す
なわち沈降分離器内の酸素濃度を充分高めるために触媒
懸濁液に反応ガスを混入させ気泡の懸濁した状態をつく
ると、触媒が気泡と共に液状反応生成物に同伴して流出
し、触媒がロスしたり、分離後の工程での配管詰まりな
どの問題がある。すなわち、沈降分離器への供給液は充
分な気泡分離が必要である。また、反応消費による酸素
濃度の低下を抑制し還元雰囲気で触媒懸濁液を長時間保
持しないため、触媒分離時間を極力短縮させる方法が考
えられる。具体的には液体サイクロンや遠心分離機を用
いることも考えられるが、短い滞留時間での分離では触
媒の分離速度が関係し、おのずとその粒径には下限界が
あり、運転中の流動により粒子が摩耗や破損により微粒
化し分離が充分でなくなり、沈降分離器と同様に分離器
を通して触媒がロスしたり、分離後の工程での配管詰ま
りなどの問題があり実用的でなかった。さらに、濾過等
について検討した結果、単なる加圧または減圧濾過で
は、微粒化した触媒が、濾材の孔に目詰まりを起こし、
濾過した反応液による逆洗浄をしても、充分な再生がで
きず、濾材の濾過抵抗が大きくなって、最終的に濾液量
が微量になってしまい、工業的に実用的ではなかった。
【0006】このように、触媒分散装置内の不都合な副
反応の発生を抑制しつつ滞留時間が極めて短く、長期間
安定な固体触媒と反応生成液の分離方法は永い間待望さ
れており、その発見は不可能と思われていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の反応方法
を用いることによって、従来の方法に比較して高活性
で、しかも副反応を抑制する方法を見いだし本発明をな
すに至った。すなわち、パラジウムを含む固体触媒と酸
素の存在下、不飽和アルデヒドあるいは芳香族アルデヒ
ドとアルコールとの反応で、カルボン酸エステルを含む
液状反応生成物を得るに際し、以下の(1)〜(3)を
工程順に行うことを特徴とするカルボン酸エステルの製
造方法である。
【0008】(1)懸濁液流動床にて液状反応生成物を
得る工程 (2)主に液状反応生成物からなる触媒懸濁液をクロス
フロー線速度が0.05m/秒以上のクロスフロー方式
の濾過により、液状反応生成物と濃縮された触媒懸濁液
とに分離する工程 (3)懸濁流動床へ前記濃縮された触媒懸濁液を循環す
る工程 ここでクロスフロー方式の濾過とは、濾材(フィルタ
ー)を隔ててスラリー(懸濁液)側と濾液側に圧力差
(このときの圧力差を濾過差圧と呼ぶ:以下同じ)をつ
け、これを推進力として濾過を行いスラリーは濾過面に
対し平行に流しながら(このときのスラリーの流路断面
積当りの平均流速をクロスフロー線速度と呼ぶ:以下同
じ)、連続的に濾過を行うものである。例えば、管状の
フィルターを用いた場合、反応器より抜き出したスラリ
ーをフィルター管の一方から供給し、フィルター管の他
方から濃縮スラリーを排出すると同時に、フィルター管
濾過面を通して濾液を分離する方式である。但しこのフ
ィルター管は、管壁面の全体または一部に濾過面を有し
ているもので、管の断面形状は円形に規定されるもので
はない。また、スラリーがフィルター管外部で濾液がフ
ィルター管内部でも良い。
【0009】本発明の特徴は、クロスフロー方式の濾過
を用いることにより、循環する液を濾過分離するために
酸素濃度の低い系での滞留時間を短くすることができ
る。また、沈降分離方式を用いた場合、分離器へ供給す
る触媒懸濁液は充分な気泡分離が必要であったが、本発
明の方法によれば、濾過器への供給液に気泡が混入して
も精密な濾過が可能となり、酸素濃度の高い系での分離
を行うことも可能となる。これは、クロスフロー方式の
濾過においては、スラリー中へ気体が混入しても、液相
が連続相であれば流動しているスラリー中の気泡はスラ
リーの流速が早いフィルター管中心部を流れスラリーの
流速の遅いフィルター壁面近傍にはほとんど存在しない
ためである。その結果、酸素濃度の低い系では滞留時間
が短いため、また気泡が混入しても分離が可能であるた
め、二重結合の還元反応による副生物の生成を抑制でき
る。
【0010】本発明の方法によれば、先に述べたように
副反応進行の抑制にきわめて大きな効果があることが最
大の特徴であるが、以下に述べるように、工業的な実施
にあたっては極めて意味のある効果をもたらす。すなわ
ち、沈降分離方式では粒子径が数十ミクロン以下のよう
な微粒子触媒を反応液から効率よく分離することが困難
であったが、本発明の方法はそれがない。これは、濾過
面に対し平行に流動するスラリーの剪断力により、濾過
面でのスラリーの固形物ケークの成長を抑え、経時的な
濾過速度の低下を抑制する。この結果、微粒子触媒の使
用が可能で高い反応活性が実現でき、反応器の小型化が
できる。さらに、断続的な逆洗浄を不用とし、安定した
連続運転を可能にする。
【0011】ここで、微粒化された触媒が何故高活性を
有するかは、次のように考えられる。本発明において使
用する触媒は、パラジウムを好ましくは担体に担持した
ものを使用するが、本発明の原料として供されるアルデ
ヒドが比較的大きい分子径であり、しかも、比較的低温
でかつ液相での反応であるため、細孔内での分子の自由
度は拘束され、触媒内部の活性点へは近付き難く、結果
として外表面活性点のみで反応が進行しているように思
われる。このことは、公知の方法によって行われたメタ
クロレインとメタノールの酸化的エステル化反応で、同
一重量の金属種を同一重量の異なった粒径の担体に担持
した触媒で活性を比較した場合、粒径の小さい担体を用
いた方が高活性を示すものであることから推定される。
【0012】このように、触媒粒子径は小さいほど比表
面積が増大することによって高活性になるものと考えら
れる。通常その平均粒径が500ミクロン以下のものが
使用される。好ましくは300ミクロン以下のものが使
用される。粒径は微細なものほど本発明の効果が明確に
なる。これら一次粒子の粒径の測定は通常の方法である
電子顕微鏡により測定できる。これら一次粒子の形状は
種々のものがあるが、ここで言う粒径とは、その最も幅
のせまいところの算術平均の径を示している。さらにこ
こに示された数値は、それ以下の粒径を示すものが少な
くとも50重量%以上あるものをいう。また、このよう
な微細な粒子は場合によっては、それらの凝集体として
二次粒子を形成することがある。このような二次粒子の
形成は、本発明の効果には関係なく有効である。
【0013】本発明において使用する触媒は、金属態の
パラジウムあるいはパラジウム化合物の少なくとも一種
を含み、好ましくはさらに鉛、水銀、タリウム、あるい
はビスマスを含む。これらの触媒構成要素はそれぞれ別
々に系中に存在しても構わないが、パラジウムと相互に
何らかの作用をもたらしうるような形態で反応系中に存
在するのが好ましく、さらに好ましくは金属間化合物を
形成させるのがよい。これらの触媒構成要素は活性炭、
シリカ、アルミナ、チタニアおよびゼオライトなどの担
体に担持して使用することができ、またかかる担体を用
いることなく直接用いることもできる。
【0014】前記触媒の使用量は反応原料の種類や量、
触媒の調整法、運転条件等によって任意に変更すること
ができ、特に限定はないが、例えば一般に原料アルデヒ
ドに対するモル比で、パラジウムを0.01〜20モル
%、鉛、水銀、タリウム、ビスマスもしくはその金属化
合物を0.001〜10モル%の範囲内が望ましい。た
だし、前述の如く、これらの範囲外で使用しても一向に
差し支えない。特に流通系反応の場合にこの限りではな
いことは言うに及ばない。また鉛化合物のほかに酢酸ソ
ーダなどの如き塩を添加するのが好ましい場合もある。
【0015】触媒の調整は特公昭61−60820、特
公昭62−7902等に記載されているように常法に従
って行うことができる。例えば、塩化パラジウムのよう
な可溶性の塩を水溶液中でホルマリンなどの還元剤で還
元して金属パラジウム触媒を析出させ、濾過して金属パ
ラジウム触媒を調整したり、可溶性パラジウム塩の酸性
水溶液を適当な担体に含浸させて還元剤により還元して
担持パラジウム触媒を調整することができる。またパラ
ジウムと鉛化合物を適当な担体上に担持させた触媒を調
整する場合には、適当な担体に可溶性のパラジウム塩の
水溶液を含浸させた後適当な還元剤で還元し、それを例
えば酢酸鉛の水溶液に浸漬、蒸発乾固させ、乾燥して使
用に供することができる。例えば、前記鉛化合物として
は、鉛を含む任意の化合物を使用できるが、好ましいの
は、例えば、酢酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン鉛など
の鉛の脂肪酸塩や酸化鉛、水酸化鉛、硝酸鉛などがあげ
られ、これらの鉛化合物は無水のものでも、結晶水を持
つものでも構わない。鉛以外の水銀、タリウム、ビスマ
スについても同様である。
【0016】スラリー濃度は、ハンドリング上可能な範
囲、例えば固形物の配管での詰まりや沈降部分がない様
な範囲であればよい。低濃度では従来の差圧式濾過器で
も充分濾過は安定しており、逆洗浄の周期も長くできる
が、3重量%以上の高濃度になると本反応方式が、濾過
速度の安定および逆洗浄の周期の長期化に非常に効果を
発揮する。また、単位容積当りの生産性を上げるため、
触媒濃度は高いほどよい。
【0017】スラリーの粘度は、流動可能な範囲であれ
ばよい。約100cP(センチポイズ)までの低粘度領
域では特に問題はないが、高粘度領域の流体では、スラ
リーの濾過器の入口と出口の圧力差(フィルター壁面で
の圧力損失)や濾過差圧が大きくなったり、固形物の配
管での詰まりが発生したり、濾液の濾過器からの抜出速
度が液流動性の低下により極端に遅くなる場合もあるた
め、流動可能な範囲に制限される。ここで、スラリー粘
度の上限はその系の特性や目的などにより異なるため一
義的に限定することはできない。
【0018】濾過器の濾材の細孔径は、0.05ミクロ
ン以上50ミクロン以下とし、好ましくは0.1〜20
ミクロンとする。0.05ミクロンより小さい細孔径の
濾材では、濾過器の製作上の問題、および濾過差圧が大
きくなり濾材の強度上の限界により濾過速度が制約され
るため、濾過面積は大きくなるなどの問題がある。ま
た、本反応系で取り扱う物質のモノマーの分子径はせい
ぜい数十オングストローム程度であり0.05ミクロン
以上の細孔径では濾過性能に問題はない。基本的には、
濾材の細孔径は最小触媒径よりも小さいものを用いれば
良いということになる。しかし、触媒の最小径の定義は
測定精度などの問題も含めて難しい。また、濾材細孔径
が最小触媒粒径より大きい場合でもブリッジングや、ケ
ークの形成によりそのケーク中を通過する粒子がほとん
どない場合(ケーク濾過)もある。さらに、発明者ら
は、懸濁触媒が攪拌翼・循環ポンプ・配管などでの固体
触媒の衝突による機械的粉砕により、初期平均粒子径よ
りもかなり小さい微粒子が生成し、この微粒子がフィル
ターに詰まり濾過速度の低下を引き起こす事を確認し
た。そこで、さらに種々の懸濁触媒を用いて研究を進め
た結果、この微粒化は一定の値でほぼ安定する(これは
粒子の分散と凝集がバランスすることや、微粒化するに
必要なエネルギーが粒子径が小さいほど大きくなること
によると考えられる)ということが判明した。すなわ
ち、積算粒径分布において粒径の小さいものから約2〜
5重量%の粒子は、さらに微粒化するとか、増加すると
かいった経時的変化がほとんど見られなかった。さら
に、この安定した粒径は0.5〜20ミクロン程度であ
り、これと同程度の細孔径の濾材を用いることにより詰
まりの問題もなく触媒分離を円滑に行えることが見いだ
された。
【0019】濾過器の濾材のスラリー側通過断面の管直
径、または平板であればその最小間隙の寸法は、好まし
くは1ミリメートル以上で、100ミリメートル以下と
する。これは、該寸法が1ミリメートルより小さい場
合、スラリーの詰まりが発生し、安定した運転が難しか
ったり、濾過能力の再生が不能になるためである。ま
た、該寸法が100ミリメートルより大きい場合、大き
な濾過面積が取りにくい、すなわち同一濾過面積でも該
寸法が大きいほど濾過装置は大きなものとなってしま
う。
【0020】クロスフロー濾過器において、濾過面での
流動するスラリーの剪断力を与えるためにスラリー線速
度は、系のスラリー濃度、粘度、触媒粒子径、濾過器の
フィルター直径などにもよるが、0.05m/秒以上と
し、好ましくは0.1〜20m/秒とする。スラリー線
速度を大きくすると剪断力は大きくなりケーク厚みは薄
くなるため濾過速度は大きくなるが、濾過器を通過する
スラリーの入口と出口の圧力差が大きくなり、スラリー
循環のための必要動力が大きくなってしまう。逆にスラ
リー線速が0.05m/秒より小さいと、剪断力が小さ
くなり、ケーク厚みは大きくなり、濾過速度は小さくな
ってしまう。
【0021】クロスフロー濾過器での濾過差圧は20K
g/cm2 以下とし、好ましくは0.05〜10Kg/
cm2 とする。濾過差圧は、ケーク厚みが一定であれば
濾過速度とほぼ比例関係にある。しかし、濾過速度を上
げるため濾過差圧を過剰に上げると、濾過面へのケーク
の付着力が強まり、同一のスラリー線速度では、ケーク
への付着力と剪断力のバランスからケーク厚みが厚くな
るために濾過速度は低下する。これより、濾過差圧を2
0Kg/cm2 より高くするのは濾過性能を低下させる
だけである。
【0022】反応圧力と濾過器内スラリー側圧力は、循
環ポンプを使用すれば全く別々に設定できる。しかし、
例えば濾過器側圧力を反応器圧力より下げると、落圧・
昇圧の動力損失があるばかりでなく、触媒表面に吸着さ
れている反応物質が吸・脱着を繰り返すため、触媒活性
が大幅に低下したり、副反応物を生成しやすくなる。従
って、反応器圧力と濾過器スラリー側圧力は、流通圧力
損失程度の差圧とほぼ等しい圧力にすることが望まし
い。また、濾過差圧を確保するため、反応圧力は0.1
Kg/cm2 ゲージ圧以上の加圧反応であることが望ま
しい。
【0023】濾過器内スラリー温度は、スラリーが液相
で流動状態を保っていればよい。すなわち、濾過器内で
沸騰したり凝固しない様に保たれていればよい。通常は
反応器内の生成物温度で濾過器を流通させるが、例えば
シール材の材質上の問題がある場合には、濾過器側温度
を反応温度より下げることにより腐食を防止することも
考えられるため、必ずしも反応温度と濾過温度を一致さ
る必要はない。
【0024】本発明において使用するアルデヒドとして
は、不飽和の部分を有するアルデヒドであり、例えば、
アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドな
どの脂肪族α・β−不飽和アルデヒド;ベンツアルデヒ
ド、トリルアルデヒド、ベンジルアルデヒド、フタルア
ルデヒドなどの芳香族アルデヒド;並びにこれらアルデ
ヒドの誘導体などがあげられる。これらのアルデヒドは
単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いること
ができる。
【0025】本発明において使用するアルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、オクタノールなどの脂肪族飽和アルコール;エチレ
ングリコール、ブタンジオールなどのジオール;アリル
アルコール、メタリルアルコールなどの脂肪族不飽和ア
ルコール;ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール
やフェノール類があげられる。特にメチルアルコール、
エチルアルコールなどの低級アルコールが反応が速やか
で好ましい。これらのアルコールは単独もしくは任意の
二種以上の混合物として用いることができる。
【0026】本発明におけるアルデヒドとアルコールと
の使用量比は、アルデヒド/アルコールのモル比で10
〜1/50の範囲が好ましく、3〜1/20の範囲が更
に好ましい。前記モル比が10を越えると、アルデヒド
の分解その他の副反応が顕著になって反応の選択性が低
下するので好ましくなく、逆に1/50未満ではアルコ
ールの回収分離エネルギーが大きくなるので好ましくな
い。
【0027】本発明で使用する酸素は分子状酸素、すな
わち酸素ガス自体または酸素ガスを反応に不活性な希釈
剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形
とすることができ、空気を用いることもできる。反応系
に存在させる酸素の量は、反応に必要な化学量論量以
上、好ましくは化学量論量の1.2倍以上あれば充分で
ある。
【0028】本発明で微粒化した触媒を用いることで、
従来の触媒に比し、低温でも同一反応時間で高転化率を
得ることができるものである。ここで、反応温度として
は、0〜120℃であり、好ましくは20〜100℃で
ある。本発明の反応は減圧下、大気圧下、または加圧下
のいずれでも実施できるが、常圧付近の微加圧で酸素を
吹き込むという簡単な方法でしかも容易に目的とするカ
ルボン酸エステルを高収率で得ることができるという特
徴をもつ。なお反応は回分式または連続式のいずれでも
実施することができ、連続式とした場合には押し出し流
れに近い程、すなわち反応器が完全混合槽一槽の反応よ
りも二槽以上の多槽での反応または1パスの管型反応器
などの方が反応器容積当りの反応量が多いことは言うに
およばない。
【0029】具体的な反応方式としては次の様なプロセ
スが考えられる。但し、本発明は、これらのプロセスの
みに限定されるものではなく、例えばこれらを多段に組
み合わせたものでも良い。図1は、攪拌槽型反応器
(1)、クロスフロー濾過器(2)、および循環ポンプ
(3)を組合せたものである。
【0030】図2は、反応器(1)、クロスフロー濾過
器(2)、および循環ポンプ(3)を組み合わせたもの
で、反応器内上部の気相部にクロスフロー濾過器の循環
排出スラリー液をスプレーすることで気液の接触・吸収
を良好に行い反応させるものである。この場合、反応器
内の固・液の混合や気体の吸収を、循環ポンプによる循
環スラリーで行うため、図1の場合に対し反応器の攪拌
機が不用となる。これにより、特に高圧系の反応におい
て、攪拌機の軸シール等の問題がなくなる。
【0031】図3は、ガスリフト方式の反応器(1)、
クロスフロー濾過器(2)を組み合わせたものである。
この場合、気泡ポンプの原理を利用した液循環方式で、
図2の場合に対し循環ポンプを不用とする。これによ
り、押しだし流れに近い反応方式であるため、完全混合
槽よりも反応器は小さくなる。さらにクロスフロー濾過
器においては、気体の分離が不十分でスラリー中へ気体
が混入しても、濾過性能に問題はない。
【0032】図1〜図3において、濾過器の設置方向は
横置きでも、縦置きでも良い。また、濾過器のスラリー
流入・流出方向も、濾過器上部または下部などの制約は
特にない。さらに、濾材の形状は、円管でも平面でも良
い。但し、濾過圧力が大きい場合は、同一の厚みでも強
度の高い円管の方が望ましい。また、スラリーは管内、
管外のどちらに流しても良いが、スラリーを管内に流し
た方がスラリーがスムーズに流れるため望ましい。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
の範囲をこれらの実施例に限定するものではない。な
お、例中の「%」は特にことわらない限り「重量%」を
示す。
【0034】
【実施例1】原料のアルデヒドとしてメタクロレイン、
アルコールとしてメタノールを用い、酸素の存在下で連
続酸化的エステル化反応によるメタクリル酸メチルの製
造を、図1に示すようなプロセスで、以下に示す反応条
件下において行った。装置は内径40mm、内容積1.
2リットルのステンレス製攪拌型反応器を2つ直列に連
結して反応を実施した。反応器は還流コンデンサー、液
フィード口、液抜き出し口、ガス導入口および循環液戻
り口を備えており、電磁式回転攪拌器により攪拌され
る。加熱はジャケットによりなされる。
【0035】反応器からの反応液がスラリー循環ポンプ
を通してクロスフロー濾過器に供給され、固液分離を行
い、濃縮したスラリー液は反応器へ戻し、濾液は次の反
応器または濾液槽に抜きだすようにした。この濾過器
は、セラミック製の多孔体(平均細孔径1〜2ミクロ
ン)のフィルター管を設置し、ガスまたは液にて逆洗浄
操作ができるように逆洗浄装置を取り付けた。
【0036】各反応器にγ−アルミナ(水沢化学ネオビ
ード)にパラジュウム2.5%、鉛5.0%、マグネシ
ウム2.0%を担持した触媒0.3Kgを仕込み、第一
段反応器に22.3%メタクロレイン/メタノール0.
86リットル/Hr、NaOH/MeOH液を0.05
リットル/Hrで供給し、温度80℃、3Kg/cm 2
ゲージの圧力下で空気を2.5Nリットル/Hrの割合
でステンレス焼結板を経て通気しながら反応を行った。
反応器からの反応液はスラリー循環ポンプを通してバル
ブ操作により所定の循環量、すなわちクロスフロー線速
度が約1〜3m/秒になるように操作した。この反応液
を引き続いて第二段反応器にNaOH/MeOH液0.
05リットル/Hrとともに導入し、温度80℃、約
2.0〜2.8Kg/cm2 ゲージの圧力下で第一段反
応器の流出ガスを第二段反応器に通気し、更に空気を
1.5Nリットル/Hr追加して反応を行った。反応液
のpHは第一段、第二段反応器ともに7.0〜7.5に
保つようにNaOH量をコントロールした。
【0037】第二段反応液を分析したところ、メタクロ
レイン転化率は84.7%、メタクリル酸メチル収率7
5.2%(選択率88.8%)であり、イソブチルアル
デヒドとイソ酪酸メチルエステルが微量(選択率0.0
5%)生成した。ここで、濾過速度は反応開始後急速に
低下したが、約100時間で安定化し、安定後の濾過速
度は、200〜300リットル/m2 /hr(濾過器単
位面積当り単位時間当りの濾液量:以下同じ)であっ
た。また、逆洗浄の効果を見るため、逆洗浄を行い再ス
タートしたところ、濾過速度は、ほぼ初期濾過速度まで
回復し約100時間後にほぼ安定化した。この時の濾過
速度は逆洗浄前の安定した値と同等であった。また、触
媒の流出はなかった。
【0038】
【実施例2】実施例1において、スラリー循環ポンプか
らクロスフロー濾過器へ供給する配管の途中に空気を吹
き込んだ(濾過器の温度・圧力で約7容積%で行っ
た)。この結果、液の循環流量を下げ濾過器滞留時間を
長くしたが、イソブチルアルデヒドとイソ酪酸メチルエ
ステルはほとんど生成しなかった。また、スラリーへの
気泡の混入による濾過性能への影響、すなわち触媒流出
もなく濾過速度への影響もほとんどみられなかった。
【0039】
【比較例1】実施例1と同様に連続酸化的エステル化反
応によるメタクリル酸メチルの製造を、図4に示すよう
な沈降分離装置(4)を用いて行った。すなわち触媒と
反応生成液の分離装置に沈降分離方式を用いた以外は、
原料、触媒および反応条件などは実施例1と同じであ
る。この沈降分離装置として触媒の沈降速度を考慮して
直径100ミリメートルで容量1リットルのものを用い
た。
【0040】この結果、メタクロレイン転化率は実施例
1と同程度であったが、イソブチルアルデヒドとイソ酪
酸メチルエステルがかなり(選択率0.4%)生成し
た。また、触媒流出が200時間の運転に対し投入量の
約0.5%あった。
【0041】
【比較例2】比較例1において、スラリー循環ポンプか
らクロスフロー濾過器へ供給する配管の途中に空気を吹
き込んだ(濾過器の温度・圧力で約7容積%で行っ
た)。この結果、イソブチルアルデヒドとイソ酪酸メチ
ルエステルはほとんど生成しなかったが、かなりの触媒
流出(24時間連続運転で仕込量の約3.4%)があっ
た。
【0042】
【実施例3】実施例1と同様に連続酸化的エステル化反
応によるメタクリル酸メチルの製造を、図3に示すよう
なプロセスで行った。すなわちガスリフトによるスラリ
ー循環方式とし反応器に攪拌装置を持たない以外は実施
例1と同じである。装置は内径40mm、内容積1.2
リットルのステンレス製ガスリフト型反応器(塔内に8
メッシュの金網を8cm間隔に水平に設置)を2つ直列
に連結して反応を実施した。反応器は還流コンデンサ
ー、液フィード口、液抜き出し口、ガス導入口および循
環液戻り口を備えており、加熱はジャケットによりなさ
れる。
【0043】反応器からの反応液がクロスフロー濾過器
を通して固液分離を行い、濃縮したスラリー液は反応器
へ戻し、濾液は次の反応器または濾液槽に抜きだすよう
にした。この濾過器は、セラミック製の多孔体(平均細
孔径1〜2ミクロン)のフィルター管を設置し、ガスま
たは液にて逆洗浄操作ができるように逆洗浄装置を取り
付けた。
【0044】各反応器にアルミナ(商品名:住友活性ア
ルミナ)にパラジュウム1.5%、ビスマス2.5%、
リチュウム2.0%を担持した触媒0.6Kgを仕込
み、第一段反応器に22.2%メタクロレイン/メタノ
ール1.8リットル/Hr、NaOH/MeOH液を
0.1リットル/Hrで供給し、温度80℃、3Kg/
cm2 ゲージの圧力下で空気を5Nリットル/Hrの割
合でステンレス焼結板を経て通気することにより触媒お
よび反応液を循環させ反応を行った。反応液はクロスフ
ロー濾過器により濾過を行い、濃縮触媒スラリーは反応
器へ戻し、濾液である反応液を引き続いて第二段反応器
にNaOH/MeOH液0.1リットル/Hrとともに
導入し、温度80℃、2.0〜2.8Kg/cm2 ゲー
ジの圧力下で第一段反応器の流出ガスを第二段反応器に
通気し、更に空気を3Nリットル/Hr追加して反応を
行った。反応液のpHは第一段、第二段反応器ともに
7.0〜7.5に保つようにNaOH量をコントロール
した。
【0045】第二段反応液を分析したところ、メタクロ
レイン転化率は80.3%、メタクリル酸メチル収率7
1.4%(選択率88.9%)であり、イソブチルアル
デヒドとイソ酪酸メチルエステルが微量(選択率0.0
5%)生成した。ここで、濾過速度は反応開始後急速に
低下したが、約100時間で安定化し、安定後の濾過速
度は、200〜300リットル/m2 /hrであった。
また、逆洗浄の効果を見るため、逆洗浄を行い再スター
トしたところ、濾過速度は、ほぼ初期濾過速度まで回復
し約100時間後にほぼ安定化した。この時の濾過速度
は逆洗浄前の安定した値と同等であった。また、触媒の
流出はなかった。
【0046】
【比較例3】実施例3と同様に連続酸化的エステル化反
応によるメタクリル酸メチルの製造を、比較例1で使用
した沈降分離装置を用いて行った。すなわち触媒と反応
生成液の分離装置に沈降分離方式を用いた以外は、原
料、触媒および反応条件などは実施例3と同じである。
【0047】この結果、メタクロレイン転化率は実施例
3と同程度であったが、イソブチルアルデヒドとイソ酪
酸メチルエステルがかなり(選択率0.5%)生成し
た。また、触媒流出が200時間の運転に対し投入量の
約0.2%あった。
【0048】
【実施例4】触媒に微粒化触媒を用いた以外は実施例3
と同じ条件で酸化的エステル化反応を行った。ここで使
用した触媒を電子顕微鏡で粒径分布を測定した結果、平
均粒径は約10ミクロンであった。比較として、実施例
1〜3での触媒の平均粒径は約120ミクロンであっ
た。
【0049】この結果、逆洗浄無しで800時間連続的
に酸化的エステル化反応および反応液と触媒の分離を円
滑に行った。反応成績は、メタクロレイン転化率90.
8%で、イソブチルアルデヒドとイソ酪酸メチルエステ
ルが微量(選択率0.06%)生成した。さらに、濾過
速度は反応開始後急速に低下したが、約100時間で安
定化し、安定後の濾過速度は、150〜250リットル
/m2 /hrであった。また、逆洗浄の効果を見るた
め、逆洗浄を行い再スタートしたところ、濾過速度は、
ほぼ初期濾過速度まで回復し約100時間後にほぼ安定
化した。この時の濾過速度は逆洗浄前の安定した値と同
等であった。また、触媒の流出はなかった。
【0050】
【比較例4】触媒と反応生成液の分離装置に比較例1で
用いた沈降分離装置を用いた以外は実施例4と同じ条件
で酸化的エステル化反応を行った。この結果、メタクロ
レイン転化率は実施例4と同程度であったが、イソブチ
ルアルデヒドとイソ酪酸メチルエステルがかなり(選択
率0.7%)生成した。また、かなりの触媒流出(24
時間の運転に対し投入量の約5.7%)があった。
【0051】
【実施例5】反応温度を40℃とした以外は実施例4と
同様にして反応を実施した。この結果、酸化的エステル
化反応および反応液と触媒の分離を円滑に行った。反応
成績はメタクロレイン転化率75.3%で、イソブチル
アルデヒドとイソ酪酸メチルエステルが微量(選択率
0.02%)生成した。
【0052】さらに、濾過速度は実施例4と同様であ
り、触媒流出もなかった。
【0053】
【実施例6】原料濃度として33.3%メタクロレイン
/メタノールを用いた以外は実施例4と同様にして反応
を実施した。この結果、酸化的エステル化反応および反
応液と触媒の分離を円滑に行った。反応成績はメタクロ
レイン転化率76.4%で、イソブチルアルデヒドとイ
ソ酪酸メチルエステルが微量(選択率0.06%)生成
した。
【0054】さらに、濾過速度は実施例4と同様であ
り、触媒流出もなかった。
【0055】
【実施例7】原料として17.8%アクロレイン/メタ
ノールを用いた以外は実施例4と同様にして反応を実施
した。この結果、酸化的エステル化反応および反応液と
触媒の分離を円滑に行った。反応成績はアクロレイン転
化率86.8%で、プロピオンアルデヒドとプロピオン
酸メチルエステルが微量(選択率0.05%)生成し
た。
【0056】さらに、濾過速度は実施例4と同様であ
り、触媒流出もなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明は、触媒と反応生成物含有液との
分離において、クロスフロー方式の濾過を用いるため、
分離装置での滞留時間を短くすることにより副生物の生
成を抑え主反応生成物であるカルボン酸エステルの選択
率を向上し、精製設備の小型化、精製エネルギーの低
減、および反応器の小型化を達成することができる。ま
た、触媒流出による後工程での詰まり・スケーリングや
触媒損失を抑制し、経時的な濾過速度低下の抑制により
長期間にわたり連続的に円滑な運転を実現するものであ
る。そして、沈降速度の遅い系に対し、図4に示すよう
な沈降分離器(4)に比較して触媒分離装置の小型化が
でき、クローズ系であるため安全な運転が可能となる。
さらに、スラリー中への気体混入に対しても濾過性能へ
の影響は無く、撹拌翼や循環ポンプ、配管などでの固体
触媒の衝突による機械的粉砕によりさらなる微粒化した
粒子が発生するが、このような微粒子に対しても精密な
濾過を達成するなどの効果もある。
【0058】さらに、本発明方法を用いることにより微
粒化固体触媒を用いる事が可能となるため、触媒単位容
積当り、単位時間当りの反応量を著しく向上し、反応器
の小型化を達成し、また反応器での触媒分散混合のため
のエネルギーを小さくするなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った実施様態の一例を示す反応装置
の図である。(循環ポンプによるスラリー循環方式、攪
拌型反応装置)
【図2】本発明に従った実施様態の一例を示す反応装置
の図である。(循環ポンプによるスラリー循環方式、循
環液スプレーによる反応装置)
【図3】本発明に従った実施様態の一例を示す反応装置
の図である。(ガスリフトによるスラリー循環方式)
【図4】公知の反応装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 クロスフロー濾過器 3 スラリー循環ポンプ 4 沈降分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭58−198442(JP,A) 特開 昭58−185540(JP,A) 特開 昭58−166936(JP,A) 特開 昭58−154534(JP,A) 特開 昭48−19513(JP,A) 特公 昭48−29204(JP,B1) 特公 昭45−34368(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/56 C07C 67/39,67/44 C07C 69/54,69/78,69/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウムを含む固体触媒と酸素の存在
    下、不飽和アルデヒドあるいは芳香族アルデヒドとアル
    コールとの反応で、カルボン酸エステルを含む液状反応
    生成物を得るに際し、以下の(1)〜(3)を工程順に
    行うことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。 (1)懸濁液流動床にて液状反応生成物を得る工程 (2)主に液状反応生成物からなる触媒懸濁液をクロス
    フロー線速度が0.05m/秒以上のクロスフロー方式
    の濾過により、液状反応生成物と濃縮された触媒懸濁液
    とに分離する工程 (3)懸濁流動床へ前記濃縮された触媒懸濁液を循環す
    る工程
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