JP3261999B2 - 生体組織多次元可視装置 - Google Patents

生体組織多次元可視装置

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英夫 大城
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば超音波診断
装置等の超音波断層画像検出機能を利用した生体組織多
次元可視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置は、線形走査型の超音波
プローブを生体組織表面にあてることにより、そのプロ
ーブの線形走査方向面内の生体組織の断層画像を表示す
るようにしたものである。例えば、人体のある組織を観
察又は可視化しようとする場合は、超音波診断装置のプ
ローブをその組織に近い体表面にあててパルス状の超音
波を発射し反射された超音波の強度を時間軸に表示す
る。プローブからの上述の超音波を線形走査することに
よって1つの断層画像が得られる。その組織全体の診断
を行うためには、プローブをその線形走査方向と垂直の
方向に移動させながら多数の断層画像を得、これら多数
の断層画像から目視により判断を行う。
【0003】上述したごとき従来の超音波診断技術で
は、多数の断層画像を医師が目視して判断を行うことに
よって、病理、病変を診断し異常部位を見つけていた。
このため、診断には専門的な高度の経験と熟練とが要求
され、特別の訓練を受けた医師が断層画像の読み取りを
行うことが必要であった。即ち、従来の超音波診断装置
は専門の医師が画像を解読して診断をおこなうためのも
のであった。
【0004】また、従来の超音波診断装置は、主に内臓
を観測するためのものであり、骨、腱、筋肉組織等を簡
便にかつ専門的な解読技術なしに観察できる装置はほと
んど存在しなかった。X線撮像装置によれば、四肢の骨
等の観測を行うことができるが、X線を扱うには特別の
資格が必要であり、また照射による危険性を伴うという
不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、特別の経
験がなくとも生体組織の観察が容易に行える生体組織多
次元可視装置として、生体組織の互いに平行な複数の断
面について超音波診断することにより記憶されている各
断層毎の断層画像データを読み出し、そのデータのうち
の、所定領域内に存在している超音波進行方向に沿った
画素データの平均値を算出し、生体組織の各断面につい
ての2次元画像データを得た後、求めた2次元画像デー
タに基づく2次元画像と記憶されている断層画像画素デ
ータに基づく所望の断面の断層画像とを同一の画面上に
表示するようにしたものを既に提案している(特開平7
−241296号公報)。
【0006】この提案した生体組織多次元可視装置によ
れば、所望の断面に関する断層画像の隣にその生体組織
の2次元の画像が表示されるので、その断層画像の生体
組織に関する関係が直感的に把握でき、特別の経験がな
くとも生体組織の解析を容易に行うことができる。
【0007】しかしながら、生体には種々の組織が存在
しており、観察しようとする組織以外の不要な組織も2
次元画像上に表示されてしまうため、画像の解読、異常
部位の発見等が困難となっていた。
【0008】従って本発明の目的は、本出願人によって
既に提案したものをさらに改良し、生体組織の観察がさ
らに容易に行える生体組織多次元可視装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、生体組
織の互いに平行な複数の断面の各々について、超音波進
行方向及び超音波走査方向に配列される複数の画素デー
タからなる超音波断層画像データを形成する超音波断層
画像検出手段と、超音波断層画像検出手段を用いて形成
した各断面毎の断層画像画素データを一時的に格納する
記憶手段と、記憶手段に格納されている断層画像画素デ
ータから生体組織の各断面における層表面位置を検出し
層表面座標データをそれぞれ形成する層表面位置検出手
段と、層表面位置検出手段の形成した各断面における層
表面座標データを補正することにより各断面毎の関心領
域を任意に設定可能とする手段と、各断面毎に、記憶手
段に格納されている断層画像画素データのうちの前記関
心領域内に存在している超音波進行方向に沿った画素デ
ータの平均値を算出する平均値算出手段と、算出した平
均値について、生体組織の複数の断面の位置と超音波走
査方向の位置とに対応する2次元画像データを求める2
次元画像データ計算手段と、求めた2次元画像データに
基づく2次元画像を画面上に表示する表示手段とを備え
た生体組織多次元可視装置が提供される。この場合、関
心領域は、少なくとも複数の前記断面において互いに異
なる範囲に設定されることが好ましい。本発明によれ
ば、さらに、生体組織の互いに平行な複数の断面の各々
について、超音波進行方向及び超音波走査方向に配列さ
れる複数の画素データからなる超音波断層画像データを
形成する超音波断層画像検出手段と、超音波断層画像検
出手段を用いて形成した各断面毎の断層画像画素データ
を一時的に格納する記憶手段と、記憶手段に格納されて
いる断層画像画素データから生体組織の1つの断面にお
ける層表面位置を検出し層表面座標データをそれぞれ形
成する層表面位置検出手段と、層表面位置検出手段の形
成した1つの断面における層表面座標データを補正する
ことによりこの断面の関心領域を任意に設定可能とする
手段と、各断面毎に、記憶手段に格納されている断層画
像画素データのうちの上述の関心領域内に存在している
超音波進行方向に沿った画素データの平均値を算出する
平均値算出手段と、算出した平均値について、生体組織
の複数の断面の位置と超音波走査方向の位置とに対応す
る2次元画像データを求める2次元画像データ計算手段
と、求めた2次元画像データに基づく2次元画像を画面
上に表示する表示手段とを備えた生体組織多次元可視装
置が提供される。
【0010】生体組織の互いに平行な複数の断面につい
て超音波診断することにより各断層毎の断層画像データ
を記憶しておくと共に、記憶手段に格納されている断層
画像画素データから生体組織の各断面又は1つの断面に
おける層表面位置を検出し層表面座標データをそれぞれ
形成し、その各断面又は1つの断面における層表面座標
データを補正することにより各断面毎又は1つの断面の
関心領域を任意に設定しておき、各断面毎に、記憶され
ている断層画像画素データのうちの設定された関心領域
内に存在している超音波進行方向に沿った画素データの
平均値が算出され、算出した平均値について、生体組織
の複数の断面の位置と超音波走査方向の位置とに対応す
る2次元画像データが求められて画面上に表示される。
このように、層表面位置を表す層表面座標データを補正
することにより各断面毎又は1つの断面の関心領域を任
意に設定しているため、観察しようとする組織以外の不
要な組織を関心領域から除去でき、所望部分のみが積算
され強調されて2次元画像上に表示することができる。
その結果、生体組織の解析を非常に容易に行うことがで
きる。
【0011】
【0012】本発明によれば、生体組織多次元可視装置
は、記憶手段に格納されている断層画像画素データを、
指定された断面毎に、断層画像の位置を所定量づつずら
しながら重ね書きして3次元画像データを求める3次元
画像データ計算手段をさらに備えており、上述の表示手
段は、求めた3次元画像データに基づく3次元画像を2
次元画像と同一の画面上に表示する表示手段であり、3
次元画像データ計算手段は、各断面毎に任意に指定され
た関心領域内に存在している画素データのみを重ね書き
すると共に、各画素の重ね書きすべき画素データが画素
に書き込まれている画素データより高い輝度を有する場
合にのみ重ね書きを行うように構成されていることが好
ましい。
【0013】表示手段は、所望領域における断層画像画
素データの輝度を部分的に強調して表示するものである
ことが好ましい。これにより、3次元画像の立体感がよ
り強調されることとなる。その場合、表示手段は、所望
領域における断層画像画素データの輝度を超音波走査方
向の中心部で最大とし、中心部から超音波走査方向に離
れるに従って徐々に低下させて表示するものであるかも
しれない。
【0014】表示手段が、記憶手段に格納されている断
層画像画素データに基づく所望の断面の断層画像を同一
の画面上に表示する表示手段であることが好ましい。
【0015】表示手段は、所望の断面の断層画像とこの
所望の断面の位置を表示した(線、マーク等による)2
次元画像及び3次元画像とを同一の画面上に表示するも
のであることが好ましい。このように、線、マーク等に
よって所望の断面の位置を表示することにより、断層画
像と生体組織との関係がより直感的に把握できる。
【0016】
【0017】記憶手段に格納されている、関心領域以外
の断層画像画素データを削除する削除手段をさらに備え
ることも好ましい。
【0018】
【0019】
【0020】超音波断層画像検出手段から生体組織内へ
出力される超音波の周波数は、操作者側から任意に設定
可能であることが好ましい。2次元画像及び3次元画像
作成時に超音波周波数を切り替えることにより、生体を
組織別に識別し易くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施形
態を詳細に説明する。
【0022】図1は本発明の生体組織多次元可視装置の
一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。
【0023】同図において、10は超音波診断装置、1
1はこの超音波診断装置10のプローブである。この超
音波診断装置10は市販の一般的な超音波診断装置の構
成を有するものであり、同図に示すように高周波パルス
電圧を発生する発振器10aと、この高周波パルスを増
幅してプローブ11に送り出す送信アンプ10bと、プ
ローブ11から送られる反射パルス(エコー信号)を受
けて増幅する受信アンプ10cと、受信アンプ10cの
出力を表示する例えば液晶表示装置又はCRT等の表示
部10dと、受信アンプ10cの出力をデジタルデータ
に変換するA/Dコンバータ10eと、送信する高周波
パルスと表示部10d及びA/Dコンバータ10eとの
同期や発振周波数の選択制御等のその他の制御を行うコ
ントローラ10fとを有している。
【0024】発振器10aの発振周波数は超音波パルス
の周波数(プローブ周波数)に対応しており、その値は
後述するデジタルコンピュータ14側から制御基板13
を介して切り替え制御可能となっている。これは、2次
元画像及び3次元画像作成時に超音波周波数を切り替え
ることにより、生体を組織別に識別し易くするためであ
る。この切り替えは、検査対象12aの種類及び位置等
に応じて操作者が画面を見ながら指示可能となってい
る。周波数を高く設定すれば(例えば7.5MHz以
上)、体表近くの組織を高分解能で可視化可能となり、
周波数を低く設定すれば(例えば5.0MHz以下)、
体表から深い部分までの広範囲の組織を可視化可能とな
る。また、この周波数は、検査対象12aが骨であるの
か筋肉や血管等の軟部組織であるのか内臓であるのか等
に応じても選択される。本実施形態においては、3.5
MHz、5.0MHz、7.5MHzのうちから任意に
切り替え選択できるように構成されている。なお、本実
施形態では、プローブ11に広帯域型のものを利用して
いるため、1種類のプローブ11でほとんどの周波数を
カバー可能であるが、帯域の狭いプローブ11を用いた
場合には、発振周波数に応じてプローブ11を交換する
ことがある。
【0025】プローブ11は、多数の圧電振動子を1次
元配列した線形走査型の超音波プローブである。このプ
ローブ11は、図示されてない水袋又は体表に塗られた
ゼリー状の油を介して検査すべき人体12の皮膚表面に
接触保持される。診断装置本体からこのプローブ11へ
送られた高周波パルスは、1次元配列された各圧電振動
子に順次切り換えて印加され、これにより各圧電振動子
から人体12の生体組織に超音波パルスが発射される。
人体12内の検査対象12a等で反射された超音波エコ
ーは、各圧電振動子に印加されて電気的パルスに変換さ
れてエコー信号となり、診断装置本体へ送られる。
【0026】超音波診断装置10のA/Dコンバータ1
0eの出力は、制御基板13を介して、例えばパーソナ
ルコンピュータ等によるデジタルコンピュータ14の入
力インタフェース(図示なし)に接続されている。コン
ピュータ14は、図示されてないCPU(中央処理装
置)、後述するプログラムが格納されているROM(リ
ードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、これらを接続するバス、その他一般的な制御回路
を有しており、さらに図示のごときキーボード14aや
マウス14bのごとき入力機器、CRT14c、外部メ
モリ14d等を一般的に備えている。
【0027】制御基板13は、超音波診断装置10とデ
ジタルコンピュータ14との間の循環バッファの働きを
行うものであり、図2に示すように、超音波診断装置1
0から送られる断層画像データを一時的に格納しておく
画像メモリ13aを備えている。この画像メモリ13a
は、一般的なRAMで構成可能であり、本実施形態では
150画像分の断層画像データが格納できる容量を有し
ている。この容量を越えるデータが入力された場合は、
先頭アドレスから順次オーバーライトされ、従って15
0画像分の最新画像データが常に記憶されていることと
なる。
【0028】画像メモリ13aの前後には入出力制御装
置13b及び13cがそれぞれ接続されている。入出力
制御装置13cには、図1に示す体表温度分布データを
測定するサーモ体表観察装置15及びモアレ縞分布観察
装置16が接続されており、所定モード時には各装置か
らのデータをコンピュータ14に取り込むように構成さ
れている。
【0029】次に本実施形態の動作をデジタルコンピュ
ータ14のフローチャートに基づいて説明する。図3
は、超音波断層画像データの取り込み動作制御プログラ
ムを説明するフローチャートである。
【0030】まず、ステップS1において、プローブ周
波数制御信号を超音波診断装置10へ出力し、超音波周
波数の設定を行う。これは、操作者がその場合の最適周
波数を画面の表示を見ながら任意に設定する。この設定
により、超音波診断装置10のコントローラ10fは、
発振器10aの発振周波数を制御する。次いで、キーボ
ード14aやマウス14bによって、操作者が超音波断
層画像データの取り込みを指示すると、ステップS2に
おいて、超音波診断装置10へ起動信号が出力される。
次のステップS3では、取り込み動作が所定時間遅延さ
れる。これは、取り込み指示からプローブ11の移動開
始までの時間的遅れを吸収するためである。
【0031】操作者又は図示しない自動送り装置がプロ
ーブ11を人体12の層表面を所定の軸に沿って一定速
度で移動させている間にステップS4及びステップS5
の処理が実行される。ステップS4では、従来と同様の
超音波診断が行われて1画面(1フレーム)分の、即ち
1つの断面についての、超音波断層画像データが取り込
まれ、制御基板13の画像メモリ13a内に格納され
る。ステップS5では、あらかじめ指定した分の断面
(フレーム)の画像を取り込んだかどうか判別する。こ
の判別は、実際に取り込んだ断面数が指定数となったか
どうか判定してもよいし、又は起動してから所定時間経
過したかどうか判定することによってもよい。後者の方
が処理内容を簡易化できる。指定された全ての断面の取
り込みが終了してない場合は、ステップS4へ戻り、終
了した場合はステップS6へ進む。
【0032】ステップS6では、超音波診断装置10へ
停止信号が出力される。この時点で、画像メモリ13a
内には指定数の断面に関する超音波断層画像データが格
納されている。即ち、図4に示すように、画像メモリ1
3a内には人体12の互いに異なるn個の断面D1 〜D
n についての断層画像データが各断層毎に蓄積されるこ
とになる。
【0033】図5は、画像表示動作制御プログラムを説
明するフローチャートである。
【0034】キーボード14aやマウス14bによっ
て、操作者が画像表示を指示すると、ステップS11に
おいて画像表示処理動作を開始する。次いでステップS
12において、制御基板13の画像メモリ13aに格納
されている超音波断層画像データをコンピュータ14の
RAMへ1画像分(1フレーム分=1断面分)だけ取り
込む。
【0035】次のステップS13では、この取り込んだ
超音波断層画像データについて低レベルのエコー部分を
カットする処理を行う。この処理は、プローブ11と皮
膚表面との間で生じるノイズを除去するために行われる
ものであり、その内容について、以下、図6及び図7を
用いて説明する。
【0036】図6はステップS13における処理を説明
するフローチャートであり、図7は1つの断面の画像と
その超音波断層画像データとの対応関係を示す図であ
る。図7に示すように、1断面分の超音波断層画像デー
タは、超音波線形走査方向(X軸、行方向)と超音波進
行方向(Y軸、列方向)とのマトリクスで配列された多
数の画素データPXYで構成されている。
【0037】図6のステップS131において、コンピ
ュータ14のRAM内の超音波断層画像データの先頭ア
ドレスにポインタを合わせ、その画素データP00を読み
出す。各画素データPXYはエコーレベルに応じた0〜2
55の階調値で表されおり、次のステップS132では
読み出した画素データP00が階調値50以下であるかど
うか判別する。画素データが階調値50以下の場合の
み、次のステップS133においてその画素データP00
の階調値を0としコンピュータ14のRAMに再格納す
る。次のステップS134ではY軸方向(超音波進行方
向、図7を参照のこと)の次の行の画素データP10に対
応する位置にアドレスを歩進させる。次のステップS1
35ではY軸方向の全ての画素データP01、P02
03、・・・、P0mについて以上の処理が終了したかど
うか判別し、終了してない場合はステップS131に戻
ってこれら画素データについて同様の処理を行う。終了
した場合は次のステップS136においてX軸方向(超
音波線形走査方向、図7を参照のこと)の次の列の先頭
行の画素データP01に対応する位置にアドレスを歩進さ
せる。次のステップS137ではX軸方向についても最
後の列の画素データPn0、Pn1、・・・、Pnmまで処理
が終了したかどうか判別し、終了してない場合はステッ
プS131に戻って同様の処理を繰り返して行う。終了
した場合は図5のステップS14へ進む。
【0038】ステップS14では、皮膚表面の座標値の
検出を行う。この処理は、超音波断層画像データを超音
波の進行方向に順次チェックして隣接する画素データ間
の階調差が0ではなくなった位置を皮膚表面として検出
するものであり、そのより詳しい内容が図8に示されて
いる。
【0039】図8のステップS141において、ステッ
プS13の処理が実施された後のコンピュータ14のR
AM内の超音波断層画像データが格納されている先頭ア
ドレスにポインタを合わせ、その画素データP00を読み
出す。次のステップS142では前の画素データとの階
調値の差が0であるかどうか判別する。階調値の差が0
でなくなった場合のみ、この位置が皮膚表面であると判
断して次のステップS143においてその画素データの
座標値をコンピュータ14のRAMに格納する。階調値
の差が0である場合はステップS144へ進み、Y軸方
向(超音波進行方向、図7を参照のこと)の次の行の画
素データP01に対応する位置にアドレスを歩進させる。
次のステップS145ではY軸方向の全ての画素データ
01、P02、P03、・・・、P0mについて以上の処理が
終了したかどうか判別し、終了してない場合はステップ
S141に戻ってこれら画素データについて同様の処理
を行う。終了した場合及び階調値の差が0でなくなりス
テップS143の処理を実行した場合は次のステップS
146においてX軸方向(超音波線形走査方向、図7を
参照のこと)の次の列の先頭行の画素データP01に対応
する位置にアドレスを歩進させる。次のステップS14
7ではX軸方向についても最後の列の画素データPn0
n1、・・・、Pnmまで処理が終了したかどうか判別
し、終了してない場合はステップS131に戻って同様
の処理を繰り返して行う。終了した場合は図1のステッ
プS15へ進む。
【0040】以上の処理によりRAM内には、この超音
波断層画像データにおける皮膚表面20(図7参照)の
座標データが蓄積されることとなる。即ち、プローブ1
1と人体の層表面との間には水を詰めた水袋又はゼリー
状の油のみでありプローブ11から発射された超音波ビ
ームが音響インピーダンスの違いにより最初に反射する
のは、その皮膚表面であるとみなされるので、階調値の
差が0であるかどうか判別することによって皮膚表面の
位置が分かるのである。
【0041】図5のステップS15では、指定された全
ての断面について以上のステップS12〜S14の処理
が終了したかどうか判別する。終了していない場合はス
テップS12へ戻って同様の処理を繰り返して行う。終
了した場合はステップS16へ進む。
【0042】ステップS16では、任意の断面において
皮膚表面補正曲線を作成して各断面毎の関心領域の設定
を行う。このステップS16の詳しい内容が図9及び図
12に示されている。図9は全ての断面についてそれぞ
れ皮膚表面位置を実際に補正する場合であり、図12は
指定された断面のみについて皮膚表面位置を補正し、他
の断面については前の断面と同じ補正量を用いるように
補正処理作業の簡易化を図った場合である。
【0043】図9の例では、まずステップS161にお
いて、全ての断面のうちの1つの断面における検出され
た皮膚表面の座標データを読み出し、検出された皮膚表
面位置30をCRT14c上に表示する。次いで、ステ
ップS162において、マウス14bを操作することに
よってそのフレームにおける皮膚表面位置30を上下方
向に移動させて補正する。このマウス操作は、図10に
示すように、皮膚表面位置に沿って等間隔に表示された
複数の基点のうち、選択された基点31aをドラッグし
て上下方向(Y軸方向)に移動させるものである。これ
により、基点31aと左右の基点31b及び31cはス
プライン曲線等で結ばれる。なお、各基点は左右方向
(X軸方向)に任意に移動可能となっている。
【0044】次のステップS163では、マウス操作に
よって補正されたY軸方向の補正量をX軸方向の全ての
列について算出し、これら補正量を皮膚表面位置のY座
標に加算してその断面における皮膚表面補正曲線を作成
する。作成した皮膚表面補正曲線の座標データはコンピ
ュータ14のRAMに格納される。
【0045】図11は、このようにして作成した皮膚表
面補正曲線及びこれによって規定される関心領域を表わ
した超音波断層像である。同図において、40は皮膚表
面位置、41は皮膚表面補正曲線をそれぞれ表わしてい
る。関心領域42は皮膚表面側の境界がこの皮膚表面補
正曲線41によって規定され、反対側の境界が曲線43
によって規定される。即ち、皮膚表面補正曲線41と曲
線43とに挟まれた領域が関心領域42となる。
【0046】従来技術(前述した本願出願人による技
術)においては、関心領域の皮膚表面側の境界は同図の
破線に示すように皮膚表面に沿った(平行な)曲線4
1′か又は直線となっており、従って、関心領域は皮膚
表面に沿った帯状であるか又はストリップ形状となって
いた。しかも、全ての断面において一定の形状であっ
た。このため、従来技術においては、表示に不要な組織
も関心領域内に含まれてしまうという不都合があった。
【0047】しかしながら、本実施形態においては、図
示のように皮膚表面補正曲線41が任意に変更可能な曲
線であり、表示すべき骨44以外の組織45を関心領域
42から取り除くことができるので、後述する2次元画
像及び/又は3次元画像において、この骨44の部分が
鮮鋭化されて表示されることとなる。しかもその皮膚表
面補正曲線41を断面毎に設定できるので、その効果は
より大きくなる。なお、関心領域42の反対側の境界を
規定する曲線43は、超音波断層像がこの部分では不鮮
明となりその形状の影響が少ないと思われるので本実施
形態では皮膚表面に沿った(平行な)形状となっている
が、この形状も皮膚表面補正曲線41と同様に任意に変
更してもよいことは明らかである。
【0048】次のステップS165では、全ての断面に
ついて以上のステップS161〜S163の処理が全て
終了したかどうか判別する。終了していない場合はステ
ップS161へ戻って同様の処理を繰り返して行う。終
了した場合は図5のステップS17へ進む。
【0049】図12の例では、まずステップS161′
において、指定された複数の断面(例えば、所定数毎の
断面又はあらかじめ決められた複数位置の断面)のうち
の1つの断面における検出された皮膚表面の座標データ
を読み出し、検出された皮膚表面位置30をCRT14
c上に表示する。次いで、ステップS162′におい
て、マウス14bを操作することによってそのフレーム
における皮膚表面位置30を上下方向に移動させて補正
する。このマウス操作は、図10に示すように、皮膚表
面位置に沿って等間隔に表示された複数の基点のうち、
選択された基点31aをドラッグして上下方向(Y軸方
向)に移動させるものである。これにより、基点31a
と左右の基点31b及び31cはスプライン曲線等で結
ばれる。なお、各基点は左右方向(X軸方向)に任意に
移動可能となっている。
【0050】次のステップS163′では、マウス操作
によって補正されたY軸方向の補正量をX軸方向の全て
の列について算出する。
【0051】次のステップS164′においては、現在
の断面も含め次の指定断面の直前の断面までの全ての断
面について、ステップS163′で算出した補正量を皮
膚表面位置のY座標に加算することにより、各断面にお
ける皮膚表面補正曲線を作成する。作成した皮膚表面補
正曲線の座標データはコンピュータ14のRAMに格納
される。
【0052】次のステップS165′では、指定された
全ての断面について以上のステップS161′〜S16
4′の処理が全て終了したかどうか判別する。終了して
いない場合はステップS161′へ戻って同様の処理を
繰り返して行う。終了した場合は図5のステップS17
へ進む。
【0053】このように図12の例では、指定された断
面のみについて皮膚表面位置を補正し、他の断面につい
ては前の断面と同じ補正量を用いて補正を行っているた
め、補正処理におけるオペレータの作業が大幅に簡易化
される。
【0054】図1のステップS17では、超音波断層画
像データから骨等の所望組織の2次元画像データを求
め、これに基づいて2次元輝度画像をCRT14c上に
表示する。ステップS17のより詳しい内容が図13に
示されている。
【0055】図13のステップS171において、コン
ピュータ14のRAM内のポインタによって指定された
1つの断面における超音波断層画像データ、皮膚表面の
座標データ及び皮膚表面補正曲線の座標データを読み出
す。次いでステップS172において、皮膚表面の座標
データ及び皮膚表面補正曲線の座標データからその断面
における関心領域(図11の42)を特定し、その関心
領域以外の画素データを超音波断層画像データから削除
する。
【0056】次のステップS173においては、関心領
域42(図11参照)内において超音波進行方向即ち深
さ方向(Y軸方向、列方向)の超音波断層画像画素デー
タの平均値を算出する。この平均値は、各画素データ列
について算出される。平均値の算出方法としては、関心
領域内における各列の全ての画素データの和を関心領域
内におけるその列の画素数で割り算することによって得
られる。このステップS173においては、指定された
断面における全ての列の平均値が算出されることとな
る。
【0057】次いで、ステップS174において、指定
された断面についてのX軸に沿った算出平均値が(例え
ば256階調の)輝度情報に変換され、1本の線の輝度
画像としてCRT14c上に表示される。これは、例え
ば図14の破線51aに沿った線画像に相当している。
【0058】次のステップS175においては、ポイン
タを次の断面における超音波断層画像データ、皮膚表面
座標データ及び皮膚表面補正曲線座標データに移動す
る。ステップS176では、指定画像分の全ての断面に
ついて上述のステップS171〜S175の処理が終了
したかどうか判別する。終了していない場合はステップ
S171へ戻って次の断面の関心領域を特定して同様の
処理を繰り返して行う。全ての断面について終了した場
合は図5のステップS18へ進む。
【0059】以上の処理によりコンピュータのCRT1
4c上には、図14に示すように、所望の部分のみを鮮
鋭化した2次元の輝度画像51(この場合、人間の指の
骨)がX線像のごとく表示されることとなる。
【0060】図5のステップS18では、図14に示す
ように、指定された断面についての断層画像52がコン
ピュータ14のRAM内に格納されている超音波断層画
像データを用いて、2次元の輝度画像51と同一の画面
50内に表示される。次のステップS19では、指定さ
れた断面の位置を表す線51aが2次元画像51上に異
なる色で表示され、これによって2次元輝度画像と断層
画像との対応関係が一目で分かるようになる。この断面
の位置の表示としては、異なる色の線51aを設ける以
外に、例えば、(1)その線51aを破線、鎖線又は点
滅線等の特別の線とする、(2)指定された断面の位置
の横にマーク(点滅しないもの、点滅したもの又は異な
る色のもの)等を付随させる等がある。
【0061】例えばキーボード14a又はマウス14b
等を用いて、画面50上で線51aを移動させることに
よって所望の断面を指定し、その指定された断面の超音
波断層画像データを画面50上に表示することができ
る。
【0062】本実施形態の以上述べた構成によれば、関
心領域の形状が任意に変更可能であり、従って表示すべ
き組織以外の組織をこの関心領域から取り除くことがで
きるので、2次元輝度画像において表示すべき組織の部
分が鮮鋭化されて表示されることとなる。しかもその関
心領域の形状を断面毎に任意に設定できるので、その効
果はより大きくなる。もちろん、所望の断面に関する断
層画像の隣に検査対象の2次元輝度画像が表示され、し
かも2次元輝度画像のどの位置の断層画像かが明示され
るので、両者の関係が具体的(客観的)に把握できる。
従って本実施形態によれば、特別の経験がなくとも人体
組織、例えば骨、軟部組織の腱、筋結合組織等の損傷変
化の解析を非常に容易に行うことができる。このため、
骨折、打撲、捻挫等、外部からは診断できないもの及び
X線撮像でも診断が難しいものについて、特別の経験が
ないものでも把握することができる。しかも操作が簡単
であり、容易に骨、腱、筋肉組織について観察すること
ができる。また、X線のごとく危険性もなく、操作に法
的な制限がないのでだれでも簡便に使用することができ
る。さらに、CTスキャン装置等に比してはるかに安価
に製造することができる。
【0063】なお、上述の実施形態においては、骨や軟
部組織補も所望の組織の2次元画像を輝度画像で表して
いるが、これら所望の組織の2次元画像を適当な数の階
調値別に異なる色とした色画像で表示することにより体
内の損傷変化をより明瞭に表示するようにしてもよいこ
とは明らかである。
【0064】図15は、本発明の生体組織多次元可視装
置の他の実施形態における超音波断層画像表示動作制御
プログラムを説明するフローチャートである。
【0065】この実施形態における多次元可視装置の構
造及び超音波断層画像データの取り込み動作制御処理内
容は、図1〜図12に示す上述の実施形態の場合とほぼ
同様である。従って以下の説明において、同様の要素は
同じ参照番号で引用する。
【0066】キーボード14aやマウス14bによっ
て、操作者が画像表示を指示すると、ステップS21に
おいて画像表示処理動作を開始する。次いでステップS
22において、制御基板13の画像メモリ13aに格納
されている超音波断層画像データをコンピュータ14の
RAMへ1画像分(1断面分)だけ取り込む。
【0067】次のステップS23では図5のステップS
13と同様に取り込んだ超音波断層画像データについて
低レベルのエコー部分をカットする処理を行い、次のス
テップS24では図5のステップS14と同様に皮膚表
面の座標位置の検出処理を行う。
【0068】次のステップS25では、指定画像(断
面)分について以上のステップS22〜S24の処理が
全て終了したかどうか判別する。終了していない場合は
ステップS22へ戻って同様の処理を繰り返して行う。
終了した場合はステップS26へ進む。
【0069】ステップS26では図5のステップS16
と同様に皮膚表面補正曲線の作成処理を行う。次のステ
ップS27では、図5のステップS17と同様に所望組
織の2次元画像データを求め、2次元輝度画像の表示を
行ってその次のステップS28へ進む。なお、ステップ
S27の処理によりコンピュータのCRT14c上に
は、図20に示すように、所望の部分のみを鮮鋭化した
2次元の輝度画像51(この場合、人間の指の骨)がX
線像のごとく表示されることとなる。
【0070】ステップS28では、表示したい組織(こ
の場合骨部分)について輝度を部分的に強調する処理を
行う。このステップS28のより詳しい内容が図16に
示されている。
【0071】図16のステップS281では、任意の断
面(この断面を最初のフレームとする)において強調し
たい骨部分を中心に任意の大きさの強調領域を設定す
る。強調領域の形状としては、矩形形状、楕円形状、そ
の他の閉曲線形状とすることが、この例では説明を簡単
にするため、矩形形状とする。この強調領域の設定は、
図17に示すように、その断面の画像をCRT14c上
に表示し、マウス14bを操作することによって設定す
ることが好ましい。なお、図17において、60は皮膚
表面、61は皮膚表面補正曲線、62は関心領域、63
は関心領域の他方の境界、64は骨部分、66は設定さ
れた強調領域をそれぞれ示している。
【0072】次のステップS282では、超音波断層画
像データのうちの関心領域62と強調領域66との両方
が重なった部分の画素データをコンピュータ14のRA
Mから読み出す。次いでステップS283においては、
図17に示すように、矩形の強調領域66におけるX軸
方向(超音波走査方向)の中心位置のY軸方向(超音波
進行方向)に並ぶ全ての画素の輝度を100%に、強調
領域66の左右(X軸方向)両端位置のY軸方向に並ぶ
全ての画素の輝度を50%となるように変化させ、さら
にその間の画素の輝度をリニアに補間する。これによっ
て得られた画素データを再びRAMに格納する。
【0073】次のステップS284では、指定された最
終の断面(最終のフレーム)まで以上のステップS28
2〜S283の処理が全て終了したかどうか判別する。
終了していない場合は次の断面について、ステップS2
82へ戻って同様の処理を繰り返して行う。終了した場
合は図15のステップS29へ進む。以上のステップS
28の強調処理によれば、表示したい組織(この場合骨
部分)について輝度が部分的に強調されるので、この部
分の画像を3次元で表示した場合に、骨の中心部分が最
大輝度となりその左右の輝度が徐々に下がるように表現
されるので立体感をより高めることができる。
【0074】ステップS29では、超音波断層画像デー
タから骨等の所望組織の3次元画像データを求め、これ
に基づいて3次元輝度画像をCRT14c上に表示す
る。ステップS29のより詳しい内容が図18に示され
ている。
【0075】図18のステップS291においては、ま
ず、図19に示すように、最終(Z軸方向)の断面70
を現在フレームとし、その断面70における関心領域7
0aのデータをRAMから読み出し、CRT14c上に
表示する。
【0076】次のステップS292においては、現在フ
レームからZ軸方向で指定されたフレームだけ手前の例
えば1〜3フレーム手前の断面71における関心領域7
1aの画素データをRAMから読み出す。この読み出し
た断面を新たに現在フレームとして扱う。次いでステッ
プS293において、読み出した現在フレームの画素デ
ータの座標をX軸方向及びY軸方向へ所定量だけそれぞ
れシフトする。図19の例では、右方向(X軸の負の方
向)へ1mmシフトしかつ下方向(Y軸の正の方向)へ
1mmシフトする。このシフト方向及びシフト量は任意
に設定できる。例えば、左方向(X軸の正の方向)へ1
mmシフトしかつ下方向(Y軸の正の方向)へ1mmシ
フトしてもよいし、下方向(Y軸の正の方向)へのみ1
mmシフトしてもよい。
【0077】次のステップS294においては、表示さ
れている(書き込まれている)画素データの輝度とシフ
トした後の現在フレームにおける対応する座標の画素デ
ータの輝度とを比較し、現在フレームにおける画素デー
タ(輝度)の方が高い場合のみステップS295におい
て、その画素データを重ね書き表示する。即ち、画素デ
ータを重ね書き表示する条件としては、書き込む位置の
画素で既に表示されている輝度より今回の対応する画素
位置の輝度が高い場合のみ行うものであり、その他の場
合は既に表示されている画素データをそのまま残すもの
である。
【0078】ステップS296においては、関心領域の
全ての画素についてステップS294及びS295の処
理が行われたかどうか判別する。全ての画素が終了して
いない場合はステップS294へ戻って同様の処理を繰
り返して行う。終了した場合はステップS297へ進
む。
【0079】ステップS297では、全ての指定断面に
ついて以上のステップS292〜S296の処理が終了
したかどうか判別する。終了していない場合はステップ
S292へ戻って同様の処理を繰り返して行う。終了し
た場合は図15のステップS30へ進む。
【0080】以上のように、断層画像の位置を所定量づ
つずらしながら重ね書き処理することにより、CRT1
4c上には、図20に示すような3次元輝度画像53が
表示されることとなる。このような3次元輝度画像によ
れば、2次元輝度画像では分かりにくい骨のズレ等を非
常に容易に判別することが可能となる。
【0081】次のステップS30では、図20に示すよ
うに、指定された断面についての断層画像52がコンピ
ュータ14のRAM内に格納されている超音波断層画像
データを用いて、2次元の輝度画像51及び3次元輝度
画像53と同一の画面50内に表示される。次のステッ
プS31では、指定された断面の位置を表す線51a及
び53aがそれぞれ2次元画像51及び3次元画像53
上に異なる色で表示され、これによって2次元輝度画像
及び3次元輝度画像と断層画像との対応関係が一目で分
かるようになる。この断面の位置の表示としては、異な
る色の線51a及び53aを設ける以外に、例えば、
(1)その線51a及び53aを破線、鎖線又は点滅線
等の特別の線とする、(2)指定された断面の位置の横
にマーク(点滅しないもの、点滅したもの又は異なる色
のもの)等を付随させる等がある。
【0082】例えばキーボード14a又はマウス14b
等を用いて、画面50上で線51a及び53aを移動さ
せることによって所望の断面を指定し、その指定された
断面の超音波断層画像データを画面50上に表示するこ
とができる。
【0083】本実施形態の以上述べた構成によれば、3
次元輝度画像が表示されるので、2次元輝度画像よりさ
らに表示すべき組織の部分が鮮鋭化されることとなる。
しかもその輝度を部分的に強調しているので、立体感が
より強くなりその効果は非常に大である。もちろん、所
望の断面に関する断層画像と同一画面に検査対象のこの
3次元輝度画像が表示され、しかも3次元輝度画像のど
の位置の断層画像かが明示されるので、両者の関係が具
体的(客観的)に把握できる。従って本実施形態によれ
ば、特別の経験がなくとも人体組織、例えば骨、軟部組
織の腱、筋結合組織等の損傷変化の解析を非常に容易に
行うことができる。このため、骨折、打撲、捻挫等、外
部からは診断できないもの及びX線撮像でも診断が難し
いものについて、特別の経験がないものでも把握するこ
とができる。しかも操作が簡単であり、容易に骨、腱、
筋肉組織について観察することができる。また、X線の
ごとく危険性もなく、操作に法的な制限がないのでだれ
でも簡便に使用することができる。さらに、CTスキャ
ン装置等に比してはるかに安価に製造することができ
る。
【0084】なお、上述の実施形態においては、3次元
輝度画像、2次元輝度画像及び断層画像を同一画面上に
表しているが、3次元輝度画像及び断層画像のみを表示
するようにしてもよいことは明らかである。
【0085】本実施形態の装置は、以上述べた基本機能
の他に、(1)断層画像を適当な数の階調値別に異なる
色で表示して体内の損傷変化を明瞭に表示する、(2)
断層画像をその組織別に異なる色で表示し、かつ階調値
別に異なる輝度で表示して体内の損傷変化を明瞭に表示
する、(3)検査対象の種類に応じて複数の超音波周波
数で弁別して得た断層画像を合成した断層画像として表
示する機能を付加してもよい。
【0086】また、体表に近い位置にある骨、腱、筋肉
組織については個体差が少なく相似関係にあることがほ
とんどであるため、これら組織に関する標準画像を上述
の断層画像と同時表示するようにして、実際の超音波断
層画像と比較することにより、解析を容易にすることも
可能である。
【0087】サーモ体表観察装置15から得られた体表
温度分布を断層画像と同時表示すれば、腱、筋結合組織
等の損傷変化は超音波断層画像で、その炎症状態は体表
温度分布で1つの画面から同時に把握することができ
る。
【0088】モアレ縞分布観察装置16から得られた筋
組織の緊張変化等に関する画像を断層画像と同時表示す
れば、障害によって生ずる組織の緊張と皮膚の緊張変化
のモアレ表示が同時に把握できるので、従来観察不可能
であった軟部組織の損傷変化をも体の内外から捕えるこ
とができる。
【0089】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明では、
生体組織の互いに平行な複数の断面について超音波診断
することにより各断層毎の断層画像データを記憶してお
くと共に、記憶手段に格納されている断層画像画素デー
タから生体組織の各断面又は1つの断面における層表面
位置を検出し層表面座標データをそれぞれ形成し、その
各断面又は1つの断面における層表面座標データを補正
することにより各断面毎又は1つの断面の関心領域を任
意に設定しておき、各断面毎に、記憶されている断層画
像画素データのうちの設定された関心領域内に存在して
いる超音波進行方向に沿った画素データの平均値が算出
され、算出した平均値について、生体組織の複数の断面
の位置と超音波走査方向の位置とに対応する2次元画像
データが求められて画面上に表示される。このように、
層表面位置を表す層表面座標データを補正することによ
り各断面毎又は1つの断面の関心領域を任意に設定して
いるため、観察しようとする組織以外の不要な組織を関
心領域から除去でき、所望部分のみが積算され強調され
て2次元画像上に表示することができる。その結果、生
体組織の解析を非常に容易に行うことができる。
【0091】記憶手段に格納されている断層画像画素デ
ータを、指定された断面毎に、断層画像の位置を所定量
づつずらしながら重ね書きして3次元画像データを求め
る3次元画像データ計算手段がさらに設けられている。
表示手段は、求めた3次元画像データに基づく3次元画
像を2次元画像と同一の画面上に表示するように構成さ
れており、3次元画像データ計算手段は、各断面毎に任
意に指定された関心領域内に存在している画素データの
みを重ね書きすると共に、各画素の重ね書きすべき画素
データが画素に書き込まれている画素データより高い輝
度を有する場合にのみ重ね書きを行うように構成されて
いる。このように3次元輝度画像が表示されるので、2
次元輝度画像よりさらに表示すべき組織の部分が鮮鋭化
されることとなる。
【0092】また、所望の断面に関する断層画像の隣に
その生体組織の2次元輝度画像及び/又は3次元輝度画
像が表示されるので、その断層画像の生体組織に関する
関係が直感的に把握でき、特別の経験がなくとも生体組
織の解析をより一層容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体組織多次元可視装置の一実施形態
の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の制御基板の構成を概略的に示すブロック
図である。
【図3】超音波断層画像データの取り込み動作制御プロ
グラムを説明するフローチャートである。
【図4】人体とその断層画像との関係を説明する図であ
る。
【図5】画像表示動作制御プログラムを説明するフロー
チャートである。
【図6】図5の低レベルエコーカット処理の内容を説明
するフローチャートである。
【図7】1つの断面例における画像とその超音波断層画
像データとの対応関係を示す図である。
【図8】図5の皮膚表面位置の検出処理の内容を説明す
るフローチャートである。
【図9】図5の皮膚表面補正曲線を作成する処理の一例
を説明するフローチャートである。
【図10】皮膚表面位置の補正動作を説明する図であ
る。
【図11】皮膚表面補正曲線及びこれによって得られる
関心領域を説明する断層像を表す図である。
【図12】図5の皮膚表面補正曲線を作成する処理の他
の例を説明するフローチャートである。
【図13】図5の断層画像データの平均値を算出し各断
面毎の2次元画像データを形成する処理の内容を説明す
るフローチャートである。
【図14】図5の画像表示動作制御プログラムによって
表示される画面例を示す図である。
【図15】本発明の生体組織多次元可視装置の他の実施
形態における画像表示動作制御プログラムを説明するフ
ローチャートである。
【図16】図15の輝度部分強調処理の内容を説明する
フローチャートである。
【図17】図16の強調処理を説明する図である。
【図18】図15の3次元輝度画像データを形成する処
理の内容を説明するフローチャートである。
【図19】図18の3次元輝度画像データの作成動作を
説明する図である。
【図20】図15の画像表示動作制御プログラムによっ
て表示される画面例を示す図である。
【符号の説明】
10 超音波診断装置 10a 発振器 10b 送信アンプ 10c 受信アンプ 10d 表示部 10e A/Dコンバータ 10f コントローラ 11 プローブ 12 人体 12a 検査対象 13 制御基板 13a 画像メモリ 13b、13c 入出力制御装置 14 デジタルコンピュータ 14a キーボード 14b マウス 14c CRT 14d 外部メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−241296(JP,A) 特開 平5−245146(JP,A) 特開 昭60−63034(JP,A) 特開 昭56−70757(JP,A) 特開 昭60−63033(JP,A) 特開 平6−14923(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体組織の互いに平行な複数の断面の各
    々について、超音波進行方向及び超音波走査方向に配列
    される複数の画素データからなる超音波断層画像データ
    を形成する超音波断層画像検出手段と、該超音波断層画
    像検出手段を用いて形成した各断面毎の断層画像画素デ
    ータを一時的に格納する記憶手段と、前記記憶手段に格
    納されている断層画像画素データから前記生体組織の各
    断面における層表面位置を検出し層表面座標データをそ
    れぞれ形成する層表面位置検出手段と、該層表面位置検
    出手段の形成した各断面における層表面座標データを補
    正することにより各断面毎の関心領域を任意に設定可能
    とする手段と、各断面毎に、前記記憶手段に格納されて
    いる断層画像画素データのうちの前記関心領域内に存在
    している超音波進行方向に沿った画素データの平均値を
    算出する平均値算出手段と、該算出した平均値につい
    て、生体組織の前記複数の断面の位置と超音波走査方向
    の位置とに対応する2次元画像データを求める2次元画
    像データ計算手段と、該求めた2次元画像データに基づ
    く2次元画像を画面上に表示する表示手段とを備えたこ
    とを特徴とする生体組織多次元可視装置。
  2. 【請求項2】 前記関心領域は、少なくとも複数の前記
    断面において互いに異なる範囲に設定されることを特徴
    とする請求項1に記載の生体組織多次元可視装置。
  3. 【請求項3】 生体組織の互いに平行な複数の断面の各
    々について、超音波進行方向及び超音波走査方向に配列
    される複数の画素データからなる超音波断層画像データ
    を形成する超音波断層画像検出手段と、該超音波断層画
    像検出手段を用いて形成した各断面毎の断層画像画素デ
    ータを一時的に格納する記憶手段と、前記記憶手段に格
    納されている断層画像画素データから前記生体組織の1
    つの断面における層表面位置を検出し層表面座標データ
    をそれぞれ形成する層表面位置検出手段と、該層表面位
    置検出手段の形成した1つの断面における層表面座標デ
    ータを補正することにより該断面の関心領域を任意に設
    定可能とする手段と、各断面毎に、前記記憶手段に格納
    されている断層画像画素データのうちの前記関心領域内
    に存在している超音波進行方向に沿った画素データの平
    均値を算出する平均値算出手段と、該算出した平均値に
    ついて、生体組織の前記複数の断面の位置と超音波走査
    方向の位置とに対応する2次元画像データを求める2次
    元画像データ計算手段と、該求めた2次元画像データに
    基づく2次元画像を画面上に表示する表示手段とを備え
    たことを特徴とする生体組織多次元可視装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に格納されている断層画像
    画素データを、指定された断面毎に、断層画像の位置を
    所定量づつずらしながら重ね書きして3次元画像データ
    を求める3次元画像データ計算手段をさらに備えてお
    り、前記表示手段は、該求めた3次元画像データに基づ
    く3次元画像を前記2次元画像と同一の画面上に表示す
    る表示手段であり、前記3次元画像データ計算手段は、
    各断面毎に任意に指定された関心領域内に存在している
    画素データのみを重ね書きすると共に、各画素の重ね書
    きすべき画素データが該画素に書き込まれている画素デ
    ータより高い輝度を有する場合にのみ重ね書きを行うよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか1項に記載の生体組織多次元可視装置。
  5. 【請求項5】 前記表示手段は、所望領域における前記
    断層画像画素データの輝度を部分的に強調して表示する
    ものであることを特徴とする請求項4に記載の生体組織
    多次元可視装置。
  6. 【請求項6】 前記表示手段は、前記所望領域における
    前記断層画像画素データの輝度を超音波走査方向の中心
    部で最大とし、該中心部から超音波走査方向に離れるに
    従って徐々に低下させて表示するものであることを特徴
    とする請求項5に記載の生体組織多次元可視装置。
  7. 【請求項7】 前記表示手段は、前記記憶手段に格納さ
    れている断層画像画素データに基づく所望の断面の断層
    画像を同一の画面上に表示するものであることを特徴と
    する請求項1から6のいずれか1項に記載の生体組織多
    次元可視装置。
  8. 【請求項8】 前記表示手段は、所望の断面の断層画像
    と該所望の断面の位置を表示した前記2次元画像とを同
    一の画面上に表示するものであることを特徴とする請求
    項7に記載の生体組織多次元可視装置。
  9. 【請求項9】 前記記憶手段に格納されている、前記関
    心領域以外の断層画像画素データを削除する削除手段を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれ
    か1項に記載の生体組織多次元可視装置。
  10. 【請求項10】 前記超音波断層画像検出手段から生体
    組織内へ出力される超音波の周波数は、操作者側から任
    意に設定可能であることを特徴とする請求項1から9の
    いずれか1項に記載の生体組織多次元可視装置。
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