JP3255845B2 - コネクタ保持器およびこれを用いたコネクタ保持具 - Google Patents

コネクタ保持器およびこれを用いたコネクタ保持具

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JP3255845B2 JP12203996A JP12203996A JP3255845B2 JP 3255845 B2 JP3255845 B2 JP 3255845B2 JP 12203996 A JP12203996 A JP 12203996A JP 12203996 A JP12203996 A JP 12203996A JP 3255845 B2 JP3255845 B2 JP 3255845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤーハーネ
スの端部に設けられるコネクタのハウジングを保持する
ための保持器に関するものである。また、この保持器を
具備し、ワイヤーハーネスの組立工程においてコネクタ
を位置決め保持しておくためのコネクタ保持具に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤーハーネスは、多数の電線を構成
要素として含んでおり、その全体的形態は、一般に複雑
な枝形状を呈している。この枝の部分は、ワイヤーハー
ネスに含まれる多数の電線のうち、所定の複数の電線に
より構成され、当該枝部分の端部には、通常、コネクタ
が設けられる。コネクタは、ワイヤーハーネス相互間の
電気的接続や、当該ワイヤーハーネスと他の電装部品と
の電気的接続のために用いられるものであって、上記各
電線の端部に予め取り付けられ端子金具と、これらが
挿入装着されるハウジングとを有している。ハウジング
には、複数の端子挿入孔が形成されており、各端子金具
は、それぞれ対応する端子挿入孔に一つづつ挿入される
ようになっている。
【0003】ところで、一般に、ワイヤーハーネスは、
組立図板とよばれる道具を用いて組み立てられる。組立
図板は、ワイヤーハーネスの組立作業を行う際の作業台
となる布線板、およびこれに立設された電線支持具等を
備えている。そして、各電線は、電線支持具によって受
け止められた状態で布線板上で布線され、予め設計され
た枝形状となるように形成される。
【0004】図12は、各電線Eの端末部分の布線作業
を示した要部拡大斜視図である。同図を参照して、参照
符号1は、布線板を示しており、参照符号2a,2b
は、電線支持具を示している。また、参照符号3は、コ
ネクタのハウジングを示しており、これに端子金具3a
が挿入される。実際の作業では、複数の電線Eが一度に
布線され、端子金具3aがまとめて挿入されるわけでは
なく、次々と布線される電線Eの先端に取り付けられた
端子金具3aが、ハウジング3の指定された端子挿入孔
3bに逐一挿入されるようになっている。
【0005】詳しく説明すると、先ず、布線された一の
電線Eの端子金具3aをハウジング3に挿入する。そし
て、この状態(ハウジング3に電線Eが一本だけ接続さ
れた状態)で、当該電線Eを電線支持具2aに引っ掛け
てハウジング3を一旦仮保持する。次いで、他の一の電
線Eが布線されると、仮保持されているハウジング3を
手に取り、当該電線Eの端子金具3aを所定の端子挿入
孔3bに挿入する。端子金具3aを挿入した後、再びハ
ウジング3を仮保持する(図12の状態)。このような
作業を繰り返すことにより、コネクタが組み立てられて
ゆく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤーハーネ
スの組み立てにおいては、図12に示したように、ハウ
ジング3は、直接保持されるものではなく、単に電線E
を電線支持具2aに引っ掛けることによって仮保持され
ているだけである。このため、作業中、ハウジング3
は、電線支持具2aから電線の弛みに合わせて多少垂れ
下がった状態となる。このことに起因して、従来では、
次のおよびに示すような2つの問題点があった。
【0007】 ハウジング3を基準とした採寸精度が
悪いという問題があった。詳しく説明すると、ワイヤー
ハーネスの組立工程においては、そのワイヤーハーネス
の仕様に応じてクランプ等の付属部品を電線Eに取り付
けるという工程が含まれることがある。そして、場合に
よっては、この付属部品を特定のコネクタを基準とした
正確な位置に固定しなければならない場合がある。かか
る場合には、特定のコネクタのハウジングの所定の面
(たとえば、ハウジング3の背面3c)を基準として正
確に寸法取りをしなければならない。ところが、ハウジ
ング3が単に仮保持されているだけで位置決めされてい
ないために、正確に寸法取り(採寸)をすることができ
ないという問題があった。
【0008】この問題に対して、従来では、図13に示
すような配索治具が提供されている(特開平7−294
29号公報参照)。同図を参照して、この配索治具は、
ヘッド部分に、複数本のピン4aからなる電線掛部4を
有しており、この電線掛部4にコネクタ支持部材5が装
備されている。コネクタ支持部材5は、略L字状をして
おり、コネクタを載置するための載置板5aと、これに
対して略垂直に立ち上げられた規制壁5bとを有してい
る。
【0009】図14を参照して、この配索治具によれ
ば、布線作業時において、コネクタのハウジング3は、
載置板5a上に載置されると共に規制壁5bによってそ
の前面3dの位置が規制される。また、電線Eは、ピン
4a間に挿通される。つまり、コネクタのハウジング3
を略位置決め状態で保持することができるので、図12
に示した電線支持具2aに比べて採寸精度を向上させる
ことができる。
【0010】 しかしながら、この配索治具では、布
線作業を円滑に行うことが困難であり、ワイヤーハーネ
スの組立作業の能率が悪いという問題があった。詳しく
説明すると、この配索治具では、コネクタのハウジング
3を保持した状態では、ピン4aが邪魔になって端子金
具をハウジング3に挿入することはできない。このた
め、順次布線される電線Eの各端子金具をハウジング3
に挿入する際には、一々ハウジング3を配索治具から取
り外さなければならない。また、端子金具を挿入した後
は、電線Eをピン4a間に挿通してハウジング3を保持
しなければならない。このため、布線作業を円滑に行う
ことは、困難である。
【0011】また、この配索治具や図12に示した電線
支持具2aでは、作業中に、作業者の手がハウジング3
に当たった場合や、手がハウジング3に当ることによっ
て電線Eが強く引っ張られた場合、また、電線Eにねじ
りや曲がりのくせがついていたりする場合等、つまり、
ハウジング3に対して外部要因または内部要因による力
が加わった場合には、以外と簡単にハウジング3が配索
治具または電線支持具2aから外れてしまうことがあ
る。そして、外れてしまった場合には、再度配索治具ま
たは電線支持具2aに電線Eを引っ掛けるという修正作
業をしなければならない。このような修正作業を布線作
業と共に行うことは、作業者にとって非常に面倒で煩わ
しいものであり、このため、ワイヤーハーネスの組立作
業の能率が低下する。
【0012】そこで、上記およびの問題点に鑑み、
この発明は、コネクタのハウジングを位置決め状態で保
持することができ、且つ位置決め状態で端子挿入を行う
ことができるコネクタ保持器を提供することを第1の目
的とする。また、この発明の第2の目的は、布線作業を
円滑に進めることができ、ワイヤーハーネスの組立作業
の能率を向上させると共に、組立仕上精度を向上させる
ことができるコネクタ保持具を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明の第1の目的
を達成するため、請求項1に係るコネクタ保持器は、予
め電線の端部に取り付けられた端子金具と、背面に開口
された端子挿入孔を有するハウジングとを備えたコネク
タの、前記ハウジングを保持するためのコネクタ保持器
であって、ハウジングを保持し得る収容室と、収容室に
連通し、ハウジングは収容室に収容された状態で上記端
子挿入孔が開口された背面を全面露出させる露出開口部
と、ハウジングが収容室に収容された状態で前記露出開
口部から端子金具を端子挿入孔へ挿入することができる
ように、ハウジングに形成されたフランジまたはハウジ
ングの背面の縁部に当接することによって、当該ハウジ
ングの背面に開口された端子挿入孔と干渉せず、かつ当
該ハウジングが上記露出開口部から抜け出るのを規制す
る当接片とを有し、前記収容部は底板部、両側面板部お
よび前記当接片によって区割りされて前記ハウジングを
前記収容室内で位置決め状態で収容保持可能とされると
共に、前記収容部は上部が開放され、この開放された部
分を前記ハウジングを前記収容部へ挿入離脱するための
挿通用開口とし、該挿通用開口の上方からハウジングを
挿入離脱可能とされていることを特徴とするものであ
る。
【0014】この発明によれば、収容室にハウジングを
収容することにより、露出開口部から背面を全面露出さ
せた状態でハウジングを保持することができる。また、
当接片をハウジングに形成されたフランジまたはハウジ
ング背面の縁部に当接させることができ、これにより、
ハウジングが露出開口部から抜け出ることがない。つま
り、ハウジングを背面に直交する方向に位置決めするこ
とができる。しかも、この状態では、当接片は端子挿入
孔と干渉せず、露出開口部からハウジングの端子挿入孔
へ端子金具を挿入することができる。
【0015】 本発明の第1の目的を達成するため、
請求項2に係るコネクタ保持器は、請求項1記載のコネ
クタ保持器において、上記当接片は、上記ハウジングと
の当接位置を調整し得る調整機構を備えていることを特
徴とするものである。この発明によれば、請求項1に係
る発明と同様の作用を奏する。加えて、調整機構によ
り、当接片の当該ハウジングとの当接位置を調整するこ
とができるから、ハウジングの外寸が変化しても、これ
に対応することができる。
【0016】 本発明の第1の目的を達成するため、
請求項3に係るコネクタ保持器は、請求項2記載のコネ
クタ保持器において、上記一対の当接片は、上記収容室
の対向する内壁を構成する一対の部材の、上記開口部側
の端部にそれぞれ形成されており、上記調整機構は、上
記収容室の露出開口部を構成する一対の部材と、当該一
対の部材が互いに対向した状態で相対的に当該対向方向
に接離できるように締結する締結構造とを有し、上記一
対の部材のうち少なくとも一方に上記当接片が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0017】この発明によれば、請求項2に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、収容室にハウジングを収
容した状態で、収容室の露出開口部を構成する一対の部
材が締結構造によって締結固定されることにより、当該
一対の部材のうち少なくとも一方に形成された当接片が
ハウジングに当接し、これにより、リジッドに位置規定
された当接片によってハウジングを位置決めすることが
できる。しかも、収容室の露出開口部を構成する一対の
部材は、互いの対向間隔を変更可能な状態で締結固定さ
れ得るものであるから、両部材の対向方向に関し、収容
室に収容されるハウジングの大きさに応じて当接片の当
接位置を変更して位置決めすることができる。
【0018】 本発明の第1の目的を達成するため、
請求項4に係るコネクタ保持器は、請求項2記載のコネ
クタ保持器において、上記調整機構は、上記当接片を一
体的に含む可動部材と、上記当接片が露出開口部を狭め
て収容室内のハウジングに当接可能な当接位置と露出開
口部を開いてハウジングを開放する開放位置との間で収
容室に対して相対的に変位可能な状態で、上記可動部材
を収容室に取り付ける取付部材と、上記可動部材を当接
位置に弾性的に付勢する付勢部材と、上記可動部に設け
られ、露出開口部に進入する方向に沿ってハウジングが
押し付けられることによって、当接片が開放位置に変位
するように上記可動部材にハウジングの露出開口部への
進入方向の力を伝達する受圧面部とを有していることを
特徴とするものである。
【0019】この発明によれば、請求項2に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、ハウジングを露出開口部
に進入させるべく受圧面部に押し付けると、その進入方
向の力が受圧面部から可動部材に伝達されることによ
り、当接片が開放位置に変位する。これにより、ハウジ
ングは、開放された露出開口部へ進入することができ
る。そして、ハウジングが露出開口部を通って収容室に
収容されると、可動部材が付勢部材の付勢力により上記
と逆に変位し、当接片が当接位置に変位する。これによ
り、ハウジングを位置決めすることができる。また、当
接片は、弾性的に変位することができるから、その変位
方向に関し、当接片の当接位置を自在に変化させること
ができる。つまり、外寸の異なるハウジングに仕様が変
更されても、可動部材の変位によってこれに対応するこ
とができる。
【0020】 本発明の第1の目的を達成するため、
請求項5に係るコネクタ保持器は、請求項1ないし4の
いずれか1項に記載のコネクタ保持器において、上記収
容室は、収容室に収容されたハウジングを当該収容室か
らハウジングの背面に沿う方向へ少なくとも抜き取るこ
とが可能な可脱開口部を有していることを特徴とするも
のである。
【0021】この発明によれば、請求項1ないし4のい
ずれか1項に係る発明と同様の作用を奏する。加えて、
収容室に収容したハウジングを可脱開口部から抜脱する
ことができるから、ハウジングが露出開口部から抜け出
ないように位置決めされていても、当該位置決めされて
いる方向に直交する方向にハウジングを抜き取ることが
できる。また、これにより、ハウジングの仕様が変更さ
れ、ハウジングの外寸が可脱開口部から突出する方向に
大きくなっても、同様に位置決め保持することができ
る。なお、上記「少なくとも抜き取ることが可能」と
は、抜き取りの他に、ハウジングの挿入が可能であって
も良いことを意味している。
【0022】 本発明の第2の目的を達成するため、
請求項6に係るコネクタ保持具は、多数の電線を布線板
上で布線してワイヤーハーネスを組み立てる際に、所定
の複数の電線の端部に設けられるコネクタを布線板上で
保持するためのコネクタ保持具であって、布線板に固定
される固定部と、固定部に立設された支持部と、支持部
に着脱可能に取り付けられた、上記請求項1ないし5の
いずれか1項に記載のコネクタ保持器とを有することを
特徴とするものである。
【0023】この発明によれば、固定部を布線板に固定
することにより、コネクタ保持具を布線板上の所定位置
に配置することができる。また、この状態で、支柱に取
り付けられたコネクタ保持器によって、請求項1ないし
5のいずれか1項に係る発明と同様の作用を奏する。こ
れにより、ワイヤーハーネスを組み立てる際に、電線の
端部に設けられるコネクタのハウジングを、布線板上の
所定位置で位置決め状態で保持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、第1の実施形態および第2
の実施形態に分けて、本発明の実施形態について添付図
面を参照しながら詳細に説明する。 <第1の実施形態>図1は、この発明の一実施形態に係
るコネクタ保持具Aが布線板10上に固定されている状
態を示す分解斜視図である。また、図3は、コネクタ保
持具Aによってコネクタ50を保持する状態を示す分解
斜視図である。
【0025】(1) 本実施形態の概略と特徴 図1を参照して、このコネクタ保持具Aは、ワイヤーハ
ーネスを組み立てる際に使用される組立図板に含まれて
おり、ワイヤーハーネスの構成要素となる所定の複数の
電線51(図3参照)の端部に取り付けられるコネクタ
50を、布線作業時に保持しておくための道具である。
布線作業とは、調尺された電線(電線51)を布線板1
0上で予め設計された形態に沿って配線してゆく作業を
いう。
【0026】図3を参照して、コネクタ50は、端子金
具52と、これが挿入装着されるハウジング53とを有
している。端子金具52は、予め電線51の端末に圧着
されている。従って、電線端に圧着された端子金具52
を、布線作業時に、ハウジング53に複数形成された端
子挿入孔531の一つに挿入してゆくことによって、コ
ネクタの取り付けの作業(組立作業)が進められる。そ
して、所定の複数の電線51のそれぞれに圧着された端
子金具52のすべてが、それぞれ対応する端子挿入孔5
31に挿入された時点で当該コネクタ50の取付作業が
完了する。
【0027】なお、図1では図示していないが、上記組
立図板には、布線板10およびコネクタ保持具Aの他、
布線板10上に配置される電線支持具が含まれている。
電線支持具とは、布線された各電線を受け止めることに
よって、各電線を上記予め設計された形態に沿わせるた
めの道具である。また、場合によっては、布線された電
線束に取り付けられるクランプ等の付属品を保持するた
めの付属品取付具等が含まれることがある。
【0028】図1に示すように、コネクタ保持具Aは、
布線板10上の所定位置に固定配置されるようになって
おり、当該コネクタ保持具Aを布線板10に固定するた
めの固定部20と、固定部20に連結された支持部30
と、支持部30に取り付けられたコネクタ保持器(以
下、「保持器」という。)40とを有している。本実施
形態に係るコネクタ保持具Aの特徴とするところの一つ
は、 図3を参照して、保持器40は、コネクタ50のハ
ウジング53をぴったりと嵌合させた状態で収容保持す
る収容室41を有しており、これにより、ハウジング5
3を布線板10上の所定位置で位置決めすることができ
るようになっている点、および 保持器40の、図3における手前側には、収容室4
1に連通する開口部42(露出開口部)が形成されてお
り、この開口部42によって、ハウジング53を収容室
41に収容した状態でハウジング53の背面533が全
面露出する(すなわち、すべての端子挿入孔531が露
出して、端子金具52の挿入が可能となる)ようになっ
ている点にある。
【0029】(2) 各部の説明 以下、コネクタ保持具Aの各部について詳しく説明す
る。図1を参照して、固定部20は、挿通軸21と、こ
れの上端に固着された固定板22とを有している。挿通
軸21は、たとえば丸棒により構成することができ、そ
の周面部には雄ねじ211が形成されている。一方、布
線板10の所定位置には、コネクタ保持具Aを取り付け
るための取付孔11が形成されており、上記挿通軸21
は、この取付孔11に上方から挿通されるようになって
いる。そして、取付孔11に挿通軸21を挿通し、布線
板10の裏面側からナット12をかけることによって、
固定部20は、布線板10上に固定されている。
【0030】なお、固定板22の周縁部には、回り止め
用の爪221が下方に突出形成されている。この爪22
1は、たとえば固定板22の一部を切り起こして構成す
ることができる。そして、固定部20を固定すべく上記
ナット12を締め込むと、爪221が布線板10に食い
込んで固定板22を確実に布線板10上に固定すること
ができる。その結果、布線作業中にコネクタ保持具Aが
布線板10上で回転してしまうことを防止することがで
きる。
【0031】支持部30は、ベース31と、これに取り
付けられた支柱32とを有している。ベース31は、断
面が略U字状に形成された部材であって、上記固定板2
2の上面に、たとえば溶接により固着されている。一
方、支柱32は、略直方体状に形成された基部321
と、これに延設された腕部322とを有している。基部
321は、ベース31の内側に配置されており、回動ピ
ン33を介してベース31に回動自在に支持されてい
る。従って、腕部32は、図の実線で表した起立姿勢
と、二点鎖線で表した倒伏姿勢との間で姿勢変化するこ
とができるようになっている。なお、図示していない
が、基部321には、プランジャがねじ込まれており、
このプランジャは、ベース31の内面部に当接してい
る。これにより、腕部32が起立姿勢または倒伏姿勢に
あるときは、当該姿勢を所定の保持力で保持することが
できるようになっている。
【0032】また、腕部32の先端部には、平板状のブ
ラケット323が形成されている。このブラケット32
3は、保持器40を取り付けるためのものである。図に
示すように、本実施形態では、保持器40は、ねじ32
4を用いてブラケット323に締結されている。従っ
て、このねじ324を取り外すことによって、保持器4
0を簡単に取り外すことができるようになっている。な
お、保持器40をねじ324を用いて締結する他に、は
めあい、たとえば、いわゆるインロー嵌合により取り付
けることもできる。要するに、着脱可能な既知の連結構
造を採用することができる。
【0033】次に、図2および図3を参照して、保持器
40について説明する。図2は、保持器40の分解斜視
図である。図2を参照して、保持器40は、クランク状
に形成された基板43と、これに連結された一対の側板
44,45とを有している。基板43は、底板部431
と、底板部431の一端側に上方へ向かって延設された
前面板部432と、底板部431の他端側に下方へ向か
って延設されたステー部433とを有している。
【0034】一方、両側板44,45は、それぞれ略L
字型形状をしており、互いに左右対称に形成されてい
る。具体的には、側板44は、連結板部441と、これ
に略垂直上方に延設された側面板部442とを有してい
る。また、側板45は、連結板部451と、これに略垂
直上方に延設された側面板部452とを有している。両
側面板部442,452は、上記開口部42(露出開口
部)の構成要素となっており、これら両側面板部44
2,452には、それぞれ当接片45,455が一体
的に形成されている。この当接片45,455は、側
面板部442,452の、図2における手前側に形成さ
れている。両当接片45,455は、収容室41に収
容されたときに、ハウジング53の背面533の一部に
のみ当接する大きさに形成されている。
【0035】側板44,45のそれぞれの連結板部44
1,451には、取付孔443,453が貫通形成され
ている。また、基板43の底板部431には、ねじ孔4
45が貫通形成されている。そして、ボルト444を取
付孔443,453に挿通し、且つねじ孔445にねじ
込むことによって両側板44,45が基板43に締結さ
れ、これにより、保持器40が組み立てられるようにな
っている(図3の状態)。
【0036】保持器40が組み立てられた状態では、図
3に示すように、底板部431,前面板部432,両側
面板部442,452および両当接片45,455に
よって、上部が開放されると共に、図中手前側に開口部
42が形成された収容室41が区画されるようになって
いる。上記開放された部分は、挿通用開口411(可脱
開口部)を構成している。この挿通用開口411は、コ
ネクタ50のハウジング53を収容室41に対して挿抜
する際に挿通させるための開口である。つまり、ハウジ
ング53は、この挿通用開口411を通って収容室41
に収容することができるようになっている。
【0037】保持器40が組み立てられた状態では、ス
テー部433によって、当該保持器40を支持部30の
ブラケット323に取り付けることができる。詳しく
は、図2に示すように、ステー部433には、ねじ挿通
孔434が設けられている。再び図3を参照して、この
ねじ挿通孔434にねじ324を挿通してブラケット3
23にねじ込むことによって、ステー部433がブラケ
ット323に締結され、これにより、保持器40が支持
部30に取り付けられる。
【0038】組み立てられた保持器40の収容室41に
ハウジング53を収容した場合、ハウジング53の底面
が底板部431に、ハウジング53の両側面532が両
側面板部442,452に、ハウジング53の背面53
3の一部が両当接片45,455に、そして、ハウジ
ング53の前面(背面533と反対側の面)が前面板部
432に、それぞれ当接するようになっている。しか
も、両当接片45,455は、ハウジング53の背面
533の一部にのみ当接するから、両当接片45,4
55によって、収容室41に収容されたハウジング53
の背面533が覆われることはない。本実施形態では、
ハウジング53の背面に、いわゆる面一状態でフランジ
535が形成されており、これに両当接片45,45
5が当接するようになっている。
【0039】さらに、図2を参照して、側板44,45
のそれぞれの連結板部441,451に形成された取付
孔443,453は、長孔状に形成されている。これに
より、ボルト444を緩めると、図2中白抜き矢印に示
す方向に沿って両側板44,45が接離することができ
るようになっている。つまり、互いに対向する両側面板
部442,452間の距離を変えることができるように
なっている。なお、本実施形態では、両側板44,45
を連結板部441,451に対してスライドできるよう
にしたが、いずれか一方の側板44(45)を連結板部
441(451)に対してスライドできるようにしてお
いても良い。
【0040】(3) 作用・効果 次に、本実施形態に係るコネクタ保持具Aを用いた布線
作業について、コネクタ保持具Aの作用効果と共に説明
する。 図1を参照して、挿通軸21を布線板10の取付孔
11に挿通して固定部20を固定する。これにより、コ
ネクタ保持具Aを布線板10上の所定位置に配置するこ
とができる。この状態で、布線作業を行いワイヤーハー
ネスの組立作業を進めることができる。
【0041】 図3を参照して、コネクタ保持具Aを
布線板10上に配置した状態で、コネクタ50のハウジ
ング53を白抜き矢印の方向に沿って上方から保持器4
0の収容室42に嵌め込む。これにより、ハウジング5
3は、収容室41内で位置決め状態で収容保持される。
詳しく説明すると、ハウジング53を収容室41内に嵌
め込むと、ハウジング53の底面が底板部431に当接
し、ハウジング53は、底板部431上に載置された状
態となる。そして、一対の側面板部442,452がハ
ウジング53の両側面532に当接し、ハウジング53
は、その側面532に垂直な方向への変位が規制され
る。また、前面板部432がハウジング53の前面に当
接し、ハウジング53は、その前面に垂直な方向への変
位が規制される。さらに、両当接片45,455がハ
ウジング53に形成されたフランジ535に当接し、ハ
ウジング53は、リジッドに位置規制された当接片4
5,455によって、その背面533に垂直な方向への
変位が規制される。つまり、布線作業を行うに先立っ
て、完成後のワイヤーハーネスに含まれるコネクタ50
のハウジング53を布線板10上の所定位置で位置決め
保持することができる。
【0042】 このとき、当接片45,455は、
ハウジング53に形成されたフランジ535に当接する
だけであるから、ハウジング53の背面533は、図4
に示すように、略全体が露出される。従って、このよう
にハウジング53を位置決め保持した状態で、布線され
る電線51の端部に圧着された端子金具52を、対応す
る端子挿入孔531に順次挿入してゆくことができる。
【0043】 このように、本実施形態によれば、布
線作業時にコネクタ50のハウジング53を位置決め保
持することができるから、ワイヤーハーネスを組み立て
る際に、ハウジング53を基準とした寸法取りを正確に
行うことができる。従って、組み立てようとするワイヤ
ーハーネスの分岐部分の電線の長さ寸法や、ハウジング
53の端面(たとえば、前面や背面)から所定寸法の位
置に正確にクランプ等の付属部品を取り付けることがで
きる。従って、その結果、ワイヤーハーネスの組立仕上
精度を向上させることができる。
【0044】また、ハウジング53は、収容室41内に
ぴったりと嵌め込まれて位置決めされているから、電線
51に捩じれ等が生じていても、これによってハウジン
グ53が簡単に外れてしまうことがない。さらに、端子
金具52を挿入すべく端子挿入方向(ハウジング53の
前面に垂直な方向)に端子金具52を押し込んでも、ハ
ウジング53は、前面板部432によってその位置ずれ
が防止される。一方、ハウジング53の端面から所定寸
法を採寸すべく電線51に張力を加えても(電線51を
端子金具52の反挿入方向に引っ張っても)、ハウジン
グ53は、当接片45,455によってその位置ずれ
が防止される。しかも、保持器40は、ハウジング53
を収容するために箱状に形成されているから、機械的剛
性が高く、上記寸法取りを行うために電線51を引っ張
った場合でも保持器40自体が変形してしまうことがな
い。加えて、ハウジング53を保持したままで端子挿入
作業を行うことができるので、端子挿入ごとに一々ハウ
ジング53を手に取って作業をする必要がない。
【0045】従って、布線作業時にハウジング53が外
れてコネクタ保持具Aから脱落することを効果的に防止
でき、布線作業を円滑に行うことができる。その結果、
ワイヤーハーネスの組立作業の能率を向上させることが
できる。なお、ハウジング53に挿入すべきすべての端
子金具52を挿入した時点で、当該コネクタ50の組み
立てが完了する。そして、他の電線の布線作業および付
属品取付作業を終えた後、組み立てられたワイヤーハー
ネスを組立図板から外す。このとき、コネクタ50のハ
ウジング53は、上方へ引き上げることによって、挿通
用開口411から簡単に外すことができる。従って、ハ
ウジング53が位置決め保持されていても、組み立てら
れたワイヤーハーネスを組立図板から外す作業に手間取
るということがない。
【0046】特に、本実施形態によれば、上記作用効果
に加えて、次のような作用効果を奏する。 収容室4
1は、基板43と、側板44,45とにより構成するこ
とができるから、収容室41を極めて簡単な構造で安価
に構成することができる。 また、ボルト444(図
2参照)を緩めることによって、収容室41の幅寸法を
調整することができるから、ハウジング53の大きさが
変わっても、これに合わせてハウジング53を収容保持
することができる。詳しく説明すると、極数の異なるハ
ウジングに仕様変更され、当接片45,455の対向
方向にハウジング53の外寸が変更された場合であって
も、これに容易に対応して当接片45,455がハウ
ジングと当接する位置を変更でき、当該ハウジングを上
述のように位置決め保持することができるという利点が
ある。
【0047】しかも、本実施形態では、基板43に対し
て側板44,45をスライドさせるという構造を採用し
ている。すなわち、側板44,45側に長孔443を設
け、これに沿って側板44,45をスライドさせること
により、両側面板部442,452間の距離を調整する
という極簡単な構造を採用しているので、コストを低く
抑えることができる。
【0048】また、本実施形態では、挿通用開口411
からハウジング53を収容室41に収容することから、
ハウジング53の仕様が変更されてハウジング53の外
寸が上方に、すなわち、挿通用開口411から突出する
方向に大きくなっても、何ら影響を受けることなく同様
にそのハウジングを位置決め保持することができるとい
う利点もある。
【0049】 さらに、支持部30の腕部32は、起
立姿勢と倒伏姿勢との間で姿勢変化することができるか
ら、布線作業時にハウジング53を保持する必要がある
場合に、腕部32を起立させることができる。また、ハ
ウジング53を保持する必要がない場合には、腕部32
を倒伏させておくことができる。これにより、不使用の
コネクタ保持具Aによって、布線作業が妨げられること
がない。
【0050】 加えて、保持器40が着脱自在である
ので、固定部20および支持部30を共通にして、保持
器40を他の道具(たとえば、電線支持具の電線を受け
る部分)等に変えることが可能になるという利点があ
る。これにより、一のコネクタ保持具Aが、電線支持具
として使用したり、クランプ等の付属品の取付具として
使用したりすることが可能となる。
【0051】(4) 設計変更例 本実施形態については、図5および図6に示すような側
板44,45の設計変更例が考えられる。なお、側板4
4,45は、左右対称形状であるので、図5(a)およ
び図6(a)においては、一方の側板44のみ図示して
いる。また、上記一実施形態と同様の構成については、
同様の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0052】図5(a)を参照して、この変更例に係る
側板44は、当接片45が略コ字状に形成されてい
る。図5(b)を参照して、このような形状の当接片4
5によれば、ハウジング53の背面533の4隅部分
が、当接片45の両端部61,62と当接し、ハウジ
ング53の位置ずれを防止することができる。なお、こ
の当接片45の形状は、上記一実施形態で示したよう
なフランジ535が形成されていないハウジング53を
収容する場合に適している。
【0053】また、図6(a)を参照して、この変更例
に係る側板44は、当接片45が細長の長方形状に形
成されており、開口部42側にわずかに突出している。
従って、図6(b)に示すように、当接片45は、ハ
ウジング53の背面533の縁部に、端子挿入孔531
と干渉しない範囲で当接している。また、側面板部44
2には、プランジャ63が取り付けられている。このプ
ランジャ63は、ハウジング53が収容されたときにハ
ウジング53の側面532に係合するようになってい
る。これにより、ハウジング53を確実に保持すること
ができるようになっている。この変更例に係る側板44
も、上記フランジ535が形成されていないハウジング
53を収容する場合に適している。
【0054】<第2の実施形態>次に、図7ないし図1
1を参照して、本発明の第2の実施形態について説明す
る。(1) 本実施形態の特徴 図7は、本発明の第2の実施形態に係るコネクタ保持具
の要部を示す要部斜視図である。
【0055】図7を参照して、本実施形態の特徴とする
ところは、第1の実施形態の保持器40に代えてコネク
タ保持器(以下、「保持器」という。)70が設けられ
ている点にある。つまり、図2を参照して、保持器40
では、基板43に側板44,45が締結された締結構造
を有しており、かかる締結構造によりリジッドに位置規
制された当接片45,455によってハウジングを位
置決めしているのに対し、本実施形態では、図7に示す
ように、当接片721,731が一体的に形成された可
動部材72,73を、図7に示す状態から矢印7aの方
向に弾性的に変位可能に設け、図中矢印7cに沿ってハ
ウジングを収容室711に挿入・収容することによっ
て、当該ハウジングを可動部材72,73により挟み付
けるようにして位置決め保持するようになっている点に
特徴がある。
【0056】なお、本実施形態に係るコネクタ保持具の
固定部および支持部は、図示していないが、第1の実施
形態において説明した固定部20および支持部30(図
1参照)と同様のものである。(2) 各部の説明 以下、保持器70について詳しく説明する。
【0057】保持器70は、内部にハウジングを収容す
るための収容室711が形成された収容ブロック71
と、収容室711内に配置された上記可動部材72,7
3と、可動部材72,73を、上述のように弾性変位可
能に取り付けるための取付部材としての支持ピン74お
よびばね75とを有している。収容ブロック71は、図
中手前側および上側がそれぞれ開放されており、これら
開放された部分は、収容室711に連通している。ま
た、参照符号714は、収容室711にハウジングが収
容されたときに、ハウジングの前面が当接する面を有す
る部分を示しており、第1の実施形態において示した前
面板部432(図2参照)に相当する部分である。な
お、収容ブロック71は、支持部の腕部322(図1参
照)に直接支持されている。
【0058】可動部材72は、板部材からなり、先端部
が鍵状に形成されている。すなわち、可動部材72は、
矩形の平板の先端部に当該平板に略直交する方向に突出
する突出片が一体的に形成されたものであり、この突出
片が当接片721を構成している。なお、可動部材73
は、可動部材72と左右対称形状であって、可動部材7
3にも、当接片721と同様の当接片731が形成され
ている。
【0059】可動部材72,73は、収容室711内に
配置されており、両当接片721,731は、収容ブロ
ック71の手前側に開放された部分に配置されている。
これにより、当接片721,731は、露出開口部71
2の一部を構成している。この露出開口部712は、第
1の実施形態で示したのと同様に、ハウジングが収容室
711に収容された状態で、ハウジングの背面を全面露
出させることができるようになっている。
【0060】また、当接片721,731の先端には、
可動部材72,73の基端側へ傾斜する傾斜面がそれぞ
れ形成されており、これら傾斜面は、受圧面部724,
734を構成している。受圧面部724,734とは、
ハウジングを露出開口部712から収容室711へ収容
しようとした場合に、ハウジングが可動部材72,73
に押し付けられる力を受ける部分である。
【0061】一方、可動部材72,73の基端部は、支
持ピン74を介して収容ブロック71に支持されてい
る。これにより、可動部材72,73は、収容室711
内で矢印7bに沿う方向に回動可能に支持されている。
可動部材72,73は、収容室711内で対向配置され
ている。従って、可動部材72,73の対向する面72
5,735は、収容室711の内壁を構成している。ま
た、これら面725,735および収容ブロック71の
上記面714によって可脱開口部713が構成されてい
る。この可脱開口部713によって、収容室711に収
容されたハウジングを図中上方へ抜き取ることができる
ようになっている。
【0062】さらに、可動部材72,73は、上述のよ
うに回動することができるから、当接片721,731
は、露出開口部712を狭める位置と開放する位置とに
変位することができるようになっている。すなわち、可
動部材72,73が互いに接近するように回動した場合
には、当接片721,731は、露出開口部712を狭
める方向に変位し、これにより、収容室711に収容さ
れたハウジングに当接することができる。また、可動部
材72,73が互いに離反するように(矢印7aの方向
に)回動した場合には、当接片721,731は、露出
開口部712を開く方向に変位し、これにより、収容室
711に収容されたハウジングを開放することができ
る。なお、当接片721,731がハウジングに当接し
得る位置を、当接片721,731の「当接位置」と定
義し、当接片721,731がハウジングから離れてハ
ウジングを開放し得る位置を、当接片721,731の
「開放位置」と定義する。
【0063】ばね75は、コイルばねを採用している。
このばね75は、収容ブロック71の露出開口部712
側に配置されており、可動部材72,73と収容ブロッ
ク71との間に介装されている。このばね75によっ
て、可動部材72,73は、常時、当接片721,73
1が当接位置に変位するように(図7に示す状態となる
ように)弾性付勢されている。なお、ばね75に代えて
支持ピン74と同心状にねじりコイルばねを装着しても
良い。
【0064】(3) 作用・効果 次に、図8ないし図10を参照して、本実施形態による
作用・効果について説明する。なお、図8ないし図10
は、保持器70にハウジング80を装着する際の手順を
模式的に示した図である。 図8を参照して、ハウジング80を露出開口部71
2から収容室711に収容すべく、ハウジング80を矢
印88の方向に沿って可動部材72,73の先端部に押
し付けると(図中二点鎖線で示す位置)、ハウジング8
0を押し付ける力が受圧面部724,734から可動部
材72,73に伝達され、可動部材72,73がそれぞ
れ図7中矢印7aの方向に回動する。これにより、当接
片721,731が開放位置に変位し(図9参照)、ハ
ウジング80は、開放された露出開口部712へ進入す
ることができる。
【0065】 そして、ハウジング80が露出開口部
712を通って収容室711に収容されると、可動部材
72,73がばね75の付勢力によって上記7aの方向
と逆方向に回動し、当接片721,731が当接位置に
変位する(図10参照)。この状態で、当接片721,
731がハウジング80の背面81の縁部に当接する。
これにより、ハウジング80が露出開口部712から抜
け出るのを防止することができる。また、収容室711
の内奥面、すなわち、上記面714(図7参照)がハウ
ジング80の前面82に当接する。さらに、可動部材7
2,73の先端側の部分77は、ハウジング80の側面
にばね75の付勢力で押し付けられる。従って、ハウジ
ング80を収容室711に収容した状態で、ハウジング
80を位置決め保持することができる。しかも、露出開
口部712によって、ハウジング80の背面81は、全
面露出されている。
【0066】 このように、ハウジング80の背面8
1を全面露出させた状態でハウジング80を位置決め保
持することができるので、第1の実施形態と同様の効果
を奏することができる。しかも、本実施形態では、ハウ
ジング80を可動部材72,73の受圧面部724,7
34に押し付けるだけで、ごく簡単にハウジング80を
収容室711に収容することができる。
【0067】また、本実施形態では、次のような作用効
果を奏することができる。 ハウジング80への端子挿入作業が終了すれば、収
容室711に収容されているハウジング80を可脱開口
部713(図7参照)から上方へ抜脱することができ
る。従って、ハウジング80が露出開口部712から抜
け出ないように位置決め保持されていても、ハウジング
80を図10において紙面に垂直な方向の手前側へ容易
に抜き取ることができる。もっとも、作業者が手で可動
部材72,73を回動させて露出開口部712を押し広
げて、ハウジング80を収容室711から抜き取ること
もできる。
【0068】なお、この可脱開口部713は、ハウジン
グ80を上方へ抜き取ることができるように形成されて
いるから、第1の実施形態と同様に、ハウジング80の
外寸が上方に、すなわち、可脱開口部713から突出す
る方向に大きくなった場合でも、何ら影響を受けること
なく同様にそのハウジングを位置決め保持することがで
きる。
【0069】 また、ばね75によって、当接片72
1,731が当接位置と開放位置との間で弾性的に変位
することができるから、その変位方向に関し、当接片7
21,731のハウジング80に対する当接位置を自在
に変化させることができる。つまり、保持すべきハウジ
ングの仕様が変更されてハウジングの外寸が変わって
も、可動部材72,73の弾性変位によってこれに対応
することができる。具体的には、図11に示すように、
ハウジングの横幅が広くなっても、可動部材72,73
が変位することができるから、このような幅広のハウジ
ングであっても確実に位置決め保持することができる。
【0070】(4) 設計変更例 本実施形態においては、当接片721,731をハウジ
ング80の背面81の縁部に当接させるようにしたが、
ハウジング80が第1の実施形態で示したハウジング5
3のようにフランジを有している場合には、そのフラン
ジに当接させるようにすることもできる。
【0071】また、本実施形態では、収容室711の内
部に可動部材72,73を配置したが、収容ブロック7
1の壁面に可動部材72,73が進入することができる
凹部を設け、この凹部に対して可動部材72,73が進
退することができるようにすることもできる。 <本発明の他の実施形態>上記2つの実施形態では、共
に一対の当接片をハウジングの所定部分に当接させるよ
うにしたが、一の当接片をハウジングに当接させること
によってハウジン具の位置決めをすることもできる。
【0072】つまり、図2を参照して、第1の実施形態
では、当接片45,455のうちいずれか一方を設け
ていれば、ハウジングの位置決めを行うことが可能であ
る。また、図7を参照して、第2の実施形態では、いず
れか一方の可動部材72(73)を設けて、一の当接片
721(731)をハウジングに当接させることによっ
てハウジングの位置決めを行うことが可能である。
【0073】また、上記2つの実施形態では、共に左右
の方向に沿って当接片を配置するようにしたが、これに
代えて上下方向に沿って当接片を配置することもでき
る。つまり、ハウジング80の背面を全面露出できるの
であれば、当接片をハウジングのどの位置に同様に当接
させるかは問題ではない。
【0074】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、収容室に
ハウジングを収容すると、背面に直交する方向に関して
ハウジングを位置決めすることができるから、当該コネ
クタ保持器を布線板上に配置することによって、ハウジ
ングを基準とした採寸作業を精度良く行うことが可能と
なる。しかも、ハウジングを保持したままでも端子挿入
行うことができるから、布線作業中において、保持され
たハウジングへの端子挿入作業を円滑に行うことが可能
となる。
【0075】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、一層精度の高
い採寸作業を行うことが可能である。さらに、本請求項
に係るコネクタ保持器は、外寸の異なるハウジングに仕
様が変更されても、これ対応してハウジングを保持する
ことができるという汎用性を有する。請求項3に係る発
明によれば、請求項2に係る発明と同様の効果を奏す
る。特に、本請求項に係る発明では、リジッドに位置規
定された当接片によって、上記露出開口部を構成する一
対の部材が対向する方向にもハウジングを位置決めする
ことができるから、ハウジングの一層確実な位置決めが
でき、一層精度の高い採寸作業を行うことが可能であ
る。
【0076】請求項4に係る発明によれば、請求項2に
係る発明と同様の効果を奏する。特に、本請求項に係る
発明では、ハウジングを受圧面部に押し付けるようにす
るだけで、ハウジングを収容室に収容することができ
る。しかも、ハウジングを収容する際に、当接片の当接
位置を弾性的に変化させることができるから、外寸の異
なるハウジングに仕様が変更されても、これにきわめて
容易に対応でき、ハウジングを収容室に収容する作業が
きわめて容易であるという利点がある。
【0077】請求項5に係る発明によれば、請求項1な
いし4のいずれか1項に係る発明と同様の効果を奏す
る。加えて、本請求項に係るコネクタ保持器を布線板上
に配置することによって、布線作業および採寸作業の終
了後、位置決め状態のハウジングを容易に取り外すこと
が可能となる。請求項6に係る発明によれば、コネクタ
保持器によって、請求項1ないし5のいずれか1項に係
る発明と同様の効果を奏する。すなわち、ワイヤーハー
ネスを組み立てる際に、電線の端部に設けられるコネク
タのハウジングを布線板上の所定位置で位置決め状態で
保持することができるので、ハウジングを基準とした採
寸作業を容易かつ正確に行うことができる。その結果、
ワイヤーハーネスの分岐回路の長さ寸法や、ハウジング
端面から所定距離の位置に正確にクランプ等の付属部品
を取り付けることができ、ワイヤーハーネスの組立仕上
精度の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ保持具
が布線板上に配置されている状態を示す分解斜視図であ
る。
【図2】保持器の分解斜視図である。
【図3】コネクタが保持器に保持されている状態を示す
分解斜視図である。
【図4】保持器に保持されたハウジングを、背面側から
見た図である。
【図5】(a)側板の設計変更例を示す斜視図である。 (b)設計変更例に係る側板を用いた保持器に保持され
たハウジングを、背面側から見た図である。
【図6】(a)側板の他の設計変更例を示す斜視図であ
る。 (b)他の設計変更例に係る側板を用いた保持器に保持
されたハウジングを、背面側から見た図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ保持具
の要部拡大斜視図である。
【図8】ハウジングを挿入する前のハウジングと保持器
との位置関係を示す模式図である。
【図9】ハウジングを挿入している状態でのハウジング
と保持器との位置関係を示す模式図である。
【図10】ハウジングを収容室に収容した状態でのハウ
ジングと保持器との位置関係を示す模式図である。
【図11】幅広の仕様の異なるハウジングを収容室に収
容した状態でのハウジングと保持器との位置関係を示す
模式図である。
【図12】従来の電線支持具を用いて電線の端末部分の
布線作業を示した要部拡大斜視図である。
【図13】従来の電線支持具を改良した配索治具の分解
斜視図である。
【図14】従来の配索治具によってコネクタを支持した
状態を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】 A コネクタ保持具 10 布線板 20 固定部 30 支持部 40 保持器 41 収容室 411 挿通用開口(可脱開口部) 42 開口部(露出開口部) 43 基板 431 底板部 432 前面板部 44 側板 442 側面板部 45 側板 452 側面板部 455 当接片 50 コネクタ 51 電線 52 端子金具 53 ハウジング 531 端子挿入孔 532 側面 533 背面 535 フランジ 70 保持器 711 収容室 712 露出開口部 713 可脱開口部 72 可動部材 721 当接片 724 受圧面部 73 可動部材 731 当接片 734 受圧面部 74 支持ピン 75 ばね(布線部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 哲也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−130449(JP,A) 特開 平7−29429(JP,A) 特開 平6−231859(JP,A) 特開 平7−201327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 43/20 H01B 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め電線の端部に取り付けられた端子金具
    と、背面に開口された端子挿入孔を有するハウジングと
    を備えたコネクタの、前記ハウジングを保持するための
    コネクタ保持器であって、 ハウジングを保持し得る収容室と、 収容室に連通し、ハウジングは収容室に収容された状態
    で上記端子挿入孔が開口された背面を全面露出させる露
    出開口部と、 ハウジングが収容室に収容された状態で前記露出開口部
    から端子金具を端子挿入孔へ挿入することができるよう
    に、ハウジングに形成されたフランジまたはハウジング
    の背面の縁部に当接することによって、当該ハウジング
    の背面に開口された端子挿入孔と干渉せず、かつ当該ハ
    ウジングが上記露出開口部から抜け出るのを規制する当
    接片とを有し、 前記収容部は底板部、両側面板部および前記当接片によ
    って区割りされて前記ハウジングを前記収容室内で位置
    決め状態で収容保持可能とされると共に、前記収容部は
    上部が開放され、この開放された部分を前記ハウジング
    を前記収容部へ挿入離脱するための挿通用開口とし、該
    挿通用開口の上方からハウジングを挿入離脱可能とされ
    ている ことを特徴とするコネクタ保持器。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコネクタ保持器において、 上記当接片は、上記ハウジングとの当接位置を調整し得
    る調整機構を備えていることを特徴とするコネクタ保持
    器。
  3. 【請求項3】請求項2記載のコネクタ保持器において、 上記調整機構は、 上記収容室の露出開口部を構成する一対の部材と、 当該一対の部材が互いに対向した状態で相対的に当該対
    向方向に接離できるように締結する締結構造とを有し、 上記一対の部材のうち少なくとも一方に上記当接片が設
    けられていることを特徴とするコネクタ保持器。
  4. 【請求項4】請求項2記載のコネクタ保持器において、 上記調整機構は、 上記当接片を一体的に含む可動部材と、 上記当接片が露出開口部を狭めて収容室内のハウジング
    に当接可能な当接位置と露出開口部を開いてハウジング
    を開放する開放位置との間で収容室に対して相対的に変
    位可能な状態で、上記可動部材を収容室に取り付ける取
    付部材と、 上記可動部材を当接位置に弾性的に付勢する付勢部材
    と、 上記可動部に設けられ、露出開口部に進入する方向に沿
    ってハウジングが押し付けられることによって、当接片
    が開放位置に変位するように上記可動部材にハウジング
    の露出開口部への進入方向の力を伝達する受圧面部とを
    有していることを特徴とするコネクタ保持器。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    コネクタ保持器において、 上記収容室は、 収容室に収容されたハウジングを当該収容室からハウジ
    ングの背面に沿う方向へ少なくとも抜き取ることが可能
    な可脱開口部を有していることを特徴とするコネクタ保
    持器。
  6. 【請求項6】多数の電線を布線板上で布線してワイヤー
    ハーネスを組み立てる際に、所定の複数の電線の端部に
    設けられるコネクタを布線板上で保持するためのコネク
    タ保持具であって、 布線板に固定される固定部と、 固定部に立設された支持部と、 支持部に着脱可能に取り付けられた、上記請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載のコネクタ保持器とを有する
    ことを特徴とするコネクタ保持具。
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