JP3254725B2 - 新しい有機性ゲル化剤 - Google Patents

新しい有機性ゲル化剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機性ゲル化剤に関す
る。ここで、ゲル化剤とは、有機液体に添加することに
より、系の流動性を消失させる機能を有する化合物の総
称である。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子ゲル化剤のみならず、有機
性低分子ゲル化剤の研究も活発に行われるようになっ
た。しかしながら、高分子ゲル化剤に比較して、低分子
ゲル化剤の発明発見が遅れているため、その種類が少な
い。
【0003】これまでに知られている有機性低分子ゲル
化剤としては、ジベンザールソルビット及びそれらの芳
香核置換体、12−ヒドロキシステアリン酸、アシル化ア
ミノ酸アマイド類、コレステロール誘導体などがある。
【0004】従来のゲル化剤は、各々特徴を有してお
り、塗料やインキの流動調整剤や固形剤、流出油のゲル
化回収剤、農薬の固形化剤、目地止めのスランプ防止
剤、高分子加工助剤、芳香剤の固形化剤など、夫々のゲ
ル化剤の特性に応じて使用されている。
【0005】しかしながら、各々の分野で十分満足され
ているわけではなく、新しい機能と特徴を有したゲル化
剤の発見が期待されている。とりわけ、低融点であっ
て、比較的低温で溶解しやすく、かつ、安定なゲルを形
成する特徴を有するゲル化剤の誕生に期待の一つがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特徴あるゲ
ル化機能を有する新しい有機性ゲル化剤を産業界に提供
し、もって、有機性ゲルの応用分野の発展に益すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規有用
な有機性ゲル化剤を開発すべく、鋭意検討の結果、特定
の構造を有するアマイド類が、所期の目的を達成し得る
ものであることを見いだし、かかる知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係る有機性ゲル化剤は、下
記一般式(1)で示される12−ヒドロキシオクタデカン
酸アマイド類(以下「本アマイド類」と総称する。)を
有効成分として含有することを特徴とする。
【化5】 [式中、R1は水素原子、
【化6】
【化7】 又は
【化8】 を表す。pは1〜3の整数を示す。R2は水素原子又は
炭素数1〜30のアルキル基を表す。mは1〜5の整数
を示す。R3は水素原子又は炭素数1〜30のアルキル
基を表す。nは1〜5の整数を示す。]
【0009】本アマイド類は、例えば、12−ヒドロキシ
オクタデカン酸又はそのメチルエステルと対応するアミ
ンとを200℃以下で、無触媒下又は触媒の存在下にて
縮合することにより、ほぼ定量的に得ることができる。
【0010】本アマイド類を得るために用いられるアミ
ンとしては、アンモニア、炭素数1〜3のアルカノール
アミン、尿素、シクロヘキシルアミン、1〜5個のアル
キル基(炭素数1〜30)を有するシクロヘキシルアミ
ン、アニリン、1〜5個のアルキル基(炭素数1〜3
0)を有するアニリンが挙げられ、特にアンモニア、ア
ニリン、アルキルアニリンを適用して得られるアマイド
類が好ましい。
【0011】本アマイド類を調製するに際し、必要に応
じて用いられる上記触媒としては、ナトリウムメチラー
トなどのアルカリアルコラート、苛性ソーダ、苛性カ
リ、水酸化アルミニウム、アルキルチタネート、パラト
ルエンスルホン酸、硫酸などが例示される。
【0012】これらの本アマイド類は、いずれも融点が
150℃以下と低く、低温溶解性の良好なゲル化剤とし
ての特徴を有している。
【0013】本アマイド類は、例えば、鉱油、廃食用
油、アスファルト、香料、医薬品基剤、目地止め剤、マ
ーキング材、可塑剤、エチレン−酢酸ビニル樹脂などの
ゲル化剤として有用である。
【0014】本アマイド類をゲル化剤として適用する処
方の一例を以下に述べる。即ち、ゲル化対象物(ベース
の基剤)と本アマイド類(ゲル化剤)とを加熱下に混合
して均一溶液とした後、混合を停止し、冷却する。この
とき、所定の効果を奏する限り、従来公知の他のゲル化
剤を併用しても良い。
【0015】上記物質をゲル化するに際して適用される
本アマイド類の量は、その対象物質の種類及び処理条件
などを勘案して適宜選択されるが、通常、ゲル化対象物
に対して0.05〜30重量%程度、好ましくは1〜5
重量%程度である。
【0016】本アマイド類は、ゲル化剤としてのみなら
ず、結晶性高分子であるポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブタジエン樹脂
などの結晶促進剤や剛性向上剤及び透明化向上剤として
の機能を有する核剤としても有効である。
【0017】加えて、これら結晶性樹脂成形物の諸物性
を低下させずに成形性を向上させる可塑剤としても有効
である。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を掲げ、本発明を詳しく説明
する。 製造例1 温度計、攪拌機、冷却器付の100ml4ツ口フラスコ
に、12−ヒドロキシオクタデカン酸メチル3.14g
(10mmol)及びアニリン2.8g(30mmol)を仕込
み、ナトリウムメチラ−ト触媒1.6gを加えて、14
0℃で2時間反応し、中和、水洗、乾燥を経て、3.4
g(収率90%)の12−ヒドロキシオクタデカン酸アニ
リド(融点119℃)を得た。化合物の同定は、生成物
と標品とのガスクロマトグラム保持時間の一致及びFT
−IRによる生成物のカルボニル基の特性吸収の消失と
アミド基の特性吸収の発生とにより容易になされた。
【0019】実施例1 オレイン酸10gを試験管に採取し、製造例1で得た12
−ヒドロキシオクタデカン酸アニリド0.5gを加温溶
解し、水冷して2分後の状態を観察した。試験管を倒置
してもオレイン酸の流下がなく、系の流動性が明かに消
失し、ゲルを形成していた。昇温すると均一溶液とな
り、水冷により再び、熱可逆的にゲルを形成した。
【0020】実施例2 ゲル化対象物を流動パラフィンとした他は実施例1に準
じてゲル形成の有無を判定した。その結果、系の流動性
が明かに消失し、ゲルを形成していた。
【0021】実施例3 ゲル化対象物をジオクチルフタレートとし、ゲル化剤と
して製造例1に準じて調製した12−ヒドロキシオクタデ
カン酸アマイド(融点115℃)を用いた他は実施例1
に準じてゲル形成の有無を判定した。その結果、系の流
動性が明かに消失し、ゲルを形成していた。
【0022】実施例4 ゲル化剤として製造例1に準じて調製した12−ヒドロキ
シオクタデカン酸エタノールアマイド(融点112℃)
を用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無を判定し
た。その結果、系の流動性が明かに消失し、ゲルを形成
していた。
【0023】実施例5 ゲル化剤として製造例1に準じて調製した12−ヒドロキ
シオクタデカン酸イソプロパノールアマイド(融点10
1℃)を用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無を
判定した。その結果、系の流動性が明かに消失し、ゲル
を形成していた。
【0024】実施例6 ゲル化剤として製造例1に準じて調製した12−ヒドロキ
シオクタデカン酸シクロヘキシルアマイド(融点116
℃)を用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無を判
定した。その結果、系の流動性が明かに消失し、ゲルを
形成していた。
【0025】実施例7 ゲル化剤として製造例1に準じて調製した12−ヒドロキ
シオクタデカン酸p−メチルフェニルアマイド(融点1
21℃)を用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無
を判定した。その結果、系の流動性が明かに消失し、ゲ
ルを形成していた。
【0026】比較例1 ゲル化剤として12−ヒドロキシオクタデカン酸ブチルア
マイドを用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無を
判定した。その結果、系は全くゲル化していなかった。
【0027】比較例2 ゲル化剤として12−ヒドロキシオクタデカン酸メチルを
用いた他は実施例3に準じてゲル形成の有無を判定し
た。その結果、系は全くゲル化していなかった。
【0028】比較例3 ゲル化剤として12−ヒドロキシオクタデカン酸ジエタノ
ールアマイドを用いた他は実施例3に準じてゲル形成の
有無を判定した。その結果、系は全くゲル化していなか
った。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る有機性ゲル化剤は、比較的
低温で溶解してゲルを形成する。このため、ゲル形成新
素材として産業界に提供され、ゲルの新しい応用分野の
発展に寄与することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 103 C07C 235/06 C07C 235/08 C07C 235/14 C07C 235/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される12−ヒドロ
    キシオクタデカン酸アマイド類を有効成分とすることを
    特徴とする有機性ゲル化剤。 【化1】 [式中、R1は水素原子、 【化2】 、 【化3】 又は 【化4】 を表す。pは1〜3の整数を示す。R2は水素原子又は
    炭素数1〜30のアルキル基を表す。mは1〜5の整数
    を示す。R3は水素原子又は炭素数1〜30のアルキル
    基を表す。nは1〜5の整数を示す。]
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US9708521B2 (en) * 2010-03-08 2017-07-18 Georgetown University Systems and methods employing low molecular weight gelators for crude oil, petroleum product or chemical spill containment and remediation
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CN109516927B (zh) * 2018-11-19 2021-09-14 中北大学 一种凝胶因子及结构形貌可调的超分子凝胶
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