JP3253730B2 - 温度応答性生理活性物質−オリゴマー複合体及びその製造法 - Google Patents
温度応答性生理活性物質−オリゴマー複合体及びその製造法Info
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- JP3253730B2 JP3253730B2 JP05225193A JP5225193A JP3253730B2 JP 3253730 B2 JP3253730 B2 JP 3253730B2 JP 05225193 A JP05225193 A JP 05225193A JP 5225193 A JP5225193 A JP 5225193A JP 3253730 B2 JP3253730 B2 JP 3253730B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度応答性を有するN
−イソプロピルアクリルアミドオリゴマーと生理活性物
質との複合体及びその製造法に関する。
−イソプロピルアクリルアミドオリゴマーと生理活性物
質との複合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−イソプロピルアクリルアミドは分子
内に疎水性のイソプロピル基と親水性のアミド基を有
し、そのホモポリマーは水系において下限臨界共溶温度
を有する(M. Henskins, J. Macromol. Sci. Chem., A2,
8, 1441(1968)) 。そのため、32℃を境に低温側では水
溶性を示し、高温側ではほとんど水に溶けないという温
度応答性を示す。
内に疎水性のイソプロピル基と親水性のアミド基を有
し、そのホモポリマーは水系において下限臨界共溶温度
を有する(M. Henskins, J. Macromol. Sci. Chem., A2,
8, 1441(1968)) 。そのため、32℃を境に低温側では水
溶性を示し、高温側ではほとんど水に溶けないという温
度応答性を示す。
【0003】一方、酵素や抗体等の生理活性物質は、反
応物との分離を行うため、従来は不溶性担体に固定化さ
れて利用されている。しかし、担体への固定化により、
生理活性物質の活性は、生理的条件下における単独使用
に比べてその2割程度しか発現されていない。また、こ
のような不均一系では、システム全体としての反応効率
も必ずしも充分とはいえない。
応物との分離を行うため、従来は不溶性担体に固定化さ
れて利用されている。しかし、担体への固定化により、
生理活性物質の活性は、生理的条件下における単独使用
に比べてその2割程度しか発現されていない。また、こ
のような不均一系では、システム全体としての反応効率
も必ずしも充分とはいえない。
【0004】N−イソプロピルアクリルアミドオリゴマ
ーと生理活性物質との複合体としては、N−イソプロピ
ルアクリルアミドとN−アクリロイルオキシスクシンイ
ミドとのランダムコポリマーと蛋白質との複合体が知ら
れている(J. P. Chen, et al., Biomaterials, 11, 625
-634(1990))。しかしながら、この複合体は、1本の高
分子鎖中に多くの結合点を持つため、不必要な架橋をし
て凝集を起こしやすく、また結合させた生理活性物質の
活性を低下させやすいという欠点を有する。
ーと生理活性物質との複合体としては、N−イソプロピ
ルアクリルアミドとN−アクリロイルオキシスクシンイ
ミドとのランダムコポリマーと蛋白質との複合体が知ら
れている(J. P. Chen, et al., Biomaterials, 11, 625
-634(1990))。しかしながら、この複合体は、1本の高
分子鎖中に多くの結合点を持つため、不必要な架橋をし
て凝集を起こしやすく、また結合させた生理活性物質の
活性を低下させやすいという欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来のN−イソプロピルアクリルアミドオリゴマーと生理
活性物質との複合体の欠点を解消した、N−イソプロピ
ルアクリルアミドオリゴマーと生理活性物質との複合体
及びその製造法を提供することを目的とする。
来のN−イソプロピルアクリルアミドオリゴマーと生理
活性物質との複合体の欠点を解消した、N−イソプロピ
ルアクリルアミドオリゴマーと生理活性物質との複合体
及びその製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、生理活性物質
と分子量 1,000〜80,000の末端に官能基を有するN−イ
ソプロピルアクリルアミドホモオリゴマーとの複合体、
及び生理活性物質と、分子量 1,000〜80,000の末端に官
能基を有するN−イソプロピルアクリルアミドと親水性
モノマー又は疎水性モノマーとのコオリゴマーとの複合
体、並びにこれらの複合体の製造法である。
と分子量 1,000〜80,000の末端に官能基を有するN−イ
ソプロピルアクリルアミドホモオリゴマーとの複合体、
及び生理活性物質と、分子量 1,000〜80,000の末端に官
能基を有するN−イソプロピルアクリルアミドと親水性
モノマー又は疎水性モノマーとのコオリゴマーとの複合
体、並びにこれらの複合体の製造法である。
【0007】本発明の対象となる生理活性物質として
は、例えば酵素、抗体、ホルモン、その他各種蛋白質、
糖蛋白質、核酸、糖脂質が挙げられる。本発明に用いる
オリゴマーにおける官能基としては、前記生理活性物質
と共有結合を形成し得るものであれば特に制限はなく、
例えばカルボキシル基、アミノ基、シアノ基、水酸基、
ハロゲン原子、オキソ基、ホルミル基、活性エステル、
イソシアナート基、酸クロリド等が挙げられる。
は、例えば酵素、抗体、ホルモン、その他各種蛋白質、
糖蛋白質、核酸、糖脂質が挙げられる。本発明に用いる
オリゴマーにおける官能基としては、前記生理活性物質
と共有結合を形成し得るものであれば特に制限はなく、
例えばカルボキシル基、アミノ基、シアノ基、水酸基、
ハロゲン原子、オキソ基、ホルミル基、活性エステル、
イソシアナート基、酸クロリド等が挙げられる。
【0008】末端に官能基を有するN−イソプロピルア
クリルアミドホモオリゴマーとしては、例えば、次式
(I):
クリルアミドホモオリゴマーとしては、例えば、次式
(I):
【0009】
【化7】
【0010】で示される繰り返し単位からなる分子量
1,000〜80,000のオリゴマーであって、末端の一方が水
素原子で、他方が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。該ホモオリゴマ
ーの代表的なものとしては、次式 (III):
1,000〜80,000のオリゴマーであって、末端の一方が水
素原子で、他方が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。該ホモオリゴマ
ーの代表的なものとしては、次式 (III):
【0011】
【化8】
【0012】(式中、nは10〜700 の整数を表す。)で
示されるものが挙げられる。前述した生理活性物質とN
−イソプロピルアクリルアミドホモオリゴマーとの複合
体は、32〜34℃の下限臨界共溶温度(以下「LCST」
という。)を有するものであるが、用いるオリゴマーを
親水性モノマーとのコオリゴマーとし、該親水性モノマ
ーの比率を高めることによりLCSTを高温側にシフト
させることができ、また用いるオリゴマーを疎水性モノ
マーとのコオリゴマーとし、該疎水性モノマーの比率を
高めることによりLCSTを低温側にシフトさせること
ができる。ここで用いる親水性モノマーとしては、例え
ばN,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、モノメチルアクリルアミ
ド、エチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ビ
ニルアルコール等が挙げられ、疎水性モノマーとして
は、例えば、次式:
示されるものが挙げられる。前述した生理活性物質とN
−イソプロピルアクリルアミドホモオリゴマーとの複合
体は、32〜34℃の下限臨界共溶温度(以下「LCST」
という。)を有するものであるが、用いるオリゴマーを
親水性モノマーとのコオリゴマーとし、該親水性モノマ
ーの比率を高めることによりLCSTを高温側にシフト
させることができ、また用いるオリゴマーを疎水性モノ
マーとのコオリゴマーとし、該疎水性モノマーの比率を
高めることによりLCSTを低温側にシフトさせること
ができる。ここで用いる親水性モノマーとしては、例え
ばN,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、モノメチルアクリルアミ
ド、エチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ビ
ニルアルコール等が挙げられ、疎水性モノマーとして
は、例えば、次式:
【0013】
【化9】
【0014】(式中、Rは水素原子又はメチル基を表
し、nは1〜20、好ましくは2〜18の整数を表す。)で
示されるアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキ
ル、例えばメタクリル酸ブチル等が挙げられる。前記N
−イソプロピルアクリルアミドと親水性モノマー又は疎
水性モノマーとのコオリゴマーにおけるN−イソプロピ
ルアクリルアミドと親水性モノマーとのモル比は、好ま
しくは 100〜80:0〜20であり、N−イソプロピルアク
リルアミドと疎水性モノマーとのモル比は、好ましくは
100〜90:0〜10である。
し、nは1〜20、好ましくは2〜18の整数を表す。)で
示されるアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキ
ル、例えばメタクリル酸ブチル等が挙げられる。前記N
−イソプロピルアクリルアミドと親水性モノマー又は疎
水性モノマーとのコオリゴマーにおけるN−イソプロピ
ルアクリルアミドと親水性モノマーとのモル比は、好ま
しくは 100〜80:0〜20であり、N−イソプロピルアク
リルアミドと疎水性モノマーとのモル比は、好ましくは
100〜90:0〜10である。
【0015】末端に官能基を有するN−イソプロピルア
クリルアミドと親水性モノマーとのコオリゴマーとして
は、例えば、次式(I):
クリルアミドと親水性モノマーとのコオリゴマーとして
は、例えば、次式(I):
【0016】
【化10】
【0017】で示される構造単位と、次式(IV):
【0018】
【化11】
【0019】で示される構造単位が 100〜80:0〜20の
モル比で線状に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000
のオリゴマーであって、末端の一方が水素原子で、他方
が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。
モル比で線状に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000
のオリゴマーであって、末端の一方が水素原子で、他方
が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。
【0020】また、末端に官能基を有するN−イソプロ
ピルアクリルアミドと疎水性モノマーとのコオリゴマー
としては、例えば、次式(I):
ピルアクリルアミドと疎水性モノマーとのコオリゴマー
としては、例えば、次式(I):
【0021】
【化12】
【0022】で示される構造単位と、次式(V):
【0023】
【化13】
【0024】で示される構造単位が 100〜90:0〜10の
モル比で線状に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000
のオリゴマーであって、末端の一方が水素原子で、他方
が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。
モル比で線状に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000
のオリゴマーであって、末端の一方が水素原子で、他方
が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるものが挙げられる。
【0025】本発明に用いるオリゴマーは、例えば、N
−イソプロピルアクリルアミド(以下「IPAAm」と
いう。)、及び必要に応じて親水性モノマー又は疎水性
モノマーと、3−メルカプトプロピオン酸(以下「MP
A」という。)をラジカル重合開始剤の存在下に反応さ
せることにより製造することができる。ここで用いるラ
ジカル重合開始剤としては、例えばα,α'-アゾビスイ
ソブチロニトリル(以下「AIBN」という。)、α,
α'-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、α,α'-
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等、一連
のアゾ化合物系のラジカル重合開始剤が挙げられる。
−イソプロピルアクリルアミド(以下「IPAAm」と
いう。)、及び必要に応じて親水性モノマー又は疎水性
モノマーと、3−メルカプトプロピオン酸(以下「MP
A」という。)をラジカル重合開始剤の存在下に反応さ
せることにより製造することができる。ここで用いるラ
ジカル重合開始剤としては、例えばα,α'-アゾビスイ
ソブチロニトリル(以下「AIBN」という。)、α,
α'-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、α,α'-
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等、一連
のアゾ化合物系のラジカル重合開始剤が挙げられる。
【0026】反応溶媒としては、例えばN,N−ジメチ
ルホルムアミド(以下「DMF」という。)、ジメチル
スルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げ
られる。反応温度は、通常60〜70℃、好ましくは68〜70
℃であり、反応時間は、通常2〜5時間、好ましくは4
〜5時間である。
ルホルムアミド(以下「DMF」という。)、ジメチル
スルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げ
られる。反応温度は、通常60〜70℃、好ましくは68〜70
℃であり、反応時間は、通常2〜5時間、好ましくは4
〜5時間である。
【0027】分子量(重合度)は、モノマーとMPAの
比を変えることにより任意のものを得ることができる。
即ち、得られるオリゴマーの数平均分子量の逆数は「モ
ノマーのモル数/MPAのモル数」に比例する。本発明
に用いるオリゴマーの分子量は、 1,000〜80,000である
が、生理活性物質−オリゴマー複合体が温度変化により
沈殿しやすくなるためには分子量が大きい方が好まし
く、一方、末端官能基の反応性は分子量の増大により低
下し、また分子量の増大による立体障害により生理活性
物質の活性が低下するため、特に分子量 3,000〜30,000
のオリゴマーを用いることが好ましい。
比を変えることにより任意のものを得ることができる。
即ち、得られるオリゴマーの数平均分子量の逆数は「モ
ノマーのモル数/MPAのモル数」に比例する。本発明
に用いるオリゴマーの分子量は、 1,000〜80,000である
が、生理活性物質−オリゴマー複合体が温度変化により
沈殿しやすくなるためには分子量が大きい方が好まし
く、一方、末端官能基の反応性は分子量の増大により低
下し、また分子量の増大による立体障害により生理活性
物質の活性が低下するため、特に分子量 3,000〜30,000
のオリゴマーを用いることが好ましい。
【0028】以上のようにして得られるオリゴマーを蛋
白質、酵素等のアミノ基を有する生理活性物質と結合さ
せるに際しては、オリゴマーを、必要に応じて、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミドの存在
下、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させる等によ
り活性化オリゴマーとした後、該アミノ基を有する生理
活性物質と反応させればよい。
白質、酵素等のアミノ基を有する生理活性物質と結合さ
せるに際しては、オリゴマーを、必要に応じて、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミドの存在
下、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させる等によ
り活性化オリゴマーとした後、該アミノ基を有する生理
活性物質と反応させればよい。
【0029】N−ヒドロキシスクシンイミドによる活性
化反応において、反応溶媒としては、例えば、酢酸エチ
ル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン
化炭化水素系溶媒が挙げられ、反応温度は、通常4〜10
℃であり、反応時間は、通常4〜16時間、好ましくは12
〜16時間である。
化反応において、反応溶媒としては、例えば、酢酸エチ
ル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン
化炭化水素系溶媒が挙げられ、反応温度は、通常4〜10
℃であり、反応時間は、通常4〜16時間、好ましくは12
〜16時間である。
【0030】また、活性化オリゴマーと生理活性物質と
の反応において、活性化オリゴマーと生理活性物質のモ
ル比は、好ましくは5〜50:1〜5であり、反応溶媒と
しては、例えば、水、DMF、ジオキサンが挙げられ、
反応温度は、通常4〜10℃であり、反応時間は、通常4
〜16時間、好ましくは12〜16時間である。一方、水溶性
カルボジイミドを用いて水溶液又は緩衝液中で反応させ
る場合は、オリゴマーを活性化させることなく、直接生
理活性物質と反応させることができる。以上のようにし
て得られる本発明の生理活性物質−オリゴマー複合体
は、温度応答性を有し、LCST以下の温度で均一系反
応が可能であり、またLCST以上で不溶化するので、
容易に反応生成物と分離することができる。更に、薬理
効果を有する生理活性物質とオリゴマーとの複合体を生
体に投与し、作用させたい部位のみを加温して当該部位
に生理活性物質を集積させる新しいターゲッティングシ
ステムが可能となる。
の反応において、活性化オリゴマーと生理活性物質のモ
ル比は、好ましくは5〜50:1〜5であり、反応溶媒と
しては、例えば、水、DMF、ジオキサンが挙げられ、
反応温度は、通常4〜10℃であり、反応時間は、通常4
〜16時間、好ましくは12〜16時間である。一方、水溶性
カルボジイミドを用いて水溶液又は緩衝液中で反応させ
る場合は、オリゴマーを活性化させることなく、直接生
理活性物質と反応させることができる。以上のようにし
て得られる本発明の生理活性物質−オリゴマー複合体
は、温度応答性を有し、LCST以下の温度で均一系反
応が可能であり、またLCST以上で不溶化するので、
容易に反応生成物と分離することができる。更に、薬理
効果を有する生理活性物質とオリゴマーとの複合体を生
体に投与し、作用させたい部位のみを加温して当該部位
に生理活性物質を集積させる新しいターゲッティングシ
ステムが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、合成例及び実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。 (合成例1) IPAAmホモオリゴマーの合成 (1) 試薬 AIBN、DMFは常法により精製した。IPAAmは
トルエンに溶解後、20倍量の石油エーテル中にあけ、再
結晶したものを使用した。MPAは減圧蒸留により83℃
/5mmHg留分を使用した。その他の試薬は市販品をそのま
ま使用した。 (2) 片末端にカルボキシル基を有するIPAAmホモオ
リゴマーの合成 重合管に表1に示す量のIPAAmとMPAを採取し、
ラジカル重合開始剤AIBN3.3g(0.4mol/l)を加え、D
MF50mlで希釈した。凍結脱気後、真空下で封管し、恒
温槽中で70±1℃に保って5時間振り混ぜながらテロメ
リゼーションを行った。次に、冷却して反応を停止さ
せ、得られた反応混合物を40℃の水浴上で溶媒を減圧留
去した後、ジエチルエーテル中にあけてオリゴマーを沈
殿させ、濾別後、真空乾燥した。なお、DMF中のIP
AAmオリゴマー濃度は理論値で1.0mol/lである。本実
施例で得られたIPAAmホモオリゴマーは、前記式(I
II)で示されるものである。
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。 (合成例1) IPAAmホモオリゴマーの合成 (1) 試薬 AIBN、DMFは常法により精製した。IPAAmは
トルエンに溶解後、20倍量の石油エーテル中にあけ、再
結晶したものを使用した。MPAは減圧蒸留により83℃
/5mmHg留分を使用した。その他の試薬は市販品をそのま
ま使用した。 (2) 片末端にカルボキシル基を有するIPAAmホモオ
リゴマーの合成 重合管に表1に示す量のIPAAmとMPAを採取し、
ラジカル重合開始剤AIBN3.3g(0.4mol/l)を加え、D
MF50mlで希釈した。凍結脱気後、真空下で封管し、恒
温槽中で70±1℃に保って5時間振り混ぜながらテロメ
リゼーションを行った。次に、冷却して反応を停止さ
せ、得られた反応混合物を40℃の水浴上で溶媒を減圧留
去した後、ジエチルエーテル中にあけてオリゴマーを沈
殿させ、濾別後、真空乾燥した。なお、DMF中のIP
AAmオリゴマー濃度は理論値で1.0mol/lである。本実
施例で得られたIPAAmホモオリゴマーは、前記式(I
II)で示されるものである。
【0032】IPAAmとMPAの使用量、収量及び収
率を表1に示す。
率を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(3) オリゴマーの分析 (a)分子量の測定 IPAAmオリゴマー0.02g をテトラヒドロフラン5ml
に溶解し、40℃でのゲル濾過クロマトグラフィー(島津
C-R4AX, Shodex KF-80M×2)により重量平均分子量(M
w )及び数平均分子量(Mn )を求めた。
に溶解し、40℃でのゲル濾過クロマトグラフィー(島津
C-R4AX, Shodex KF-80M×2)により重量平均分子量(M
w )及び数平均分子量(Mn )を求めた。
【0035】(b)末端カルボキシル基の定量 IPAAmオリゴマー0.2gを超純水20mlに溶解した後、
20℃の恒温槽中に30分間放置し、フェノールフタレイン
を指示薬として、 0.1N水酸化ナトリウム水溶液により
中和滴定を行った。 (c)曇点変化の測定 IPAAmオリゴマー0.1gを超純水10mlに溶解し、サン
プル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温し、
紫外分光光度計(島津 UV-240)によりIPAAmオリゴ
マー水溶液の500nm の透過率を測定した。別途に分子量
の異なる2種類のオリゴマー(Ic-50, Ic-100) 水溶液を
37℃で10分間静置した後、30秒間激しく攪拌し、再び37
℃で5分間静置したサンプルの上澄の透過率を測定し
た。また、同様の操作を行った後のサンプルを37℃で5
分間遠心分離にかけ、その上澄の透過率を測定した。 (4) 結果 (a)分子量等 テロメリゼーションにおけるIPAAmモノマーのモル
濃度に対するMPAのモル濃度の比(以下 S / M とい
う。)、及び分子量等の分析結果を表2に示す。
20℃の恒温槽中に30分間放置し、フェノールフタレイン
を指示薬として、 0.1N水酸化ナトリウム水溶液により
中和滴定を行った。 (c)曇点変化の測定 IPAAmオリゴマー0.1gを超純水10mlに溶解し、サン
プル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温し、
紫外分光光度計(島津 UV-240)によりIPAAmオリゴ
マー水溶液の500nm の透過率を測定した。別途に分子量
の異なる2種類のオリゴマー(Ic-50, Ic-100) 水溶液を
37℃で10分間静置した後、30秒間激しく攪拌し、再び37
℃で5分間静置したサンプルの上澄の透過率を測定し
た。また、同様の操作を行った後のサンプルを37℃で5
分間遠心分離にかけ、その上澄の透過率を測定した。 (4) 結果 (a)分子量等 テロメリゼーションにおけるIPAAmモノマーのモル
濃度に対するMPAのモル濃度の比(以下 S / M とい
う。)、及び分子量等の分析結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 *:3回の平均 表2から、カルボキシル基1個に相当する分子量と、ゲ
ル濾過クロマトグラフィーによる数平均分子量(Mn )
が良く一致していることがわかる。このことから、以下
の式に示すようなテロメリゼーションにより反応が進行
し、片末端にカルボキシル基を有するオリゴマーが生成
したものと考えられた。
ル濾過クロマトグラフィーによる数平均分子量(Mn )
が良く一致していることがわかる。このことから、以下
の式に示すようなテロメリゼーションにより反応が進行
し、片末端にカルボキシル基を有するオリゴマーが生成
したものと考えられた。
【0037】
【化14】 (式中、Iは重合開始剤を、R* は重合開始剤由来のラ
ジカルを、*はラジカルを、M はIPAAmモノマーを
表す。)表2に示した結果からわかるように、分子鎖長
はモノマーに対するMPA濃度を変化させることにより
制御することができる。また、分子鎖長の小さいオリゴ
マーはDMF溶媒中でMPAを多量に用いることにより
得ることができた。このテロメリゼーションにおいてM
PAのIPAAmに対する連鎖移動定数(Cs)は3.73×10
-3であり、MPAがメタクリル酸メチル(0.38×10-4)
及びスチレン(9.4×10-4)("Polymer Handbook", J. Bra
udrup and E. H. Immergut Ed., John Wiley & Sons,
N. Y., 1975, pp.92-95) に対して示す値に比して非常
に大きな値を示した。
ジカルを、*はラジカルを、M はIPAAmモノマーを
表す。)表2に示した結果からわかるように、分子鎖長
はモノマーに対するMPA濃度を変化させることにより
制御することができる。また、分子鎖長の小さいオリゴ
マーはDMF溶媒中でMPAを多量に用いることにより
得ることができた。このテロメリゼーションにおいてM
PAのIPAAmに対する連鎖移動定数(Cs)は3.73×10
-3であり、MPAがメタクリル酸メチル(0.38×10-4)
及びスチレン(9.4×10-4)("Polymer Handbook", J. Bra
udrup and E. H. Immergut Ed., John Wiley & Sons,
N. Y., 1975, pp.92-95) に対して示す値に比して非常
に大きな値を示した。
【0038】(b)水溶液中におけるオリゴマーの感温性 得られたIPAAmオリゴマー水溶液の温度による透過
率の変化を図1に示す。図1から明らかなように、鎖長
の異なるいずれのオリゴマーにおいても31〜32℃付近で
大きく透過率が変化した。これは、IPAAmのホモポ
リマーが有する下限臨界共溶温度と一致することから、
オリゴマーもホモポリマーと同様の感温性を有している
ことがわかった。
率の変化を図1に示す。図1から明らかなように、鎖長
の異なるいずれのオリゴマーにおいても31〜32℃付近で
大きく透過率が変化した。これは、IPAAmのホモポ
リマーが有する下限臨界共溶温度と一致することから、
オリゴマーもホモポリマーと同様の感温性を有している
ことがわかった。
【0039】また、得られたIPAAmオリゴマーIc-5
0 及びIc-100の水溶液濃度による透過率の変化を図2
に、IPAAmオリゴマーIc-50 希薄水溶液の遠心によ
る透過率の変化を図3に示す。1重量%以上の濃度では
ほぼ90%以上のオリゴマーが析出しかつ沈降していると
考えられるが、1重量%以下の濃度ではオリゴマーの分
子量の小さいものは沈降が進んでいなかった。これは、
希薄溶液中では脱水和したオリゴマーの衝突回数が減
り、オリゴマー自身が沈降するに必要な凝集力を充分に
得ることができないためと考えられた。しかし、水溶液
中で拡散した状態のものでも 0.5重量%程度の濃度であ
れば10000gの遠心力をかけることにより沈降することが
わかった。
0 及びIc-100の水溶液濃度による透過率の変化を図2
に、IPAAmオリゴマーIc-50 希薄水溶液の遠心によ
る透過率の変化を図3に示す。1重量%以上の濃度では
ほぼ90%以上のオリゴマーが析出しかつ沈降していると
考えられるが、1重量%以下の濃度ではオリゴマーの分
子量の小さいものは沈降が進んでいなかった。これは、
希薄溶液中では脱水和したオリゴマーの衝突回数が減
り、オリゴマー自身が沈降するに必要な凝集力を充分に
得ることができないためと考えられた。しかし、水溶液
中で拡散した状態のものでも 0.5重量%程度の濃度であ
れば10000gの遠心力をかけることにより沈降することが
わかった。
【0040】(実施例1) コラーゲン−IPAAmホ
モオリゴマー複合体の製造 合成例1で得た分子量6,100 のIPAAmホモオリゴマ
ー(Ic-50) 1gをN−ヒドロキシスクシンイミド 0.5g
及びジシクロヘキシルカルボジイミド 0.5gと共に酢酸
エチル50mlに溶解し、4℃で16時間反応させた。反応液
を濾過後、ジエチルエーテル中にあけ、活性化オリゴマ
ーを得た。スクシニミジル基の導入の確認はIR及びU
Vにより行った。
モオリゴマー複合体の製造 合成例1で得た分子量6,100 のIPAAmホモオリゴマ
ー(Ic-50) 1gをN−ヒドロキシスクシンイミド 0.5g
及びジシクロヘキシルカルボジイミド 0.5gと共に酢酸
エチル50mlに溶解し、4℃で16時間反応させた。反応液
を濾過後、ジエチルエーテル中にあけ、活性化オリゴマ
ーを得た。スクシニミジル基の導入の確認はIR及びU
Vにより行った。
【0041】分子量約30万のアテロコラーゲン500mg を
冷精製水90mlでふやかした。これに0.1M塩酸0.5ml を
加えて溶解させた後、pH3.0 の冷精製水で30倍に希釈し
た(約0.3 重量%)。活性化オリゴマー140mg を乾燥D
MF4mlに溶解し、30分おきに5回、前記コラーゲン水
溶液に加え、攪拌下4℃で16時間反応させた。ここで加
えた活性化オリゴマーの総量は700mg である。
冷精製水90mlでふやかした。これに0.1M塩酸0.5ml を
加えて溶解させた後、pH3.0 の冷精製水で30倍に希釈し
た(約0.3 重量%)。活性化オリゴマー140mg を乾燥D
MF4mlに溶解し、30分おきに5回、前記コラーゲン水
溶液に加え、攪拌下4℃で16時間反応させた。ここで加
えた活性化オリゴマーの総量は700mg である。
【0042】反応終了後、セルロース製透析膜を用いて
透析した。外液は精製水(塩酸酸性pH3.0)を用いた。
その後、凍結乾燥してコラーゲン−Ic-50 複合体を得
た。コラーゲン−Ic-50 複合体の 0.3重量%水溶液をサ
ンプル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温
し、紫外分光光度計(島津 UV-240)により500nm の透過
率を測定した。結果を図4に示す。
透析した。外液は精製水(塩酸酸性pH3.0)を用いた。
その後、凍結乾燥してコラーゲン−Ic-50 複合体を得
た。コラーゲン−Ic-50 複合体の 0.3重量%水溶液をサ
ンプル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温
し、紫外分光光度計(島津 UV-240)により500nm の透過
率を測定した。結果を図4に示す。
【0043】コラーゲン−Ic-50 複合体は、塩環境に関
係なく水に可溶であり、かつアルコール類やDMF等の
極性溶媒に可溶である。 (合成例2) IPAAmコオリゴマーの合成 (1) IPAAm−疎水性モノマー・コオリゴマーの合
成 原料モノマーとして表3に示す量のIPAAm及びメタ
クリル酸ブチル(以下「BMA」という。)を用い、各
モノマーとMPAの比を、得られるコオリゴマーの分子
量が6,000 前後となるように設定した(IPAAm及び
BMAの全モノマーのモル濃度に対するMPAのモル濃
度の比は、0.022 とした)以外は合成例1と同様にして
IPAAm−BMAコオリゴマーを合成した。
係なく水に可溶であり、かつアルコール類やDMF等の
極性溶媒に可溶である。 (合成例2) IPAAmコオリゴマーの合成 (1) IPAAm−疎水性モノマー・コオリゴマーの合
成 原料モノマーとして表3に示す量のIPAAm及びメタ
クリル酸ブチル(以下「BMA」という。)を用い、各
モノマーとMPAの比を、得られるコオリゴマーの分子
量が6,000 前後となるように設定した(IPAAm及び
BMAの全モノマーのモル濃度に対するMPAのモル濃
度の比は、0.022 とした)以外は合成例1と同様にして
IPAAm−BMAコオリゴマーを合成した。
【0044】各モノマーとMPAの使用量、収量及び収
率を表3に示す。
率を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】分子量等の分析結果を表4に示す。
【0047】
【表4】 *:3回の平均 (2) IPAAm−親水性モノマー・コオリゴマーの合
成 原料モノマーとして表5に示す量のIPAAm及びN,
N−ジメチルアクリルアミド(以下「DMAAm」とい
う。)を用い、各モノマーとMPAの比を、得られるコ
オリゴマーの分子量が6,000 前後となるように設定した
(IPAAm及びDMAAmの全モノマーのモル濃度に
対するMPAのモル濃度の比は、0.022とした)以外は
合成例1と同様にしてIPAAm−DMAAmコオリゴ
マーを合成した。
成 原料モノマーとして表5に示す量のIPAAm及びN,
N−ジメチルアクリルアミド(以下「DMAAm」とい
う。)を用い、各モノマーとMPAの比を、得られるコ
オリゴマーの分子量が6,000 前後となるように設定した
(IPAAm及びDMAAmの全モノマーのモル濃度に
対するMPAのモル濃度の比は、0.022とした)以外は
合成例1と同様にしてIPAAm−DMAAmコオリゴ
マーを合成した。
【0048】各モノマーとMPAの使用量、収量及び収
率を表5に示す。
率を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】分子量等の分析結果を表6に示す。
【0051】
【表6】 *:3回の平均 (3) 水溶液中におけるオリゴマーの感温性 (1) で得られたIPAAm−BMAコオリゴマー水溶液
の温度による透過率の変化を図5に、(2) で得られたI
PAAm−DMAAmコオリゴマー水溶液の温度による
透過率の変化を図6に示す。
の温度による透過率の変化を図5に、(2) で得られたI
PAAm−DMAAmコオリゴマー水溶液の温度による
透過率の変化を図6に示す。
【0052】図5及び6から、用いるオリゴマーをBM
A等の疎水性モノマーとのコオリゴマーとし、該疎水性
モノマーの比率を高めることによりLCSTを低温側に
シフトさせることができ、また用いるオリゴマーをDM
AAm等の親水性モノマーとのコオリゴマーとし、該親
水性モノマーの比率を高めることによりLCSTを高温
側にシフトさせることができ、これによりLCSTを制
御することができることがわかる。
A等の疎水性モノマーとのコオリゴマーとし、該疎水性
モノマーの比率を高めることによりLCSTを低温側に
シフトさせることができ、また用いるオリゴマーをDM
AAm等の親水性モノマーとのコオリゴマーとし、該親
水性モノマーの比率を高めることによりLCSTを高温
側にシフトさせることができ、これによりLCSTを制
御することができることがわかる。
【0053】(実施例2) 生理活性物質−IPAAm
コオリゴマー複合体の製造 実施例1と同様にして、合成例2(1) で得たIPAAm
−BMAコオリゴマーIBc-3(LCST:28℃)とウシ
フィブリノーゲンとの複合体、及び合成例2(2) で得た
IPAAm−DMAAmコオリゴマー IDc-5(LCS
T:34℃)とウシアルブミンとの複合体を製造した。ウ
シフィブリノーゲンと IBc-3のモル比は1:80、ウシア
ルブミンと IDc-5のモル比は1:20とした。なお、活性
化オリゴマーと生理活性物質との複合体形成反応の溶媒
としては水を用いた。
コオリゴマー複合体の製造 実施例1と同様にして、合成例2(1) で得たIPAAm
−BMAコオリゴマーIBc-3(LCST:28℃)とウシ
フィブリノーゲンとの複合体、及び合成例2(2) で得た
IPAAm−DMAAmコオリゴマー IDc-5(LCS
T:34℃)とウシアルブミンとの複合体を製造した。ウ
シフィブリノーゲンと IBc-3のモル比は1:80、ウシア
ルブミンと IDc-5のモル比は1:20とした。なお、活性
化オリゴマーと生理活性物質との複合体形成反応の溶媒
としては水を用いた。
【0054】反応終了後、実施例1と同様にして、透
析、凍結乾燥を行い複合体を得た。得られたウシフィブ
リノーゲン−IBc-3 複合体(F−(IBc-3))及びウシアル
ブミン−IDc-5 複合体(A−(IDc-5))それぞれ 0.1gず
つを超純水10mlに混合・溶解した。この水溶液をサンプ
ル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温し、紫
外分光光度計(島津 UV-240)により500nm の透過率を測
定した。結果を図7に示す。
析、凍結乾燥を行い複合体を得た。得られたウシフィブ
リノーゲン−IBc-3 複合体(F−(IBc-3))及びウシアル
ブミン−IDc-5 複合体(A−(IDc-5))それぞれ 0.1gず
つを超純水10mlに混合・溶解した。この水溶液をサンプ
ル管に入れ恒温槽中で各温度において5分間保温し、紫
外分光光度計(島津 UV-240)により500nm の透過率を測
定した。結果を図7に示す。
【0055】29℃付近で白濁・沈殿を生じた。これを激
しく振盪した後、30℃で遠心し、上清を分離・濾過し
た。沈殿物は凍結乾燥した。濾液は、再度恒温槽中で保
温したところ、35℃付近で再び白濁した。この沈殿物も
遠心後、濾取して凍結乾燥した。
しく振盪した後、30℃で遠心し、上清を分離・濾過し
た。沈殿物は凍結乾燥した。濾液は、再度恒温槽中で保
温したところ、35℃付近で再び白濁した。この沈殿物も
遠心後、濾取して凍結乾燥した。
【0056】最初の沈殿物はトロンビン・クロッティン
グ法によりフィブリノーゲンであること、また2回目の
沈殿物はブロモクレゾール−グリーン法によりアルブミ
ンであることを確認した。双方の混入は測定上無視でき
るほど少なかった。以上のことから、IPAAm−疎水
性モノマー・コオリゴマー、IPAAm−親水性モノマ
ー・コオリゴマーを導入した蛋白質は、温度応答性生理
活性物質−オリゴマー複合体として機能し、混合液中か
らでも、その温度応答性に従って、順に析出・沈殿し、
遠心分離及び濾過により回収が可能であることがわか
る。
グ法によりフィブリノーゲンであること、また2回目の
沈殿物はブロモクレゾール−グリーン法によりアルブミ
ンであることを確認した。双方の混入は測定上無視でき
るほど少なかった。以上のことから、IPAAm−疎水
性モノマー・コオリゴマー、IPAAm−親水性モノマ
ー・コオリゴマーを導入した蛋白質は、温度応答性生理
活性物質−オリゴマー複合体として機能し、混合液中か
らでも、その温度応答性に従って、順に析出・沈殿し、
遠心分離及び濾過により回収が可能であることがわか
る。
【0057】(実施例3) リパーゼ−IPAAmコオ
リゴマー複合体の製造 (1) リパーゼ修飾 0.1Mリン酸緩衝化食塩水(pH 7.4)20mlにブタ膵臓由来の
リパーゼ(和光純薬)50mgを溶解後、合成例2(2) で得
たIPAAm−DMAAmコオリゴマーIDc-10(LCS
T:37℃)をリパーゼの重量比で10倍量又は20倍量溶解
し、4℃で攪拌しながら水溶性カルボジイミド水溶液を
滴下し、同温で4時間反応させた。得られた反応液を精
製水に対して透析(4℃、24時間)後、限外濾過(4
℃)により精製した後、凍結乾燥してリパーゼ−IDc-10
複合体(以下、IDc-10をリパーゼの重量比で10倍量用い
て得られた複合体を「L−(IDc-10)A」、IDc-10をリパ
ーゼの重量比で20倍量用いて得られた複合体を「L−(I
Dc-10)B」という。)を得た。なお、水溶性カルボジイ
ミドとしては1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩を用い、その水溶液の濃
度はL−(IDc-10)Aでは2.0mg/ml、L−(IDc-10)Bで
は4.0mg/mlであり、使用量はいずれも8mlとした。
リゴマー複合体の製造 (1) リパーゼ修飾 0.1Mリン酸緩衝化食塩水(pH 7.4)20mlにブタ膵臓由来の
リパーゼ(和光純薬)50mgを溶解後、合成例2(2) で得
たIPAAm−DMAAmコオリゴマーIDc-10(LCS
T:37℃)をリパーゼの重量比で10倍量又は20倍量溶解
し、4℃で攪拌しながら水溶性カルボジイミド水溶液を
滴下し、同温で4時間反応させた。得られた反応液を精
製水に対して透析(4℃、24時間)後、限外濾過(4
℃)により精製した後、凍結乾燥してリパーゼ−IDc-10
複合体(以下、IDc-10をリパーゼの重量比で10倍量用い
て得られた複合体を「L−(IDc-10)A」、IDc-10をリパ
ーゼの重量比で20倍量用いて得られた複合体を「L−(I
Dc-10)B」という。)を得た。なお、水溶性カルボジイ
ミドとしては1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩を用い、その水溶液の濃
度はL−(IDc-10)Aでは2.0mg/ml、L−(IDc-10)Bで
は4.0mg/mlであり、使用量はいずれも8mlとした。
【0058】得られたL−(IDc-10)A及びL−(IDc-10)
B、並びに原料のIDc-10及び未修飾リパーゼそれぞれ
0.1gずつを超純水10mlに溶解し、透過用セルに入れ恒
温槽中で各温度において5分間保温し、紫外分光光度計
(島津 UV-240)により500nm の透過率を測定した。結果
を図8に示す。図8から、IDc-10で修飾されたリパーゼ
L−(IDc-10)A及びL−(IDc-10)Bは37℃で相転移を示
す蛋白質ハイブリッドであることがわかる。
B、並びに原料のIDc-10及び未修飾リパーゼそれぞれ
0.1gずつを超純水10mlに溶解し、透過用セルに入れ恒
温槽中で各温度において5分間保温し、紫外分光光度計
(島津 UV-240)により500nm の透過率を測定した。結果
を図8に示す。図8から、IDc-10で修飾されたリパーゼ
L−(IDc-10)A及びL−(IDc-10)Bは37℃で相転移を示
す蛋白質ハイブリッドであることがわかる。
【0059】(2) 酵素活性の測定 IDc-10で修飾されたリパーゼL−(IDc-10)A及びL−(I
Dc-10)B、並びに原料の未修飾リパーゼの酵素活性を以
下のようにして測定した。オリーブ油エマルジョンを基
質として1)、32℃で1時間攪拌後、エタノール5mlで反
応を停止させ、遊離脂肪酸をフェノールフタレインを指
示薬として 0.001N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し
た。 1)精製水 3.8ml+酵素溶液 0.2ml+オリーブ油エマルジ
ョン2)2ml+バルビタール緩衝液3)1ml 2)5w/v%アラビアゴム水溶液50ml+オリーブ油25ml+2w
/v%安息香酸ナトリウム水溶液 5ml+精製水20mlを20分
間攪拌した後、用いた。 3)バルビタールナトリウム 1.45g+精製水20ml+1mol/l
塩酸2.94mlを精製水で全量を100ml とした。 結果を図9に示す。IDc-10で修飾されたリパーゼL−(I
Dc-10)A及びL−(IDc-10)B、並びに未修飾リパーゼの
活性は、酵素濃度(Lowry 法により測定)に比例した。
Dc-10)B、並びに原料の未修飾リパーゼの酵素活性を以
下のようにして測定した。オリーブ油エマルジョンを基
質として1)、32℃で1時間攪拌後、エタノール5mlで反
応を停止させ、遊離脂肪酸をフェノールフタレインを指
示薬として 0.001N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し
た。 1)精製水 3.8ml+酵素溶液 0.2ml+オリーブ油エマルジ
ョン2)2ml+バルビタール緩衝液3)1ml 2)5w/v%アラビアゴム水溶液50ml+オリーブ油25ml+2w
/v%安息香酸ナトリウム水溶液 5ml+精製水20mlを20分
間攪拌した後、用いた。 3)バルビタールナトリウム 1.45g+精製水20ml+1mol/l
塩酸2.94mlを精製水で全量を100ml とした。 結果を図9に示す。IDc-10で修飾されたリパーゼL−(I
Dc-10)A及びL−(IDc-10)B、並びに未修飾リパーゼの
活性は、酵素濃度(Lowry 法により測定)に比例した。
【0060】また、L−(IDc-10)A及び未修飾リパーゼ
の酵素濃度をそれぞれ0.4mg・cm-3になるように調整
し、酵素活性の温度依存性を調べたところ未修飾リパー
ゼは37℃で酵素活性最大を示したのに対して、L−(IDc
-10)Aは37℃で不溶化し、活性をほとんど示さなかった
(図10)。以上のことから、本発明による酵素−オリゴ
マー複合体は、反応後に相転移させて、生成物と酵素を
分離するシステムとして利用できることがわかる。
の酵素濃度をそれぞれ0.4mg・cm-3になるように調整
し、酵素活性の温度依存性を調べたところ未修飾リパー
ゼは37℃で酵素活性最大を示したのに対して、L−(IDc
-10)Aは37℃で不溶化し、活性をほとんど示さなかった
(図10)。以上のことから、本発明による酵素−オリゴ
マー複合体は、反応後に相転移させて、生成物と酵素を
分離するシステムとして利用できることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明の生理活性物質−オリゴマー複合
体は、温度応答性を有し、LCST以下の温度で均一系
反応が可能であり、またLCST以上で不溶化するの
で、容易に反応生成物と分離することができる。更に、
本発明の生理活性物質−オリゴマー複合体は、末端に官
能基を有するオリゴマーを用いているため、従来の1本
の高分子鎖中に多くの結合点を持つランダムコポリマー
を用いたものと異なり、不必要な架橋による凝集、生理
活性物質の活性低下等の欠点を有さず、また生理活性物
質に対して定量的に導入することができる。
体は、温度応答性を有し、LCST以下の温度で均一系
反応が可能であり、またLCST以上で不溶化するの
で、容易に反応生成物と分離することができる。更に、
本発明の生理活性物質−オリゴマー複合体は、末端に官
能基を有するオリゴマーを用いているため、従来の1本
の高分子鎖中に多くの結合点を持つランダムコポリマー
を用いたものと異なり、不必要な架橋による凝集、生理
活性物質の活性低下等の欠点を有さず、また生理活性物
質に対して定量的に導入することができる。
【図1】IPAAmオリゴマー水溶液の温度による透過
率の変化を示す図である。
率の変化を示す図である。
【図2】IPAAmオリゴマーの水溶液濃度による透過
率の変化を示す図である。
率の変化を示す図である。
【図3】IPAAmオリゴマー希薄水溶液の遠心による
透過率の変化を示す図である。
透過率の変化を示す図である。
【図4】コラーゲン−Ic-50 複合体水溶液の温度による
透過率の変化を示す図である。
透過率の変化を示す図である。
【図5】IPAAm−BMAコオリゴマー水溶液の温度
による透過率の変化を示す図である。
による透過率の変化を示す図である。
【図6】IPAAm−DMAAmコオリゴマー水溶液の
温度による透過率の変化を示す図である。
温度による透過率の変化を示す図である。
【図7】ウシフィブリノーゲン−IBc-3 複合体(F−(I
Bc-3))及びウシアルブミン−IDc-5 複合体(A−(IDc-
5))混合水溶液の温度による透過率の変化を示す図であ
る。
Bc-3))及びウシアルブミン−IDc-5 複合体(A−(IDc-
5))混合水溶液の温度による透過率の変化を示す図であ
る。
【図8】L−(IDc-10)A、L−(IDc-10)B、IDc-10及び
未修飾リパーゼのそれぞれの水溶液の温度による透過率
の変化を示す図である。
未修飾リパーゼのそれぞれの水溶液の温度による透過率
の変化を示す図である。
【図9】L−(IDc-10)A、L−(IDc-10)B及び未修飾リ
パーゼの酵素濃度による活性の変化を示す図である。
パーゼの酵素濃度による活性の変化を示す図である。
【図10】L−(IDc-10)A及び未修飾リパーゼの酵素活
性の温度依存性を示す図である。
性の温度依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/48 CA(STN)
Claims (8)
- 【請求項1】 生理活性物質と分子量 1,000〜80,000の
末端にカルボキシル基を有するN−イソプロピルアクリ
ルアミドホモオリゴマーとの複合体。 - 【請求項2】 生理活性物質と、次式(I): 【化1】 で示される繰り返し単位からなる分子量 1,000〜80,000
のオリゴマーであって、末端の一方が水素原子で、他方
が次式(II): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるN−イソプロピルアクリルアミドホ
モオリゴマーとの複合体。 - 【請求項3】 生理活性物質と、次式 (III): 【化2】 (式中、nは10〜700 の整数を表す。)で示される分子
量 1,000〜80,000のN−イソプロピルアクリルアミドホ
モオリゴマーとの複合体。 - 【請求項4】 生理活性物質と、次式(I): 【化3】 で示される構造単位と、次式(IV): 【化4】 で示される構造単位が 100〜80:0〜20のモル比で線状
に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000のオリゴマー
であって、末端の一方が水素原子で、他方が次式(I
I): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるN−イソプロピルアクリルアミドと
親水性モノマーとのコオリゴマーとの複合体。 - 【請求項5】 生理活性物質と、次式(I): 【化5】 で示される構造単位と、次式(V): 【化6】 で示される構造単位が 100〜90:0〜10のモル比で線状
に不規則に配列した分子量 1,000〜80,000のオリゴマー
であって、末端の一方が水素原子で、他方が次式(I
I): -SCH2CH2COOH (II) で示される基であるN−イソプロピルアクリルアミドと
疎水性モノマーとのコオリゴマーとの複合体。 - 【請求項6】 分子量 1,000〜80,000の末端にカルボキ
シル基を有するN−イソプロピルアクリルアミドホモオ
リゴマーを、カルボジイミド類の存在下、N−ヒドロキ
シスクシンイミドと反応させて活性化オリゴマーとした
後、アミノ基を有する生理活性物質と反応させることを
特徴とする生理活性物質−オリゴマー複合体の製造法。 - 【請求項7】 分子量 1,000〜80,000の末端にカルボキ
シル基を有するN−イソプロピルアクリルアミドと親水
性モノマー又は疎水性モノマーとのコオリゴマーを、カ
ルボジイミド類の存在下、N−ヒドロキシスクシンイミ
ドと反応させて活性化オリゴマーとした後、アミノ基を
有する生理活性物質と反応させることを特徴とする生理
活性物質−オリゴマー複合体の製造法。 - 【請求項8】 分子量 1,000〜80,000の末端にカルボキ
シル基を有するN−イソプロピルアクリルアミドと親水
性モノマー又は疎水性モノマーとのコオリゴマーを、水
溶性カルボジイミド類の存在下、アミノ基を有する生理
活性物質と反応させることを特徴とする生理活性物質−
オリゴマー複合体の製造法。
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