JP3252147B2 - 二酸化チタン皮膜の形成方法 - Google Patents

二酸化チタン皮膜の形成方法

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JP3252147B2
JP3252147B2 JP01449597A JP1449597A JP3252147B2 JP 3252147 B2 JP3252147 B2 JP 3252147B2 JP 01449597 A JP01449597 A JP 01449597A JP 1449597 A JP1449597 A JP 1449597A JP 3252147 B2 JP3252147 B2 JP 3252147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超臨界流体を用
いて行う二酸化チタン皮膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタンに光を照射すると、正孔が
生成される。この正孔は、水道の消毒などに広く使用さ
れている塩素やオゾンに比べて非常に強い酸化力を持っ
ており、殆ど全ての有機物を分解することができるた
め、水中に溶けている有害な化学物質や、空気中に含ま
れる悪臭物質を簡単に分解・無害化することができる。
したがって、前記二酸化チタンは、抗菌や防かび、大気
汚染物質であるNOx, SOxなどの分解・無害化、壁
の汚れの分解・除去などにも使用できる。
【0003】しかし、従来においては粉末の二酸化チタ
ンが用いられていたため、取り扱いが面倒で、連続処理
ができないなどの欠点があった。そこで、粉末状態と比
べて取り扱いの容易な二酸化チタン皮膜を用いることが
研究されてきた。この二酸化チタン皮膜の形成方法とし
ては、ディップコーティング法やスピンコーティング法
などが存在する。ところがディップコーティング法で
は、対象物は、ゾルに浸漬できるように大きさの制限が
あり、しかも均一な速度で引き上げることのできるもの
であるという要件があり、また、スピンコーティング法
では、基板が高速で回転させることのできるものである
ことが要件とされる。したがって、ディップコーティン
グ法やスピンコーティング法では、既存建築物などへの
現場施工が困難であり、大面積の皮膜を迅速に形成する
ことも不可能であった。さらに、ディップコーティング
法やスピンコーティング法においては、二酸化チタンの
ゾルから湿潤ゾルへ、さらには乾燥、焼成による結晶化
というプロセスが必要であり、現場施工を行うことは不
可能であった。また、プラスチックスなど耐熱性の乏し
い材質からなるものや、撥水性表面を有するものや、繊
維製品などに皮膜を形成するのも困難であった。
【0004】ところで、近年、超臨界流体を用いる急速
膨張法(RESS法)によって、酸化珪素や酸化ゲルマ
ニウム、アルミナなどの無機物、あるいはポリプロピレ
ンなどの高分子の微粒子を生成することが試みられてい
る。超臨界流体急速膨張法(RESS法)においては、
超臨界流体に対してある溶質の溶解度は圧力の増加とと
もに増大し、その溶質が溶解した超臨界流体を、微細な
ノズルから大気中に吐出させると、溶液が断熱膨張し、
圧力・温度が急激に低下するとともに、溶媒がガス化拡
散し、それに伴って溶媒の溶解力は急激に低下して溶質
が析出するという原理を利用している。なお、前記超臨
界流体は、公知の如く、物質固有の臨界温度(臨界状態
に相当する温度。気体を液化することのできる最高温
度。)、臨界圧力(臨界状態に相当する圧力。)を越え
た状態にある流体をいう。この超臨界流体は、粘性がき
わめて低い、拡散速度が大きい、密度が液体に近い、反
応速度が大きい、温度は圧力により制御可能、という特
色を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の点
に鑑み、超臨界流体を用いることによって、既存の建築
物などに対する現場施工や、大面積のものや、撥水性の
ものや、繊維製品や耐熱性に乏しい材質からなるものに
対しても、簡単かつ迅速に二酸化チタン皮膜を形成でき
る方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、超臨
界流体に二酸化チタンのゾルを混合させた混合超臨界流
体を、急激に減圧にして対象物表面に吹き付けると同時
に該吹き付けられた対象物表面を加熱することにより、
対象物表面に二酸化チタン皮膜を形成することを特徴と
する。
【0007】この請求項1の発明においては、二酸化チ
タンのゾルが混合された混合超臨界流体は、急激に減圧
とされて対象物に吹き付けられる際に、前記減圧により
急速に膨張しガス化して拡散する。そして、溶解度が急
激に低下して二酸化チタンの微粒子を生成する。そのた
め、その二酸化チタンの微粒子が対象物表面に薄層状に
付着する。そして、前記対象物表面が前記吹き付けと同
時に加熱されることにより、二酸化チタンのゾルから二
酸化チタンへの結晶化がなされ、対象物表面に所望の二
酸化チタンの皮膜が形成される。
【0008】また、前記超臨界流体は粘性が殆どないた
め、その超臨界流体に二酸化チタンのゾルが混合した混
合超臨界流体も粘性が極めて低く、濡れ性の低い表面を
有する対象物であっても、満遍なく二酸化チタンの皮膜
を対象物表面に形成できる。
【0009】請求項2の発明は、超臨界流体に二酸化チ
タンのゾルを混合させた混合超臨界流体を、急激に減圧
にすると同時に加熱しながら対象物表面に吹きつけるこ
とにより、対象物表面に二酸化チタン皮膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0010】この請求項2の発明においては、急激に減
圧にした混合超臨界流体を加熱しながら対象物に吹き付
けるため、二酸化チタンのゾルを結晶化させるために対
象物自体を加熱する必要がなく、耐熱性に乏しいプラス
チックスに対しても二酸化チタンの皮膜を形成できる。
その他の作用は請求項1の場合と同じである。
【0011】また、請求項3の発明は、超臨界流体にチ
タンアルコキシドなどの有機チタン化合物を溶解させた
混合超臨界流体を加熱し、急激に減圧すると同時に高温
空気あるいは高温酸素と接触酸化させながら対象物表面
に吹き付けることにより、対象物表面に二酸化チタン皮
膜を形成することを特徴とする。
【0012】この請求項3の発明において、超臨界流体
に溶解した有機チタン化合物は加熱されることによって
分解し、また急激に減圧されて吐出される際に高温空気
あるいは高温酸素と反応して酸化分解が促進し、二酸化
チタンを生成し、対象物表面に二酸化チタン皮膜を形成
する。そのため、請求項1または2のようにあらかじめ
二酸化チタンのゾルを用意する必要がなく、有機チタン
化合物を使用できる利点がある。
【0013】さらに、請求項4の発明は、超臨界流体に
チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物が溶解した
混合超臨界流体を加熱した状態で、亜臨界または超臨界
状態の水と接触させた後、急激に減圧させながら対象物
表面に吹き付けることにより、対象物表面に二酸化チタ
ン皮膜を形成することを特徴とする。
【0014】この請求項4の発明において、超臨界流体
に溶解した有機チタン化合物は、加熱により、さらには
亜臨界または超臨界の水と接触することにより分解し、
二酸化チタンになり、その後急激に減圧されて対象物表
面に吹き付けられることによって二酸化チタン皮膜を形
成する。従って、請求項3と同様に、あらかじめ二酸化
チタンのゾルを用意する必要がなく、有機チタン化合物
を使用できる利点がある。
【0015】前記超臨界流体としては、二酸化炭素また
はアルコールからなるものが好ましい。さらに、前記ア
ルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコールが好適である。
【0016】また、前記二酸化チタンゾルは、超微粒子
の二酸化チタンを水に懸濁させたり、アルコールとチタ
ン塩や金属チタンとの反応などによって得られるチタン
のアルコキシドを酸やアルカリなどを触媒として加水分
解したりすることによって調製される。ここで、チタン
塩としては硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、
オキシ塩化物、塩化物や臭化物などのハロゲン化物、酢
酸塩や蓚酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、ステアリン酸
塩、乳酸塩、アセチル酢酸塩、ナフテン酸塩などの有機
酸塩などが挙げられる。
【0017】一方、前記有機チタン化合物としては、チ
タンのエトキシド、ブトキシド、イソプロポキシド、n
−プロポキシドなどのチタンアルコキシド及びそれらの
混合物のアルコキシド、あるいはチタンの酢酸塩、蓚酸
塩、2−エチルヘキサン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸
塩、アセチル酢酸塩などの有機酸塩及びそれらの混合物
が挙げられ、これらにアルコールやアルコールアミン
類、グリコール類、エチレングリコール、エチレンオキ
シド、キシレン、ジオキサン、ホルムアミド、ジメチル
ホルムアミド、蓚酸などの溶媒を加えたものでも良い。
【0018】また、前記二酸化チタン皮膜を構成する二
酸化チタンの結晶形はアナターゼであることが最も好ま
しい。このアナターゼタイプは、ルチルやブルッカイト
あるいはアモルファスなど、アナターゼ以外のものより
も光触媒活性が高いからである。
【0019】なお、二酸化チタン皮膜が形成される対象
物の材質としては、ガラス、金属、セラミックス、繊
維、プラスチックス等が挙げられる。また、前記対象物
の種類としては、壁や水槽、水路、トンネル等の建築物
のみならず、食器や家具等種々のものが対象とされる。
【0020】
【実施例】以下この発明の実施例について説明する。図
1は請求項1に係る発明の実施例に用いた装置の概略
図、図2は請求項2の発明の実施例に用いた装置の概略
図、図3は請求項3の発明の実施例に用いた装置の概略
図、図4は請求項4の発明の実施例に用いた装置の概略
図である。また、図5は代表的な悪臭物質であるアセト
アルデヒドに対する分解能の測定結果を示し、図6は大
気汚染物質であるNOxに対する無害化作用の測定結果
を示す。
【0021】まず、請求項1の発明の実施例について説
明する。図1に示す装置は、二酸化炭素供給部10と超
臨界流体生成部20と混合超臨界流体生成部30および
噴出部40とよりなる。二酸化炭素供給部10は、二酸
化炭素ボンベ11を有し、そのボンベ11から配管12
を介して超臨界流体生成部20に二酸化炭素を供給する
ようになっている。なお、二酸化炭素に代えてメタノー
ル等のアルコールを用いてもよい。この例では、前記配
管12の途中に設けられた高圧ポンプ13によって、3
1℃の二酸化炭素が100気圧まで加圧され、その後超
臨界流体生成部20に供給される。符号14はドライヤ
ー、15は冷却装置、16はフィルター、17は圧力
計、18は安全弁である。
【0022】超臨界流体生成部20は、前記加圧された
二酸化炭素を加熱して超臨界流体を形成する部分で、こ
の例では混合超臨界流体生成部30と兼用の恒温槽21
内に設けられている。恒温槽21は40℃〜250℃の
任意の温度に維持できるようになっており、この例では
100℃に維持されている。この超臨界流体生成部20
は、前記二酸化炭素ボンベ11に高圧ポンプ13等を介
して配管12で接続されており、前記加圧された二酸化
炭素をプレヒーター22で80℃に加熱して超臨界流体
とする。符号23はストッパーである。
【0023】混合超臨界流体生成部30は、前記超臨界
流体生成部20で生成された二酸化炭素などの超臨界流
体に二酸化チタンのゾルを混合して混合超臨界流体を生
成する部分である。この混合超臨界流体生成部30は、
前記超臨界流体生成部20に配管12で接続された抽出
セル31を有する。この抽出セル31には攪拌モータで
回転する攪拌装置32と、二酸化チタンのゾルを供給す
るための配管12Aが設けられている。そして、その配
管12Aを介して所定量の二酸化チタンのゾルが抽出セ
ル31に供給され、前記超臨界流体生成部20から供給
される二酸化炭素の超臨界流体と混合されて混合超臨界
流体が生成される。この例では、抽出セル31内に、二
酸化チタンのゾルと二酸化炭素の超臨界流体を重量比率
1:30で供給供給して、100気圧、80℃の混合超
臨界流体を生成した。なお、二酸化チタンのゾルは、公
知のゾルゲル法で生成されたものを用いた。符号11A
は二酸化チタンのゾル容器、13Aは高圧ポンプ、16
Aはフィルター、17Aと33は圧力計、18Aと35
は安全弁、34は温度計である。
【0024】噴出部40は、前記混合超臨界流体を対象
物46に吹き付ける部分で、前記抽出セル31に接続さ
れたホース41の先端に膨張ノズル42が取り付けられ
ている。そして、拡散防止ボックス45内に配置した対
象物46の表面に前記膨張ノズル42から前記混合超臨
界流体を吹き付ける。それと同時に、混合超臨界流体の
吹き付けられた対象物46の表面を、拡散防止ボックス
45内に設けた図示しない加熱装置で加熱し、対象物4
6表面に二酸化チタンの皮膜を形成する。この例では、
ノズル42の径は0.1〜0.3mm、混合超臨界流体
の吐出圧は10〜30MPa、加熱装置は近赤外線加熱
装置からなり、対象物46としての陶器製の皿の表面を
400℃に加熱した。このようにして対象物46の表面
に形成された二酸化チタン皮膜は、結晶形がアナターゼ
からなってその厚みは1〜5μであった。
【0025】次に、請求項2の発明の例について説明す
る。この請求項2の発明は、前記混合超臨界流体を減圧
にして対象物に吹き付ける際に、混合超臨界流体を加熱
しながら行う点で請求項1の発明と異なる。図2に示す
装置は、請求項2の発明の例に用いられるものである。
この図2の装置は、現場施工が容易なように移動式のも
ので、二酸化炭素供給部50と超臨界流体生成部60と
混合超臨界流体生成部70と噴出部80および加熱部9
0とよりなる。
【0026】二酸化炭素供給部50、超臨界流体生成部
60および混合超臨界流体生成部70は、移動が容易な
ように底部にキャスター51, 61を有するが、その他
の基本的構成および条件は、図1に示した装置と殆ど同
じである。なお図2において、図1と同じ名称の部分に
ついては、理解を容易にするため図1と同じ符号で示し
た。
【0027】噴出部80は、前記混合超臨界流体生成部
70の抽出セル31にホース81を介して吐出ユニット
83が接続され、その吐出ユニット83先端の膨張ノズ
ル84から混合超臨界流体が吐出されるようになってい
る。符号82は加熱ユニットで、抽出セル31から供給
される混合超臨界流体を所定温度、この例では200℃
にして吐出ユニット83に供給するものである。
【0028】加熱部90は、前記噴出部80から急激に
減圧状態にされて対象物95に向け吐出される混合超臨
界流体を、対象物95の表面に届くまでの間に加熱し
て、二酸化チタンを結晶化状態にして対象物95表面に
付着させ、効率良く二酸化チタンの皮膜を形成するもの
である。この例の加熱部90は、公知のマイクロ波加熱
装置91からなって、前記膨張ノズル84に取り付けら
れている。このマイクロ波加熱装置91では、混合超臨
界流体を100〜300℃に加熱する。なお、この図2
の装置を用い、前記図1の装置で説明したのと同様の条
件で、プラスチックス製容器からなる対象物95の表面
に膨張ノズル84から混合超臨界流体を急速減圧し、か
つマイクロ波加熱装置で加熱しながら10秒間吹き付け
たところ、対象物95の表面には約0.3μの厚みから
なって結晶形がアナターゼの二酸化チタン皮膜が形成さ
れた。
【0029】請求項3の発明の実施例について説明す
る。この請求項3の発明は、チタンアルコキシドなどの
有機チタン化合物を用いる点、および混合超臨界流体を
対象物表面に吹き付ける際に高温空気または高温酸素と
接触させる点が請求項1および請求項2の発明と相違す
る。チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物の使用
は、液の揮発蒸散の影響を制御できる工場での実施に適
し、この実施例では市販のチタンテトライソプロポキシ
ドを用いた。図3に示す装置は、二酸化炭素供給部10
0と超臨界流体生成部200と混合超臨界流体生成部3
00と高温空気・酸素供給部350と噴出部400とよ
りなる。
【0030】二酸化炭素供給部100は、請求項1の実
施例で述べた二酸化炭素供給部10と同じ構成からな
る。符号101は二酸化炭素ボンベ、102は配管、1
03は高圧ポンプ、104はドライヤー、105は冷却
装置、106はフィルター、107は圧力計、108は
安全弁である。この二酸化炭素供給部100では、請求
項1の実施例と同様に、二酸化炭素が100気圧まで加
圧され、その後超臨界流体生成部200に供給される。
【0031】超臨界流体生成部200も、請求項1の実
施例で述べた超臨界流体生成部20と同じ構成からな
る。符号201は恒温糟、203はストッパーである。
この超臨界流体生成部200では、前記二酸化炭素供給
部100で加圧された二酸化炭素をプレヒーター202
で80℃に加熱して超臨界流体とする。
【0032】混合超臨界流体生成部300は、前記超臨
界流体生成部200で生成された二酸化炭素の超臨界流
体に、有機チタン化合物としてのチタンテトライソプロ
ポキシドを混合して混合超臨界流体を生成する部分であ
る。この混合超臨界流体生成部300は、前記超臨界流
体生成部200に配管102で接続された抽出セル30
1を有する。この抽出セル301には、攪拌モータで回
転する攪拌装置302と、チタンテトライソプロポキシ
ドを供給するための配管102Aが設けられている。そ
して、その配管102Aを介して所定量のチタンテトラ
イソプロポキシドが抽出セル301に供給され、前記超
臨界流体生成部200から供給される超臨界流体と混合
されて混合超臨界流体が生成される。この実施例では、
チタンテトライソプロポキシドと前記超臨界流体生成部
200で生成された二酸化炭素の超臨界流体を重量比率
1:30で供給し、90気圧、70℃の混合超臨界流体
を生成した。符号101Aはチタンテトライソプロポキ
シドを収容した容器、103Aは高圧ポンプ、106A
はフィルター、107Aと303は圧力計、108Aと
305は安全弁、304は温度計である。
【0033】高温空気・酸素供給部350は、空気また
は酸素がボンベ351からポンプ352によって後記噴
出部400に向けて圧送され、途中のプレヒーター35
3で高温に加熱される。
【0034】噴出部400は、前記混合超臨界流体を対
象物406に吹き付ける部分で、前記抽出セル301に
接続されたホース401の先端に膨張ノズル402が取
り付けられている。その膨張ノズル402は、前記高温
空気・酸素供給部350の配管354の先端に設けられ
た噴霧ノズル403と一体とされ、膨張ノズル402か
ら吐出される混合超臨界流体が、噴霧ノズル403から
吐出される高温空気または酸素と接触するようになされ
ている。また、前記両ノズルの外周にサーミスタによる
加熱ヒータが巻き付けられていて、前記混合超臨界流体
および高温空気・酸素がさらに加熱されて吐出するよう
になっている。
【0035】そして、前記膨張ノズル402から80℃
に加熱された混合超臨界流体を吐出するとともに、前記
噴霧ノズル403から200℃の高温空気または酸素を
吐出し、その高温空気または酸素と接触させた混合超臨
界流体を拡散防止ボックス405内に配置した対象物4
06の表面に吹き付ける。前記膨張ノズル402から吐
出された混合超臨界流体は、急激に膨張することで減圧
になり、それと同時に高温空気または酸素と接触するこ
とで酸化分解が促進され、対象物406表面に二酸化チ
タン皮膜を形成する。この例では、膨張ノズル402の
径は0.05〜0.1mm、混合超臨界流体の吐出圧は
10〜30MPa、対象物406はガラス製のプレート
である。このようにして対象物406の表面に形成され
た二酸化チタンの皮膜は、結晶形がアナターゼからなっ
てその厚みは1〜5μであった。
【0036】次に請求項4の発明の実施例について説明
する。この請求項4の発明は、チタンアルコキシドなど
の有機チタン化合物を用いる点、および混合超臨界流体
を亜臨界または超臨界状態の水と接触させた後に対象物
に吹き付ける点で請求項1および2と相違し、また前記
亜臨界または超臨界状態の水と接触させる点で請求項3
の発明と相違する。
【0037】図4に示す装置は、請求項4の発明の実施
例に用いられるもので、現場施工が容易なように移動式
になっている。この装置は、二酸化炭素供給部500と
超臨界流体生成部600と混合超臨界流体生成部700
と噴出部800および亜臨界・超臨界水生成部900と
よりなる。
【0038】二酸化炭素供給部500と超臨界流体生成
部600と混合超臨界流体生成部700については、移
動が容易なように底部にキャスター501,601を有
するが、その他の基本的構成および条件は図3に示した
装置と殆ど同じである。なお、図4において、図3と同
じ名称の部分については図3と同じ符号で示した。
【0039】二酸化炭素供給部500では、請求項3の
実施例と同様に、二酸化炭素が100気圧まで加圧さ
れ、その後超臨界流体生成部600に供給される。超臨
界流体生成部600では、前記二酸化炭素供給部500
で加圧された二酸化炭素をプレヒーター202で80℃
に加熱して超臨界流体とする。
【0040】混合超臨界流体生成部700では、請求項
3の実施例と同様に、配管102Aを介して抽出セル3
01に供給されたチタンテトライソプロポキシドと、前
記超臨界流体生成部200から配管102を介して抽出
セル301に供給された超臨界流体とが抽出セル301
で混合されて混合超臨界流体が生成される。この実施例
では、チタンテトライソプロポキシドと二酸化炭素の超
臨界流体を重量比率1:30で供給し、90気圧、70
℃の混合超臨界流体を生成した。
【0041】噴出部800は、前記混合超臨界流体生成
部700の抽出セル301にホース801を介して吐出
ユニット803が接続されている。また、この吐出ユニ
ット803は、亜臨界・超臨界水生成部900の抽出セ
ル901とも、ホース906を介して接続されている。
そしてその吐出ユニット803の先端には、前記混合超
臨界流体生成部700の抽出セル301と通じる膨張ノ
ズル804と、前記亜臨界・超臨界水生成部900の抽
出セル901と通じる吐出ノズル904が一体にセット
され、前記膨張ノズル804から吐出される混合超臨界
流体と、前記吐出ノズル904から吐出される亜臨界ま
たは超臨界水とが接触した後に外部へ吐出するようにな
っている。符号802は加熱ユニットである。
【0042】亜臨界・超臨界水生成部900は、亜臨界
(超臨界状態の直前状態を言う。)または超臨界状態の
水を生成する部分で、抽出セル901内で亜臨界または
超臨界水が生成される。なお、亜臨界状態の水と超臨界
状態の水のいずれも使用でき、適宜選択される。
【0043】前記混合超臨界流体は吐出ユニット803
で亜臨界または超臨界水と接触することで酸化され、吐
出ユニット803から吐出されることで急激に減圧にさ
れて対象物905表面に二酸化チタン皮膜を形成する。
建物の外壁に用いられるコンクリート板からなる対象物
905に対して、前記のように混合超臨界流体を超臨界
水と接触させた後、急激に減圧して10秒間吹き付けた
ところ、コンクリート板の表面には、厚み5〜8μのア
ナターゼタイプの二酸化チタン皮膜が形成された。
【0044】なお、本発明によって形成された二酸化チ
タン皮膜の作用を調べるため、前記請求項1の実施例と
同じ方法によって一辺125mmの正方形からなるガラ
スクロスの表面に厚み5μからなるアナターゼタイプの
二酸化チタン皮膜を形成した実施品と、二酸化チタン皮
膜のないガラスクロス(ブランク)とを、各々上面が透
明となった石英ガラス容器に入れ、さらにその容器に代
表的な悪臭物質であるアセトアルデヒドを100ppm
となるように充填し、両容器に紫外線を照射して時間の
経過とともに両容器内のアセトアルデヒド量がどのよう
に変化するかをガスクロメーターで測定した。その結果
を図5に示す。この測定結果から明らかなように、実施
品は代表的な悪臭物質であるアセトアルデヒドを速やか
に分解する作用を有する。
【0045】また、本発明によって形成されたアナター
ゼタイプの二酸化チタン皮膜について、大気汚染物質で
あるNOxに対する無害化作用を、次のようにして調べ
た。すなわち、NOxを含む気体が流れる配管途中に透
明容器を接続し、その容器内に、直径10cmのセラミ
ック板に本発明によって125μの二酸化チタン皮膜を
形成した実施品を入れて、容器に紫外線を照射したり、
照射を止めたりするとともに、容器通過後の気体中に含
まれるNOx量を測定した。その結果は、図6に示すよ
うに、紫外線照射(Aの時点)によりNOxが直ちに二
酸化チタン皮膜で分解されて減少し、紫外線照射を停止
(Bの時点)すると再びNOxが増大した。
【0046】
【発明の効果】以上図示し説明したように、請求項1な
いし請求項6の発明によれば、ディップコーティング法
やスピンコーティング法のような制約が存在せず、既存
建築物などへの現場施工や、大面積の対象物に対しても
二酸化チタンの皮膜を迅速かつ容易に形成することがで
きる。しかも、対象物表面の濡れ性が問題にならないた
め、撥水性表面を有する対象物に対しても確実に二酸化
チタンの皮膜を形成できる。さらに、対象物表面に吹き
付ける混合超臨界流体は、ほとんど粘性がないため、従
来のディップコーティング法やスピンコーティング法な
どでは、毛細管現象によって皮膜を形成できなかった繊
維製品等に対しても確実に二酸化チタンの皮膜を形成で
きる。
【0047】また、請求項1ないし6の発明によって物
品の表面に形成された二酸化チタン皮膜は、その光触媒
作用によって有害な化学物質や悪臭物質を簡単に分解・
無害化することができ、抗菌や防かび、大気汚染物質で
あるNOx、SOxなどの分解や無害化等の優れた作用
を発揮する、極めて有用なものである。従って、この発
明によれば、そのような有害物質の分解・無害化作用を
所望の物質に簡単に付与できる効果がある。
【0048】それらに加えて請求項2の発明によれば、
耐熱性に乏しいプラスチック製品等に対しても簡単かつ
確実に二酸化チタン皮膜を形成できる。さらに、請求項
3および請求項4の発明によれば、超臨界流体と混合さ
せる二酸化チタンのゾルをあらかじめゾルゲル法などで
生成しておく必要がなく、チタンアルコキシドなどの有
機チタン化合物を用いることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の実施例に用いた装置の概
略図である。
【図2】請求項2の発明の実施例に用いた装置の概略図
である。
【図3】請求項3の発明の実施例に用いた装置の概略図
である。
【図4】請求項4の発明の実施例に用いた装置の概略図
である。
【図5】代表的な悪臭物質であるアセトアルデヒドに対
する分解能の測定結果を示す図である。
【図6】大気汚染物質であるNOxに対する無害化作用
の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
10, 50,100,500:二酸化炭素供給部 20, 60,200,600:超臨界流体生成部 30,70,300,700:混合超臨界流体生成部 40,80,400,800:噴出部 46,95,406,905:対象物 90 加熱部 350:高温空気・酸素供給部 900:亜臨界または超臨界水生成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 垰田 博史 愛知県名古屋市名東区平和が丘1丁目70 番地 猪子石住宅4棟301号 (72)発明者 加藤 俊作 香川県綾歌郡綾南町畑田958番3 (72)発明者 加藤 薫一 愛知県名古屋市昭和区桜山町1丁目10番 地 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 昭55−90441(JP,A) 特開 平1−179423(JP,A) 特開 平2−304299(JP,A) 特公 昭51−45799(JP,B1) 特公 昭49−29829(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/047 C01G 23/04 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界流体に二酸化チタンのゾルを混合
    させた混合超臨界流体を、急激に減圧にして対象物表面
    に吹き付けると同時に該吹き付けられた対象物表面を加
    熱することにより、対象物表面に二酸化チタン皮膜を形
    成することを特徴とする二酸化チタン皮膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 超臨界流体に二酸化チタンのゾルを混合
    させた混合超臨界流体を、急激に減圧にすると同時に加
    熱しながら対象物表面に吹きつけることにより、対象物
    表面に二酸化チタン皮膜を形成することを特徴とする二
    酸化チタン皮膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 超臨界流体にチタンアルコキシドなどの
    有機チタン化合物を溶解した混合超臨界流体を加熱し、
    急激に減圧すると同時に高温空気あるいは高温酸素と接
    触酸化させながら対象物表面に吹き付けることにより、
    対象物表面に二酸化チタン皮膜を形成することを特徴と
    する二酸化チタン皮膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 超臨界流体にチタンアルコキシドなどの
    有機チタン化合物を溶解した混合超臨界流体を加熱した
    状態で、亜臨界または超臨界状態の水と接触させた後、
    急激に減圧させながら対象物表面に吹き付けることによ
    り、対象物表面に二酸化チタン皮膜を形成することを特
    徴とする二酸化チタン皮膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    超臨界流体が二酸化炭素またはアルコールからなること
    を特徴とする二酸化チタン皮膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    二酸化チタンの結晶形がアナターゼであることを特徴と
    する二酸化チタン皮膜の形成方法。
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