JP3252098B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP3252098B2
JP3252098B2 JP02392197A JP2392197A JP3252098B2 JP 3252098 B2 JP3252098 B2 JP 3252098B2 JP 02392197 A JP02392197 A JP 02392197A JP 2392197 A JP2392197 A JP 2392197A JP 3252098 B2 JP3252098 B2 JP 3252098B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tire
tread
antioxidant
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02392197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10217720A (ja
Inventor
哲彦 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP02392197A priority Critical patent/JP3252098B2/ja
Publication of JPH10217720A publication Critical patent/JPH10217720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252098B2 publication Critical patent/JP3252098B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドウォール部
の半径方向外方部であるバットレス域で、早期に亀裂が
生じるのを防止しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、空気入りタイヤはTOS(トレッド・オーバー・サ
イドウォール)構造を採用しているものが多い。このT
OS構造は、図4(a)に示す如く、サイドウォール部
aにおいて、カーカスbの外面を覆うサイドゴムcのタ
イヤ半径方向外側にトレッドゴムdが覆うように配され
るものである。
【0003】このTOS構造では、タイヤ成形工程にお
いて、ドラム上で成形した円筒状カーカスのサイドウォ
ール領域に、予め前記サイドゴムcを貼り付け、しかる
後、円筒状カーカスをトロイダル状に膨張させつつトレ
ッド領域にベルト層、トレッドゴムdなどを配すること
ができ、図5に示すようないわゆるSOT(サイドウォ
ール・オーバー・トレッド)構造に比べると設備、作業
者の技能などを含めて生産性に優れるという利点があ
る。
【0004】図4(a)に示す前記トレッドゴムd、サ
イドゴムcは、耐候性、耐オゾンクラック性などを高め
るべく老化防止剤を含有したゴム組成物が用いられてい
るが、タイヤの保管中などに老化防止剤がタイヤ外面側
に移行(ブルーム)すると、タイヤ外面を変色させ外観
不良を引き起こすという問題がある。
【0005】そこで、近年では、特に外部から看取され
やすいサイドゴムcに、老化防止剤を含有させずゴム自
体の耐オゾン性を高めることにより、サイドウォール部
の外観不良を防止する技術が例えば特開平8−2317
72号公報により提案されている。
【0006】前記特開平8−231772号公報は、図
4(b)に示すように、前記サイドゴムcを、カーカス
bに隣り合う内層ゴムciと、タイヤ外面をなす外層ゴ
ムcoとの2層構造とするともに、外層ゴムcoにエチ
レンプロピレンジエンゴムを配合することを開示してい
る。
【0007】この提案では、外層ゴムcoに老化防止剤
を配合していないため、サイドゴムの表面に老化防止剤
の移行がなく、サイドウォール部の外観を向上しうる。
しかしながら、図4(b)に示すように、一般的にトレ
ッドゴムdに含まれている老化防止剤は、サイドゴムc
との境界面から、老化防止剤が含まれていないサイドゴ
ムcへと移行するため、トレッドゴムdの厚さが最も小
さくなる先細状をなすタイヤ軸方向外端部gの老化防止
剤の残存割合が他の部分に比べ著しく減少し、該外端部
gに比較的早期に亀裂が生じるという新たな問題が生じ
る。
【0008】本発明は、以上のような問題に鑑み案出さ
れたもので、バットレス域において早期に亀裂が生じる
のを防止しうる空気入りタイヤを提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビ
ード部のビードコアで係止されるカーカスと、このカー
カスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を含むコ
ード補強層とを具えた空気入りタイヤであって、該空気
入りタイヤのサイドウォール部の半径方向外方部である
バットレス域に、このバットレス域でタイヤ外面に露出
するとともに前記ベルト層のタイヤ半径方向内側に先細
状にのびるクッションゴムを配し、しかもこのクッショ
ンゴムのタイヤ半径方向の内側面は、前記サイドウォー
ル部をカーカスの外側に沿ってのびかつ老化防止剤を含
まないゴム組成物からなるサイドゴム部が接続されると
ともに、前記クッションゴムは、老化防止剤を含むゴム
組成物からなり、かつ前記バットレス域に露出する露出
部のタイヤ半径方向距離Xは、2mm以上10mm未満であ
り、しかもタイヤ子午断面においてクッションゴムの前
記内側面と、タイヤ外面とはそれらの交点において30
°以上かつ150°未満の角度θで交わることを特徴と
している。
【0010】また請求項2記載の発明では、前記サイド
ゴム部は、前記カーカスに隣り合う内層ゴムと、この内
層ゴムのタイヤ軸方向外側に配されるタイヤ外面をなす
外層ゴムとからなり、ともにクッションゴムの内側面に
接続され、かつ前記外層ゴムは、エチレンプロピレンジ
エンゴムとハロゲン化ブチルゴムとを含有したゴム組成
物からなることを特徴とする。
【0011】また請求項3記載の発明では、前記クッシ
ョンゴムは、ゴム成分100重量部に対して1.5〜
4.0重量部の老化防止剤を含むとともに、前記トレッ
ド部は、このトレッド部の主部をなす主トレッドゴム部
と、その両端で前記コード補強層のタイヤ半径方向外側
に位置しかつバットレス域のタイヤ外面で露出するウイ
ングゴム部とからなるトレッドゴムとを具え、該トレッ
ドゴムは、前記クッションゴムの半径方向外側面に少な
くともタイヤ軸方向外方部で接続するとともに、前記主
トレッドゴム部は、ゴム成分100重量部に対して1.
0〜3.0重量部の老化防止剤を含み、かつ前記ウイン
グゴム部は、ゴム成分100重量部に対して1.5〜
5.0重量部の老化防止剤を含むことを特徴としてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1には、トレッド部2からサイ
ドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の周り
を折り返し係止されるカーカス6と、このカーカス6の
半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたコード
補強層7とを具えた乗用車用のラジアルタイヤを例示し
ている。
【0013】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列した1枚
以上のプライからなり、前記カーカスコードは、好まし
くは、ポリエステル、ナイロン又はレーヨン等の有機繊
維コードが採用されるが、必要に応じてスチールコード
をも採用しうる。
【0014】前記コード補強層7は、本例ではコードを
タイヤ赤道に対して10〜35°の小角度で傾けて配列
した少なくとも2枚、本例では内、外2枚のベルトプラ
イ9A、9Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね
合わせて構成したベルト層9からなるものを例示する。
また前記ベルトコードは、本例ではスチールコードを採
用しているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊
維コードも必要に応じて用いうる。
【0015】なお、前記コード補強層7は、例えばベル
ト層9の半径方向外側に、有機繊維コードを実質的にタ
イヤ周方向に配したバンド層などを含ませることができ
る。
【0016】そして本発明では、図1、図2に示すよう
に、前記サイドウォール部3の半径方向外方部であるバ
ットレス域Bに、このバットレス域Bでタイヤ外面に露
出するとともに前記ベルト層9のタイヤ半径方向内側に
先細状にのびるクッションゴム10を配している。
【0017】このクッションゴム10は、前記ベルト層
9のタイヤ半径方向内側に先細状にのびることによっ
て、ベルト層9の端部の衝撃を緩和しうるとともに、本
例では図2に示すように、タイヤ半径方向の内側面10
aに前記サイドウォール部3をカーカス6の外側に沿っ
てのびるサイドゴム部13を、また半径方向外側面10
bにトレッドゴム16をそれぞれ接続している。
【0018】前記トレッドゴム16は、本例では前記ト
レッド部2の主部をなす主トレッドゴム部14と、その
両端で前記コード補強層9のタイヤ半径方向外側に位置
しかつバットレス域Bのタイヤ外面で露出するウイング
ゴム部15とから構成されている。
【0019】前記主トレッドゴム部14は、ゴム成分1
00重量部に対して1.0〜4.0重量部、好ましくは
1.0〜3.0重量部の老化防止剤を含み、かつ前記ウ
イングゴム部15は、ゴム成分100重量部に対して
1.5〜6.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量
部の老化防止剤を含むものを例示している。これによっ
て、トレッドゴム16は、耐耐候性、耐オゾンクラック
性などを高めることができるからオゾンクラックなどの
亀裂が早期に発生するのを効果的に防止しうる。
【0020】また前記サイドゴム部13は、老化防止剤
を含まないゴム組成物からなり、しかも本例では、前記
カーカス6に隣り合う内層ゴム11と、この内層ゴム1
1のタイヤ軸方向外側に配されてタイヤ外面をなす外層
ゴム12とからなるものを例示している。そして、これ
らの内層ゴム11、外層ゴム12は、ともにクッション
ゴム10の内側面10aに接続している。
【0021】前記外層ゴム12は、老化防止剤を含まな
いゴム組成物からなることにより、ゴム自体の耐候性、
耐オゾンクラック性を高める必要がある。本例では外層
ゴム12は、エチレンプロピレンジエンゴム(以下、単
に「EPDM」という場合がある。)とハロゲン化ブチ
ルゴム(以下、単に「XーIIR」という場合があ
る。)とを含有したゴム組成物からなるものを例示して
いる。
【0022】EPDMは、エチレンとプロピレンの共重
合体に、加硫性を与えるべく第3成分としてジエンを加
えて共重合した低不飽和のゴムであり比較的高価でもあ
る。このEPDMのヨウ素価は、ゴムの接着性を高める
ために例えば10〜15の範囲にあることが望ましい。
【0023】また、EPDMのエチレン/プロピレンの
比(モル比)は、例えば65/35〜85/15の範囲
内、好ましくは70/30〜82.5/17.5の範囲
内であることが望ましい。前記EPDMのエチレンのモ
ル数がプロピレンのモル数に対して前記範囲よりも少な
い場合、ゴムの接着性が悪くなる傾向にあり、逆に前記
範囲よりも多い場合、、EPDMが結晶性の高いものと
なってゴム弾性が低下する傾向があり好ましくない。
【0024】また、前記X−IIRとしては、塩素化ブ
チルゴム、臭素化ブチルゴムなどを挙げることができ、
とりわけジエン系ゴムとのブレンド性が良好な塩素化ブ
チルゴム(以下、「ClーIIR」という場合がある)
を採用することが好ましい。
【0025】また、外層ゴム12には、前記EPDM、
X−IIRの他にジエン系ゴムがゴム成分として配合さ
れ、このジエン系ゴムとしては、従来サイドウォールの
ゴムとして一般に用いられている天然ゴム、イソプレン
ゴム、スチレンブタジエンゴム又はブタジエンゴムなど
の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0026】なおタイヤのコスト上昇を抑えるために
も、本例では前記外層ゴム12の厚さを0.4〜0.8
mm程度の小厚さで形成したものを例示している。
【0027】このようにサイドゴム13の外層ゴム12
は、EPDMとX−IIRとを含有したゴム組成物から
なることによって、老化防止剤を含有しなくとも耐候
性、耐オゾンクラック性を高めうるとともに、接着性に
優れたゴム組成物をうることができる。また、X−II
Rが配合されることによって、EPDMがゴム組成物中
に均一に分散しやすくなる効果が得られ、外層ゴム12
の全域に万遍なく優れた耐候性が得られる利点もある。
これによって、本実施形態では、サイドウォール部3の
外面に微小な亀裂などが生じるのを長期にわたって防止
することができる。
【0028】また、前記内層ゴム11も、老化防止剤を
含有しないゴム組成物からなり、本例ではゴム成分が、
天然ゴムとブタジエンゴムとからなるゴム組成物を採用
している。なお、ゴム成分には、これ以外にも従来公知
のイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、などの1
種又は2種以上を組み合わせて用いることができるのは
言うまでもない。また、EPDMなどを配合しても良
い。
【0029】このように、サイドゴム13の内層ゴム1
1にも老化防止剤を含ませないことにより、サイドゴム
13において、内層ゴム11から外層ゴム12へ老化防
止剤が移行することも防止しうる。なお、内層ゴム11
の厚さは、タイヤ最大巾位置で好ましくは2〜4mm、よ
り好ましくは2.5〜3.5mmとするのが望ましい。
【0030】また、前記サイドゴム13は、タイヤ成形
時の未加硫の状態において、例えば図3に示すように少
なくとも内層ゴム11、外層ゴム12及びクッションゴ
ム10を予め一体的に張り合わせたシート体として準備
しておき、これをシェーピング前である円筒状のカーカ
スに貼り付けすることができるから、本発明のクッショ
ンゴム10を設けた場合であっても従来のTOS構造の
優れた生産性をそのまま維持しうる。
【0031】次に、前記クッションゴム10は、老化防
止剤を含むゴム組成物からなり、本例ではゴム成分10
0重量部に対して1.5〜4.0重量部の老化防止剤を
含むものを例示している。前記老化防止剤としては、ア
ミン系、(フェノール系)など従来知られている各種の
老化防止剤を用いることができる。
【0032】また、クッションゴム10のゴム成分に
は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム又はブタジエンゴムなどの1種又は2種以上を組み合
わせて用いることができ、また、EPDMを配合するこ
ともできる。本例では、クッションゴム10は天然ゴム
とスチレンブタジエンゴムとをブレンドしたゴム成分か
らなる。
【0033】前記クッションゴム10は、前記バットレ
ス域Bに露出する露出部10cのタイヤ半径方向距離X
を2mm以上かつ10mm未満とすることが必要である。こ
の距離Xは、露出部10cの表面に老化防止剤が移行し
た場合に、亀裂を防止するとともにバットレス域Bの外
観不良を生じない範囲として定められる。
【0034】すなわち、前記露出部10cの距離Xが2
mm未満の場合には、クッションゴム10の老化防止剤が
タイヤ外面側又はサイドゴム部13側に移行したとき
に、該露出部10cが先鋭化し、老化防止剤の残存割合
が著しく少なくなって亀裂が生じやすくなり、逆に前記
露出部10cの距離Xが10mm以上の場合には、クッシ
ョンゴムが老化防止剤の移行により変色すると、これが
広範囲に亘って現れることとなり外観不良を招くため好
ましくない。より好ましくは、前記距離Xは、4mm以上
かつ8mm未満とするのが望ましい。なお距離Xは、図2
に示すようにタイヤ半径方向にタイヤ外面に沿って測定
する。
【0035】また前記クッションゴム10は、前記露出
部10cの距離Xを前提としたとき、タイヤ子午断面に
おいて、クッションゴム10の前記内側面10aと、タ
イヤ外面とはそれらの交点Pにおいて、30°以上かつ
150°未満の角度θで交わることが必要である。なお
この角度θは、前記内側面10aと、前記露出部10c
のタイヤ外面とが交わるタイヤ軸方向外端部の角度とし
て測定する。
【0036】このような角度θと、前記露出部の距離X
とを限定することにより、クッションゴム10の内側面
が、従来のTOS構造のウイングゴムのように先細化す
ることを防止できる。したがって、クッションゴム10
の老化防止剤がサイドゴム側へと移行しても、該クッシ
ョンゴム10の前記内側面のタイヤ軸方向外側は、老化
防止剤の残存割合が著しく低下することがなく、ひいて
はバットレス域Bにおいて早期に亀裂が生じるのを防止
しうる。
【0037】なお前記角度θが30°未満の場合には、
前記距離Xを限定したにも拘わらず、クッションゴムの
内側面2aの端部が先細化して亀裂が生じやすくなる反
面、150°を超えると、今度はサイドゴム部13の外
側面が先鋭となり、亀裂を生じやすくなる。好ましくは
前記角度θは、60°以上かつ120°未満とするのが
望ましい。
【0038】
【実施例】タイヤサイズが175/70R13でありか
つ表1に示す空気入りタイヤを試作するとともに(実施
例1〜5、比較例1〜7、なお比較例7のみSOT構造
であり、その他は、いずれもTOS構造である。)、バ
ットレス域の耐オゾンクラック性、ロードテストによる
バットレス域の耐亀裂性を比較した。
【0039】なお、EPDMには、住友化学工業(株)
製のESPRENE(ヨウ素価12、エチレン/プロピ
レン=80/20)、X−IIRには、エクソン化学
(株)製のCl−IIR HT1066、老化防止剤に
は、精工化学(株)製のオゾノン6Cを使用している。
【0040】また、主トレッドゴム部は、ゴムポリマー
50重量部に対して老化防止剤を2重量部、またウイン
グゴム部は、ゴムポリマー50重量部に対し老化防止剤
を3重量部とした。
【0041】また、テスト条件は次の通りである。 イ)耐オゾンクラック性、サイドウォール部の外観 テストタイヤをリム組みして2.0kgf/cm2 の空気圧を
充填し、温度40℃、オゾン濃度50PPHMの雰囲気
中に15日間放置した後、バットレス域のクラック(亀
裂)の発生状況と、バットレス域を主体的にサイドウォ
ール部の変色具合などを観察した。なお、判定基準は、
次の通りである。 ××:バットレス域の周方向全域にクラック(又は変
色)が発生している ×:バットレス域のほぼ周方向全域にクラック(又は変
色)が発生している △:バットレス域の周方向部分的にクラック(又は変
色)が発生している ○:バットレス域の周方向局部的にクラック(又は変
色)が発生している ◎:バットレス域にクラック(又は変色)が発生してい
ない
【0042】ロ)ロードテスト 複数のユーザをモニターとして、約6月間テストタイヤ
を使用してもらい(走行距離約1000〜4500k
m)、バットレス域のクラック(亀裂)の発生状況を観
察した。判定基準は上と同じである。テストの結果など
を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】テストの結果、実施例のタイヤはいずれも
バットレス域の亀裂の発生を確実に防止していることが
確認できる。また、各比較例からは次のことが確認でき
た。
【0045】先ず、サイドゴムを直接トレッドゴムに接
続した比較例1、2において、サイドゴムに老化防止剤
を含まない比較例1では、バットレス域の亀裂、特にト
レッドゴムの軸方向外側の先端部において多数の亀裂が
確認された。これは、トレッドゴムの老化防止剤が、サ
イドゴム側に移行し、前記先端部の老化防止剤の残存割
合の低下が原因と考えられる。また、サイドゴムの内側
ゴムに老化防止剤を含んだ比較例2では、サイドウォー
ル部外面が変色し外観不良が生じていた。これは、内層
ゴムの老化防止剤が外層ゴムの外面に移行したことが原
因と考えられる。
【0046】また、クッションゴムを有するものの、露
出部の前記距離Xが0mm及び1mmの比較例3、4は、ク
ラックを免れず、同様に露出部の前記角度θが20°の
比較例5も、クラックが生じていた。なお、露出部の前
記距離Xが10mm以上では、外観不良が際立つことも確
認できた。
【0047】
【発明の効果】叙上の如く請求項1の発明は、クッショ
ンゴムの内側面と、露出部とが交わる軸方向外端部が先
鋭化することを防止でき、ひいてはクッションゴムの老
化防止剤が老化防止剤を含まないサイドゴム側へと移行
しても、該クッションゴムの前記外端部は、老化防止剤
の残存割合が著しく低下することがなく、ひいてはバッ
トレス域において早期に亀裂が生じるのを防止しうる。
【0048】また、請求項2の発明は、サイドウォール
部の変色、クラックを防止しつつ、従来、EPDMを用
いたサイドウォールを有する空気入りタイヤにおいて生
じていたバットレス域での亀裂を防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す空気入りタイヤの
断面図である。
【図2】バットレス域を拡大して示す断面図である。
【図3】タイヤ成形の際に使用されるサイドゴムの斜視
図である。
【図4】(a)、(b)は、従来の技術を説明するバッ
トレス域の断面図である。
【図5】SOT構造を説明するバットレス域の断面図で
ある。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 コード補強層 9 ベルト層 10 クッションゴム 10a 内側面 10b 外側面 10c 露出部 11 内層ゴム 12 外層ゴム 13 サイドゴム 14 主トレッドゴム体 15 ウイングゴム 16 トレッドゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 9/18 - 9/20 B60C 11/00 B60C 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を経てビ
    ード部のビードコアで係止されるカーカスと、このカー
    カスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を含むコ
    ード補強層とを具えた空気入りタイヤであって、 該空気入りタイヤのサイドウォール部の半径方向外方部
    であるバットレス域に、このバットレス域でタイヤ外面
    に露出するとともに前記ベルト層のタイヤ半径方向内側
    に先細状にのびるクッションゴムを配し、 しかもこのクッションゴムのタイヤ半径方向の内側面
    は、前記サイドウォール部をカーカスの外側に沿っての
    びかつ老化防止剤を含まないゴム組成物からなるサイド
    ゴム部が接続されるとともに、 前記クッションゴムは、老化防止剤を含むゴム組成物か
    らなり、かつ前記バットレス域に露出する露出部のタイ
    ヤ半径方向距離Xは、2mm以上10mm未満であり、 しかもタイヤ子午断面においてクッションゴムの前記内
    側面と、タイヤ外面とはそれらの交点において30°以
    上かつ150°未満の角度θで交わることを特徴とする
    空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記サイドゴム部は、前記カーカスに隣り
    合う内層ゴムと、この内層ゴムのタイヤ軸方向外側に配
    されるタイヤ外面をなす外層ゴムとからなり、ともにク
    ッションゴムの内側面に接続され、 かつ前記外層ゴムは、エチレンプロピレンジエンゴムと
    ハロゲン化ブチルゴムとを含有したゴム組成物からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記クッションゴムは、ゴム成分100重
    量部に対して1.5〜4.0重量部の老化防止剤を含む
    とともに、 前記トレッド部は、このトレッド部の主部をなす主トレ
    ッドゴム部と、その両端で前記コード補強層のタイヤ半
    径方向外側に位置しかつバットレス域のタイヤ外面で露
    出するウイングゴム部とからなるトレッドゴムとを具
    え、 該トレッドゴムは、前記クッションゴムの半径方向外側
    面に少なくともタイヤ軸方向外方部で接続するととも
    に、 前記主トレッドゴム部は、ゴム成分100重量部に対し
    て1.0〜3.0重量部の老化防止剤を含み、かつ前記
    ウイングゴム部は、ゴム成分100重量部に対して1.
    5〜5.0重量部の老化防止剤を含むことを特徴とする
    請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
JP02392197A 1997-02-06 1997-02-06 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP3252098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02392197A JP3252098B2 (ja) 1997-02-06 1997-02-06 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02392197A JP3252098B2 (ja) 1997-02-06 1997-02-06 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10217720A JPH10217720A (ja) 1998-08-18
JP3252098B2 true JP3252098B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=12123987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02392197A Expired - Fee Related JP3252098B2 (ja) 1997-02-06 1997-02-06 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252098B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4184669B2 (ja) * 2002-01-21 2008-11-19 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ及びその製造方法
WO2009056907A1 (en) * 2007-10-31 2009-05-07 Pirelli Tyre S.P.A. A process for building tyres and tyre obtainable by said process
WO2021096643A1 (en) * 2019-11-13 2021-05-20 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Non-pneumatic tire having multilayer spokes

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10217720A (ja) 1998-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7409974B2 (en) Self-supporting pneumatic tire with a partial inner liner
US6318431B1 (en) Heavy load radial tire with specified carcass turnup
CA2220815C (en) Pneumatic tire
EP0949091B1 (en) Pneumatic tyre
EP1459910B1 (en) Pneumatic radial tire
EP1938957B1 (en) Green tire and method for manufacturing pneumatic tire
KR20010013043A (ko) 타이어
AU656417B2 (en) A radial pneumatic tire having contoured zones in the sidewalls
US6736178B2 (en) Pneumatic tire with specified bead portion
JP2002205508A (ja) 空気入りタイヤ
JPH05185810A (ja) 空気入りタイヤ
US6823914B2 (en) Heavy duty pneumatic radial tires with organic fiber cord bead reinforcing layer
JP2002178714A (ja) 空気入りタイヤ
US4705091A (en) Heavy duty pneumatic radial tires
JPH0550807A (ja) 空気入りタイヤ
JP3252098B2 (ja) 空気入りタイヤ
US7040368B2 (en) Heavy duty tire
JPH11342709A (ja) ラジアルタイヤ
EP3922485B1 (en) Tire for kart
EP1072444B1 (en) Heavy duty radial tire
JP2018192902A (ja) 空気入りタイヤ
JP2000198332A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
EP0243558B1 (en) Heavy duty pneumatic radial tire
JPH11321251A (ja) 空気入りタイヤ
JP3223139B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees