JP3249093B2 - 中空糸膜モジュールの洗浄方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールの洗浄方法

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JP3249093B2 JP00976499A JP976499A JP3249093B2 JP 3249093 B2 JP3249093 B2 JP 3249093B2 JP 00976499 A JP00976499 A JP 00976499A JP 976499 A JP976499 A JP 976499A JP 3249093 B2 JP3249093 B2 JP 3249093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空糸膜モジュール
の洗浄方法に関し、特に特定構造の中空糸膜モジュール
に対して簡易かつ効率的な洗浄が可能であり、容易に濾
過機能を回復できる洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空糸膜モジュールは、無菌水、
飲料水、高純度水の製造や、空気の浄化といったいわゆ
る精密濾過の分野において多く使用されてきたが、近
年、下水処理場における二次処理、三次処理や、浄化槽
における固液分離等の高汚濁性水処理用途に用いる検討
が様々な形で行われている。
【0003】しかしながら、これらの分野で用いられて
いる中空糸膜モジュールも、従来の精密濾過の分野にお
いて用いられてきた円形状や同心円状に中空糸膜を収束
して配置した円筒形タイプのものがほとんどであった。
また、改良が施されるとしても、中空糸膜の充填率や充
填形態を変えるだけのものが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の中空糸膜モジュールを用いて高汚濁性水(例
えば、SS≧50ppm,TOC≧100ppm)の濾
過処理を行った場合には、使用に伴ない中空糸膜表面に
付着した有機物等の堆積物を介して、中空糸膜同士が固
着(接着)して一体化されることにより、モジュール内
の中空糸膜の有効膜面積が低下し、濾過流量の急激な減
少がみられた。特に、この現象は円筒形モジュールの中
心部の中空糸膜において著しく、大型のもの程顕著であ
った。
【0005】また、このようにして中空糸膜同士が固着
して一体化した中空糸膜モジュールを定期的に膜面洗浄
や逆洗を行う場合も、一旦固着一体化したモジュールの
機能回復は容易ではなく、洗浄効率の低下がみられた。
【0006】本発明の目的は、中空糸膜が固着一体化し
にくい特定構造の中空糸膜モジュールを用い、これに対
して簡易かつ効率的な洗浄が可能であり、容易に濾過機
能を回復できる洗浄方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、中空
糸膜の少なくとも片端が、その端部を開口状態に保ちつ
つ、中空糸膜に垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形であ
る固定部材に、近接した状態で合糸された小集束体の集
合体として固定された中空糸膜モジュールを、逆洗によ
り洗浄することを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄
方法である。
【0008】さらに本発明は、中空糸膜の少なくとも片
端が、その端部を開口状態に保ちつつ、中空糸膜に垂直
な断面の形状が細長いほぼ矩形である固定部材に、近接
した状態で合糸された小集束体の集合体として固定され
た中空糸膜モジュールを、スポンジボールにより洗浄す
ることを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法であ
る。
【0009】さらに本発明は、中空糸膜の少なくとも片
端が、その端部を開口状態に保ちつつ、中空糸膜に垂直
な断面の形状が細長いほぼ矩形である固定部材に、近接
した状態で合糸された小集束体の集合体として固定され
た中空糸膜モジュールを、超音波により洗浄することを
特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
【0010】
【作用】以下、本発明に用いる中空糸膜モジュールにつ
き図面を参照しつつより詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明に用いる中空糸膜モジュー
ルの一例を示す斜視図であり、図2はその断面図であ
る。この中空糸膜モジュールは、基本的にはハウジング
1と、固定部材2と、中空糸膜3とを有して構成され
る。これらに加え、分散手段4等の各種の付属部材が付
設されてもよい。
【0012】ハウジング1は、中空糸膜モジュール全体
を支持する部材として機能し、細長いほぼ矩形の開口部
を有する。その材質としては機械的強度および耐久性を
有するものであればよく、例えばポリカーボネート、ポ
リスルフォン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS
樹脂、変成PPE樹脂等が例示される。使用後に焼却処
理が必要な場合には、燃焼により有毒ガスを出さずに完
全燃焼させることのできる炭化水素系の樹脂を材質とす
るのが好ましい。
【0013】ハウジング1の開口部は、そこに中空糸膜
を伴って充填固定される固定部材の中空糸膜に垂直な断
面の形状が細長いほぼ矩形となるようなものであること
が必要であり、この矩形の短辺の長さが30mm以下と
なることが好ましく、15mm以下となることが特に好
ましい。このように、中空糸膜の配設態様を平坦なシー
ト状として展開することで、中空糸膜束全体が一本の棒
状に固着一体化して、中空糸膜の有効膜面積が急激に低
下するのを防止することができる。また、たとえ中空糸
膜同士が固着したとしても、中空糸膜の固着部の厚みは
薄く、中空糸膜がシート状として配設されているので容
易にその固着状態を回復処理することができる。なお、
矩形の長辺の長さについては特に限定はないが、余り短
いと一つの中空糸膜モジュール内に配設できる中空糸膜
の本数が減少するので好ましくなく、一方余り長いと製
造が困難になるので好ましくない。通常、長辺の長さは
100〜2000mm程度とされる。
【0014】固定部材2は、ハウジング1の開口部に充
填固定され、多数のU字状中空糸膜3の各端部を開口状
態を保ったまま集束して固定するとともに、かつこの中
空糸膜を濾過膜として機能させるために、被処理水と処
理水とを液密に仕切る部材として機能する。固定部材2
は、通常エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン等の液状樹脂を硬化させて形成される。
【0015】中空糸膜3としては、種々のものが使用で
き、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系、PMMA系、ポリスルホン系等の各種
材料からなるものが使用できる。ただし、編地への加工
のしやすさなどを考えるとポリエチレン等の強伸度の高
い材質のものが好ましい。なお、濾過膜として使用可能
なものであれば、孔径、空孔率、膜厚、外径等には特に
制限はない。
【0016】中空糸膜3を、ハウジング1の細長いほぼ
矩形の開口部に収納するには、中空糸膜を例えば経糸と
して用いて編地としたものを数枚積層した積層体を使用
するのが好適である。従来の円筒型モジュールの場合に
は、綛取りして集束した中空糸膜を円筒型ハウジング内
に収納するのに困難はなかった。しかし、細長い矩形の
開口部に綛取りした中空糸膜を収納するのは困難だが、
編地は容易に収納することができる。また、中空糸膜の
編地の積層に際しては、性能の異る中空糸膜編地を用い
ることもできる。例えば疎水性中空糸膜の編地を親水化
処理された中空糸膜の編地でサンドイッチ状に挟んで積
層したものを用いて中空糸膜モジュールを作製した場合
には、疎水性中空糸膜層を逆洗時の気泡の供給手段とし
て使用することができる。
【0017】また、編地を数枚積層したものを使用する
代わりに、中空糸膜の編地をジグザグ状に細長く折り畳
んだ(蛇行状に配置した)折り畳み編地を使用してもよ
い。この収納法を採用すると、中空糸膜の充填密度が比
較的低い場合の固定部材への中空糸膜の配設部位の偏在
を防止することができる。
【0018】本発明に用いる中空糸膜モジュールにおい
ては、U字状等の形状の中空糸膜が中空糸膜の小集束体
の集合体として構成されていることが好ましい。ここ
で、小集束体とは、以下に規定する状態を満たす中空糸
膜の集りをいうものとする。すなわち、一つの小集束体
に包含される中空糸膜は、例えば、そのU字形の根本に
当る両固定部が、固定部材において近接した状態(好ま
しくは1cm2 の範囲内)で固定されており、同一の小集
束体属する中空糸膜とは容易に集束(引き揃え)するこ
とができるが、他の小集束体に属する中空糸膜とは近傍
の他の中空糸膜が邪魔をして集束することが困難な状態
にある。より具体的には、一つの綛に巻き取って収束し
た中空糸膜だけを一つのハウジングに収納して固定した
場合には、モジュール内の全中空糸膜は同一の集束体に
包含されていることになる。一方、例えば10本の合糸
した中空糸膜を緯糸として使用した中空糸膜編地を用い
てこれをハウジングに収納し固定した場合には、予め合
糸されていた中空糸膜の全体が一つの集束体を構成し、
一つの集束体に包含される中空糸膜の本数は10本とな
る。
【0019】したがって、U字状の中空糸膜が中空糸膜
の小集束体の集合体として構成されている場合には、中
空糸膜を小集束体毎に集束してこれを他の小集束体から
容易に分離できるので、中空糸膜モジュールの使用に際
して、中空糸膜の強制的な均一分散固定が容易に行なえ
る。小集束体の一つに含まれる中空糸膜の本数は、中空
糸膜の太さにも依存するが、100本以下であることが
好ましく、50本以下であることがより好ましい。
【0020】本発明に用いる中空糸膜モジュールの製造
方法は、特に限定されるものではないが、以下の方法に
よるのが好ましい。まず、図3に示されるような中空糸
膜を緯糸とする編地を作製する。この具体的な方法につ
いては、例えば特開昭62−57965号公報、特開平
1−266258号公報に開示されている。このシート
状の編地を適当な長さに切断したものを数枚積層する。
なお、ここでいう編地の積層には、編地を切断せずに適
当な長さに折り畳み重ねたものをも包含する。編地の積
層(折り畳み)枚数は、編地の厚さ、すなわち中空糸膜
の太さや編地を編成する際の中空糸膜の合糸本数によっ
ても変化するが、通常は2〜5枚程度であり、前述した
固定部材の矩形断面の短辺の長さの制限を満たすように
構成するのが好ましい。この編物の積層体の一辺を、細
長いほぼ矩形の開口部を有するハウジング内に収納し、
該収納部を液状樹脂で硬化固定(以下、ポッティングと
呼ぶ)した後、中空糸膜の開口端部が現われるよう硬化
樹脂を切断する。なお、前述したように、中空糸膜を緯
糸とする編地をジグザグ状に細長く折り畳んだ折り畳み
編地を形成し、この折り畳み編地の一辺をハウジングの
開口部に収納してもよい。
【0021】中空糸膜モジュールの製造において、液状
樹脂を中空糸膜間に隙間なく充填する方法としては、一
般には遠心力を利用する方法が採用されている。しか
し、細長い矩形の開口を有するハウジング内に中空糸膜
をポッティングする場合には、遠心ポッティングに用い
られるバケット等の形状として大型かつ特殊な形状のも
のが要求される。したがって、ハウジングの大きさや形
状に影響されることの少ない、以下に説明する振動法を
用いたポッティングによることが好ましい。すなわち、
中空糸膜の編地をハウジング内に収納し、そこに液状樹
脂を充填する。その際、従来の中空糸膜モジュールの製
造方法の場合と同様に、中空糸膜束の端部を封止して液
状樹脂が中空糸膜の中空部へ侵入しないように処理した
後に行うことは言うまでもない。液状樹脂は、1000
〜2500センチポイズ程度の粘度を有するものが最適
である。液状樹脂が流動性を有している間に、中空糸膜
束と液状樹脂とを収納したハウジングに機械的振動を与
えて樹脂の充填を均一にする。その振動数は、500〜
12000サイクル程度が適当であるが、超音波領域の
振動を付与してもよい。振動法によるポッティングの詳
細は、特開平3−114515号公報に開示されてい
る。このポッティング法を用いることにより液状樹脂を
ハウジング内に均一に分散させ、中空糸膜と硬化樹脂
(固定部材)の間の剥離や、固定部材での濾過流体のリ
ークの発生が防止される。液状樹脂が硬化した後の端面
のカット(中空糸膜の開口端の形成)等は一般的な中空
糸膜モジュールの加工法に準じて実施できる。
【0022】この中空糸膜モジュールの使用にあたって
は、モジュールを密閉容器に配設して、被処理水を加圧
して中空糸膜を透過させるいわゆる加圧濾過法も採用で
きるが、活性汚濁槽や沈澱槽等に中空糸膜モジュールを
配設し、中空糸膜を透過した処理水を回収するサイドを
吸引する吸引濾過法で使用することが好ましい。特に、
周期的に一時吸引を停止する、いわゆる間欠吸引運転方
法を採用することにより、膜面堆積物が膜面内部へ入り
込むのを効率的に防止することができ、中空糸膜モジュ
ールの機能回復処理頻度を低下させることができる。
【0023】吸引濾過法における被処理水の流れは、中
空糸膜の配設方向に対してほぼ垂直に流れるようにし
て、中空糸膜の膜面の洗浄効果をアップさせることが好
ましい。
【0024】この中空糸膜モジュールの好ましい使用方
法の一つとして、前述した中空糸膜の小集束体5毎に、
U字状の頂部の各々を、拡げて保持固定する分散手段4
で保持しつつ濾過を実施する図4に示される態様が挙げ
られる。その際、中空糸膜編地を形成した際の経糸によ
るU字状の頂部の仮固定6をそのまま利用して、U字状
頂部を分散手段4に係合させる図5に示される態様が簡
便で好ましい。もちろん、仮固定用の編地編成時の経糸
は、中空糸膜モジュールから除去されてもよい。分散手
段4は、中空糸膜モジュールと別途に設けてもよいし、
中空糸膜モジュールに一体化させて配設してもよい。ま
た、分散手段は図に示されるようなフック状のものに限
定されず、仕切分配板を有する棒状形態のものでもよい
し、多数の紐を有し、この紐でU字状頂部を縛って固定
するようなものでもよい。この分散手段を配設すること
により、高汚濁性水の濾過に本発明の中空糸膜モジュー
ルを使用しても中空糸膜の高度な分散性をより長期間保
つことができる。
【0025】また、この中空糸膜モジュールの好ましい
使用方法の一つとして、回転体にこのモジュールを配設
してモジュールを回転移動させつつ濾過を実施する方法
が挙げられる。回転体へのモジュールの取り付け方法と
しては、モジュールのハウジングを回転体を中心にして
水平方向に放射状に延ばして配設し、中空糸膜はそれぞ
れのハウジングから下方に垂らす態様や、鉛直方向に配
設された回転体を軸にして複数個のモジュールのハウジ
ングがそれぞれ鉛直方向に向くように配設し、これら各
モジュールから中空糸膜が水平方向に放射状に延びる態
様が挙げられる。
【0026】この中空糸膜モジュールは、特に高汚濁性
水の濾過に適しており、具体的な利用分野としては、河
川水の濾過、工業用水濾過、下水の固液分離、排水処理
(例えば合併浄化槽での処理)等が挙げられる。
【0027】そして本発明においては、中空糸膜モジュ
ールの機能回復処理の為に、逆洗による洗浄、スポンジ
ボールによる洗浄、あるいは、超音波による洗浄を行
う。本発明においては、先に詳述したような特定の形態
の中空糸モジュールを用いるので、これに起因して各洗
浄方法を容易にかつ効率的に行うことができる。
【0028】本発明において、逆洗により洗浄を行う場
合は、中空糸膜が汚濁物質により目詰まりした際、通常
の濾過とは反対に圧力をかけて、気体もしくは液体を逆
流させて中空糸膜モジュールを洗浄すればよい。加圧手
段としては、従来より公知のブロワー、コンプレッサ
ー、ポンプを用いことができる。この逆洗法は、簡便に
実施できる点で有利である。
【0029】従来の中空糸モジュールを逆洗により洗浄
する場合は、その中心部分が糸に囲まれているので、逆
洗を行っても膜面の堆積物が剥がれにくい。また、一旦
剥がれても、糸によって囲まれた部分から外に出て行き
にくい為、濾過を再開した際に再度堆積しやすい。これ
に対し本発明では、先に詳述したように中空糸膜が展開
された特定の形態の中空糸膜モジュールを用いているの
で、糸に囲まれた部分が少なく、膜面の逆洗を効率的に
行うことができる。
【0030】本発明において、スポンジボールにより洗
浄を行う場合は、従来より公知の、樹脂、綿、絹、獣
毛、海綿等、任意のスポンジボールを用いて膜面の付着
物をこすり落としたり、液中に漂わせて水流を与えるこ
とで膜面にスポンジボールを衝突させて物理的に洗浄す
ればよい。
【0031】従来の円筒形の中空糸膜モジュールの場合
は、中心部は糸同士が干渉するためスポンジボール等を
挿入することがほぼ不可能である。これに対し本発明で
は、先に詳述したように中空糸膜が展開された特定の形
態の中空糸モジュールを用いているので、膜面をスポン
ジボールを用いて簡易に洗浄することができる。
【0032】本発明において、超音波により洗浄を行う
場合は、水槽内に振動装置を設置して振動させることに
より、水槽内の液体に超音波を発生させ、中空糸膜モジ
ュールを洗浄すればよい。
【0033】従来の円筒形中空糸膜モジュールの場合
は、内側の糸は外側の糸の陰になっているため、超音波
による衝撃が伝わりにくく、全体が効果的に洗浄できな
い。これに対し本発明では、先に詳述したように、内側
の糸の陰になる部分が最小限となるような特定の形態の
中空糸モジュールを用いているので、超音波により全体
を効率的に洗浄できる。また逆洗の場合と同様に、堆積
物が剥がれやすいという利点も有する。
【0034】参考例1ポリエチレン多孔質中空糸膜(E
HF270T:商品名、内径270μm、外径380μ
m、三菱レイヨン(株)製)を8本合糸したものを経糸
として用いた編地を4枚積層した積層体を、10mm×
300mmの開口を有するハウジング内に収納し、この
収納部をウレタン樹脂で振動ポッティング法により硬化
固定し図1のような構造の中空糸膜モジュールを作製し
た。ループを形成する一本の中空糸膜の長さは760m
mで、有効濾過面積は5m2 であった。
【0035】このモジュールを用いて図6に示されるフ
ローにおける排水処理を実施した。中空糸膜モジュール
は、吸引圧力0.2kg/cm2 、吸引サイクル(9分
吸引、1分停止)の条件で運転した。なお、爆気槽容量
は800リットル、TOC容積負荷は0.2kg/m3
・day、MLSSは約5000ppmであった。
【0036】30日間の排水処理を実施した際の中空糸
膜モジュールの濾過流量の測定結果を図7に示した。
【0037】参考比較例1ポリエチレン多孔質中空糸膜
(EHF270T:商品名、内径270μm、外径38
0μm、三菱レイヨン(株)製)を用いて、端部をウレ
タン樹脂で固め図8のような構造の円筒型モジュールを
作製した。ループを形成する一本の中空糸膜の長さ76
0mm、有効濾過面積は5m2 であった。
【0038】この円筒型モジュールを用いたことを除い
ては、参考例1と全く同様にして排水処理を行った。中
空糸膜モジュールの濾過流量の測定結果を図9に示し
た。
【0039】図7と図9の比較から明らかなように、参
考例1の中空糸膜モジュールは、円筒型モジュールに比
べて高汚濁性水の濾過において、高流量、長寿命である
ことが判る。
【0040】
【発明の効果】本発明に用いる中空糸膜モジュールは、
より多くの中空糸膜が直接被処理水と接触するので、中
空糸膜間への有機物の堆積が抑えられ、中空糸膜間の固
着一体化が防止され、特に高汚濁性水の濾過において、
長期に亘って高い濾過効率を保つことが可能である。そ
して、本発明の洗浄方法によれば、先に詳述したような
特定の形態の中空糸モジュールを用いるので、これに起
因して容易かつ効率的な洗浄が可能であり、洗浄による
濾過機能回復処理を効率的に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる中空糸膜モジュールの一例を示
す斜視図である。
【図2】図1のモジュールの断面図である。
【図3】中空糸膜モジュールの製造に用いるのに適した
中空糸膜編地を示す平面図である。
【図4】中空糸膜モジュールの使用法の一例を示す斜視
図である。
【図5】中空糸膜モジュールの使用状態の一例を示す部
分拡大図である。
【図6】中空糸膜モジュールを排水処理に用いた際の排
水処理フローを示す図である。
【図7】参考例1で中空糸膜モジュールを排水処理に用
いた際の中空糸膜モジュールの濾過流量の測定結果を示
すグラフである。
【図8】比較参考例1で用いた従来の円筒形中空糸膜モ
ジュールの斜視図である。
【図9】比較参考例1での中空糸膜モジュールの濾過流
量の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 固定部材 3 中空糸膜 4 分散手段 5 小集束体 6 仮固定 7 フック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星出 明 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱 レイヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−58944(JP,A) 特開 昭61−181507(JP,A) 実開 昭60−171511(JP,U) 実開 昭60−171509(JP,U) 実開 昭60−171508(JP,U) 実開 昭60−171507(JP,U) 実開 平2−70724(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 65/10 C02F 1/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜の少なくとも片端が、その端部
    を開口状態に保ちつつ、中空糸膜に垂直な断面の形状が
    細長いほぼ矩形である固定部材に、近接した状態で合糸
    された小集束体の集合体として固定された中空糸膜モジ
    ュールを、逆洗により洗浄することを特徴とする中空糸
    膜モジュールの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 中空糸膜の少なくとも片端が、その端部
    を開口状態に保ちつつ、中空糸膜に垂直な断面の形状が
    細長いほぼ矩形である固定部材に、近接した状態で合糸
    された小集束体の集合体として固定された中空糸膜モジ
    ュールを、スポンジボールにより洗浄することを特徴と
    する中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  3. 【請求項3】 中空糸膜の少なくとも片端が、その端部
    を開口状態に保ちつつ、中空糸膜に垂直な断面の形状が
    細長いほぼ矩形である固定部材に、近接した状態で合糸
    された小集束体の集合体として固定された中空糸膜モジ
    ュールを、超音波により洗浄することを特徴とする中空
    糸膜モジュールの洗浄方法。
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