JP3245138B2 - 重金属類除去方法 - Google Patents

重金属類除去方法

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JP3245138B2 JP35584899A JP35584899A JP3245138B2 JP 3245138 B2 JP3245138 B2 JP 3245138B2 JP 35584899 A JP35584899 A JP 35584899A JP 35584899 A JP35584899 A JP 35584899A JP 3245138 B2 JP3245138 B2 JP 3245138B2
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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属類含有物か
ら効果的に重金属類を除去する方法に関し、更に詳しく
は、重金属類含有物を有効利用したり、廃棄処分する際
に問題となる有害な重金属類を効果的に、しかも簡単且
つ経済的に除去する重金属類除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】私達の生活環境に存在する物体・物質
は、有害な重金属類で汚染されて重金属類含有物となっ
ている場合が多い。例えば、下水汚泥、屎尿汚泥又は食
品工場汚泥等の有機性汚泥類、土壌、家畜糞尿、底泥、
魚介類、動物、植物などは、資源として利用することが
可能であるが、その際にこれらの重金属類含有物から重
金属類を除去することは容易なことではない。
【0003】又、このように、私達の生活環境に存在す
る河川、土壌、プンクトンなどが有害な重金属類を含ん
でいるため、そこに生息する魚介類、動物、植物などが
基準値以上の重金属類で汚染されている場合が多いこと
が知られている。例えば、ホタテ貝のウロ(軟体部)や
カキなどは高濃度の重金属類、特にカドミウムを多く含
んでおり、また、ヒトの腎臓や肝臓にも高濃度のカドミ
ウムが含まれており、更に、米などの穀物にもカドミウ
ムなどの重金属類が含まれており、人の健康を害する原
因となり得ることが知られている。
【0004】ところで、近年、地球環境の保全や資源の
有効利用・循環利用の観点から、未利用資源を活用する
ことが必要な情勢となっており、前記の重金属類含有物
から有害な重金属類を除去して無害化する方法を開発す
ることは、緊急かつ重要な課題となっている。
【0005】又、資源の有効利用・循環利用の観点から
離れて、単に前記のごとき重金属類含有物を廃棄処分す
る場合においても、廃棄処理場等において高濃度の有害
重金属類が蓄積し、これが環境に対し再び悪影響を与え
るといった問題がある。
【0006】このような問題や課題を解決するために、
重金属類含有物から効果的に重金属類を除去する方法の
開発が強く望まれており、現在まで、下水汚泥、屎尿汚
泥及び食品工場汚泥等の有機性汚泥、土壌や底泥更に家
畜糞尿などに含まれる重金属類の除去方法を中心とし
て、種々検討されている。
【0007】例えば、硫酸を用いて下水汚泥から亜鉛、
銅、カドミウムなどを除去する方法(Environ.
Sci.Technol.,9(9),849−855
(1975))、硫酸あるいは塩酸を用いて下水汚泥か
らカドミウム、クロム、銅、鉄、鉛、亜鉛、ニッケルを
除去する方法(Water Res.,10,1077
−1081(1976))等が報告されている。又、最
近では、ホタテ貝ウロからのカドミウムを除去する方法
として、2vol%硫酸(3.6重量%程度の硫酸)で
処理する方法、更に、電気分解と硫酸とを併用すること
によりホタテ貝ウロからカドミウムを除去する方法も提
案されている。
【0008】加えて、本発明者は、リン酸水溶液類を用
いて、下水汚泥、し尿汚泥、食品工場汚泥などの有機性
汚泥類に含まれる重金属類を除去する方法を開発、提案
している(特許第2975571号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来か
ら多くの重金属類除去方法が検討されているが、重金属
類含有物は多彩な物質・物体があるため、実用化可能な
方法を得るためにさらに多くの方法を開発していくこと
が必要である。
【0010】ところで、環境中に存在する重金属類は、
一般に、動植物や魚介類などを構成する生体高分子に吸
着されたり、あるいは、無機性の塩類や硫化物等として
存在しているため、従来、これらの重金属類を溶解して
回収することは容易なことではなかった。
【0011】
【0012】そこで、最近では、例えばホタテ貝ウロか
らのカドミウムを除去する方法として、3.6重量%程
度の硫酸で処理する方法が提案されている。
【0013】この方法により、かなりの量のカドミウム
をホタテ貝ウロから除去することに成功しているが、処
理装置が大型化し、処理時間が長くなるなどの課題があ
る。又、この方法では、酸性が強く、処理後に硫酸を洗
い流すための水が大量に必要であり、しかも重金属類を
多量に含む廃水の後処理にかかる負担が大きくなるなど
の問題もある。
【0014】前記の如く、本発明者は、従来、下水汚
泥、し尿汚泥、食品工場汚泥など有機性汚泥類に含まれ
る重金属類を除去する方法として、リン酸溶液類が極め
て優れた効果を発揮することを開発、提案している(特
許第2975571号公報)。
【0015】そこで、本発明者は、このようなリン酸溶
液類を用いた重金属類の除去方法について、さらに検討
を重ねた結果、この方法が有機性汚泥類のみならず、幅
広い重金属類含有物から有害な重金属類を除去すること
ができるとの知見を得た。
【0016】特に、この重金属類の除去方法を用いるこ
とにより、従来、重金属類の除去が困難とされてきた魚
介類や動植物などから効果的に重金属類を除去すること
ができるとの知見を得た。
【0017】
【0018】本発明は、これらの知見に基づき完成され
たものであって、重金属類含有物を処理する処理液とし
て、特定の酸水溶液を用いることにより、重金属類含有
物から重金属類を除去する方法を提供することを目的と
し、特に、従来では除去が困難であると判断されていた
魚介類や動植物から重金属類を効果的に、しかも簡単且
つ経済的に除去する重金属類除去方法を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る重金属類除
去方法においては、前記目的を達成するために、重金属
類含有物に処理液を接触させて当該重金属類含有物に含
まれる重金属類を前記処理液中に溶出させる工程を包含
する重金属類を除去する方法であって、前記重金属類含
有物が、土壌、底泥、家畜糞尿、魚介類、動物又は植物
から選択される少なくとも1種であり、前記処理液が、
(A)リン酸水溶液、或いは(B)次のB1及びB2の
うちの少なくとも1種を含有するリン酸水溶液であるこ
とを特徴とするものである。(B1) リン酸以外の他の酸類 (B2) 酸化剤
【0020】そして、本発明方法の対象となる重金属類
含有物としては、有機汚泥類を除く、既知の重金属類含
有物を挙げることができるのであって、土壌、底泥、家
畜糞尿、魚介類、動物又は植物から選択される少なくと
も1種が挙げられる。
【0021】従って、本発明方法の対象となる重金属類
含有物としては、複数種の重金属類含有物の混合物も含
まれる。
【0022】本発明方法によって処理される重金属類含
有物は、通常の形態のまま処理しても良いが、好ましく
は、金属を除去しやすくするために細かく切断したり、
あるいは粉末化した状態で用いることが好ましい。
【0023】特に、重金属類含有物が魚介類や動植物な
どの場合には、重金属類含有物中に、重金属類の溶出を
妨げる魚油、動物油、植物油等の油状成分が含まれてお
り、これらの油状成分を処理前に除去しておくことが有
効である。
【0024】そして、本発明方法においては、これらの
重金属類含有物から重金属類が除去されるが、この重金
属類としては、特に人体に悪影響を与えたり、環境汚染
の原因となるものが主として挙げられる。
【0025】具体的には、例えば、アルミニウム、カド
ミウム、クロム、銅、鉄、水銀、マンガン、モリブデ
ン、ニッケル、鉛、亜鉛等の金属を挙げることができる
のであり、この他には、砒素、セレンなども同様に除去
することができる。又、本発明方法においては前記の重
金属類のみならず、これらの化合物をも含めて重金属類
という。
【0026】本発明方法において、前記重金属類の除去
方法に用いられる処理液としては、まず、(A)リン酸
水溶液、或いは(B)次のB1及びB2のうちの少なく
とも1種を含有するリン酸水溶液が挙げられる(B1) リン酸以外の他の酸類 (B2) 酸化剤
【0027】ここで、リン酸とは、オルトリン酸、メタ
リン酸或いはポリリン酸等の縮合リン酸や、亜リン酸、
次亜リン酸、五酸化二リンなどを包含していう。
【0028】又、本発明方法におけるリン酸水溶液の濃
度は、特に制限がなく、重金属類含有物や除去すべき金
属の種類によって適宜選択されるものであるが、一般的
には85重量%以下が好ましく、更に0.01〜85重
量%の範囲の濃度が好ましい。
【0029】リン酸水溶液の濃度が、85重量%以上の
場合は、重金属類の除去効果に限界生じる上、酸性が強
く、後処理が困難であり、しかもコスト的な無駄が多く
なり、一方、リン酸水溶液の濃度が0.01重量%以下
の場合は、水銀、クロム及び鉛等の重金属類の除去率が
低くなるので好ましくない。
【0030】具体的には、例えば、土壌等に含有される
金属を除去する場合には、10重量%以上のリン酸濃度
が好ましく、又、魚介類等に含有される金属を除去する
場合には、20重量%以下のリン酸濃度が好ましい。
【0031】又、本発明方法において、前記処理液に含
有される酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸、次
亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過ほう酸ナ
トリウム等が挙げられる。この場合において、エアレー
ションにより空気を吹き込んだり、あるいはオゾンを導
入することにより、酸化効果を向上させ、重金属類の溶
出効果を向上させることが可能になるのである。
【0032】又、前記酸化剤は、処理液に対して0.0
01〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%の割
合で処理液中に配合させるのが好ましく、酸化剤の配合
割合が、0.001重量%未満ではその効果が乏しく、
配合させる意味が無く、一方、20重量%を超えると効
果に限界が生じるうえ、後処理が困難になり、しかもコ
スト的な無駄も多くなるので好ましくない。
【0033】更に、処理液を、撹拌、エアレーション処
理、超音波処理、ホモジナイザー処理などを行うことに
より、反応促進効果や酸化効果を向上させることもでき
る。
【0034】処理液に含まれるリン酸以外の酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸や蟻酸、酢
酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ピル
ビン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸等の有機酸が挙げ
られるのであり、これらはリン酸水溶液に対して任意の
割合で含有させることができる。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】前述の如く、本発明方法においては、処理
液として、リン酸水溶液類の一種を用いるが、これらの
リン酸水溶液類は、塩酸、硫酸、硝酸、有機酸などの他
の酸類よりも好ましい。
【0042】この理由としては、リン酸類は他の酸類と
比較して生物的な親和性に富み、バイオソープション
(生物的吸着)によって生物に蓄積された重金属類を効
果的に溶出されることができるからである。
【0043】又、リン酸水溶液類は、一般に弱酸で、危
険性が少なく、又、後述する吸着剤を用いて、処理液中
に溶出した重金属類を取り除く場合に、pH調整等の手
段を講じる必要がないため、取り扱い性が極めて簡便と
なるからである。
【0044】本発明方法においては、処理液と重金属類
含有物とを接触させることにより、この重金属類有物中
の重金属類が当該処理液中に溶出されるが、この処理液
の使用量、処理温度及び処理時間としては、特に制限は
なく、重金属類含有物の種類、含まれる重金属類の量や
種類により、適宜選択して用いられる。
【0045】一般的には、重金属類含有物の質量1に対
して、1〜10倍程度の処理液を用いるのが好ましく、
特に、1〜5倍量が好ましい。
【0046】又、本発明方法において、処理中の温度
は、室温から抽出液の沸点までの温度範囲のいずれをも
選択することができるが、一般的には、室温〜95℃程
度が好ましい。
【0047】更に、処理時間としては、10分〜1日程
度で、容易に重金属類を除去することができる。
【0048】本発明方法においては、前記目的を達成す
るために、前述のように、重金属類含有物中の重金属類
を溶出した処理液と吸着剤とを接触させることにより、
当該処理液中の重金属類を吸着剤に吸着させて除去する
工程をさらに包含、併用することが好ましい。
【0049】このように構成すると、処理液から重金属
類を吸着剤に容易に吸着させて除去できるので、重金属
類を含む処理液から重金属類を除去して、当該処理液を
循環使用(再利用)することが可能となる上、重金属類
の濃度が著しく低下した重金属類含有物を得ることが可
能となって処理後の当該重金属類含有物を洗浄などの後
処理を行うことなくそのまま再利用することが可能とな
るからである。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】本発明方法において、重金属類の吸着剤と
しては、重金属類を吸着させ得る公知の吸着剤のいずれ
も使用することができるが、具体的には、例えば強酸性
陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、陽イオン
交換膜等が挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の実施例において、特に記載がなければ%は全て重
量%である。
【0058】実施例1 水田の土壌を採取し、この土壌中に含まれる重金属類の
含有量を王水煮沸法を用いて測定したところ、次の通り
であった。 [単位:ppm(乾燥重量):As,125;Cd,
4.51;Cr,24.7;Cu,64.3;Fe,9
600;Hg,35.8;Ni,7.18;Pb,9
0.4;Zn,332]
【0059】この土壌10.0gに、2%過酸化水素を
含有する各種濃度(20%、8%)のリン酸水溶液30
mlを加え、室温で1時間撹拌したのち、土壌をろ過
し、リン酸水溶液に含まれる重金属類の濃度をICP
(Inductively Coupled Plas
ma Spectrometry)法で測定し、その除
去率を算出した。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】又、前記土壌を用い、過酸化水素を含まな
い20%リン酸水溶液を用いて同様の条件下で処理を行
った場合の銅の除去率は7%であった。更に、前記土壌
を用い、2%過酸化水素含有20%リン酸水溶液を用い
て、90℃で処理を行った場合の銅の除去率は55%で
あった。
【0062】実施例2 畑の土壌を採取し、この土壌中に含まれる重金属類の含
有量を王水煮沸法を用いて測定したところ、次の通りで
あった。 [単位:ppm(乾燥重量):As,168;Cd,
5.36;Cr,27.6;Cu,115;Fe,11
600;Hg,44.4;Ni,6.42;Pb,12
0;Zn,378]
【0063】この土壌10.0gに、2%過酸化水素を
含有する各種濃度(40%、20%)のリン酸水溶液3
0mlを加え、室温で1時間撹拌したのち、土壌をろ過
し、リン酸水溶液に含まれる重金属類の濃度をICP法
で測定し、その除去率を算出した。その結果を表2に示
す。
【0064】
【表2】 Crの除去率123%は、王水煮沸法による当該Crの
実測値(標準値)に対して1.23倍の測定値が得られ
たことを示す。
【0065】又、2%過酸化水素含有20%リン酸水溶
液を用いて、60℃で処理を行った場合の銅の除去率は
58%であった。更に、8%リン酸水溶液を用いて、常
温でエアレーションしながら超音波処理を行った場合の
銅の除去率は32%であった。
【0066】実施例3 市販の発酵牛ふん(乾燥品)10.0gに2%過酸化水
素を含む20%リン酸水溶液30mlを加え、室温で3
時間撹拌した後、牛ふんをろ取し、リン酸水溶液中の重
金属類の含有量をICP法を用いて測定した。
【0067】この場合、リン酸水溶液中の重金属類の含
有量は次の通りであった。 [(単位:ppm):As,22.9;Cd,1.0;
Cr,7.6;Cu,0.67;Fe,365;Ni,
1.41;Pb,12.6;Zn,65.2]
【0068】実施例4 徳島市勝浦川河口部の底泥(乾燥品)10.0gに2%
過酸化水素を含有する40%リン酸水溶液100mlを
加え、50℃で3時間撹拌した。次いで、底泥をろ過
し、リン酸水溶液中の重金属類の含有量をICP法で測
定した。その実測値は次の通りであった。 [(単位:ppm):Cr,1.83;Cu,3.8
5;Zn,17.9]
【0069】参考例 ホタテ貝ウロに含まれるカドミウムの含有量は、王水煮
沸法を用いて試料を分解し、ICP法を用いて測定し
た。即ち、ホタテ貝ウロ(中腸腺、水洗して油分を除去
したもの、固形物含有量34%)10gを200mlの
ビーカーに取り、王水60mlを加えて煮沸分解し、分
解液中に含まれる重金属類の含有量をICP法を用いて
測定した。ホタテ貝ウロ中に含まれる重金属類の平均含
有量は次の通りであった。 [(単位:ppm乾燥重量):Cd、98.4ppm;
Zn、121.1ppm;Cu、36.9ppm]
【0070】実施例5 ホタテ貝ウロ(中腸腺)20gに各種濃度(W/W%)
のリン酸水溶液100mlを加え、24時間浸漬した。
次いで、24時間後のリン酸水溶液中のカドミウム濃度
をICP法を用いて測定し、ウロからのカドミウム除去
量[単位:mg/kg(ppm)・ウロ乾燥重量]を測
定した。[リン酸水溶液中の溶出(除去)量]:5%リ
ン酸、83.0ppm;10%リン酸、105ppm;
20%リン酸、82.1ppm;40%リン酸、49.
5ppm。
【0071】実施例6 ホタテ貝ウロ(中腸腺、水洗して油分を除去したもの)
20gに各種濃度(W/W%)の酸水溶液100mlを
加え、24時間浸漬した。次いで、24時間後の酸水溶
液中の重金属類の濃度をICP法を用いて測定し、ウロ
からの重金属類の溶出(除去)量[mg/kg(pp
m)・ウロ乾燥重量]を測定した。 [酸水溶液中の溶出(除去)量]:5%リン酸、Cd
(107ppm)、Zn(137ppm);10%リン
酸、Cd(100ppm)、Zn(127ppm);2
0%リン酸、Cd(64.4ppm)、Zn(100p
pm);40%リン酸、Cd(48.0ppm)、Zn
(65.5ppm);2%硫酸、Cd(93.6pp
m)、Zn(130ppm)。
【0072】実施例7 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの、固形物含量32%)200gを遠心脱水してウロ
137gを得た。このウロ13.7gに各種濃度のリン
酸水溶液100mlを加えて24時間浸漬した。次い
で、リン酸水溶液をデカンテーションで分離したのちウ
ロを遠心脱水し、ウロに水100mlを加えて3時間放
置した。その後、水層をデカンテーションで分離し、ウ
ロを遠心脱水したのち王水煮沸処理を行った。そして、
ICP法を用いてリン酸水溶液、水洗液、処理後のウロ
中のカドミウム含量、カドミウム除去率を測定した。そ
の測定結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】0.3%リン酸水溶液を用いた場合の銅お
よび亜鉛の含有量は次の通りであった。 銅:[リン酸水溶液(6.0ppm),水洗液(2.4
ppm),処理後ウロ(26.5ppm、銅の除去率2
4%)] 亜鉛:[リン酸水溶液(112ppm),水洗液(1
0.2ppm),処理後ウロ(5.4ppm、亜鉛の除
去率96%)]
【0075】実施例8 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの)20gを遠心脱水してウロ14.4gを得た。こ
のウロに2.5%リン酸水溶液100mlを加え、10
0rpmで撹拌した。経時的にリン酸水溶液10mlず
つを採取してそのカドミウム濃度をICP法で測定した
結果は次の通りであった。 1時間(5.465ppm)、2時間(6.329pp
m)、4時間(6.944ppm)、6時間(7.05
7ppm)、24時間(7.269ppm)。
【0076】反応後のウロを遠心脱水し、水100ml
を加えて3時間放置し、水層を分取し、ウロを遠心脱水
したのち王水煮沸法で分解した。水層および処理後のウ
ロのカドミウム含有量はそれぞれ10ppmおよび1.
5ppm(カドミウムの除去率99%)であった。
【0077】実施例9 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの)20gに10%リン酸水溶液100mlを加え、
90℃で30分間加熱したのち放冷した。ウロからの重
金属類の溶出(除去)量[mg/kg(ppm)・乾燥
重量]は次の通りであった。 [Cd,91.2ppm;Cu,30.2ppm]
【0078】実施例10 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの)20gに10%リン酸水溶液100mlを加え、
100rpmで4時間撹拌した。処理物を遠心ろ過した
のち、ウロを水600mlで水洗し、ウロを遠心脱水し
た。リン酸水溶液への重金属類の除去量[mg/kg
(ppm)・ウロ乾燥重量]および処理後のウロ中の重
金属類の含有量と溶出(除去)率%は次の通りであっ
た。 リン酸水溶液:[Cd,60.3ppm;Cu,29.
2ppm] 処理後のウロ:[Cd,0.39ppm(除去率99
%);Cu,8.9ppm(除去率70%)]
【0079】実施例11 ホタテ貝ウロ(中腸腺、細断したもの)20gに10%
リン酸水溶液100mlを加え、30分間振盪した。次
いで、ウロをろ取したのち少量の水で繰り返し洗浄した
(水量120ml)。更に、ウロを遠心脱水したのち王
水煮沸処理を行った。リン酸水溶液への重金属類の溶出
(除去)量[mg/kg(ppm)・ウロ乾燥重量]は
61.0ppmであり、処理後のウロ中のカドミウム含
有量は1.95ppm(除去率97%)であった。
【0080】実施例12 ホタテ貝の軟体部(ウロ)100gに10%リン酸水溶
液300mlを加え、室温で1時間撹拌したのち、微粒
子化したウロをろ取、水洗した。ウロに含まれるカドミ
ウム含有量は、処理前の65mg/kg(ppm)乾燥
重量が、処理後には0.85mg/kg(ppm)乾燥
重量まで低下した。
【0081】実施例13 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの、固形物含量47%)13.7gに2.5%リン酸水
溶液200mlを加えて24時間浸漬した。次いで、リ
ン酸水溶液をデカンテーションで分離したのちウロを遠
心脱水した。このリン酸水溶液中への重金属類の溶出
(除去)量[mg/kg(ppm)・ウロ乾燥重量]お
よび処理後のウロ中のカドミウム含有量は、各々、75
ppmおよび3.4ppm(除去率96%)であった。
【0082】実施例14 ホタテ貝ウロ(中腸腺、0.3〜0.5mm幅に切断した
もの)20gに10%リン酸水溶液99ml、30%過
酸化水素水1mlを加え、100rpmで4時間撹拌し
た。このリン酸水溶液中への重金属類の溶出(除去)量
[mg/kg(ppm)・ウロ乾燥重量]は次の通りで
あった。 [Cd,95.5ppm;Cu,29.7ppm]
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】実施例17 ホタテ貝ウロ(中腸線、0.3〜0.5mm幅に切断し
たもの、固形物含有量44%)50gに1%リン酸水溶
液500mlを加えて12時間浸漬した後、ウロを遠心
脱水した。次いで、この処理液に粉末活性炭2.5gを
加えてろ過し、ろ液を陽イオン交換樹脂(アンバーライ
トIR−120B)カラムを通過させて、リン酸水溶液
を回収した。回収リン酸水溶液中のカドミウム含量は0
ppmであった。
【0089】回収リン酸水溶液を再度ウロに加えて12
時間浸漬した後、ウロを遠心脱水した。得られたウロの
カドミウム含有量は0.38ppm(固形物換算)であ
った。
【0090】実施例18 ホタテ貝ウロ(中腸線、0.3〜0.5mm幅に切断し
たもの、固形物含有量44%)13.4gに2%リン酸
水溶液100mlを加え、陽イオン交換樹脂(アンバー
ライトIR−120B)5mlを加えて40時間静置し
た。次いで、ウロを分取して遠心脱水した。得られたウ
ロのカドミウム含有量は2.3ppm(固形物換算)で
あった。
【0091】この処理混合物を100rpmで24時間
攪拌した後、ウロを遠心脱水した。得られたウロのカド
ミウム含有量は0.13ppmであった。
【0092】実施例19 紋甲イカの肝臓8.0g(固形物含量44%)に1%リ
ン酸水溶液40mlを加えて混合し、2時間放置したの
ちリン酸水溶液をろ取した。このリン酸水溶液中の重金
属類の含有量(除去率%)は次の通りであった。 [Cd,3.90ppm(99%);Zn,75.5p
pm(95%);Cu,196ppm(58%)]
【0093】実施例20 カキの内臓部分(固形物含量20%)10gに1%リン
酸水溶液50mlを加え、24時間浸漬したのち、リン
酸水溶液をろ取した。このリン酸水溶液中の重金属類の
含有量(除去率%)は次の通りであった。 [Cd,1.60ppm(99%);Zn,972pp
m(80%);Cu,78ppm(58%)]
【0094】実施例21 和牛レバー10gに5%リン酸水溶液50mlを加え、
24時間浸漬したのち、リン酸水溶液をろ取した。この
リン酸水溶液中の重金属類の含有量は次の通りであっ
た。[Cd,0.0082ppm;Zn,12.1pp
m;Cu,7.2ppm]
【0095】実施例22 カナダ産ピートモス10.0gに2%過酸化水素を含む
20%リン酸水溶液30mlを加え、3時間浸漬した。
この重金属類の溶出(除去)量は次の通りであった。 [As,84.4ppm;Cd,2.36ppm;C
r,30.2ppm;Cu,1.17ppm;Fe,3
33ppm,Ni,5.98ppm;Pb,45.9p
pm;Zn,9.71ppm]
【0096】実施例23 玄米10gに5%リン酸水溶液50mlを加え、24時
間浸漬したのち、リン酸水溶液をろ取した。このリン酸
水溶液中の重金属類の含有(除去)量は次の通りであっ
た。 [Cd,0.0023ppm;Zn,2.47ppm;
Cu,0.20ppm]
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【発明の効果】本発明に係る重金属類除去方法において
は、前記構成を有し、即ち、特定の重金属類含有物に特
定の処理液を接触させることにより、この重金属類含有
物に含まれる有害な重金属類を当該処理液中に効果的に
溶出、除去することができる効果を有するのである。
【0102】又、本発明の重金属類除去方法によれば、
前述のように、従来、除去が困難であった特定の重金属
類含有物からの有害な重金属類の除去が効果的に、且つ
経済的に行われ得る結果、この方法は工業的に、しかも
大規模に行うことができる効果を奏するのである。
【0103】更に、本発明の重金属類除去方法によって
重金属類が除去された重金属類含有物は、環境汚染の恐
れが無いので、そのまま廃棄処分にしたり、発酵させて
有機質に富む堆肥等として利用するなど、新たな資源と
して再利用することができる効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 B09C 1/02 B09C 1/08 C02F 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属類含有物に処理液を接触させて当
    該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記処理液中に
    溶出させる工程を包含する重金属類を除去する方法であ
    って、 前記重金属類含有物が、土壌、底泥、家畜糞尿、魚介類
    又は動植物から選択される少なくとも1種であり、 前記処理液が、(A)リン酸水溶液、或いは(B)次の
    B1及びB2のうちの少なくとも1種を含有するリン酸
    水溶液であることを特徴とする重金属類除去方法。(B1) リン酸以外の他の酸類 (B2) 酸化剤
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