JP3243935U - 配管固定部材、及び配管ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下において、配管の振動を低減する配管固定部材及び配管ユニットを提供する。【解決手段】耐熱性を有する繊維材が織り込まれた配管固定部材1であって、流体が流れる複数の配管TUのうちのひとつに巻き付く第1の部位P1と、複数の配管のうちの他のひとつに巻き付く第2の部位P2と、第1の部位と第2の部位とを接続する第3の部位P3とを含む巻き付き部10を有する。配管ユニット100は、配管固定部材を含み、配管固定部材を複数の配管に取り付ける取り付け部材WRを有する。【選択図】図1
Description
本開示は、配管固定部材、及び配管ユニットに関する。
各種プラントにおいて使用される配管の防振対策として、様々な防振装置が採用されている。例えば、実用新案文献1には、配管内壁面に、コイル状に加工したコイルワイヤを、捩じりながら渦巻き状に密着固定することで、コイルワイヤと管内壁との摩擦発生による減衰と、コイルワイヤによる流体抵抗の増加による減衰とを付与する装置が記載されている。
発電プラントや化学プラントの配管、または各種エンジンに用いられる計装用配管等の高温の熱環境下における配管は、配管の熱伸びを許容する為に、配管の支持構造が不十分となり、特に振動課題が生じやすく、その対策が求められている。また、既設の配管においては、弁やポンプなどの加振源を運用上排除することが困難である場合が多く、振動問題が生じた配管設備に対して、付加的に振動を抑制する配管固定部材が求められている。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、高温の熱環境下においても採用可能な、配管の振動を低減する固定部材を提供することを目的とする。
本開示に係る配管固定部材は、耐熱性を有する繊維材が織り込まれた固定部材であって、前記固定部材は、流体が流れる複数の配管のうちのひとつに巻き付く第1の部位と、前記複数の配管のうちの他のひとつに巻き付く第2の部位と、前記第1の部位と前記第2の部位とを接続する第3の部位とを含む巻き付き部を有する。
本開示に係る配管ユニットは、前記流体が流れる複数の配管と、上記に記載の配管固定部材と、前記配管固定部材を前記複数の配管に取りつける取り付け部材とを有する。
本開示によれば、高温の熱環境下において、配管の振動を低減することができる。
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
(第1実施形態)
図1を用いて、配管ユニットについて説明する。図1は、本実施形態に係る配管ユニットの模式図である。
図1を用いて、配管ユニットについて説明する。図1は、本実施形態に係る配管ユニットの模式図である。
(配管ユニット)
図1に示す本実施形態に係る配管ユニット100は、流体が流れる複数の配管TUと、配管TU同士を固定する配管固定部材1と、配管TUに配管固定部材1を取り付ける取り付け部材WRとを有している。以下その構成について説明する。
図1に示す本実施形態に係る配管ユニット100は、流体が流れる複数の配管TUと、配管TU同士を固定する配管固定部材1と、配管TUに配管固定部材1を取り付ける取り付け部材WRとを有している。以下その構成について説明する。
(配管)
配管TUは流体が流れる配管である。図1に示す本実施形態に係る配管TUは、装置DE1と装置DE2のそれぞれに接続する2本の配管の例を示しているが、複数本の配管であれば1つの装置に接続される配管でもよいし、本数も3本以上の配管でもよい。また配管TUの形状は、直管に限定されずU字管等の任意の形状でもよいし、その管長や、管径、材質等も任意に設定してよい。以降、配管TUのうち、装置DE1に接続する配管を配管TU1、装置DE2に接続する配管を配管TU2と呼称する。ここで、装置DE1および装置DE2は任意の装置でよく、プラントにおける装置であってよいし、各種エンジンに用いられる計装用の装置であってもよい。
配管TUは流体が流れる配管である。図1に示す本実施形態に係る配管TUは、装置DE1と装置DE2のそれぞれに接続する2本の配管の例を示しているが、複数本の配管であれば1つの装置に接続される配管でもよいし、本数も3本以上の配管でもよい。また配管TUの形状は、直管に限定されずU字管等の任意の形状でもよいし、その管長や、管径、材質等も任意に設定してよい。以降、配管TUのうち、装置DE1に接続する配管を配管TU1、装置DE2に接続する配管を配管TU2と呼称する。ここで、装置DE1および装置DE2は任意の装置でよく、プラントにおける装置であってよいし、各種エンジンに用いられる計装用の装置であってもよい。
(取り付け部材)
取り付け部材WRは、後述する配管固定部材1を配管TUに固定する部材である。取り付け部材WRの形状、材質、および固定の方法は任意でよく、例えば配管固定部材1自体が粘着層を有し、その粘着層が配管固定部材1を配管TUに固定して、取り付け部材WRとしての機能を有しても良いし、金属製ワイヤ等の別部材を用いてもよい。また、配管固定部材1が配管TUに巻き付いて固定されている場合には、配管ユニット100は、取り付け部材WRを含まない構成でもよい。本実施形態においては、取り付け部材WRは金属ワイヤであり、配管固定部材1に貫通させて配管TUに巻き付けて結ぶことにより、配管固定部材1と配管TUを固定している。
取り付け部材WRは、後述する配管固定部材1を配管TUに固定する部材である。取り付け部材WRの形状、材質、および固定の方法は任意でよく、例えば配管固定部材1自体が粘着層を有し、その粘着層が配管固定部材1を配管TUに固定して、取り付け部材WRとしての機能を有しても良いし、金属製ワイヤ等の別部材を用いてもよい。また、配管固定部材1が配管TUに巻き付いて固定されている場合には、配管ユニット100は、取り付け部材WRを含まない構成でもよい。本実施形態においては、取り付け部材WRは金属ワイヤであり、配管固定部材1に貫通させて配管TUに巻き付けて結ぶことにより、配管固定部材1と配管TUを固定している。
(配管固定部材)
配管固定部材1は、耐熱性を有する繊維材が織り込まれた固定部材である。耐熱性を有する繊維材の材料は任意に設定してよいが、本実施形態に係る配管固定部材1は、二酸化珪素を主成分とするシリカ繊維の織物である。シリカ繊維における二酸化珪素の含有率は任意でよいが、含有率95%以上の高純度シリカ繊維を使用することが望ましい。高純度シリカ繊維は、耐熱温度が1000℃であり、耐熱衝撃にも優れ、急熱、急冷にも耐えることができる。そのため、本実施形態における配管固定部材1は、発電プラントや化学プラントの配管、または各種エンジンに用いられる計装用配管等の高温の熱環境下における配管の振動対策にも使用することができる。また、織物の組織構造は任意でよく、平織りや綾織り等の組織構造であってよい。
配管固定部材1は、耐熱性を有する繊維材が織り込まれた固定部材である。耐熱性を有する繊維材の材料は任意に設定してよいが、本実施形態に係る配管固定部材1は、二酸化珪素を主成分とするシリカ繊維の織物である。シリカ繊維における二酸化珪素の含有率は任意でよいが、含有率95%以上の高純度シリカ繊維を使用することが望ましい。高純度シリカ繊維は、耐熱温度が1000℃であり、耐熱衝撃にも優れ、急熱、急冷にも耐えることができる。そのため、本実施形態における配管固定部材1は、発電プラントや化学プラントの配管、または各種エンジンに用いられる計装用配管等の高温の熱環境下における配管の振動対策にも使用することができる。また、織物の組織構造は任意でよく、平織りや綾織り等の組織構造であってよい。
(巻き付き部)
配管固定部材1は、流体が流れる複数の配管TUに巻き付く巻き付き部10を有している。すなわち、巻き付き部10は、配管固定部材1のうちで、配管TUに巻き付けられる部位である。本実施形態に係る巻き付き部10は、配管TU1と配管TU2とを固定する。また、図1に示すように、巻き付き部10は、第1の部位P1と、第2の部位P2と、第3の部位P3とを含む。
配管固定部材1は、流体が流れる複数の配管TUに巻き付く巻き付き部10を有している。すなわち、巻き付き部10は、配管固定部材1のうちで、配管TUに巻き付けられる部位である。本実施形態に係る巻き付き部10は、配管TU1と配管TU2とを固定する。また、図1に示すように、巻き付き部10は、第1の部位P1と、第2の部位P2と、第3の部位P3とを含む。
(第1の部位)
第1の部位P1は、配管TU1に接触し、配管TU1に対して固定されている部分である。第1の部位P1は、例えば、配管TU1における外周面1周のうち、少なくとも一部の区間に巻き付いた部位である。また第1の部位P1は、配管TU1の外周面に複数周巻き付けられた部位でもよい。本実施形態に係る第1の部位P1は、図1に示すように配管TU1における外周面の一部の区間に巻き付いた部位である。
第1の部位P1は、配管TU1に接触し、配管TU1に対して固定されている部分である。第1の部位P1は、例えば、配管TU1における外周面1周のうち、少なくとも一部の区間に巻き付いた部位である。また第1の部位P1は、配管TU1の外周面に複数周巻き付けられた部位でもよい。本実施形態に係る第1の部位P1は、図1に示すように配管TU1における外周面の一部の区間に巻き付いた部位である。
(第2の部位)
第2の部位P2は、配管TU2に接触し、配管TU2に対して固定されている部分である。第2の部位P2は、例えば、配管TU2における外周面1周のうち、少なくとも1部の区間に巻き付いた部位である。また第2の部位P2は、配管TU2の外周面に複数周巻き付けられた部位でもよい。本実施形態に係る第2の部位P2は、図1に示すように配管TU2における外周面の一部の区間に巻き付いた部位である。
第2の部位P2は、配管TU2に接触し、配管TU2に対して固定されている部分である。第2の部位P2は、例えば、配管TU2における外周面1周のうち、少なくとも1部の区間に巻き付いた部位である。また第2の部位P2は、配管TU2の外周面に複数周巻き付けられた部位でもよい。本実施形態に係る第2の部位P2は、図1に示すように配管TU2における外周面の一部の区間に巻き付いた部位である。
(第3の部位)
本実施形態に係る第3の部位P3は、第1の部位P1と第2の部位P2とを接続する部位である。つまり、第3の部位P3は、巻き付き部10のうち、第1の部位P1と第2の部位P2との間の部位である。
本実施形態に係る第3の部位P3は、第1の部位P1と第2の部位P2とを接続する部位である。つまり、第3の部位P3は、巻き付き部10のうち、第1の部位P1と第2の部位P2との間の部位である。
巻き付き部10における第1の部位P1および第2の部位P2は、配管TU上の任意の位置に巻き付けられてもよいが、配管TUの振動を効率的に低減する為に、配管TUのうち、振動の大きい部位あるいは加振源の近傍に巻き付けるのが望ましい。
第1の部位P1および第2の部位P2は、配管TUに接触するため、配管TUが振動すると、第1の部位P1および第2の部位P2を通じて配管固定部材1に振動が伝達される。そして、第1の部位P1と第2の部位P2とは、第3の部位P3を介して接続されているため、それぞれの振動を吸収して、配管TUの振動を低減できる。また、配管固定部材1が振動することで、第1の部位P1および第2の部位P2において、それぞれの配管TU1および配管TU2との間で、摩擦熱が生じる。つまり、配管固定部材1は、配管TUの振動(運動エネルギー)の一部を、配管TUとの間に発生する摩擦熱(熱エネルギー)に変換することで、振動応答を低減する効果を有する。
また配管固定部材1は、耐熱性を有するシリカ繊維材の織物であるため、配管TUの振動が配管固定部材1に伝達すると、その繊維同士にも摩擦(摩擦熱)が生じる。言い換えると、配管固定部材1は、配管TUの振動(運動エネルギー)の一部を、配管固定部材1の繊維同士の間に発生する摩擦熱(熱エネルギー)に変換することで、配管TUの振動応答を低減する効果を有する。
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る配管固定部材1は、耐熱素材であるシリカ繊維の織物であり、配管TUに接触する第1の部位P1および第2の部位P2が、第3の部位P3を介して接続されている。そのため、本実施形態によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動応答を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る配管固定部材1は、耐熱素材であるシリカ繊維の織物であり、配管TUに接触する第1の部位P1および第2の部位P2が、第3の部位P3を介して接続されている。そのため、本実施形態によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動応答を低減することができる。
第1実施形態においては、配管固定部材1が1つの巻き付き部10を有する場合について説明したが、巻き付き部10は複数箇所あってもよい。以下、配管固定部材1における巻き付き部10を複数有する変形例について説明する。
(第1実施形態の変形例)
本例においては、配管固定部材1は複数の巻き付き部10を有し、その複数の巻き付き部10が配管TUの軸方向に並んでいる。言いかえると、本例では、配管固定部材1が、配管TU1と配管TU2とを、複数の巻き付き部10のそれぞれにより固定している。なお、第1実施形態の変形例において、第1実施形態と構成が共通する配管固定部材1の繊維材については、説明を省略する。
本例においては、配管固定部材1は複数の巻き付き部10を有し、その複数の巻き付き部10が配管TUの軸方向に並んでいる。言いかえると、本例では、配管固定部材1が、配管TU1と配管TU2とを、複数の巻き付き部10のそれぞれにより固定している。なお、第1実施形態の変形例において、第1実施形態と構成が共通する配管固定部材1の繊維材については、説明を省略する。
図2は、第1実施形態の変形例に係る配管固定部材の概要図である。図2に示すように、本例においては、配管固定部材1は、配管TU1と配管TU2とに巻きつく第1巻き付き部10Aと、配管TU1と配管TU2とに巻きつく第2巻き付き部10Bとを有する。第2巻き付き部10Bは、第1巻き付き部10Aと隣り合う巻き付き部10である。隣り合う巻き付き部10同士は、互いに離れていてもよいし、重なっていてもよいが、本例においては、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとは、一部の領域が重なりながら、配管TU1と配管TU2に巻き付ついている。なお、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとは、第1実施形態同様に、第1の部位P1、第2の部位P2、及び第3の部位P3を含んでいる。加えて、本例における第1巻き付き部10Aは、第2巻き付き部10Bと接続される第4の部位P4を含んでいる。
(第4の部位)
図3は、図2におけるC-C断面である。図3に示すように、本例に係る配管固定部材1における第1巻き付き部10Aは、第4の部位P4をさらに有している。第4の部位P4は、第1巻き付き部10Aの第2の部位P2と、第2巻き付き部10Bの第1の部位P1とを接続する部位である。図3において、斜線で示されているのが第1巻き付き部10Aであり、白抜きで示されているのが第2巻き付き部10Bである。すなわち、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとは、第1巻き付き部10Aにおける第4の部位P4と、第2巻き付き部10Bの第1の部位P1とにおいて、連続的に接続している。言い換えると、本例においては、第1巻き付き部10Aと、第2巻き付き部10Bとは、1つの連続した帯状の配管固定部材1の一部分である。なお、第1巻き付き部10Aに第4の部位P4が含まれず、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが接続されていなくてもよい。
図3は、図2におけるC-C断面である。図3に示すように、本例に係る配管固定部材1における第1巻き付き部10Aは、第4の部位P4をさらに有している。第4の部位P4は、第1巻き付き部10Aの第2の部位P2と、第2巻き付き部10Bの第1の部位P1とを接続する部位である。図3において、斜線で示されているのが第1巻き付き部10Aであり、白抜きで示されているのが第2巻き付き部10Bである。すなわち、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとは、第1巻き付き部10Aにおける第4の部位P4と、第2巻き付き部10Bの第1の部位P1とにおいて、連続的に接続している。言い換えると、本例においては、第1巻き付き部10Aと、第2巻き付き部10Bとは、1つの連続した帯状の配管固定部材1の一部分である。なお、第1巻き付き部10Aに第4の部位P4が含まれず、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが接続されていなくてもよい。
本例における第1巻き付き部10Aおよび第2巻き付き部10Bの、それぞれの第3の部位P3同士が重なっている領域の面積は、第1巻き付き部10Aにおける第3の部位P3の全面積に対して50%以上となっている。そのため、第1巻き付き部10Aにおける第3の部位P3の幅寸法(配管TUの軸方向に沿った寸法)をW1、第1巻き付き部10Aおよび第2巻き付き部10Bにおけるそれぞれの第3の部位P3同士が重なっている領域の幅寸法(配管TUの軸方向に沿った方向の寸法)をW2とすると、W2≧0.5W1の関係が成立する。
ここで第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが重なる部位に関しては、配管固定部材1の繊維同士が接触することになる。接触する繊維同士の間の摩擦係数と、配管固定部材1と配管TUとの間の摩擦係数とを比較すると、接触する繊維同士の間の摩擦係数の方が大きくなる。そのため、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが重なる部位においては、配管固定部材1と配管TUとの間に発生する摩擦熱より大きな摩擦熱を発生することになる。よって、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとを重なるようにすることで、配管TUの振動低減効果を高めることができる。また、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが重ならない部位関しては、第1実施形態における配管固定部材1と配管TUとの間に発生する摩擦熱と同じ為、説明を省略する。
(効果)
さらに言えば、本例のように、複数の巻き付き部10を有することで、配管TUの振動をより好適に低減できる。さらに言えば、複数の巻き付き部10が、第4の部位P4を介して接続されていることで、配管TUの振動をより好適に低減できる。また、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが重なる部位おいては、配管固定部材1と配管TUとの間に発生する摩擦熱より大きな摩擦熱を発生する。加えて、配管TUに複数回巻き付いているので配管固定部材1の表面積も増えており、それに伴い繊維同士の摩擦熱も第1実施形態と比較して増加している。よって本開示によると、第1実施形態より、配管TUの振動を多く低減することができる。
さらに言えば、本例のように、複数の巻き付き部10を有することで、配管TUの振動をより好適に低減できる。さらに言えば、複数の巻き付き部10が、第4の部位P4を介して接続されていることで、配管TUの振動をより好適に低減できる。また、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとが重なる部位おいては、配管固定部材1と配管TUとの間に発生する摩擦熱より大きな摩擦熱を発生する。加えて、配管TUに複数回巻き付いているので配管固定部材1の表面積も増えており、それに伴い繊維同士の摩擦熱も第1実施形態と比較して増加している。よって本開示によると、第1実施形態より、配管TUの振動を多く低減することができる。
(配管固定部材の最適な巻き付け方法)
次に、第1実施形態において示した配管固定部材1の最適な巻き付け方法を説明する。前述したように、配管固定部材1は、配管TUの振動を配管固定部材1によって吸収することにより、配管TUの振動を低減する。よって、配管固定部材1による配管TUの振動低減効果は、配管固定部材1の巻き方に依存するといえる。つまり、配管TUに接触する部位である第1の部位P1、および第2の部位P2を多く有する巻き方や、配管固定部材1の繊維同士による摩擦熱が生じやすい、配管固定部材1の表面積が大きくなる巻き方では、配管固定部材1による配管TUの振動低減効果は大きくなる。
次に、第1実施形態において示した配管固定部材1の最適な巻き付け方法を説明する。前述したように、配管固定部材1は、配管TUの振動を配管固定部材1によって吸収することにより、配管TUの振動を低減する。よって、配管固定部材1による配管TUの振動低減効果は、配管固定部材1の巻き方に依存するといえる。つまり、配管TUに接触する部位である第1の部位P1、および第2の部位P2を多く有する巻き方や、配管固定部材1の繊維同士による摩擦熱が生じやすい、配管固定部材1の表面積が大きくなる巻き方では、配管固定部材1による配管TUの振動低減効果は大きくなる。
言い換えると、配管固定部材1の巻き方と、配管TUの振動低減効果には相関関係があり、その関係式を用いることで、配管TUの振動特性に対応する最適な配管固定部材1の巻き方を取得することができる。
例えば、以下に示す式(1)から式(3)により、配管固定部材1の減衰特性である質量M、減衰係数C、剛性Kは表すことができる。
式(1)から式(3)における変数は、配管固定部材1の配管TUへの巻き数を表すmと、配管TU同士の間隔を表すLと、配管TUにおける振動の振幅を表すσと、配管TUにおける振動の振動数を表すVである。変数および、関係式は式(1)から式(3)に限定されず、配管固定部材1を配管TUに巻き付ける際の張力や、環境温度などを変数に含む関係式を用いてもよい。
以上説明したように、式(1)から式(3)の関係式を用いることで、配管TUの振動対策として必要な、配管固定部材1の減衰特性である質量M、減衰係数C、および剛性Kを満足する、配管固定部材1の具体的な巻き方を取得することができる。
(効果)
以上説明したように、本開示の第1態様に係る配管固定部材1は、耐熱性を有する繊維材が織り込まれた配管固定部材であって、固定部材は流体が流れる複数の配管TUのうちのひとつに巻き付く第1の部位P1と、他のひとつに巻き付く第2の部位P2と、第1の部位P1と第2の部位P2とを接続する第3の部位P3とを含む巻き付き部10を有する。本開示によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動を低減することができる。
以上説明したように、本開示の第1態様に係る配管固定部材1は、耐熱性を有する繊維材が織り込まれた配管固定部材であって、固定部材は流体が流れる複数の配管TUのうちのひとつに巻き付く第1の部位P1と、他のひとつに巻き付く第2の部位P2と、第1の部位P1と第2の部位P2とを接続する第3の部位P3とを含む巻き付き部10を有する。本開示によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動を低減することができる。
本開示の第2態様に係る配管固定部材1は、第1態様に係る配管固定部材1であって、複数の巻き付き部10を有し、複数の巻き付き部10が配管TUの軸方向に沿って並んでいる。本開示によると、第1実施形態より、配管TUの振動を多く低減することができる。
本開示の第3態様に係る配管固定部材1は、第2態様に係る配管固定部材1であって、複数の巻き付き部10のひとつである第1巻き付き部10Aと、第1巻き付き部10Aと隣り合う第2巻き付き部10Bとは少なくとも一部の領域で重なっており、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bのそれぞれの第3の部位P3同士とが重なっている領域の面積は、第1巻き付き部10Aにおける第3の部位P3の全面積に対して50%以上となっている。本開示によると、第1実施形態より、配管TUの振動を多く低減することができる。
本開示の第4態様に係る配管固定部材1は、第2態様または第3態様に係る配管固定部材1であって、複数の巻き付き部10のひとつである第1巻き付き部10Aは、第2の部位P2と、第1巻き付き部10Aと隣り合う第2巻き付き部10Bの第1の部位P1とを接続する第4の部位P4をさらに有している。本開示によると、第1巻き付き部10Aと第2巻き付き部10Bとを一つの連続した部材で作ることができる。
本開示の第5態様に係る配管固定部材1は、第1態様から第3態様のいずれか一項に係る配管固定部材1であって、繊維材が二酸化珪素を主成分とするシリカ繊維である。本開示によると、本開示によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動を低減することができる。
本開示の第6態様に係る配管ユニットは、流体が流れる複数の配管TUと、第1態様から第3態様のいずれか1項に記載の配管固定部材1と、配管固定部材1を複数の配管TUに取りつける取り付け部材WRとを有する。本開示によると、高温の熱環境下においても、配管TUの振動を低減することができる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 配管固定部材
10 巻き付き部
TU 配管
WR 取り付け部材
10 巻き付き部
TU 配管
WR 取り付け部材
Claims (6)
- 耐熱性を有する繊維材が織り込まれた配管固定部材であって、
流体が流れる複数の配管のうちのひとつに巻き付く第1の部位と、前記複数の配管のうちの他のひとつに巻き付く第2の部位と、前記第1の部位と前記第2の部位とを接続する第3の部位とを含む巻き付き部を有する、
配管固定部材。 - 複数の前記巻き付き部を有し、
前記複数の前記巻き付き部が前記配管の軸方向に沿って並んでいる、
請求項1に記載の配管固定部材。 - 前記複数の前記巻き付き部のひとつである第1巻き付き部と、
前記第1巻き付き部と隣り合う第2巻き付き部とは、少なくとも一部の領域で重なっており、
前記第1巻き付き部と前記第2巻き付き部のそれぞれの前記第3の部位同士とが重なっている領域の面積は、前記第1巻き付き部における前記第3の部位の全面積に対して50%以上となっている、
請求項2に記載の配管固定部材。 - 前記複数の前記巻き付き部のひとつである第1巻き付き部は、前記第2の部位と、前記第1巻き付き部と隣り合う第2巻き付き部の前記第1の部位とを接続する第4の部位をさらに有している、
請求項2または請求項3に記載の配管固定部材。 - 前記繊維材が、二酸化珪素を主成分とするシリカ繊維である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配管固定部材。 - 前記流体が流れる複数の配管と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配管固定部材と、
前記配管固定部材を前記複数の配管に取りつける取り付け部材と、
を有する、
配管ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023002751U JP3243935U (ja) | 2023-07-31 | 2023-07-31 | 配管固定部材、及び配管ユニット |
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JP2023002751U JP3243935U (ja) | 2023-07-31 | 2023-07-31 | 配管固定部材、及び配管ユニット |
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-
2023
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