JP3241326B2 - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II-VI族半導体材
料を用いた半導体発光素子およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、光通信用半導体レーザは、例えば1
996年8月、エレクトロニクス・レターズ、第32
巻、第17号、1582〜1583頁(ELECTRO
NICS LETTERS,VOL.32,NO.1
7,pp.1582−1583,AUGUST,199
6)に示されるように、安価に製作ができ、低い動作電
流で安定に動作するInGaAsP系歪みMQWレーザ
が用いられていた。このような半導体レーザでは活性層
以外の領域に流れる漏れ電流の低減が重要となる。図3
3は従来の光通信用半導体レーザの断面図であるが、n
型InPからなる半導体基板331上に成長したn型I
nPからなるn型クラッド層332、InAsPウェル
とInGaPバリヤーから構成される多重量子井戸(M
QW)からなる活性層333と、p型InPからなるp
型クラッド層334とをp型InPからなる埋め込み層
335により埋め込んだ構造である。n型クラッド層3
32と埋め込み層335が接する界面にはInP pn
接合336が形成されている。埋め込み構造が単純であ
るため製作が容易であり低コストである。活性層333
のバンドギャップがInPのバンドギャップより小さい
ため、活性層333を介したpn接合の立ち上がり電圧
は、InPからなるpn接合336の立ち上がり電圧よ
り小さい。このため電流は主として活性層333を流れ
てレーザ発振する。
【0003】またII-VI族半導体からなる光ディスク用
半導体レーザとして、例えばジャーナル・オブ・クリス
タル・グロウス、第159巻、555〜565頁(JO
UNAL OF CRYSTAL GROWTH,VO
L.159,pp.555−565,1996)に示さ
れるような製作が容易な構造が報告されている。このよ
うなレーザにおいては記録媒体の書き替えのために高出
力動作ができること重要であり、長期の使用に耐える信
頼性が望まれる。図34は上記従来のII-VI族半導体か
らなる光ディスク用半導体レーザの断面図であるが、G
aAsからなるn型半導体基板341に成長したストラ
イプ状の溝を有するp型GaAsからなるp型電流ブロ
ック層343を成長し、その上にZnSeからなるn型
バッファー層342、ZnMgSSeからなるn型クラ
ッド層344、ZnCdSe/ZnSSeからなる単一
量子井戸活性層345、ZnMgSSeからなる第1p
型クラッド層346a、p型ZnSeからなる第2p型
クラッド層346b、ZnSe/ZnTeMQW及びZ
nTeから構成されるp型コンタクト構造347、Au
/Pt/Pdからなるp電極349、Inからなるn電
極348から形成されている。ストライプ状の溝の外に
は電流ブロック層とn型基板とn型バッファー層により
npn接合が形成され電流はブロックされる。電流はス
トライプ状の溝部分のみを通るため電流が狭窄されレー
ザ発振に寄与しない無効電流が減る。無効電流はデバイ
スの発熱を促し、デバイスを劣化させる。したがって、
無効電流の低減により、長期の信頼性が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
通信用半導体レーザの構造では高温動作では活性層を介
したpn接合とInPのpn接合の立ち上がり電圧差が
小さくなり、活性層の外を流れる漏れ電流が増加すると
いう問題があった。
【0005】また、上述の光ディスク用II-VI族半導体
レーザではバンドギャップが大きいため動作電圧が高
く、高出力動作でバンドギャップの小さなp型GaAs
の電流ブロック層では障壁の大きさが小さく、ブレーク
ダウンが生じ、漏れ電流が増加するという問題を有して
いた。本発明の目的は、製作が容易であり生産性に優れ
た半導体発光素子、特に漏れ電流を小さく抑えた動作電
流の小さい発光素子およびその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、II-VI族半導
体からなる領域に不純物としてIII族元素を含有させる
ことで、前記II-VI族半導体領域を高抵抗化したりn型
半導体領域に変換するものである。これにより、発光素
子を高温ないし高出力で作動させた場合にも漏れ電流の
少ない電流狭窄構造等を得るというものである。
【0007】まず、本発明のうち、II-VI族半導体から
なる領域に不純物としてIII族元素を含有させて前記II-
VI族半導体領域を高抵抗化するものについて説明する。
【0008】本発明に係るこのタイプの発光素子は、た
とえばp型になりやすいが、n型になりにくいII-VI族
半導体に対し、不純物としてIII族元素を含有させる。
通常、III族元素はII-VI族半導体中でn型の不純物とし
て働くが、n型になりにくいII-VI族半導体中の不純物
はイオン化した欠陥を生じる。このため、キャリアが欠
陥に捕獲されキャリア濃度が低減し高抵抗化する。本発
明において「高抵抗化」とは、III族元素導入後のII-VI
族半導体が、III族元素導入前のII-VI族半導体よりも抵
抗が高いことをいう。
【0009】III族元素の導入はたとえば以下のように
して行われる。すなわち、II-VI族半導体領域とIII-V
族半導体領域を隣接させた構造とし、II-VI族半導体領
域の成長前に、III-V族半導体表面をIII族過剰な表面
とすることにより、III-V族半導体領域からII-VI族半
導体領域へIII族元素を拡散させて形成することができ
る。
【0010】本発明においては、前記のようにIII族元
素を含有させて高抵抗化したII-VI族半導体領域を電流
阻止領域に適用し、これにより漏れ電流の少ない電流狭
窄構造を実現している。すなわち本発明の半導体発光素
子は、III族元素を拡散させていない領域に電流を注入
し、活性層等において発光させるものである。
【0011】本発明によれば、上述のタイプの発光素子
として、以下のものが提供される。
【0012】(1)活性層を含む光導波路層と、該光導
波路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域
の周囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻止
領域とを備え、前記電流阻止領域は、III族元素を含むI
I-VI族半導体領域を有することを特徴とする半導体発光
素子。
【0013】(2)前記III族元素を含む前記II-VI族半
導体領域は、p型II-VI族半導体領域にIII族元素が拡散
して高抵抗化した領域であることを特徴とする(1)に
記載の半導体発光素子。
【0014】(3)II-VI族半導体層を有し、該II-VI族
半導体層の少なくとも一部にIII族元素を拡散させ高抵
抗化させたことを特徴とする半導体発光素子。
【0015】(4)基板上に、n型クラッド層、活性
層、p型クラッド層、およびp型II-VI族半導体からな
るp型コンタクト層がこの順に設けられ、前記p型コン
タクト層中に、III族元素が拡散して高抵抗化した領域
が形成されたことを特徴とする半導体発光素子。
【0016】(5)II-VI族半導体層と、これに隣接し
て配置されたIII-V族半導体層とを有し、前記II-VI族
半導体層中に、前記III-V族半導体層からIII族元素が
拡散して高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とす
る半導体発光素子。
【0017】(6)第1の伝導型のIII-V族半導体から
なる基板上に、これに隣接して配置された第1の伝導型
のII-VI族半導体層からなる第1クラッド層と、II-VI族
半導体層からなる活性層と、第2の伝導型のII-VI族半
導体層からなる第2クラッド層とがこの順に形成され、
前記第1クラッド層中に、前記基板からIII族元素が拡
散して高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする
半導体発光素子。
【0018】(7) III-V族半導体からなる基板上
に、III-V族半導体からなるクラッド層および活性層を
含むIII-V発光層と、該III-V発光層上の所定の領域に
配置されたII-VI族半導体層とがこの順に形成され、該I
I-VI族半導体層中に、前記III-V発光層からIII族元素
が拡散して高抵抗化した領域が形成されたことを特徴と
する半導体発光素子。
【0019】(8)III-V族半導体からなる基板と、該
基板上の所定の領域に形成され、III-V族半導体からな
るクラッド層および活性層を含むIII-V発光層と、前記
基板上および前記III-V発光層上に形成されたII-VI族
半導体層とを有し、前記II-VI族半導体層のうち前記基
板に隣接した領域中に、前記基板からIII族元素が拡散
して高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする半
導体発光素子。
【0020】次に、本発明のうち、II-VI族半導体から
なる領域に不純物としてIII族元素を含有させて前記II-
VI族半導体領域をn型半導体領域に変換するものについ
て説明する。
【0021】本発明に係るこのタイプの発光素子は、た
とえばp型あるいはノンドープII-VI族半導体に対し、
n型不純物として機能するIII族元素を導入し、n型半
導体領域に変換するものである。
【0022】III族元素の導入はたとえば以下のように
して行われる。すなわち、II-VI族半導体領域とIII-V
族半導体領域を隣接させた構造とし、II-VI族半導体領
域の成長中に、III-V族半導体領域からIII族元素を拡
散させて形成することができる。
【0023】本発明においては、前記のようにIII族元
素を含有させてn型化したII-VI族半導体領域を電流阻
止領域または通電領域に適用し、これにより漏れ電流の
少ない電流狭窄構造を実現している。前記n型化したII
-VI族半導体領域自体は導電性を有するので、これを単
独で用いれば通電領域に適用することができる。また、
n型化したII-VI族半導体領域をp型II-VI族半導体領域
と隣接して形成しpn接合を形成することで、好適な電
流狭窄構造を実現することができる。II-VI族半導体の
バンドギャップは、従来技術に係るIII-V族半導体から
なる電流狭窄構造のバンドギャップよりも大きい。した
がって、高温・高出力動作時においても漏れ電流の少な
い電流狭窄構造が得られるのである。
【0024】なお、「n型半導体領域」のキャリア濃度
は、素子構成や用途に応じて適宜設定される。たとえ
ば、n型化したII-VI族半導体領域をp型II-VI族半導体
領域と隣接して形成しpn接合を形成する場合には、p
型II-VI族半導体領域の不純物濃度と同程度の不純物濃
度とする。また、n型化したII-VI族半導体領域をノン
ドープII-VI族半導体領域中に形成し、これを通電領域
に適用する場合には、好ましくは1×1016cm-3
上、さらに好ましくは1×1017cm-3以上とする。
【0025】本発明によれば、上述のタイプの発光素子
として、以下のものが提供される。
【0026】(9)活性層を含む光導波路層と、該光導
波路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域
の周囲に配置された電流阻止領域とを備え、前記電流阻
止領域は、p型II-VI族半導体領域と、これに隣接して
配置されたIII族元素を含むn型II-VI族半導体領域とを
有することを特徴とする半導体発光素子。
【0027】(10)活性層を含む光導波路層と、該光
導波路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領
域の周囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻
止領域とを備え、前記通電領域は、II-VI族半導体領域
にIII族元素が拡散して得られたn型II-VI族半導体領域
からなることを特徴とする半導体発光素子。
【0028】
【0029】
【0030】(13)p型III-V族半導体からなる基板
上に、これに隣接して配置されたp型II-VI族半導体層
からなるp型クラッド層と、II-VI族半導体層からなる
活性層と、n型II-VI族半導体層からなるn型クラッド
層とがこの順に形成され、前記p型クラッド層中に、前
記基板からIII族元素が拡散してなるn型半導体領域が
形成されたことを特徴とする半導体発光素子。
【0031】(14)n型のIII-V族半導体からなる基
板上に、該基板に隣接して配置されたII-VI族半導体層
からなる電流狭窄層と、n型II-VI族半導体層からなる
n型クラッド層と、II-VI族半導体層からなる活性層
と、p型II-VI族半導体層からなるp型クラッド層とが
この順に形成され、前記電流狭窄層中に、前記基板から
III族元素が拡散してなるn型半導体領域が形成された
ことを特徴とする半導体発光素子。
【0032】(15)p型のIII-V族半導体からなる基
板と、該基板上に形成され、III-V族半導体からなるク
ラッド層および活性層を含むIII-V発光層と、該III-V
発光層上の所定の領域に隣接して形成されたp型II-VI
族半導体層とを有し、前記p型II-VI族半導体層中に、
前記III-V発光層からIII族元素が拡散してなるn型半
導体領域が形成されたことを特徴とする半導体発光素
子。
【0033】(16)n型III-V族半導体からなる基板
上の所定の領域に、n型III-V族半導体からなるn型ク
ラッド層と、III-V族半導体からなる活性層と、p型II
I-V族半導体からなるp型クラッド層とがこの順に形成
され、前記基板上および前記p型クラッド層上にp型II
-VI族半導体層が形成され、前記p型II-VI族半導体層の
うち前記基板に隣接した領域中に、前記基板から拡散し
たIII族元素を含むn型半導体領域が形成されたことを
特徴とする半導体発光素子。
【0034】(17)p型III-V族半導体からなる基板
上の所定の領域に、p型III-V族半導体からなるp型ク
ラッド層と、III-V族半導体からなる活性層と、n型II
I-V族半導体からなるn型クラッド層とがこの順に形成
され、前記基板上および前記n型クラッド層上にII-VI
族半導体層を有し、前記II-VI族半導体層のうち前記n
型クラッド層に隣接した領域中に、前記n型クラッド層
から拡散したIII族元素を含むn型半導体領域が形成さ
れたことを特徴とする半導体発光素子。
【0035】(18)端面発光型の半導体発光素子であ
って、ストライプ状に形成されたII-VI族半導体からな
る活性層を有し、該活性層のストライプ方向の両端部を
除く部分にIII族元素が導入されたことを特徴とする半
導体発光素子。
【0036】(19)前記活性層中の前記III族元素が
導入された領域は、n型II-VI族半導体からなることを
特徴とする(18)記載の半導体発光素子。
【0037】また、本発明によれば、以下の半導体発光
素子が提供される。以下の半導体発光素子においては、
II-VI族半導体層の一部にIII族元素を含有させており、
これを電流阻止領域または通電領域に配置している。
【0038】(20)活性層を含む光導波路層と、該光
導波路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領
域の周囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻
止領域とを備え、II-VI族半導体層を有する半導体発光
素子であって、該II-VI族半導体層は、III族元素を含ま
ない第一の領域と、III族元素を含み該第一の領域より
高抵抗の第二の領域とからなり、前記第二の領域の少な
くとも一部が前記電流阻止領域に含まれていることを特
徴とする半導体発光素子。
【0039】
【0040】また、本発明によれば、以下の半導体発光
素子が提供される。
【0041】前記III-V族半導体層が組成の異なる第1
領域と第2領域とからなり、該第2領域を構成する材料
に比べ該第1領域を構成する材料の方がV族元素が脱離
しやすく、第1領域に隣接した前記II-VI族半導体層に
前記III族元素を拡散させ、第2領域に隣接した前記II-
VI族半導体層には前記III族元素を実質的に拡散させな
いことを特徴とする(5)に記載の半導体発光素子。
【0042】ここで、「V族元素が脱離しやすい」と
は、結晶格子中におけるV族元素の結合エネルギーがよ
り小さいことをいい、熱または光などによる励起エネル
ギーが与えられたときに、結晶格子中から脱離しやすい
ことをいう。
【0043】本発明によれば、上記半導体発光素子にお
いてさらに以下の要件を満たす半導体発光素子が提供さ
れる。
【0044】第1領域が厚さ1原子層以上のInを含む
III-V族半導体層からなることを特徴とする上記半導体
発光素子。
【0045】第2領域が厚さ1原子層以上のInを含ま
ないIII-V族半導体層からなることを特徴とする上記半
導体発光素子。
【0046】第2領域が厚さ1原子層以上のSbを含む
III-V族半導体層からなることを特徴とする上記半導体
発光素子。
【0047】また本発明によれば、以下の半導体発光素
子が提供される。
【0048】前記II-VI族半導体層は、1種類以上のII
族元素および1種類のVI族元素から構成された第1のII
-VI族半導体層と、1種類以上のII族元素および2種類
以上のVI族元素から構成された第2のII-VI族半導体層
とを含む多層構造を有し、前記III族元素を、該第1のI
I-VI族半導体層を介して該第1のII-VI族半導体層およ
び該第2のII-VI族半導体層に拡散させたことを特徴と
する(5)に記載の半導体発光素子。
【0049】前記II-VI族半導体層中に超格子構造を含
み、前記III族元素を拡散させた領域において前記超格
子構造を無秩序化させたことを特徴とする(5)に記載
の半導体発光素子。
【0050】さらに本発明によれば、以下の半導体発光
素子が提供される。
【0051】(28)前記II-VI族半導体層がTeを含
む混晶からなることを特徴とする(1)乃至(8)のい
ずれかに記載の半導体発光素子。
【0052】(29) 前記II-VI族半導体層がTeを
含まずO、S、Seのいずれかを含む混晶からなること
を特徴とする(9)乃至(19)のいずれかに記載の半
導体発光素子。
【0053】Teを含む混晶はp型になりやすいがn型
にはなりにくい。このためIII族を導入した場合に高抵
抗になりやすい。したがって上記(1)乃至(8)の半
導体発光素子に好適に用いられる。Teを含む混晶の具
体例としては、ZnTe等が挙げられる。
【0054】一方、Teを含まずO、S、Seのいずれ
かを含む混晶はn型になりやすいがp型にはなりにく
い。このためIII族を導入した場合に容易にn型に変換
する。したがって上記(9)乃至(20)の半導体発光
素子に好適に用いられる。Teを含まずO、S、Seの
いずれかを含む混晶の具体例としては、ZnS等が挙げ
られる。
【0055】本発明において、III族元素は、B、A
l、Ga、In、Tlのいずれかとすることができ、特
にGaまたはInとすることができる。
【0056】
【0057】
【0058】上記のように、本発明においてII-VI族半
導体中に導入するIII族元素とは、好ましくはB、A
l、Ga、In、Tlのいずれかであり、さらに好まし
くはInが用いられる。B、Al、Ga、In、Tlの
いずれかとすることにより、比較的容易にII-VI族半導
体領域を高抵抗化したりn型半導体領域に変換すること
ができる。特にInは、II-VI族半導体中に拡散しやす
いため、III族拡散領域を設計どおりに制御性良く形成
することができる。また、III族拡散領域をより大きく
形成することができる。III族拡散領域は通常II-VI族半
導体領域の成長時に同時に形成されるが、Inを用いた
場合、拡散速度が広いので、一定の成長時間に対してよ
り大きなIII族拡散領域を形成することが可能となるか
らである。
【0059】さらに本発明によれば、以下の半導体発光
素子の製造方法が提供される。
【0060】(32)III-V族半導体層上に、III-V族
半導体からなる第1領域と、第1領域を構成する材料に
比べV族元素が脱離しにくいIII-V族半導体からなる界
面保護層とを結晶成長する第1の工程と、前記第1領域
と前記界面保護層の表面に酸化膜を形成する第2の工程
と、前記第1領域と前記界面保護層とをV族雰囲気中で
加熱して前記酸化膜を除去し、第1領域の表面をIII族
過剰にし界面保護層表面をV族安定化面にする第3の工
程と、前記第1領域と前記界面保護層上にII-VI族半導
体層を結晶成長し、前記第1領域に隣接したII-VI族半
導体層中に前記第1領域を構成する1種類以上のIII族
元素を拡散させて拡散領域を形成する第4の工程とを含
むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【0061】上記半導体発光素子の製造方法において、
界面保護層に用いる材料は、第1領域のIII-V族半導体
の材料よりも酸化膜除去温度の高いものを用いることが
好ましい。
【0062】ここで酸化膜除去温度について説明する。
化合物半導体材料の酸化膜を真空中で一定温度以上で加
熱すると、酸素原子が脱離して酸化膜が除去される。こ
の温度を酸化膜除去温度という。酸化膜除去温度は材料
に固有の値であって、たとえばInPの場合、470℃
程度である。
【0063】界面保護層材料の酸化膜除去温度を、第1
領域のIII-V族半導体の材料よりも高く設定することに
より、上記第3の工程において第1領域の酸化膜が界面
保護層の酸化膜よりも先に除去される。第1領域の酸化
膜のみが除去された状態でさらに加熱を続けることによ
り、第1領域の表面からV族原子が脱離し、III族過剰
表面が形成される。ついで界面保護層の酸化膜を除去し
た後、これらの上にII-VI族半導体層を結晶成長させる
と、第1領域に隣接したII-VI族半導体層中に選択的にI
II族拡散領域が形成されるのである。
【0064】(33)III-V族半導体層上の所定の領域
にII-VI族半導体からなる界面保護層を形成する第1の
工程と、前記III-V族半導体層と前記界面保護層の表面
に酸化膜を形成する第2の工程と、前記III-V族半導体
層と前記界面保護層とを加熱して前記酸化膜を除去し、
第1領域の表面をIII族過剰にする第3の工程と、前記I
II-V族半導体層と前記界面保護層上にII-VI族半導体層
を結晶成長し、前記III-V族半導体層に隣接した前記II
-VI族半導体層中にIII-V族半導体層を構成する1種類
以上のIII族元素を拡散させて拡散領域を形成する第4
の工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造
方法。
【0065】上記半導体発光素子の製造方法において、
界面保護層に用いる材料は、前記III-V族半導体層のP
材料よりも酸化膜除去温度の高いものを用いることが好
ましい。
【0066】さらに本発明によれば、以下の半導体発光
素子の製造方法が提供される。
【0067】(34)任意の穴を形成したマスクを前記
III-V族半導体層上に設置し、マスク上より材料を照射
することにより界面保護層を形成すると同時にマスクに
よる材料照射の影になる部分を第1領域のIII族過剰な
表面として形成する第1工程と、前記III-V族半導体層
と前記界面保護層上にII-VI族半導体層を結晶成長し、
前記III-V族半導体層に隣接した前記II-VI族半導体層
中にIII-V族半導体層を構成する1種類以上のIII族元
素を拡散させて拡散領域を形成する第2の工程とを含む
ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【0068】(35)III-V族半導体からなる基板上に
結晶成長したIII-V族半導体層の所定の領域に、真空中
で電子ビームを照射し、前記III-V族半導体層表面の電
子ビームを照射した領域からV族元素を脱離させ、III
族元素過剰表面を形成する第1の工程と、前記III-V族
半導体層上にII-VI族半導体層を結晶成長し、前記電子
ビームを照射した領域のIII-V族半導体層に隣接した前
記II-VI族半導体層中にIII-V族半導体層を構成する1
種類以上のIII族元素を拡散させて拡散領域を形成する
第2の工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の
製造方法。
【0069】(36)III-V族半導体からなる基板上に
結晶成長したIII-V族半導体層表面に酸化膜を形成する
第1の工程と、真空中で、前記III-V族半導体層の所定
の領域に電子ビームを照射しながら、III-V族半導体層
を加熱して酸化膜を除去し、前記III-V族半導体層表面
の電子ビームを照射した領域からV族元素を脱離させ、
III族元素過剰表面を形成する第2の工程と、前記III-
V族半導体層上にII-VI族半導体層を結晶成長し、前記
電子ビームを照射した領域のIII-V族半導体層に隣接し
た前記II-VI族半導体層中にIII-V族半導体層を構成す
る1種類以上のIII族元素を拡散させて拡散領域を形成
する第3の工程とを含むことを特徴とする半導体発光素
子の製造方法。
【0070】以上述べた本発明の半導体発光素子の製造
方法によれば、III族元素の拡散領域を所望の位置に制
御性良く形成することができる。
【0071】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。以下に述べる実施形態におい
て、各層の結晶成長は、MBE(分子線結晶成長)法や
MOCVD(有機金属化学気相成長)法など、公知の方
法を用いて行うことができる。なお、本発明において、
II-VI族半導体とは、II族元素およびVI族元素を主成分
とする半導体をいい、不純物としてIII族元素等を含有
するものも含まれる。
【0072】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態を示す断面図である。本実施形態の半導体
発光素子は、III-V族半導体からなるn型半導体基板1
1上に、n型III-V族半導体からなるn型III-Vクラッ
ド層12、III-V族半導体の多重量子井戸からなるスト
ライプ状の活性層13を有し、n型III-Vクラッド層1
2上及び活性層13上にp型II-VI族半導体からなるp
型II-VIクラッド層14を有し、p型II-VIクラッド層1
4とn型III-Vクラッド層12の間にn型III-Vクラッ
ド層の母材であるIII族元素が拡散してできたn型のII-
VI族半導体層からなる電流阻止層17を有する。そし
て、p型II-VIクラッド層14に隣接して金属からなる
p電極15を有し、n型半導体基板11に隣接して金属
からなるn電極16を有する。
【0073】活性層13を含む縦方向は通電領域であ
る。n型III-Vクラッド層12とp型II-VIクラッド層
14で挟まれており、光とキャリアが縦方向に閉じ込め
られている。活性層13の両脇は電流阻止領域であり、
この領域中に電流阻止層17が形成されている。活性層
13の横方向はp型II-VIクラッド層14、電流阻止層
17で囲まれており、光とキャリアが横方向にも閉じ込
められている。すなわち、同時に電流狭窄と縦と横方向
の光とキャリアの閉じ込めを行っている。
【0074】p電極15に正、n電極16に負の電圧を
印加すると、n型III-Vクラッド層12から注入された
電子とp型II-VIクラッド層14から注入された正孔が
活性層13で再結合して発光し、レーザ発振する。
【0075】図2はバンド構造図、図3は電気特性図で
ある。
【0076】電流阻止層17縦方向のバンド構造は図2
(a)のようになる。電流阻止層17とp型II-VIクラ
ッド層14はII-VI族半導体からなるpn接合を形成
し、拡散電位はII-VI族半導体のバンドギャップ程度の
大きさをもつ。すなわち、GaAs等のIII-V族半導体
からなる電流阻止層よりも大きなバンドギャップを有す
る電流狭窄構造が得られる。その結果、このバンドプロ
ファイルに対応した電気特性は図3のI−V曲線31の
ようになり、立ち上がり電圧が高くなる。これに対し、
活性層13縦方向でのバンド構造は図2(b)のようで
あり、活性層13のバンドギャップが狭いため、電気特
性は図3のI−V曲線32のようになり、活性層を介し
たpn接合の立ち上がり電圧は低い。電流阻止層縦方向
のI−V特性の立ち上がり電圧が活性層縦方向のI−V
特性の立ち上がり電圧に比べ非常に大きいため、p電極
15とn電極16に電圧を印加すると、電流は活性層1
3にだけ流れ、電流阻止層にはほとんど流れない。この
ため、レーザ発振時の漏れ電流が少なく、発振しきい値
電流が小さい。
【0077】この実施形態では活性層をIII-V族半導体
からなる多重量子井戸構造としたが、単一量子井戸や単
層や多層のIII-V族半導体層などを用いても良い。
【0078】n型半導体基板11上にn型III-Vクラッ
ド層12を挿入した構造を示したが、これに限らず半導
体基板11をそのままn型III-Vクラッド層として代用
してもよい。
【0079】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、n型II
I-Vクラッド層12および活性層13としては、InG
aAsP混晶系、AlGaAs混晶系、InGaAlP
混晶系、GaInNAsなどがあり、p型II-VIクラッ
ド層14としてZnSe、ZnS、CdSe、CdS、
CdTe、BeSe、MgZnSSe混晶系、MgZn
SeTe混晶系、MgZnCdSe混晶系、BeZnS
eTe混晶系、BeZnCeSe混晶系、ZnCdSe
Te混晶系、CdMgSSe混晶系などがある。
【0080】(第2の実施の形態)図1を用いて、本実
施の形態について説明する。第1の実施の形態(図1)
においては、p型II-VI族半導体に対してIII族元素を拡
散してn型II-VI族半導体に変換し、これを電流阻止層
17としていた。これに対し本実施形態では、p型II-V
I族半導体に対してIII族元素を拡散することにより高抵
抗II-VI族半導体に変換し、これを電流阻止層17とし
ている。p型II-VI族半導体としてp型になりやすくn
型になりにくい材料系を用いると、拡散したIII族元素
がイオン化した格子欠陥をp型II-VI族半導体中に生
じ、電気的中性を保つように働き、導電性の低い半導体
領域を形成する。p型になりやすくn型になりにくいII
-VI族半導体材料はVI族元素としてTeを用いた材料で
あり、ZnTe、BeTe、MgZnSeTe混晶系、
BeZnSeTe混晶系、ZnCdSeTe混晶系など
がある。混晶系はその組成に依存してn型になったり、
高抵抗層になったりする。導電性の度合いはIII族元素
の拡散量に依存する。III族元素はII-VI族半導体層の成
長時に拡散させ、III族元素の拡散量はII-VI族半導体層
の成長温度、成長時間等により調整する。ただし、III
族元素の拡散量とII-VI族半導体層の成長温度等の条件
との関係は、各半導体層の厚みや構成材料に応じて変動
するため、一律には決まらない。
【0081】本実施形態において、p型II-VI族半導体
のp型不純物濃度と同程度以上のIII族元素を拡散させ
ることで、III族元素を拡散していない領域に比べて高
抵抗な層が得られる。
【0082】本実施形態において、電流阻止層17以外
の層は前述の実施の形態と同様である。電流阻止層17
が高抵抗であるため電流閉じ込めの効果は非常に高く、
電流は活性層13にだけ流れる。このため、レーザ発振
時の漏れ電流が少なく、発振しきい値電流が小さい。
【0083】(第3の実施の形態)図4を用いて、本実
施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素子
は、n型のIII-V族半導体からなる半導体基板11上
に、n型III-V族半導体からなる円盤状のn型III-Vク
ラッド層12、III-V族半導体の多重量子井戸からなる
円盤状の活性層13を有し、n型III-Vクラッド層12
上及び活性層13上にp型II-VI族半導体からなるp型I
I-VIクラッド層14を有し、p型II-VIクラッド層14
と半導体基板11の間に基板のIII族元素が拡散してで
きたn型のII-VI族半導体層からなる電流阻止層17を
有する。そして、p型II-VIクラッド層に隣接して活性
層13に対応した円盤状の窓のついた金属からなるp電
極15を有し、半導体基板に隣接して金属からなるn電
極16を有する。
【0084】p電極15に正、n電極16に負の電圧を
印加すると、III-Vクラッド層12から注入された電子
とp型II-VIクラッド層14から注入された正孔が活性
層13で再結合して発光し、電極15に設けられた窓を
通して光が放出される。また、光はワイドギャップのII
-VI族半導体を通って放出されるため、損失が少ない。
【0085】電流阻止層縦方向のバンド構造は図2
(a)のようになる。電流阻止層17とp型II-VIクラ
ッド層14はII-VI族半導体からなるpn接合を形成
し、拡散電位はII-VI族半導体のバンドギャップ程度の
大きさをもつ。すなわち、GaAs等のIII-V族半導体
からなる電流阻止層よりも大きなバンドギャップを有す
る電流狭窄構造が得られる。その結果、電気特性は図3
のI−V曲線31のようになり、立ち上がり電圧が高く
なる。これに対し、活性層の縦方向でのバンド構造は図
2(b)のようであり、活性層13のバンドギャップが
狭いため、電気特性は図3のI−V曲線32のようにな
り、活性層を介したpn接合の立ち上がり電圧は低い。
電流阻止層縦方向のI−V特性の立ち上がり電圧が活性
層縦方向のそれに比べ非常に大きいため、p電極15と
n電極16に電圧を印加すると、電流は活性層13にだ
け流れ、電流阻止層にはほとんど流れない。このため、
活性層に効率よく電流注入が行われ、低電流注入で輝度
の高い発光素子が得られた。
【0086】この実施形態では活性層をIII-V族半導体
からなる多重量子井戸構造としたが単一量子井戸や単層
や多層のIII-V族半導体層などを用いても良い。n型II
I-Vクラッド層12を用いた構造を示したが、半導体基
板11をn型III-Vクラッド層として用いてもよい。
【0087】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、n型II
I-Vクラッド層12および活性層13としては、InG
aAsP混晶系、AlGaAs混晶系、InGaAlP
混晶系、GaInNAs混晶系などがあり、p型II-VI
クラッド層14としてZnSe、ZnS、CdSe、C
dS、CdTe、BeSe、MgZnSSe混晶系、M
gZnSeTe混晶系、MgZnCdSe混晶系、Be
ZnSeTe混晶系、BeZnCeSe混晶系、ZnC
dSeTe混晶系、CdMgSSe混晶系などがある。
【0088】(第4の実施の形態)図4を用いて、第4
の実施の形態について説明する。図4において、電流阻
止層17が高抵抗のII-VI族半導体であり、他の層は前
述の実施の形態と同様である。電流阻止層17が高抵抗
であるため電流閉じ込めの効果は非常に高く、電流は活
性層13にだけ流れる。このため、漏れ電流が少なく活
性層に効率よく電流注入が行われ、低電流注入で輝度の
高い発光素子が得られる。
【0089】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、n型II
I-Vクラッド層12および活性層13としては、InG
aAsP混晶系、AlGaAs混晶系、InGaAlP
混晶系、GaInNAs混晶系などがあり、p型II-VI
クラッド層14としてZnTe、BeTe、MgZnS
eTe混晶系、BeZnSeTe混晶系、ZnCdSe
Te混晶系などがある。
【0090】(第5の実施の形態)図5を用いて、本実
施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素子
は、n型のIII-V族半導体からなる半導体基板41上
に、n型III-V族半導体からなるn型III-Vクラッド層
42を有し、n型III-Vクラッド層42にストライプ状
の溝が形成されており、溝の中にIII-V族半導体の多重
量子井戸からなるストライプ状の活性層43を有する。
活性層43上及びn型III-Vクラッド層42上にp型II
-VI族半導体からなるp型II-VIクラッド層44を有し、
n型III-Vクラッド層42とp型II-VIクラッド層44
の間にn型III-Vクラッド層の母材であるIII族元素が
拡散してできたn型II-VI族半導体層からなる電流阻止
層47を有し、p型II-VIクラッド層44に隣接して金
属からなるp電極45を有し、半導体基板41に隣接し
てn電極46とを有する。
【0091】電流阻止層縦方向の電気特性は図3のI−
V曲線31のようであり、立ち上がり電圧が高い。活性
層縦方向では図3のI−V曲線32ように低い。p電極
45とn電極416に電圧を印加すると、電流は活性層
43にだけ流れ、電流阻止層47にはほとんど流れな
い。電流阻止層をn型II-VI族半導体層としたが、高抵
抗なII-VI族半導体層とした場合にも電流閉じ込めの効
果は非常に高く、電流は活性層43にだけ流れる。
【0092】活性層43を含む縦方向は通電領域であ
る。n型III-Vクラッド層42とp型II-VIクラッド4
4で挟まれており、光とキャリアが縦方向に閉じ込めら
れている。活性層43の両脇は電流阻止領域であり、こ
の領域中に電流阻止層17が形成されている。活性層4
3の横方向はIII-Vクラッド層42で囲まれており、光
とキャリアが横方向にも閉じ込められている。活性層4
3とIII-Vクラッド層42がIII-V族半導体であるため
屈折率差が少なく、活性層43の横幅の揺らぎに対する
単一横モード発振が可能な条件が緩い。
【0093】また、活性層43はn型III-Vクラッド層
42の溝の部分にストライプ状に形成され、II-VI族半
導体とIII-V族半導体の界面は平坦性が良いため、プロ
セスや集積化が容易である。
【0094】この実施形態では活性層をIII-V族半導体
からなる多重量子井戸構造としたが単一量子井戸や単層
や多層のIII-V族半導体層などを用いても良い。
【0095】また、n型III-Vクラッド層42を用いた
構造を示したが、半導体基板41をn型III-Vクラッド
層として用いてもよい。
【0096】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、n型II
I-Vクラッド層42および活性層43としては、InG
aAsP混晶系、AlGaAs混晶系、InGaAlP
混晶系、GaInNAs混晶系などがあり、p型II-VI
クラッド層44としてZnSe、ZnTe、ZnS、C
dSe、CdS、CdTe、BeSe、BeTe、Mg
ZnSSe混晶系、MgZnSeTe混晶系、MgZn
CdSe混晶系、BeZnSeTe混晶系、BeZnC
eSe混晶系、ZnCdSeTe混晶系、CdMgSS
e系混晶系などがある。
【0097】(第6の実施の形態)図6を用いて、本実
施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素子
は、n型のIII-V族半導体からなる半導体基板41に円
盤上の溝を有し、溝の中にn型III-V族半導体からなる
n型III-Vクラッド層42、III-V族半導体の多重量子
井戸からなる円盤状の活性層43を有する。活性層43
上及び半導体基板41上にp型II-VI族半導体からなる
p型II-VIクラッド層44を有し、半導体基板41とp
型II-VI半導体層44の間に半導体基板の母材のIII族元
素が拡散して形成されたn型II−VI族半導体層からなる
電流阻止層47を有する。p型II-VIクラッド層44に
隣接して活性層43に対応した円盤状の窓のついた金属
からなるp電極45を有し、半導体基板41に隣接して
n電極46とを有する。電流阻止層47縦方向の電気特
性は図3のI−V曲線31のようであり、立ち上がり電
圧が高い。活性層43縦方向では図3のI−V曲線32
ように低い。p電極45とn電極416に電圧を印加す
ると、電流は活性層43にだけ流れ、電流阻止層47に
はほとんど流れない。そして活性層からの光はワイドギ
ャップのII-VI族半導体を通って放出されるため、損失
が少ない。電流阻止層をn型II-VI族半導体層とした
が、高抵抗なII-VI族半導体層とした場合にも電流閉じ
込めの効果は非常に高く、電流は活性層43にだけ流
れ、同様の効果が得られる。
【0098】また、活性層43はn型III-Vクラッド層
42の溝の部分に円盤状に形成され、II-VI族半導体とI
II-V族半導体の界面は平坦性が良いため、プロセスや
集積化が容易である。
【0099】この実施形態では活性層をIII-V族半導体
からなる多重量子井戸構造としたが単一量子井戸や単層
や多層のIII-V族半導体層などを用いても良い。
【0100】n型III-Vクラッド層42を有する構造を
示したが半導体基板41をn型III-Vクラッド層として
用いても良い。
【0101】半導体基板41に直接溝を形成した例をあ
げたが、半導体基板上に格子整合したIII-V族半導体成
長しこれを基板と見なして用いてもよい。
【0102】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、III-V
クラッド層および活性層としては、InGaAsP混晶
系、AlGaAs混晶系、InGaAlP混晶系、Ga
InNAs混晶系などがあり、p型II-VIクラッド層4
4としてZnSe、ZnTe、ZnS、CdSe、Cd
S、CdTe、BeSe、BeTe、MgZnSSe混
晶系、MgZnSeTe混晶系、MgZnCdSe混晶
系、BeZnSeTe混晶系、BeZnCeSe混晶
系、ZnCdSeTe混晶系、CdMgSSe系混晶系
などがある。
【0103】(第7の実施の形態)図7、8を用いて、
本実施形態について説明する。図8はバンド構造図であ
る。
【0104】本実施形態の半導体発光素子は、n型のII
I-V族半導体からなる半導体基板51上に、n型III-V
族半導体からなるn型III-Vクラッド層52、n型III-
V族半導体からなるストライプ状のn型光ガイド層5
3、III-V族半導体からなるストライプ状の活性層5
4、p型III-V族半導体からなるストライプ状のp型光
ガイド層55を有する。p型光ガイド層55上及びn型
III-Vクラッド層52上にp型II-VI族半導体からなる
p型II-VIクラッド層56を有し、n型III-Vクラッド
層52及びp型II-VIクラッド層56の間にn型III-V
クラッド層52から母材のIII族元素が不純物として拡
散し形成されたn型または高抵抗なII-VI族半導体層か
らなる電流阻止層を有する。p型II-VIクラッド層に隣
接して金属からなるp電極57を有し、半導体基板51
に隣接して金属からなるn電極58を有する。
【0105】活性層54縦方向のバンド構造は図8のよ
うであり、n型光ガイド層53とp型光ガイド層55に
挟まれて、キャリアが活性層54に閉じ込められる。光
はn型III-Vクラッド層52とp型II-VIクラッド層5
6によって、活性層54およびn型光ガイド層53とp
型光ガイド層55内に閉じ込められる。n型光ガイド層
53とp型光ガイド層55の屈折率と層厚を変える事に
より、活性層54での光閉じ込め率を変えることができ
る。その結果、低しきい値電流や高出力などの所望の特
性が得られる。
【0106】活性層を単層のIII-V族半導体としたが、
これに限らず、多層のIII-V族半導体層からなる多重量
子井戸構造などを用いても良い。また光ガイド層を単層
のIII-V族半導体としたが、これに限らず、多層や、組
成が連続的に変化したIII-V族半導体混晶を用いても良
い。
【0107】(第8の実施の形態)図9を用いて、本実
施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素子
は、n型のIII-V族半導体からなる半導体基板51上
に、n型III-V族半導体からなるn型III-Vクラッド層
52を有し、n型III-Vクラッド層にストライプ状の溝
が形成されており、溝の中にn型III-V族半導体からな
るストライプ状のn型光ガイド層53、III-V族半導体
からなるストライプ状の活性層54、p型III-V族半導
体からなるストライプ状のp型光ガイド層55を有す
る。p型光ガイド層55上及びn型III-Vクラッド層5
2上にp型II-VI族半導体からなるp型II-VIクラッド層
56を有し、n型III-Vクラッド層52及びp型II-VI
クラッド層56の間にn型III-Vクラッド層から母材の
III族元素が不純物として拡散し形成されたn型または
高抵抗なII-VI族半導体層からなる電流阻止層59を有
する。p型II-VIクラッド層に隣接して金属からなるp
電極57を有し、半導体基板51に隣接して金属からな
るn電極58を有する。
【0108】活性層54近傍のバンド構造は図8のよう
であり、n型光ガイド層53とp型光ガイド層55に挟
まれて、キャリアが活性層54に閉じ込められる。光は
n型III-Vクラッド層52とp型II-VIクラッド層56
によって、活性層54およびn型光ガイド層53とp型
光ガイド層55内に閉じ込められる。n型光ガイド層5
3とp型光ガイド層55の屈折率と層厚を変える事によ
り、活性層54での光閉じ込め率を変えることができ
る。
【0109】活性層54を単層のIII-V族半導体とした
が、これに限らず、多層のIII-V族半導体層からなる多
重量子井戸構造などを用いても良い。また光ガイド層を
単層のIII-V族半導体としたが、これに限らず、多層
や、組成が連続的に変化したIII-V族半導体混晶を用い
ても良い。
【0110】(第9の実施の形態)図10を用いて、本
実施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素
子は、n型のIII-V族半導体からなる半導体基板61上
にn型のIII-V族半導体からなるn型III-Vクラッド層
62、n型光ガイド層63a、III-V族半導体多重量子
井戸からなる活性層64、p型のIII-V族半導体からな
るp型第1光ガイド層63b、p型III-V族半導体から
なるp型第2光ガイド層63c、3層のp型III-V族半
導体からなるポテンシャル緩和層65を有し、ポテンシ
ャル緩和層65及びn型III-Vクラッド層62上にp型
II-VI族半導体からなるp型II-VIクラッド層66を有
し、n型III-Vクラッド層62とp型II-VIクラッド層
66の間に電流阻止層69を有する。電流阻止層69は
n型III-Vクラッド層62の母材であるIII族元素がp
型II-VI族クラッド層66に不純物として拡散し形成さ
れたn型または高抵抗なII-VI族半導体層からなる。p
型II-VIクラッド層66に隣接して金属からなるp電極
67、半導体基板61に隣接して金属からなるn電極6
8を有する。
【0111】バンド構造図を図11に示す。ポテンシャ
ル緩和層65の価電子帯端21の位置は、p型第2光ガ
イド層63cとp型II-VIクラッド層66との中間の値
であり、p型第2光ガイド層63cに近い側からp型II
-VIクラッド層66側に向かって段々低くなっている。
これにより、p型II-VIクラッド層66から活性層64
へ流れる正孔に対する抵抗が小さくなり、半導体レーザ
の動作電圧が低くなる。
【0112】このようなポテンシャル緩和層65には、
例えば、AlGaAs混晶系では、Al組成を大きくす
ることにより価電子帯端を深くし、伝導帯端を浅くする
ことができる。また、AlGaInP系混晶でもAl組
成を大きくすることにより価電子帯端を深くし、伝導帯
端を浅くすることができる。また、同様に、GaInA
sP系混晶系を用いることもできる。
【0113】II-VIクラッド層66には、ZnCdSe
Te、BeZnSeTe、MgZnSeTe、MgCd
SeTe、BeCdSeTeなどのII-VI族混晶系を用
いられる。
【0114】この実施形態ではポテンシャル緩和層を3
層の構造としたが、これに限らず、1層の構造や4層以
上の構造や組成が連続的に変化した構造でも良い。
【0115】(第10の実施の形態)本実施形態を図1
2の断面図、図13のバンド構造図を用いて説明する。
n型のIII-V族半導体からなる半導体基板61上にn型
のIII-V族半導体からなるn型III-Vクラッド層62を
有し、III-Vクラッド層にストライプ状の溝が形成され
ており、溝の中にストライプ状のn型光ガイド層63
a、III-V族半導体多重量子井戸からなる活性層64、
p型のIII-V族半導体からなるp型第1光ガイド層63
b、p型III-V族半導体からなるp型第2光ガイド層6
3cを有し、p型第2光ガイド層63c及びn型III-V
クラッド層62上に、3層のp型II-VI族半導体からな
るポテンシャル緩和層65、p型II-VI族半導体からな
るII-VIクラッド層66を有し、n型III-Vクラッド層
62上に電流阻止層69を有する。電流阻止層69はn
型III-Vクラッド層の母材であるIII族元素がp型II-VI
族半導体層に不純物として拡散し形成されたn型II-VI
族半導体層からなる。II-VIクラッド層66に隣接して
金属からなるp電極67、半導体基板61に隣接して金
属からなるn電極68を有する。
【0116】バンドプロファイルと電気特性をそれぞれ
図13、図14に示す。
【0117】電流阻止層縦方向のバンド構造は図13
(a)のようになる。電流阻止層69とp型II-VIクラ
ッド層66はII-VI族半導体からなるpn接合を形成
し、拡散電位はII-VI族半導体のバンドギャップ程度の
大きさをもつ。その結果、このバンドプロファイルに対
応した電気特性は図14のI−V曲線31のようにな
り、立ち上がり電圧が高くなる。
【0118】これに対し、活性層介した方向でのバンド
構造は図13(b)のようであり、活性層のバンドギャ
ップが狭く、活性層を介したpn接合の拡散電位は小さ
い。さらに、ポテンシャル緩和層65の価電子帯端21
の位置は、光ガイド層63cとII-VIクラッド層66と
の中間の値であり、光ガイド層63cに近い側からII-V
Iクラッド層66側に向かって段々低くなっている。こ
れにより、II-VIクラッド層66から活性層64へ流れ
る正孔に対する抵抗が小さくなる。このバンドプロファ
イルに対応した電気特性は図14のI−V曲線32のよ
うになり、動作電圧が低くなる。電流阻止層縦方向のバ
ンドプロファイルに対応した立ち上がり電圧との差が広
がり、高温動作でも、電流は活性層64にだけ流れ、電
流阻止層69にはほとんど流れない。このため、活性層
64に効率よく電流注入が行われ、低電流注入で輝度の
高い発光素子が得られた。
【0119】ポテンシャル緩和層65とp型II-VIクラ
ッド層66は、例えばp型ZnCdSeTe混晶系でp
型II-VIクラッド層66に近い側でのSe組成を大きく
した層構造を用いれば良い。また、p型MgZnSSe
混晶系でp型II-VIクラッド層66に近い側でのMg組
成を大きくした層構造を用いれば良い。また、BeZn
SeTe、MgZnSeTe、MgZnCdSeなどの
他のII-VI族混晶系を用いても良い。
【0120】この実施形態ではポテンシャル緩和層を3
層の構造としたが、これに限らず、1層の構造や4層以
上の構造や組成が連続的に変化した構造でも良い。
【0121】(第11の実施の形態)図12を用いて、
本実施形態について説明する。
【0122】図12において、電流阻止層69が高抵抗
のII-VI族半導体であり、他の層は前述の実施の形態と
同様である。電流阻止層69が高抵抗であるため電流閉
じ込めの効果は非常に高く、電流は活性層13にだけ流
れ、電流阻止層69にはほとんど流れない。このため、
漏れ電流が少なく活性層に効率よく電流注入が行われ、
低電流注入で輝度の高い発光素子が得られる。
【0123】(第12の実施の形態)本実施形態を、図
15の断面図を用いて説明する。n型のIII-V族半導体
からなる半導体基板71上にn型のIII-V族半導体から
なるn型III-Vクラッド層72を有し、n型III-Vクラ
ッド層72にはストライプ状の溝が形成されており、溝
の中にn型III-V族半導体よりなるn型光ガイド層73
a、III-V族半導体からなる活性層74、p型のIII-V
族半導体からなるp型光ガイド層73b、p型III-V族
半導体からなる界面保護層75がストライプ状に形成さ
れ、III-V族半導体からなる界面保護層75上とn型II
I-Vクラッド層72上にp型II-VI族半導体からなるp
型II-VIクラッド層76を有し、p型II-VIクラッド層と
n型III-Vクラッド層の間に電流阻止層79を有する。
電流阻止層はn型III-Vクラッド層72の母材であるII
I族元素がp型II-VI族半導体層76に不純物として拡散
し形成された高抵抗なII-VI族半導体層からなる。電極
はp型II-VIクラッド層76に隣接して金属からなるp
電極77、半導体基板71に隣接して金属からなるn電
極78を有する。
【0124】界面保護層75を構成する材料に比べn型
III-Vクラッド層72を構成する材料の方がV族元素が
脱離しやすくなっている。基板を加熱するなどの方法に
より、n型III-Vクラッド層72表面からV族元素を脱
離させ、III族原子が過剰な状態とし、界面保護層75
表面をV族安定化面とすることができる。III族原子が
過剰な表面にp型II-VI族半導体層76を結晶成長する
と、III族元素は容易にp型II-VI族半導体層76に拡散
する。このように形成された電流阻止層79はn型また
は高抵抗である。界面保護層75表面ではこのような拡
散は起こらない。
【0125】界面保護層75に用いる材料は、n型III-
Vクラッド層72の材料よりも酸化膜除去温度の高いも
のを用いる。例えば、n型III-Vクラッド層72がIn
Pであれば界面保護層75はInPよりも酸化膜除去温
度の高いInGaAs、n型III-Vクラッド層72がI
nGaAsPであればそれよりも酸化膜除去温度の高い
GaAsなどが用いられる。
【0126】(第13の実施の形態)図16を用いて、
本実施形態について説明する。本実施形態の半導体発光
素子は、n型の半導体基板81上に、n型III-V族半導
体からなるn型III-Vクラッド層82、ストライプ形状
のn型III-V族半導体からなるn型光ガイド層83、II
I-V族半導体からなる活性層84、p型III-V族半導体
からなるp型光ガイド層85を有し、n型III-Vクラッ
ド層82及びp型光ガイド層85上にp型II-VIクラッ
ド層86を有する。n型III-Vクラッド層82とp型II
-VIクラッド層86との間に電流阻止層87を有し、電
流阻止層87はIII-Vクラッド層の母材であるIII族元
素がp型II-VI族半導体層に不純物として拡散し形成さ
れたn型または高抵抗なII-VI族半導体層からなる。II-
VIクラッド層86は、p型ZnCdSe混晶からなるZ
nCdSe層86aとp型ZnSeTe混晶からなるZ
nSeTe層86bとから構成される。ZnCdSe層
86aはIII-Vクラッド層82に接しており、VI族元素
はSeの1種類だけである。ZnSeTe層86bはVI
族元素としてSeとTeの2種類を含んでいる。
【0127】ZnSeTe混晶はp型の高濃度ドーピン
グが容易であるためII-VIクラッド層86に適した材料
である。しかし、III-Vクラッド層82上に直接ZnS
eTe混晶を成長しようとすると、III-V族半導体に対
するSeとTeの付着係数が大きく異なっているために
所望の組成の混晶が得られない。これに対しII族元素で
あるZnとCdの付着係数はほぼ同じであるため、Zn
CdSe混晶はIII-Vクラッド層82上に容易に結晶成
長できる。ZnCdSe層86a上ではSeとTeの付
着係数は一定であるため、容易にZnSeTe層86b
が成長できる。
【0128】一般に、II-VI族半導体混晶のドーピング
特性はVI族元素により大きく変化する。Teを多く含む
混晶はp型になりやすく、SeやSを多く含む混晶はn
型になりやすい。ドーピング濃度を制御するためには2
種類以上のVI族元素を含む混晶を用いるのが有効であ
る。しかし、VI族元素を2種類以上含む混晶をIII-V族
半導体上に直接成長しようとすると、VI族元素の種類に
よりIII-V族半導体への付着係数が非常に異なるため、
組成むらの大きな混晶が成長開始面にできてしまう。こ
れに対し、II族元素はIII-V族半導体への付着係数に大
きな違いがないため、II族元素を2種類以上含む混晶は
III-V族半導体上に容易に成長できる。II-VI族半導体
上では、VI族元素の付着係数に大きな違いがないため、
VI族元素を2種類以上含む混晶を成長することができ
る。
【0129】この実施形態では、VI族元素を1種類含む
混晶としてZnCdSeを用いたが、これに限らず、Z
nSe、BeSe、CdS、BeTe、ZnTe、Mg
ZnSe、BeZnTe、BeCdS、MgZnCdS
e、MgBeZnTe、CdMgSSeなど他のII-VI
混晶を用いても良い。また、VI族元素を2種類以上含む
混晶としてZnSeTeを用いたが、これに限らず、Z
nSSe、ZnSTe、CdSSe、BeSeTe、Z
nCdSeTe、MgZnSeTe、BeZnSSe、
BeCdSeTeなど他のII-VI混晶を用いても良い。
また、活性層を単層のIII-V族半導体としたが、これに
限らず、多層のIII-V族半導体層からなる単一や多重の
量子井戸構造などを用いても良い。また、光ガイド層の
無い構造や、溝を有するIII-Vクラッド層を用いた構造
でも良い。
【0130】VI族元素を1種類含む混晶が基板と格子定
数が大きく異なる場合や、そのバンド端のエネルギーが
それを挟む半導体層と大きくことなる場合は、界面保護
層の層厚を数原子層と薄くすることで界面保護層の歪み
の影響や電気特性に対する影響を除去できる。
【0131】(第14の実施の形態)図17を用いて本
実施形態について説明する。本実施形態の半導体発光素
子は、p型のIII-V族半導体よりなる半導体基板91上
に、p型III-V族半導体からなるp型III-Vバッファー
層92、p型II-VI族半導体からなるp型クラッド層9
4、II-VI族半導体層よりなる活性層96、n型II-VI族
半導体層よりなるn型クラッド層95を有し、ストライ
プ状のII-VI/III-Vのp−p接合部97を残してp型
クラッド層94とn型III-Vバッファー層92の間にn
型III-Vバッファー層のIII族元素が拡散してできたn
型II-VI族半導体層からなる電流阻止層93を有する。
そして、n型クラッド層95に隣接して金属からなるn
電極99を有し、半導体基板91に隣接して金属からな
るp電極98を有する。
【0132】p電極98に正、n電極99に負の電圧を
印加すると、nクラッド層95から注入された電子とp
型クラッド層94から注入された正孔は活性層96で再
結合して発光し、レーザ発振する。
【0133】電流阻止層93縦方向のバンド構造を図1
9に示す。電流阻止層93を挟むp型クラッド層94と
n型III-Vバッファー層92によりpnp接合を形成
し、半導体基板91側からの正孔に対してII-VI族半導
体のバンドギャップの大きさの障壁が形成される。障壁
が非常に大きいため、高出力動作でもブレークダウンは
生じにくく、正孔電流はストライプ状のII-VI/III-V
pp接合97を介して注入される。このため、レーザ発
振時の無効電流が少なく、高出力動作でも電流が小さく
なり、発熱が抑えられ、長寿命となり信頼性が良くな
る。
【0134】この実施形態では活性層を単層のII-VI族
半導体としたが、これに限らず、多層のII-VI族半導体
層からなる単一や多重の量子井戸構造などを用いても良
い。
【0135】この実施形態に用いる材料としては、半導
体基板としてInP、InAs、InSb、InN、G
aAs、GaP、GaSb、GaNなどがあり、II-VI
クラッド層および活性層としては、MgZnSSe混晶
系、MgZnSeTe混晶系、MgZnCdSe混晶
系、BeZnSeTe混晶系、BeZnCeSe混晶
系、ZnCdSeTe混晶系、CdMgSSe混晶系な
どがある。上記材料系の組み合わせとしてn型クラッド
層とp型クラッド層の材料系が異なっていても良い。T
eを含む混晶系はp型になりやすくp型クラッド層に適
している。
【0136】II-VI/III-Vpp接合部をストライプ形
状としたが円盤形状などにすることでLED等に応用で
きる。
【0137】(第15の実施の形態)図17を用いて、
異なる実施の形態について説明する。本実施形態は、図
17において、電流阻止層93を高抵抗のII-VI族半導
体としている。他の層は前述の実施の形態と同様であ
る。電流阻止層93が高抵抗であるため、正孔電流は主
としてII-VI/III-Vpp接合の経路に流れ、電流阻止
層93にはほとんど流れない。このため、レーザ発振時
の漏れ電流が少なく、発振しきい値電流が小さくするこ
とができる。
【0138】(第16の実施の形態)図19を用いて、
本実施形態について説明する。本実施形態の半導体発光
素子は、p型III-V族半導体よりなる半導体基板101
上に、p型III-V族半導体からなるp型III-Vバッファ
ー層102、p型III-Vバッファー層よりも酸化膜除去
温度の高いp型III-V族半導体からなるストライプ状の
界面保護層107、p型II-VI族半導体からなるp型ク
ラッド層104、II-VI族半導体よりなる活性層10
6、n型II-VI族半導体層よりなるn型クラッド層10
5を有し、p型クラッド層104とp型III-Vバッファ
ー層102の間にp型III-Vバッファー層のIII族元素
が拡散してできたn型または高抵抗のII-VI族半導体層
からなる電流阻止層103を有する。そして、n型クラ
ッド層105に隣接して金属からなるn電極109を有
し、半導体基板101に隣接して金属からなるp電極1
08を有する。
【0139】p電極108に正、n電極109に負の電
圧を印加すると、n型クラッド層105から注入された
電子とp型クラッド層104から注入された正孔は活性
層106で再結合して発光し、レーザ発振する。
【0140】結晶成長は、MBE(分子線結晶成長)法
やMOCVD(有機金属化学気相成長)法などを用いて
行うことができる。半導体基板101上にp型III-Vバ
ッファー層102及び界面保護層107を成長し、フォ
トリソグラフィーと化学エッチングにより界面保護層1
07をストライプ状に加工する。次にII-VI族半導体か
らなるp型クラッド層104を界面保護層107及びII
I-Vバッファー層102上に再成長して形成できる。界
面保護層107を構成する材料に比べn型III-Vバッフ
ァー層102を構成する材料の方がV族元素が抜けやす
くなっている。基板を加熱するなどの方法により、n型
III-Vバッファー層102表面をIII族原子が過剰な状
態にし、界面保護層107表面をV族安定化面とするこ
とができる。III族原子が過剰な表面にp型II-VI族半導
体層104を結晶成長すると、III族元素は容易にp型I
I-VI族半導体層104に拡散する。このように形成され
た電流阻止層103はn型または高抵抗である。界面保
護層107表面ではこのような拡散は起こらない。
【0141】界面保護層107はp型III-Vバッファー
層102の材料により異なる。例えば、p型III-Vバッ
ファー層102がInPであれば界面保護層107はI
nPよりも酸化膜除去の高いInGaAs、III-Vクラ
ッド層がInGaAsPであればそれよりも酸化膜除去
温度の高いGaAsが用いられる。
【0142】II-VI/III-Vpp接合部をストライプ形
状としたが円盤形状などにすることでLED等に応用で
きる。 (第17の実施の形態)図20を用いて、本実施形態に
係る半導体発光素子の製造方法について説明する。
【0143】まず、真空中で、図20(a)に示すよう
に、III-V族半導体層111の特定の領域に電子ビーム
112を照射し、III-V族半導体層111表面からV族
元素を脱離させる。その結果、III族過剰表面113が
形成される。この時III-V族半導体層111を加熱して
も良い。次に、図20(b)に示すように、III-V族半
導体層111上にII-VI族半導体層114を結晶成長す
る。結晶成長中にIII族過剰表面113にあるIII族元素
はII-VI族半導体114へ拡散し、拡散領域115が形
成される。電子ビーム112の当たらない領域では過剰
なIII族原子は存在せず、拡散は起こらない。
【0144】電子ビームは電界で照射位置をコントロー
ルできる。電子ビームのエネルギーが加えられるため、
III-Vクラッド層表面の元素の脱離が生じる。III-V族
半導体では一般にV族元素の方がIII族元素よりも脱離
しやすい。
【0145】電子ビームは制御が容易であり、拡散を利
用するため再成長回数が少なくて済み、歩留まりが高
い。
【0146】(第18の実施の形態)図20を用い、本
実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説明
する。
【0147】まず、真空中のV族雰囲気下で、表面酸化
膜を有するIII-V族半導体層111を、特定の領域に電
子ビーム112を照射しながら加熱する。加熱により表
面酸化膜は脱離する。その結果、図20(a)に示すよ
うに、酸化膜の無いIII-V族半導体層111表面が得ら
れる。電子ビーム112を照射した領域では、電子ビー
ム112のエネルギーによりV族元素の脱離が起こり、
III族過剰表面113が形成される。続いて、図20
(b)に示すように、III-V族半導体層111上にII-V
I族半導体層114を結晶成長する。結晶成長中にIII族
過剰表面113にあるIII族元素はII-VI族半導体114
へ拡散し、拡散領域115が形成される。電子ビーム1
12の当たらない領域では過剰なIII族原子は存在せ
ず、拡散は起こらない。
【0148】電子ビームは電界で照射位置をコントロー
ルできる。電子ビームのエネルギーが加えられるため、
III-Vクラッド層表面の元素の脱離が生じる。III-V族
半導体では一般にV族元素の方がIII族元素よりも脱離
しやすい。
【0149】電子ビームは制御が容易であり、拡散を利
用するため再成長回数が少なくて済み、歩留まりが高
い。
【0150】(第19の実施の形態)図21を用いて、
本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説
明する。
【0151】まず、図21(a)に示すように、III-V
族半導体層121上の特定の領域にIII-V族半導体層か
らなる界面保護層122を形成する。III-V族半導体層
121に比べ、界面保護層122は、V族元素が脱離し
にくい材料からなっている。
【0152】次に、III-V族半導体層121と界面保護
層122を空気に晒し、表面に酸化膜を形成する。続い
て、V族雰囲気中で加熱して表面酸化膜を除去する。そ
の結果、図21(b)に示すように、III-V族半導体層
121表面からV族元素が脱離し、III族過剰面123
が形成される。次に、図21(c)に示すように、II-V
I族半導体層124を界面保護層122及びIII-V半導
体層121上に成長する。III族過剰面123では、III
族原子がII-VI族半導体124へ拡散し拡散領域125
を形成する。
【0153】界面保護層122はIII-V族半導体層12
1上に一様に成長した後、フォトリソグラフィと化学エ
ッチングにより形成しても良い。また、選択成長によっ
て形成してもよい。
【0154】結晶成長は、MBE法やMOCVD法など
を用いて行うことができる。
【0155】(第20の実施の形態)図21を用いて、
本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説
明する。
【0156】まず、図21(a)に示すように、III-V
族半導体層121上の特定の領域にII-VI族半導体層か
らなる界面保護層122を形成する。次に、III-V族半
導体層121と界面保護層122を空気に晒し、表面に
酸化膜を形成する。続いて、加熱して表面酸化膜を除去
する。ここで、II-VI族半導体層の酸化膜除去温度が、I
II-V族半導体層121のそれよりも高い場合には、III
-V族半導体層121の酸化膜が界面保護層の酸化膜よ
りも先に除去される。このため、III-V族半導体層12
1の酸化膜のみが除去し、より高い温度でII-VI族半導
体層の酸化膜除去を行うことにより、III-V族半導体層
121の酸化膜の表面からV族原子が脱離し、III族過
剰面123が形成される(図21(b))。酸化膜を除
去した後は、II-VI族半導体層124を界面保護層12
2及びIII-V半導体層121上に成長する(図21
(c))。III族過剰面123では、III族原子がII-VI
族半導体層124へ拡散し拡散領域125を形成する。
また、II-VI族半導体層の酸化膜除去温度がIII-V族半
導体層121のそれよりも低い場合にも、III-V族半導
体層121の酸化膜が除去される温度以上で加熱するこ
とにより、III-V族半導体層121の酸化膜の表面から
V族原子が脱離し、III族過剰面123が形成される
(図21(b))。一方、III-V族半導体に比べII-VI
族半導体のII族元素及びVI族元素の脱離のしやすさの違
いは少ないため、加熱により元素どちらか一方の過剰表
面を形成することなく、II族元素及びVI族元素がほぼ同
じ数だけ脱離し、層厚が薄くなるのみである。酸化膜を
除去した後は、II-VI族半導体層124を界面保護層1
22及びIII-V半導体層121上に成長する(図21
(c))。III族過剰面123では、III族原子がII-VI
族半導体層124へ拡散し拡散領域125を形成する。
【0157】ここでII-VI族半導体層からなる界面保護
層122はIII族やV族が過剰に析出されていないスト
イキメトリーの保たれたIII-V族半導体層121上に成
長しており、表面に酸化膜をを形成したあとの酸化膜除
去においても、III-V族半導体層121から界面保護層
122へのIII族元素の拡散の影響は無視できる。
【0158】界面保護層122はIII-V族半導体層12
1上に一様に成長した後、フォトリソグラフィと化学エ
ッチングにより形成しても良い。また、選択成長によっ
て形成してもよい。
【0159】結晶成長は、MBE法やMOCVD法など
を用いて行うことができる。
【0160】加熱して酸化膜を除去する工程では、界面
保護層122で覆われた領域ではIII-V族半導体層12
1からV族元素は脱離しない。界面保護膜122がII-V
I族半導体であるため、界面保護膜122上に成長したI
I-VI族半導体層124ではIII族原子の拡散は起こらな
い。
【0161】(第21の実施の形態)図22を用いて、
本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説
明する。
【0162】III-V族半導体層131を形成した後、図
22(a)に示すように、III-V族半導体層131上
に、任意形状の穴を有するマスク133を配置し、マス
ク133上から原料を供給して界面保護層132を成長
する。マスク133で覆われた領域のIII-V族半導体層
131にはV族元素が供給されないため、表面からV族
元素が脱離し、III族過剰表面134が形成される。次
に、図21(b)に示すように、マスク133を取りは
ずし、II-VI族半導体層135を界面保護層132及びI
II-V半導体層131上に成長する。III族過剰面134
では、III族原子がII-VI族半導体層135へ拡散し拡散
領域136を形成する。
【0163】結晶成長はMBE法やMOCVD法などで
行えば良い。特に、MBE法では分子線の指向性が高
く、マスク133形状に即した界面保護層132が得ら
れる。
【0164】(第22の実施の形態)図23を用いて、
本実施形態について説明する。図23は本発明を用いて
作製したLED(発光ダイオード)アレイである。n型
II-VI半導体からなる基板231上にn型II-VI半導体層
232とp型II-VI半導体層233を有し、特定の形状
のp電極234とn型透明電極235とを有する。p電
極234とp電極234の間には、拡散領域236を有
する。拡散領域236はp型II-VI半導体層233とn
型II-VI半導体層232にIII族元素を熱拡散させたもの
である。
【0165】一般的に、II-VI半導体材料は、混晶組成
によりドーピング特性大きく異なる。例えば、ZnSは
n型にはなるがp型は得られず、逆にZnTeはp型に
はなるがn型にはなりにくい。III族元素は、II-VI半導
体に対しドナー性の不純物であるが、n型になりにくい
材料に添加した場合には高抵抗となる。また、III族元
素は、金属的性質が強く、蒸着や熱拡散などのプロセス
が容易である。
【0166】図23において、p型II-VI半導体層23
3にn型になりにくい材料を用いているため、拡散領域
236は高抵抗である。また、n型II-VI半導体層23
2中の拡散領域236も抵抗が増加する。このため、特
定のp電極234とn透明電極235の間に電圧を印加
すると、そのp電極234下の領域だけが発光し、基板
231を透過して光が取り出される。拡散領域236に
よりp電極234間を電気的に分離することにより、任
意の部分のLEDを発光させることができる。
【0167】本実施形態では、拡散領域をLEDを電気
的に分離するために用いたが、これに限らず、トランジ
スターなどの電子デバイスのための高抵抗層の形成や、
LD(半導体レーザ)や光検出器などの光デバイスのた
めの高抵抗層の形成に広く用いることができる。特に、
発光デバイスでの電流狭窄構造や端面窓構造に用いる
と、製作が容易であり、コストの低いデバイスが得られ
る。
【0168】(第23の実施の形態)図24を用いて、
本実施形態について説明する。本実施形態の半導体発光
素子は、n型III-V半導体からなる基板241上に、n
型III-V半導体からなるn型クラッド層242、III-V
半導体からなる活性層243、p型III-V半導体からな
るp型クラッド層244、p型II-VI半導体からなるp
型コンタクト層245、拡散領域246、p電極24
7、n電極248を有している。拡散領域246は、p
型コンタクト層245にIII族元素を熱拡散させたもの
である。p型コンタクト層245に用いたII-VI半導体
は、III族元素を添加すると高抵抗になる特性を有して
いる。このため、拡散領域246は電流狭窄層として機
能し、電流はIII族元素が拡散していない領域のp型コ
ンタクト層245を流れる。III族元素の拡散は容易で
あり、再現性よく簡便にLDを作製することができる。
【0169】上述の実施の形態では、活性層にIII-V族
半導体を用いたが、これに限らず、II-VI半導体など、
他の半導体材料を用いても良い。また、上述の実施の形
態では、LD構造を作製したが、これに限らず、LED
など他の発光デバイスを作製しても良い。
【0170】(第24の実施の形態)図25を用いて、
本実施形態について説明する。図25は本発明に係るダ
イオードである。p型III-V半導体からなる基板251
上に、p型II-VI半導体からなるp型層252、n型II-
VI半導体からなるn型層253、拡散領域254、p電
極256、n電極255とを有する。拡散領域254
は、p型層252とn型層253にIII族元素を熱拡散
させたものである。III-V族半導体表面がIII族過剰な
面であるとき、その面に接したII-VI族半導体層へIII族
元素が拡散する。拡散させたい領域の基板251表面を
III族過剰な面にすることにより拡散領域254を形成
することができる。p型層252にn型になりにくい材
料を用いているため、拡散領域254は高抵抗である。
この構造ではp−n接合が結晶内にのみ存在し、端面に
は現れないため、長期的に安定な動作が得られる。
【0171】本実施形態では、拡散領域をダイオードに
用いたが、これに限らず、トランジスターなどの電子デ
バイスのための高抵抗層の形成や、LEDや光検出器な
どの光デバイスのための高抵抗層の形成に広く用いるこ
とができる。特に、発光デバイスでの電流狭窄構造や端
面窓構造に用いると、製作が容易であり、コストの低い
デバイスが得られる。
【0172】(第25の実施の形態)図26を用いて、
本実施形態について説明する。図26は本発明に係るL
D構造である。n型III-V半導体からなる基板261上
に、n型III-V半導体からなるn型クラッド層262、
III-V半導体からなる活性層263、p型III-V半導体
からなるp型クラッド層264、伝導特性がp型である
II-VI半導体層265、拡散領域266、p電極26
7、n電極268を有している。拡散領域266は、II
-VI半導体層265にIII族元素を熱拡散させたものであ
る。II-VI半導体層265は、III族元素を添加すると高
抵抗になる材料からなる。このため、拡散領域266は
電流狭窄層として機能し、電流は活性層263を流れ
る。拡散領域266を形成するためには、基板261の
表面をIII族過剰な面にすればよい。一方、II-VI半導体
層265のp電極267に接する部分はp型であるた
め、p電極267での接触抵抗は低い。この構造は作製
が容易であり、しきい値電流の少ないLDが再現性よく
得られる。
【0173】上述の実施の形態では、II-VI半導体層を
p型としたが、ドーピングをしていない層でもよい。ま
た、基板をn型としたが、これに限らず、基板をp型と
し、各層の伝導特性を逆にしてもよい。上述の実施の形
態では、LD構造を作製したが、これに限らず、LED
など他の発光デバイスを作製しても良い。
【0174】(第26の実施の形態)図27を用いて本
実施形態について説明する。図27は本発明に係る透明
窓構造型LDである。n型III-V半導体からなる基板2
71上に、n型II-VI半導体からなるn型クラッド層2
72、II-VI半導体からなる活性層273、p型II-VI半
導体からなるp型クラッド層274、拡散領域275、
p電極276、n電極277、および端面278を有し
ている。拡散領域275は、n型クラッド層272と活
性層273とp型クラッド層274にIII族元素を拡散
させたものである。活性層273中の拡散領域275で
は不純物濃度が高く、禁制帯幅が狭くなる。端面278
近傍では拡散が起きていないため、光が端面278から
出射する時に端面278での吸収が起こらず、光出力の
高いLDが得られる。
【0175】拡散領域275を形成するためには、拡散
させたい領域の基板271の表面をIII族過剰な面にす
ればよい。この構造は作製が容易であり、出力の高いL
Dが再現性よく得られる。
【0176】上述の実施の形態では、本発明を透明窓構
造型LDに用いたが、これに限らず、p−n接合ダイオ
ードの作製や、LED構造の作製など、一般の電子デバ
イスや光デバイスに用いても良い。
【0177】(第27の実施の形態)図28を用いて、
本実施形態について説明する。図28は本発明に係るL
D構造である。n型III-V半導体からなる基板281上
に、不純物を添加していないII-VI半導体からなるアン
ドープ層282、n型II-VI半導体からなるn型クラッ
ド層283、II-VI半導体からなる活性層284、p型I
I-VI半導体からなるp型クラッド層285、拡散領域2
86、p電極287、n電極288を有している。拡散
領域275は、アンドープ層282とn型クラッド層2
83にIII族元素を拡散させたものであり、n型とな
る。拡散領域286を形成するためには、拡散させたい
領域の基板281の表面をIII族過剰な面にすればよ
い。
【0178】p電極287とn電極288に電圧を印加
しレーザ発光を得る。III族元素が拡散していない領域
のアンドープ層282は高抵抗であるため、電流狭窄と
して機能し、電流は拡散領域286から活性層284へ
と流れる。
【0179】この構造では、n型クラッド層283を結
晶成長している間に拡散領域286が形成できるので、
作製が容易であり、発振しきい値電流の低いLDが再現
性よく得られる。
【0180】上述の実施の形態では、本発明をLD作製
に用いたが、これに限らず、LED構造の作製など、他
の光デバイスに用いても良い。
【0181】(第28の実施の形態)図29を用いて本
実施形態について説明する。図29は本発明に係るLD
構造である。p型III-V半導体からなる基板291上
に、p型III-V半導体からなるp型クラッド層292、
III-V半導体からなる活性層293、n型III-V半導体
からなるn型クラッド層294、伝導特性がp型である
II-VI半導体層295、拡散領域296、n電極29
7、p電極298を有している。拡散領域296は、II
-VI半導体層295にIII族元素を熱拡散させたものであ
る。II-VI半導体層295は、III族元素を添加するとn
型になる材料からなる。このため、基板291、拡散領
域266、II-VI半導体層295のうち拡散していない
領域の3層によってp−n−p接合が形成される。拡散
領域296を形成するためには、基板291の表面をII
I族過剰な面にすればよい。
【0182】n電極297とp電極298に電圧を印加
しレーザ発光を得る。II-VI半導体層295はにはp−
n−p接合が形成されているため電流狭窄として機能
し、電流は活性層293のみに流れる。II-VI半導体層
295は屈折率が低いため、横方向の光閉じ込めを効果
的に行うことができる。この構造は作製が容易であり、
しきい値電流が少なく発振モードの安定したLDが再現
性よく得られる。
【0183】上述の実施の形態では、LD構造を作製し
たが、これに限らず、LEDなど他の発光デバイスを作
製しても良い。
【0184】(第29の実施の形態)図30を用いて本
実施形態について説明する。図30は本発明に係るLD
構造である。p型III-V半導体からなる基板301上
に、p型III-V半導体からなるp型クラッド層302、
III-V半導体からなる活性層303、n型III-V半導体
からなるn型クラッド層304、不純物を添加していな
いII-VI半導体層305、拡散領域306、n電極30
7、p電極308を有している。拡散領域306は、II
-VI半導体層305にIII族元素を熱拡散させたものであ
り、n型である。拡散領域306を形成するためには、
n型クラッド層304の表面をIII族過剰な面にすれば
よい。
【0185】n電極307とp電極308に電圧を印加
しレーザ発光を得る。II-VI半導体層305のうち拡散
が起きていない領域は高抵抗であり、電流は流れない。
電流はn型である拡散領域306を流れる。II-VI半導
体層305は屈折率が低いため、横方向の光閉じ込めを
効果的に行うことができる。この構造は作製が容易であ
り、しきい値電流が少なく発振モードの安定したLDが
再現性よく得られる。
【0186】上述の実施の形態では、LD構造を作製し
たが、これに限らず、LEDなど他の発光デバイスを作
製しても良い。
【0187】(第30の実施の形態)図31を用いて本
実施形態について説明する。図31は本発明に係るLE
D構造である。n型III-V半導体からなる基板310上
に、n型III-V半導体からなるn型クラッド層311、
III-V半導体からなる活性層312、p型III-V半導体
からなるp型クラッド層313、Inを含むIII-V半導
体からなる第1領域314、Inを含まないIII-V半導
体からなる第2領域315、p型II-VI半導体からなるI
I-VI半導体層316、拡散領域317、p電極318、
n電極319を有している。拡散領域317は、II-VI
半導体層316にInを熱拡散させたものであり、高抵
抗である。III族元素のなかで、Inは特に拡散しやす
い元素である。第1領域314の表面をIII族過剰面に
することにより、Inは容易にII-VI半導体層316に
拡散する。第2領域315にはInが含まれないため、
第2領域315上のII-VI半導体層316には拡散は起
こらない。
【0188】p電極318とn電極319に電圧を印加
し活性層312より発光を得る。拡散領域317は高抵
抗であるため電流は流れない。電流はII-VI半導体層3
16から第2領域315を経て活性層312へ流れる。
第1領域314と第2領域315の組成を変えることに
より電流狭窄が容易に行え、安価に作製できる。また、
第1領域314とII-VI半導体層316とのヘテロ界面
で拡散領域317を形成するため、拡散による結晶性の
劣化が起こりにくい。第1領域314には、InP、I
nGaAlP、InGaAsP、InGaAlAsなど
の材料を用いればよく、厚さは1原子層以上であれば良
い。
【0189】第2領域315上のII-VI半導体層316
で拡散が起こらないようにするためには、第2領域31
5表面をV族安定化面にすればよい。それは、V族安定
化面ではIII族元素の拡散が起こりにくいからである。
また、GaAs、AlGaAs、AlGaAsPなどの
Inを含まない材料を用いてもよい。それは、Inに比
べ、AlやGaの拡散が遅いためである。また、InS
b、InAlGaSb、AlGaSbなどのアンチモン
化合物を用いてもよい。それは、Sbで覆われた面がA
sやPで覆われた面よりも安定であり、III族元素の拡
散が起こりにくいためである。
【0190】上述の実施の形態では、LED構造を作製
したが、これに限らず、LDなど他のデバイスを作製し
ても良い。上述の実施の形態では、拡散領域を高抵抗と
したが、n型の領域を形成してもよい。
【0191】(第31の実施の形態)図32を用いて本
実施形態について説明する。図32は本発明に係る透明
窓型LD構造である。このLD構造は、Inを含まない
n型III-V半導体からなる基板320上に、Inを含む
III-V半導体からなる第1領域321、n型II-VI半導
体からなるn型クラッド層322、II-VI半導体超格子
からなる活性層323、p型II-VI半導体からなるp型
クラッド層324、拡散領域325、p電極326、n
電極327および光を反射するための端面328を有し
ている。p電極318とn電極319に電圧を印加し端
面328より光出力を得る。拡散領域325は、n型ク
ラッド層322、活性層323、p型クラッド層324
にInを熱拡散させたものであり、第1領域の表面をII
I族過剰な状態にすることにより容易に拡散させること
ができる。活性層323は超格子構造からなるが、In
が拡散することにより超格子構造が崩れ、無秩序化す
る。無秩序化した領域の禁制帯幅は、無秩序化していな
い超格子の禁制帯幅よりも大きい。拡散領域325を端
面328に形成することにより、活性層323の禁制帯
幅が端面328で大きくなる。発光波長に対して端面が
透明である透明窓型LD構造となる。第1領域321を
形成した領域にのみ拡散領域325が形成されるため、
窓領域の形状制御が容易であり、再現性よく高出力LD
が作製できる。p型クラッド層324中に形成された拡
散領域325は高抵抗になるため、電流のブロック層と
しても寄与する。
【0192】上述の実施に形態では、本発明を用いて透
明窓型LDを作製したが、これに限らず、電流閉じ込め
構造や光閉じ込め構造などの作製に用いてもよい。ま
た、活性層に超格子を用いたが、これに限らず、単層や
多層の量子井戸構造を用いてもよい。
【0193】(第32の実施の形態)図31を用いて本
実施形態について説明する。第1領域314を、B、A
l、Ga、In、Tlのいずれか1つ以上を含むIII-V
半導体で形成することにより、II-VI半導体層316
に、B、Al、Ga、In、Tlのいずれかの元素を拡
散させて拡散領域317を形成することができる。拡散
のしやすさは各元素により異なるため、元素の種類とII
-VI2−6半導体層316の成長温度を選択することに
より任意の形状の拡散領域317を形成することができ
る。
【0194】また、II-VI半導体層316をZnTe、
BeTe、MgZnSeTe、ZnCdSeTeなどの
Teを含む材料で形成することにより拡散領域317を
高抵抗にすることができる。これは、III族元素がドナ
ー性の不純物であり、Teを含むII-VI半導体がn型に
なりにくい性質を持っているためである。
【0195】また、II-VI半導体層316を、ZnS
e、BeSe、MgZnSSe、MgZnCdSe、Z
nCdS、MgZnCdOなどのTeを含まない材料で
形成することにより、拡散領域317をn型とすること
ができる。これは、III族元素がドナー性の不純物であ
り、O、S、Seなどを含むII-VI半導体がn型になり
やすい性質を持っているためである。
【0196】
【実施例】(実施例1)図1、図22を参照して本実施
例を説明する。本実施例の半導体発光素子は、n型In
P(不純物濃度1×1018cm-3)からなる半導体基板
11上に、n型InPからなるn型III-Vクラッド層1
2、InGaAsPからなり多重量子井戸構造を有する
ストライプ状の活性層13がこの順に形成されている。
n型III-Vクラッド層12上及び活性層13上にはp型
ZnSe0.55Te0.45からなるp型II-VIクラッド層1
4が形成されている。そして、p型II-VIクラッド層1
4に隣接して金属からなるp電極15が設けられ、n型
半導体基板11に隣接して金属からなるn電極16が形
成されている。
【0197】ここで、n型III-Vクラッド層12は、不
純物としてSiを1×1018cm-3含み、p型II-VIク
ラッド層14は、不純物としてNを5×1017cm-3
んでいる。
【0198】本実施例の半導体発光素子の作製に際しM
BE装置を用いた。真空中でn型InPからなる半導体
基板11をバルブクラッキングセルを用いてPを照射し
ながら基板温度470℃で酸化膜除去を行ったのち、n
型InPからなるn型III-Vクラッド層12を基板温度
460℃で成長した。そして、基板温度をP(リン)抜
けが生じない300℃まで下げて待機し、2μmのスト
ライプ状の窓(穴)があいたマスク133をn型III-V
クラッド層12表面に配置し、再度基板温度を上げてI
nGaAsPの井戸層、InPのバリア層からなる多重
量子井戸構造を有するストライプ状の活性層13(全層
厚0.3μm)を基板温度460℃で成長した。成長中
はマスク133の影となる部分にはV族元素が照射され
ず、この影部では脱離しやすいPが表面から抜けIn過
剰表面が形成される。この後、基板温度を260℃まで
下げて、マスクを試料を真空中から取り出し、n型III-
Vクラッド層12上及び活性層13上にはp型ZnSe
0.55Te0.45からなるp型II-VIクラッド層14を成長
した。p型II-VIクラッド層14とn型III-Vクラッド
層12の間には、n型III-Vクラッド層12表面の過剰
なInがp型II-VIクラッド層14中に5×1017cm
-3の窒素濃度以上に拡散することによりn型の電流阻止
層17が形成される。そして、p型II-VIクラッド層1
4に隣接してAuからなるp電極15、n型半導体基板
11に隣接してInからなるn電極16を真空蒸着法に
より形成した。In過剰表面は、マスクを用いた成長時
に形成したが、活性層13まで成長した後、試料を大気
中に取り出し、フォトリソグラフィーと化学エッチング
で活性層をストライプ状に加工した後、再度、MBE装
置内で470℃で酸化膜除去を行ったのち、Pを照射し
ながら、活性層以外の部分に電子ビームを選択的に照射
して、活性層以外の部分をIn過剰の表面としてもよ
い。
【0199】活性層13を含む縦方向は通電領域であ
る。n型III-Vクラッド層12とp型II-VIクラッド層
14で挟まれており、光とキャリアが縦方向に閉じ込め
られている。活性層13の両脇は電流阻止領域であり、
この領域中に電流阻止層17が形成されている。活性層
13の横方向はp型II-VIクラッド層14、電流阻止層
17で囲まれており、光とキャリアが横方向にも閉じ込
められている。すなわち、同時に電流狭窄と縦と横方向
の光とキャリアの閉じ込めを行っている。
【0200】p電極15に正、n電極16に負の電圧を
印加すると、n型III-Vクラッド層12から注入された
電子とp型II-VIクラッド層14から注入された正孔が
活性層13で再結合して発光し、レーザ発振する。
【0201】ここで、電流阻止層17とp型II-VIクラ
ッド層14はII-VI族半導体からなるpn接合を形成
し、拡散電位はZnSe0.55Te0.45のバンドギャップ
程度の大きさをもつ。すなわち、GaAs等のIII-V族
半導体からなる電流阻止層よりも大きなバンドギャップ
を有する電流狭窄構造が得られる。その結果、電流阻止
領域における立ち上がり電圧が活性層縦方向の立ち上が
り電圧に比べ著しく大きくなる。したがって、p電極1
5とn電極16に電圧を印加すると、電流は活性層13
にだけ流れ、電流阻止層にはほとんど流れない。このた
め、レーザ発振時の漏れ電流を低減し、発振しきい値電
流を低下させることができる。
【0202】(実施例2)p型II-VIクラッド層14を
ZnTeを用いたこと以外は、実施例1と同様にして半
導体発光素子を作製した。p型になりやすくn型になり
にくいZnTeを用いたことにより、拡散したIII族元
素はp型II-VIクラッド層14中でイオン性の欠陥を生
じ、高抵抗化半導体領域となった。すなわち、高抵抗の
電流阻止層17が得られた。
【0203】本実施例において、電流阻止層17以外の
層は前述の実施例1と同様である。電流阻止層17が高
抵抗であるため電流閉じ込めの効果は非常に高く、電流
は活性層13にだけ流れる。このため、レーザ発振時の
漏れ電流が少なく、発振しきい値電流が小さい。
【0204】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体発
光素子は、III族元素を含むII-VI族半導体領域を有して
いるため、漏れ電流が効果的に低減され、低い発振しき
い値電流が得られる。
【0205】また本発明の半導体発光素子の製造方法に
よれば、III-V族半導体層の所定の領域にIII族過剰表
面を形成する工程を含むため、III族元素の拡散領域を
所望の位置に制御性良く形成することができる。特に、
素子サイズが微細化した場合にも設計どおりの半導体発
光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図2】本発明の半導体発光素子のバンド構造図であ
る。
【図3】本発明の半導体発光素子の電気特性図である。
【図4】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図5】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図6】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図7】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図8】本発明の半導体発光素子のバンド構造図であ
る。
【図9】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図10】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図11】本発明の半導体発光素子のバンド構造図であ
る。
【図12】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図13】本発明の半導体発光素子のバンド構造図であ
る。
【図14】本発明の半導体発光素子の電気特性である。
【図15】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図16】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図17】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図18】本発明の半導体発光素子のバンド構造図であ
る。
【図19】本発明の半導体発光素子の模式図である。
【図20】本発明の半導体発光素子の製造方法を示す工
程断面図である。
【図21】本発明の半導体発光素子の製造方法を示す工
程断面図である。
【図22】本発明の半導体発光素子の製造方法を示す工
程断面図である。
【図23】本発明のLED(発光ダイオード)アレイの
模式図。
【図24】本発明のLD構造の模式図である。
【図25】本発明のダイオードの模式図である。
【図26】本発明のLD構造の模式図である。
【図27】本発明の透明窓構造型LDの模式図である。
【図28】本発明のLD構造の模式図である。
【図29】本発明のLD構造の模式図である。
【図30】本発明のLD構造の模式図である。
【図31】本発明のLED構造の模式図である。
【図32】本発明の透明窓型LDの模式図である。
【図33】従来の半導体レーザの模式図である。
【図34】従来の半導体レーザの模式図である。
【符号の説明】
11 半導体基板 12 n型III-Vクラッド層 13 活性層 14 p型II-VIクラッド層 15 p電極 16 n電極 17 電流阻止層 21 価電子帯端 22 伝導帯端 31 I−V曲線 32 I−V曲線 41 半導体基板 42 n型III-Vクラッド層 43 活性層 44 p型II-VIクラッド層 45 p電極 46 n電極 47 電流阻止層 51 半導体基板 52 n型III-Vクラッド層 53 n型光ガイド層 54 活性層 55 p型光ガイド層 56 p型II-VIクラッド層 57 p電極 58 n電極 61 半導体基板 62 n型III-Vクラッド層 63 n型光ガイド層 63 p型第1光ガイド層 63 p型第2光ガイド層 65 ポテンシャル緩和層 66 p型II-VIクラッド層 67 p電極 68 n電極 69 電流阻止層 71 半導体基板 72 n型III-Vクラッド層 73 n型光ガイド層 73 p型光ガイド層 74 活性層 75 界面保護層 76 p型II-VIクラッド層 77 p電極 78 n電極 81 半導体基板 82 n型III-Vクラッド層 83 n型光ガイド層 84 活性層 85 p型光ガイド層 86 p型II-VIクラッド層 86 ZnCdSe層 86 ZnSeTe層 87 電流阻止層 91 半導体基板 92 p型III-Vバッファー層 93 電流阻止層 94 p型クラッド層 95 n型クラッド層 96 活性層 97 II-VI/III-Vpp接合部 98 p電極 99 n電極 101 半導体基板 102 p型III-Vバッファー層 103 電流阻止層 104 p型クラッド層 105 n型クラッド層 106 活性層 107 界面保護層 108 p電極 109 n電極 111 III-V族半導体層 112 電子ビーム 113 III族過剰表面 114 II-VI族半導体層 115 拡散領域 121 III-V族半導体層 122 界面保護層 123 III族過剰面 124 II-VI族半導体 125 拡散領域 131 III-V族半導体層 132 界面保護層 133 マスク 134 III族過剰表面 135 II-VI族半導体層 136 拡散領域 231 基板 232 n型II-VI半導体層 233 p型II-VI半導体層 234 p電極 235 n型透明電極 236 拡散領域 241 基板 242 n型クラッド層 243 活性層 244 p型クラッド層 245 p型コンタクト層 246 拡散領域 247 p電極 248 n電極 251 基板 252 p型層 253 n型層 254 拡散領域 256 p電極 255 n電極 261 基板 262 n型クラッド層 263 活性層 264 p型クラッド層 265 II-VI半導体層 266 拡散領域 267 p電極 268 n電極 271 基板 272 n型クラッド層 273 活性層 274 p型クラッド層 275 拡散領域 276 p電極 277 n電極 278 端面 281 基板 282 アンドープ層 283 n型クラッド層 284 活性層 285 p型クラッド層 286 拡散領域 287 p電極 288 n電極 291 基板 292 p型クラッド層 293 活性層 294 n型クラッド層 295 II-VI半導体層 296 拡散領域 297 n電極 298 p電極 301 基板 302 p型クラッド層 303 活性層 304 n型クラッド層 305 II-VI半導体層 306 拡散領域 307 n電極 308 p電極 310 基板 311 n型クラッド層 312 活性層 313 p型クラッド層 314 第1領域 315 第2領域 316 II-VI半導体層 317 拡散領域 318 p電極 319 n電極 320 基板上 321 第1領域 322 n型クラッド層 323 活性層 324 p型クラッド層 325 拡散領域 326 p電極 327 n電極 328 端面 331 半導体基板 332 n型クラッド層 333 活性層 334 p型クラッド層 335 埋め込み層 336 InP pn接合 341 n型半導体基板 342 n型バッファー層 343 p型電流ブロック層 344 n型クラッド層 345 単一量子井戸活性層 346 第1p型クラッド層 346 第2p型クラッド層 347 p型コンタクト構造 348 n電極 349 p電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−218180(JP,A) 特開 平8−191170(JP,A) 特開 平6−125134(JP,A) 特開 平9−92926(JP,A) 特開 平4−56175(JP,A) 特開 平9−135054(JP,A) 特開 平8−88442(JP,A) 特開 平7−312464(JP,A) 特開 平9−199801(JP,A) 特開 平11−26865(JP,A) 1997年(平成9年)秋季第58回応用物 理学会学術講演会講演予稿集第3分冊2 p−ZC−16 p.1080 J.Crystal Growth 184/185(1998)p.470−474 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01L 33/00

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層を含む光導波路層と、該光導波路
    層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域の周
    囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻止領域
    とを備え、前記電流阻止領域は、III族元素を含むII-VI
    族半導体領域を有することを特徴とする半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記III族元素を含む前記II-VI族半導体
    領域は、p型II-VI族半導体領域にIII族元素が拡散して
    高抵抗化した領域であることを特徴とする請求項1に記
    載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 II-VI族半導体層を有し、該II-VI族半導
    体層の少なくとも一部にIII族元素を拡散させ高抵抗化
    させたことを特徴とする半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 基板上に、n型クラッド層、活性層、p
    型クラッド層、およびp型II-VI族半導体からなるp型
    コンタクト層がこの順に設けられ、前記p型コンタクト
    層中に、III族元素が拡散して高抵抗化した領域が形成
    されたことを特徴とする半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 II-VI族半導体層と、これに隣接して配
    置されたIII-V族半導体層とを有し、前記II-VI族半導
    体層中に、前記III-V族半導体層からIII族元素が拡散
    して高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする半
    導体発光素子。
  6. 【請求項6】 第1の伝導型のIII-V族半導体からなる
    基板上に、これに隣接して配置された第1の伝導型のII
    -VI族半導体層からなる第1クラッド層と、II-VI族半導
    体層からなる活性層と、第2の伝導型のII-VI族半導体
    層からなる第2クラッド層とがこの順に形成され、前記
    第1クラッド層中に、前記基板からIII族元素が拡散し
    て高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする半導
    体発光素子。
  7. 【請求項7】 III-V族半導体からなる基板上に、III-
    V族半導体からなるクラッド層および活性層を含むIII-
    V発光層と、該III-V発光層上の所定の領域に配置され
    たII-VI族半導体層とがこの順に形成され、該II-VI族半
    導体層中に、前記III-V発光層からIII族元素が拡散し
    て高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする半導
    体発光素子。
  8. 【請求項8】 III-V族半導体からなる基板と、該基板
    上の所定の領域に形成され、III-V族半導体からなるク
    ラッド層および活性層を含むIII-V発光層と、前記基板
    上および前記III-V発光層上に形成されたII-VI族半導
    体層とを有し、前記II-VI族半導体層のうち前記基板に
    隣接した領域中に、前記基板からIII族元素が拡散して
    高抵抗化した領域が形成されたことを特徴とする半導体
    発光素子。
  9. 【請求項9】 活性層を含む光導波路層と、該光導波路
    層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域の周
    囲に配置された電流阻止領域とを備え、前記電流阻止領
    域は、p型II-VI族半導体領域と、これに隣接して配置
    されたIII族元素を含むn型II-VI族半導体領域とを有す
    ることを特徴とする半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 活性層を含む光導波路層と、該光導波
    路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域の
    周囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻止領
    域とを備え、前記通電領域は、II-VI族半導体領域にIII
    族元素が拡散して得られたn型II-VI族半導体領域から
    なることを特徴とする半導体発光素子。
  11. 【請求項11】 p型III-V族半導体からなる基板上
    に、これに隣接して配置されたp型II-VI族半導体層か
    らなるp型クラッド層と、II-VI族半導体層からなる活
    性層と、n型II-VI族半導体層からなるn型クラッド層
    とがこの順に形成され、前記p型クラッド層中に、前記
    基板からIII族元素が拡散してなるn型半導体領域が形
    成されたことを特徴とする半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 n型のIII-V族半導体からなる基板上
    に、該基板に隣接して配置されたII-VI族半導体層から
    なる電流狭窄層と、n型II-VI族半導体層からなるn型
    クラッド層と、II-VI族半導体層からなる活性層と、p
    型II-VI族半導体層からなるp型クラッド層とがこの順
    に形成され、前記電流狭窄層中に、前記基板からIII族
    元素が拡散してなるn型半導体領域が形成されたことを
    特徴とする半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 p型のIII-V族半導体からなる基板
    と、該基板上に形成され、III-V族半導体からなるクラ
    ッド層および活性層を含むIII-V発光層と、該III-V発
    光層上の所定の領域に隣接して形成されたp型II-VI族
    半導体層とを有し、前記p型II-VI族半導体層中に、前
    記III-V発光層からIII族元素が拡散してなるn型半導
    体領域が形成されたことを特徴とする半導体発光素子。
  14. 【請求項14】 n型III-V族半導体からなる基板上の
    所定の領域に、n型III-V族半導体からなるn型クラッ
    ド層と、III-V族半導体からなる活性層と、p型III-V
    族半導体からなるp型クラッド層とがこの順に形成さ
    れ、前記基板上および前記p型クラッド層上にp型II-V
    I族半導体層が形成され、前記p型II-VI族半導体層のう
    ち前記基板に隣接した領域中に、前記基板から拡散した
    III族元素を含むn型半導体領域が形成されたことを特
    徴とする半導体発光素子。
  15. 【請求項15】 p型III-V族半導体からなる基板上の
    所定の領域に、p型III-V族半導体からなるp型クラッ
    ド層と、III-V族半導体からなる活性層と、n型III-V
    族半導体からなるn型クラッド層とがこの順に形成さ
    れ、前記基板上および前記n型クラッド層上にII-VI族
    半導体層を有し、前記II-VI族半導体層のうち前記n型
    クラッド層に隣接した領域中に、前記n型クラッド層か
    ら拡散したIII族元素を含むn型半導体領域が形成され
    たことを特徴とする半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 端面発光型の半導体発光素子であっ
    て、ストライプ状に形成されたII-VI族半導体からなる
    活性層を有し、該活性層のストライプ方向の両端部を除
    く部分にIII族元素が導入されたことを特徴とする半導
    体発光素子。
  17. 【請求項17】 前記活性層中の前記III族元素が導入
    された領域は、n型II-VI族半導体からなることを特徴
    とする請求項16に記載の半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 活性層を含む光導波路層と、該光導波
    路層に電流を流す経路となる通電領域と、該通電領域の
    周囲に配置され前記通電領域よりも高抵抗の電流阻止領
    域とを備え、II-VI族半導体層を有する半導体発光素子
    であって、該II-VI族半導体層は、III族元素を含まない
    第一の領域と、III族元素を含み該第一の領域より高抵
    抗の第二の領域とからなり、前記第二の領域の少なくと
    も一部が前記電流阻止領域に含まれていることを特徴と
    する半導体発光素子。
  19. 【請求項19】 前記III-V族半導体層が組成の異なる
    第1領域と第2領域とからなり、該第2領域を構成する
    材料に比べ該第1領域を構成する材料の方がV族元素が
    脱離しやすく、第1領域に隣接した前記II-VI族半導体
    層に前記III族元素を拡散させ、第2領域に隣接した前
    記II-VI族半導体層には前記III族元素を実質的に拡散さ
    せないことを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素
    子。
  20. 【請求項20】 前記第1領域が厚さ1原子層以上のI
    nを含むIII-V族半導体層からなることを特徴とする請
    求項19に記載の半導体発光素子。
  21. 【請求項21】 前記第2領域が厚さ1原子層以上のI
    nを含まないIII-V族半導体層からなることを特徴とす
    る請求項19または20に記載の半導体発光素子。
  22. 【請求項22】 前記第2領域が厚さ1原子層以上のS
    bを含むIII-V族半導体層からなることを特徴とする請
    求項19乃至21いずれかに記載の半導体発光素子。
  23. 【請求項23】 前記II-VI族半導体層は、1種類以上
    のII族元素および1種類のVI族元素から構成された第1
    のII-VI族半導体層と、1種類以上のII族元素および2
    種類以上のVI族元素から構成された第2のII-VI族半導
    体層とを含む多層構造を有し、前記III族元素を、該第
    1のII-VI族半導体層を介して該第1のII-VI族半導体層
    および該第2のII-VI族半導体層に拡散させたことを特
    徴とする請求項5に記載の半導体発光素子。
  24. 【請求項24】 前記II-VI族半導体層がTeを含む混
    晶からなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    に記載の半導体発光素子。
  25. 【請求項25】 前記II-VI族半導体層がTeを含まず
    O、S、Seのいずれかを含む混晶からなることを特徴
    とする請求項9乃至15のいずれかに記載の半導体発光
    素子。
  26. 【請求項26】 前記III族元素が、B、Al、Ga、
    In、Tlのいずれかであることを特徴とする請求項1
    乃至25のいずれかに記載の半導体発光素子。
  27. 【請求項27】 前記III族元素が、Inであることを
    特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の半導体
    発光素子。
  28. 【請求項28】 III-V族半導体層上にIII-V族半導体
    からなる第1領域と、第1領域を構成する材料に比べV
    族元素が脱離しにくいIII-V族半導体からなる界面保護
    層とを結晶成長する第1の工程と、 前記第1領域と前記界面保護層の表面に酸化膜を形成す
    る第2の工程と、 前記第1領域と前記界面保護層とをV族雰囲気中で加熱
    して前記酸化膜を除去し、第1領域の表面をIII族過剰
    にし界面保護層表面をV族安定化面にする第3の工程
    と、 前記第1領域と前記界面保護層上にII-VI族半導体層を
    結晶成長し、前記第1領域に隣接したII-VI族半導体層
    中に第1領域を構成する1種類以上のIII族元素を拡散
    させて拡散領域を形成する第4の工程とを含むことを特
    徴とする半導体発光素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 III-V族半導体層上の所定の領域にII
    -VI族半導体からなる界面保護層を形成する第1の工程
    と、 前記III-V族半導体層と前記界面保護層の表面に酸化膜
    を形成する第2の工程と、 前記III-V族半導体層と前記界面保護層とを加熱して前
    記酸化膜を除去し、第1領域の表面をIII族過剰にする
    第3の工程と、 前記III-V族半導体層と前記界面保護層上にII-VI族半
    導体層を結晶成長し、前記III-V族半導体層に隣接した
    前記II-VI族半導体層中にIII-V族半導体層を構成する
    1種類以上のIII族元素を拡散させて拡散領域を形成す
    る第4の工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子
    の製造方法。
  30. 【請求項30】 任意の穴を形成したマスクを前記III-
    V族半導体層上に設置し、マスク上より材料を照射する
    ことにより界面保護層を形成すると同時にマスクによる
    材料照射の影になる部分を第1領域のIII族過剰な表面
    として形成する第1工程と、前記III-V族半導体層と前
    記界面保護層上にII-VI族半導体層を結晶成長し、前記I
    II-V族半導体層に隣接した前記II-VI族半導体層中にII
    I-V族半導体層を構成する1種類以上のIII族元素を拡
    散させて拡散領域を形成する第2の工程とを含むことを
    特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 III-V族半導体からなる基板上に結晶
    成長したIII-V族半導体層の所定の領域に真空中で電子
    ビームを照射し、前記III-V族半導体層表面の電子ビー
    ムを照射した領域からV族元素を脱離させ、III族元素
    過剰表面を形成する第1の工程と、 前記III-V族半導体層上にII-VI族半導体層を結晶成長
    し、前記電子ビームを照射した領域のIII-V族半導体層
    に隣接した前記II-VI族半導体層中にIII-V族半導体層
    を構成する1種類以上のIII族元素を拡散させて拡散領
    域を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする半導
    体発光素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 III-V族半導体からなる基板上に結晶
    成長したIII-V族半導体層表面に酸化膜を形成する第1
    の工程と、 真空中で、前記III-V族半導体層の所定の領域に電子ビ
    ームを照射しながら前記III-V族半導体層を加熱して酸
    化膜を除去し、前記III-V族半導体層表面の電子ビーム
    を照射した領域からV族元素を脱離させ、III族元素過
    剰表面を形成する第2の工程と、 前記III-V族半導体層上にII-VI族半導体層を結晶成長
    し、前記電子ビームを照射した領域のIII-V族半導体層
    に隣接した前記II-VI族半導体層中にIII-V族半導体層
    を構成する1種類以上のIII族元素を拡散させて拡散領
    域を形成する第3の工程とを含むことを特徴とする半導
    体発光素子の製造方法。
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