JP3237192B2 - 屎尿圧送装置 - Google Patents

屎尿圧送装置

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JP3237192B2 JP12594392A JP12594392A JP3237192B2 JP 3237192 B2 JP3237192 B2 JP 3237192B2 JP 12594392 A JP12594392 A JP 12594392A JP 12594392 A JP12594392 A JP 12594392A JP 3237192 B2 JP3237192 B2 JP 3237192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屎尿圧送装置に係り、
詳しくは、住宅・アパート・事務所等の各種建物に設置
されて、水中ポンプにより屎尿・雑排水を系外へ圧送す
る屎尿圧送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地下室などの配管勾配設置が不可
能な場所、または浄化槽から離れた場所などに設置され
た住宅・アパート・事務所等の屎尿および給湯雑排水等
の圧送排水については、貯留槽内に水中ポンプを設置し
て圧送管を通り圧送排水する方式が主流になっている。
以下、従来の屎尿圧送装置について図面を参照しながら
説明する。
【0003】図7は従来の屎尿圧送装置の断面図であ
る。図に示すように、屎尿の流入口1を備えた貯留槽2
は蓋3が設けられている。貯留槽2の内部には、モータ
4、モータ4から突出したシャフト5、シャフト5の先
端に設けられ前面シュラウドの無い開放型の羽根車6、
及び有底円筒状で底部中央に吸入口7を備え、円筒側部
には羽根車6の回転接線方向に吐出口8を備え、さらに
円筒端面には切り欠き状の還流穴9を備え、底部には複
数のベース10を備えた図8に示すケーシング11から
なる水中ポンプ12が設置されている。吐出口8には圧
送管13が接続されており蓋3を貫通して排水槽(図示
せず)へ配管されている。また圧送管13には、吐出方
向にのみ流出可能な逆止弁14が設けられている。以上
のように構成された屎尿圧送装置の動作について以下に
説明する。
【0004】水洗便器によりロータンクの洗浄水ととも
に流された屎尿は、流入口1より貯留槽2内に流入す
る。貯留槽2の水位が上昇し、水位がA水位以上になれ
ば貯留槽2内部に設置された水位センサー17が検知し
モータ4が回転を始め、シャフト5と接合された羽根車
6も回転を始める。貯留槽2内の屎尿は、羽根車6のポ
ンプ作用により吸入口7からケーシング11内に吸入さ
れて吐出口8より吐き出される。吐出口8から吐き出さ
れた屎尿は、圧送管13を通り逆止弁14をへて排水槽
(図外)へ圧送される。逆止弁14は圧送後、水中ポン
プ12が運転を停止した時、貯留槽2に圧送管13内の
屎尿が逆流するのを防止する。また水中ポンプ12の運
転により貯留槽2内の水位が減少し、B水位になったこ
とを水位センサーが検知すると、水中ポンプ12は運転
を停止する。
【0005】ここで、水中ポンプ12のケーシング11
内の水位、及び空気の動きは次のようになる。すなわ
ち、水中ポンプ12停止時は、還流穴9からケーシング
11内の空気を吐き出すことにより、貯留槽2底部から
A水位までは貯留槽2内の水位と同水位にある。また水
中ポンプ12運転時のケーシング11内の空気は気水分
離作用により還流穴9よりケーシング11外に押し出さ
れるため、水位がB水位まで下がり多少の空気が屎尿と
ともに吸入口7より流入しても還流穴9よりケーシング
11外に押し出してしまい、この状態で水中ポンプ12
が運転を停止しても、前記の如くケーシング11内の水
位は貯留槽2内の水位と同水位にあるため、常に水中ポ
ンプ12運転開始時は、羽根車6は屎尿水に浸漬してい
る状態にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成の従来の屎尿圧送装置は以下のような問題点を有して
いた。すなわち、水洗便器によりロータンクの洗浄水と
ともに流される通常の汚物(屎尿・トイレットペーパ
ー)以外の異物、例えば生理用品(ナプキン等)・新聞
紙等が流された場合、また給湯雑排水以外の生ゴミ等の
固形物などが貯留槽2内に流入した場合、さらに、水中
ポンプ12を汚水内に常時浸漬することによるケーシン
グ11の腐食による錆の発生により、還流穴9の目詰ま
りが発生しやすい。この還流穴9の目詰まり発生によ
り、ケーシング11内の空気は還流穴9からケーシング
11外に押し出されることができず、貯留槽2の水位が
A水位になってもケーシング11内は空気溜りが発生す
る。これにより水中ポンプ12の運転開始時に羽根車6
は充分屎尿水に浸漬出来ず、揚水不可能運転つまりエア
ーロック現象が発生していた。また、水中ポンプ12が
正常に起動したのち還流穴9の目詰まりが発生した場
合、水位がB水位まで下がると空気が屎尿とともに吸入
口7より流入するため、この状態で水中ポンプ12停
止、再起動時にエアーロック現象となり揚水不可能とな
っていた。
【0007】そこで本発明は、水中ポンプのエアーロッ
ク現象の発生を防止し、常に揚水可能な屎尿圧送装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水中ポンプの
吐出口と圧送管の逆止弁間にバイパス管を設け、さらに
バイパス管の先端に電磁弁を設けて、この電磁弁が水中
ポンプの運転開始、運転停止にともなって開閉するよう
にしたものである。
【0009】
【作用】上記構成によれば、上述したような種々の原因
により還流穴の目詰まりが発生しても、水中ポンプのケ
ーシング内水位は貯留槽内水位と同水位にあり、また水
中ポンプ運転時に水位がB水位まで下がり、空気が屎尿
とともに吸入口より流入した状態で水中ポンプが運転を
停止しても、ケーシング内の水位は貯留槽水位と同水位
にあるため、常に水中ポンプ運転開始時には、羽根車は
屎尿水に浸漬している状態にある。したがって、水中ポ
ンプのエアーロック現象による揚水不可能状態の発生を
防止することが出来る。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。なお、前記従来例と同一構成部品には、同
一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0011】図1は、屎尿圧送装置の断面図である。図
示するように、圧送管13内の水中ポンプ12の吐出口
8と逆止弁14間にはバイパス管15が設けられてお
り、バイパス管15の先端には電磁弁16が設置されて
いる。
【0012】図2は全体システム図である。ロータンク
51にはボールタップ52が設けられており、給水管5
3から給水される。ロータンク51内の水は、洗浄弁5
4、洗浄管55を通して便器56へ給水され、便器56
から排出された汚水は前記貯留槽2へ送られる。また貯
留槽2内の汚水は、前記水中ポンプ12に吸い上げら
れ、圧送管13を通して浄化槽57へ送られる。以上の
ように構成された屎尿圧送装置につき、以下、図3に示
す水中ポンプ12と電磁弁16の動作タイムチャートを
参照しながら、第1の運転方法を説明する。
【0013】バイパス管15に設置された電磁弁16は
常時開状態にある。この状態で、水洗便器によりロータ
ンクの洗浄水とともに流された屎尿は、流入口1より貯
留槽2内に流入する。すると貯留槽2の水位は上昇し、
水位がA水位以上になれば貯留槽2内部に設置された水
位センサー17がこれを検知し、モータ4が回転を始め
ると同時に電磁弁16は閉状態になる。さらに、シャフ
ト5と接合された羽根車6もこれと同時に回転を始め、
貯留槽2内の屎尿は羽根車6のポンプ作用により吸入口
7からケーシング11内に吸入され、吐出口8より吐き
出される。吐出口8から吐き出された屎尿は、圧送管1
3を通り逆止弁14をへて排水槽へ圧送される。また、
逆止弁14は圧送後、水中ポンプ12が運転を停止した
時、貯留槽2に圧送管13内の屎尿が逆流するのを防止
する。さらに、水中ポンプ12の運転により、貯留槽2
内の水位は減少し、B水位になった時点で水位センサー
がこれを検知して水中ポンプ12は運転を停止し、同時
に電磁弁16も閉状態になる。
【0014】ここで、水中ポンプ12のケーシング11
内の水位、及び空気の動きは次のようになる。すなわ
ち、水中ポンプ12停止時は、還流穴9及び電磁弁16
からケーシング11内の空気を吐き出すことにより貯留
槽2底部からA水位までは貯留槽2内の水位と同水位に
あり、水位がB水位まで下がり多少の空気が屎尿ととも
に吸入口7より流入した状態で、水中ポンプ12が運転
を停止しても前記の如くケーシング11内の水位は貯留
槽2内の水位と同水位にあるため、水中ポンプ12の運
転再開時は、羽根車6は屎尿水に浸漬している状態にあ
る。
【0015】さらに、屎尿水中の異物やケーシング11
内の腐食等により還流穴9の目詰まりが発生した場合で
も、電磁弁16からケーシング11内の空気を吐き出す
ことにより正常時と同一現象となり、水中ポンプ12運
転再開時は、常に羽根車6は屎尿水に浸漬している状態
を確保することが出来る。図6は、全体システムの動作
のフローチャートを示している。洗浄弁54が開くとボ
ールタップ52が閉から開になる。また貯留槽2の水位
センサ17がオンになると、水中ポンプ12もオンとな
り、電磁弁16が閉じる。
【0016】次に第2の運転方法を図4に示す動作タイ
ムチャートを参照しながら説明する。この場合、電磁弁
16は常時開状態にあり、水中ポンプ12の運転と同時
に電磁弁16が閉状態になり、水中ポンプ12の停止後
に一定時間(数秒間)遅れて電磁弁は開状態になる。こ
の第2の運転方法によれば、水中ポンプ12の運転停止
直後は、圧送管13内は水中ポンプ12の残圧があるた
め、電磁弁16を同時に開にした場合、屎尿水が電磁弁
16側へ流入し、このため電磁弁16は耐汚水、耐異物
性の高いものを使用する必要があるが、水中ポンプ12
の停止数秒後に電磁弁16を開状態にすることにより、
屎尿水が電磁弁16側へ流入するのを防止でき、汎用性
の電磁弁16の使用が可能となってコストダウンが図れ
る。
【0017】次に、第3の運転方法を図5に示す動作タ
イムチャートを参照しながら説明する。この場合、電磁
弁16は常時閉状態にあり、水中ポンプ12運転の前後
の一定時間(数秒間)のみ電磁弁16を開状態にしてい
る。この第3の運転方法によれば、電磁弁16の通電時
間を最小限に押さえ省エネルギーを図ることができる。
このように本装置の運転方法を変えても、第1の運転方
法の場合と同様にエアーロック現象の発生を防止し、安
定した水中ポンプ12の運転を図ることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、水中ポンプの吐出口と逆止弁
間にバイパス管を設け、このバイパス管の先端に電磁弁
を設けて、この電磁弁を水中ポンプの運転開始、運転停
止にともなって開閉するようにしているので、屎尿水中
の異物、ケーシングの腐食等により還流穴の目詰まりが
発生しても、電磁弁からケーシング内の空気を吐き出す
ことにより、水中ポンプの運転開始時は常に羽根車は屎
尿水に浸漬していることとなり、エアーロック現象によ
る揚水不能を確実に防止できる。またエアーロック現象
の懸念が解消出来るため、貯留槽内の水位を最低限にす
ることができ水洗便器からの洗浄水流入性向上を図るこ
とができ、水洗便器の洗浄力向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る屎尿圧送装置の断面図
【図2】本発明の一実施例に係る屎尿圧送装置のシステ
ム図
【図3】本発明の一実施例に係る水中ポンプと電磁弁の
動作タイムチャート
【図4】本発明の一実施例に係る水中ポンプと電磁弁の
動作タイムチャート
【図5】本発明の一実施例に係る水中ポンプと電磁弁の
動作タイムチャート
【図6】本発明の一実施例に係るシステム全体の動作タ
イムチャート
【図7】従来の屎尿圧送装置の断面図
【図8】従来の屎尿圧送装置のケーシングの斜視図
【符号の説明】 1 流入口 2 貯留槽 6 羽根車 8 吐出口 12 水中ポンプ 13 圧送管 14 逆止弁 15 バイパス管 16 電磁弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屎尿を貯留する貯留槽内に設けられた羽根
    車を有する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接
    続された圧送管と、前記圧送管に設けられ吐出方向にの
    み流出可能な逆止弁と、前記吐出口と前記逆止弁間に設
    けられたバイパス管と、前記バイパス管に設けられた電
    磁弁からなり、前記電磁弁が前記水中ポンプの運転開
    始、運転停止にともなって開閉することを特徴とする屎
    尿圧送装置。
  2. 【請求項2】前記電磁弁は常時開状態にあり、前記水中
    ポンプの運転と同時に前記電磁弁が閉状態になり、また
    前記水中ポンプの停止と同時に前記電磁弁が開状態にな
    ることを特徴とする請求項1記載の屎尿圧送装置。
  3. 【請求項3】前記電磁弁は常時開状態にあり、前記水中
    ポンプの運転と同時に前記電磁弁が閉状態になり、また
    前記水中ポンプの停止後に一定時間遅れて前記電磁弁が
    開状態になることを特徴とする請求項1記載の屎尿圧送
    装置。
  4. 【請求項4】前記電磁弁は常時閉状態にあり、前記水中
    ポンプの運転前後の一定時間のみ前記電磁弁が開状態に
    なることを特徴とする請求項1記載の屎尿圧送装置。
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