JP3236835B2 - 一次元プラントモデル非定常流動評価方法、評価システム、及び記憶媒体 - Google Patents

一次元プラントモデル非定常流動評価方法、評価システム、及び記憶媒体

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JP3236835B2
JP3236835B2 JP17123399A JP17123399A JP3236835B2 JP 3236835 B2 JP3236835 B2 JP 3236835B2 JP 17123399 A JP17123399 A JP 17123399A JP 17123399 A JP17123399 A JP 17123399A JP 3236835 B2 JP3236835 B2 JP 3236835B2
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吉川信治
強 米川
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラントを構成する
機器や配管を模擬した計算モジュールで構成される一次
元プラントモデルの非定常流動評価システムに関するも
ので、原子力プラントの特性解析、石油等液体を扱う化
学プラントの特性解析、上水供給ラインの特性解析等に
適用可能な評価方法、評価システム、及び記憶媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所のような液体が循環する系
を多数有する大規模プラントのシミュレーションは、プ
ラント設計、特性評価、並びに運転員教育に不可欠であ
る。しかしながら、そのためのソフトウエア構築には多
数の構成機器の数学モデル(機器モジュール)を緊密な
整合性を保ちながら製作し、統合していくプログラミン
グ作業が要求される。これは、多数の機器で構成される
流路ネットワーク内の非定常流動計算を解法するために
大規模な行列を用いることに起因しているためである。
このような従来の一次元プラントモデルの流動計算方法
について概略説明する。
【0003】構成機器とこれらをつなぐ配管から流路ネ
ットワークが仮定されると、ネットワーク上の各箇所で
の流量の時間変化率は、運動方程式から で表される。この式は細かい時間刻みでみると以下のよ
うに表現できる。
【0004】 (新流量−旧流量)×流体慣性値 =(上流側圧力−下流側圧力−圧力損失)×時間刻み ……(2) ここで、旧流量、流体慣性値、圧力損失、圧力境界(圧
力の基準値を与える箇所)での下流側圧力は既知であ
る。また、質量保存の法則から、 流入流量合計=流出流量合計 ……(3) が成立する。(2)、(3)式を統合すると、 の行列式として表され、右辺の定数項は旧流量、既知の
値(圧力損失×流体慣性値、圧力損失×時間刻み)を表
している。このように設定された流路ネットワークの各
箇所の関係を統合した係数行列を一括処理して時間刻み
で解いていくことにより各箇所の流量、圧力の時間変動
が求められ、評価・解析が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の評価
システムでは、炉容器、ポンプ、中間熱交換器、蒸気発
生器等解析対象である系全体について、OS、言語、変
数名等を統一して1つのシステムとして統合して設計す
る必要があり、この統合のために多大なマンパワーが必
要で柔軟性に乏しいという問題があった。また、弁誤閉
や流路破断等が起きた際にはその条件が(4)式に入っ
ていないため成立しなくなり、再度新たな条件を入れて
全体の配列を変更した流路ネットワークを設定し、
(4)式を再構成しなければならない。
【0006】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、流路ネットワークの各箇所の関係を統合した係数行
列を使用することなく、各構成要素ごとに開発したソフ
トウエアをそのまま協調させ、弁誤閉や流路破断等の境
界条件の部分的変更があってもこれに柔軟に対応できる
ようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の構成機器とこれを接続する配管からなる流路ネットワ
ークにおける流体の分岐点または合流点をジャンクショ
ン、構成機器をノードとした一次元プラントモデルの評
価方法であって、各ジャンクションについて、接続され
ている各ノードの流体慣性値から、流入量と流出量の差
として定義される質量保存誤差の各ノードへの配分比を
算出処理する段階、基準値を与える圧力境界のジャンク
ションを起点として接続状態に応じて順次枝状に各ジャ
ンクションの圧力近似値を算出処理する段階、算出した
誤差配分比を、前記圧力近似値から算出される各ノード
の圧力差に反映させて運動方程式から各ノードの流量変
化率を算出処理する段階、上記処理を繰り返し、質量保
存誤差が所定値以下になったときの流量変化率と時間刻
み幅から算出される流量変化を加算して各ノードの流量
を更新処理する段階からなることを特徴とする。請求項
2の発明は、ジャンクションの各ノードへの誤差配分
は、流体慣性値の逆数に比例させるものであることを特
徴とする。請求項3の発明は、各ノードには隣接する機
器の接続情報が格納されていることを特徴とする。請求
項4の発明は、複数の機器とこれを接続する配管からな
る流路ネットワークにおける流体の分岐点または合流点
をジャンクション、構成機器をノードとした一次元プラ
ントモデルの評価システムであって、流路ネットワーク
構造と各箇所の流動状態を表示する表示手段と、隣接す
る構成機器の接続状態を指定する指定手段と、各ジャン
クションについて、接続されている各ノードの流体慣性
値から、流入量と流出量の差として定義される質量保存
誤差の各ノードへの配分比を算出処理し、基準値を与え
る圧力境界のジャンクションを起点として接続状態に応
じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近似値を算出処
理し、算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から算出
される各ノードの圧力差に反映させて運動方程式から各
ノードの流量変化率を算出処理し、上記処理を繰り返
し、質量保存誤差が所定値以下になったときの流量変化
率と時間刻み幅から算出される流量変化を加算して各ノ
ードの流量を更新処理するデータ処理手段と、前記デー
タ処理手段で更新した流量を流路ネットワーク構造の該
当箇所の流量表示信号に変換して前記表示手段へ出力す
る表示出力制御手段とをを備えたことを特徴とする。請
求項5の発明は、前記ノードは隣接する機器の接続情報
が格納され、前記指定手段により該接続情報を設定可能
であることを特徴とする。請求項6の発明は、複数の構
成機器とこれを接続する配管からなる流路ネットワーク
における流体の分岐点または合流点をジャンクション、
構成機器をノードとした一次元プラントモデルの評価プ
ログラムを記憶した記憶媒体であって、各ジャンクショ
について、接続されている各ノードの流体慣性値から、
流入量と流出量の差として定義される質量保存誤差の各
ノードへの配分比を算出処理する段階、基準値を与える
圧力境界のジャンクションを起点として接続状態に応じ
て順次枝状に各ジャンクションの圧力近似値を算出処理
する段階、算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から
算出される各ノードの圧力差に反映させて運動方程式か
ら各ノードの流量変化率を算出処理する段階、上記処理
を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下になったときの
流量変化率と時間刻み幅から算出される流量変化を加算
して各ノードの流量を更新処理する段階 からなるプロ
グラムを記憶したことを特徴とする。請求項7の発明
は、複数の機器とこれを接続する配管からなる流路ネッ
トワークにおける流体の分岐点または合流点をジャンク
ション、構成機器をノードとした一次元プラントモデル
の評価プログラムを記憶した記憶媒体であって、流路ネ
ットワーク構造と各箇所の流動状態を表示する段階、隣
接する構成機器の接続状態を指定する段階、各ジャンク
ションについて、そこに接続されている各ノードの流体
慣性値から、流入量と流出量の差として定義される質量
保存誤差の各ノードへの配分比を算出処理する段階、基
準値を与える圧力境界のジャンクションを起点として接
続状態に応じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近似
値を算出処理する段階、算出した誤差配分比を、前記圧
力近似値から算出される各ノードの圧力差に反映させて
運動方程式から各ノードの流量変化率を算出処理する段
階、上記処理を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下に
なったときの流量変化率と時間刻み幅から算出される流
量変化を加算して各ノードの流量を更新処理する段階、
更新した流量を流路ネットワーク構造の該当箇所の流量
表示信号に変換して前記表示手段へ出力する段階からな
るプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明を説明するための高速増殖炉
の二次冷却系の構成を説明する図、図2は端重みを説明
するための図である。なお、以下において、ジャンクシ
ョンは流体の分岐点または合流点、ノードは構成機器自
体を表し、説明の便宜上、配管は各ノードに含ませてい
る。図1において、配管を通して金属ナトリウムを循環
させるポンプ10の出口側は上方がガスで満たされて金
属ナトリウムが一定レベル以上になると溢れ出るタンク
により圧力を基準値に維持する圧力境界11となってい
る。中間熱交換器12で熱交換した金属ナトリウムは分
岐点13で一部が空気冷却器14へ、残りは蒸気発生器
15へ送られて合流点16で合流し、ポンプ10へ還流
する。
【0009】本発明では、プラントの構成機器の圧力、
流量、流量の時間変化率等で表現される流動式群を行列
形式として扱わないで流路ネットワークを評価すること
に主眼を置いており、このような流動式群は構成機器と
その接続状態から得ることができるので、隣接する機器
の間での局所的な数値計算だけで解法することができれ
ば行列形式での処理を回避でき、かつ、動的な流路ネッ
トワーク構造の変化にも対応することが可能である。
【0010】局所的な数値計算の結果、各ジャンクショ
ンにおいて質量保存誤差が生じた場合は、それを当該ジ
ャンクションに接続されている各ノードに割り付けて再
計算し最終的に誤差が収斂するまで計算を繰り返す。こ
の点を図2により説明すると、ジャンクションJには上
流側ノードN1 、下流側ノードN2 、N3 がそれぞれ接
続されており、各ノードN1 、N2 、N3 の流体慣性値
をI1 、I2 、I3 とする。ジャンクションにおける質
量保存誤差ΔWは、 ΔW=流入量−流出量 と表される。理論的には非圧縮性流体の場合、ジャンク
ションにおける流入量(及び変化量)と流出量(及び変
化量)との差は常に0となる。そこで、この誤差を各ノ
ードに対して流体慣性値の逆数に比例させて配分する。
これは流体慣性値が大きいほど流量変化が少ないことに
基づいている。各ノードN1 、N2 、N3への誤差配分
をE1 、E2 、E3 とすると、 で表される。なお、ΔWの半分について誤差配分してい
るのは、一度に大きな誤差を配分すると計算結果が収斂
しないおそれがあるためである。ここで、(5)〜
(7)式の分子I2 3 、I1 3 、I1 2 を各ノー
ドN1 、N2 、N3 のジャンクションJにおける端重
み、分母をジャンクションの重み合計と言う。すなわ
ち、 ノードN1 の端重み=ノードN2 の流体慣性値×ノード
3 の流体慣性値 ノードN2 の端重み=ノードN3 の流体慣性値×ノード
1 の流体慣性値 ノードN3 の端重み=ノードN1 の流体慣性値×ノード
2 の流体慣性値 ジャンクションの重み合計=ノードN1 の端重み+ノー
ドN2 の端重み+ノードN3 の端重み となる。
【0011】図3は図1の冷却系をモデル化した図、図
4はジャンクションのジャンクションの質量誤差の配分
方法を説明する図である。図3において、ジャンクショ
ンAは圧力境界11に、ジャンクションBは分岐点13
に、ジャンクションCは分岐点10にそれぞれ対応し、
圧力、質量保存誤差項、重み合計のデータを有する。ノ
ードABは中間熱交換器12に、ノードBCは空気冷却
器14に、ノードB′C′は蒸気発生器15に、ノード
CAはポンプ10にそれぞれ対応し、流量、流量変化
率、圧力差、流体慣性値、接続情報(ノードの両端に何
が接続されているかを示す情報)、圧力参照フラグ(計
算に際して圧力が参照されたか否かを示すフラグ)のデ
ータを有する。
【0012】図4はジャンクションB、C間についてノ
ードB′C′の圧力を参照しないで流量を算出する例を
示している。例えば、ジャンクションBについてみる
と、 質量保存誤差={(ノードABの流量変化率)−(ノー
ドBCの流量変化率)}+{(ノードABの流量)−
(ノードBCの流量)}×係数 と表される。これについて説明すると、各時点の流量は
(流量変化率×時間刻み)が毎回加算されて求められ
る。例えば、0.00001までしか扱えないコンピュ
ータを用い、上流から1本のノード、下流に2本のノー
ドを持つジャンクションの場合、上流ノードの時間変化
率が0.0007、下流1ノード当たりの時間変化率が
0.00035で、時間刻み巾が0.1秒だとすると、
毎回加算される流量変化は上流が0.00007、下流
は下一桁が切り捨てられて0.00003となり、これ
が何回も繰り返されると上下流の流量が食い違いを生ず
る。これを避けるために、流量変化率の誤差項だけでな
く、流量そのものの誤差も流量変化率の修正に反映させ
るために流量の差に係数(10マイナス数乗程度の値)
を乗じた誤差項を加えて質量保存誤差としている。
【0013】ノードBCにおける修正後の流量変化率に
ついてみると、 修正後の流量変化率=修正前の流量変化率+(ジャンク
ションBの質量保存誤差)×(配分比B→C)/2+
(ジャンクションCの質量保存誤差)×(配分比C→
B)/2 ここで、 である。
【0014】次に、図5の非定常流動計算処理フローを
用いて流動計算アルゴリズムについて説明する。
【0015】まず、計算の時間刻み巾Δtを設定し(S
1)、ノードの流体慣性値から、前述したようにして全
ジャンクションの重み合計と、これに接続する各ノード
の端重みを算出する(S2)。次いで、前回計算時の流
量変化率により各ノードの圧力差(上流側圧力−下流側
圧力)を求めて、圧力境界(基準圧力)のジャンクショ
ンを起点として接続状態に応じて順次枝状に各ジャンク
ションの圧力近似値を算出する(S3)。この時、各ノ
ードの圧力が参照されたか否かチェックし(S4)、参
照されている場合はそのノードの圧力参照フラグを1と
する(S5)。次いで、各ノードの前回計算時の流量
(旧流量)を用いて前述の(2)式から各ノードの流量
変化率を算出する(S6)。このとき圧力差が参照され
ず無視されたノードについても、両側のジャンクション
の圧力差と前回計算時の流量から、同様に当該ノードの
流量変化率を算出する。図3の例で言えば、ノードBC
の圧力差を用いてジャンクションB、Cの圧力近似値を
算出した場合は、ノードB′C′について流量変化率を
算出することになる。このように、流量変化率を算出す
る場合、無視されたノードが存在するため各ジャンクシ
ョンにおいて質量保存誤差(流量誤差)が生ずる。そこ
で、求めた流量変化率から各ジャンクションにおける質
量保存誤差を算出する(S7)。この場合、必要に応じ
て上流と下流の流量差に係数を乗じたものも誤差に加え
る。次いで、質量保存誤差がしきい値以内か否かチェッ
クし(S8)、しきい値以内に収まっていない場合は、
求めた質量保存誤差の1/2を各ノードの端重みに反比
例させて配分し流量変化率を補正する(S9)。この場
合、流入側のノードについては、その流量変化率から配
分した質量保存誤差を減じ、流出側のノードについては
加算する。こうして、再度S3に戻って同様の処理を繰
り返しす。この過程において、質量保存則、あるいは運
動量保存則上の局所的な誤差が流路ネットワーク全体に
伝播していくことで、全体を行列計算で一括して解法し
た場合と等価な解が得られる。そして、質量保存誤差が
しきい値以下に達したら、各ノードの流量を更新(変化
分=流量変化率×時間刻み幅を加算)し、S1に戻って
シミュレーションの時刻を時間刻み巾分進め、次の時刻
の流量変化を算出する。
【0016】図6は本発明の非定常流動評価方法の妥当
性を示す図で、図6(a)は計算比較結果を示す図、図
6(b)はモデル図である。モデル図は、ポンプ20と
流路ノード21〜23からなる系で、両端の圧力差が流
量変化率と流量2 ×圧力損失係数の和に等しい特性を持
っているパイプを意味している。このモデル図におい
て、図6(a)は縦軸が計算開始時点の流量に対する相
対流量、横軸が時間で、実線が理論解、○が本発明の手
法により得られた解で、両者が一致していることが分か
る。
【0017】図7は本発明のアルゴリズムを実装したシ
ミュレーションシステムを示す図で、図7(a)は計算
を実行している画面を示す図、図7(b)はスペックを
設定している画面を示す図である。図中、30は2次冷
却系に1次系から熱を伝える中間熱交換器、31は蒸気
発生器を使わないで1次系から伝わった熱を大気中に逃
がすためのナトリウム−空気熱交換器、32はナトリウ
ムの熱を奪って水を蒸気に変える蒸気発生器、33はさ
らに蒸気温度を上げるための過熱器である。本システム
では、隣接する機器の結合状態を動的に管理するため、
各ノードには、図3で説明したように、接続情報として
隣接するジャンクションの情報を格納できるモデル構造
にするとともに、プラントシミュレーションモデルを画
面上から直接指定できるようにしている。従って、画面
上から、例えば、接続情報無しというように、隣接する
機器の結合状態を指定してモデル構造を設定し、各部の
流量、圧力がどのようになるかを解析することができ
る。
【0018】
【発明の効果】原子力プラントに代表される複雑な流路
を有する大規模な工学システムの設計、評価に不可欠な
プラントシミュレーションにおいて、必須の非定常の流
動計算を用いずに行うアルゴリズムを考案し、高速炉の
二次主冷却系構成を対象に本アルゴリズムを検証した。
流動計算における収束計算量の増加は、機器モジュール
の伝熱計算量に比べて十分小さく、流路ネットワーク構
造の動的変化への対応等の本アルゴリズムの利点を損な
わないことを確認した。本発明により、プラントの全体
モデル、特に流路の破断や隔離のように、境界条件の構
造そのものが不連続に変化する現象を模擬可能なモデル
が容易に構築可能となり、シミュレーションの柔軟性の
向上を図ることができる。また、従来、こうした全体モ
デルは均質な開発環境下(言語、計算機)での製作に限
定されていたが、プラント構成要素毎の機器モジュール
を独立した開発環境で製作し、これらの連結によって全
体モデルへ統合することも可能となり、ソフトウエア開
発、保守のマンパワーの逓減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するための高速増殖炉の二次冷
却系の構成を説明する図である。
【図2】 端重みを説明する図である。
【図3】 図1の冷却系をモデル化した図である。
【図4】 ジャンクションの質量保存誤差の配分方法を
説明する図である。
【図5】 本発明の非定常流動計算処理フローを示す図
である。
【図6】 本発明の非定常流動評価方法の妥当性を説明
する図である。
【図7】 本発明のアルゴリズムを実装したシミュレー
ションシステムを示す図である。
【符号の説明】
10…ポンプ、11…圧力境界、12…中間熱交換器、
13…分岐点、14…空気冷却器、15…蒸気発生器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−262590(JP,A) 特開 平8−292934(JP,A) 来村徳信ら外5名,因果指定に基づい た定性的モデリングと推論機構,人工知 能学会研究会資料,日本,(社)人工知 能学会,1995年 5月23日,25−32,S IG−KBS−9501−4 菅野太郎ら外2名,プラント運転操作 に用いられる知識の可視化による深い理 解支援システム,人工知能学会研究会資 料,日本,(社)人工知能学会,1998年 10月30日,21−26,SIG−IES− 9802−4 来村徳信ら外5名,モデルに基づく問 題解決のための流体系と時間のオントロ ジー構築とその評価,人工知能学会誌, 日本,(社)人工知能学会,1997年 1 月 1日,VOL.12/NO.1,132 −143 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/032 G21D 3/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の構成機器とこれを接続する配管か
    らなる流路ネットワークにおける流体の分岐点または合
    流点をジャンクション、構成機器をノードとした一次元
    プラントモデルの評価方法であって、 各ジャンクションについて、接続されている各ノードの
    流体慣性値から、流入量と流出量の差として定義される
    質量保存誤差の各ノードへの配分比を算出処理する段
    階、 基準値を与える圧力境界のジャンクションを起点として
    接続状態に応じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近
    似値を算出処理する段階、 算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から算出される
    各ノードの圧力差に反映させて運動方程式から各ノード
    の流量変化率を算出処理する段階、 上記処理を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下になっ
    たときの流量変化率と時間刻み幅から算出される流量変
    化を加算して各ノードの流量を更新処理する段階、 からなる一次元プラントモデル非定常流動評価方法。
  2. 【請求項2】 ジャンクションの各ノードへの誤差配分
    は、流体慣性値の逆数に比例させるものであることを特
    徴とする請求項1記載の一次元プラントモデル非定常流
    動評価方法。
  3. 【請求項3】 各ノードには隣接する機器の接続情報が
    格納されていることを特徴とする請求項1記載の一次元
    プラントモデル非定常流動評価方法。
  4. 【請求項4】 複数の機器とこれを接続する配管からな
    る流路ネットワークにおける流体の分岐点または合流点
    をジャンクション、構成機器をノードとした一次元プラ
    ントモデルの評価システムであって、 流路ネットワーク構造と各箇所の流動状態を表示する表
    示手段と、 隣接する構成機器の接続状態を指定する指定手段と、 各ジャンクションについて、接続されている各ノードの
    流体慣性値から、流入量と流出量の差として定義される
    質量保存誤差の各ノードへの配分比を算出処理し、 基準値を与える圧力境界のジャンクションを起点として
    接続状態に応じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近
    似値を算出処理し、 算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から算出される
    各ノードの圧力差に反映させて運動方程式から各ノード
    の流量変化率を算出処理し、 上記処理を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下になっ
    たときの流量変化率と時間刻み幅から算出される流量変
    化を加算して各ノードの流量を更新処理するデータ処理
    手段と、 前記データ処理手段で更新した流量を流路ネットワーク
    構造の該当箇所の流量表示信号に変換して前記表示手段
    へ出力する表示出力制御手段と、 を備えた一次元プラントモデル非定常流動評価システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記ノードは隣接する機器の接続情報が
    格納され、前記指定手段により該接続情報を設定可能で
    あることを特徴とする請求項4記載の一次元プラントモ
    デル非定常流動評価システム。
  6. 【請求項6】 複数の構成機器とこれを接続する配管か
    らなる流路ネットワークにおける流体の分岐点または合
    流点をジャンクション、構成機器をノードとした一次元
    プラントモデルの評価プログラムを記憶した記憶媒体で
    あって、 各ジャンクショについて、接続されている各ノードの流
    体慣性値から、流入量と流出量の差として定義される質
    量保存誤差の各ノードへの配分比を算出処理する段階、 基準値を与える圧力境界のジャンクションを起点として
    接続状態に応じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近
    似値を算出処理する段階、 算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から算出される
    各ノードの圧力差に反映させて運動方程式から各ノード
    の流量変化率を算出処理する段階、 上記処理を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下になっ
    たときの流量変化率と時間刻み幅から算出される流量変
    化を加算して各ノードの流量を更新処理する段階、 からなるプログラムを記憶した記憶媒体。
  7. 【請求項7】 複数の機器とこれを接続する配管からな
    る流路ネットワークにおける流体の分岐点または合流点
    をジャンクション、構成機器をノードとした一次元プラ
    ントモデルの評価プログラムを記憶した記憶媒体であっ
    て、 流路ネットワーク構造と各箇所の流動状態を表示する段
    階、 隣接する構成機器の接続状態を指定する段階、 各ジャンクションについて、接続されている各ノードの
    流体慣性値から、流入量と流出量の差として定義される
    質量保存誤差の各ノードへの配分比を算出処理する段
    階、 基準値を与える圧力境界のジャンクションを起点として
    接続状態に応じて順次枝状に各ジャンクションの圧力近
    似値を算出処理する段階、 算出した誤差配分比を、前記圧力近似値から算出される
    各ノードの圧力差に反映させて運動方程式から各ノード
    の流量変化率を算出処理する段階、 上記処理を繰り返し、質量保存誤差が所定値以下になっ
    たときの流量変化率と時間刻み幅から算出される流量変
    化を加算して各ノードの流量を更新処理する段階、 更新した流量を流路ネットワーク構造の該当箇所の流量
    表示信号に変換して前記表示手段へ出力する段階、 からなるプログラムを記憶した記憶媒体。
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来村徳信ら外5名,因果指定に基づいた定性的モデリングと推論機構,人工知能学会研究会資料,日本,(社)人工知能学会,1995年 5月23日,25−32,SIG−KBS−9501−4
菅野太郎ら外2名,プラント運転操作に用いられる知識の可視化による深い理解支援システム,人工知能学会研究会資料,日本,(社)人工知能学会,1998年10月30日,21−26,SIG−IES−9802−4

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