JP3236338B2 - 高強度・非磁性ステンレス鋼線材 - Google Patents

高強度・非磁性ステンレス鋼線材

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JP3236338B2 JP09666592A JP9666592A JP3236338B2 JP 3236338 B2 JP3236338 B2 JP 3236338B2 JP 09666592 A JP09666592 A JP 09666592A JP 9666592 A JP9666592 A JP 9666592A JP 3236338 B2 JP3236338 B2 JP 3236338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度・非磁性でか
つ耐銹性と冷間加工性を必要とする用途に利用される高
Mnステンレス鋼線材に関するもので、電子機器用シャ
フト材、自転車スポーク用線材、建築・建材用釘等に利
用される。
【0002】
【従来の技術】電子機器用シャフト材は表面疵及び磁性
を嫌うことから高強度・非磁性及び耐銹性に優れている
ことが要求される。自転車スポーク材は軽量化、腐食防
止、塵付着の低減化、頭部加工性の観点から高強度・非
磁性で、かつ、耐銹性及び冷間加工性に優れていること
が要求される。また、建築・建材用釘材は美観、耐銹性
の観点から鉄釘からステンレス釘へ転換されつつあり、
SUS304相当の耐銹性を持つ高強度材が要求されて
いる。
【0003】これ等のために、SUS304,SUS3
05,SUSXM7、高N含有の18Cr−8Ni系や
18Cr−10Mn−5Ni系のステンレス鋼等が冷間
加工により加工強化され一部に供用されている。しか
し、高強度化のために強度の冷間加工を施すと加工割れ
が発生する等の課題があり、冷間加工性に優れた安価な
高強度・非磁性ステンレス鋼線材の供給が要求されてい
る現状にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強度の冷間加
工時の破断課題を解決し、高強度・非磁性ステンレス鋼
線材を安価に供給できる技術を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は冷間加工性及び
冷間加工後の強度と延性に及ぼす材料構成成分の影響を
綿密に調査し、冷間加工性が良く冷間加工後も高強度、
高延性をもつ材料を知見したことによる。
【0006】すなわち、本発明はC:0.09〜0.1
5%、Si:0.05〜1.0%、Mn:12.0〜1
7.0%、Ni:1.0〜2.5%、Cr:16.0〜
20.0%、Cu:0.2〜1.5%、N:0.30〜
0.40%、Al:≦0.1%を含有し、残部が鉄及び
不可避的不純物からなり、かつ、下記1式で規定される
αの値が0以下の範囲にあり、かつ、伸線後の引張破断
絞り値が40%以上であることを特徴とする高強度・非
磁性ステンレス鋼線材である。 α= 1.6×Cr+0.77Si+0.0128×〔Mn〕 2 −0.11Mn−Ni−24.5C−18.4N−20.6 ……………1式
【0007】以下に本発明の範囲を限定した理由を述べ
る。Cは伸線加工後の強度を確保するために、0.09
%以上添加する。過剰の添加は固溶化処理後の冷却過程
において炭化物が析出し、60%を超える冷間加工後の
延性を著しく低下させる。このため、上限を0.15%
に限定した。
【0008】Siは脱酸のために添加する。0.05%
未満ではその効果がなく冷間加工後の延性と冷間加工性
を劣化させるため、下限を0.05%にした。また、過
剰の添加は冷間加工後の延性を著しく劣化させるため、
上限を1.0%に限定した。Mnは冷間加工後の強度を
確保するために12.0%以上添加する。過剰の添加は
通常の常識に反しフェライトを生成し易くなることと6
0%以上の冷間加工後の延性と冷間加工性を劣化させる
ため、上限を17.0%に限定した。
【0009】Niは冷間加工後の非磁性及び延性を確保
するために1.0%以上添加する。過剰の添加は冷間加
工後の強度を低くするため、上限を2.5%に限定し
た。
【0010】Crは冷間加工後の強度及び延性確保のた
めに16.0%以上添加する。過剰の添加は固溶化処理
後の冷却過程において炭化物を析出させ60%以上の冷
間加工後の延性劣化と磁性を生じるため、上限を20.
0%以下に限定した。
【0011】Cuは冷間加工後の延性確保のために0.
2%以上添加する。過剰の添加は冷間加工後の強度を低
くするため上限を1.5%に限定した。
【0012】Nは冷間加工後の非磁性と高強度を得るた
めに0.30%以上添加する。過剰の添加は60%以上
の冷間加工後の延性を劣化させるため、上限を0.40
%に限定した。
【0013】Alは脱酸のために添加するが、過剰の添
加は介在物を増加させ、60%以上の冷間加工後の延性
を劣化させるため、上限を0.1%以下に限定した。
【0014】αは冷間加工後の磁性と構成成分の関係に
ついて調査した結果得た関係式で、αが0を超えると図
1に示すように60%以上の冷間加工を施すと磁性が認
められるようになる。このため上限値を0以下に限定し
た。
【0015】
【実施例】表1に本発明例と比較例の化学成分、冷間加
工性、冷間加工後の強度及び延性及び磁性を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】いずれの供試材もステンレス鋼の通常の精
錬工程(電気炉または転炉溶解後真空或いはアルゴン/
酸素脱C処理による精錬)で溶解・精錬後連続鋳造によ
り製造したビレットを分塊工程を経ずに、均熱処理後ま
たはそのまま線材圧延した。また、各特性の評価は下記
の方法で行ない、目標を満たすものを良とした。 (1)冷間加工性 5.5mm線径の線材を2mm線径まで伸線加工(86.8
%の冷間加工)し、伸線破断の有無により冷間加工性を
評価した。本発明は破断なく伸線可能であることを目標
とした。 (2)冷間加工後の強度及び延性 5.5mm線径の線材を3mm線径まで伸線加工(70.2
%冷間加工)後引張試験片を採取し引張破断させた。そ
の時の引張強度と破断絞り値で評価した。本発明は強度
1800N/mm2 以上で、かつ、絞り値40%以上を目
標とした。 (3)磁性 5.5mm線径の線材を2mm線径まで伸線加工(86.8
%冷間加工)後透磁率を測定し評価した。本発明は透磁
率1.05以下を目標とした。
【0019】本発明例No.1,2と比較例No.18,1
9はCの影響を調査したものである。Cが本発明範囲未
満のNo.18は冷間加工後の強度が本発明例に比較し劣
っている。また、Cが本発明の範囲を超えるNo.19は
冷間加工性が悪く70.2%の伸線加工ができず伸線加
工時に破断した。上記から本発明の優位性が明らかであ
る。
【0020】本発明例No.3,4と比較例No.20,2
1はSiの影響を調査したものである。Siが本発明範
囲未満のNo.20は冷間加工後の延性が本発明に比較し
劣っている。また、Siが本発明の範囲を超えるNo.2
1は冷間加工性が悪く70.2%の伸線加工ができな
い。また、透磁率も劣っており、本発明の優位性が明ら
かである。
【0021】本発明例No.5,6と比較例No.22,2
3はMnの影響を調査したものである。Mnが本発明範
囲未満のNo.22は冷間加工後の強度が本発明に比較し
劣っている。また、Mnが本発明の範囲を超えるNo.2
3は冷間加工後の延性、冷間加工性及び透磁率に劣って
おり本発明の優位性が明らかである。
【0022】本発明例No.7,8と比較例No.24,2
5はNiの影響を調査したものである。Niが本発明範
囲未満のNo.24は冷間加工後の延性、冷間加工性及び
透磁率が本発明に比較し劣っている。また、Niが本発
明の範囲を超えるNo.25は冷間加工後の強度が劣って
おり本発明の優位性が明らかである。
【0023】本発明例No.9,10と比較例No.26,
27はCrの影響を調査したものである。Crが本発明
範囲未満のNo.26は冷間加工後の強度及び延性が本発
明に比較し劣っている。また、Crが本発明の範囲を超
えるNo.27は冷間加工後の延性及び透磁率が劣ってお
り本発明の優位性が明らかである。
【0024】本発明例No.11,12と比較例No.2
8,29はCuの影響を調査したものである。Cuが本
発明範囲未満のNo.28は冷間加工後の延性及び冷間加
工性が劣っている。また、Cuが本発明の範囲を超える
No.29は冷間加工後の強度が劣っており本発明の優位
性が明らかである。
【0025】本発明例No.13,14と比較例No.3
0,31はNの影響を調査したものである。Nが本発明
範囲未満のNo.30は冷間加工後の強度及び透磁率が本
発明に比較し劣っている。また、Nが本発明の範囲を超
えるNo.31は冷間加工後の延性及び冷間加工性が劣っ
ており本発明の優位性が明らかである。
【0026】本発明例No.15と比較例No.32はAl
の影響を調査したものである。Alが本発明の範囲を超
えるNo.32は冷間加工後の延性及び冷間加工性に劣っ
ており本発明の優位性が明らかである。
【0027】本発明例No.16,17と比較例No.3
3,34は本発明全元素の下限及び上限の影響を調査し
たものである。Alを除く全ての元素が本発明の下限未
満のNo.33は伸線後の強度及び冷間加工性と透磁率が
本発明に比較し劣っている。また、全ての元素が本発明
の上限を超えるNo.34は冷間加工性が劣っており、7
0.2%の冷間加工ができず破断しており本発明の優位
性が明らかである。比較例No.35はα値のみが本発明
の上限を超えるもので、透磁率、冷間加工後の延性及び
冷間加工性が劣っており本発明の優位性が明らかであ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、冷間加工性及び強度の
冷間加工後の延性課題を解決し、高強度・非磁性ステン
レス鋼線材を安価に供給することが可能で産業上有効な
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】αと冷間加工率が透磁率μに与える影響を示し
た図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 敏彦 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式 会社 光製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭53−117617(JP,A) 特開 昭62−270721(JP,A) 特開 昭62−136557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.09〜0.15%、 Si:0.05〜1.0%、 Mn:12.0〜17.0%、 Ni:1.0〜2.5%、 Cr:16.0〜20.0%、 Cu:0.2〜1.5%、 N :0.30〜0.40%、 Al:≦0.1%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純
    物からなり、かつ、下記1式で規定される αの値が0以下の範囲にあり、かつ、伸線後の引張破断
    絞り値が40%以上であることを特徴とする高強度・非
    磁性ステンレス鋼線材。 α= 1.6×Cr+0.77Si+0.0128×〔Mn〕2 −0.11Mn−Ni−24.5C−18.4N−20.6 ……………1式
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