JP3234610B2 - 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法 - Google Patents

飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法

Info

Publication number
JP3234610B2
JP3234610B2 JP16344891A JP16344891A JP3234610B2 JP 3234610 B2 JP3234610 B2 JP 3234610B2 JP 16344891 A JP16344891 A JP 16344891A JP 16344891 A JP16344891 A JP 16344891A JP 3234610 B2 JP3234610 B2 JP 3234610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
hard plate
rolling
lid
hot rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16344891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05339685A (ja
Inventor
宏樹 田中
信 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority to JP16344891A priority Critical patent/JP3234610B2/ja
Publication of JPH05339685A publication Critical patent/JPH05339685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3234610B2 publication Critical patent/JP3234610B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絞り成形性に優れたア
ルミニウム合金硬質板の製造方法に関し、特に飲料缶の
蓋のような、直径に対して深さの割合が小さい浅絞り成
形加工を行ったとき、形状凍結性に優れたアルミウニム
合金硬質板を安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の飲料缶の蓋は、イージーオープン
が可能なこと、焼付塗装した後の強度が必要なことが要
求され、アルミニウム合金の硬質板が使用されている。
【0003】従来、このような缶蓋に使用されるアルミ
ニウム合金板は、鋳塊を均質化処理した後、熱間圧延で
3〜5mm厚さにし、冷間圧延→中間焼鈍→最終冷間圧
延にて0.4mm以下の硬質板としている。この場合、
十分な強度を得るには80%以上の冷間圧延が必要とな
り、冷間圧延率を高くすると、絞り成形時に耳の張りだ
しが大きくなるという現象がある。
【0004】そこで本出願人は、強度の低下がなく、絞
り成形時の耳の張り出し(耳率)の少ない硬質板を安価
に製造する方法として、Al−Mg系にMn、Zr、
V、Tiを調整したアルミニウム合金を300〜350
℃で、熱間圧延または中間焼鈍した後、冷間圧延する方
法(特公昭57−33332号公報)を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記、特公昭57−3
3332号公報の方法で、中間焼鈍をすることなく製造
されたアルミニウム合金材料は、缶蓋のような浅い絞り
加工を施したとき、成形品の底面に図1に示すように反
り(△h)が発生することが判った。(この反りの発生
量の少ないものを、形状凍結性に優れているという)
【0006】このような反りが発生すると、ベルトコン
ベヤなどで成形品を積み重ねて移動させるとき、安定性
に欠けスムーズな搬送を阻害するばかりでなく、寸法精
度不良となるという欠点がある。また、平坦に仕上げら
れた缶胴の上縁にはめ合わせる際に、不均一な隙間を生
じ、缶としての密閉性を劣化させるという欠点がある。
【0007】そこで本発明の目的は、浅い絞り加工を行
った場合でも、形状凍結性に優れたアルミニウム合金硬
質板を、熱間圧延後中間焼鈍を行うことなく冷間圧延を
行い安価に製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、成形品底面の反り発生の原因について種々検討した
結果、反りの原因は、熱間圧延中に形成される粗大再結
晶粒が存在するためであり、再結晶粒を微細化すること
により解消することを見出し、本発明を完成した。
【0009】本発明の要旨は、Mg:3.0〜6.0
%、Mn:0.2〜0.8%、Cu:0.10〜0.4
0%、Fe:0.05〜0.35%、Si:0.05〜
0.25%、Ti:0.01〜0.05%を含有するア
ルミニウム合金鋳塊を、均質化熱処理した後熱間圧延を
350〜450℃で開始し、圧延終了時の材料温度を2
50℃以上280℃未満とし、中間焼鈍を行うことな
く、加工率70%以上の冷間圧延を行う飲料缶蓋用アル
ミニウム合金硬質板の製造方法である。
【0010】上記各合金成分及び処理条件の作用につい
て説明する。 Mg:
【0011】Mgは本発明における基本的な添加元素で
あり、強度に寄与する。Mgが3.0%未満では要求さ
れる強度が得られない。6.0%を越えると熱延時に割
れを生じやすくなる。
【0012】Mn:Mgと同様、強度に寄与する。また
再結晶粒を微細化する効果がある。Mnの添加量が0.
2%未満では効果が小さく、0.8%を越えると熱間加
工性が低下し、さらに造塊時にAl−Fe−Mn系の粗
大金属間化合物を形成しやすくなり、硬質板の成形性も
低下させる。
【0013】Cu:CuはAl−Mg−Cu系化合物の
微細析出物を形成し、強度に寄与する。0.10%未満
ではこの効果が小さく、0.40%を越えると熱延時に
割れを生じやすくなる。
【0014】Fe:Feは再結晶粒を微細化するのに有
効である。Feの添加量が0.05%未満ではその効果
が小さく、0.35%を越えると造塊時にAl−Fe−
Mn系の粗大金属間化合物を形成しやすくなり、硬質板
の成形性を劣化させる。
【0015】Si: SiはMnの析出を促進し、Al−Mn−Si系化合物
を形成する。この析出物によって再結晶粒粗大化が防止
される。Siの添加量を0.05%未満に高純度化する
ことは経済的でなく、また再結晶粒微細化の効果が薄れ
る。0.25%よりも多く添加すると硬質板の成形性が
低下する。
【0016】Ti:Tiは結晶粒を微細化する作用があ
る。その添加量が0.01%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方、0.05%より多く添加しても
その効果はあまりかわらず、逆に粗大な化合物を形成
し、硬質板の成形性を劣化させる。
【0017】該アルミニウム合金を常法によって造塊し
た後、溶質原子の偏析を取り除くため、熱延に先立って
均質化処理することが望ましい。この均質化処理は通常
480〜530℃で3〜10時間行われる。
【0018】熱間圧延は通常500℃前後に加熱した
後、圧延開始されるが、高温ほど圧延中の再結晶粒は粗
大化しやすく、好ましくない。開始温度を下げすぎると
工業的に能率が悪くなり、また終了温度も下がりすぎ
る。最適な圧延開始温度は350℃以上、450℃以下
である。この温度は熱延開始時の材料温度であって鋳塊
の加熱温度はこれより高くても差支えない。ただし生産
性を考慮すれば予備加熱を500℃以下にする方が望ま
しい。
【0019】熱延終了温度は最も厳しく制御されるべき
条件で、280℃以上では再結晶粒が粗くなり、形状凍
結性は悪くなる。250℃よりも低温では再結晶せず、
最終板の耳率が高くなりすぎたり、成形性が劣化する。
望ましい終了温度は250〜280℃である。
【0020】熱延条件を上記のように制御すれば中間焼
鈍を施す必要はなく、その後圧延量70%以上の最終冷
間圧延を加えることで、強度、成形加工性、耳率、形状
凍結性に優れる硬質板を得る。
【0021】圧延量が70%未満では缶蓋材として望ま
れる材料強度が得られない。また圧延量が大きすぎると
耳率や成形性が劣化してくるので、圧延量は90%以内
に納めることが望ましい。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1に示す組成のアルミニウム合金を
溶解し、造塊し500℃で4時間の均質化処理した後、
表2に示すような条件で、熱間圧延、冷間圧延を行い、
175℃で2時間の安定化処理した後、機械的性質、エ
リクセン試験及び浅絞り加工試験および深絞り試験(耳
率)を行った。
【0024】浅絞り加工試験は、図4に示すごとくブラ
ンク直径60mm、平底ポンチ直径50mm、絞り比
1.2で行った。
【0025】底面の反り量は、絞り加工されたカップ底
面を、試験材の圧延方向に平行な断面形状をコントレー
サー(三豊製CB−41輪郭測定器)で図1の如く求
め、チャート上から△hとして測定した。試料の断面を
顕微鏡で観察し、結晶粒の大きさを測定した。これらの
結果を表2・表3に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】発明例のNo.1〜5は、耐力333Mpa
以上、引張強さ382Mpa以上、伸び7%以上、エリ
クセン値4.5mm以上、底面反り量0.93mm以
下、耳率4.5%以下、結晶粒径10〜15μmが得ら
れ、良好な性能が得られた。なお、No.1材の熱延終了
後の偏光顕微鏡組織を図2に示す。
【0029】これに対し、比較例のNo.6は熱間圧延開
始温度が500℃、終了温度が320℃といずれも高
く、熱延終了後の結晶粒が26μmと図3に示すように
大きくなり、底面反り量が1.12mmと大きくなっ
た。
【0030】No.7は、熱間圧延終了温度が230℃と
低く、再結晶組織にならないため、耳率が6.9%と大
きくなった。
【0031】No.8は、熱間圧延開始温度が500℃と
高く、結晶粒が20μmとなり、底面反り量が1.05
mmと大きくなった。
【0032】No.9は、冷間圧延の加工率が60%と低
く、耐力が289Mpaと低くなった。
【0033】No.10は、アルミニウム合金のMgが
2.5%と低く、耐力が278Mpaと低くなった。
【0034】No.11は、アルミニウム合金のFeが
0.55%と高く、エリクセン値が3.8mmと低くな
った。
【0035】No.12は、アルミニウム合金のCuが
0.65%と高いため、熱間圧延で割れが発生し、試験
を中断した。
【0036】No.13は、中間焼鈍を行ったものである
が、耳率が5.9%と高くなり好ましくない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
間圧延後直ちに冷間圧延を行っても、機械的性質につい
て従来の材料と遜色なく、底面反り量が少なく、形状凍
結性の良好な飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板が安価
に製造可能になり、産業上有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】底面の反り量の説明図。
【図2】No.1材の熱延終了後の合金組織を示す偏光顕
微鏡写真。
【図3】比較例であるNo.6材の熱延終了後の合金組織
を示す偏光顕微鏡写真。
【図4】試験方法を説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 683 C22F 1/00 683 694 694A 694B (56)参考文献 特開 昭63−443(JP,A) 特開 昭63−293144(JP,A) 特開 平2−185955(JP,A) 特開 平3−6356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/04 - 1/057 C22C 21/00 - 21/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg:3.0〜6.0%(質量%、以下
    同様)、Mn:0.2〜0.8%、Cu:0.10〜
    0.40%、Fe:0.05〜0.35%、Si:0.
    05〜0.25%、Ti:0.01〜0.05%を含有
    し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム
    合金鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延を350〜4
    50℃で開始し、圧延終了時の材料温度を250℃以上
    280℃未満とし、中間焼鈍を行うことなく、加工率7
    0%以上の冷間圧延を行うことを特徴とする飲料缶蓋用
    アルミニウム合金硬質板の製造方法。
JP16344891A 1991-06-10 1991-06-10 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法 Expired - Fee Related JP3234610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16344891A JP3234610B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16344891A JP3234610B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05339685A JPH05339685A (ja) 1993-12-21
JP3234610B2 true JP3234610B2 (ja) 2001-12-04

Family

ID=15774077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16344891A Expired - Fee Related JP3234610B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3234610B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115094282A (zh) * 2015-06-05 2022-09-23 诺维尔里斯公司 高强度5xxx铝合金以及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05339685A (ja) 1993-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2823797B2 (ja) 成形加工用アルミニウム合金板の製造方法
EP0480402B1 (en) Process for manufacturing aluminium alloy material with excellent formability, shape fixability and bake hardenability
JPS59159961A (ja) 超塑性Al合金
JPWO2017110869A1 (ja) 缶ボディ用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2002348625A (ja) 温間成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造法
JP3234610B2 (ja) 飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法
JPH0122345B2 (ja)
JP3278119B2 (ja) 成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板の製造方法
JPH07166285A (ja) 焼付硬化型Al合金板及びその製造方法
JP3260227B2 (ja) 結晶粒制御により成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板及びその製造方法
JP3201783B2 (ja) 強度と成形性に優れたアルミニウム合金硬質板の製造方法
JP2745254B2 (ja) 局部張出性に優れたアルミニウム合金硬質板およびその製造方法
JPH0718389A (ja) 成形用Al−Mg系合金板の製造方法
JPH10259441A (ja) 高速超塑性成形性に優れ且つ成形後のキャビティの少ないアルミニウム合金板およびその製造方法
JP3241063B2 (ja) 異方性及び耐軟化性に優れた飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法
JP2956038B2 (ja) ひずみ模様の抑制に優れた絞りカップ用Al合金板とその製造方法
KR960007633B1 (ko) 고성형성 고강도 알루미늄-마그네슘계 합금 및 그 제조방법
JPH05247610A (ja) 成形性、形状凍結性及び塗装焼付硬化性に優れた異方性の少ないアルミニウム合金材の製造法
JP2895510B2 (ja) 成形用アルミニウム合金材の製造方法
JP3983454B2 (ja) 高強度高成形性アルミニウム合金板の製造方法および該製造方法により得られるアルミニウム合金板
JP3543362B2 (ja) 成形性および焼き付け硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法
JPH0542492B2 (ja)
JP2593479B2 (ja) 成形用アルミニウム合金材の製造方法
JPH07197163A (ja) 冷間鍛造用アルミニウム合金
JP4190674B2 (ja) 強度と成形性に優れたアルミニウム基合金板材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees