JP3232810B2 - 被膜形成型外用剤 - Google Patents

被膜形成型外用剤

Info

Publication number
JP3232810B2
JP3232810B2 JP24331993A JP24331993A JP3232810B2 JP 3232810 B2 JP3232810 B2 JP 3232810B2 JP 24331993 A JP24331993 A JP 24331993A JP 24331993 A JP24331993 A JP 24331993A JP 3232810 B2 JP3232810 B2 JP 3232810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
external preparation
water
forming
vinylacetamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24331993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0797317A (ja
Inventor
徹弥 石井
恵子 愛知後
哲彦 山口
一彦 大賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP24331993A priority Critical patent/JP3232810B2/ja
Publication of JPH0797317A publication Critical patent/JPH0797317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3232810B2 publication Critical patent/JP3232810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香粧品、外用医薬品、
外皮用品、医薬部外品等に利用される外用剤組成物に関
するもので、更に詳しくは皮膚、粘膜等の上に塗布する
ことで被膜を形成させ、効果的に有効成分を皮膚に適用
させることを特徴とする被膜形成型外用剤に関するもの
である。これは有効成分を変えることにより、各々制汗
剤、昆虫忌避剤、抗菌剤、消炎鎮痛剤等に応用すること
ができる。また水のごとき安価で、入手しやすく安全な
溶剤で簡単に除去でき、かつ人体および動物の皮膚及び
体内において安全な、形成された被膜が水溶性である被
膜形成型外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮膚適用型の外用剤としては
液状塗布剤、軟膏剤、貼付剤などがあり、経口投与にく
らべ効率のよい投与手段であるため、今までに様々なも
のが開発されてきている。しかしながら上記のように、
外用剤は利点はあるものの各々の物理的性質等に起因す
る種々の問題点を有している。例えば液状塗布剤につい
ては薬効成分の皮膚内への浸透が十分でなく薬効成分を
持続的に皮膚表面に放出することが困難であった。軟膏
剤においては基剤からの薬効成分の放出性が低い上、動
作時に衣服等の接触により軟膏剤が衣服等に付着するた
め、薬効成分が減少し、薬効が低下することが多く、持
続性についても十分ではなかった。またパップ剤、プラ
スター剤等の貼付剤においては関節などの動作により皮
膚が伸縮する部位や、形状が複雑な部位では皮膚表面に
充分密着せず容易に剥離してしまうなど、粘着性、伸縮
性に問題があり、さらに長時間の使用により、かぶれ等
の皮膚疾患が発生することもあった。
【0003】近年このような欠点を解決すべく、適用時
には液状またはゲル状で適用後乾燥により被膜を形成す
る樹脂を用いた被膜形成型外用剤が提案されている。例
えば特開昭51−75745においてアクリル系共重合
体と可塑剤からなる高分子包帯用組成物が開示されてい
る。しかしながらこの組成物はアクリル系共重合体を基
剤としているため、耐水性に欠け夏期などの高温高湿下
で使用した場合、皮膚表面の多量の汗(特にその中の
塩)により凝集力が低下してしまい被膜の皮膚への貼着
力の低下が生じる。またこれらのポリマーは皮膚刺激性
が低いものの、依然として残留モノマーの毒性の問題が
残されており、皮膚等に塗布する場合、皮膚密着性が良
好でも残留モノマーの皮膚刺激性が生じてくる。またこ
の被膜形成型外用剤は被膜形成樹脂として水溶性の樹脂
を用いており、水を主体とした溶媒のため乾燥性が悪く
被膜形成に時間を要した。
【0004】一方で特開平3−275619、特開平2
−145512に非水溶性高分子を被膜形成樹脂として
いるものが開示されている。これらは耐水性には優れる
が、皮膚より被膜を除去するときに容易に除去できず、
特に繰り返し塗布する場合に塗布物が残ってしまい薬物
の吸収性が低下してしまう。また上記いずれのものも薬
物との親和性が低く、被膜からの薬物の放出性、皮膚吸
収性に劣っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情から、本発
明は、上述の従来技術の課題を解決し、即乾性でべとつ
かず、水、汗等の存在下でも良好な被膜を維持し、また
被膜を除去する場合、水で簡単に除去でき、安全性が高
く薬物の移行性が高い水溶性の被膜を形成する被膜形成
型外用剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、実質的にN−ビニルアセトアミド重合体
またはその共重合体を被膜形成樹脂とし、且つ形成され
る被膜が水溶性であることを特徴とする被膜形成型外用
剤が良好な被膜形成能を発揮し、上記課題を解決するも
のであることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は以下の事項に関する。 (1)N−ビニルアセトアミドの単独重合体またはこれ
と共重合可能な単量体との共重合体を被膜形成樹脂と
し、かつ形成される被膜が水溶性であることを特徴とす
る被膜形成型外用剤。 (2)被膜形成樹脂が、一般式(1)
【化2】 (式中、R1は、水素またはメチル基を示し、XはCO
OM(Mはアルカリ金属)、COOCn2n+1(n=0
〜8の整数)、COOCn2nOH(n=1〜5の整
数)、COOCn2nm2m+1(n=1〜3の整数、m
=1〜4の整数)、OCn2n+1(n=1〜8の整
数)、OCOCn2n+1(n=1〜3の整数)を示
す。)で表されるエチレン性単量体1種又は2種以上と
N−ビニルアセトアミドとの共重合体であって、該エチ
レン性単量体とN−ビニルアセトアミドの合計が全単量
体の50%以上を占める共重合体であることを特徴とす
る上記(1)に記載の被膜形成型外用剤。
【0008】(3)N−ビニルアセトアミドと一般式
[1]で表されるエチレン性単量体が、質量比95:5
〜10:90で共重合されていることを特徴とする上記
(2)に記載の被膜形成型外用剤。 (4)一般式[1]で表されるエチレン性単量体が、
(メタ)アクリル酸及び/またはその塩である上記
(2)または(3)に記載の被膜形成型外用剤。
【0009】本発明の被膜形成型外用剤は、使用される
N−ビニルアセトアミドの重合体または共重合体が実質
的にノニオン性であるために、一般的に弱酸性を有して
いると言われる皮膚のアニオン性表面に該重合体または
共重合体を塗布し被膜を形成させた際、イオン性の被膜
形成樹脂に比較して皮膚接着力が高いと考えられ、か
つ、水および塩の存在下でもイオンの相互作用によりポ
リマー鎖が伸縮することなく凝集力を維持できるので、
被膜の保形性等の低下がおさえられ、被膜が膨潤崩壊し
脱落してしまうのを防ぐことができ、特にこの事は汗を
かきやすい部位に用いる水虫薬、たむし薬等に有効であ
る。また該重合体または共重合体は窒素および酸素原子
を有しているので形成された被膜の極性が高まり、薬物
の溶解性が向上するため、薬物が結晶として析出するこ
とを防ぐことができ、また皮膚接着性をも向上させるこ
とができる。そのため本発明の被膜形成型外用剤は薬物
の被膜からの放出性および皮膚吸収性にすぐれている。
そのうえ該重合体または共重合体が水溶性であるので被
膜の親水性が向上し、皮膚面に分泌される水分を吸収す
るので、医薬製剤の皮膚密着性を維持し満足する薬理効
果が充分に得られ、また外界の水蒸気との間に平衡状態
が成立し、皮膚のむれ、カブレを防止する。またN−ビ
ニルアセトアミドの皮膚刺激性等の毒性は低い。
【0010】本発明で用いられる、一般式(1)で表わ
されるエチレン性単量体は、ポリマーの柔軟性および/
または増粘性を向上させる目的で添加される。なお、一
般式(1)で表わされる単量体としては、具体的にはメ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)
アクリレート、プロピルエチル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリ
ル酸カリウム等があげられるが、これらの1種または2
種以上を用いることが出来る。
【0011】本発明の被膜形成型外用剤は、形成される
被膜が水溶性で、被膜形成樹脂としての性能を損なわな
い範囲で、N−ビニルアセトアミドおよび一般式(1)
で表わされるエチレン性単量体以外の他の単量体を単量
体全量の0〜50重量%用いることができる。共重合す
ることができる単量体としては、イタコン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、クロトン酸、アクリロニトリル等
の官能性単量体やビニル系単量体があげられるがこの限
りではない。
【0012】また、被膜形成樹脂として同様に他の重合
体を添加することができ、これらは該共重合体と充分に
相溶しうるか、或は白濁しうる程度に相溶しうるものが
好ましい。例えば、これら重合体としてはシリコーンゴ
ム、ポリイソブレンゴン、スチレン−ブロック共重合体
ゴム、アクリルゴム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、天然ゴムのごときゴム系増粘性物質、ポリビニルア
ルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シルビニルポリマー、ビニルピロリドン、ビニルピロリ
ドン酢酸ビニルアルキルアミノアクリル酸共重合体、メ
タカルボキシベタインメタカルボキシエステル共重合
体、スチレンマレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合
体の如きビニル系増粘性物質、デンプン、プルラン、エ
チルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロコシメ
チルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースフタレートメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースの如きセルロー
ス系粘着性物質、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主成分とした(メタ)アクリレート系の増粘性物質、
ポリエチレンオキシド等のポリエーテル系の各増粘性物
質があげられるが、これらは被膜形成型外用剤の親水性
に影響を及ぼさない程度に添加される。
【0013】本発明で用いられる被膜形成樹脂中、N−
ビニルアセトアミドおよび一般式(1)で表わされるエ
チレン性単量体は被膜形成樹脂の水溶性を損なわない程
度に共重合され、その合計は単量体全量の50〜100
重量%であり、好ましくは80〜100重量%である。
50重量%未満であると被膜形成能および親アルコール
性は著しく低下し、べたつき、糸ひき等が生じる。また
その重量比は95:5〜10:90の範囲であることが
好ましく、この範囲を越えると、可塑剤との溶解性、親
アルコール性および耐塩性が著しく低下する。またさら
に望ましくは90:10〜30:70であり、この範囲
でその効果は著しくなる。
【0014】該重合体または共重合体は、所望の単量体
を開始剤を用いて公知の技術で重合または共重合させる
ことによって製造することが出来る。例えば、水溶液重
合、沈澱析出重合、逆相懸濁重合等によって製造され
る。重合が終了すると、粘性液体、寒天状または粉末の
生成物が得られる。ここで得られた重合体または共重合
体は水およびアルコール類に対し、溶解性がきわめて良
好であることがわかり、きわめて優れた被膜形成樹脂が
得られる。とくに親アルコール性であるため水を溶媒と
して用いずに水溶性の被膜を形成できる被膜形成型外用
剤が作製可能であるので、従来の水溶性高分子を用いた
被膜形成型外用剤よりも乾燥性に優れる。また本発明に
より得られる被膜形成型外用剤は、被膜形成樹脂と可塑
剤および/または低沸点溶媒のみの単純な組成で、高い
被膜形成能を有し、きわめて安価に調製でき、しかも形
成された被膜が水溶性であるために水で迅速完全に除去
することが出来る。
【0015】本発明に使用する可塑剤としては多価アル
コール、ポリエーテルポリオール類、ミリスチン酸イソ
プロピル、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、ア
ジピン酸ジイソプロピル、グリセリンモノオレート、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が
あげられるが、このなかで特に多価アルコールが望まし
く、多価アルコールとしては、プロピレングリコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ブチレングリコール(2価アルコー
ル)、グリセリン、トリオキシイソブタン(3価アルコ
ール)、エリトリット、ペンタエリトリット(4価アル
コール)、キシリット、アドニット(5価アルコー
ル)、アロズルシット、ソルビット(6価アルコール)
等があげられるがこの限りではない。多価アルコール類
は薬効成分の皮膚への溶解性や皮膚への保湿性を高める
ことにより、薬効成分の経皮吸収性を高めることが知ら
れている。そのうえプロピレングリコールは防腐作用を
有し、グリセリン、1,3−ブタンジオールはエタノー
ルの皮膚刺激を緩和する作用がある。このことにより、
可塑剤として多価アルコールを用いることにより本発明
の被膜形成型外用剤の組成を単純せしめることが可能で
あるといえる。
【0016】また本被膜形成型外用剤は親アルコール性
でもあるのでエタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類も配合可能である。エタノール、イソプロ
ピルアルコールは皮膚表面の殺菌、消毒作用があり、こ
れらを被膜形成型外用剤中に配合できれば、細菌増殖に
よる皮膚刺激の防止ならびに、傷口の殺菌、消毒に効果
が期待される。さらに親アルコール性、ノニオン性であ
るので、消毒液等のアルコール溶液、塩を含む汗や体液
等をも吸収し、皮膚への付着性が低下する事なく、貼着
性が維持される。
【0017】本発明の被膜形成型外用剤を調製するに
は、被膜形成樹脂またはそれらの水溶液もしくは溶剤溶
液と、所望により可塑剤を水および/または低沸点溶媒
の存在下で混合し、必要があれば加温して溶解させる。
これにより得られた被膜形成型外用剤は刷毛、指先やス
プレー等を用いて皮膚、爪等に塗布し、低沸点溶媒が蒸
発するにともない、すみやかに被膜を形成する。
【0018】上記で使用する低沸点溶媒は低沸点で揮発
性のものであれば特に限定しないが、メタノール、エタ
ノール、ブタノール、イソブタノール、プロパノールな
どのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン類、セロソルブ、ジ
オキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ンのごとき水と混和しうる有機溶剤のほかに酢酸エチル
等の水と混和しない有機溶剤等があげられる。これらの
うち塗布乾燥後臭いの観点よりプロパノールとエタノー
ルが特に好ましい。これらは1種または2種以上を組み
合わせて用いることができ、さらに低級アルコールなど
水と混合可能な溶媒を使用する場合は、必要に応じて精
製水を加えることも可能である。溶媒の配合比は、組成
物の粘度、配合物の溶解性、溶液の保存安定性、乾燥性
等の面から決定する。
【0019】本発明の被膜形成樹脂としての重合体ある
いは共重合体には、その特性をより多く発現させるた
め、あるいは加工・成形性及び品質の向上の目的で、さ
らに経皮吸収用・経粘膜吸収用薬剤として用いる場合に
は、薬剤の分散性と安定性の向上などの目的で、薬剤と
してに許容される物の中から目的に応じて選択し任意に
配合することが出来る。それらには、医薬、安定剤、充
填剤、紫外線吸収剤、香料、着色料、使用感向上剤、防
腐剤、保存剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、界面活性
剤、劣化防止剤等がある。これらは、得られる被膜形成
型外用剤の特性に影響を与えない範囲で任意に加えられ
る。
【0020】薬物の投与用媒介体として本発明による製
剤を用いるためには、薬剤を溶液段階(またはゲル懸濁
段階)で内含させることができる。 このような方法で
投与することの出来る薬剤は多数あり、例えば、サリチ
ル酸グリコール、サリチル酸メチル、ピロキシカム、ト
リアムシノロン、酢酸ヒドロコルチゾン、インドメタシ
ン、ケトプロフェン、イブフェナック、ロキソプロフェ
ン、チアプロフェン、プラノプロフェン、フェンプフェ
ン、ジクロフェナック、フェルピナク、ケトロナック、
ベルモプロフェン、ナプメトン、ナプロキセン、フルル
ビプロフェン、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタ
ゾール等の消炎鎮痛剤、クロトリマゾール、トルナフテ
ート、硝酸エコナゾール、硝酸オモコナゾール、硝酸チ
オコナゾール、硝酸ケトコナゾール、硝酸ミコナゾー
ル、硝酸イソコナゾール、ビロールニトリン、ビマフシ
ン等の抗真菌剤、塩酸テトラサイクリン、クロラムフェ
ニコール等の抗生物質、ジフェンヒドラミン、マレイン
酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、ジエチルア
ミド、カンフル等の制汗剤、ニトログリセリン、硝酸イ
ソソルビド等の狭心症治療薬、リドカイン、ジブカイン
等の局所麻酔薬、ホルモン剤、動物用医薬品、睡眠薬、
抗うつ薬、鎮静剤、循環器系治療薬、脳代謝賦活薬、殺
菌剤、ビタミン剤、酵素製剤、角化症治療剤、抗リュウ
マチ、抗痛風剤、降圧剤及び抗凝固薬等を挙げることが
出来るが、これらに限定されることではなく、これらの
薬物は必要に応じて2種類以上併用することができる。
また、これら薬剤の吸収を促進する補助剤を添加するこ
とが出来、吸収促進剤としては、例えばエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,3−ブ
タンジオール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール#400、グリセリン、クロタミトン、ベンジ
ルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸プロピ
レン、ヘキシルドデカノール、プロパノール、サリチル
酸、尿素、アラントイン、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジイソプロ
ピルアジペート、ジエチルセバケート、エチルラウレー
ト、ラノリン、エイゾンおよび非イオン性界面活性剤の
ごとき物質があり、必要に応じて1種類以上添加するこ
とができる。添加量は被膜形成性および皮膚への貼着力
とのバランスを考慮して決定される。
【0021】また本発明は剥離型アイライナー、パック
にも用いられ、香水、制汗剤等を配合した化粧品も作製
可能である。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の有用性を説明す
るが、本発明がこれによって限定されるものではない。
【0023】実施例1 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計および
窒素導入管を装着し、これにN−ビニルアセトアミド9
5g、アクリル酸ナトリウム5gを740gの脱イオン
水に溶解した水溶液を仕込んだ。窒素ガスを導入して溶
存酸素を追い出したのち30℃に液温を調整し、重合開
始剤として2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン
二塩酸塩の1%水溶液を10g添加し、断熱状態で7時
間重合させた。得られた重合体を細断したものを、アセ
トン溶液にあけ脱水したのち真空乾燥を行い乾燥ポリマ
ーを得た。上記で得られた、N−ビニルアセトアミド共
重合体50gをプロピレングリコール60g、オイドラ
ギッドE100(EUDRAGID−E100 ローム
・ファーマ社)を50g、インドメタシン3gおよび水
20gに加温溶解し、次いでエタノールを適量加え均一
に混合して被膜形成型外用剤を得た。
【0024】実施例2 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計および
窒素導入管を装着し、これにN−ビニルアセトアミド1
0g、アクリル酸90gを740gの脱イオン水に溶解
した水溶液を仕込んだ。窒素ガスを導入して溶存酸素を
追い出したのち30℃に液温を調整し、重合開始剤とし
て2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩
の1%水溶液を10g添加し、断熱状態で7時間重合さ
せた。得られた重合体を細断したものを、アセトン溶液
にあけ脱水したのち真空乾燥を行い乾燥ポリマーを得
た。上記で得られた、N−ビニルアセトアミド共重合体
40gを1,3−ブタンジオール50g、硝酸ミコナゾ
ール1g、酸化亜鉛0.1g、水20gに加温溶解し、
次いでイソプロピルアルコールを適量加え均一に混合し
て被膜形成型外用剤を得た。
【0025】実施例3 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計、窒素
導入管、撹拌棒を取付け水450gを入れ、70℃に昇
温した。次いで撹拌を開始し、重合開始剤である2,
2’−アゾビス−2−アミノジプロパン2塩酸塩80m
gを水中に一括添加して溶解し、N−ビニルアセトアミ
ドを147g、メトキシエチルアクリレートを63g、
水40gからなる混合液を1時間かけて定量的に滴下し
て反応させ、さらに3時間熟成した。この間反応系は7
0℃に保っておいた。この液にポリエチレンオキサイド
を90g、硝酸イソソルビド10g、1,3−ブタンジ
オール10g、水210gを入れ均一に溶解し、被膜形
性型外用剤を得た。
【0026】実施例4 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計、窒素
導入管、撹拌棒を取付け水450gを入れ、70℃に昇
温した。次いで撹拌を開始し、重合開始剤である2,
2’−アゾビス−2−アミノジプロパン2塩酸塩80m
gを水中に一括添加して溶解し、N−ビニルアセトアミ
ドを30g,ヒドロキシエチルメタクリレートを 70
g、水40gからなる混合液を1時間かけて定量的に滴
下して反応させ、さらに3時間熟成した。この間反応系
は70℃に保っておいた。この液にポリエチレンオキサ
イドを70g、香料5g、水210gを入れ均一に溶解
し、被膜形成型外用剤を得た。
【0027】実施例5 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計、窒素
導入管、撹拌棒を取付け水450gを入れ、70℃に昇
温した。次いで撹拌を開始し、重合開始剤である2,
2’−アゾビス−2−アミノジプロパン2塩酸塩80m
gを水中に一括添加して溶解し、N−ビニルアセトアミ
ドを20g、メチルアクリレートを40g、ヒドロキシ
エチルメタクリレート40g、水40gからなる混合液
を1時間かけて定量的に滴下して反応させ、さらに3時
間熟成した。この間反応系は70℃に保っておいた。こ
の液にポリエチレンオキサイドを90g、N−メチルピ
ロリドン50g、ヒドロキシプロピルセルロース20g
および水210gを入れ均一に溶解し被膜形成型外用剤
を得た。
【0028】実施例6 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計、窒素
導入管、撹拌棒を取付け水450gを入れ、70℃に昇
温した。次いで撹拌を開始し、重合開始剤である2,
2’−アゾビス−2−アミノジプロパン2塩酸塩80m
gを水中に一括添加して溶解し、N−ビニルアセトアミ
ドを40g、メチルアクリレートを30g、酢酸ビニル
30g、水40gからなる混合液を1時間かけて定量的
に滴下して反応させ、さらに3時間熟成した。この間反
応系は70℃に保っておいた。この液にポリエチレンオ
キサイドを90g、クロトリマゾール50gおよび水2
10gを入れ均一に溶解し、被膜形成型外用剤を得た。
【0029】比較例1 エチルアルコール98g、ベンジルアルコール2gの混
合液にオイドラギットE100を30g、ポリエチレン
グリコール(#1000)1g、ケトプロフェン3gを
溶解させ被膜形成型外用剤を得た。
【0030】比較例2 イソプロピルアルコール89gにクロトリマゾール1g
を加え溶解し、セバシン酸ジエチル5g、ポリビニルピ
ロリドン5gを加え加温し、溶解し被膜形性型外用剤を
得た。
【0031】比較例3 インドメタシン1.5gをクロタミトン4g、プロピレ
ングリコール6g及びエタノール60gの混合液中に入
れ。60℃まで加温して溶解し、アルコール層とする。
水20gを60℃に加温し、ヒドロキシプロピルセルロ
ース6gを入れ、樹脂を分散し、60℃に保ち水層とす
る。水層へアルコール層を一気にそそぎ込み、よく撹拌
しながら溶解し、全量を水で100gとした後、室温ま
で冷却し、被膜形性型外用剤を得た。
【0032】比較例4 プルラン20gをN−メチルピロリドン100gに10
0℃で溶解したあと、N.O.−ビストリメチルシリル
アセトアミド75gとトルエン100gを加え加熱し、
140℃で5時間撹拌し反応した。冷却後、反応液をト
ルエン800gで希釈し、撹拌後メタノール中に注ぎ、
ポリマーを析出ろ取した。得られたポリマーをさらにト
ルエンに再溶解し、メタノールにより析出を行い、ろ取
する工程を2回行い、60℃にて真空乾燥した。上記で
えられたポリマー5gをオクタメチルシクロテトラシロ
キサン45g、デカメチルシクロペンタシロキサン8g
中に加熱溶解した。この溶液にインドメタシン0.5
g、ミリスチン酸イソプロピル30gおよびデキストリ
ン脂肪酸エステル15gを添加混合し、被膜形成型外用
剤を得た。
【0033】評価試験例 実施例および比較例で得られた各被膜形成型外用剤をア
プリケータを用い、ベークライト板上に厚さ50μmで
塗布した後、被膜形成の状態を観察した。結果を表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】上述の結果より、本発明は次のような効
果を奏することができる。 1)水溶性、被膜形成性および貼着性がいずれも優れて
おり、しかも極めて安価に調製できる。 2)皮膚に貼着させた場合、均一性に優れた被膜を形成
するので外観をそこなわず、また刺激性がなく安全性が
高い。 3)アルコール親和性であるためにアルコール主体の溶
媒で被膜形成型外用剤が作製可能であるため、乾燥性に
優れる。 4)汗、体液による貼着性の低下がなく水により容易に
除去可能である。 5)親水性および親アルコール性の被膜形成型外用剤で
あるため、特に医療用として使用したとき、薬物、吸収
促進剤ともに親和性が高く、またふやけや刺激性および
カブレのない安全性の高い被膜が形成される。
フロントページの続き (72)発明者 大賀 一彦 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭 和電工株式会社化学品研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70,7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニルアセトアミドの単独重合体また
    はこれと共重合可能な単量体との共重合体を被膜形成樹
    脂とし、かつ形成される被膜が水溶性であることを特徴
    とする被膜形成型外用剤。
  2. 【請求項2】被膜形成樹脂が、一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、水素またはメチル基を示し、XはCO
    OM(Mはアルカリ金属)、COOCn2n+1(n=0
    〜8の整数)、COOCn2nOH(n=1〜5の整
    数)、COOCn2nm2m+1(n=1〜3の整数、m
    =1〜4の整数)、OCn2n+1(n=1〜8の整
    数)、OCOCn2n+1(n=1〜3の整数)を示
    す。)で表されるエチレン性単量体1種又は2種以上と
    N−ビニルアセトアミドとの共重合体であって、該エチ
    レン性単量体とN−ビニルアセトアミドの合計が全単量
    体の50%以上を占める共重合体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の被膜形成型外用剤。
  3. 【請求項3】N−ビニルアセトアミドと一般式[1]で
    表されるエチレン性単量体が、重量比95:5〜10:
    90で共重合されていることを特徴とする請求項2に記
    載の被膜形成型外用剤。
  4. 【請求項4】一般式[1]で表されるエチレン性単量体
    が、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩である請求
    項2または3に記載の被膜形成型外用剤。
JP24331993A 1993-09-29 1993-09-29 被膜形成型外用剤 Expired - Fee Related JP3232810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24331993A JP3232810B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 被膜形成型外用剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24331993A JP3232810B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 被膜形成型外用剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0797317A JPH0797317A (ja) 1995-04-11
JP3232810B2 true JP3232810B2 (ja) 2001-11-26

Family

ID=17102070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24331993A Expired - Fee Related JP3232810B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 被膜形成型外用剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3232810B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6838078B2 (en) * 2002-01-16 2005-01-04 3M Innovative Properties Company Film-forming compositions and methods
US7147873B2 (en) 2002-01-16 2006-12-12 3M Innovative Properties Company Antiseptic compositions and methods
WO2008050491A1 (fr) * 2006-10-24 2008-05-02 Japan Health Science Research Center.Ltd. Préparation de film servant à former un film sur la peau
CN113874408B (zh) * 2019-05-20 2023-09-15 株式会社力森诺科 水性涂覆液用组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0797317A (ja) 1995-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3046346B2 (ja) 外用剤基剤又は補助剤とそれを含有する人又は動物の外用剤
JP2014001218A (ja) 薬物の皮膚送達のための接着性外皮形成製剤とそれを使用する方法
JPH02202814A (ja) 口腔粘膜貼付製剤
JP2005503318A (ja) 医薬組成物
JP2010508289A (ja) ケトプロフェン極性誘導体の経皮的送達
JPH03275619A (ja) 外用剤組成物
JP2931607B2 (ja) 局所適用するための液体組成物
JP3232810B2 (ja) 被膜形成型外用剤
JP2008515944A (ja) 歯用自己粘着フィルム
JPH08243377A (ja) アルコール含有ゲル体
KR20110109250A (ko) 수성/비수성 약물전달에 적용 가능한 고분자 혼합물을 이용한 고분자 수성 혼합용액으로 만들어진 필름 형성제 조성물 및 그의 제조방법
JP5175041B2 (ja) 親水性粘着剤、それを用いた親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤
JPS596287B2 (ja) 医薬製剤
JPS6034923B2 (ja) スポンジ状医薬用バンド
JPS597689B2 (ja) 医薬製剤
KR19980076273A (ko) 경피흡수용 필름형성 겔 조성물
JPS597687B2 (ja) 医薬部材
JPH1025243A (ja) 鎮痛消炎外用貼付剤
JPH0339488B2 (ja)
JP2003519641A (ja) 局所的薬用生体接着剤組成物、並びにその使用法および調製法
JPS62263120A (ja) 貼付剤
JPH09110702A (ja) 海洋深層水含有ゲル製剤
JP4350435B2 (ja) 親水性粘着剤組成物
JPS61221121A (ja) テ−プ製剤
JPS63265983A (ja) 親水性粘着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees