JP3232772U - 藻類の養殖システム - Google Patents

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Abstract

【課題】藻類の養殖において藻食魚類による養殖藻類の食害を効果的に防止するシステムを提供する。【解決手段】(a)少なくとも1つの藻類保持部材と、(b)養殖場において水面8又はその近傍に上記少なくとも1つの藻類保持部材が配置されるように該藻類保持部材を支持する支持部材と、(c)上記養殖場において藻食魚類による藻類の食害を防止する食害防止網7と、を備え、上記食害防止網は、上記養殖場において上記少なくとも1つの藻類保持部材を下方から覆うように配置され、上記食害防止網と上記藻類保持部材とは、藻類保持部材で生育する藻類が藻食魚類により食害を受けない程度に離れて配置され、上記食害防止網は、5.5cm〜19cmの網目長の網目から構成される、藻類養殖システム。【選択図】図2

Description

本考案は、藻類の養殖システム及び養殖方法に関する。
藻類を食害する魚類としては、雑食性のクロダイ、藻食性のイスズミ、メジナ、アイゴ等が挙げられる。近年、東京湾をはじめとする海苔の養殖場では、クロダイ、メジナ、アイゴ等の生息数が急激に増加しており、海苔の養殖においてこれら魚類による食害が甚大となっている。
このような魚類による養殖藻類の食害を防止する手段としては、例えば、図7(a)及び(b)に示すような海苔の養殖具(養殖システム)200が知られており、このような養殖具は比較的水深のある瀬戸内海等で主に利用されている。
図1は、本考案の実施形態1の養殖具を上面から見たものであるが、図7(a)及び(b)に示す従来の養殖具200も上面から見た場合には図1に示すような形態となっている。図1に示す養殖具が同従来の養殖具200であると仮定した場合、図1おいて符号Aで示す部分を水中横方向に見た構造が図7(a)に示されており、符号Bで示す部分を水中横方向から見た構造が図7(b)に示されている。
図7(a)及び(b)において、複数の藻類保持部材(海苔網)6は、浮力体2、縄4、並びに海底15に固定されたアンカーロープ3b及び3cに支持されることにより海面8の近傍に位置している。それら藻類保持部材6上で生育する海苔を食害する魚類の侵入を防止するために、縄4から海底15に向けて食害防止網9が吊るされているが、海底15には到達しておらず、海底15付近では養殖具200は開放状態にある。
特開2016−77206
図7(a)及び(b)に示すような藻類養殖システム200においては、該藻類養殖システム200を設置して間もない時期においては、藻食魚類18は、食害防止網9の存在を警戒して、食害防止網9の内側の領域に侵入することもない。したがって、藻類保持部材6上で生育する海苔が食害されることもない。しかしながら、藻類養殖システム200の設置時期から一定期間が経過すると、藻食魚類18は、海底15付近の開放領域から食害防止網9の内側に侵入し、藻類保持部材(海苔網)6に着生する海苔を捕食し得ることを学習する。このような現象により、養殖対象である藻類の食害を効果的に防止できないという問題が生じている。
加えて、そもそも近年、日本沿岸部海域では、上記のような藻類を捕食し得る藻食魚類の中でも、クロダイ、メジナ、アイゴ等の生息数が急激に増加しており、図7に示すような藻類養殖システムでは十分にそれら藻食魚類による食害を防止できないという問題が生じている。
なお、上記のような藻食魚類は、藻類の養殖における食害のみならず、日本沿岸部の藻場に生息する藻類をも食害し、近年では磯焼けと呼ばれるような甚大な被害がでている。このような藻場の食害を回復させる手段として、特許文献1には藻類への栄養供給システムが開示されている。特許文献1には、同システムの一実施形態として、藻類保持部材及び栄養供給体の下部に藻食魚類による藻類の食害を防止するために通水性を有する網を配設する構成が開示されている(同文献図1等)。しかしながら、藻食魚類による藻類の食害を防止するために通水性を有する網を配設することまでは記載されるものの、特許文献1に開示される栄養供給システムは、自然環境としての藻場の食害を回復させる手段として珪酸カルシウム系材料とリンとの反応生成物を含む粉粒状物を利用することに特徴を有するものであり、藻類の養殖において近年急激に生息数が増加した藻食魚類による養殖藻類の食害を効果的に防止し、養殖藻類の生産高を向上させるための具体的な構成ないし手段までは開示も示唆もされていない。
上記課題を解決するために、本考案の第一の態様によれば、以下の藻類養殖システムが提供される。
[1](a)少なくとも1つの藻類保持部材と、
(b)養殖場において水面又はその近傍に上記少なくとも1つの藻類保持部材が配置されるように該藻類保持部材を支持する支持部材と、
(c)上記養殖場において藻食魚類による藻類の食害を防止する食害防止網と、
を備え、
上記食害防止網は、上記養殖場において上記少なくとも1つの藻類保持部材を下方から覆うように配置され、
上記食害防止網と上記藻類保持部材とは、藻類保持部材で生育する藻類が藻食魚類により食害を受けない程度に離れて配置され、
上記食害防止網は、5.5cm〜19cmの網目長の網目から構成される、
藻類養殖システム。
[2]上記食害防止網が、該食害防止網を単独で上記養殖場における水面に浮かべた場合に沈降する性質を有する、[1]に記載の藻類養殖システム。
[3]上記食害防止網が、7cm〜16cmの網目長を有する網目から構成される、[1]又は[2]に記載の藻類養殖システム。
[4]上記食害防止網が、上記養殖場を構成する水の比重よりも大きい比重を有する素材からなる、[1]〜[3]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[5]上記食害防止網が、1.1以上の比重を有する高分子繊維からなる、[1]〜[4]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[6]上記食害防止網が、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、及びフロロカーボン繊維からなる群から選択される少なくとも1つの繊維から構成される、[1]〜[5]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[7]上記食害防止網は、重り又は沈子コードを備えることにより養殖場における水面に浮かべた場合に沈降する性質を有する、[1]〜[6]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[8]上記支持部材から略水底方向に吊り下がる少なくとも1つの補強網を更に備える、[1]から[7]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[9]上記支持部材は、水上の水平方向において複数の養殖区画を形成し、該複数の養殖区画それぞれは略四辺形であり、
上記少なくとも1つの藻類保持部材が少なくとも1つの上記養殖区画内に設置され、
上記少なくとも1つの補強網は2以上の補強網を含み、
該2以上の補強網が、水中において略水流方向に面するように上記支持部材から略水底方向に吊り下がり、かつ上記養殖区画内に位置する少なくとも1つの藻類保持部材に対して略水流方向の上流側に位置するように配置される、[1]から[8]の何れか1つに記載の藻類養殖システム。
[10][1]〜[9]の何れか1つに記載の藻類養殖システムを用いて藻類を養殖することを含む、藻類の生産方法。
[11]上記藻類が海苔類である、[10]に記載の生産方法。
[12][1]〜[9]の何れか1つに記載の藻類養殖システムを用いて藻類を養殖することを含む、藻類の栽培方法。
[13]上記藻類が海苔類である、[12]に記載の栽培方法。
[14]以下の要素を含む、[1]〜[9]の何れか1つに記載の藻類養殖システムの構築に用いるためのキット:
(i)上記食害防止網として機能する網;並びに
(ii)上記藻類養殖システムの構築方法及び/又は上記藻類養殖システムを用いて藻類を生産若しくは栽培する方法を記述した指示書。
なお、本考案の上記各態様においてさらに取り得る実施形態ないし変形例が以下に例示される。
本考案によれば、養殖対象の藻類の生育を阻害することなく、藻食魚類による該藻類の食害を十分に防止することが可能となる。加えて、本考案によれば、特定の網目長を有する食害防止網を採用していることにより、イワシ等の小型魚や比較的大型の藻食魚類を含む魚類が同食害防止網に掛かることが無いか又はそれら魚類が掛かったとしても数も少ないため、食害防止網から魚類を除去する手間を要することもなく、本考案に係る藻類養殖システムは取扱いが容易である。さらに、本考案によれば、以下に述べるとおり所定の食害防止網で藻類保持部材の下部を単に覆う構成を採用していることから、当該藻類養殖システムの構築、メンテナンス、分解等の作業も容易である点でも、本考案に係る藻類養殖システムは取扱性に優れる。さらに加えて、本考案の幾つかの実施形態による藻類養殖システムにおいては、食害防止網は沈降する性質を有するものであるから、天候不順、水流、潮流の急激な変化等により養殖場の水環境が乱れた場合(例えば、強風や強雨、早い潮流等による悪化)であっても、食害防止網が藻類養殖システムから離脱してしまうこともない。したがって、本考案に係る藻類養殖システムは、強固であり耐久性にも優れる。
本考案の実施形態1に係る藻類養殖システムを上面から見た模式図である。 図2(a)は、図1におけるAの部分を側面から示す模式図である。図2(b)は、図1におけるBの部分を側面から示す模式図である。 本考案の実施形態1に係る変形例を説明する模式図である。 本考案の実施形態2に係る藻類養殖システムを上面から見た模式図である。 図5(a)は、図4におけるAの部分を側面から示す模式図である。図5(b)は、図4におけるBの部分を側面から示す模式図である。 本考案における網目長を説明するための図である。 従来の藻類養殖システムを示す模式図である。
<用語の説明>
本考案において「養殖場」とは、本考案に係る藻類養殖システムを設置し、該藻類養殖システムを用いて藻類を養殖する場所である。言うまでもないが、本考案における養殖場は、藻類が生育し得る水環境を有する。本考案における養殖場としては、例えば自然界に存在する水環境(河川、湖、沼、海等)を利用したものが挙げられる。藻類を食害する魚類が生息する水環境において、本考案に係る藻類養殖システムを利用して藻類を養殖すると、魚類による食害を軽減ないし防止することが可能となる。
本考案において「水面又はその近傍」とは、上記養殖場の水環境において水面を基準とした位置を意味し、具体的には、本考案に係る藻類養殖システムが養殖場に配設された場合に上記水環境において藻類保持部材が配置される位置を指す。藻類保持部材が配置される更に具体的な位置としては、水面を基準に、養殖対象の藻類に好適な位置、作業が容易となる位置等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されるものでもない。例えば、藻類であることから、藻類保持部材は一定時間水中に存在している必要があるが、潮位の変化等に起因して水面レベルが変化する等の理由により水面よりも上に藻類保持部材が位置してもよい。海苔類の養殖について言うと、あえて藻類保持部材となる海苔養殖用網が、潮の干満により、海中に浸っている時間と海上に露出している時間とができた方が好ましいとされている。海中に浸っている間には栄養分を十分に吸収し、海上に露出している間に海苔に日光を十分に当て光合成を促し、茜色の濃さが増した品質良い海苔を生産することができる。また、ケイ藻類などの競合生物の付着を防ぐ効果もあるとされる。このような効果を狙って、藻類保持部材が、潮の干満により、海中に浸っている時間と海上に露出している時間とができるような水面又はその近傍の位置に配置されるように、支持体に対して該藻類保持部材を固定することができる。本考案において「水面又はその近傍」としては、例えば、水面レベルから±1.5m、±1m、±50cm、±30cm、±20cm等の範囲が挙げられる。
本考案において「藻類」とは、養殖の対象となる「藻類」を指し、その種類は特に限定されるものではない。本考案における藻類は、淡水藻類であってもよく、海産藻類であってもよい。一般的には、より魚類による食害が顕著となるのは海産藻類であることから、本考案において藻類は、好ましくは海産藻類である。海産藻類としては、例えば、ワカメ、海苔類(黒海苔、青海苔等)、昆布、ヒジキ、カジメ、モズク、テングサ等が挙げられる。
本考案において「藻食魚類」とは、藻類を捕食し得る魚類を意味し、特に限定されるものではない。養殖の対象となる藻類が海産藻類である場合、これを食害する魚類の例としては、クロダイ、イスズミ、メジナ、アイゴ、ブダイ、ニザダイ、ウマヅラハギ、カワハギ等が挙げられる。特に海苔類の養殖において、これら魚類の食害は近年顕著となっている。なお、本考案において「藻食魚類」は、通常は藻類を好んで捕食する藻食性魚類(例えば、イスズミ、メジナ、アイゴ、ブダイ、ニザダイ、ウマヅラハギ、カワハギ)のみならず、イソメ類やゴカイ類、甲殻類、貝類、小魚等の動物性を好んで捕食するものでも、藻類も捕食し得る魚類(例えば、クロダイ等の雑食性魚類)も含む概念である。
本考案において「藻類養殖システム」という用語は、必要となる構成部材又は要素を養殖場において組み立てて構築ないし製造した藻類養殖具ないし藻類養殖装置のみならず、養殖場に設置される以前にそれら構成部材又は要素を組み立てて構築ないし製造した藻類養殖具ないし藻類養殖装置をも含む概念である。
本考案において「藻類養殖システムの構築に用いるためのキット」という用語は、上記藻類養殖システムの構築に必要となる構成要素や部材、材料等の組合せを意味する。該組合せに含まれる構成要素等のうちの2以上が、当該キットにおいて上記藻類養殖システムを構成し得るように連結されていてもよいが、連結されている必要はなく、上記藻類養殖システムを構築する際に連結すればよい。
<藻類養殖システム>
以下、本考案の藻類養殖システムに関し、図面を参照することにより実施形態1及び2を示す。なお、以下に示す実施形態は本考案を好適に説明するための例示に過ぎず、何ら本考案を限定するものではない。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る藻類養殖システム10を模式的に示す上面図である。さらに、図2(a)は、図1におけるAの部分を横方向から見た図であり、図2(b)は、図1におけるBの部分を横方向から見た図である。なお、図1並びに図2(a)及び(b)は、養殖場に配設した状態の藻類養殖システムを示している。本実施形態による藻類養殖システム10は、いわゆる浮き流し式と呼ばれる藻類養殖システムである。以下、その構成を説明する。
本実施形態においては、図1並びに図2(a)及び(b)に示すとおり、養殖場において後述の藻類保持部材6が水面8又はその近傍に配置されるように、該藻類保持部材6を支持する支持部材が設けられている。すなわち、この支持部材は、3本の縄4aと、7本の縄4bと、所定の数の浮力体2と、アンカーロープ3a、3b、3cとで構成されている。すなわち、横方向に略平行に配置した3本の縄4aと、縦方向に略平行に配置した7本の縄4bとが交差及び連結されることにより、合計12の養殖区画12が構成されている。
養殖区画12のそれぞれには、藻類保持部材6a、6b、6c、6d、6e、6fが縦方向に平行に配置されている。藻類保持部材6a、6b、6c、6d、6e、6fの材質や形状は、養殖の対象とする藻類が保持され、生育できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、海苔類の養殖であれば、海苔養殖用の網(いわゆる海苔網)が市販されているので、それらを適宜用いることができる。
上記支持部材には、各養殖区画12の外側の位置に構成要素として浮力体2が設けられていることから、各養殖区画12において藻類保持部材6a、6b、6c、6d、6e、6fは養殖場において水面8又はその近傍に位置するように設けられる。浮力体2としては、特に限定されるものでもないが、例えば、漁業用のブイが市販されていることから、それら市販のブイを用いることができる。
各養殖区画12の外側には、上記支持部材の構成要素として、横方向に配置された縄4aの延線上にアンカーロープ3aがさらに設けられており、縦方向に配置された縄3bの延線上にアンカーロープ3bが設けられている。各延線上にある縄4a及び4bとアンカーロープ3a及び3bとは、同一の縄又はひもで構成してもよいし、又はそれぞれ別のものを連結することで構成してもよい。アンカーロープ3a及び3bは、水中に斜め方向に延びており(図2(b)の符号3bを参照。)、それらの先端が水底15に固定される(不図示)。
さらに、各縄4aと各縄4bとの交点であり、浮力体2が配置される位置においては、それら交点から水底15に向けて配設されるアンカーロープ3cが垂直に伸びている。アンカーロープ3cの先端は水底15に固定される。
アンカーロープ3a、3b、3cの水底15への固定様式は特に限定されるものでもないが、例えばこれらアンカーロープの先端に鉄管等を連結し、それら鉄管を水底15へ打ち込むことで固定することができる。
さらに、図2(a)及び(b)に示すとおり、各養殖区画12には、藻類保持部材6a、6b、6c、6d、6e、6f上で生育する藻類の魚類による食害を防止する食害防止網7が1つ、藻類保持部材6a、6b、6c、6d、6e、6fを下方から覆うように配置されている。本考案においては、このような食害防止網を設けることにより、養殖場に生息する藻食魚類による養殖藻類の食害を防止する。
本考案における食害防止網は、5.5〜19cmの網目長の網目から構成されるものであることを必須とする。さらに、本考案における食害防止網は、これを単独で養殖場における水面に浮かべた場合に沈降する性質を有することが好ましい。
本考案における食害防止網が、養殖場における水面に浮かべた場合に沈降する性質を有するものであると、天候不順等により水環境が乱れた場合であっても該食害防止網が藻類保持部材と非接触状態となることを保つことができ、藻類保持部材上で生育する藻類を傷つけることもない。さらに、該食害防止網が藻類保持部材と一定距離を保って配置される。このことにより、網が元来有する通水性を最大限発揮し、養殖場において藻類の生育に有益に働く水流や潮流を阻害することもなく、藻類の生育を阻害することもない。
本考案にいて上記性質を有する食害防止網としては、網の素材の比重が小さすぎて網のみでは水面に浮いてしまうようなものは、該網に重り又は沈子コードを連結したものを利用してもよいし、又は養殖場を構成する構成水の比重よりも大きい比重を有する素材で構成した網を利用してもよい。網に重り又は沈子コードを連結する手間を考えると、後者の網を利用するのが好都合と言えるが、特に後者に限定されるものではない。具体的な網の素材は特に限定されるものでもないが、例えば、麻などの天然繊維、後述の合成繊維が挙げられる。
養殖場を構成する構成水の比重よりも大きい比重を有する素材で構成した網を利用する場合、具体的に養殖場が海である場合、海水の比重は1.020〜1.024程度であることから、これを目安に網の素材に注目して本考案における食害防止網として機能し得る網を適宜選択できる。具体的な素材について言うと、例えば、ナイロン繊維(例えば、ナイロン6、66、12等、好ましくはナイロン66等の高比重ナイロン)、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、及びフロロカーボンからなる群から選択される少なくとも1つの繊維から構成される網が挙げられる。比重についていうと、本考案における食害防止網として好適に機能し得る網としては、高比重の繊維からなる網であり、好ましくは1.024より大きい比重を有する高分子繊維からなる網である。さらに、当該比重は、より好ましくは1.026より大きく、さらに好ましくは1.1以上、1.2以上、1.3以上、例えば1.4以上、1.5以上である。比重の上限は特に限定されるものではないが、2.60以下、2.50以下、範囲としては例えば1.10〜2.60、1.10〜2.50が挙げられる。
上記のような高比重の高分子繊維としては、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、及びフロロカーボン繊維が例として挙げられる。さらに、繊維高分子自体の比重は比較的小さいもの(例えば、低比重ナイロン等)であっても、グラスファイバー、グラファイト、シリカ等を複合した高比重複合繊維からなる網も好ましく利用できる。高比重であり、かつコスト安である点では、ポリエステル繊維から構成された網が好ましい。より具体的には、本考案における食害防止網としては、市販されている各種ネット資材、漁網等の中から所定の比重の条件を満たすものを適宜選択することができる。
上述のとおり、食害防止網は、5.5〜19cmの網目長の網目から構成されるものである。本考案において、網目長とは、図6に示すように網目7aを横方向に引き延ばした場合(図6においては矢印の方向)に網目7aを構成する繊維が直線状となった状態の長さ(図6における長さd)を指す。なお、例えば市販されている漁網等では網目は略菱形形状で同じ網目長で形成されているが、そのような略菱形形状に限定されるものでもなく、所定の網目長の条件を満たす限り、略円形、略楕円形等の形状であってもよいし、異なる形状や大きさの網目が組み合わされたものであってもよい。略円形、略楕円形等の網目の場合も、図6のように引き延ばして直線状とした状態での1つの網目の長さを網目長とする。
上述のように、本考案における食害防止網は、5.5〜19cmの網目長の網目から構成されることにより、藻食魚類による藻類の食害を効果的に防止できると同時に、該藻食魚類や他の小型の魚類が該網に掛かってしまうことを軽減ないし防止することもできる。魚類が網に掛かってしまい、これを除去しないと死骸が腐敗し、養殖藻類の生育を阻害してしまう。さらに、網に掛かってしまう魚類を網から除去する作業には、多大な労力及び時間が必要となり、効率的な養殖ができなくなる。つまり、本考案による藻類養殖システムによれば、メンテナンス等に無駄な労力を要することなく、藻食魚類による藻類の食害を効果的に防止することにより、高い生産量で藻類を生産することが可能となる。
本考案において、上記網目長は、好ましくは7〜16cm程度、より好ましくは8〜16cm程度、更により好ましくは9cm〜15.5cmである。特に限定されるものでもないが、このような網目長の範囲にある菱形の網目を有する漁業用の網を利用することが可能であり、このような菱形の網目を有する網の網目長は、一般的には、例えば、約6cm(2寸)、約10cm(3寸3部)、約12cm(4寸)、15cm(約5寸)、18cm(約6cm)等が挙げられる。このような網目長を有する網目から構成される網を本考案における食害防止網として用いると、藻食魚類による藻類の食害を効果的に防止できると同時に、該藻食魚類や他の小型の魚類が該網に掛かってしまうことを、更に効果的に軽減ないし防止することができる。
(実施形態1の変形例)
次に、浮き流し式と呼ばれる藻類養殖システムに係る実施形態1において採用され得る変形例を示す。
図3は、図2(a)と同様に図1におけるAの部分を側面から視た図である。本変形例では、上記2つの養殖区画12を有する1列が横方向に12列配列された藻類養殖場システムにおいて、図3に示されるとおり各養殖区分の縦方向境界を構成する持部材(アンカーロープ3a、3b、3c)に、補強網17が海底方向に向けて吊り下されれた構成を採用する。
ここで、補強網17の素材は、特に限定されるものでもないが、食害防止網7と同様のものを使用でき、例えば、ナイロンやポリエステル等の樹脂製のものが挙げられる。更に、その網目長も、食害防止網7と同様に設定することができる。
さらに、補強網17の海底側には沈子コードを連結させることにより、持部材(アンカーロープ3a、3b、3c)から補強網17が海底方向に向けて吊り下がる構成とすることができる。
さらに加えて、補強網17は、食害防止網7による食害防止効果を補強する意義を有するが、図3に示す通り補強網17の網目面が水流(潮流)Tに略対向するような方向となるように配置することが好ましい。このような構成の藻類養殖システムによれば、以下の実施例に示されるとおり、補強網17の存在により、速い潮流等の水流が発生した場合であっても水流の勢いが弱められ、食害防止網7が上記養殖区域12の境界付近で受ける力が弱められることから、食害防止網7が海苔網に接近することもなく、より効果的に藻食魚類による食害を防止でき、海苔の生産量が向上させることができる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る藻類養殖システム100の構成について説明する。
図4は、実施形態2に係る藻類養殖システム100を模式的に示す上面図である。さらに、図5(a)は、図4におけるCの部分を横方向から見た図であり、図5(b)は、図5におけるDの部分を横方向から見た図である。なお、図4並びに図5(a)及び(b)は、養殖場に配設した状態の藻類養殖システムを示している。本実施形態による藻類養殖システム100は、いわゆる支柱式と呼ばれる藻類養殖システムである。以下、その構成を説明する。
実施形態2においては、図4及び5に示すとおり横方向に8本の支柱11を略等間隔で水底15に打ち込んで立てることにより1列とし、これを平行に5列設けている。隣接する列の支柱11の間に横方向に藻類保持部材6が配置され、合計で4つの藻類保持部材6が並列されている。図5(a)及び(b)に示す通り、支柱11は、上部が水上に露出しており、藻類保持部材6は、両側の支柱11に結束縄13により固定されることで、養殖場の水面8又はその近傍に位置するように配置されている。実施形態2においては、藻類保持部材6は、実施形態1と同様に具体的には藻類養殖用網(例えば、海苔養殖用網)である。養殖場においては、該藻類保持部材6が水面8又はその近傍に配置されるように該藻類保持部材6を支持する支持部材として、支柱11及び結束縄13が設けられている。
さらに、図5(a)及び(b)に示す通り、各列の藻類保持部材6には食害防止網7が、該藻類保持部材6を下方から覆うように配置されている。食害防止網7は、具体的には実施形態1と同様の網である。食害防止網7となる網も、藻類保持部材6と同様に縄やロープ等で支柱に固定することで所定位置に配置することができる。
実施形態2の構成、構成部材、構成部材の形状や性質等のその他条件は、特に矛盾が生じない限り実施形態1に記載したとおりのものを採用することができる。
実施形態2においても、上述の構成により食害防止網7を備えることで実施形態1について記載した利点及び効果を奏する。
なお、本考案に係る藻類養殖システムにおいて、上記食害防止網と、これを下から覆う藻類保持部材とは、藻類保持部材で生育する藻類が藻食魚類により食害を受けない程度で離れて配置される限り、藻類保持部材と食害防止網との距離は、特に限定されるものではない。目安としては深さ方向において少なくとも約30cm以上、好ましくは少なくとも約50cm以上である。さらに、平面形状等の網を食害防止網として利用することにより、藻類保持部材を下方から覆う食害防止網が水中でたわんだ状態にある場合は、食害防止網が下方に最もたわむ最深部において当該食害防止網と藻類保持部材との距離は、例えば約1.2m以上、好ましくは約1.3m以上、より好ましくは約1.4m以上、更により好ましくは1.5以上、最も好ましくは約2m以上となるように調整してもよい。この場合において、該最深部における当該食害防止網と藻類保持部材との距離の上限は、特に限定されるものでもないが、過度にたわんだ状態にあると潮流の影響や悪天時の波や風の影響を受け、場合によっては各部材や養殖システムの破損、強いては藻類保持部材上で生育する藻類にダメージを与えることもあるから、一般的には5m以下、好ましくは4m以下、より好ましくは3.5m以下となるような構成を採用することができる。
<藻類を生産する方法>
本考案による藻類を生産する方法(以下、本考案の生産方法)は、本考案の藻類養殖システムを用いて藻類を養殖することを含む。本考案の藻類養殖システムの実施形態や変形例については上記に示した通りである。
以下、本考案の生産方法が含み得る具体的な工程について説明する。
(i)本考案に係る藻類養殖システムを提供すること。
本考案の生産方法は、養殖場において本考案に係る藻類養殖システムを提供することを含む。この工程においては、特に不可能なものでないかぎり地上において構成要素となる部材を予め組み立てておいて、その組み立てた部材を養殖場に運搬し、その他必要となる部材を組み合せて、本考案に係る藻類養殖システムを養殖場に提供することでもよい。あるいは、構成要素をそれぞれ個別に養殖場に運搬し、養殖場においてそれら構成要素を組立てることにより本考案に係る藻類養殖システムを完成させてもよい。特に、その組み立て手順は限定されるものでもない。
例えば、実施形態1の藻類養殖システムについては、地上でアンカーロープ3a、3b、3c、縄4a、4b、浮力体2、並びに食害防止網7を予め連結しておき、これを養殖場に運搬し、図1及び2に示すような形態となるよう、アンカーロープ3a、3b、3cを水底15に固定してもよい。あるいは、アンカーロープ3a、3b、3c、縄4a、4b、浮力体2、並びに食害防止網7をそれぞれ個別に養殖場に運搬し、それら部材を図1所定の配置で設置及び固定してもよい。
その後、例えば藻類を播種した藻類保持部材6(例えば、海苔の胞子を藻類養殖用網に播種し、育苗等して得た種網)を図1に示す形態で縄4a、4bに固定することで本考案の藻類養殖システムとすることができ、目的とする藻類を養殖することができる。なお付け加えると、予め本考案に係る藻類養殖システムを養殖場に構築し、藻類保持部材6に藻類の胞子等を播種するか又は藻類を受け付けることでもよいので、本工程で提供される藻類養殖システムにおいては、その提供の時点において藻類保持部材6に藻類の藻体が存在している必要はない。
実施形態2の藻類養殖システムについては、例えば、図4に示す配置で支柱11を養殖場に立て、次いで食害防止網7を支柱に固定すればよい。その後、藻類を播種した藻類保持部材6(例えば、海苔の胞子を播種した種網)を図4に示す形態で縄4に固定することで本考案の藻類養殖システムとすることができ、目的とする藻類を養殖することができる。
(ii)養殖目的の藻類を発育させること。
本考案の生産方法は、言うまでもないが、藻類保持部材上で藻類の各種胞子、糸状体、苗等の藻体を生育させることを含む。基本的に、この工程は、養殖場や水槽内の水環境に依存して藻類を発育させるものであり、目的とする大きさや生育段階に達するまで一定期間、本考案の藻類養殖システムの構成を維持しつつ、水環境に藻類保持部材を放置すればよい。本工程においては、定期的に藻類の生育状況を監視し、例えば病害が発生した際には必要な措置を講じることもできる。なお、養殖目的の藻類を発育させることは、必ずしも、目的藻類のライフサイクル(生活史)の全てに渡り本考案の藻類養殖システムを用いて養殖目的の藻類を発育させる必要はなく、以下に示す実施例からも把握されるとおり、養殖目的の藻類のライフサイクルの一部の期間のみ考案の藻類養殖システムを用いて養殖することも含む。藻類を食害する藻食魚類が存在し得る水環境で養殖目的の藻類を発育等させる際に、藻類養殖システムを用いれば所定の効果が得られるからである。
(iii)発育させた藻類を収穫(摘採)すること。
養殖場において藻類が所定の大きさに発育したら、該藻類を収穫する。
収穫方法は、特に限定されるものでもないが、例えば黒海苔の養殖であれば、適採船やポンプなどを用いた収穫方法が確立されていることから、それらの収穫方法を適宜利用することができる。また、比較的大型の藻類であれば、例えば藻類保持部材を藻類養殖システムから取り出し、発育させた藻類を刈り取ることで収穫することもできる。
(iv)本考案の生産方法は、さらに、収穫した藻類を洗浄し、乾燥し、加工し、梱包し、及び/又は出荷すること等の任意の工程を含み得る。加えて、本考案の生産方法は、養殖の対象となる藻類の胞子や糸状体、苗等を生産し、及び/又は生産した藻類の胞子や糸状体、苗等を藻類保持部材に播種ないし植え付けることも含み得る。例えば黒海苔の生産(養殖)について言うと、本考案の生産方法は、牡蠣殻に果胞子をまきつけ糸状体を培養すること、培養した糸状体から放出される殻胞子を海苔網に播種する採苗して種網を調製すること、養殖場等において該種網を育苗すること等の任意の工程も含み得る。
<藻類の栽培方法>
本考案による藻類の栽培方法(以下、本考案による栽培方法)は、具体的には本考案の生産方法について記載した上記(i)及び(ii)の工程を含み、発育させた藻類を収穫することは必須の工程ではない。
本考案による栽培方法は、例えば、特定の藻類の養殖方法の開発・改良目的、特定水域における水質環境の調査及び評価、学術的なリサーチ目的等に利用できる。
なお、本考案の生産方法及び栽培方法における方法における各工程の順序は、特に矛盾が生じることもなく、技術的に不可能なものでもない限り、同時に実行されてもよく又は順次に実行されてもよい。
<キット>
本考案によるキットは、以下の要素を含み、本考案に係る藻類養殖システムの構築用キットである。
(i)食害防止網として機能する網;並びに
(ii)藻類養殖システムの構築方法及び/又は上記藻類養殖システムを用いて藻類を生産若しくは栽培する方法を記述した指示書。
食害防止網として機能する網については、本考案に係る藻類養殖システムにおいて説明したとおりである。
藻類養殖システムの構築方法及び/又は上記藻類養殖システムを用いて藻類を養殖する方法を記述した指示書は、本考案に係る藻類養殖システムの構築のために用いられ得る部品や部材(食害防止網として機能する網)、本考案に係る藻類養殖システの構築手順、及び/又は本考案における藻類を生産する方法若しくは藻類を栽培する方法に関する記述や図面を含み得る。該指示書は、紙媒体で提供されてもよく、記憶媒体に保存された電子データとして提供されてもよく、インターネット等の通信回線を通じてダウンロード可能なものとして提供されてもよく、又はディスプレイに表示さることで提供されるものであってもよい。
本考案に係るキットは、上記構成要素(i)及び(ii)に加えて、本考案に係る藻類養殖システムにおける別の構成要素(上述)、さらに本考案に係る藻類養殖システムの構築に好都合な構成部材や材料を任意に含む。例えば、特に海苔類の養殖に用いられる藻類養殖システムの提供を目的とした場合、キットは、藻類保持部材として海苔網、上記支持部材として縄及び浮力体等を含み得る。
本考案者は、2016年11月から2017年3月中旬にかけて、千葉県富津市下洲漁港沖の海苔の養殖場において、以下の比較例及び実施例に示す層類養殖システムを用いた黒海苔の養殖を実施した。なお、実施例1については、2016年12月下旬に藻類養殖システムを養殖場に構築し、2016年1月に同養殖システムを用いて黒海苔の養殖を行った。さらに、実施例2〜4は、2017年1月以降、順に実施した。さらに加えて、実施例5〜14については、2017年11月から2018年4月にかけて所定の海苔養殖システムを構築して黒海苔の養殖を行った。
(共通の条件)
各実施例及び各比較例ともに、以下に特に示す条件を除き、千葉県漁業協同組合連合会が定めた黒海苔の養殖に関する規格に従い養殖を行った。つまり、特に断わりのない事項については、一般的な海苔の養殖法に基づいて実施したものであり、実施例及び比較例で収穫した海苔は板海苔に加工し、出荷もしていた。
海苔の養殖法について端的に説明すると、まず、2〜3月頃に牡蠣殻に果胞子をまきつけ糸状体の培養を行った。9月中旬頃に、上記培養した糸状体から放出される殻胞子を海苔網に播種する工程、即ち採苗を行い、種網を調製した。調製した種網は、育苗工程まで−30℃のフリーザーで保存した。その後、10月上旬から中旬にかけて、水温が下がり適温となった養殖場において、上記種網を育苗した。育苗した種網を、各実施例及び各比較例に係る藻類養殖システムを用いた養殖に供試した。
各比較例及び各実施例において使用した海苔網(本考案における藻類保持部材に相当)の素材、寸法(横1.2m×縦18m)、網目形状(菱形)及び網目長は同一であり、同海苔網を用いて同じ条件で調製した種網(胞子を播種及び育苗したもの)を各藻類養殖システムに作付けした。
より具体的に、千葉県富津市下洲漁港沖の海苔の養殖場では、上記海苔養殖シーズンに、一つの藻類養殖システム(海苔養殖システム)には縦方向に1列2つの養殖区画が設けられており、これが12列横方向に配列されたものであった。本養殖場においては、この藻類養殖システム7つ設けられていた。図1を参照して説明すると、図1の藻類養殖システムでは、縦方向の1列に2つの養殖区画12が設け有れており、その1列の養殖区画12が横方向に6列、配列されたものであるが、実施例及び比較例のそれぞれに係る藻類養殖システムにおいては、横方向に6列ではなく、12列配列されたものである。なお、1つの養殖区画は縦幅を25m、横幅を12mとした。これら養殖区画は、具体的には乳子縄と呼ばれる浮力体を有するロープで構成したものである。
上記7つの藻類養殖システムの養殖区画は、本考案者が所属する漁業組合で共同で用いたものであるが、本考案者は、そのうち、縦方向の1列分の養殖区画を合計で23列分を割り当てられ、以下の実施例及び比較例に係る養殖試験を実施した。
すなわち、これら23列分の区画をそれぞれ、以下に詳述のとおり各実施例及び各比較例に係る藻類養殖システムの構成を採用して海苔の養殖を行った。なお、1つの区画には6つの海苔網(種網)を作付可能であり、つまり12網/列×23列=276種網が常時作付けされていたことになる。
最初に種網を作付け後、黒海苔が20〜30cm程度に伸びたら、7cm程度残して刈り取り、さらに5〜7日の間隔を空け20〜30cm程度に伸びたら2回目の刈り取りを行った。同一の海苔網について、この刈り取り作業を合計で5〜7回行い黒海苔を収穫した。なお、1日当たり48〜60枚程の海苔網から黒海苔を収穫した。1日に刈り取る海苔網の数が異なってくる理由は、海苔の生育状況等が各収穫時でどうしても異なってくることにあり、一定程度以上海苔の収穫量を確保すべく収穫対象とした海苔網の数が日によって異なってくることによる。
実施例及び比較例において、各収穫日において収穫した生海苔から最終的に加工して得られた板海苔の数を、その生海苔を収穫した海苔網の数で除して求められる海苔網1枚当たりの板海苔生産量を算出し、実施例及び比較例について該生産量を比較することで食害防止効果等を評価した。なお、言うまでもなく、各実施例及び比較例において、板海苔は、同一の条件で同一の寸法(市場に流通している一般的な寸法)で加工した。
<本考案及び従来技術の比較>
以下、実施例1〜4及び比較例1及び2のそれぞれにおいて用いた藻類養殖システムの構成等について詳述する。
[実施例1]
概略、図1並びに図2(a)及び(b)に示す実施形態1に係る藻類養殖システム10の構成を模して本実施例に係る藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。実施形態1と異なる点は横方向の養殖区画の列の数である(以下、実施例2〜4並びに比較例1及び2について同様)。本実施例においては食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)を用いた。加えて、同漁網の素材であるナイロン繊維の比重は1.14であった。なお、食害防止網7は、食害防止網7を各養殖区画に設置した場合に、図2(a)及び(b)に示されるとおり食害防止網7の中央付近が水中下方にたわむような構成となる寸法のものを選択したことを付け加える。この事は、実施例2〜4において同じである。
[実施例2]
実施例1と同様、概略、図1並びに図2(a)及び(b)に示す実施形態1に係る藻類養殖システム10の構成を模して本実施例に係る藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。但し、実施例1で食害防止網7としてナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)を用いたのに対し、本実施例ではポリエステル製網(網目長3.3寸;約10cm)を食害防止網7として用いた。なお、同網の素材であるポリエステル繊維の比重は1.38であった。
[実施例3]
実施例1と同様、概略、図1並びに図2(a)及び(b)に示す実施形態1に係る藻類養殖システム10の構成を模して本実施例に係る藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。但し、本実施例では、ナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の短手方向中央に長手方向に沿って沈子コードを配置、連結したものを食害防止網7として用いた。
[実施例4]
実施例1と同様、概略、図1並びに図2(a)及び(b)に示す実施形態1に係る藻類養殖システム10の構成を模して本実施例に係る藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。但し、本実施例では、ナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の短手方向の両側から内側1.5mの位置に長手方向に沿って沈子コード2つを配置、連結したものを食害防止網7として用いた。
[比較例1]
食害防止網7に相当する部材が設けられていないこと以外は、実施例1と同じ構造の藻類養殖システムを用いて黒海苔の養殖を行った。
[比較例2]
概略、図7(a)及び(b)に示す藻類養殖システム200の構成を模して本比較例に係る藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。つまり、同藻類養殖システムにおいては、海底15に向けて垂直方向に延びる食害防止網9が設けられているが、食害防止網9は海底15には到達していない。食害防止網9としては、市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)を用い、素材となるナイロン繊維の比重は1.14であった。加えて、食害防止網9の下部には重り11を連結した。
<実施例1から4/比較例1及び2の結果>
以下の表1に、実施例1から4並びに比較例1及び2に係る藻類養殖システムにおける食害防止網の有無、及び同食害防止網に関する各種条件、並びに海苔網1つ当たりの板海苔生産量を示す。
Figure 0003232772
まず、何ら食害防止網に相当する部材が設けられていない比較例1については、種網(海苔網)を作付け後5〜7日経過した時点で目視により同種網を確認したところ、殆ど生育した海苔が確認できず、作付け時よりも海苔が短くなったり、あるいは無くなっているものもあった。すなわち、実際上、何れの種網も海苔を収穫できる状態ではなかった。そのため、表1に示すとおり比較例1の生産量は0であった。
次に、図7に示す従来型の藻類養殖システムを模した比較例2については、藻食魚類による養殖藻類の食害を防止する手段が備えられたため、海苔の収穫が可能となり、海苔網1枚あたり200〜300枚の生産量が確保できたものの、藻食魚類による食害の無い通常時の収穫量と比較すると、生産量はかなり低いものであった。なお、比較例2の藻類養殖システムを構築し、海苔の養殖を開始した当初は、生産量も比較的高いものであったが、養殖開始後、日数がたつにつれ生産量が減少する傾向が見られた。これは、当初は藻食魚類が食害防止網の存在を警戒して藻類養殖システムの内部に侵入することもなかったが、時間の経過とともに藻食魚類が藻類養殖システムの下部から海苔網の真下に侵入可能であることを学習したために、時期が遅れて藻食魚類による食害が発生したものと推測された。
一方、本考案の構成を採用した実施例1においては、食害防止網として比較的比重の小さいナイロン製の漁網を用いたものの、生産量は400〜500枚と格段に回復した。実施例1に係る藻類養殖システムについては、強風が吹き荒れて海況が悪化した際に食害防止網が浮いてしまい、一部の藻類養殖システムが壊れてしまったという不具合が見られたものの、その生産量は実践的にも十分なものであった。
さらに、実施例1の藻類養殖システムにおける食害防止網よりも、より水中に沈降するような性質とした食害防止網を採用した実施例2〜4については、比較例に比して、海苔網1枚当たり500〜600枚という極めて高い生産量を確保することができた。加えて、実施例2〜4については、強風が吹き荒れて海況が悪化した際であっても、食害防止網が浮くことも無く、藻類養殖システムが破壊されると言うような不具合も生じなかった。
とりわけ、実施例2については、食害防止網に比較的高比重のポリエステル製の網を採用したことにより、実施例3及び4で採用したような沈氏コードを設けることなく、簡易な構成により、海苔網1枚当たり500〜600枚という極めて高い生産量を確保することができた。
以上のとおり、本考案に係る藻類養殖システム及びそれを用いた藻類の養殖方法(生産方法及び栽培方法)によれば、藻食魚類による藻類の食害を高いレベルで防止でき、極めて高い生産量を確保できることが実証された。
<海中における食害防止網のたわみの程度>
次に、食害防止網7の寸法を変更して海中でのたわみ具合を変化させた例を示す。
[実施例5]
本実施例においては、実施例1で食害防止網7として用いた市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の寸法を、縦幅(図1の縦方向)を網目換算で250目、横幅(図1の横方向)を網目換算で150目に変更したこと以外は、同様に藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
なお、本実施例では上記のとおり食害防止網7の寸法を変更したことにより、食害防止網7と海苔網の深さ方向における距離は、最も両者が離れている養殖区域中央部付近で1.5m程度であった。
[実施例6]
本実施例においては、実施例4において食害防止網7として用いた市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の寸法を、縦幅(図1の縦方向)を網目換算で330目、横幅(図1の横方向)を網目換算で180目に変更したこと以外は、同様に藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
なお、本実施例では上記のとおり食害防止網7の寸法を変更したことにより、食害防止網7と海苔網の深さ方向における距離は、最も両者が離れている養殖区域中央部付近で3m程度、比較的両者が接近している海苔網周辺部付近でも30cm程度であった。
[実施例7]
本実施例においては、実施例6において食害防止網7をポリエステル製網(網目長3.3寸;約10cm)に変更したこと以外は、同様に藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。本実施例において、該食害防止網7の寸法は、実施例6と同様、縦幅(図1の縦方向)を網目換算で330目、横幅(図1の横方向)を網目換算で180目である。
なお、実施例6と同様に、食害防止網7と海苔網の深さ方向における距離は、最も両者が離れている養殖区域中央部付近で3m程度、比較的両者が接近している海苔網周辺部付近でも30cm程度であった。
[実施例8]
本実施例においては、実施例1で食害防止網7として用いた市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の寸法を、縦幅(図1の縦方向)を網目換算で400目、横幅(図1の横方向)を網目換算で300目に変更したこと以外は、同様に藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
なお、本実施例では上記のとおり食害防止網7の寸法を変更したことにより、最も両者が離れている養殖区域中央部付近では、食害防止網が海上から視認できない程度に沈んでいた。
[比較例3]
本実施例においては、実施例1で食害防止網7として用いた市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)の寸法を、縦幅(図1の縦方向)を網目換算で200目、横幅(図1の横方向)を網目換算で90目に変更したこと以外は、実施例1と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
なお、本実施例では上記のとおり食害防止網7の寸法を変更したことにより、食害防止網7は、海中で殆んどたわんでおらず、食害防止網7と海苔網がほぼ接触状態にあり、食害防止網7と海苔網が離れている部分があってもその間隔は3〜5cm程度であった。
(実施例5〜8/比較例3の結果)
実施例5では、上述のとおり、食害防止網7と海苔網の深さ方向における距離は、最も両者が離れている養殖区域中央部付近で1.5m程度であった。
悪天候により強風や大きい波が生じると、食害防止網7と海苔網とが接触し、生育した海苔が傷つき、切断されて短くなるなどの不具合が認められることもあったが、藻食魚類による海苔の食害を防止できる効果は認められた。
さらに、食害防止網7と海苔網が最も両者が離れている養殖区域中央部付近で3m程度、比較的両者が接近している海苔網周辺部付近でも30cm程度であった実施例6及び7においては、藻食魚類による海苔の食害を効果的に防止でき、極めて良好な海苔の収穫量を得られたと共に、実施例5で見られたような悪天候による悪影響も回避することができた。
さらに、養殖区域中央部付近では食害防止網が海上から視認できない程度に沈んでいた実施例8においては、悪天候により強風や大きい波や速い潮流が生じた場合には食害防止網がアンカーロープ等に絡み付いて破損することもあったが、藻食魚類による海苔の食害を防止できる効果自体は十分に認められた。
一方、食害防止網と海苔網とがほぼ接触した状態にある比較例3では、養殖区域への種網の設置後当初は海苔の生育が認められるものの、3日程度すると食害を受け、生育した海苔も短くなっていた。
<実施形態1に係る変形例:食害防止網7に加えて補強網17を採用した構成>
[実施例9]
図3に示す変形例の構成を採用したこと以外は、実施例4と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。以下、本実施例の構成を具体的に説明する。
図3は、図2(a)と同様に図1におけるAの部分を側面から視た図である。本実施例では、上記2つの養殖区画12を有する1列が横方向に12列配列された藻類養殖場システムにおいて、本考案者に割り当てられた養殖区分に対して、図3に示されるとおり食害防止網7を設けたことに加え、各養殖区分の縦方向境界を構成するアンカーロープに補強網17を海底方向に向けて吊り下がる構成を採用した。この補強網17には、市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)を利用し、その寸法は、縦幅(図1の縦方向)が21m、横幅(深さ方向の幅)が2mであった。なお、補強網17の海底側の辺に沿って沈子コードを連結させることにより、各養殖区分の縦方向境界を構成するアンカーロープから補強網17が海底方向に向けて吊り下がる構成となるよう調整し、さらに図3に示す通り補強網17の網目面が潮流Tに略対向するような方向となるように藻類養殖システムを構成した。
[実施例10]
図3に示す変形例の構成を採用したこと以外は、実施例2と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
即ち、実施例5では食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm;比重1.14)を用いたのに対して、本実施例では食害防止網7としてポリエステル製網(網目長3.3寸;約10cm;比重1.38)を食害防止網7として用いた。なお、補強網17は、実施例9と同様の市販のナイロン製漁網(網目長3.3寸;約10cm)を利用し、その寸法や養殖システムへの連結方法も実施例9と同じである。
(実施例9及び10の結果)
実施例9及び10においては、補強網17を採用しない実施例1から8と比較して、更に藻食魚類による食害を効果的に防止できることを確認した。
より詳細には、補強網17を採用しない実施例1から8の構成では、潮流が速い環境においては、食害防止網7が速い潮流のより大きい力を受けると、養殖区域12の潮流上流側境界付近では食害防止網7が潮流に押されて海苔網に接近することから、藻食魚類は、食害防止網7が海苔網に接近した上記境界付近において海苔を捕食可能であることを学習し、食害を受ける場合があった。
これに対して、食害防止網7に加えて補強網17を採用した実施例9及び10においては、補強網17の存在により、速い潮流が発生した場合であっても潮流の勢いが弱められ、食害防止網7が上記養殖区域12の境界付近で受ける力が弱められることから、食害防止網7が海苔網にそれほど接近することもなく、より効果的に藻食魚類による食害を防止でき、海苔の生産量が向上することが示された。
なお、実施例9と実施例10との間では、目立った食害防止効果の差異はなく、両者において顕著な食害防止効果が認められた。
<食害防止網の網目長を変更した例>
[実施例11]
本実施例においては、食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長2寸;約6cm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
[実施例12]
本実施例においては、食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長4寸;約12cm)を用いたこと以外は、実施例4と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。即ち、食害防止網7として利用した上記ナイロン製漁網は、その短手方向の両側から内側1.5mの位置に長手方向に沿って沈子コード2つが配置、連結されたものである。
[実施例13]
本実施例においては、食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長5寸;約15cm)を用い、該食害防止網7の対角線上に2つ沈子コードを連結したこと以外は、実施例1と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。
[実施例14]
本実施例においては、食害防止網7として市販のナイロン製漁網(網目長6寸;約18cm)を用いた以外は、実施例4と同様に、藻類養殖システムを構築し、黒海苔の養殖を行った。即ち、食害防止網7として利用した上記ナイロン製漁網は、その短手方向の両側から内側1.5mの位置に長手方向に沿って沈子コード2つが配置、連結されたものである。
実施例11〜14において、注目すべき点としては、食害防止網7として利用したナイロン製漁網の網目長を変化させた。
実施例11から14の何れにおいても、一定以上の食害防止効果が認められ、海苔の生産量向の向上が認められた。
食害防止効果の点では、実施例11から14の何れも問題は無かったが、食害防止網7の網目長を約18cmとした実施例14では、他のより小さい網目長を採用する実施例と比較すると、やや食害防止効果が劣る傾向が認められた。更に、食害防止網7の網目長を約6cmとした実施例11では、食害防止効果については問題が無いものの、食害防止網7に付着した珪藻類が所定の期間を経て生育すると網目が小さいことから、食害防止網7の網目が珪藻類で塞がれてしまい、場合により養殖対象の海苔の一部が枯死又は腐敗するケースが認められた。
食害防止網7の網目長が約12cmである実施例12、食害防止網7の網目長が約15cmである実施例13、網目長約10cmを採用する実施例1〜4等については、藻食魚類による海苔の食害防止効果も高く、かつ実施例11のような海苔の枯死や腐敗もなく、高品質な海苔を収量良く生産することができた。
更に、食害防止網7の対角線上に2つ沈子コードを連結した実施例13については、特に食害防止網7のたわみが潮流や悪天候の影響を受けにくく、良好な海苔の収穫量が得られる傾向が認められた。
以上、本考案の具体的な実施形態及び実施例について詳述したが、本考案は前述の実施形態及び実施例に限定されるものではない。本考案の要旨から逸脱しない範囲において各構成、要素及び特徴について種々の改変、修正、任意の組合せが採用され得る。
2 浮力体
3a、3b、3c アンカーロープ
4、4a、4b 縄
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f 藻類保持部材
7 食害防止網
7a 網目
8 水面(海面)
9 従来の食害防止網
10、100 藻類養殖システム
11 支柱
12 養殖区画
13 結束縄
15 水底(海底)
17 補強網
18 藻食魚類
200 従来の藻類養殖システム
T 水流(潮流)の方向を示す矢印

Claims (1)

  1. (a)少なくとも1つの藻類保持部材と、
    (b)養殖場において水面又はその近傍に上記少なくとも1つの藻類保持部材が配置されるように該藻類保持部材を支持する支持部材と、
    (c)上記養殖場において藻食魚類による藻類の食害を防止する食害防止網と、
    を備え、
    上記食害防止網は、上記養殖場において上記少なくとも1つの藻類保持部材を下方から覆うように配置され、
    上記食害防止網と上記藻類保持部材とは、藻類保持部材で生育する藻類が藻食魚類により食害を受けない程度に離れて配置され、
    上記食害防止網は、5.5cm〜19cmの網目長の網目から構成される、
    藻類養殖システム。

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