JP3231283B2 - 多誘導心電図送信機及びその受信機 - Google Patents

多誘導心電図送信機及びその受信機

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JP3231283B2 JP27929498A JP27929498A JP3231283B2 JP 3231283 B2 JP3231283 B2 JP 3231283B2 JP 27929498 A JP27929498 A JP 27929498A JP 27929498 A JP27929498 A JP 27929498A JP 3231283 B2 JP3231283 B2 JP 3231283B2
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一彦 須藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数誘導の心電図
を同時無線送受信するテレメータシステムにおいて、特
に心電図を圧縮伝送する多誘導心電図送信機及びその受
信機に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、心電図モニタのための無線伝送
は、主として使用される無線帯域幅と心電図伝送に必要
なデータ量の関係から1チャンネル乃至2チャンネルの
心電図伝送が主流となっている。多チャンネルの心電図
をモニタするには無線帯域を拡大したものが用いられて
おり、特殊な研究目的を除き多誘導心電図の無線モニタ
は普及していない。
【0003】一方、不整脈モニタの重要性から多誘導の
無線モニタを望む声が増えて来ているが、電波資源も限
られており、狭帯域での実現が望まれる。狭帯域化を計
るには帯域当たりの伝送能力を向上させると同時に心電
図を効果的に圧縮し、実質伝送量を減らす必要がある。
【0004】心電図の圧縮法としてはホルター心電計へ
の応用を前提とした多くの方法が考案されている。圧縮
技術としては原データを完全に復元できる可逆圧縮法
と、復元時の誤差を前提に高圧縮を実現する不可逆圧縮
法が知られている。医療の世界では臨床的に許容され得
る誤差の評価が困難なため、可逆圧縮法が選択される場
合が多い。
【0005】可逆圧縮法としては一般的に可変長符号を
用いる方法が知られている。これは統計的に出現頻度の
高いデータに短い符号長の符号を割り当てることによ
り、一定区間内の圧縮率向上を計るものである。可変符
号長を用いて圧縮する場合は、対象となるデータが統計
的にばらつかない事が圧縮率向上の上で重要となる。心
電図のような波形信号をデジタル化する場合は出来るだ
け平坦で変化の無い信号であれば圧縮率が向上すること
になる。
【0006】典型的な心電図はQRSに見られる急峻な
変化が周期的に繰り返すという特徴をもっており、高圧
縮を実現する方法として、QRSテンプレートを利用し
た心拍除去法が知られている。この方法ではQRS部分
について予め用意されたテンプレートとの差を利用する
ことで、QRSを除いたほぼ平坦なデータを作成するも
のである。本方法の動作の概略を図6に示す。S2は心
電図の原波形、T2はQRSテンプレート、S2−T2
が差分波形で、原波形(S2)よりデータ振幅が減じて
おり、圧縮率の向上を図っている。
【0007】また、特開平6−237909に示される
様に、QRSテンプレートとして固定テンプレートを使
用したり、特開平6−237909では、不整脈発生時
等にQRSテンプレートを更新する事で圧縮率の劣化を
防止する方法が提案されている。
【0008】QRSテンプレートを用いる従来技術を図
6に示す。従来技術では心電図データを一旦蓄積し、こ
の中から心拍を検出し、心拍部分について予め用意した
テンプレート(T1,T2)値を減ずる処理を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には以下に掲げる問題点があった。従来の心拍除去に
よる圧縮法は、当然のことながら心拍を検出する事が前
提となり、心拍検出に必要なデータを蓄積するまで圧縮
データを決定できない。心電図を無線伝送し、モニタす
る場合を想定すると、このデータ蓄積に要する時間はデ
ータ伝送の遅延時間を増加させ、患者モニタの基本機能
である実時間性を著しく阻害する。また、心拍検出機能
を盛り込むことは回路規模および消費電力の増大を招く
ため、無線装置に適用するのは携帯性との両立が難しく
なる。
【0010】また、QRSテンプレートとして固定テン
プレートを使用していると不整脈などによりQRSパタ
ーンが変化した場合に圧縮率が劣化する問題が発生す
る。不整脈発生時等にQRSテンプレートを更新する事
で圧縮率の劣化を防止する方法では、実時間無線伝送に
おいてはテンプレート伝送に伴う一時的伝送量増加が吸
収出来ない場合には一旦実時間伝送を中断せざるを得
ず、患者モニタの基本特性である連続性を阻害する。
【0011】また、実際に心電図データ圧縮率を低下さ
せる要因はQRSに限定されず、ペースメーカ信号、電
極状態・体動などによるノイズ等の様々な要因がある。
従来技術で、心電図データを一旦蓄積し、この中から心
拍を検出し、心拍部分について予め用意したテンプレー
ト(T1,T2)値を減ずる処理を行う場合、図6に示
すように、原波形(S1)がノイズの場合にはテンプレ
ートとの差分(S1−T2)はかえって信号振幅が増大
してしまうという問題点があった。
【0012】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは複数誘導の心電図を
同時無線送受信するテレメータシステムにおいて、心電
データを遅延時間無く効率的にデータ圧縮伝送する多誘
導心電図送信機及びその受信機を提供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の要旨は、複数誘導の心電図を同時無線伝送する多誘導
心電図送信機であって、複数の心電図信号間の差分を取
り差分信号を生成する差分計算手段と、圧縮処理された
前記差分信号を送信する信号送信手段とを備えたことを
特徴とする多誘導心電図送信機に存する。請求項2に記
載の本発明の要旨は、前記差分計算手段は、隣接する電
極から誘導される心電図信号間の差分を取ることを特徴
とする請求項1記載の多誘導心電図送信機に存する。請
求項3に記載の本発明の要旨は、前記電極の装着異常を
検出する装着異常検出手段と、前記装着異常検出手段に
より検出された電極から誘導された心電図信号を削除す
る異常信号削除手段とを備えたことを特徴とする請求項
1又は2記載の多誘導心電図送信機に存する。請求項4
に記載の本発明の要旨は、前記差分計算手段は、前記電
極から入力した基準となる誘導データをそのまま出力
し、隣接する前記電極から出力された誘導データの差分
を計算し、出力する減算器を備えたことを特徴とする請
求項1乃至3のいずれか1項に記載の多誘導心電図送信
機に存する。請求項5に記載の本発明の要旨は、前記装
着異常検出手段は、電極検出用信号の振幅を調べること
で電極異常を検出する電極異常検出部を備えたことを特
徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多誘導
心電図送信機に存する。請求項6に記載の本発明の要旨
は、前記異常信号削除手段は、前記電極異常検出部によ
り異常と判断された前記電極からの誘導データを削除す
る心電データ選択部を備えたことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の多誘導心電図送信機に存
する。請求項7に記載の本発明の要旨は、前記信号送信
手段は、前記減算器から出力されたデータを符号化する
符号化部と、符号化されたデータをデジタル変調方式に
て無線信号に変調をかける変調部とを備えたことを特徴
とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多誘導心
電図送信機に存する。請求項8に記載の本発明の要旨
は、複数誘導の心電図を同時無線伝送する多誘導心電図
送信機であって、四肢電極及び6本の胸部電極と、前記
四肢電極のうちの1つであるLF電極からの出力を差分
の基準信号とし、前記四肢電極と前記胸部電極とからな
る全電極から共通グランドとなるRF電極を除いた信号
を入力し、ノイズを除去する差動増幅器と、電極検出用
信号の振幅を調べることで電極異常を検出する電極異常
検出部と、前記差動増幅器からの出力信号をデジタル化
するA/D変換器と、電極異常検出情報に基づき正常装
着された胸部電極からの誘導データを選択して並べ替え
る心電データ選択部と、基準誘導データはそのまま出力
し、隣接する電極からの誘導データの差を計算し出力す
る減算器と、前記減算器からの出力データとサンプル値
との差を計算し、可変長符号を割り当てる符号化部と、
符号化されたデータを電極異常情報とともにパケットに
組み上げる伝送パケット合成部と、デジタル変調方式に
て無線信号に変調する変調部とを備えたことを特徴とす
る多誘導心電図送信機に存する。請求項9に記載の本発
明の要旨は、同時無線伝送された複数誘導の心電図を受
信する多誘導心電図受信機であって、受信した信号を送
信側に対応する復調方式でデジタルデータに復調する復
調部と、パケット構造に応じて電極異常に関する情報お
よび符号化された心電図データに分離、抽出するデコー
ド部と、抽出された心電図データを12ビットデータに
復元する復号器と、各データについての演算処理を行う
ことで、標準12誘導信号を合成する誘導合成部と、合
成された標準12誘導信号をアナログ波形化するD/A
変換器と、前記D/A変換器でアナログ波形化されたデ
ータを記録する記録器とを備えたことを特徴とする多誘
導心電図受信機に存する。請求項10に記載の本発明の
要旨は、複数誘導の心電図を同時無線伝送するための心
電図データ送信方法であって、電極から誘導される心電
図信号間の差分をとり、差分信号とし、該差分信号を圧
縮し、圧縮された前記差分信号を送信する心電図データ
送信方法に存する。請求項11に記載の本発明の要旨
は、差動増幅器の出力は電極異常検出部に接続し、電極
異常検出部で電極検出用信号の振幅を調べることで電極
異常を検出し、電極異常に関する情報を伝送パケット合
成部に送り、且つ前記電極異常に関する情報データは選
択部を制御し、異常電極からの誘導データを削除するた
めに使用し、IIおよびIII誘導データと減算器の出力デ
ータを符号化部に入力し、符号化部では前回サンプル時
の値との差を演算し、データ圧縮のための可変長符号を
割り当て、符号化されたデータは、伝送パケット合成部
で電極異常に関する情報等とともにパケットに組み上
げ、変調部でデジタル変調方式にて無線信号に変調をか
け、空中線を通じて送信することを特徴とする請求項1
0記載の心電図データ送信方法に存する。請求項12
記載の本発明の要旨は、同時無線伝送された複数誘導の
心電図を受信する心電図データ受信方法であって、受信
した信号を復調部で送信側に対応する復調方式でデジタ
ルデータに復調し、デコード部でパケット構造に応じて
電極異常に関する情報及び符号化された心電図データに
分離、抽出し、抽出された心電図データを復号器で12
ビットデータに復元して誘導合成部に出力し、前記誘導
合成部は各データについての演算処理を行い、標準12
誘導信号を合成し、合成された前記標準12誘導信号は
D/A変換器でアナログ波形化し、記録器にて記録する
ことを特徴とする心電図データ受信方法に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本実施
の形態に係る多誘導心電図送信機は、電極1と心電誘導
用の差動増幅器2とA/D変換器3と符号化部4と心電
データ選択部5と減算器6と電極異常検出部7と伝送パ
ケット合成部8と変調部9と空中線10とで概略構成さ
れる。
【0015】また、図2に示すように、多誘導心電図受
信機は、復調部11とデコード部12と復号器13と合
成部14とDA部15と記録器16とから概略構成され
る。
【0016】図3は、四肢電極(RA、LA、RF、L
F)に加え6本の胸部電極(C1〜C6)を使用して生
体に装着される状態を示す。
【0017】図1において、R電極を除く各電極1
は、LF電極からの出力を差分の基準とする差動増幅器
2の入力に接続されており、四肢電極からはIIおよびII
I誘導が導出され、胸部電極に関してはLFを基準とし
た各電極1の偏倚が導出される。差動増幅器2の出力信
号はA/D変換器3で12ビット、300Hzでデジタ
ル化される。心電図は差動増幅器で増幅するが、心電図
の周波数帯域(〜100Hz)と商用交流電源(50or
60Hz)が近接しているため、これを周波数で分離す
ると心電図波形に影響があり、又、電極1のインピーダ
ンス(皮膚のインピーダンスおよび電極/皮膚の接触イ
ンピーダンス)を低くすることが困難なため、極めて高
い入力インピーダンスで受けざるを得ないので、差動構
成としてコモンモードで入るノイズを除去する。
【0018】また、電極1が正常に装着されていないと
心電図が計測できないため、電極異常検出機能を備え、
心電図帯域外の検出信号(数kHzのCW)を注入し
て、差動アンプ出力に現れる検出信号の振幅から電極1
が正常に接続されているかを判断し、電極1が外れてい
れば信号振幅は小さくなる。すなわち、差動増幅器2の
出力は、計測したい心電図となる。
【0019】デジタル化されたIIおよびIII誘導データ
はそのまま符号化部4に入力され、符号化処理される。
胸部電極からの誘導データについては心電データ選択部
5を通ることにより、正常装着された電極のみに並べ替
えられて減算器6に入力される。心電データ選択部5は
6個の入力信号(S1、S2、S3,S4、S5、S
6)から電極異常検出情報に基づきデータ選択を行い、
全てが正常電極からのデータである場合はそのまま出力
する。例えば3番目の入力(S3)が異常電極からのも
のであった場合にはこれを削除して(S1、S2、S
4、S5、S6、S6)を出力する選択器である。減算
器6は各隣接入力の差を出力するものであるが、基準と
なる1入力についてはそのまま出力をする。すなわち6
個の入力信号(s1、s2、s3、s4、s5,s6)
に対して、(s1,s2−s1、s3−s2,s4−s
3,s5−s4,s6−s5)の6種信号が出力され
る。
【0020】また差動増幅器2の出力は電極異常検出部
7に接続されており、電極異常検出部7では例えば注入
した数kHz乃至数百Hzの電極検出用信号の振幅を調
べることで電極異常を検出する。この電極異常に関する
情報は伝送パケット合成部8に送られるとともに心電デ
ータ選択部5を制御し、異常電極からの誘導データを削
除するために使用される。
【0021】IIおよびIII誘導データと減算器6の出力
データは符号化部4に入力される。符号化部4ではまず
前回サンプル時の値との差が演算され、これに例えば一
般的なデータ圧縮において使用されているハフマン符号
に代表されるような可変長符号が割り当てられる。符号
化されたデータは、伝送パケット合成部8で電極異常に
関する情報等とともに図5に示すパケットに組み上げら
れ、変調部9でFSKあるいはPSKといったデジタル
変調方式にて無線信号に変調をかけた後、空中線10を
通じて送信される。
【0022】図2に示すように標準12誘導心電図送信
機の送信データを受信し、12誘導心電図を復元する受
信機の構成が示されている。受信機側では受信した信号
を復調部11で送信側に対応する復調方式でデジタルデ
ータに復調した後、デコード部12で図5に示すパケッ
ト構造に応じて電極異常に関する情報および符号化され
た心電図データに分離、抽出する。抽出された心電図デ
ータは復号器13で12ビットデータに復元され、誘導
合成部14に入力される。誘導合成部14では各データ
についての演算処理を行うことで、標準12誘導信号を
合成する。合成された標準12誘導信号はD/A変換器
15でアナログ波形化され、記録器16にて適宜記録さ
れる。
【0023】以下、多誘導心電図テレメータシステムの
動作を図4を用いて説明する。図4は図1に示した本発
明の実施の形態に係る誘導心電図送信機における心電デ
ータ選択部5への入力信号と減算器6の出力信号の一例
を図示したものである。実際には心電データ選択部5へ
の入力はA/D変換器3においてデジタルデータ化され
ており、心電データ選択部5の出力信号、減算器6の出
力信号も同じくデジタルデータであるが、図4では説明
のために波形データとして表現している。また、図1の
構成において心電データ選択部5への入力数は6本であ
るが、図4ではこの内、3本について図示している。図
4に示す例においてS1,S2,S3は心電データ選択
部5に入力される信号、S3−S2は減算器6の出力信
号を示している。入力信号中、S1は電極1の接触状態
が悪くノイズ状態となっている場合を想定している。
【0024】電極状態は心電データ選択部5でのデータ
選択を制御し、本例においてはS1が削除されて(S
2,S3,…)が減算器6に入力され、減算器6からは
(S2,S3−S2,…)が出力される。図4に示すよ
うにS3−S2の波形はS2あるいはS3の波形に比べ
て大きく振幅が減じている。図4では図示していないが
減算器6の他の出力データについても元のデータに比べ
て大きく振幅を減少されたものが得られる。これは近接
した電極1から得られる心電図波形の相関が強いためで
あり、体動、筋電図、ペースメーカといった近接した電
極間で相関が高いノイズに関しても除去効果があり、ノ
イズによる振幅増加を抑制する効果を持つ。
【0025】減算器6の出力であるS3−S2について
前サンプル時データとの差分をとると95%の区間で1
ビット以内の差分となる。これに対して原データ(S
3)で前サンプル時データとの差が1ビット以内となる
区間は65%であり、減算器出力(S3−S2)を元
に、符号化する事によってより短い符号を多用でき、圧
縮率を向上させることが出来る。
【0026】隣接電極間でのQRSに代表される心拍成
分は図4に示すように非常に高い相関を有している。従
ってその差分を取ることにより、図4に示すように心拍
成分の大部分を除去することが出来、差分データの振幅
は抑制される。このデータを符号化することで高効率の
符号化が実現できる。また、本発明による心拍除去は従
来のテンプレートを用いた心拍除去の様に心拍検出をす
る必要が無いため、その分のデータ蓄積を行う必要が無
い。従って、実時間の無線モニタリングが実現可能とな
る。
【0027】さらに、電極間差分を取る上で別途検出し
た電極状態を参照して異常電極をスキップする手段を設
けることにより、ノイズの無い正常電極によるデータの
みについての符号化を行うことが可能となる。これによ
り異常電極が存在しても正常電極によるデータについて
は確実に送出することが可能となる。
【0028】心電図は心筋の興奮の様子を示すもので、
特にQRSは心室の興奮を示し、これをきっかけに心室
が収縮し全身へ血液を送り出す。心室、特に左心室は心
臓の中で最大のパワーを出す部分であり、その興奮波形
であるQRSは心電図中最大の振幅を示す。心電図圧縮
を行おうとするとこのQRSの影響を如何に低減するか
が鍵となる。本発明ではこれを複数の誘導から得られる
心電図間の差分を取ることで圧縮効果を大きくする。
【0029】実施の形態に係る多誘導心電図送信機及び
その受信機は上記の如く構成されているので、以下に掲
げる効果を奏する。本発明の多誘導心電図送信機及びそ
の受信機は、多誘導心電図を、実時間性を犠牲にするこ
となく効果的にデータを圧縮できるため、多誘導心電図
モニタ用の送信機を無線周波数帯域を広げることなく実
現できる。これは、隣接した電極1から誘導される相関
の高い心電図信号について差分を取ることで信号の振幅
を減じた後に時間差分をとり、これを符号化するという
基本構成を有しているためである。これにより従来、同
様の目的で行われているQRSテンプレートを利用した
心拍除去法に比べてデータ蓄積期間を短縮でき、心電図
モニタにとって重要な性能である実時間性を向上させる
ことが出来る。
【0030】さらに電極状態を検知して異常電極からの
信号を排除する機能を実現しており、電極異常時におい
ても大幅な圧縮率劣化をきたすことが無く、安定した心
電図モニタを実現可能としている。
【0031】また、心拍検出を必要としないことで、心
電図データを蓄積する必要が無く、データ蓄積に伴う遅
延が発生しない。このため心電図モニタにおいて重要な
実時間性を向上させることが出来る。
【0032】なお、本実施の形態では心電図信号を一旦
A/D変換した後に差分を取っているが、差動増幅器な
どを使用することによりアナログ信号の状態で差分を取
っても良く、これにより信号振幅を減じた上で、A/D
変換、符号化することで上記実施の形態と同様な効果を
得ることが出来る。
【0033】上記のごとく、本発明が上記実施の形態に
限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、適宜
変更され得ることは明らかである。
【0034】また、上記構成部材の数、位置、形状等は
上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好
適な数、位置、形状等にすることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、いかに掲げる効果を奏する。本発明の多誘導心電図
送信機及びその受信機は、多誘導心電図を、実時間性を
犠牲にすることなく効果的にデータを圧縮できる。これ
は、隣接した電極から誘導される相関の高い心電図信号
について差分を取ることで信号の振幅を減じた後に時間
差分をとり、これを符号化するという基本構成を有して
いるためである。
【0036】さらに本発明では電極状態を検知して異常
電極からの信号を排除する機能を実現しており、電極異
常時においても大幅な圧縮率劣化をきたすことが無く、
安定した心電図モニタを実現可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る多誘導心電図送信機
の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る多誘導心電図受信機
の構成図である。
【図3】図1に示す多誘導心電図送信機の電極装着図で
ある。
【図4】図1に示す多誘導心電図送信機の心電データ振
幅抑制の動作説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る多誘導心電図送信機
における伝送パケットの構成図である。
【図6】従来法による心電データ振幅抑制の動作の一例
を示す説明図である。
【符号の説明】 【符号の説明】
1 電極 2 差動増幅器 3 A/D変換器 4 符号化部 5 心電データ選択部 6 減算器 7 電極異常検出部 8 伝送パケット合成部 9 変調部 10 空中線 11 復調部 12 デコード部 13 復号器 14 誘導合成部 15 D/A変換器 16 記録器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 昌和 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 捧 宏之 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 須藤 一彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−183140(JP,A) 特開 平6−237909(JP,A) 特開 平5−37420(JP,A) 特開 平5−161611(JP,A) 特開 平7−51388(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/0402

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数誘導の心電図を同時無線伝送する多
    誘導心電図送信機であって、 複数の心電図信号間の差分を取り差分信号を生成する差
    分計算手段と、 圧縮処理された前記差分信号を送信する信号送信手段と
    を備えたことを特徴とする多誘導心電図送信機。
  2. 【請求項2】 前記差分計算手段は、隣接する電極から
    誘導される心電図信号間の差分を取ることを特徴とする
    請求項1記載の多誘導心電図送信機。
  3. 【請求項3】 前記電極の装着異常を検出する装着異常
    検出手段と、 前記装着異常検出手段により検出された電極から誘導さ
    れた心電図信号を削除する異常信号削除手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の多誘導心電図送
    信機。
  4. 【請求項4】 前記差分計算手段は、前記電極から入力
    した基準となる誘導データをそのまま出力し、隣接する
    前記電極から出力された誘導データの差分を計算し、出
    力する減算器を備えたことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の多誘導心電図送信機。
  5. 【請求項5】 前記装着異常検出手段は、電極検出用信
    号の振幅を調べることで電極異常を検出する電極異常検
    出部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    1項に記載の多誘導心電図送信機。
  6. 【請求項6】 前記異常信号削除手段は、前記電極異常
    検出部により異常と判断された前記電極からの誘導デー
    タを削除する心電データ選択部を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多誘導心電図
    送信機。
  7. 【請求項7】 前記信号送信手段は、前記減算器から出
    力されたデータを符号化する符号化部と、符号化された
    データをデジタル変調方式にて無線信号に変調をかける
    変調部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の多誘導心電図送信機。
  8. 【請求項8】 複数誘導の心電図を同時無線伝送する多
    誘導心電図送信機であって、 四肢電極及び6本の胸部電極と、 前記四肢電極のうちの1つであるLF電極からの出力を
    差分の基準信号とし、前記四肢電極と前記胸部電極とか
    らなる全電極から共通グランドとなるRF電極を除いた
    信号を入力し、ノイズを除去する差動増幅器と、 電極検出用信号の振幅を調べることで電極異常を検出す
    る電極異常検出部と、 前記差動増幅器からの出力信号をデジタル化するA/D
    変換器と、 電極異常検出情報に基づき正常装着された胸部電極から
    の誘導データを選択して並べ替える心電データ選択部
    と、 基準誘導データはそのまま出力し、隣接する電極からの
    誘導データの差を計算し出力する減算器と、 前記減算器からの出力データとサンプル値との差を計算
    し、可変長符号を割り当てる符号化部と、 符号化されたデータを電極異常情報とともにパケットに
    組み上げる伝送パケット合成部と、 デジタル変調方式にて無線信号に変調する変調部とを備
    えたことを特徴とする多誘導心電図送信機。
  9. 【請求項9】 同時無線伝送された複数誘導の心電図を
    受信する多誘導心電図受信機であって、 受信した信号を送信側に対応する復調方式でデジタルデ
    ータに復調する復調部と、 パケット構造に応じて電極異常に関する情報および符号
    化された心電図データに分離、抽出するデコード部と、 抽出された心電図データを12ビットデータに復元する
    復号器と、 各データについての演算処理を行うことで、標準12誘
    導信号を合成する誘導合成部と、 合成された標準12誘導信号をアナログ波形化するD/
    A変換器と、 前記D/A変換器でアナログ波形化されたデータを記録
    する記録器とを備えたことを特徴とする多誘導心電図受
    信機。
  10. 【請求項10】 複数誘導の心電図を同時無線伝送する
    ための心電図データ送信方法であって、 電極から誘導される心電図信号間の差分をとり、差分信
    号とし、 該差分信号を圧縮し、 圧縮された前記差分信号を送信する心電図データ送信方
    法。
  11. 【請求項11】 差動増幅器の出力は電極異常検出部に
    接続し、 電極異常検出部で電極検出用信号の振幅を調べることで
    電極異常を検出し、 電極異常に関する情報を伝送パケット合成部に送り、 且つ前記電極異常に関する情報データは選択部を制御
    し、異常電極からの誘導データを削除するために使用
    し、 IIおよびIII誘導データと減算器の出力データを符号化
    部に入力し、 符号化部では前回サンプル時の値との差を演算し、 データ圧縮のための可変長符号を割り当て、 符号化されたデータは、伝送パケット合成部で電極異常
    に関する情報等とともにパケットに組み上げ、 変調部でデジタル変調方式にて無線信号に変調をかけ、 空中線を通じて送信することを特徴とする請求項10記
    載の心電図データ送信方法。
  12. 【請求項12】 同時無線伝送された複数誘導の心電図
    を受信する心電図データ受信方法であって、 受信した信号を復調部で送信側に対応する復調方式でデ
    ジタルデータに復調し、 デコード部でパケット構造に応じて電極異常に関する情
    報及び符号化された心電図データに分離、抽出し、 抽出された心電図データを復号器で12ビットデータに
    復元して誘導合成部に出力し、 前記誘導合成部は各データについての演算処理を行い、
    標準12誘導信号を合成し、 合成された前記標準12誘導信号はD/A変換器でアナ
    ログ波形化し、 記録器にて記録することを特徴とする心電図データ受信
    方法。
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