JP3229917B2 - 望遠鏡ドームの換気制御装置 - Google Patents

望遠鏡ドームの換気制御装置

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JP3229917B2
JP3229917B2 JP08024395A JP8024395A JP3229917B2 JP 3229917 B2 JP3229917 B2 JP 3229917B2 JP 08024395 A JP08024395 A JP 08024395A JP 8024395 A JP8024395 A JP 8024395A JP 3229917 B2 JP3229917 B2 JP 3229917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い解像度の天体観
測を行うことを目的とし、望遠鏡に発生するシーイング
を除去・抑制する望遠鏡ドームの換気制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、この種の望遠鏡ドームの換気を
制御するのに、風向と風速の検出値に基づいて場合分け
をして、換気窓の開閉を決定する方法をとっていた。
【0003】従来の望遠鏡ドームの換気制御装置の構成
及び動作を説明する前に、制御対象である望遠鏡ドーム
の換気機構について説明する。本発明に係る望遠鏡ドー
ムの換気制御装置についても、制御対象は同一の換気機
構である。
【0004】この換気機構について図7の側面図、及び
図8の平面図を参照しながら説明する。なお、図7は図
8の中心部分からみた側面である。同図において、1は
主鏡および副鏡を備えた望遠鏡、2は望遠鏡1を挟むよ
うに併設された望遠鏡ドームの側壁、3は望遠鏡ドーム
の前方ウィンドスクリーン、4は後方ウィンドスクリー
ン、5は望遠鏡1を支持するフレーム、6は望遠鏡1の
設置台、7は望遠鏡1から発生するシーイングである。
また、8A、8B、8C、8Dは一対の側壁2のそれぞ
れに、望遠鏡1の設置位置に対して前方側および後方側
に自在に開閉できるよう取り付けられた換気窓である。
【0005】シーイング7は、図9に示すような温度環
境において、観測時に望遠鏡1の温度と雰囲気温度(望
遠鏡1の周囲温度)に差があるために発生する。なお、
図9は、温度変化を示す図であり、同図において、横軸
は時間、縦軸は温度をそれぞれ示す。また、実線は望遠
鏡1の温度変動、点線は雰囲気の温度変動をそれぞれ表
す。
【0006】ここで、「シーイング」とは、機器の温度
と周囲温度との差によって生ずる陽炎をいうが、このシ
ーイングの発生は望遠鏡1の解像度劣化の原因となるも
のである。従って、高解像度を持つ望遠鏡1を得るため
には、このシーイング7の発生を抑制またはシーイング
の除去が必要である。このシーイング7を除去する方法
としては、望遠鏡1を換気することによってシーイング
を吹き払う方法が採られ、これにより望遠鏡1の温度と
雰囲気温度との差が小さくなり、シーイング7の発生も
減少する。
【0007】従来の望遠鏡ドームの換気制御装置の構成
について図10を参照しながら説明する。図10は、例
えば特開平5−19178号公報に示された従来の望遠
鏡ドームの換気制御装置の構成を示す図である。
【0008】図10において、9は望遠鏡ドームの周囲
の風向θw及び風速vを観測する風観測計、10は望遠
鏡ドームの回転角θdを計測する回転計、11は風観測
計9で観測された風向θw及び風速v、並びに回転計1
0で計測された回転角θdに基づいて、一対の側壁2に
取付けられた各換気窓8A〜8Dの開度を決定し、その
決定に従って各換気窓8A〜8Dの開閉を制御する制御
装置である。
【0009】また、同図において、この制御装置11
は、計測入力部12と、条件分岐式制御部13と、窓開
閉駆動部14の3つの部分からなる。
【0010】計測入力部12は、風観測計9により計測
されたドーム外部の風向θwおよび風速vと、ドームの
回転計10により計測された回転角θdを受け取り、図
11に示すように、ドームに相対する風向θをθ=θw
−θdと計算し、風向θと風速vの2つの値を得る。
【0011】条件分岐式制御部18は、得られた風向θ
と風速vの値により場合分けをし、条件分岐してあらか
じめ決まったパターンにより換気窓8A〜8Dの開閉を
決定する部分である。
【0012】この条件分岐式制御部18の動作について
図12のフローチャートを参照しながら説明する。ま
ず、ステップST1において、風速vが所定値(この例
では1.5m/s)以下であるか否かを判断する。風速
vが所定値以下であるとき、ステップST2に進み窓8
A〜8Dを全開する。
【0013】風速vが所定値より大きいとき、ステップ
ST3に進み風向判断を行う。これは風向θが所定の範
囲(この例では「−10゜≦θ≦10゜≦または170
゜≦θ≦190゜」)にあるか否かを判断するステップ
である。風向θが所定範囲にないとき、ステップST4
に進み窓8A〜8Dを全閉にする。
【0014】風向θが所定範囲にあるとき、ステップS
T5に進み風向θの値ごとのあらかじめ決められたパタ
ーン(この例では図に示すパターン1〜4)に従って、
窓の開閉の指令x0を決定する。
【0015】窓開閉駆動部14は、条件分岐式制御部1
3で決定した指令に基づき開閉自在の窓8A〜8Dのそ
れぞれを駆動制御して、指令どおりの開閉状態を実現す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
望遠鏡ドームの換気制御装置では、以上のように構成さ
れているので、条件分岐式制御部13の制御フローにお
ける条件分岐にて、条件に適う場合と適わぬ場合で、動
作が不連続的となって滑らかな動作ができないという問
題点があった。また、風観測計9による計測を基に得ら
れる風速vと風向θの値に対応した、肌理の細かい繊細
な制御ができないという問題点があった。
【0017】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、制御装置に搭載する制御ルールに
ファジー理論を応用することによって、シーイングの発
生やドーム内外の風の流れに詳しい専門家や、望遠鏡ド
ームにて手動で制御する経験を積んだ運用者(これらの
人々を以下、エキスパートと呼ぶ)の持つ知識を反映し
た、肌理が細かく滑らかな開閉制御を実現し、それによ
ってシーイングを適切に抑制し、高い解像度の天体観測
ができる望遠鏡ドームの換気制御装置を得ることを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る望遠鏡ド
ームの換気制御装置は、望遠鏡を挟むように併設された
一対の側壁に、前記望遠鏡の設置位置に対して前方側お
よび後方側に開閉自在に設けられた複数の換気窓を有す
望遠鏡ドームの周囲の風向θw及び風速を観測する
風観測計と、前記望遠鏡ドームの回転角θdを計測する
回転計と、前記風観測計により観測された前記望遠鏡ド
ーム外部の風向θwから前記回転計により観測された前
記望遠鏡ドームの回転角θdを引算して得た前記望遠鏡
ドームに相対する風向θ(=θw−θd)及び前記風観
測計により観測された風速vを出力する計測入力部と、
前記風観測計が観測した風向θw及び風速前記回転
計が計測した回転角θdに基づいて前記換気窓の開閉を
制御する制御装置とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装
置において、制御装置は、前記換気窓の開閉及びその開
度を指令する指令値 に応じて前記換気窓の開閉を駆
動制御する窓開閉駆動部と、前記相対風向θを「前
方」、「左前方」、「左」、「左後方」、「後方」、
「右後方」、「右」、「右前方」を表すファジー集合μ
ai(θ)によりモデル化し、前記風速vを「0」、
「非常に弱い」、「弱い」、「強い」、「非常に強い」
を表すファジー集合μbi(v)によりモデル化し、お
よび前記換気窓の開度xを「全閉」、「細く開く」、
「中ぐらい開く」、「大きく開く」、「全開」を表すフ
ァジー集合μci(x)によりモデル化し、IF−TH
EN形式の制御ルールによって適当な換気窓の開度の候
補となるファジー集合μci’(x)を決めるために、
条件となるファジー集合の最小のものをとるmin
(=∧)演算(i=1〜r:風向及び風速のファジー集
合の数をそれぞれn及びmとすると、使用する制御ルー
ルの数はr=n×m)、μci’(x)=μai(θ)
∧μbi(v)∧μci(x)を行う推論演算部、制御
ルールごとにあって全体として複数あるこれらの推論結
果を統合化して、換気窓の開度を表す最終のファジー集
μci’(x)を得るために、それらの項のうち最大
のものをとるmax演算(=∨)、μci’(x)=μ
c1’(x)∨…∨μcr’(x)を行う統合演算部、
この最終のファジー集合の代表値x を求め、これを窓
の開度の指令値 とするためにファジー集合の重心を
求める演算、x =∫x・μc’(x)dx/∫μc’
(x)dxを行う非ファジー化部を含むファジー推論部
とを備えたものである。
【0019】この発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装
置は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前
記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉
自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの
周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記
望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風
観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θ
wから前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの
回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する
風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測さ
れた風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観
測した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置
とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御
装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉
駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の代数積を求める演算、(i=1〜r:風向及び風速
のファジー集合の数をそれぞれn及びmとすると、使用
する制御ルールの数はr=n×m)、μci’(x)=
μai(θ)・μbi(v)・μci(x)を行う推論
演算部、制御ルールごとにあって全体として複数あるこ
れらの推論結果を統合化して、換気窓の開度を表す最終
のファジー集合μci’(x)を得るために、それらの
項の加算、μci’(x)=μc1’(x)+…+μc
r’(x)する統合演算部、この最終のファジー集合の
代表値 を求め、これを窓の開度の指令値 とする
ために、ファジー集合の重心を求める演算、x =∫x
・μc’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファ
ジー化部を含むファジー推論部とを備えたものである。
【0020】この発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装
置は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前
記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉
自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの
周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記
望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風
観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θ
wから前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの
回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する
風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測さ
れた風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観
測した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置
とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御
装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉
駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の積を適合度h として求める演算(i=1〜r:風
向及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及びmとす
ると、使用する制御ルールの数はr=n×m)、hi=
μai(θ)・μbi(v)を行う推論演算部、この適
合度によって重みづけされたスカラー値の後件部につい
て重心をとる演算、 =(h +h
+…+h )/(h +h +…+
)を求める非ファジー化部を含むファジー推論
部とを備えたものである。
【0021】
【作用】本発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装置は、
望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前記望遠
鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉自在に
設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの周囲の
風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記望遠鏡
ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風観測計
により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θwから
前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの回転角
θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する風向θ
(=θw−θd)及び前記風観測計により観測された風
速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観測した
風向θw及び風速前記回転計が計測した回転角θd
に基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置とを備
えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御装置
は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令値
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉駆動
部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の最小のものをとるmin(=∧)演算(i=1〜
r:風向及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及び
mとすると、使用する制御ルールの数はr=n×m)、
μci’(x)=μai(θ)∧μbi(v)∧μci
(x)を行う推論演算部、制御ルールごとにあって全体
として複数あるこれらの推論結果を統合化して、換気窓
の開度を表す最終のファジー集合μci’(x)を得る
ために、それらの項のうち最大のものをとるmax演算
(=∨)、μci’(x)=μc1’(x)∨…∨μc
r’(x)を行う統合演算部、この最終のファジー集合
の代表値x を求め、これを窓の開度の指令値 とす
るためにファジー集合の重心を求める演算、x =∫x
・μc’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファ
ジー化部を含むファジー推論部とを備えたので、エキス
パートの知識と経験を生かした肌理の細かい、また、滑
らかな制御をすることができる。その結果、適切にシー
イングを吹き払って、高い解像度の天体観測が可能にな
る。
【0022】本発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装置
は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前記
望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉自
在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの周
囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記望
遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風観
測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θw
から前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの回
転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する風
向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測され
た風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観測
した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転角
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置と
を備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御装
置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令値
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉駆
動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の代数積を求める演算、(i=1〜r:風向及び風速
のファジー集合の数をそれぞれn及びmとすると、使用
する制御ルールの数はr=n×m)、μci’(x)=
μai(θ)・μbi(v)・ μci(x)を行う推論
演算部、制御ルールごとにあって全体として複数あるこ
れらの推論結果を統合化して、換気窓の開度を表す最終
のファジー集合μci’(x)を得るために、それらの
項の加算、μci’(x)=μc1’(x)+…+μc
r’(x)する統合演算部、この最終のファジー集合の
代表値 を求め、これを窓の開度の指令値 とする
ために、ファジー集合の重心を求める演算、x =∫x
・μc’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファ
ジー化部を含むファジー推論部とを備えたので、エキス
パートの知識と経験を生かした肌理の細かい、また、滑
らかな制御をすることができる。その結果、適切にシー
イングを吹き払って、高い解像度の天体観測が可能にな
る。
【0023】本発明にかかる望遠鏡ドームの換気制御装
置は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前
記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉
自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの
周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記
望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風
観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θ
wから前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの
回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する
風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測さ
れた風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観
測した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置
とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御
装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉
駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の積を適合度h として求める演 算(i=1〜r:風
向及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及びmとす
ると、使用する制御ルールの数はr=n×m)、hi=
μai(θ)・μbi(v)を行う推論演算部、この適
合度によって重みづけされたスカラー値の後件部につい
て重心をとる演算、 =(h +h
+…+h )/(h +h +…+
)を求める非ファジー化部を含むファジー推論
部を備えたので、エキスパートの知識と経験を生かした
肌理の細かい、また、滑らかな制御をすることができ
る。その結果、適切にシーイングを吹き払って、高い解
像度の天体観測が可能になる。
【0024】
【実施例】実施例1. 以下、本発明の実施例1について図1から図6までを参
照しながら説明する。図1は、本発明の実施例1の構成
を示す図である。制御対象は従来技術の説明にて示した
ものと同一であり、風観測計やドームの回転角度計など
も同一であって、図1において同一番号は同一または相
当部分を示すので説明を省略する。
【0025】図1において、制御装置11Aは、計測入
力部12と、ファジー推論部15と、窓開閉駆動部14
とを備える。また、ファジー推論部15は、推論演算部
16と、統合演算部17と、非ファジー化部18とを有
する。
【0026】計測入力部12は、風観測計9により計測
されたドーム外部の風向θwおよび風速vと、ドームの
回転計10により計測された回転角θdを受け取り、ド
ームに相対する風向θをθ=θw−θdと計算して、風
向θと風速vの2つの値を得る。
【0027】ファジー推論部15は、望遠鏡ドームの周
囲における上記風向θと風速vを入力して、風向θおよ
び風速vをファジー理論のメンバシップ関数によるモデ
ルを備え、このモデルにより認識された風向と風速か
ら、IF−THEN形式の制御ルールにより推論を行
い、ファジー制御によってドームに搭載されている換気
窓8A〜8Dの開度を制御する。
【0028】すなわち、ファジー制御は、前記制御をエ
キスパートが行うときと同様の制御を、コンピュータで
実現することをめざしたものである。人間のエキスパー
トは、例えば窓8Aについて次のような制御ルールで開
閉すると見ることができる。 もし 風速がとても遅く、風向が前方 ならば 窓は中くらい開く。 (ルール1) もし 風速が遅く、 風向が前方 ならば 窓は閉じる。(ルール2) もし 風速が遅く、 風向が右前方 ならば 窓は中くらい開く。 (ルール3) もし 風速がとても遅く、風向が右前方 ならば 窓は広く開く。 (ルール4)
【0029】エキスパートは、このようなルールを含む
数多くのルール群を、自分の専門知識や運用経験から知
っており、肌理の細かく制御を行うことができる。ここ
で、エキスパートにとって、風速が「遅い」「とても遅
い」とか、風向が「前方」「右前方」というときは、そ
の言葉が意味する量は曖昧に定義されており、ファジー
集合によりモデル化することが適切なものである。上記
ファジー推論部15は、前記ルール1〜4を含めたルー
ル群をもとに、ファジー推論により窓8A〜8Dの開度
を決定するものである。
【0030】まず、ファジー推論部15の推論演算部1
6は、計測された風速v、ドームに相対する風向θ、並
びに窓8A〜8Dの開度xをファジー集合で表したデー
タを備えている。風向θと風速vのファジー集合を図2
に示す。また、窓の開度xのファジー集合を図3及び図
4に示す。
【0031】ファジー集合はこれらの図にあるメンバシ
ップ関数によって定義される。それぞれのグラフの横軸
は「事実」を示す物理的な値を、縦軸はその値が属する
ファジー集合のメンバシップ・グレードを示す。「メン
バシップ・グレード」とは、風速v、相対風向θ、開度
xのある値が、対象とするファジー集合に属する度合い
を与えるものである。
【0032】このとき、風向θは、B(後方)、RB
(右後方)、R(右方)、RF(右前方)、F(前
方)、LF(左前方)、L(左方)、LB(左後方)の
いずれか一つまたは二つに該当する。
【0033】また、風速vは、Z(ゼロ)、VW(とて
も弱い)、W(弱い)、S(強い)、VS(とても強
い)のいずれか一つまたは二つに該当する。
【0034】同様に、開度xは、CL(閉じる)、NO
(狭く開く)、MO(中くらい開く)、WO(広く開
く)、FO(全開する)のいずれか一つまたは二つに該
当する。
【0035】このファジー制御において、風向θ、風速
v、開度xのそれぞれが、一つまたは二つのファジー集
合に該当する理由は、図2、図3および図4によって横
軸のある値の取り得るファジー集合が一つまたは二つに
なることから明白である。
【0036】また、換気窓8A〜8Dの開度を決める制
御ルールを図5及び図6に示す。この図にあるテーブル
は、ある風向(ファジー集合)かつある風速(ファジー
集合)である場合に、窓をあける開度(ファジー集合)
を示しており、たとえば前記ルール1〜4を含んでい
る。図5において斜線部分が、前記4つのルールを表し
ている。
【0037】風向・風速において該当するファジー集合
の数をそれぞれn、m(本例の場合どちらも1〜2)と
すると、使用する制御ルールの数はn×m=r(1〜
4)となる。風向・風速の該当する制御ルールに従っ
て、積演算∧により窓8A〜8Dの開度のファジー集合
を決定する。
【0038】推論演算部16における積演算∧として、
min演算、すなわち、項の小さい方を採る演算、下記
の式1を用いる。ただし、∧=minである。 μci’(x)=μai(θ0)∧μbi(v0)∧μci(x) … 式1
【0039】統合演算部17は、複数の制御ルールによ
る推論結果を統合して、最終的なファジー集合を得る部
分である。r個のメンバシップ関数値を図5及び図6に
示す和演算∨により統合して、窓の開度のファジー集合
c’を得る。
【0040】統合演算部17における和演算∨として、
max演算、すなわち、項の大きい方を採る演算、下記
の式2を用いる。ただし、∨=maxである。 μc’(x)=μc1’(x)∨…∨μcr’(x) … 式2
【0041】非ファジー化部18は、窓8A〜8Dの開
度の指令値を決定する。これは、統合演算の結果得られ
た最終的なファジー集合の代表値x0を求め、これを窓
の開度の指令値とする機能を備える。
【0042】非ファジー化部18においては、下記の式
3の重心法(重心をとる演算)を採用する。 x0=∫x・μc’(x)dx/∫μc’(x)dx … 式3
【0043】窓開閉駆動部14は、この指令値を受け取
り、窓8A〜8Dの開度を決めるモータを駆動制御し
て、指令値どおりの開度を実現する。
【0044】この実施例1は、推論演算部16における
積演算∧としてmin演算、すなわち、項の小さい方を
採る演算を用い、統合演算部17における和演算∨とし
てmax演算、すなわち項の大きい方をとる演算を採
り、非ファジー化部18において重心法(重心をとる演
算)を採用した。これは、いわゆるMomdaniの方
法でファジー制御法として一般性が高く実績の多い方法
である。
【0045】つまり、この実施例1は、望遠鏡1を収納
するドームの側壁2に取り付けられた自在に開閉できる
換気窓8A〜8Dと、この望遠鏡ドームの周囲の風向お
よび風速を観測する風観測計9と、この望遠鏡ドームの
回転角を計測する回転計10と、これらの検出された風
向・風速・回転角を入力として、IF−THEN形式の
制御ルールによって適当な開度の候補となるファジー集
合を決めるために、条件となる各ファジー集合の最小の
ものをとるmin演算を用いた推論演算部16と、ルー
ルごとにあって全体として複数あるこれらの推論結果を
統合化して、窓の開度を表す最終のファジー集合を得る
ために、それらの項のうち最大のものをとるmax演算
を用いた統合演算部17と、この最終のファジー集合か
ら窓の実際の開度を得るために、ファジー集合の重心を
求める方法を用いた非ファジー化部18と、この結果に
よって換気する窓を開閉する窓開閉駆動部14とを備
え、シーイング(陽炎)による天体の観測像の劣化を抑
え、高い解像度の天体観測を可能にする。
【0046】この実施例1は、エキスパートの知識と経
験を生かした肌理の細かい制御を行うことができる。ま
た、上記数式から分かるように、連続的な値である風向
と風速に対して窓の開度が連続的な値が出力されるた
め、滑らかな制御をすることができる。その結果、適切
にシーイング7を吹き払って、高い解像度の天体観測が
可能になる。
【0047】実施例2. 以下、本発明の実施例2について説明する。この実施例
2では、上記実施例1と同一のシステム構成で、ファジ
ー演算法として、代数積−加算−重心法を用いたもので
ある。
【0048】これは、推論演算部16では積演算∧とし
て代数積(式4)を用い、統合演算部17では和演算∨
として加算(式5)によって最終結果のファジー集合μ
c’(x)を求め、非ファジー化部18は上記実施例1
と同じく重心(式3)を求めることで代表値x0を計算
するものである。
【0049】 μci’(x)=μai(θ0)・μbi(v0)・μci(x) … 式4 μc’(x)=μc1’(x)+…+μcr’(x) … 式5
【0050】この実施例2では、min、maxのよう
な非線形性を持った演算を用いないため、小さな項が無
視されて推論結果に反映されないということがなく、風
向・風速の小さな値も無視することなく滑らかで、より
肌理の細かい制御を実現できる利点がある。
【0051】つまり、この実施例2は、ファジー推論の
方法のみを変更し、推論演算部16では代数積を求める
演算を用い、統合演算部17では加算を使い、非ファジ
ー化部18では重心をとる演算を使用して、適切な窓の
開度を決定し、シーイングを除去・抑制して、高い解像
度の天体観測を可能にする。
【0052】実施例3.本発明の実施例3について説明
する。この実施例3は、上記実施例1と同一のシステム
構成で、ファジー演算法として、簡略化推論法を用いた
ものである。
【0053】この演算法はファジー推論の後件部Cをひ
とつの要素を持つファジー集合、つまり一つのスカラー
値としたものである。
【0054】まず、推論演算部16で、前件部の適合度
として下記の式6によりhiを求める。 hi=μai(θ0)・μbi(v0) … 式6
【0055】統合演算部17における処理はなく、非フ
ァジー化部18では適合度を用いて下記の式7により重
み付けした重心をとる演算をして代表値x0を求める。 x0=(h111+h222+…+hrrr)/(h11+h22+…+hrr) … 式7
【0056】この実施例3は、制御演算が簡単で高速に
計算でき、制御装置11Aの構成が簡単であるという利
点がある。
【0057】つまり、この実施例3は、ファジー推論の
方法のみを変更し簡単な演算法をとったもので、推論演
算部16では風向・風速の検出値における各メンバシッ
プ関数の積を適合度として求め、統合演算部17の処理
はなく、非ファジー化部18では、この適合度によって
重みづけされたスカラー値の後件部について、重心をと
る演算を行って、適切な窓の開度を決定し、シーイング
を除去・抑制して、高い解像度の天体観測を可能にす
る。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装
置は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前
記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉
自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの
周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記
望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風
観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θ
wから前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの
回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する
風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測さ
れた風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観
測した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置
とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御
装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉
駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の最小のものをとるmin(=∧)演算(i=1〜
r:風向及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及び
mとすると、使用する制御ルールの数はr=n×m)、
μci’(x)=μai(θ)∧μbi(v)∧μci
(x)を行う推論演算部、制御ルールごとにあって全体
として複数あるこれらの推論結果を統合化して、換気窓
の開度を表す最終のファジー集合μci’(x)を得る
ために、それらの項のうち最大のものをとるmax演算
(=∨)、μci’(x)=μc1’(x)∨…∨μc
r’(x)を行う統合演算部、この最終のファジー集合
の代表値x を求め、これを窓の開度の指令値 とす
るためにファジー集合の重心を求める演算、x =∫x
・μc’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファ
ジー化部を含むファジー推論部とを備えたので、エキス
パートの知識と経験を生かした肌理の細かい、また、滑
らかな制御をすることができる。その結果、適切にシー
イングを吹き払って、高い解像度の天体観測が可能にな
る。
【0059】本発明に係る望遠鏡ドームの換気制御装置
は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前記
望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉自
在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの周
囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記望
遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風観
測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θw
から前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの回
転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する風
向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測され
た風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観測
した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転角
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置と
を備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御装
置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令値
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉駆
動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に 強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の代数積を求める演算、(i=1〜r:風向及び風速
のファジー集合の数をそれぞれn及びmとすると、使用
する制御ルールの数はr=n×m)、μci’(x)=
μai(θ)・μbi(v)・μci(x)を行う推論
演算部、制御ルールごとにあって全体として複数あるこ
れらの推論結果を統合化して、換気窓の開度を表す最終
のファジー集合μci’(x)を得るために、それらの
項の加算、μci’(x)=μc1’(x)+…+μc
r’(x)する統合演算部、この最終のファジー集合の
代表値 を求め、これを窓の開度の指令値 とする
ために、ファジー集合の重心を求める演算、x =∫x
・μc’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファ
ジー化部を含むファジー推論部とを備えたので、エキス
パートの知識と経験を生かした肌理の細かい、また、滑
らかな制御をすることができる。その結果、適切にシー
イングを吹き払って、高い解像度の天体観測が可能にな
る。
【0060】本発明にかかる望遠鏡ドームの換気制御装
置は、望遠鏡を挟むように併設された一対の側壁に、前
記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方側に開閉
自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡ドームの
周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計と、前記
望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計と、前記風
観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外部の風向θ
wから前記回転計により観測された前記望遠鏡ドームの
回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドームに相対する
風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計により観測さ
れた風速vを出力する計測入力部と、前記風観測計が観
測した風向θw及び風速前記回転計が計測した回転
θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御する制御装置
とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置において、制御
装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する指令
に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓開閉
駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、
「左」、「左後方」、「後方 」、「右後方」、「右」、
「右前方」を表すファジー集合μai(θ)によりモデ
ル化し、前記風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱
い」、「強い」、「非常に強い」を表すファジー集合μ
bi(v)によりモデル化し、および前記換気窓の開度
xを「全閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大
きく開く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)
によりモデル化し、IF−THEN形式の制御ルールに
よって適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μ
ci’(x)を決めるために、条件となるファジー集
合の積を適合度h として求める演算(i=1〜r:風
向及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及びmとす
ると、使用する制御ルールの数はr=n×m)、hi=
μai(θ)・μbi(v)を行う推論演算部、この適
合度によって重みづけされたスカラー値の後件部につい
て重心をとる演算、 =(h +h
+…+h )/(h +h +…+
)を求める非ファジー化部を含むファジー推論
部を備えたので、構成が簡単でその結果、制御演算が簡
単で高速に計算できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る望遠鏡ドームの換気
制御装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施例1の制御装置に搭載する風向
と風速のメンバシップ関数を示す図である。
【図3】 本発明の実施例1の制御装置に搭載され換気
窓の開度をモデル化したメンバシップ関数を示す図であ
る。
【図4】 本発明の実施例1の制御装置に搭載され換気
窓の開度をモデル化したメンバシップ関数を示す図であ
る。
【図5】 本発明の実施例1の制御装置の推論演算部で
用いる制御ルールのテーブルを示す図である。
【図6】 本発明の実施例1の制御装置の推論演算部で
用いる制御ルールのテーブルを示す図である。
【図7】 本発明の制御対象である望遠鏡ドームの側面
図である。
【図8】 本発明の制御対象である望遠鏡ドームの平面
図である。
【図9】 望遠鏡ドームが設置される環境の温度状態を
示す図である。
【図10】 従来の望遠鏡ドームの換気制御装置の構成
を示す図である。
【図11】 該望遠鏡ドームを上から見た機能を説明す
るための図である。
【図12】 従来の望遠鏡ドームの換気制御装置の条件
分岐式制御部の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 望遠鏡、2 側壁、3 前方ウィンドスクリーン、
4 後方ウィンドスクリーン、5 支持フレーム、6
設置台、7 シーイング(陽炎)、8A、8B、8C、
8D 換気窓、9 風観測計、10 回転計、11A
制御装置、12計測入力部、15 ファジー推論部、1
6 推論演算部、17 統合演算部、18 非ファジー
化部、14 窓開閉駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−19178(JP,A) 特開 平2−293401(JP,A) 特開 平5−35307(JP,A) 特開 平6−119006(JP,A) 特開 平6−161764(JP,A) 特開 平4−131643(JP,A) 特開 平3−31637(JP,A) 特開 平5−33984(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 望遠鏡を挟むように併設された一対の側
    壁に、前記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方
    側に開閉自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡
    ドームの周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計
    と、前記望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計
    と、前記風観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外
    部の風向θwから前記回転計により観測された前記望遠
    鏡ドームの回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドーム
    に相対する風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計に
    より観測された風速vを出力する計測入力部と、前記風
    観測計が観測した風向θw及び風速前記回転計が計
    測した回転角θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御す
    る制御装置とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置にお
    いて、制御装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指
    令する指令値 に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御
    する窓開閉駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、「左」、「左
    後方」、「後方」、「右後方」、「右」、「右前方」を
    表すファジー集合μai(θ)によりモデル化し、前記
    風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱い」、「強
    い」、「非常に強い」を表すファジー集合μbi(v)
    によりモデル化し、および前記換気窓の開度xを「全
    閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大きく開
    く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)により
    モデル化し、 IF−THEN形式の制御ルールによって
    適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μci’
    (x)を決めるために、条件となるファジー集合の最
    小のものをとるmin(=∧)演算(i=1〜r:風向
    及び風速のファジー集合の数をそれぞれn及びmとする
    と、使用する制御ルールの数はr=n×m)、μci’
    (x)=μai(θ)∧μbi(v)∧μci(x)
    行う推論演算部、制御ルールごとにあって全体として複
    数あるこれらの推論結果を統合化して、換気窓の開度を
    表す最終のファジー集合μci’(x)を得るために、
    それらの項のうち最大のものをとるmax演算(=
    ∨)、μci’(x)=μc1’(x)∨…∨μcr’
    (x)を行う統合演算部、この最終のファジー集合の代
    表値x を求め、これを窓の開度の指令値 とするた
    めにファジー集合の重心を求める演算、x =∫x・μ
    c’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファジー
    化部を含むファジー推論部とを備えたことを特徴とする
    望遠鏡ドームの換気制御装置。
  2. 【請求項2】 望遠鏡を挟むように併設された一対の側
    壁に、前記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方
    側に開閉自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡
    ドームの周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計
    と、前記望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計
    と、前記風観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外
    部の風向θwから前記回転計により観測された前記望遠
    鏡ドームの回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドーム
    に相対する風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計に
    より観測された風速vを出力する計測入力部と、前記風
    観測計が観測した風向θw及び風速前記回転計が計
    測した回転角θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御す
    る制御装置とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置にお
    いて、 制御装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する
    指令値 に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓
    開閉駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、「左」、「左
    後方」、「後方」、「右後方」、「右」、「右前方」を
    表すファジー集合μai(θ)によりモデル化し、前記
    風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱い」、「強
    い」、「非常に強い」を表すファジー集合μbi(v)
    によりモデル化し、および前記換気窓の開度を「全
    閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大きく開
    く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)により
    モデル化し、IF−THEN形式の制御ルールによって
    適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μci’
    (x)を決めるために、条件となるファジー集合の代
    数積を求める演算、(i=1〜r:風向及び風速のファ
    ジー集合の数をそれぞれn及びmとすると、使用する制
    御ルールの数はr=n×m)、μci’(x)=μai
    (θ)・μbi(v)・μci(x)を行う推論演算
    部、制御ルールごとにあって全体として複数あるこれら
    の推論結果を統合化して、換気窓の開度を表す最終のフ
    ァジー集合μci’(x)を得るために、それらの項の
    加算、μci’(x)=μc1’(x)+…+μ cr’
    (x)する統合演算部、この最終のファジー集合の代表
    を求め、これを窓の開度の指令値 とするため
    に、ファジー集合の重心を求める演算、x =∫x・μ
    c’(x)dx/∫μc’(x)dxを行う非ファジー
    化部を含むファジー推論部とを備えたことを特徴とする
    望遠鏡ドームの換気制御装置。
  3. 【請求項3】 望遠鏡を挟むように併設された一対の側
    壁に、前記望遠鏡の設置位置に対して前方側および後方
    側に開閉自在に設けられた複数の換気窓を有する望遠鏡
    ドームの周囲の風向θw及び風速を観測する風観測計
    と、前記望遠鏡ドームの回転角θdを計測する回転計
    と、前記風観測計により観測された前記望遠鏡ドーム外
    部の風向θwから前記回転計により観測された前記望遠
    鏡ドームの回転角θdを引算して得た前記望遠鏡ドーム
    に相対する風向θ(=θw−θd)及び前記風観測計に
    より観測された風速vを出力する計測入力部と、前記風
    観測計が観測した風向θw及び風速前記回転計が計
    測した回転角θdに基づいて前記換気窓の開閉を制御す
    る制御装置とを備えた望遠鏡ドームの換気制御装置にお
    いて、 制御装置は、前記換気窓の開閉及びその開度を指令する
    指令値 に応じて前記換気窓の開閉を駆動制御する窓
    開閉駆動部と、前記相対風向θを「前方」、「左前方」、「左」、「左
    後方」、「後方」、「右後方」、「右」、「右前方」を
    表すファジー集合μai(θ)によりモデル化し、前記
    風速vを「0」、「非常に弱い」、「弱い」、「強
    い」、「非常に強い」を表すファジー集合μbi(v)
    によりモデル化し、および前記換気窓の開度xを「全
    閉」、「細く開く」、「中ぐらい開く」、「大きく開
    く」、「全開」を表すファジー集合μci(x)により
    モデル化し、 IF−THEN形式の制御ルールによって
    適当な換気窓の開度の候補となるファジー集合μci’
    (x)を決めるために、条件となるファジー集合の積
    を適合度h として求める演算(i=1〜r:風向及び
    風速のファジー集合の数をそれぞれn及びmとすると、
    使用する制御ルールの数はr=n×m)、hi=μai
    (θ)・μbi(v)を行う推論演算部、この適合度に
    よって重みづけされたスカラー値の後件部について重心
    をとる演算、 =(h +h +…
    +h )/(h +h +…+h
    )を求める非ファジー化部を含むファジー推論部を備
    えたことを特徴とする望遠鏡ドームの換気制御装置。
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