JP3228876U - 造形材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】3Dプリント適性があり、3Dプリント後の造形物においては、加温変形と形状固定を繰り返し行うことができ、さらには、変形作業中に割れが生じない造形材料を提供する。【解決手段】直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料1であり、該線状体はポリエステル系樹脂および熱可塑性エラストマーとの混合樹脂組成物によって構成され、該ポリエステル系樹脂が、酸成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールを含むポリエステル共重合体を主成分とし、混合樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、熱可塑性エラストマーが1〜20質量部の割合で混合されている。【選択図】図1

Description

本考案は、付加製造装置(3Dプリンター)に用いるための造形材料に関する。
樹脂成形体は、射出成形、押出成形など各種の方法で成形されており、日用品の分野や産業分野などで幅広く利用されている。少量多品種の成形体を得る方法として、3Dプリンターに代表される立体造形機による成形方法が注目されている。
3Dプリンターの手法には、熱溶解積層法(FDM)、光造形法(SLA)、粉末焼結積層法(SLS)などがあり、それぞれで技術開発が進められている。個人用などではFDM法の造形装置が広く用いられており、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)やポリ乳酸樹脂などの熱可塑性合成樹脂を原料とした線状体が造形材料として知られている。
たとえば特許文献1には、高精度の造形を可能とするための材料として、平均直径が0.069〜0.074インチ(約1.75〜1.90mm)、長さが20フィート(約6.1m)以上、直径の標準偏差が0.0004インチ(0.01mm)以下である造形材料が開示されている。
また、3Dプリンターで所望の形状の造形物を得る場合には、3Dモデルデータを使用するが、3Dモデルデータは、例えば3D−CADなどでデータ作成や編集することで得られる。しかし、所望のモデル形状が複雑になるほどデータ作成や編集には高度なスキルが必要とされ、手間や時間もかかる。本出願人は3Dプリント後の造形物を火傷の危険の少ない温度帯で加温軟化させて手指で変形し、そのまま冷却固化することで、事後に形状を変更することができる造形物が得られる造形材料を提案している(特許文献2)。この造形材料は、特定の共重合ポリエステル樹脂からなり、ガラス転移点が50℃以下、結晶化温度が120℃以下で、結晶化温度はガラス転移点より20℃以上高いなどの熱特性を有しており、造形材料としての3Dプリント時の工程通過に必要な耐熱性と、3Dプリント後の加熱変形性、および結晶化温度付近で熱処理して加熱変形性を減退させることによる形状固定性を併せ持つものである。この造形材料を用いれば、複雑な3Dモデルデータがなくとも事後の手作業で有機的にデザインすることや、一点ずつ形状と作り分けることも容易に実現できる。
特表2005−523391号公報 国際公開第2018−012539号
本件出願人が提案した特許文献2記載の発明は、前記したように、3Dプリント後の造形物の形状を変更でき、変更した形状で固定することができるが、造形材料を構成する共重合ポリエステル樹脂が結晶性に優れるものであることから、得られた造形物に対して、加熱変形と形状固定を何度も繰り返し行うと、結晶化が進行して脆化し、変形作業時の負荷でクラックが発生することがある。
本考案者は、3Dプリント適性があり、3Dプリント後の造形物においては、加温変形と形状固定を繰り返し行うことができ、さらには、変形作業中に割れが生じない造形材料を提供できないかと考えた。本考案は、加温変形性と形状固定性を有する造形材料に関する特許文献2記載の発明を利用し、かつ、耐割れ性をも具備する3Dプリンター用の造形材料を提供することを課題とする。
本考案は、上記課題を解決するものであり、直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体はポリエステル系樹脂(A)および熱可塑性エラストマーとの混合樹脂組成物によって構成され、
該ポリエステル系樹脂(A)が、酸成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールを含むポリエステル共重合体を主成分とするポリエステル系樹脂(A)であり、
混合樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、熱可塑性エラストマーが1〜10質量部の割合で混合されていることを特徴とする造形材料を要旨とする。
本考案の造形材料は、直径0.5〜10mmの線状体である。線状体は、数m〜数百mの連続線状物であり、これを巻いてリール状として、3Dプリンターに取り付けて所望の形状の成形体(造形物)を得る。造形材料の好ましい直径は1mm以上であり、特に直径1.75mmの造形材料は、市販の熱溶解積層法による3Dプリンターに適用できることから好ましい。なお、線状体は、必要に応じて3mm〜1000mm程度の所定長にカットして使用してもよい。
造形材料は、ポリエステル系樹脂(A)と熱可塑性エラストマーとの混合樹脂組成物によって構成される。ポリエステル系樹脂(A)は、酸成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールを含むポリエステル共重合体である。ジオール成分としてエチレングリコールと併用される1,4−ブタンジオールは、ジオール成分中、30〜70モル%であるのが好ましい。1,4−ブタンジオールが30モル%未満または70モル%を超えると、ポリエステル共重合体のガラス転移温度が低下しにくくなる傾向が生じる。このポリエステル共重合体は、融点が130〜200℃程度であり、造形時に、3Dプリンターはポリエステル系樹脂(A)の融点以上の温度に設定する必要があるが、造形材料を構成するポリエステル系樹脂(A)の融点の上限を200℃以下とすることにより、3Dプリンターの設定温度を極めて高温状態にする必要がない。また、ポリエステル共重合体のガラス転移温度は50℃以下、結晶化温度は120℃以下であり、結晶化温度は、ガラス転移温度よりも20℃高いことが好ましい。このようなポリエステル系樹脂(A)を含む造形物をガラス転移温度以上に加温すると、容易に形状変更が可能となり、ガラス転移温度以上の温度下にて形状変更した後は、結晶化温度にて熱処理すると、結晶化が進み、高剛性の造形物となる。
このポリエステル共重合体には、本考案の目的を損なわない範囲で他のモノマー成分を含んでもよく、ジカルボン酸では、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、ε−カプロラクトン等が挙げられ、ジオール成分では、ジエチレングリコール、プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、これらの成分を適宜用いることにより、結晶性、剛性、温度特性などの性状を調整することが可能である。
熱可塑性エラストマーは、造形材料および3Dプリント後の造形物に柔軟性や耐割れ性を付与する役割を担うものであり、上記したポリエステル系樹脂(A)の結晶性が高いため、繰り返し加熱や経時によって結晶化が進行した場合でも、造形材料や造形物が割れにくいものとなる。特に、ポリエステル系樹脂(A)のみでは靱性が低く、造形材料を取扱う際に、屈曲負荷や捩り負荷で破損する恐れがあるが、熱可塑性エラストマーが混合されることにより、造形材料としての靱性も改善されるため、取扱い性に優れるものとなる。
熱可塑性エラストマーとしては、エステル系、アクリル系、オレフィン系、スチレン系、ウレタン系、ナイロン系などエラストマー樹脂を、単独または混合して使用してもよい。また、ポリエステル系樹脂(A)との相溶性を向上させるために、無水マレイン酸基、アクリル酸基、アクリル酸エステル類、フマル酸エステル類、エポキシ基、グリシジル基などを主鎖に共重合させたものや側鎖にグラフト重合させた熱可塑性エラストマーを使用してもよい。熱可塑性エラストマーが融点を持つ場合は、130〜200℃の間であることが好ましく、明確な融点を持たない場合は少なくとも200℃で溶融流動性を有することが好ましい。また熱可塑性エラストマーのデュロD硬度(JIS K6253−1993)は40以下が好ましい。
造形材料を構成する混合樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して熱可塑性エラストマーの混合比は1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。1質量部未満では、本考案が目的とする柔軟性や耐割れ性の改善効果が得られにくい。20質量部を超えると、ポリエステル系樹脂(A)の持つ温度特性(加温変形性、形状固定性)が発揮し難くなり、また、ポリエステル系樹脂(A)と均一に混合しにくくなって、混練不良による線状体の線径異常が起こり易い。
造形材料を構成する混合樹脂組成物は、上記したポリエステル系樹脂(A)と熱可塑性エラストマーに加えて、第3の熱可塑性樹脂を混合してもよい。なお、第3の熱可塑性樹脂を混合する場合、本考案の目的であるところの加温変形性を保持するためには、混合樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂(A)の配合量は60質量%以上とし、好ましくは80質量%以上とする。混合する第3の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリウレタン系樹脂などが挙げられ、単独で又は複数種をブレンドしてもよい。例えば、第3の熱可塑性樹脂として、明確な融点(結晶融点)を有しない非晶性のポリエステル系樹脂(B)を混合することにより、造形材料の結晶性を調整することができる。すなわち、造形材料を構成するポリエステル系樹脂(A)が高い結晶性を示すものであることから、非晶性のポリエステル系樹脂(B)を適量混合することにより、得られる造形物の結晶化の促進を遅延させ、割れにくくできる。ポリエステル系樹脂(B)としては、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコールを含むポリエステル系樹脂が挙げられる。
また、本考案の造形材料には、クロミック性を付与してもよい。クロミック性は、熱、光、電気、溶媒和、圧力などが加わることにより変色する性質であり、造形材料および造形物に意匠性を付与することができる。特に、造形材料にサーモクロミック色材を含ませて、ポリエステル系樹脂(A)の形状変更可能な温度とサーモクロミック色材の変色温度を揃えると、造形物の部位ごとに温度状況を視認することができ、意匠性が付与されるだけではなく、加温不十分の部位を誤って変形させようとして割ってしまう恐れを減らすことができるため好ましい。
クロミック性は、クロミック色材をポリエステル系樹脂(A)に含ませることにより、達成できる。クロミック色材としては、熱であればサーモクロミック色材(例えば、ハロゲノ錯体、ジニトロジアンミン銅(II)錯体、エチレンジアミン類ニッケル(II)錯体、サリチルアルデヒド類錯体、ポリペプチド類のコレステリック液晶、ロイコ染料)、光であればフォトクロミック色材(例えば、アゾベンゼン・スピロピラン・ジアリールエテン)、電気であればエレクトロクロミック色材(例えば、ビオロゲン系化合物、酸化タングステン)、溶媒和であればソルバトクロミック色材(例えば、2,6−ジフェニル−4−(2,4,6−トリフェニルピリジニオ)フェノレート)、圧力であればピエゾクロミック色材(例えば、金属−ジオンジオキシマート錯体)が挙げられる。これらのクロミック色材は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
クロミック色材の粒径としては、ポリエステル系樹脂(A)中に良好に含有でき、3Dプリンターで造形する際にノズル閉塞などのトラブルが生じないことを考慮して、最大径は100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下が好ましい。また、下限は、取り扱い性から、0.01μmがよい。また、クロミック色材には、ポリエステル系樹脂(A)との混練性や分散性、耐熱性を調整するための加工や表面処理(例えば、コーティング、マイクロカプセル化、プラズマ処理、マスターバッチ化)などを施してもよい。
ポリエステル系樹脂(A)中に含ませるクロミック色材の比率は、材料の比重や相性、含ませる際の混練方法、クロミック色材の粒径によって適宜設計すればよいが、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して0.01〜10質量部がよい。
造形材料を構成する混合樹脂組成物中には、クロミック色材以外に、本考案の目的を阻害しない範囲において、染料、顔料、蛍光色素、蓄光顔料、相溶化剤、展着剤、滑剤、充填剤、酸化防止剤、光吸収剤、安定剤、難燃剤、pH調整剤、抗菌剤、防腐剤、保存料、香料、可塑剤、粘度調整剤、透明化剤、帯電防止剤、結晶核剤等の添加剤が含まれてもよい。
造形材料(線状体)の形態は、単相の形態であっても、また、芯鞘型やサイドバイサイド型など、複数の相を複合化した複相の形態でもよい。複相の形態の造形材料を得る方法としては、複合ノズルを用いて溶融押出する方法、コーティングにより複相とする方法、複数本の線状体を圧着・接着・溶着などの方法で一体化する方法などが挙げられる。例えば、芯鞘型の線状体で構成される造形材料において、鞘部にのみクロミック色材などの着色材料を配合すると、造形材料やこれを用いて造形された物品の表面において十分な発色性を得ることができ、着色材料の使用量を抑えながら、より効果的にその機能を発揮させ、一方、線条体の物性、紡糸性、コストなどは良好に維持できる。
本考案の造形材料は、上記した混合樹脂組成物(原料)を溶融して、これを紡糸ノズルから押し出すことによって連続した線状体のものを得ることができる。例えば、原料を溶融紡糸法によって紡糸した後、延伸して混合樹脂組成物中のポリエステル系樹脂(A)を結晶化させて線状体を得る、あるいは紡糸した後に未延伸の状態で線状体を得る。未延伸の状態で得られた線状体を、後処理による熱処理で結晶化させてもよい。線条体は、延伸時に結晶化したものであるか、あるいは未延伸により得られた後に熱処理により結晶化したものであることが好ましい。多く普及している一般的な熱溶融積層型3Dプリンターにおいては、導入された造形材料はノズルヘッド近傍で受熱することから、本考案の造形材料は変形温度が低いため、造形材料におけるポリエステル系樹脂(A)が結晶化していない場合、ノズル内壁との接触抵抗が増えて吐出不良を起こすなどのトラブルを招く恐れがあるからである。
本考案の造形材料によれば、3Dプリント適性があり、取り扱い性がより良好であり、3Dプリント造形時における屈曲負荷や捩り負荷によっても損傷しにくく、また、3Dプリント後の造形物においては、加温変形と形状固定を繰り返し行えるうえに、変形作業中の負荷によって割れが生じにくい。
本考案の造形材料は、加温変形性を有する3Dプリンター用材料の柔軟性や耐割れ性が改善したものであり、3Dプリントして得られる造形物は、治工具、固定部材、インテリア、装飾品、アート作品、添え木、装具、スプリント、フェイスガード、マスクなどに効果的に適用でき、変形と形状固定を繰り返し行っても耐久性が良好であることから、付加価値の高い造形物となる。
本考案の線状体の造形材料(1)を示す概略斜視図である。造形材料(1)は、連続しており、リール(2)に巻かれている。
本考案について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、物性は下記の方法により求めたものである。
融点(℃)、ガラス転移点(℃)、結晶化温度(℃)
示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−60)を用いて、サンプル3mgを入れて、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、昇温曲線を得る。この昇温曲線の低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が、最大になるような点で引いた接線との交点の温度を求め、これをガラス転移温度(℃)とした。また融解曲線における発熱ピーク(結晶化ピーク)の頂点の温度を結晶化温度(℃)、吸熱ピーク(融解ピーク)の頂点の温度を融点(℃)とした。
実施例1
ポリエステル系樹脂(A)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃、ガラス転移点45℃、結晶化温度110℃)100質量部に対し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱ケミカル社製 商品名「テファブロックA1900N」)を5質量部添加したもの(混合樹脂組成物)を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃でノズルから紡出したポリマーを水冷して引き取り、巻き取ることなく200℃のオーブンヒーター内を導通させながら3.5倍の延伸を行い、直径1.75mmで延伸してなる線状体を得た。
実施例2
ポリエステル系樹脂(A)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃、ガラス転移点45℃、結晶化温度110℃)100質量部に対し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱ケミカル社製 商品名「テファブロックA1900N」)を5質量部およびクロミック色材(松井色素化学工業所社製 商品名「クロミカラーPE Conc BWグレード #37 F−0」)1質量部を添加したもの(混合樹脂組成物)を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、未延伸にて、ストランド状物を得た。次いで、該ストランド状物を熱風乾燥機に導入し、無荷重の状態で75℃にて60分間の熱処理を行い、空冷して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。
実施例3
ポリエステル系樹脂(A)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃、ガラス転移点45℃、結晶化温度110℃)100質量部に対し、ウレタン系熱可塑性エラストマー(BASF社製 商品名「エラストラン1180A」)を5質量部、第3の熱可塑性樹脂であるポリエステル系樹脂(B)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸34モル%、イソフタル酸16モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点なし、ガラス転移点70℃)を10質量部とを添加したもの(混合樹脂組成物)を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、未延伸にて、ストランド状物を得た。次いで、該ストランド状物を熱風乾燥機に導入し、無荷重の状態で75℃にて60分間の熱処理を行い、空冷して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。
実施例4
ポリエステル系樹脂(A)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃、ガラス転移点45℃、結晶化温度110℃)100質量部に対し、さらにポリエステル系樹脂(A)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸43モル%、ε−カプロラクトン7モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点160℃、ガラス転移点30℃、結晶化温度75℃)を15質量部、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱ケミカル社製 商品名「モディック GQ331」)を5質量部、第3の熱可塑性樹脂であるポリエステル系樹脂(B)としてポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸34モル%、イソフタル酸16、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点なし、ガラス転移点70℃)を20質量部とを添加したもの(混合樹脂組成物)を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、未延伸にて、ストランド状物を得た。次いで、該ストランド状物を熱風乾燥機に導入し、無荷重の状態で75℃にて60分間の熱処理を行い、空冷して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。
比較例1
ポリ乳酸樹脂(比重1.24、融点165℃、ガラス転移温度60℃、結晶化温度110℃)のみを用いて、実施例1と同様にして、エクストルーダー型紡糸機にて溶融紡糸し、延伸せずに、直径1.75mmの無色の造形材料を得た。
参考例1
ポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃、ガラス転移点45℃、結晶化温度110℃)のみを用いて、実施例1と同様にして、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。
<耐割れ性の評価:歪4mm時の中間荷重>
3Dプリンター(XYZ printing社製の3Dプリンター「Davinci Pro」)に、実施例1〜4および比較例1、参考例1の造形材料を導入し、X:10mm、Y:60mm、Z:4mmの充填率100%の造形物をノズル温度220℃で造形した。得られた実施例1〜4および比較例1、参考例1の造形材料からなる造形物(未処理品)について、万能試験機(島津製作所製、オートグラフAG−I 50kN)を用いて、支点間距離24mm、試験速度10mm/分にて三点曲げ試験を行い、歪み4mmでの荷重値を測定し、この荷重値について、試験片n=3の平均値を中間荷重値とした。ただし、歪み4mmに至るまでに、試験片が割れ等により破断した場合は、歪4mmでの中間荷重値は「0」とした。
また、得られたそれぞれの造形物を、熱風乾燥機(設定温度90℃)中で20分間の熱処理を行い、その後、取り出して室温まで徐冷した(なお、この20分間の熱処理は、造形物を構成する樹脂の結晶化をより加速させるために行ったものである。)。熱処理が施された造形物(熱処理品)について、前記した耐割れ性の評価を、万能試験機を用いて行った。
<弾性率>
前記した万能試験機を用いた三点曲げ試験において、試験片が破壊する際の最大荷重を測定し、三点曲げ試験による最大曲げ強さの測定で得られた歪−曲げ荷重曲線から、初期勾配により初期曲げ弾性率を算出した。なお、算出は次式により行った。
初期曲げ弾性率(MPa)=[初期勾配×(24mm)3]/[4×10mm×(4mm)3
それぞれの評価結果を表1(未処理)、表2(熱処理後)に示す。
表1,2から明らかなように、本考案の実施例1〜4の造形物は、結晶化前の未処理品と熱処理品とのいずれにおいても、荷重が負荷されても破断することはなく、耐割れ性を有するものであった。したがって、本考案の造形物は、熱処理による脆化を抑制できており、繰り返しフィッティングする上での耐久性が高いことが分かった。
一方、ポリ乳酸からなる比較例1の造形物は、未処理品も熱処理品のいずれも、荷重が負荷されることによって破断した。これは、ポリ乳酸からなる造形物が、脆性が高く、変形を行う用途への使用は難しいことを示すものであった。
参考例1の造形物は、未処理品は荷重の負荷によって破断しなかったが、結晶化をより加速させた熱処理品は、荷重の負荷により破断した。



1:造形材料
2:リール

Claims (6)

  1. 直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体はポリエステル系樹脂(A)および熱可塑性エラストマーとの混合樹脂組成物によって構成され、
    該ポリエステル系樹脂(A)が、酸成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールを含むポリエステル共重合体を主成分とするポリエステル系樹脂(A)であり、
    混合樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、熱可塑性エラストマーが1〜20質量部の割合で混合されていることを特徴とする造形材料。
  2. 1,4−ブタンジオールは、ジオール成分中、30〜70モル%の比率で存在することを特徴とする請求項1記載の造形材料。
  3. 造形材料を構成する混合樹脂組成物が、ポリエステル系樹脂(A)と熱可塑性エラストマーに加えて、第3の熱可塑性樹脂が混合されたものであり、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、第3の熱可塑性樹脂が1〜30質量部の割合で混合されていることを特徴とする請求項1または2記載の造形材料。
  4. 第3の熱可塑性樹脂が、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとを構成成分とするポリエステル系樹脂(B)であり、該ポリエステル系樹脂(B)は結晶融点を有しない非晶性であることを特徴とする請求項3記載の造形材料。
  5. 前記の線状体がサーモクロミック色材をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の造形材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の造形材料を用いて得られる造形物。
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